JP3660433B2 - 弾球遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機等の弾球遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
弾球遊技機、例えばパチンコ機において、遊技盤に、3個の図柄を表示する変動図柄表示手段と、遊技球の入球又は通過を検出する始動手段とを設け、始動手段が遊技球を検出した時に、変動図柄表示手段の各図柄を所定時間変動させて、その変動後の3個の図柄が特定の大当たり図柄となった時に、大入賞手段を所定回数開閉するか、又は他の入賞手段に入賞した遊技球がその内部の特別作動領域を通過した後、特定始動手段に遊技球が入賞する毎に大入賞手段を所定回数開閉する等、遊技者に有利な大当たり権利を発生させて利益を還元するようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このパチンコ機は、変動図柄表示手段の変動動作後の3個の停止図柄が大当たり図柄となる大当たりが発生すれば、その後に大入賞手段が開閉動作を繰り返す間に、大入賞手段に多数の遊技球が入賞して遊技者に多大な利益が還元されるため、遊技者は多くの還元利益を期待しながらゲームを行える等の利点があり、遊技者の人気が高く、現在では多くの遊技店に広く普及している。
【0004】
しかし、このパチンコ機では、始動手段が遊技球を検出した時に変動図柄表示手段の3個の図柄が変動を開始し、一定時間変動動作を繰り返した後、3個の図柄が例えば左、右、中等の順番で自動的に停止するようになっているため、各図柄の変動、停止に遊技者が直接又は間接に関与し得ず、遊技者の興趣に欠ける欠点がある。
【0005】
即ち、パチンコ機によっては、変動図柄表示手段に液晶式の表示手段等を使用し、その画面に遊技者の心理を高揚させるような図柄を表示する等、種々の工夫を凝らしているが、どのパチンコ機の場合でも、変動図柄表示手段の3個の図柄は始動手段が遊技球を検出すると同時に変動を開始し、一定時間経過した時に、各図柄が所定の順番で自動的に変動するようになっている。
【0006】
このため、所謂スロットルマシンと称する回胴式ゲーム機のように、パチンコ機に目押し機能的な味わいを持たせ、遊技者が変動図柄表示手段の各図柄の選択に直接関与するようなゲーム形態を採ることはできず、遊技者の興趣を高揚するにも限界がある。
また変動図柄表示手段の変動動作中に操作する変動時間短縮ボタンを備え、この変動時間短縮ボタンを操作すれば、変動図柄表示手段の変動動作時間を短縮できるようにしたものもある。
【0007】
しかし、この変動時間短縮ボタンを備えたパチンコ機でも、単に変動図柄表示手段の変動時間を短縮するだけであって、その操作によって各図柄表示部の図柄をスロットルマシンの目押し機能的に選択して停止させることはできない。
本発明は、このような従来の課題に鑑み、スロットルマシンの味わいを一部取り入れて、遊技者が変動図柄表示手段の各図柄の変動、停止に関与できるようにして、遊技者のゲーム攻略に対する意欲を喚起できる等、興趣に優れた弾球遊技機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数個の図柄表示部33〜35を有する変動図柄表示手段23と、始動手段24による遊技球の検出により前記各図柄表示部33〜35の図柄を所定時間変動させて、変動後の各図柄が抽選乱数値に応じて確定した停止図柄により、その抽選乱数値が大当たり乱数値の場合に大当たり図柄、リーチ乱数値の場合にリーチ図柄、リーチ乱数値以外の外れ乱数値の場合に外れ図柄で夫々停止するように変動処理を行う変動処理手段44と、前記各図柄表示部33〜35の停止図柄が大当たり図柄となった場合に遊技者に有利な権利を発生させる権利発生手段45とを備えた弾球遊技機において、抽選乱数値が大当たり乱数値又はリーチ乱数値の場合に、前記各図柄表示部33〜35に停止表示されるべき大当たり図柄又はリーチ図柄をその操作タイミングに応じて指定するための操作手段48と、該操作手段48の操作により大当たり図柄又はリーチ図柄が指定された場合に、その指定された大当たり図柄又はリーチ図柄を記憶する機能と、大当たり図柄又はリーチ図柄が指定された場合に、前記各図柄表示部33〜35の図柄をその指定された大当たり図柄又はリーチ図柄で停止させる機能と、前記各図柄表示部33〜35の大当たり図柄又はリーチ図柄が一定時間内に全て指定されない場合に、前記記憶を解除して抽選乱数値に応じて確定した停止図柄で停止させる機能とを備えたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。
