JP3660686B2 - 腸溶性フィルム被覆材組成物、それを用いる被覆方法および被覆成形物 - Google Patents

腸溶性フィルム被覆材組成物、それを用いる被覆方法および被覆成形物 Download PDF

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Description

1.発明の分野
本発明は、薬の錠剤およびその類似物を被覆し、その被覆された錠剤の成分が胃の胃液中に放出されるのを防ぎ、そしてその被覆された錠剤の成分が腸の中で放出されるようにするための腸溶性フィルム被覆材の水系懸濁液の分野に関する。本発明は、胃の胃液に溶けない腸溶性被覆材で薬を被覆するのに用いられる水系腸溶性被覆材懸濁液の調製に利用される、無毒で可食性の腸溶性フィルム被覆材の乾燥粉末組成物を提供する。
発明の背景
これまでは有機溶剤を必要とする腸溶性被覆材溶液が用いられてきた。しかし、有機溶剤を使用することに関連する諸問題(即ち、大気の汚染、作業者の安全と衛生、火災および爆発の危険、および火災或いは爆発の危険を制限若しくは減らすために高価な装置を必要とすること)のために、ペンシルバニア州(Pennsylvania)、ウエストポイント(West Point)のカラコン社(Colorcon)のコーテリック(COATERIC)腸溶性フィルム被覆材系のような、水系の腸溶性フィルム被覆材懸濁液が開発された。このコーテリック系は1985年12月3日に発行されたカラコン社の米国特許第4,556,552号明細書および1987年11月3日に発行されたカラコン社の米国特許第4,704,295号明細書に開示されている。この両特許を本明細書中で引用し、参照するものとする。
その他の既知の水系腸溶性フィルム被覆材系には、アクリル系樹脂、例えばポリメタクリルメタクリレート共重合体の水系分散液、およびアセテート、例えばセルロースアセテート・フタレートの分散液がある。
これらの既存の水系腸溶性被覆材懸濁液に関連する問題は、被膜の粘着性である。
既存の水系腸溶性被覆材系のもう一つの問題は、その腸溶性被覆材懸濁液の調製に少くとも3つの加工工程が必要とされることである。例えば、ユードラギット(EUDRAGIT)系では、可塑剤、消泡剤およびタルクが段階的にそのユードラギット懸濁液に混合される。アクワテリック(AQUATERIC)セルロースアセテート・フタレートの分散液系では、アクワテリック懸濁液を調製するために、アクワテリック粉末を水に分散し、次いで段階的に可塑剤とトゥイーン80(Tween 80)を添加する。コーテリック系では、そのコーテリック懸濁液を調製するために、水の中にコーテリック粉末、消泡剤および水酸化アンモニウムが混合される。3つの加工工程を必要とすることは、加工工程が多ければ加工間違いが起こる機会が多くなるので欠点となる。
カラコン社の米国特許第4,556,552号および米国特許第4,704,295号明細書では、ポリビニルアセテート・フタレート(PVAP)、水溶性可塑剤、PVAPのためのフィルム−形成性懸濁高分子助剤および粉末顔料を含んでなるカラコン社のコーテリック無毒可食性腸溶性フィルム被覆材の乾燥粉末を、腸溶性被覆材懸濁液を調製するために、水と混合し、その腸溶性乾燥粉末を完全に湿らせた後、水酸化アンモニウムの溶液を加えている。このコーテリック被覆材懸濁液は、非常に良好な腸溶性被膜を生成するが、このコーテリック懸濁液には水酸化アンモニウム臭いがある。
本発明の要約
本発明の1つの目的は、既存の水系腸溶性フィルム被覆材より粘着性の少ない腸溶性被覆材を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、腸溶性被覆材懸濁液を調製するのに2つの加工工程を必要とするだけの水系腸溶性被覆材懸濁液を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、水酸化アンモニウム臭がない水系腸溶性被覆材懸濁液を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、前−可塑化粉末ブレンドの腸溶性被覆材組成物を提供することである。
これらの、および他の目的は以下に説明する本発明により達成される。
図面の簡単ま説明
図1は実施例1に従って被覆したアスピリンのコアについて、溶けた薬(6回の溶解の平均値)のパーセント対時間(分)に関する試験結果のグラフである。
発明の詳細な説明
薬の錠剤等を被覆するのに用いることができる腸溶性被覆材の水系懸濁液の調製に使用される、無毒で可食性の腸溶性フィルム被覆材の乾燥粉末組成物は、腸溶性フィルム形成性重合体、粘着防止剤、粘度調節剤およびアルカリ性化剤/抗−凝固剤を含んでなる。特に好ましい態様では、本発明の無毒で可食性の腸溶性フィルム被覆材の乾燥粉末組成物は固体の可塑剤も含んでいる。
