JP3660707B2 - 青果物の選別方法及び装置 - Google Patents

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    • B07C2501/009Sorting of fruit

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は青果物の選別方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
[発明の背景]
従来から、青果物(農産物)を選果する選果場(一般に、生産者から持ち込まれた青果物を所定の選別項目に従って選別し箱詰め包装して出荷する一連の作業を行なう集・出荷場を「選果場」という)では、青果物の収穫時期に臨時作業者を多数動員して短期的な労働集約型の選別作業が行なわれてきていたが、近年は臨時作業者の確保が次第に困難になってきているという事情や、青果物選別のための階級,等級要素等の数値を機械的,自動的に計測して判定する装置の開発,発達、箱詰め装置等の自動化、特にコンピュータ技術の発達により、選果作業の多くの部分を機械装置で代替することが一般化しつつある。しかし究極的な無人化設備は現在までのところ実現されておらず、労働集約型の作業と機械装置による自動化作業を組み合わせて行なわれているのが現状である。
【0003】
ところで、青果物は生鮮食料品であるから青果物の選別処理を迅速に行なうという要望がある一方において、他方には、青果物は取り扱いによっては傷み易いものであるから粗雑,乱暴な取り扱いは避けなければならないという問題があり、また更に、青果物は一般に収穫量が通年に一定でなく季節的に大きく偏るものであるから上記機械装置等の稼動率は低くこのような稼動率の低い機械装置等のために大規模設備を準備することは設備費等の経済面からの制約もある。
【0004】
上記のようなことから、選別作業の一部を機械装置で代替した選果場設備を計画するにあたっては、作業者の就労時間帯や、青果物の収穫ピーク時の搬入数量、計測判定する機械装置等や箱詰め機械等の処理能力等を考慮して設備規模が設計されている。
【0005】
[従来の技術]
従来、青果物を選別して箱詰め包装し出荷する選果場においての工程(選別ライン)は、一般に、荷受け(青果物の選果場への入荷)−選別のための計測−仕分け作業−箱詰め作業、という手順で構成されており、このような青果物の選別作業をできるだけ機械化,自動化するための工夫は、上述した背景的な事情を考慮しながら従来から種々提案されている。
【0006】
例えば、上記の選別ラインを構成する従来の選別装置の一つとして知られているバケットコンベア式の選別装置(実公昭62−38789号、特公平2−34674号等)では、コンテナ等で選果場にバラ積み入荷された青果物を、回動するコンベアに連結したバケットに作業者が一つづつ供給して(載せて)、搬送中に所定の計測(例えば重量計測や大きさ計測等の階級計測や、熟度,色,傷有無等の等級計測)を行ない、計測結果に基づいてコンピュータにより各青果物の選別ランクを判定し、階級別,等級別に設定された所定の排出位置でバケットを傾動,回動させて青果物を各ランク別の仕分けラインに排出する作業が行なわれている。
【0007】
しかしこの方式の選別装置は、リンゴやトマトなどのように傷み易い青果物の選別には適してないという問題がある他、大量の青果物を選別処理するには設備的にいくつかの不利な面がある。例えば、一連の無端コンベアで回動するバケットに作業者が手作業で青果物を一つづつ供給するものであるために、ラインスピード(バケットの移動速度)をあまり高く設定すると供給作業の負担が大きくなりすぎ、作業者の能力によっては供給抜けが生じていわゆる空バケットが回動する非能率的な作業を招いてしまう。また、ラインスピードを上げられないことから、収穫ピーク時の処理量に見合うようにラインを多数条設置して処理能力の向上を図ることが考えられるが、このようにすると通年的には稼働率の低い設備の費用負担が一層大きくなり、またライン数に応じて作業者を多数確保しなければならず、近時の作業者確保が容易でない現状に合わない。
【0008】
このようなバケット式の選別装置に代わるものとして、コンベア上をフリーな状態で搬送されるトレーに各一個宛の青果物を載せ、所定の選別要素についての計測は上記バケット式と同様に搬送途中で行ない、計測結果に基づく判定結果に基づいて、階級別に設定された所定の排出位置でトレーごと仕分けラインのコンベア(以下「仕分けコンベア」という)に排出するという、一般にフリートレー式と称される選別装置も知られている(特開平3−229676号、特開平4−322778号等)。
【0009】
このフリートレー式の選別装置では、作業者によるトレーへの青果物の供給手作業(トレーに青果物を載せる作業)と、計測ライン(計測装置を設けた搬送コンベア;以下「計測コンベア」という)上でトレーを搬送させながら所定の階級要素等を計測する作業とが、一方の作業スピードが他方に直接影響するというようなリンクした関係にないために、その分、設備設計上の柔軟な対応ができる利点がある。例えば、トレーに青果物を載せる手作業はトレーを集積した状態で行なえるので、この集積部から導かれたトレーを搬送する計測コンベアの条数やラインスピードは、途中に設置される計測装置等の能力に応じて決めることができるという柔軟性がある。
【0010】
またこのフリートレー式の選別装置では、供給と計測の関係だけでなく計測と仕分けの関係でも利点が得られる。つまり、上記バケット式の選別装置では、例えば等・階級の総合判定のランク付けが10段階あれば、この10段階夫々に排出される青果物のために仕分けランク毎の貯留スペース(プール)が必要になり、しかもプールの大きさは、選果場に入荷した青果物の仕分けランクが一部のプールに極端に偏って集中した場合でも箱詰め処理に支障をきたさない程度のバッファ能力が必要になる。その結果としてランク数が多くなるほど設備の平面的な規模が極めて大きくなってしまうとか、実際の稼働時に使用されていない空間が相当に大きくなるとかの問題を招く。これに対し、フリートレー式の選別装置は計測コンベア,仕分けコンベアとトレーが連結してない関係にあるので、一部仕分けランクに青果物が集中することが予想されても処理能力に限界のある箱詰め装置の直前に夫々プールを設けることなく対応できる利点がある。例えば、等・階級の総合判定で上記のように10段階のランク付けがされた場合を考えると、このうちの等級判定結果だけで区別される青果物群(したがって階級判定結果の異なる青果物が混在する群)を一時的に貯留する中間プール(例えば2等級であれば2プール)を設けることができるので、この中間プールの下流に設ける階級別(例えば5階級で5条)の仕分けコンベア及び箱詰め装置の一部を、青果物が集中するランクの処理に転用して用いるとか、中間プールのトレー滞留状態に応じて計測コンベアのラインスピードを調整するとかの対応ができる。また、上記のような等級による一次仕分けと階級による二次仕分けの間に中間プールを設けるだけでなく、装置能力等に由来する計測と仕分けの許容ラインスピードの違いが相互に影響しないように一次仕分けの前段に、計測済青果物のトレーをランダム貯留するプールを設けることもできる。
【0011】
このように、フリートレーを二次仕分け前あるいは一次仕分け前にランダムプールできるフリートレー式選別装置の上述した特徴を利用することで、上記バケット式選別装置のような仕分け区分別の箱詰め装置の直前にプールを夫々設ける必要がなくなり、選果場設備の平面的規模を小さくできる利点が得られる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述のようにフリートレー式の選別装置には種々の利点があるものの、更に以下のような課題を解決するためには検討すべき点が多い。
【0013】
例えば、選果場設備を設計するにあたっては、様々な地域の消費地市場や店舗,消費者などから求められる異なる要望に迅速に対応できること、特に、選別ランク別の出荷が求められる出荷形態や、青果物のできるだけ速やかな供給(新鮮商品の提供)に対応できることが望まれるという基本的課題がある一方で、例えば熟度の進んだ青果物を優先出荷するような柔軟な対応を可能とすることも求められる場合がある。しかし商品価格はできるだけ安価であることも求められるから、選果場設備を単純に機械化,自動化するために大型で高価な設備を導入しても、それが商品コストに影響してしまえば実際の要望には全くそぐわない。