図面は本発明の一実施形態を例示する。図1及び図2において、1 はパチンコ機、2 はカード式球貸し機で、このパチンコ機1 及び球貸し機2 は、左右に交互に並べて図外の島構造体に横一列状に装着されている。
【0013】
パチンコ機1 は、図1及び図2に示すように、外枠3 と、この外枠3 に開閉自在に枢着された前枠4 とを備えている。前枠4 には、遊技盤5 に対応するガラス扉6 と、上皿7 を支持する開閉板8 とが上下に配置され、これらガラス扉6 及び開閉板8 は前枠4 に回動自在に枢着されている。
【0014】
前枠4 の下部には、上皿7 の下側に下皿9 が配置され、この下皿9 の左側方に目押し操作手段48と灰皿が、右側方に発射手段10の発射ハンドル11が夫々設けられている。目押し操作手段48は、押しボタン式の目押しスイッチ49により構成されている。
【0015】
遊技盤5 は前枠4 に裏側から着脱自在に装着されており、また前枠4 には、図2に示す如く、この遊技盤5 を押さえるための裏機構板12が裏面側から着脱自在に装着されている。裏機構板12には開口部13が形成されると共に、その上側に賞球タンク14、賞球タンクレール15が、左右一側に球払い出し手段16が、下側に通路ユニット17等が夫々設けられている。
【0016】
開口部13には、遊技盤5 の裏側に上下に近接して装着された裏カバー18と入賞球タンク19とが嵌合されている。裏カバー18には制御ボックス20が裏側から着脱自在に装着され、この制御ボックス20に、後述する制御系のCPU、ROM、RAM等が装着されている。
【0017】
遊技盤5 には、図3に示すように、ガイドレール22が環状に装着されると共に、そのガイドレール22の内側に変動図柄表示手段23、始動手段24、上入賞口25、左入賞口26、右入賞口27、特定入賞手段28、下入賞口29、第3種始動手段30、大入賞手段31、アウト口32が夫々設けられている。
【0018】
変動図柄表示手段23は左右方向に3個の図柄表示部33,34,35を備え、始動手段24が遊技球の通過を検出した時に、乱数処理によって各図柄表示部33,34,35の表示図柄が所定時間だけ変動するように構成されている。なお、各図柄表示部33,34,35は、例えば0〜9及びA〜Fの各図柄を表示するようになっている。
【0019】
特定入賞手段28は、変動図柄表示手段23の各図柄表示部33,34,35の停止図柄が「7・7・7」等の特定の大当たり図柄となった時に有効になるように構成されている。そして、この特定入賞手段28の内部は3分割されており、その中央が特別作動領域36となっている。
【0020】
図4は制御系を示し、37は第1乱数発生手段で、例えば大当たりの発生確率が1/250の場合には0〜249までの乱数を繰り返して発生するように構成されている。第1乱数発生手段37は、一定の時間間隔で発生するクロックパルスを計数する計数手段により構成されており、始動手段24が遊技球を検出した時の計数値を抽選乱数として出力するようになっている。
なお、第1乱数発生手段37で発生する乱数は、大当たり乱数値と、この大当たり乱数値以外のリーチ乱数値及び外れ乱数値に設定されている。
【0021】
38は第1乱数抽選手段で、始動手段24が遊技球を検出した時に、その検出時点での第1乱数発生手段37の乱数値を抽選するようになっている。
39は乱数判定手段で、第1乱数抽選手段38の抽選乱数値が大当たり乱数値、リーチ乱数値、外れ乱数値の何れであるかを判定すると共に、その乱数値が大当たり乱数値の時に、変動図柄表示手段23の各図柄表示部33,34,35が大当たり図柄で停止した後に、特定入賞手段28を有効にして、その特別作動領域36を作動可能にするように構成されている。
【0022】
40は第2乱数発生手段で、変動図柄表示手段23の各図柄表示部33,34,35に表示される0〜9及びA〜Fの16種類の図柄に対応する図柄乱数を発生するためのものである。
41は第2乱数抽選手段で、始動手段が遊技球を検出した時に、その検出時点での第2乱数発生手段40の図柄乱数を抽選するようになっている。42は図柄確定手段で、第1乱数判定手段39からの判定出力、即ち、大当たり乱数値、リーチ乱数値、外れ乱数値と第2乱数抽選手段41からの抽選乱数値とに応じて、変動後に停止させるべき変動図柄表示手段23の各図柄表示部33,34,35の各図柄を確定するようになっている。43は図柄記憶手段で、図柄確定手段42にて確定した図柄を記憶するためのものである。