本発明の乾燥粉末組成物は潤滑剤、抗−ケーキング剤、液体可塑剤および顔料を含んでいると好都合である。
本発明の無毒で可食性のフィルム被覆材の乾燥粉末組成物をつくる方法は、腸溶性フィルム形成性重合体を粘着防止剤、粘度調節剤および抗−凝固剤/アルカリ性化剤、並びに、場合によっては、一種またはそれ以上の以下の成分、即ち固体の可塑剤、潤滑剤、抗−ケーキング剤、液体可塑剤および顔料を、乾燥した均一な粉末混合物が得られるまで混合する工程を含んでなる。得られる腸溶性フィルム被覆材の乾燥粉末組成物は脱イオン水に容易に分散され、液体の腸溶性被覆材懸濁液となり、30から45分で使用できるようになる。
本発明は、腸溶性フィルム形成性重合体、粘着防止剤、粘度調節剤、アルカリ性化剤、可塑剤、および水に混合された消泡剤を含んでなる、薬の錠剤およびその類似物を被覆するための腸溶性被覆材を作るための、腸溶性被覆材の水系懸濁液も包含する。本発明の懸濁液は、場合によっては潤滑剤、場合によっては抗−ケーキング剤および/または場合によっては顔料を含んでいると便利である。
本発明の水系腸溶性被覆材懸濁液を調製する方法は、水に消泡剤を混ぜ、本発明の腸溶性乾燥粉末組成物をその水に混合するか、若しくは本発明の腸溶性乾燥粉末組成物の個々の成分を別々にその水に混合し、そして均一な懸濁液が得られる迄かき混ぜることを含んでなる。可塑剤が混合されていない本発明の腸溶性乾燥粉末組成物の態様を利用する場合には、可塑剤、好ましくは液体可塑剤を水に、好ましくはその水に消泡剤を混合する工程の後で混合する。
本発明の懸濁液は、液体の可塑剤と組み合せて固体の可塑剤を含んでいてもよい。このような懸濁液では、液体の可塑剤を、本発明の腸溶性乾燥粉末被覆材組成物の一部になるように、その腸溶性乾燥粉末被覆材組成物に混ぜてもよいし、或いはまたその液体の可塑剤を本発明の懸濁液を調製する時に水に別に加えてもよい。
本発明は、錠剤等のような医薬品調剤成形物のような基剤を無毒で可食性の腸溶性フィルム被覆材で被覆する方法も含んでおり、この方法は上記で論議した本発明の水系腸溶性被覆材懸濁液を調製する工程、その基剤上にフィルム被覆を生成させるためにその基剤に本発明の水系被覆材懸濁液を塗布する工程、およびその基剤上のフィルム被覆材を乾燥する工程を含んでなる。
腸溶性フィルム形成性重合体はPVAP−T(チタン化ポリビニルアセテート・フタレート)、PVAP−J(ジェットミルで粉砕されたポリビニルアセテート・フタレート)、HPMCP(ヒドロキシプロピル・メチルセルロース・フタレート)、HPMCAS(ヒドロキシプロピル・メチルセルロース・アセテート・スクシネート)またはCAP(セルロースアセテート・フタレート)である。このチタン化ポリビニルアセテート・フタレート(PVAP−T)は、それが調製されている間にポリビニルアセテート・フタレートに混合された約10%の二酸化チタンを含んでいる。1つの好ましい腸溶性重合体はPVAP−Tである。
上記腸溶性重合体は、その重合体粒子の90%が、好ましくは25ミクロン以下、より好ましくは13ミクロン以下であるような粒径を有する。
この腸溶性重合体は乾燥粉末組成物の約65〜85重量%であり、その乾燥粉末組成物の約65〜81重量%の範囲であるのが好ましい。
粘着防止剤はタルク、水和アルミニウム若しくはそれらの混合物である。この粘着防止剤は乾燥粉末組成物の約5〜15重量%であり、そしてその乾燥粉末組成物の約6〜12重量%の範囲であるのが好ましい。
粘度調節剤はアルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピル・メチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ナトリウム・カルボキシメチルセルロース(ナトリウムCMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、こんにゃく粉、カラギーナン、ザンタンガム、その他の親水性重合体若しくはそれらの混合物である。この粘度調節剤は、錠剤上でのフィルムの形成を助けるためにその乾燥粉末組成物中に存在し、そしてその被覆材懸濁液中では不溶性成分の懸濁性助剤として作用し、さらにまたその被覆材懸濁液に粘度を付与する。粘度調節剤は被覆材が錠剤表面に粘着するのを助け、一方腸溶性重合体粒子を融着してフィルムを形成させる。換言すれば、粘度調節剤は被覆材懸濁液をより粘稠にし、それによって沈降を防ぎ、懸濁助剤として作用し、且つフィルム形成剤としても作用する。1つの好ましい粘度調節剤は中粘度品種のアルギン酸ナトリウム[例えば、ケルコ・マヌゲル(Kelco Manugel)A2B812アルギン酸ナトリウム]である。
粘度調節剤は乾燥粉末組成物の約0.5〜7重量%であり、そしてその乾燥粉末組成物の約1〜6重量%の範囲であるのが好ましい。