【0014】
本発明は上記のような背景的な技術状況や、従来提案されている技術、更にはこれらの技術状況の下で要望されている課題にしたがって、設備的な負担をできるだけ低減しながら上記要望を効率よく実現できる新規な青果物の選別方法、装置を提供することを最も基本的な目的としてなされたものである。
【0015】
また本発明の別の目的は、可能な範囲でできるだけ手作業の処理を除いた無人化作業を実現し、作業者の確保が容易でない現状に対応できる望ましい青果物の選別方法、装置を提供することを目的とする。
【0016】
また更に本発明は、従来の選果作業の考え方を一新して、労働集約型の作業に対して、計測作業や箱詰め等の梱包作業を機械化,自動化し、特に作業者による手作業を行なう時間帯とはきりはなして、長時間の自動化作業(例えば終夜自動運転等)を可能として装置の効率的な運用、したがって導入設備の小型化、低廉化を実現できる新規な青果物の選別方法、装置を提供することを目的とする。
【0017】
更にまた本発明の別の目的は、生産者−選果場−市場という流通過程での従来の作業負担を一部に偏らせずに、選果場における労働集約型の作業を実質的になくすことができて、従来にない実質的な無人,自動化した一連作業を実現できるようにした新規な青果物の選別方法及び装置を提供するところにある。
【0018】
本発明の他の目的は、従来の選別装置に比べて、傷み易い青果物についても好適に利用できる新規な青果物の選別方法及び装置を提供するところにある。
【0019】
本発明の更に他の目的は、従来の選果場では全く対応できなかった複数品目,複数品種の青果物の同時入荷選別処理を可能とした新規な青果物の選別方法及び装置を提供するところにある。
【0020】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明の上記目的は、上記特許請求の範囲の各請求項に記載した発明により達成される。
【0021】
本発明の目的を実現する青果物の選別方法は、請求項1に記載したように、搬送コンベア上を連続的に搬送されるトレーに収容した1又は複数の青果物を仕分けるための選別情報を得る計測工程と、上記計測工程を経た上記トレーが上記搬送コンベアで個々の番地を認識できるトレーの収容棚を多数備えた倉庫に向けて搬送され、該トレーを該倉庫の空の収容棚に一時的に収容する一時貯溜工程と、1又は複数の青果物が収容された上記トレーの固有の識別情報、当該トレーの収容位置に対応して1又は複数の青果物の選別情報及び当該トレーが収容される収容棚の番地情報を記憶部に記憶する記憶工程と、上記記憶部に記憶した上記収容棚の番地情報,上記青果物の選別情報,上記トレーの固有の識別情報の少なくともいずれか一つの情報を検索項目として、この検索項目に該当する青果物を載せたトレーを該倉庫から搬出コンベアに搬出させる搬出工程と、上記搬出コンベア上を搬送されるトレーに収容された青果物を検索項目に対応した梱包位置で梱包箱に箱詰する箱詰工程と、を有し、上記計測工程から上記一時貯溜工程までの作業と上記搬出工程から上記箱詰工程までの作業とを切り離し、上記トレーを上記倉庫に搬送し収容する一時貯溜工程と並行して、あるいは搬送される上記トレーを上記倉庫へ搬送し収容する一時貯溜工程の全てが終了後に、上記搬出工程を実行させることを特徴とする。
【0023】
本発明において対象となる青果物は、仕分け選別を行なうものであれば特に限定されることはなく、例えばミカン,リンゴ等の種々の果実、キュウリ,ナス、トマト等のそ菜類を挙げることができる。
【0024】
この請求項1の発明により以下の作用が得られる。すなわち、この発明の選果方式であるフリートレー式の利点が得られることに加えて、青果物を選別するための大きさ,形状等の階級判定要素、あるいは熟度,色,傷有無等の等級判定要素(以下これらの少なくとも一方のみの場合を含めて便宜的に「等階級判定要素(選別要素)」という)を計測済の青果物を倉庫に一時貯留するので、青果物が選果場に入荷してから所定の選別情報を求めるために等階級判定要素を計測する作業と、選別情報によりランク付け(順位付け)された青果物をランク別に梱包する作業とをきりはなすことができて、後段の仕分け梱包作業を、機械化,自動化が一般化している従来技術を利用して例えば長時間の自動化運転(例えば終夜自動運転)を可能にできる。また更に、倉庫の収容棚に搬入した各トレー上の青果物についての選別情報や、各トレーが収容されている収容棚の番地情報、各トレーを識別するための情報(トレー識別情報)を利用して適宜の優先処理が実行できる。
【0025】
この優先処理の具体的な例としては、例えば、選果場に搬入される青果物が単一品目でなく複数の品目(例えば、キュウリとナス)の場合や同じ品目の中の異なる品種(リンゴの富士と紅玉)の場合であっても、これらの品目や品種の情報を例えばトレー識別情報と共にコンピュータに登録しておけば、品目キュウリを検索項目としてトレーを搬出させる優先処理、あるいは品種紅玉を検索項目としてトレーを搬出させる優先処理ができ、また更に、選果場に入荷した時間情報や生産者情報をトレー識別情報と共にコンピュータに登録しておけば、最先入荷青果物の優先処理もできるし、同時入荷された青果物を区別せずに所定の等階級判定要素の計測を行なった後に生産者別の仕分け梱包処理ができるなどの例を挙げることができる。なお、優先処理することに利用される検索項目は上記のものに限定されるものではなく、例えばトマト等においての小粒優先処理とか、熟度が進んだもの(完熟もの)優先処理、着色度の高いもの優先処理など、要望に応じた個別情報を管理することで実行でき、このような個別情報に基づく優先処理は、従来の選別方法では全く考えられてなく、また上記の倉庫を備えていない従来装置では実行できなかった方法である。
【0026】
上記方法において、検索項目として収容棚の番地情報を用いる場合としては、例えば倉庫の収容棚が仮に1〜1000の番号でありこれに青果物の入荷順にトレーを収容させた場合に、その入荷順序に従って仕分け処理する場合を例示することができる。
【0027】
また検索項目として計測した等階級判定要素(選別要素)に基づいて判定した青果物の選別情報を用いる場合としては、例えば青果物搬送用のトレーが青果物を一つ載せるものであるときは特定ランクの青果物だけを倉庫から一括搬出させて梱包処理する場合を例示することができ、またトレーが複数の青果物を載せるものである場合には、ある特定ランクの青果物の数が多いものから順次に搬出させて仕分け梱包処理する場合を例示することができる。
【0028】
検索項目としてトレー識別情報を用いる場合としては、例えばその識別情報中に生産者のコードを含めておけば、生産者別にトレーを倉庫から搬出させて仕分け梱包処理する場合を例示することができる。
【0029】
収容棚の番地情報,青果物の選別情報,トレーの識別情報のうちから選択する検索項目は上記のような夫々一例的に説明したものに限定されるものでないことは当然であり、適宜必要に応じた情報を検索項目とすることができる。
【0030】
本発明に用いるトレーは、識別可能な複数の区画夫々に青果物を一個宛載せるようにしたものを用いることができる。この場合には、各区画の青果物夫々について選別情報を検出しておくことが必要である。トレーの各区画の識別は、限定されるものではないが例えば個々の区画に設けた識別標識を検出するようにして行なうことができる。トレーが青果物を載せる区画を複数有するというのは、例えば一列や2以上の複数列に区画された青果物載置用の凹部を設けた構成のものをいう。
【0031】
またトレーとしては、青果物を一つだけ載せるものを用いることもでき、この場合には上述のように倉庫に搬入されたトレー上の青果物を、すでに検出済の選別情報により青果物を選択して特定ランク毎に搬出させて仕分け梱包処理することができる。そしてこのような方法を実行する設備にあっては、例えば1番目に等階級として「秀で大」の特定ランクで共通選別される青果物群を倉庫から搬出させて梱包処理し、次に2番目に「優で大」の特定ランクで共通選別される青果物群を倉庫から搬出させて梱包処理するという構成とすれば、倉庫からトレーが搬出されるコンベアには梱包処理のみを行なう装置を設けるだけで、従来のようなトレーを仕分けコンベアに分岐して排出する装置や仕分けコンベアそのものを不要とできる。