アルカリ性化剤はナトリウムまたはカリウムの炭酸水素塩、炭酸塩、リン酸塩若しくは水酸化物、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム若しくはそれらの混合物である。
アルカリ性化剤は乾燥粉末組成物の約1〜15重量%であり、そしてその乾燥粉末組成物の約1.5〜12重量%の範囲であるのが好ましい。アルカリ性化剤としての炭酸水素ナトリウムおよび/または炭酸ナトリウムは、乾燥粉末組成物の約2.0から約6重量%の範囲で用いられるのが好ましく、約2.0から約4.5%の範囲で用いるのがより好ましい。約6%より多量では粘着性の問題が生じる可能性がある。アルカリ性化剤としてリン酸三ナトリウムを用いる場合、(無水)リン酸三ナトリウムでは、乾燥粉末組成物の約4.5から約7重量%の範囲で用いるのが好ましく、そして(水和)リン酸三ナトリウムでは、乾燥粉末組成物の約8から約12重量%の範囲で用いるのが好ましい。
アルカリ性化剤は、スプレイラインおよびスプレイガンの合着または詰まりを防ぐために、被覆材懸濁液の凝集若しくはゲル化温度を上げるための抗−凝集剤若しくは安定化剤として作用する。アルカリ性化剤はまたその被覆材の粘着性も減らす。
固体の可塑剤は1500から8000の分子量を有するポリエチレングリコール、またはプルロニック(Pluronic)F86[エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロック共重合体(EO/PO)]若しくはそれらの混合物である。好ましい固体可塑剤はポリエチレングリコール3350(PEG 3350)またはポリエチレングリコール4000(PEG 4000)である。
固体可塑剤は、本発明の腸溶性乾燥粉末組成物に含められる場合、その乾燥被覆材組成物の約1〜20重量%であり、そしてその乾燥被覆材組成物の約1〜18重量%の範囲であるのが好ましい。
液体の可塑剤はトリエチルシトレート、グリセリルトリアセテート、アセチルトリエチルシトレート、ジブチルセバケート、ジエチルフタレート、ポリエチレングリコール400、グリセロール、ひまし油若しくはそれらの混合物である。
液体可塑剤が本発明の乾燥粉末組成物に含められる場合、その液体可塑剤は乾燥粉末組成物の0重量%より多く約6重量%までの範囲である。本発明の乾燥粉末組成物は、その乾燥粉末組成物の約4%〜6%の液体可塑剤を含んでいてもまだ乾燥している。
本発明の乾燥被覆材粉末組成物に可塑剤が含まれていない場合、若しくは本発明の乾燥被覆材粉末組成物に液体の可塑剤が含まれていない場合には、本発明の被覆材懸濁液の乾燥固体成分の約5から20重量%の液体可塑剤が別個に本発明の被覆材懸濁液に混合される。
本発明の被覆材懸濁液は、本発明の被覆材懸濁液の水以外の成分の約5から約20重量%の固体可塑剤、液体可塑剤、若しくは固体可塑剤と液体可塑剤との混合物を含んでいる。
潤滑剤はステアリン酸であって、乾燥被覆材組成物の0%から約3重量%の範囲で存在する。
抗−ケーキング剤はキャボット社(Cabot Inc.)で造られている煙霧シリカであるキャボシル(Cabosil)であり、乾燥粉末組成物の0%から約2重量%の範囲で存在し、そして乾燥被覆材組成物の0%から約1.5重量%の範囲で存在するのが好ましい。抗−ケーキング剤は加工助剤として作用し、そして貯蔵中にその乾燥粉末が塊になるのを防ぐ役割もする。生成する如何なる塊もこの懸濁液の製造の一部としてふるい分けられるので、この抗−ケーキング剤の使用は任意でよい。
顔料は医薬品の錠剤およびその類似物用の被覆材懸濁液の製造に用いられる顔料の内の任意の物でよい。例えば、顔料はFD&CおよびD&Cレーキ、二酸化チタン、炭酸マグネシウム、タルク、焼成シリカ、酸化鉄、チャネルブラックおよび不溶性染料であることができる。また、リボフラビン、カルミン40、クルクミンおよびアナットーのような天然顔料でもよい。適した顔料の他の例はジェフリース(Jeffries)の米国特許第3,149,040号;バトラー(Butler)等の米国特許第3,297,535号;およびカラコン(Colorcon)の米国特許第3,981,984号明細書中に挙げられている。これら特許を全て本明細書で引用、参照するものとする。
顔料にはレーキブレンドも包含され、これには可塑剤およびオパドライ(OPADRY)顔料含有被覆材組成物も含まれ、その中の幾つかは1985年9月24日に発行されたカラコン社の米国特許第4,543,370号明細書に開示されている。この特許を本明細書で引用、参照するものとする。
顔料は、本発明の被覆材に色を付与することに加えて抗−ゲル化剤としても作用する。
顔料は乾燥被覆材組成物の約0%から約25重量%の範囲で存在し、そして乾燥粉末組成物の約0%から約15重量%の範囲で存在するのが好ましい。
消泡剤はダウ・コーニング社(Dow Corning)で造られているアンチフォーム(Antiform)FG−10のようなシリコーン系消泡剤である。消泡剤は乾燥粉末組成物の約0.1%から約5重量%の範囲で存在し、そして乾燥粉末組成物の約0.5%から約5重量%の範囲で存在するのが好ましい。
本発明の乾燥粉末状の無毒の腸溶性被覆材組成物は、ペンシルバニア州19846のウエストポイントのカラコン社によりシュアテリック(SURETERIC)の商標名で製造、販売されている。
以下の実施例は、本発明をさらに例示、説明するものである。
実施例1
12キログラムのアスピリンのコア(一錠剤当たりアスピリン325mg)を、透明なオパドライ被覆材分散液から作られた透明なサブコートで、そのサブコートの上を本発明の腸溶性被覆材で、そしてその腸溶性被覆の上をオパドライII被覆材分散液から作られた顔料を含むトップコートで被覆する。
本実施例1の透明なオパドライ・サプコート用分散液は、120グラムの透明なオパドライ被覆材組成物(フォーミュラYS−2−7013)を1480.0グラムの脱イオン水の中に入れ、サブコート分散液を得るために、プロペラミキサーを用いて45〜60分混合して作られる。このサブコート用懸濁液の総固形分は7.5重量/重量%である。このオパドライ被覆材組成物はペンシルバニア州、ウエストポイントのカラコン社で製造されている。
本実施例1の本発明のシュアテリック腸溶性乾燥粉末組成物は、24.00グラムの液体可塑剤:シトロフレックス(Citroflex)トリエチルシトレートをV−ブレンダー中で876.00グラムのPVAP−Tに完全に混合することにより調製される。次に、113.52グラムのタルク、40.80グラムの炭酸水素ナトリウム、96.00グラムのPEG3350、21.60グラムのステアリン酸、16.80グラムのアルギン酸ナトリウムおよび11.28グラムのキャボシル(Cabosil)EH5シリカを上記のPVAP−Tと液体可塑剤との混合物に加え、そして約10分間混合する。次いで、この混合物をグラインダーに通し、次いで再びさらに10分間混合する。
本発明の腸溶性懸濁液は、1200.0グラムの本発明の腸溶性乾燥粉末組成物をブレンダー中で6800.0グラムの脱イオン水に約1時間混合することにより調製される。腸溶性乾燥粉末組成物を水に加える前に、10%アンチフォームFG−10溶液12グラムを6800.0グラムの蒸留水に加え、混合する。この腸溶性懸濁液中の総固形分は15.0重量/重量%である。
顔料含有オパドライII・トップコート用懸濁液は、360.0グラムの顔料含有オパドライII被覆材組成物(フォーミュラY−22−13570)を1440.0グラムの蒸留水に入れ、プロペラミキサーを用いて45〜60分混合して作られる。このトップコート用懸濁液中の総固形分は20重量/重量%である。顔料含有オパドライII被覆材組成物は、ペンシルバニア州、ウエストポイントのカラコン社で製造されている。
この腸溶性懸濁液を、噴霧を始める前に60メッシュのふるいに通す。
12キログラムのアスピリンコア(一錠剤当たり352mgのアスピリン)を、被覆用の、4枚の混合バッフル、二つのポンプ・ヘッドを有するコール−パーマー マスターフレックス・ポンプ(Cole−Parmer Masterflex pump)、シリコーン7015配管、2ビンクス(Binks)605スプレーガン、66SS流体ノズルおよび66SHエヤーキャップを備えた24インチのアクセラ−コータパン(Accela−Cota pan)の中に入れる。この錠剤には、まず、透明なオパドライサブコート用懸濁液を用いてサブコートが与えられ、続いて本実施例1の腸溶性懸濁液により腸溶性被覆が与えられ、それに続いて顔料含有オパドライIIトップコート用懸濁液のトップコートが与えられる。その噴霧条件は次の通りである:
Figure 0003660686
最終被覆錠剤を米国薬局法(U.S.P.)の修正崩壊法を用いて評価した。50錠の錠剤にフィブリレーター(fibrilator)中で100回転の間応力を加えた。次いで、応力を加えたこの50錠の錠剤をバスケット・アセンブリ(basket assembly)の中に入れ、疑似胃液中に1時間浸漬した。このバスケットをその疑似胃液中で約28〜32ストローク/分の速度で上下に動かした。
応力を加えなかった50錠の錠剤もバスケット・アセンブリの中に入れ、疑似胃液中に1時間浸漬した。このバスケットをその疑似胃液中で約28〜32ストローク/分の速度で上下に動かした。
この疑似胃液から取り出した後、これら錠剤の完全さを評価した。どの錠剤も膨れ、ひび割れ若しくは亀裂の兆候を示さなかった。
試験結果は次の通りである:
応力を加えなかった錠剤:破損0%
応力を加えた錠剤 :破損0%