【0032】
本発明において青果物を選別するために用いられる上記の選別情報を代表的に列挙すれば、例えば、階級情報としては青果物の大きさ,形状等の計測結果に基づいて判定した階級判定情報、等級情報としては糖度,熟度,色,傷有無等を計測装置を用いた計測結果に基づいて判定した等級判定情報、青果物の品目,品種,生産者,入荷時間等の上記階級,等級判定情報以外の管理情報を挙げることができる。なお上記の等級判定情報には、機械的,自動的な判定が容易でない品質について作業者が目視で判定した結果を含ませることができる。
【0033】
これらの選別情報は、従来公知の計測手段(撮像手段やセンサ等)を用いて計測した結果、あるいは目視判断をキーボード等で入力した結果を、コンピュータに入力して所定の演算により求めることができる。またトレー識別情報は、トレー表面に表示した標識である例えばバーコードをバーコードリーダで読み取って得ることができる。青果物の品目,品種,生産者等の管理情報は、作業者がキーボード等で入力することもできるし、トレー識別標識に含まれておくこともできる。また入荷時間は、例えば計測処理時の時間情報を記録することで行なうとか、選果場への入荷時に生産者コードと入庫時間を記録することで行なうことができるがこれに限定されるものではない。
【0034】
倉庫のトレー収容棚の番地情報は、例えば立体的(3次元的)に構築される棚群の段、列、行を示すx,y,z座標により、コンピュータでいわゆる論理アドレスとして管理することができる。
【0035】
以上のようにして検出された種々の情報は、選別処理を管理するためのコンピュータの記憶部に記録される。したがって、例えば生産者から複数のキュウリを載せて選果場に入荷され、所定の計測処理、バーコードの読み取り等の処理が行なわれたトレーが倉庫の棚番号1の収容棚に搬入された場合とすると、コンピュータの記憶部には、倉庫の棚番号1の収容棚には、生産者Aの青果物キュウリの載ったトレーが収容されていること、そのトレー上に区画されて載っている例えば10個のキュウリの選別情報は、区画情報で識別される各々について秀−L,秀−2L,優−2M,・・・・・・・(秀,優は等級を示し、L,Mは階級を示す)であること、更には、必要に応じて記録されるように設けることができる入荷時間情報等を一連の関連情報として記録することができる。
【0036】
これにより、必要に応じてこれらの情報の中のいずれかを検索項目として梱包処理すべき優先順位を決めて倉庫から搬出させて梱包処理することができる。
【0037】
また倉庫に搬入させたトレーの搬出は青果物の選別要素の計測とは関係せずに行なえるので、例えばAM9:00〜PM5:00の間に青果物の入荷を受付け、梱包処理の作業を機械化,自動化しておけば入荷受付け時間とは関係なく終日あるいは終夜の長時間に渡って作業することができる。
【0038】
以上のような方法を実施する場合、特に青果物を複数搭載するトレーを用いる場合には、倉庫から搬出されたトレーを搬送するコンベアに対し、搬送されるトレーから該当する選別ランク別に青果物を取出して選別ランク別に準備された梱包容器に移載する移載手段(箱詰め装置等)を用いることが好ましい。一つのトレーに複数ランクの青果物が混在している場合には、青果物を分岐した仕分けコンベアにトレーごと排出させる方式は処理が複雑になるからである。
【0039】
本発明方法は、選果場内においてトレーを循環させる場内循環方式で実施することもできるが、生産者が青果物を選果場に搬入するコンテナとして兼用することで、トレーを生産者と選果場の間を循環して使用する生産者−選果場循環方式として実施することもできる。このような生産者−選果場でのトレー循環方式は、上述した倉庫へのトレー一時貯溜方式と共に本発明により提案される特徴の一つであり、従来の混載コンテナで入荷された青果物をトレーに手作業で載せる方式に比べて、作業者の数を大幅に削減することができる。
【0040】
本発明はまた、以上のような方法発明を実施するのに好適な選別装置を提供するものであり、その代表的な特徴は請求項の発明に示される。
【0041】
すなわち、請求項に記載の青果物の選別装置の発明の特徴は、搬送コンベア上を連続的に搬送されるトレーに収容した1又は複数の青果物を仕分けるための選別情報を得る計測手段と、上記計測手段を経た上記トレーが上記搬送コンベアで搬送され、個々の番地を認識できるトレーの収容棚を多数有すると共に、該トレーを適宜の収容棚に搬入するトレー搬入手段及び該トレーを該収容棚から搬出するトレー搬出手段を有する倉庫と、1又は複数の青果物が収容された上記トレーの固有の識別情報、当該トレーの収容位置に対応して1又は複数の青果物の選別情報及び当該トレーが収容される収容棚の番地情報を記憶部に記憶し、該記憶部に記憶した上記収容棚の番地情報,上記青果物の選別情報,上記トレーの固有の識別情報の少なくともいずれか一つの情報を検索項目として、この検索項目に該当する青果物を載せたトレーを該倉庫から搬出コンベアに搬出させる搬出制御手段と、上記搬出コンベア上を搬送されるトレーに収容された青果物を検索項目に対応した箱詰位置で梱包箱に箱詰する箱詰手段と、を有し、上記搬出制御手段は、上記倉庫へのトレーの搬入処理と、該倉庫から上記箱詰手段へのトレーの搬出処理とを切り離し、上記搬入処理と並行して、あるいは搬送される上記トレーを上記倉庫へ搬送し収容する搬入処理の全てが終了後に、上記搬出処理を実行させることを特徴とする
【0042】
上記構成において、収容棚を有する倉庫は、限定されるものではないが一般的には板やフレームなどを用いて、縦,横を複数列状に仕切り片面が開口した多数の空所(収容棚)を形成している棚ボックスを、間隔を空けて多数整列して構築したものを用いることができる。またこの倉庫の適宜の収容棚にトレーを搬入させるトレー搬入手段、あるいは搬出させるトレー搬出手段は、例えば一つの棚ボックスの片面に沿って上下動,横移動することで各収容棚に対面できるように設けられたリフターを用いて構成することができる他、横(水平)移動はコンベアで行なわせて上下動のみをリフターで行なうように構成することもできる。トレー搬入手段,トレー搬出手段は一つのリフターで兼用してもよいし、別々に設けてもよくまた一つの棚ボックスに対して複数設けてもよい。
【0043】
上記においては複数の青果物を載せる場合には平置き式のトレーが用いられる。「平置き式」とは複数の青果物を載せる区画が段でなく平に設けられていることをいう。また青果物を一つづつ載せるように仕切られている区画は、載せる青果物の種類にもよるが、壁等によって明確に仕切る構造に設ける他、載せた青果物が不用意に転がって移動しない程度に凹部を設ける構造、あるいはキュウリ,ナス等のように長手方向には転がることがない長物青果物を複数列に載せるトレーでは、隣接する列間の仕切りを単に線,色分け等で区画するようにしてもよい。
【0044】
トレーの上記仕切りは、仕切り部材をトレー本体に対して着脱可能に設けて、青果物を載せる区画の数や、区画の形状を変更できるすることもできる。このような仕切り部材の着脱のために、トレー本体に溝を設けたり、仕切り部材の一部と係合してこの仕切り部材がトレー本体から脱落しないように固定するストッパーをゴムやバネ等の弾性部材を介して取付けることにより構成することができる。更に、この着脱は、仕切り部材を弾性有する合成樹脂で形成し、この合成樹脂の弾性を利用してトレー本体に着脱させることもできる。
【0045】
トレーは複数の青果物を一列に載せるものであってもよいが、二列以上の複数列、好ましくは二列又は三列に設けたものが処理効率を向上させる上で適当である。複数区画の位置情報を得る方式としては、トレー内の各区画位置の近傍に番地を示す記号(例えば二列の場合に左右を示すR,Lの記号と何番目かを示す数字の組合せ等)を記して、この記号の読み取りにより位置情報を得る方式、あるいは定型のトレーを常に一定の姿勢で搬送させるようにして送り方向の先頭側から常に一定順序の番号付けをして位置情報とする方式等いずれの方式によってもよい。
【0046】