本実施例1の被覆錠剤で溶解試験も行った。米国薬局法の装置I(バスケット)を用い、本実施例1で説明した方法で被覆した6個の錠剤を0.1N HClの中に2時間入れて置いた。2時間後、この試験の酸相中への放出量は、10%以下である上限値に対して、0.31%であった。次いで、この6個の錠剤をpH6.8のリン酸緩衝液中に入れた。この試験の緩衝液相に放出されたアスピリンの量は、90分で少くとも80%と公的に決められた必要条件に比べて、30分で85%より大であった。これらの試験結果を図1に示したグラフに例示してある。
実施例2
12キログラムのディクロフェナック(Diclofenac)・ナトリウムのコア(一錠剤当たりディクロフェナック・ナトリウム75mg)を、透明なオパドライ被覆材分散液から作られた透明なサブコートで、そのサブコートの上を本発明の腸溶性被覆材で、そしてその腸溶性被覆の上を、これもオパドライ被覆材分散液から作られているトップコートで被覆する。ディクロフェナック・ナトリウム・コアはアルカリ性の基剤であるが、腸溶性被覆材でアルカリ性の基剤を被覆するのは非常に困難である。
本実施例2の透明なオパドライサブコート用分散液と透明なオパドライトップコート用分散液はそれぞれ120グラムの透明なオパドライ被覆材組成物(フォーミュラYS−2−7013)を、それらサブコート用およびトップコート用の懸濁液を得るために、1480.0グラムの脱イオン水の中に入れ、プロペラミキサーを用いて45〜60分混合して作られる。このサブコート用懸濁液とトップコート用懸濁液の総固形分はそれぞれ7.5重量/重量%である。このオパドライ被覆材組成物はペンシルバニア州、ウエストポイントのカラコン社で製造されている。
本実施例2の本発明のシュアテリック腸溶性乾燥粉末組成物は、24.00グラムの液体可塑剤:シトロフレックス・トリエチルシトレートをV−ブレンダー中で876.00グラムのPVAP−Tに完全に混合することにより調製される。次に、113.52グラムのタルク、40.80グラムの炭酸水素ナトリウム、96.00グラムのPEG3350、21.60グラムのステアリン酸、16.80グラムのアルギン酸ナトリウムおよび11.28グラムのキャボシルEH5シリカを上記のPVAP−Tと液体可塑剤との混合物に加え、そして約10分間その混合物に混合する。次いで、この混合物をグラインダーに通し、次いで再びさらに10分間混合する。
本発明の腸溶性懸濁液は、1200.0グラムの本発明の腸溶性乾燥粉末組成物をブレンダー中で6800.0グラムの脱イオン水に約1時間混合することにより調製される。腸溶性乾燥粉末組成物を水に加える前に、10%アンチフォームFG−10溶液12グラムを6800.0グラムの蒸留水に加え、混合する。この腸溶性懸濁液中の総固形分は15.0重量/重量%である。
この腸溶性懸濁液を、噴霧を始める前に60メッシュのふるいに通す。
12キログラムのディクロフェナック・ナトリウム・コア(一錠剤当たりディクロフェナック・ナトリウム75mg)を、被覆用の、4枚の混合バッフル、二つのポンプ・ヘッドを有するコール−パーマー マスターフレックス・ポンプ、シリコーン7015配管、2ビンクス605スプレーガン、66SS流体ノズルおよび66SHエヤーキャップを備えた24インチのアクセラ−コータパンの中に入れる。この錠剤に、まず、透明なオパドライサブコート用懸濁液を用いてサブコートを与え、続いて本実施例2の腸溶性懸濁液により腸溶性被覆を与え、それに続いてオパドライ懸濁液のトップコートを与える。その噴霧条件は次の通りである:
Figure 0003660686
この最終被覆錠剤を米国薬局法の修正崩壊法を用いて評価した。50錠の錠剤にフィブリレーター中で100回転の間応力を加えた。次いで、応力を加えたこの50錠の錠剤をバスケット・アセンブリの中に入れ、疑似胃液中に1時間浸漬した。このバスケットをその疑似胃液中で約28〜32ストローク/分の速度で上下に動かした。
応力を加えなかった50錠の錠剤もバスケット・アセンブリの中に入れ、疑似胃液中に1時間浸漬した。このバスケットをその疑似胃液中で約28〜32ストローク/分の速度で上下に動かした。
この疑似胃液から取り出した後、これら錠剤の完全さを評価した。どの錠剤も膨れ、ひび割れ若しくは亀裂の兆候を示さなかった。
試験結果は次の通りである:
応力を加えなかった錠剤:破損0%
応力を加えた錠剤 :破損0%
疑似胃液溶解試験からの応力を加えた50個の錠剤の中の6個と疑似胃液溶解試験からの応力を加えない50個の錠剤の中の6個をバスケット・アセンブリーに入れ、疑似腸液の中に1時間浸漬した。このバスケットをその疑似腸液中で約28〜32ストローク/分の速度で上下に動かした。6個の応力を加えた錠剤と6個の応力を加えない錠剤の全てが8分以内に崩壊した。
実施例3〜93は本発明をさらに例証するものである。ここで、パーセントは全て重量パーセントである。実施例3、5−9、11−21、24、27、28、32−44、52、61および62では、各処方物の成分が一緒に混合され、腸溶性被覆材懸濁液に調製され、そして実施例1および2のようにして錠剤に塗布されている。
実施例4、10、23、29−32、45−51、53−60および80−93では、腸溶性乾燥粉末組成物を調製するために、それら処方物の成分が一緒にドライ混合され、次いでその腸溶性乾燥粉末組成物が腸溶性被覆材懸濁液にされ、そして実施例1および2のようにして錠剤に塗布されている。
実施例22、25、26および63−79では、腸溶性乾燥粉末組成物を調製するために、そのドライ成分が一緒に混合され、それが消泡剤とこの実施例の液体可塑剤を含む水に加えられている。
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本発明の腸溶性被覆材懸濁液中の固形分のパーセントは約10%から約30%、好ましくは約12%から約20%である。
本発明に従って被覆される錠剤には、実施例1と2で説明したようなサブコートとトップコートを付けるのが好ましいが、それらは必ずしも必要でない。好ましくは、サブコートとトップコートは、各々、通常、錠剤の大きさ、重量および形状に依存して、その錠剤の重量の1〜10%である。通常、小さい錠剤は大きい錠剤が必要とするより大きい重量パーセントのサブコートとトップコートを必要とする。
本発明の腸溶性被覆は、普通、腸溶性の結果を得るために、錠剤の大きさ、重量および形状に依存してその錠剤の6重量%以上、好ましくはその錠剤の8から12重量%を構成する。小さい錠剤は大きい錠剤より腸溶性被覆のためにその錠剤の重量のより大きいパーセントの被覆を必要とする。
本発明の被覆材懸濁液で被覆された錠剤は胃の胃液に溶けないで、腸内で溶ける被覆を有する。
本発明の腸溶性被覆材懸濁液を調製する方法で、消泡剤を添加する工程が無いと、水にドライ成分を混合する時に、懸濁液に気泡が混ざる傾向がある。錠剤基剤への噴霧時に、若しその被覆材懸濁液中に気泡が存在すると、フィルム被覆中にピンホールを生じる可能性があり、腸溶性フィルム被覆の破損につながる。さらに、炭酸水素ナトリウムのようなアルカリ性化剤の幾つかは起泡性であり、それを腸溶性被覆材懸濁液の水に混合すると、その腸溶性被覆材懸濁液中に追加の気泡を生成させる可能性がある。またアルギン酸ナトリウムは、その腸溶性被覆材懸濁液中に生成した泡若しくは気泡を保持する傾向がある。消泡剤は、腸溶性被覆材懸濁液中の気泡を破裂させることにより、その腸溶性被覆材懸濁液に気泡が混ざるのを防ぐ。
本発明の腸溶性被覆は、水系腸溶性被覆材懸濁液を基剤とする既知の腸溶性フィルム被覆のフィルムの性質より改善されたフィルムの性質を提供する。例えば、本発明の被覆は、水系腸溶性被覆材懸濁液を基剤とする既知の被覆に比べて接着性が良好で、より反発弾性があり、脆くなく、そして弾性モジュラスが有意に小さい。さらに可塑剤を含む本発明の腸溶性乾燥粉末組成物の推奨される態様を用いれば、本発明の水系腸溶性被覆材懸濁液は、その腸溶性被覆材懸濁液を調製するために、消泡剤と水とを混合する工程、およびその消泡剤/水混合物に腸溶性粉末組成物を混合する工程の僅か二つの加工工程を必要とするだけである。
本発明のシュアテリック系と他の水系腸溶性の系との比較を下の表に示す。
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Claims (33)

  1. 次の成分:
    腸溶性フィルム形成性重合体、
    粘着防止剤、
    粘度調節剤、および
    ナトリウムまたはカリウムの炭酸水素塩、炭酸塩、リン 酸塩もしくは水酸化物、炭酸マグネシウム、水酸化マグ ネシウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、 酸化マグネシウム、水酸化カルシウムまたはそれらの混 合物であるアルカリ性化剤、
    を含んでなる、薬の錠剤およびその類似物を被覆するのに用いられる腸溶性被覆材の水系懸濁液の調製に使用される、無毒で可食性の腸溶性フィルム被覆材の乾燥粉末組成物。
  2. 固体可塑剤、液体可塑剤およびそれらの混合物からなる群から選択される成分をさらに含んでいる、請求項1に記載の腸溶性フィルム被覆材乾燥粉末組成物。
  3. 潤滑剤、抗ケーキング剤および顔料からなる群から選択される成分をさらに含んでいる、請求項1または2に記載の腸溶性フィルム被覆材乾燥粉末組成物。
  4. 腸溶性フィルム形成性重合体がPVAP−T(チタン化ポリビニルアセテート・フタレート)、PVAP−J(ジェットミルで粉砕されたポリビニルアセテート・フタレート)、HPMCP(ヒドロキシプロピル・メチルセルロース・フタレート)、HPMCAS(ヒドロキシプロピル・メチルセルロース・アセテート・スクシネート)またはCAP(セルロースアセテート・フタレート)である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の腸溶性フィルム被覆材乾燥粉末組成物。