また、トレーには底部に開口を設けることもできる。この底部開口は、例えば下方から青果物を計測するための開口として利用され、あるいは、青果物を上方にリフトアップするための治具を下方から上動挿入するための開口として利用することができる。トレーは、品目,品種等により大小のある複数種類の青果物用に兼用できるように、仕切り部材を着脱可能として、青果物の載せ区画の数,形状を変更できるように設けることもできる。
【0047】
トレーを搬送するコンベアは、ベルト式,ローラ式等、トレーを自由に載置して搬送できるものであればその形式、構造は特に限定されるものではない。コンベアの上を搬送される個々のトレーを他と区別するには、例えばトレーにバーコード等の識別標識を設けて、これをトレー識別情報の読み取り検出手段により検出するように設けることができる。この方式によれば、トレーをランダムに搬送しても個々の識別が確実にでき、またトレー内の載せ位置情報に基づいて青果物個々を確実に特定できる。このようなトレー識別情報検出手段は、好ましい構成として、各トレーに固有のバーコード等の記号を記しておき、これをコンベアの前段や入口あるいは搬送途中に、倉庫の搬入口などの適宜の位置を選択して一又は複数の位置に配置した光学的読取り手段例えばバーコードリーダで読み取るようにした組合せのものを例示できるが、識別できるものであればその形式は問わない。またトレーに記すバーコード等の記号には、他の情報を併せて含ませておくこともでき、例えばトレーに載せられる青果物の個数(列数や一列の載置個数)の情報、生産者を特定する情報等を挙げることができる。
【0048】
上記選別要素の計測用コンベアは、重量,大きさ等の階級要素を計測する手段、例えばロードセル,秤,カメラ等の公知の計測手段や、糖度,熟度,色,傷有無等の等級要素を計測する手段、例えばセンサーカメラ,ビデオカメラ等の撮像装置、近赤外,赤外分光等の光学的,電磁気学的,力学的方法を用いた非破壊検査装置がコンベアの搬送方向に沿って配置され、その計測情報から所定の画像処理をする種々の演算手段(コンピュータ及びプログラム)等を組み合わせた計測手段として構成されるものであり、これらの構成には公知のものを採用することもできる。またこの選別要素の計測用コンベアには上記各計測装置と共に、あるいは上記の計測装置に代えて、作業者が目視によって等級を判別して等級入力装置例えばキーボード等の入力手段でその判別結果を入力するように設けることもできる。以上の階級・等級要素の計測手段は、必要に応じて一つあるいは複数設けることができるのは言うまでもない。
【0049】
上記の選別要素計測手段により計測された選別要素情報と各青果物の位置情報とによって、各フリートレーに載せられた個々の青果物の選別仕分け分類(選別ランク)が、コンピュータに設けた演算部としての判定手段により、予め定めた基準に基づいて例えば2L,L,M,S等の大きさによる階級と、秀,優,良,可等の等級とで分類して決められる。
【0050】
また搬送コンベアには、必要に応じて種々の装置等を付帯させることもできる。例えば、上記の計測手段による計測時あるいは倉庫への搬入時にトレーの標識を読み取るための読み取り手段を適宜の位置に設けることや、上述したようにトレーを生産者と選果場の間で循環させるようにする場合には、選果場に段積み状態で入荷されたトレー群をコンベア上に手作業で一つずつ送り込むことに代えて、この作業を自動的に行なうための段バラシ装置を設けることができる。
【0051】
上記倉庫のトレー搬出手段に連係して設けられる搬出コンベアは、トレーが青果物を一つ載せる形式である場合と、青果物を複数載せる多収納型形式である場合とで、適当する構成を必ずしも同じくするものではない。例えば、トレーが複数の区画に青果物を夫々載せる形式の場合には、梱包用コンベアは、一つ(あるいは複数)の特定された選別ランクに該当する青果物を、該コンベア上を搬送されるトレーから該当する選別ランク別に取出し、選別ランク別に準備された梱包容器に移載することができる移載手段を有するように設けることが好ましい。このような移載手段としては、例えば、上方から吊下した上下動及び水平移動が可能な吊杆の下端真空チャックで青果物を吊持する吸引式のものを例示でき、このような吊杆を多数備えて同一トレー内の同一選別ランクに分類される青果物を一度に取出す方式の移載手段(取出しと箱詰めを行なう手段)を用いることが好ましい。
【0052】
この移載手段は、一台を用いて複数の仕分け分類(選別ランク)の回数だけ複数回動作させることもできるが、生産性向上の上からは、コンベアに沿って各選別ランク別に専用の移載手段を設けることが好ましく、このようにすれば、移載手段をそのまま青果物の箱詰め装置(梱包容器への梱包手段)として兼用できる。すなわち、個々のランク別仕分け専用の箱詰め装置によりトレーから取出した青果物を、近傍に準備されている特定ランク用の梱包箱や袋に直接収納させるようにして、所定の等階級にランク付けされた青果物の梱包を作ることができる。本発明において用いられるトレーが青果物を一つ載せる形式である場合には、倉庫に搬入されている各青果物を、上述したようにその選別情報に基づいてランク毎に搬出させることができるので、そのランク毎の青果物は一群のものとして選択して移載する必要がなく単純な移載手段を用いることもできる。
【0053】
本発明のより好ましい態様としては、上述したように上記トレーを生産者から選果場に青果物を搬入するコンテナに兼用する場合を挙げることができる。このようにすれば、生産者が青果物をトレーに載せた後は、このトレーを取り扱うだけで青果物に直接触れることなくすべての選別仕分けの作業を行なうことができて青果物の取り扱い作業数を少なくして傷を付ける虞れを軽減できると共に、定型のトレーを取り扱うために、従来の作業者による手作業でなく装置を用いた自動的な青果物の搬入受け入れ、コンベアへの搭載が可能となり、従来不可能であった選果作業の実質的無人化,自動化の実現ができる。
【0054】
このような構成のためには、上述したように搬送コンベアの始端部(その前段に設ける場合も含む)に、多数が段積状態になっているトレーを順次一つずつ上記コンベアに載せる段バラシ装置を設けることが好ましく、また梱包用のコンベアの終端部で、青果物がすべて取出された空のトレーを所定数段積みして生産者に戻す作業を容易化する段積み手段を設けることも好ましい。これらによって作業の自動化が一層有利となる。
【0055】
またこのような生産者を含めた循環方式でトレーを利用する場合には、トレーは、生産者から選果場に段積状態で搬入できるように、段積み状態を確実に維持できかつ収納した青果物に干渉しない段積積載用の係合部を設けておくことが好ましい。
【0056】
トレーを生産者との間で循環させずに選果場内で循環させる場内循環方式を採用する場合には、空トレーの循環戻しコンベアを設けることがよい。
【0057】
倉庫からトレーを選択的に搬出させるための搬出制御手段は、上述した種々の情報を記憶する記憶部と、予め設定された梱包順序、あるいは操作者の入力により指定された優先順序に従って、トレー搬出手段の駆動、移載手段の駆動等を行なわせるものであり、通常、コンピュータにより構成される。
【0058】
本発明においては、上記の構成に加えて更に、個々の番地を認識できる梱包容器の収容棚を多数備え、かつ青果物が収納された梱包容器を適宜の収容棚に搬入する梱包容器搬入手段及び該梱包容器を収容棚から搬出する梱包容器搬出手段を有する第2の倉庫と、該第2の倉庫から梱包容器を選択的に搬出させる搬出制御手段を設けることもでき、この第2の倉庫は、上記のトレーを搬入する倉庫と同様にして別体に構成させることができる他、上記のトレー用の倉庫と一体化して構成することもできる。この二つの倉庫を一体化して構成する場合には、例えば梱包容器を搬入する棚とトレーを搬入する棚を全く別に設けることもできるが、これらの棚の一部あるいは全部をトレー,梱包容器共用型とすることもできる。共用とする場合、梱包容器がトレーに比べて大きく、数は少ないのが普通であるから、一部の棚を共用型とすれば倉庫容積をより有効にかつコンパクトに利用できる。また、トレー搬入,搬出手段を梱包容器用に兼用してもよい。
【0059】