  5. 前記重合体が組成物の約55から約85重量%の範囲で存在する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の腸溶性フィルム被覆材乾燥粉末組成物。
  6. 前記重合体が組成物の約65から約81重量%の範囲で存在する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の腸溶性フィルム被覆材乾燥粉末組成物。
  7. 粘着防止剤がタルク、水和アルミニウムまたはそれらの混合物である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の腸溶性フィルム被覆材乾燥粉末組成物。
  8. 粘着防止剤が組成物の約5から約15重量%の範囲で存在する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の腸溶性フィルム被覆材乾燥粉末組成物。
  9. 粘着防止剤が組成物の約6から約12重量%の範囲で存在する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の腸溶性フィルム被覆材乾燥粉末組成物。
  10. 粘度調節剤がアルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピル・メチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ナトリウム・カルボキシメチルセルロース(ナトリウムCMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、こんにゃく粉、カラギーナン、キサンタンガム、その他の親水性重合体またはそれらの混合物である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の腸溶性フィルム被覆材乾燥粉末組成物。
  11. 粘度調節剤が組成物の約0.5から約7重量%の範囲で存在する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の腸溶性フィルム被覆材乾燥粉末組成物。
  12. 粘度調節剤が組成物の約1から約6重量%の範囲で存在する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の腸溶性フィルム被覆材乾燥粉末組成物。
  13. アルカリ性化剤が組成物の約1から約15重量%の範囲で存在する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の腸溶性フィルム被覆材乾燥粉末組成物。
  14. アルカリ性化剤が組成物の約1.5から約12重量%の範囲で存在する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の腸溶性フィルム被覆材乾燥粉末組成物。
  15. 固体の可塑剤が1500から8000の分子量を有するポリエチレングリコールまたはプルロニックF86である、請求項2〜14のいずれか一項に記載の腸溶性フィルム被覆材乾燥粉末組成物。
  16. 固体の可塑剤が組成物の約1から約20重量%の範囲で存在する、請求項2〜15のいずれか一項に記載の腸溶性フィルム被覆材乾燥粉末組成物。
  17. 固体の可塑剤が組成物の約1から約18重量%の範囲で存在する、請求項2〜15のいずれか一項に記載の腸溶性フィルム被覆材乾燥粉末組成物。
  18. 潤滑剤がステアリン酸である、請求項3〜17のいずれか一項に記載の腸溶性フィルム被覆材乾燥粉末組成物。
  19. 潤滑剤が組成物の0重量%より多く約3重量%までの範囲で存在する、請求項3〜18のいずれか一項に記載の腸溶性フィルム被覆材乾燥粉末組成物。
  20. 抗ケーキング剤がシリカである、請求項3〜19のいずれか一項に記載の腸溶性フィルム被覆材乾燥粉末組成物。
  21. 抗ケーキング剤が組成物の0重量%より多く約2重量%までの範囲で存在する、請求項3〜20のいずれか一項に記載の腸溶性フィルム被覆材乾燥粉末組成物。
  22. 抗ケーキング剤が組成物の0重量%より多く約1.5重量%までの範囲で存在する、請求項3〜20のいずれか一項に記載の腸溶性フィルム被覆材乾燥粉末組成物。
  23. 液体可塑剤がトリエチルシトレート、グリセリルトリアセテート、アセチルトリエチルシトレート、ジブチルセバケート、ジエチルフタレート、ポリエチレングリコール400、グリセロール、ひまし油またはそれらの混合物である、請求項2〜22のいずれか一項に記載の腸溶性フィルム被覆材乾燥粉末組成物。