上記倉庫は、トレー場内循環方式のコンベアと組み合わせて空トレーを収容する倉庫として利用することもでき、これらの空トレー収納,青果物積載状態のトレー収納,梱包容器の収納の三つを兼用した倉庫とすることもできる。
【0060】
【実施例】
以下本発明を図面に示す実施例により更に説明する。
【0061】
実施例1
図1〜図12で示される本実施例は、例えば、図2,3に示したトレー1を用いて生産者がナスをこのトレー1に二列に多数収納して積載し、段積み状態で選果場に搬入して選別仕分けするか、あるいは、図28に示したトレーを用いて生産者がリンゴ,トマト等の丸物青果物を多数収納してこれを段積み積載し、選果場に搬入し選別仕分するようにした自動選別装置を示すものである。
【0062】
図1は、段積み状態で搬入されるトレー1をコンベア上に搬送させるトレーとしてそのまま用いて選別を行なう装置設備した選果場の全体システムの概要を示したものであり、この図において、110は、パネル112上に積載した段積み状態のトレー群111をトラックで選果場に搬入した荷姿型のトレーを示し、各段積みトレー群111はそのまま段バラシコンベア3に載せられるか、不図示の保存倉庫に一時収容した後順次に段バラシコンベア3に載せられる。
【0063】
本例の図2に示したトレー1は、ナスを二列に多数収納する型のトレーであり、上面が開放した矩形箱型をなしていて、波状の底部によって順次列状に10の横長凹部が形成された二列の載せ区画101,101を有する構造に設けられ、また該トレー1の四側面には、このトレーを識別するためのバーコードシール102が貼着されている。四つの側面(図面上に現われている二側面と裏側の二側面)に該シールを貼着しているのは、搬送方向や読み取り方向に限定されることなくバーコードを読めるようにしたためである。なお、図2のトレー1は二列の中央部に隔壁103を有する設けられているが、これは横方向に緩やかな山形突部としてもよいし、単に線を描記しただけであってもよい。
【0064】
図3は、生産者(農家)においてトレー1に選別対象であるナス2を各載せ区画101に載せた状態を示しており、本例では二列各10本で合計20本のナスがヘタの向きを揃えて載せられている。
【0065】
上記段バラシコンベア3は、所定のタイミングで段積みトレー群111を段バラシ装置301に送り込み、この段バラシ装置301により、ナスを多収納したトレー1を一つづつ選別要素の計測を行う計測用コンベア4に送り出すように設けられている。本例の段バラシ装置301は、図4に示すように、段積みされたトレー群111の下から2段目のトレー1の左右両側のフランジ下縁に支持腕302を係合させて、この2段目トレーより上のトレー群を最下段のトレー1から離すように上に持ち上げると共に、これとタイミングをとって該最下段のトレー1を次工程に送り出し、その後該2段目より上のトレー群をコンベア面303に降ろす、という操作の繰り返しにより段バラシを行うように設けられている。
【0066】
上記の段バラシ装置301により、一つづつにバラされたトレー1は、間隔を開けて計測用コンベア4上をトレーとして搬送され、その搬送途中に設けられた測定ステージ401において、計測装置である撮像カメラ421によりトレーの上面画像が撮像され、撮像結果は演算装置を有するコンピュータ5に送られて所定の画像処理を経て階級判定が行なわれる。なお撮像は、トレー全体を一括して撮像する方式や、トレーの搬送と同期してコンベア横方向にスキャンを繰り返す方式など、既知のいずれの方式も採用でき特に制限されない。
【0067】
なお本例の計測用コンベア4は、撮像カメラ421による撮像のためにトレー搬送を所定時間停止させる間欠駆動型に設けられている。また、説明の便宜上計測装置は一つのみ示したが、これに限定されることなく複数の計測装置を用いてもよく、例えば、後述の実施例2の図15で示すように符号402で示した位置の作業者が、トレー上の青果物の等級を目視で判定してその判定結果をキーボード431で入力して、上記撮像結果と合わせて選別要素とし選別情報を得るようにしてもよい。またトレーを上下反転させて他のトレーにナスを移し替えることで上下面を撮像するようにしてもよい。
【0068】
また測定ステージ401においては、バーコードリーダ411によりトレーを識別するために各トレーに貼着されているバーコードの読み取りが同時に行なわれる。
【0069】
これらにより、バーコード情報(トレー識別情報)と、これにトレー1の図2で説明した構成から左右の列の何番目のナスであるかという位置情報を加味して個々のナスが識別特定され、また上述のようにその位置が識別特定された個々のナスの選別情報が合わせて、コンピュータ5の記憶部に記録される。なお、本例におけるトレーはナスを20本載せているものであり、選別情報はこれらのナス夫々について求められる。図3(イ)の「B−L」等の記号はこのようにして得られた一例的な選別情報の状態を模式的に示したものであり、A,Bの記号は等級、2L,L,M,Sは長さを示す階級を示している。
【0070】
次に、測定ステージを通過したトレー1は、倉庫20に搬入される。この倉庫20の詳細は図5に示され、フレームや板材を用いて上下及び横方向に収容棚202,202,・・・が多数立体的に形成された棚ボックス201,201,・・・が所定の間隔を空けて構築され、この棚ボックス201の下部には上記計測用コンベア4とは直角にトレー搬入,搬出用コンベア203,203,・・・が設けられていると共に、このトレー搬入,搬出用コンベア203上のトレーを所定段位置の収容棚202に搬入させ、あるいは所定棚からトレーを搬出させるエレベータ(リフト)204が設けられている。このエレベータにはトレーを棚に押込み引出すための例えばシリンダ装置が搭載される。なお、計測用コンベア4から所定位置のトレー搬入,搬出用コンベア203にトレーを移行させるためのトレー分岐移行装置(図示せず)が設けられ、このトレー分岐移行装置、トレー搬入,搬出用コンベア203及びエレベータ204の駆動をコンピュータ5で制御することにより、バーコード情報で特定される所定のトレーが適宜の番地の収容棚202に搬入収容される。
【0071】
以上の作業が、選果場に入荷した全てのナスが倉庫に搬入されるまで繰り返して行なわれる。これによって、所定の番地で示される収容棚202にはどのトレーが収容されているかが、搬入時のトレー識別情報の管理で把握でき、同時にこの特定のトレーに載せられている全てのナスの選別情報も、トレー識別情報に関連した情報として把握でき、これらはコンピュータ5の記憶部に記録される。
【0072】
次に、上記のトレー1を倉庫20に搬入する作業と平行して、あるいは同作業が終了した後、倉庫20の各収容棚202からトレーを搬出し、準備された梱包箱に箱詰めする作業が行なわれる。
【0073】
トレー1を倉庫20から梱包用コンベア6に搬出する作業は、上記したトレーを倉庫20に搬入する作業と逆の作業で行なうことができる。すなわち、コンピュータ5で指定された所定番地の収容棚202からトレー1をエレベータ204上に引出して、トレー搬入,搬出用コンベア203上に降ろし、このトレー搬入,搬出用コンベア203の回動により梱包用コンベア6に移行させる。この時のエレベータ204、トレー搬入,搬出用コンベア203、図示しない移行装置の駆動は搬出制御手段としての機能を有するように設けられたコンピュータ5で制御される。そして本例の特徴は、この倉庫20からのトレー1の搬出順序を、適宜の情報を検索項目として利用することにより選択できるところにある。
【0074】
これを説明すると、例えば生産者から入荷されるナスを載せているトレーの識別情報(バーコード)に生産者コードを含めておけば、特定の生産者のナスを優先的に搬出させて梱包することができる。このようにすることで、複数の生産者から入庫されるナスを特に順序を考慮せずにランダムに計測処理して倉庫20に搬入させても、特定生産者のナスを随意に取り出すことができ、入荷時の作業の制約が少なくできる。また、計測用コンベア4上でトレーの識別情報(バーコード)を読み取る際に、時間(時計)情報を合わせて記録するようにしておけば、生産者とは無関係に入荷順序の先のものから優先的に搬出させて梱包することができ、これにより、常に新鮮なナスを市場に供給できる利点が得られる。更には、コンピュータ5の記憶部に記録されているナスの選別情報により、階級が特定ランクのものに極端に偏っているような場合には、後述する仕分け箱詰装置61 〜65 を、各ランク別用として一台づつ稼動させるのではなく、その偏ったランクのナスの梱包処理用に二台を使用し、量の少ないランク用としては、一台の仕分け箱詰装置を他のランクの処理と兼用する等の稼動状況を変更することも可能である。
【0075】
梱包用コンベア6の構成について説明すると、本例のこの梱包用コンベア6においては、例えば、ランクが五つある仕分け梱包のために複数の仕分け箱詰装置61 〜65 が沿設され、後述する所定の仕分け箱詰作業によってトレー内の全てのナスを取り出した後、図6に示すように、空のトレー1を順次に段積みする段積み装置7で重ねて空トレー群121とした後、パレットを載せてトラックで生産者に送り戻される。なお段積み装置7は、例えば搬送コンベア4からトレーが送り込まれることを検知するセンサー701と、このセンサーによるトレー送り込み検出毎に支持台702を一段づつ下方に下げる下降駆動装置(図示せず)等により構成される。
【0076】
次に、本例の特徴の一つである上記した仕分け箱詰装置61 〜65 について説明する。本例のこの仕分け箱詰装置は、図7に示すように、梱包用コンベア6と梱包箱801の供給コンベア8の上方にまたがるように配置され、図10,11に示すように真空チャック601を吊下した多数(図示例では図の煩雑を避けるために6個とした)の吊持杆602を有していて、これらの吊持杆602は、上端部603が上下一対をなす水平レール604,604にその軸方向移動自在に懸架されると共に、回転ワイヤー605に牽引されてトレーの搬送方向に位置移動可能に設けられて、図10に示すようにトレー1内の指定されたナスを取り出しできかつ図11に示すように梱包箱801に間隔を詰めて収納できるように設けられている。なお606は回転ワイヤー605を牽引回動させる駆動プーリ、607はパルスモータ等からなるプーリ駆動モータ、608は従動プーリであり、コンピュータ5から送られるの選別情報に基づいて、例えば、仕分け箱詰装置61 において仕分け箱詰する秀,2Lの等階級に分類されたナス2の位置に所定の真空チャック601を正確に移動させるように駆動する。なお、上記吊持杆602を牽引回動させるための機構である回転ワイヤー605、駆動プーリ606、プーリ駆動モータ607、従動プーリ608の各装置は、各吊持杆602に一つ対応する形式で設けられることによって、トレー1内の青果物の複数のいかなる組合せも取り出せるようになっている。
【0077】
また、トレー1からのナスの取り出しと梱包箱801への箱詰のために、梱包用コンベア6と梱包箱801の供給コンベア8の上方にまたがるように設けられている仕分け箱詰装置の上記真空チャック601〜プーリ駆動モータ607等は、仕分け箱詰装置の固定フレーム610内に梱包用コンベア6と供給コンベア8にまたがる方向(図7の左右方向)に移動可能に設けられたスライダー611に搭載されている。すなわち、図8及び図10に示すように、固定フレーム610のレール612との間に設けられたスライドシリンダー613と、反対側のレール614上を転動するコロ615とによりスライダー611の移動が可能に設けられ、このスライドシリンダー613の移動制御によって、トレーからのナスの取り出し位置と梱包箱への箱詰位置の間で移動される。なお、本例のスライダー611に搭載された吊持杆602の二列は、トレー1の青果物載せ区画101の二列と常に1対1に対応するように移動制御される必要はなく、例えば秀,2Lの分類のナスを取出す装置において、トレーの右列には全て(10個)秀,2L分類のナスが載りかつ左列には2個の秀,2L分類のナスが載っているとした場合、まずスライダー611の移動により右列6個の吊持杆602と左列2個の吊持杆602で合計8個のナスを吸着吊持し、次に左列の吊持杆602がトレーの右列に対向する位置にスライダー611を移動させて、残りの4個の吊持杆602に、トレー右列の4個のナスを吸着吊持することもできる。この状態は、図8のスライダー611が梱包用コンベア6に対して実線で示した真上に対向した場合と、鎖線で示した右又は左に一列分ずれて対向した場合とにより理解できよう。
【0078】
このような仕分け箱詰装置61 〜65 により、図12に示すように、梱包用コンベア6上を搬送されるトレー1は、例えば図12(イ)のように、第1の選別仕分け(例えば秀,2Lの分類)の段階では12本のナスが一度に取り出されて梱包箱に詰められ、次に第2の選別仕分け(例えば秀,Lの分類)の段階では図12(ロ)のように2本のナスが取り出されて合計12本のナスが一度に梱包箱に詰められるという作業を、順次各仕分け箱詰装置61 〜65 に渡って行い、選別仕分けを終了する。
【0079】
図1に戻って、本例においては、所定本数のナスを梱包した梱包箱801は梱包箱搬送コンベア9から上記した倉庫20に戻され、この倉庫20に設けられている梱包箱収容棚に搬入されるように構成した。これは次のことによる、すなわち、トレーから梱包箱に箱詰めする作業は以上の説明から分かるように実質的に全て機械化,自動化した状況で行なうことができるので、本例ではこれを終夜作業として長時間をかけて行なえるようにして、必ずしも能力の高い移載装置(取出し装置)を必要としない構成を採用し、これによって比較的時間のかかるトレーからのナスの梱包箱への移載を行なう移載装置の費用負担の軽減化を実現した。しかしこのような終夜作業を行なうことに伴って梱包済の箱を一時貯溜する必要が生じ、このために上記した構成を採用したのである。また上記梱包箱収容棚とトレーの収容棚202とを共用できるようにすることにより、梱包済の箱を空の収容棚202に保管することができ倉庫施設を有効に活用することができる。上記構成においては、梱包箱にその内容物の階級ランクを表示するのが普通であるから、この表示あるいは更に梱包箱表面にバーコード等の標識を付して、トレーの選択的な搬出と同様に、階級ランク別に梱包箱を搬出させるようにすることも好ましい。
【0080】
倉庫20から搬出された梱包箱は、排出コンベア10からパレタイザー11を経て選果場より搬出される。
【0081】
以上のような本例のナスの選別装置によれば、入荷するナス等の青果物の入荷処理作業、選別のための計測処理作業と、選別済の青果物をその選別情報等によって梱包処理する作業とを、内容的にも時間的にもきりはなして行なうことができるので、設備,装置の費用負担が大きくなり易い梱包装置等に、処理時間のかかる比較的処理能力の低いものを採用することが可能となって、選果場設備全体としての小型化、設備投資の低廉化が実現できる利点が得られる。
【0082】
また、本例の構成によれば、倉庫からトレーを搬出させるのに種々の情報を検索項目として利用できるので、適宜の要望に応じて特定の青果物を優先処理することもできる利点が得られる。
【0083】
更にまた、選果場において青果物搬送用のフリートレーとして使用されるトレーが、生産者から選果場を含めた循環サイクルに利用され、その結果として、選果場においては作業者が青果物を手作業で取り扱う必要がなくなって、選果場全体の自動化、実質的な無人化が可能になるという優れた効果が奏される。
【0084】
実施例2
図13〜図21で示される本実施例は、生産者が図14に示すコンテナ30にバラ積みして選果場に入荷した例えばリンゴを、二列に各4個収納するトレー1に作業者が手作業で載せ、選果場内においてトレーを循環して使用するようにした自動選別装置を示すものである。なお本例は、青果物リンゴを対象として説明するが、これはナス,トマト等であってもよいことは当然である。
【0085】
本例の特徴は、トレーを生産者との間で循環させるものではなく選果場内だけで循環使用する点において上記実施例1とは異なっており、これに付随関連する構成と梱包箱を一時貯溜する第2の倉庫12が倉庫20とは別に設けられている構成において、一部実施例1と異なっているが、その他の構成は実施例1と実質的に同じである。そこで共通する構成については同一の符号を付して説明は省略する。
【0086】
本例においては、図13に示すように、コンテナ30で入荷された青果物のリンゴ200を、符号403の位置の作業者により計測用コンベア4のトレーに手作業でトレー一つあたり8個載せる作業が行なわれる。
【0087】