  24. 液体可塑剤が組成物の0重量%より多く約6重量%までの範囲で存在する、請求項2〜23のいずれか一項に記載の腸溶性フィルム被覆材乾燥粉末組成物。
  25. 顔料が可塑剤を含むレーキブレンド、FD&CおよびD&Cレーキ、二酸化チタンまたはオパドライ不透明フィルム被覆材組成物である、請求項3〜24のいずれか一項に記載の腸溶性フィルム被覆材乾燥粉末組成物。
  26. 顔料が組成物の0重量%より多く約25重量%までの範囲で存在する、請求項3〜25のいずれか一項に記載の腸溶性フィルム被覆材乾燥粉末組成物。
  27. 顔料が組成物の0重量%より多く約15重量%までの範囲で存在する、請求項3〜25のいずれか一項に記載の腸溶性フィルム被覆材乾燥粉末組成物。
  28. 次の成分:
    潤滑剤、
    抗ケーキング剤、
    固体および/または液体の可塑剤、および
    顔料、
    をさらに含み、
    腸溶性フィルム形成性重合体がPVAP−T(チタン化ポリビニルアセテート・フタレート)、PVAP−J(ジェットミルで粉砕されたポリビニルアセテート・フタレート)、HPMCP(ヒドロキシプロピル・メチルセルロース・フタレート)、HPMCAS(ヒドロキシプロピル・メチルセルロース・アセテート・スクシネート)またはCAP(セルロースアセテート・フタレート)であり、
    該重合体が組成物の約65から約81重量%の範囲で存在し、
    粘着防止剤がタルク、水和アルミニウムまたはそれらの混合物であり、
    該粘着防止剤が組成物の約6から約12重量%の範囲で存在し、
    粘度調節剤がアルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピル・メチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ナトリウム・カルボキシメチルセルロース(ナトリウムCMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、こんにゃく粉、カラギーナン、キサンタンガム、その他の親水性重合体またはそれらの混合物であり、
    該粘度調節剤が組成物の約1から約6重量%の範囲で存在し、
    アルカリ性化剤が組成物の約1.5から約12重量%の範囲で存在し、
    固体の可塑剤がポリエチレングリコール3350、ポリエチレングリコール1800、ポリエチレングリコール4000またはポリエチレングリコール8000であり、
    該固体可塑剤が組成物の約1から約18重量%の範囲で存在し、
    潤滑剤がステアリン酸であり、
    該潤滑剤が組成物の0重量%より多く約3重量%までの範囲で存在し、
    抗ケーキング剤がシリカであり、
    該抗ケーキング剤が組成物の0重量%より多く約1.5重量%までの範囲で存在し、
    液体可塑剤がトリエチルシトレート、グリセリルトリアセテート、アセチルトリエチルシトレート、ジブチルセバケート、ジエチルフタレート、ポリエチレングリコール400、グリセロール、ひまし油またはそれらの混合物であり、
    該液体可塑剤が組成物の0重量%より多く約6重量%までの範囲で存在し、
    顔料が可塑剤を含むレーキブレンド、FD&CおよびD&Cレーキ、二酸化チタンまたはオパドライ不透明フィルム被覆材組成物であり、
    該顔料が組成物の0重量%より多く約15重量%までの範囲で存在する、
    請求項1に記載の腸溶性フィルム被覆材乾燥粉末組成物。
  29. 請求項2〜28のいずれか一項に記載の組成物を、消泡剤および水と組み合わせて含む、薬の錠剤およびその類似物を被覆するのに用いられる、無毒で可食性の水系腸溶性被覆材懸濁液。
  30. 消泡剤がシリコーン系消泡剤である、請求項29に記載の腸溶性被覆材懸濁液。
  31. 消泡剤が懸濁液の非水成分の約0.1から約5重量%の範囲で存在する、請求項29または30に記載の腸溶性被覆材懸濁液。
  32. 消泡剤が懸濁液の非水成分の約0.5から約5重量%の範囲で存在する、請求項29または30に記載の腸溶性被覆材懸濁液。
  33. 請求項2〜28のいずれか一項に記載の組成物と、消泡剤および水とを混合して、請求項2932のいずれか一項に記載の水系の腸溶性被覆材懸濁液を調製し、
    基剤に該水系腸溶性被覆材懸濁液を塗布して、基剤上に腸溶性フィルム被覆を形成し、そして
    該基剤上の腸溶性フィルム被覆を乾燥する、
    工程を含んでなる、薬の錠剤およびその類似物のような基剤を腸溶性フィルム被覆材で被覆する方法。
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