そしてこのリンゴが載せられたトレー1は、実施例1と同様に、撮像カメラ421でその上面が撮像されて所定の階級要素に基づく選別情報が求められる。また計測時に同時にバーコードがバーコードリーダ411で読み取られた後、倉庫20の適宜の番地の収容棚に搬入される。
【0088】
このトレー1へのリンゴ200の搭載作業から倉庫20への搬入の作業は実施例1と同じであり、この作業は例えばAM9:00〜PM5:00の間に行なわれる。またこのようにして倉庫20に搬入されたトレー1が特定の番地に搬入されている収容棚の番地情報、そのトレーの識別情報及びこれの上に乗っているリンゴ200の選別情報、コンピュータ5の記憶部に関連した情報として記録されている点においても実施例1と同じである。
【0089】
次に、倉庫20から実施例1と同様に適宜の検索項目を用いてトレーが順次に梱包用コンベア6に搬出され、この梱包用コンベア6に沿って設けられている仕分け箱詰装置61 〜65 により、選別ランク別に準備されている梱包箱801に収納梱包される。
【0090】
また本例においては、図13に示すように、リンゴを取り出した後の空のトレー1′は、梱包用コンベア6の戻しライン6′により倉庫20に戻されて空いている収容棚に搬入されてプールされる。そしてこの倉庫20に戻された空のトレー1′は、必要に応じて計測用コンベア4の供給ライン4′に搬出されて、次の青果物を載せるために利用される。
【0091】
また所定の個数のリンゴ200が梱包された梱包箱801は、本例では排出コンベア900により一時貯溜する第2の倉庫12に収納され、適宜パレタイザー11を経て選果場より搬出される。
【0092】
なお図15は、符号402の位置の作業者が計測用コンベア4上を搬送されるトレー1上のリンゴ200を作業者が目視で等級判定する状況を示したものであり、判定結果は、キーボード431により入力されてコンピュータ5に送られる。なお、等級を目視で判定するのはこの方式に限定されるものではなく、例えば、図16に示すように符号403の位置の作業者が計測用コンベア4のトレーに手作業でリンゴを載せる作業を行なう際に、目視によって二つに等級分けした判定結果に従って載せ列を選択する方式でも行なうことができる。例えば図16の示例では搬送方向に向かって左側をA等級列、右側をB等級列として、判定結果に基づき載せる列を決めれば、特に入力手段を用いることなしに、後段の撮像装置などで載せ位置情報を得るだけで等級評価の情報はコンピュータ5に自動的に入力させることができる。
【0093】
本例によっても、選果場に入荷するリンゴ等の青果物の入荷処理作業、選別のための計測処理作業と、選別済の青果物をその選別情報等によって梱包処理する作業とを、内容的にも時間的にもきりはなして行なうことができるので、設備,装置の費用負担が大きくなり易い梱包装置等に、処理時間のかかる比較的処理能力の低いものを採用することが可能となって、選果場設備全体としての小型化、設備投資の低廉化が実現できる利点が得られる。
【0094】
また、倉庫20からトレーを搬出させるのに種々の情報を検索項目として利用できるので、適宜の要望に応じて特定の青果物を優先処理することもできる利点が得られる。
【0095】
図17〜図21は、上記実施例1の箱詰め装置と実質的に同じ構成の箱詰め装置61 〜65 を用いて、倉庫20から搬出されたトレー1上から特定の選別ランク毎にリンゴを梱包箱に箱詰めする作業を示しており、対象の青果物が異なる他は実質的に同じ作業が行なわれる。
【0096】
図22及び図23は、本実施例2(実施例1も同様)で説明したものとは異なる仕分け箱詰装置を示したものであり、これは例えば本出願人が特願平6−250593号で先に提案した方式の、真空チャック601′を吊下した多数の吊持杆602′を、一定の無端軌道650に沿って回動させながらトレー1に載っている所定ランクのリンゴを吊り上げ、梱包箱801に移載するように構成されている。
【0097】
このような構成の仕分け箱詰装置によっても本発明の青果物の自動選別装置を構成することができる。
【0098】
実施例3
図24及び図25で示される本実施例は、トレー1として図25に示した青果物を一つ載せる形式のものを用いている他は、他の装置等の構成は基本的に実施例2と同じであるが、このトレー1が青果物を一つ載せる形式のものであるために、梱包用コンベア6に沿設されている仕分け箱詰装置61 〜65 に代えて単純な箱詰め装置660を一つだけ設けてなっているという特徴がある。なおトレー1は矩形のに限定されることなく、例えば既知の平面丸型のものを用いることもできる。
【0099】
このように構成される理由は、例えば、倉庫に搬入された多数のトレー1の載っている青果物を、その等階級のランクを示す選別情報を検索項目として特定ランク群毎に搬出させることができるので、例えば、最初にA−2Lの青果物を載せたトレーのみを搬出させて箱詰装置660でA−2L用に準備された梱包箱に全て収納梱包し、次にA−Lの青果物を載せたトレーのみを搬出させて箱詰装置660でA−L用に準備された梱包箱に全て収納梱包し、という作業を各ランク毎に順次に行なうだけでよいからである。
【0100】
この図24で示したのは、本実施例3の原理的な構成を説明するためのものであり、必要に応じて他の構成を採用することもできる。例えば同一の箱詰装置を、倉庫20からの梱包用コンベアを複数に分岐してこれらの各コンベアに同一の箱詰装置をそれぞれ設備して稼動させることで、処理能率を向上させることも当然できるし、また実施例2の設備を設けた場合に、複数設けられている箱詰装置の一部のみを稼動させるようにしてもよいことは言うまでもない。
【0101】
本例によれば、実施例2で奏される効果が得られる他、選別ランク別の梱包処理も行なえるという効果がある。
【0102】
参考例
図26〜図29は、上記した各実施例に用いることができるトレーの変更した態様のものを示している。
【0103】
このうちの図26(イ)で示したトレー1は、底部に十字形の底部開口131を設けて、この十字形底部開口131から、図27に示すように下方からリフト部材の杆132を上動挿入させて十字形の座133により青果物をトレー上方に持ち上げて、照明装置134,撮像カメラ135を容易にすることができるようにした構造のものを示している。また図26(ロ)は、トレーの底部に円形の底部開口136を設けて、下方からの照明ランプ137の光を青果物に透過させて上方から撮像カメラ138で撮像することで内部品質を示す選別要素を計測できるようにした構造のものを示している。
【0104】
図28は、トレーの内部仕切り140,141を着脱可能に設けた例のものを示しており、これにより、大きさの異なる品目,品種の複数の青果物用としてトレーを共用化できる利点がある。なお、内部仕切りの着脱容易化や装着時の安定を図るためにトレーの内部や内壁に溝を設けることもできる。
【0105】
図29は、生産者から選果場の間でトレー1を循環使用する場合に、段積みした状態でトレーが安定するように構成した例を示しており、この図の例では、トレー1の上部開口の内縁に係合する底部リブ150を設けた場合を示している。この段積みを安定させるための構造はこの図29の例に限定されずに必要に応じて適宜の構成を採用できる。
【0106】
【発明の効果】
本発明の青果物の選別方法及び装置によれば、設備的な負担をできるだけ低減しながら、市場や消費者の要求にあったフレキシブルな出荷形態、具体的には特定品目,品種等の優先出荷、特定の選別ランクの青果物の優先出荷、入荷順序に従った出荷、あるいは生産者毎にまとめた出荷等、の出荷形態を適宜に採用することができるという効果が得られる。
【0107】
また、できるだけ手作業の処理を除いた実質的に無人化した作業を実現することができ、作業者の確保が容易でない現状に対応できる望ましい青果物の選別方法、装置を提供できる。
【0108】
また更に、労働集約型の手作業を行なう時間帯とはきりはなして、特に比較的時間がかかり、また機械化,自動化が比較的容易な梱包作業を、長時間の自動化作業、例えば終夜自動運転や終日自動運転等で実施できるので、装置の効率的な運用、したがって導入設備の小型化(例えば同じ処理量の選果場について、処理能力が数分の1程度の装置を使用できる)、低廉化を実現できるという効果も得られる。
【0109】
また、従来のような計測処理の後に、選別処理のための分岐装置、分岐したコンベア、分岐コンベア毎のプール等々の設備が不要となり、設備の一層の小型化,低廉化、ひいては青果物1個あたりの選別コストを低減できる。
【0110】
更にまた、従来の選別装置に比べて、トレーを生産者から選果場の間で循環させるようにすれば、青果物自体を直接取り扱うのが梱包作業のみとできるので、傷み易い青果物についても好適に利用できるという効果がある。
【0111】
更に、従来の選果場では全く対応できなかった複数品目,複数品種の青果物の同時入荷処理が可能になるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した実施例1の選果場の全体の概要を示した図。
【図2】 実施例1に用いられるトレーの構成概要一例を示した斜視図。
【図3】 図2のトレーにナスを収納させた状態を示した図であり、(イ)は平面図、(ロ)は縦断面図。
【図4】 段バラシ装置の動作を説明するための図。
【図5】 実施例1のトレーを搬入,搬出する倉庫の概要を示した斜視図。
【図6】 段積み装置の動作を説明するための図。
【図7】 実施例1の仕分け箱詰装置の配置を示した平面図。
【図8】 同仕分け箱詰装置の動作を説明するための平面図。
【図9】 同仕分け箱詰装置の吊持杆の駆動部を説明するための平面図。
【図10】 同仕分け箱詰装置のトレーからナスを取り出す際の動作を示した図。
【図11】 同仕分け箱詰装置の梱包箱にナスを収納させる際の動作を示した図。
【図12】 仕分け箱詰装置により順次にナスを取り出す状態を説明するための図。
【図13】 本発明を適用した実施例2の選果場の全体の概要を示した図。
【図14】 実施例2のリンゴをバラ積み入荷するのに用いられるコンテナの斜視図。
【図15】 計測用コンベアの途中で目視等級判定を行なう作業を説明するための図。
【図16】 トレーへの青果物載せ作業に際して目視等級判定を行なって等級別載せ列に青果物を載せる作業を説明するための図。
【図17】 実施例2の箱詰装置の動作を説明するための平面図。
【図18】 同仕分け箱詰装置の吊持杆の駆動部を説明するための平面図。
【図19】 同仕分け箱詰装置のトレーからリンゴを取り出す際の動作を示した図。
【図20】 同仕分け箱詰装置の梱包箱にリンゴを収納させる際の動作を示した図。
【図21】 仕分け箱詰装置により順次にリンゴを取り出す状態を説明するための図。
【図22】 実施例2の仕分け箱詰装置に代えて使用できる別の仕分け箱詰装置、及びその動作を説明するための平面図。
【図23】 図22の仕分け箱詰装置により、トレーからリンゴを取り出し、また梱包箱にリンゴを収納させる際の動作を説明するための図。
【図24】 本発明を適用した実施例3の選果場の全体の概要を示した図。
【図25】 実施例3に用いられるトレーの構成概要一例を示した斜視図。
【図26】 十字形の底部開口を設けたトレーと、円形の底部開口を設けた構造のトレーを示した図。
【図27】 図26の十字形の底部開口を通してリフト部材を下方から嵌挿上動させてリンゴをトレー上方に持ち上げる機構を説明するための図。
【図28】 着脱可能の仕切りを設けたトレーを説明するための図。
【図29】 段積みする場合に有効な係合部を設けたトレーを示した図。
【符号の説明】
1・・・トレー、2・・・ナス、3・・・段バラシコンベア、4・・・搬送コンベア、5・・・制御装置、6・・・搬出コンベア、7・・・段積み装置、8・・・梱包箱供給コンベア、9・・・梱包箱搬送コンベア、10・・・排出コンベア、11・・・パレタイザー、20・・・倉庫。

Claims (8)

  1. 搬送コンベア上を連続的に搬送されるトレーに収容した1又は複数の青果物を仕分けるための選別情報を得る計測工程と、
    上記計測工程を経た上記トレーが上記搬送コンベアで個々の番地を認識できるトレーの収容棚を多数備えた倉庫に向けて搬送され、該トレーを該倉庫の空の収容棚に一時的に収容する一時貯溜工程と、
    1又は複数の青果物が収容された上記トレーの固有の識別情報、当該トレーの収容位置に対応して1又は複数の青果物の選別情報及び当該トレーが収容される収容棚の番地情報を記憶部に記憶する記憶工程と、
    上記記憶部に記憶した上記収容棚の番地情報,上記青果物の選別情報,上記トレーの固有の識別情報の少なくともいずれか一つの情報を検索項目として、この検索項目に該当する青果物を載せたトレーを該倉庫から搬出コンベアに搬出させる搬出工程と、
    上記搬出コンベア上を搬送されるトレーに収容された青果物を検索項目に対応した梱包位置で梱包箱に箱詰する箱詰工程と、
    を有し、
    上記計測工程から上記一時貯溜工程までの作業と上記搬出工程から上記箱詰工程までの作業とを切り離し、上記トレーを上記倉庫に搬送し収容する一時貯溜工程と並行して、あるいは搬送される上記トレーを上記倉庫へ搬送し収容する一時貯溜工程の全てが終了後に、上記搬出工程を実行させることを特徴とする青果物の選別方法。
  2. 請求項において、青果物の選別情報が、青果物の大きさ、形状等の計測結果に基づいて判定した階級判定情報、外観状態の目視及び/又は計測手段を用いた計測結果に基づいて判定した等級判定情報、青果物の品目,品種,生産者,入荷時間等の上記階級,等級判定情報以外の管理情報、の少なくともいずれか二つ以上を組み合わせたものであることを特徴とする青果物の選別方法。
  3. 請求項1または2において、上記トレーは、青果物生産者が青果物を選果場に搬入するコンテナとして兼用して、生産者と選果場の間を循環されることを特徴とする青果物の選別方法。
  4. 上記計測工程のために上記搬送コンベア上を連続的に搬送される上記トレーは、上記箱詰工程で空となったトレーを一旦上記倉庫の空の収容棚に戻し、その後上記搬送コンベアに供給されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の青果物の選別方法。
  5. 搬送コンベア上を連続的に搬送されるトレーに収容した1又は複数の青果物を仕分けるための選別情報を得る計測手段と、
    上記計測手段を経た上記トレーが上記搬送コンベアで搬送され、個々の番地を認識できるトレーの収容棚を多数有すると共に、該トレーを適宜の収容棚に搬入するトレー搬入手段及び該トレーを収容棚から搬出するトレー搬出手段を有する倉庫と、
    1又は複数の青果物が収容された上記トレーの固有の識別情報、当該トレーの収容位置に対応して1又は複数の青果物の選別情報及び当該トレーが収容される収容棚の番地情報を記憶部に記憶し、該記憶部に記憶した上記収容棚の番地情報,上記青果物の選別情報,上記トレーの固有の識別情報の少なくともいずれか一つの情報を検索項目として、この検索項目に該当する青果物を載せたトレーを該倉庫から搬出コンベアに搬出させる搬出制御手段と、
    上記搬出コンベア上を搬送されるトレーに収容された青果物を検索項目に対応した箱詰位置で梱包箱に箱詰する箱詰手段と、
    を有し、
    上記搬出制御手段は、上記倉庫へのトレーの搬入処理と、該倉庫から上記箱詰手段へのトレーの搬出処理とを切り離し、上記搬入処理と並行して、あるいは搬送される上記トレーを上記倉庫へ搬送し収容する搬入処理の全てが終了後に、上記搬出処理を実行させることを特徴とする青果物の選別装置。
  6. 請求項5において、前記計測手段は、青果物の階級及び/又は等級の選別要素、若しくは該選別要素と共に、目視により青果物の外観状態を判定した結果を入力するためのマニュアル入力手段を有することを特徴とする青果物の選別装置。
  7. 請求項5または6において、上記トレーは、青果物生産者が青果物を選果場に搬入するコンテナとして兼用して、生産者と選果場の間を循環されることを特徴とする青果物の選別装置。
  8. 上記搬送コンベア上を連続的に搬送される上記トレーは、上記箱詰手段で空となったトレーを一旦上記倉庫の空の収容棚に戻し、その後上記搬送コンベアに供給される循環経路を有することを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の青果物の選別装置。
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