【0023】
44は変動処理手段で、始動手段24が遊技球を検出した時に、変動図柄表示手段23の各図柄表示部33,34,35の図柄を所定時間変動させると共に、その変動後に図柄確定手段42で確定した停止図柄で各図柄表示部33,34,35の図柄が左、右、中の順に停止すべく制御するよう構成されている。
【0024】
45は第1権利発生手段で、第1乱数判定手段39が大当たり乱数値と判定して特定入賞手段28が有効となり、その特別作動領域36を遊技球が通過した時に、第3種始動手段30に遊技球が入球する毎に大入賞手段31を所定回数開閉させて、遊技者に有利な利益状態を発生させるようになっている。
なお、大入賞手段31は、大当たりの権利発生時に、第3種始動手段30に遊技球が入る毎に最大16回まで開閉し、その各開放毎に10個の遊技球が入賞した時に閉じるようになっている。
【0025】
46は確率変動手段で、低確率状態で大当たりが発生した時の大当たり図柄が、その内の特定図柄(例えば「2・2・2」「7・7・7」)の時に、次回までの大当たりの発生確率を最高確率(例えば1/50)に変動させ、また最高確率状態で大当たりが発生した時に、次回からの大当たりの発生確率を低確率に戻すためのものである。
【0026】
この確率変動手段46は、第1乱数発生手段37で発生する大当たり乱数値を含む総発生乱数の数を変更して確率を変動させるためのものである。即ち、第1乱数発生手段37が計数手段により構成されているため、確率変動手段46は、計数手段のプリセット値を250と50とに変更して、大当たりの発生確率を変動させるようになっている。なお、確率変動手段46は、特定の大当たり図柄の時に別の有利な権利を発生させる第2権利発生手段を構成している。
【0027】
47は目押し制御手段で、第1乱数抽選手段38による抽選乱数値が大当たり乱数値又はリーチ乱数値であった場合に、変動図柄表示手段23の変動動作中に目押し操作手段48の目押しスイッチ49を操作すれば、目押しスイッチ49のタイミングに応じて各図柄表示部33,34,35の図柄を適宜選択して停止できるようにしたものである。
【0028】
即ち、この目押し制御手段47は、第1乱数判定手段39が大当たり乱数値又はリーチ乱数値であると判定した時に、目押しスイッチ49の操作により作動して各図柄表示部33,34,35の図柄を停止操作可能にする機能と、目押しスイッチ49を操作する都度に第2乱数抽選手段41、図柄確定手段42が作動して既に抽選済みの停止図柄を確定し、その停止図柄となるように各図柄表示部33,34,35の図柄を制御する機能等を備えている。
【0029】
更に目押し制御手段47は、第1乱数判定手段39がリーチ乱数値であると判定した時に、最初に停止する左側の図柄表示部33の図柄を目押しスイッチ49の操作により抽選した図柄で停止させ、この左側の図柄表示部33の図柄及び最後に停止する中央の図柄表示部34以外、即ち、右側の図柄表示部35の図柄を強制的に左側の図柄表示部33の図柄と同じ図柄で停止させ、中央の図柄表示部34の図柄を目押しスイッチ49の操作により左右の各図柄表示部33,35 の図柄以外の図柄で停止させるようになっており、また第1乱数判定手段 39 が大当たり乱数値であると判定した時に、確率変動手段46による意図的な確率変動を防止するために、各図柄表示部33,34,35の図柄を確率変動用の特定の大当たり図柄以外の図柄で停止させるようになっている。
【0030】
次に図5乃至図7のフローチャートを参照しながら動作を説明する。
ゲームに際しては、上皿7 に遊技球を入れた状態で発射手段10の発射ハンドル11を操作する。すると発射手段10の発射動作に連動して上皿7 の遊技球が発射レールの発射位置に1個づつ供給され、その遊技球を打撃槌で打撃してガイドレール22に沿って順次遊技盤5 の上部側に発射する。
【0031】
遊技盤5 の上部側に発射された遊技球は、遊技盤5 の盤面に沿って落下する間に上入賞口25等に入賞するか、又は遊技盤5 の下部まで落下してアウト口32に入り、遊技盤5 の後側に通過して行く。
【0032】
図5に示すように遊技球が変動図柄表示手段23の下側の始動手段24を通過して、この始動手段24が遊技球を検出すると(ステップS1)、各乱数発生手段37,40 が常時所定の乱数を繰り返し発生しているので、各乱数抽選手段38,41 がその時点での乱数を抽選する(ステップS2)。そして、乱数判定手段39によりその抽選乱数値が大当たり乱数値、リーチ乱数値及び外れ乱数値の何れであるかを判定した後(ステップS3)、変動処理手段44により変動図柄表示手段23の各図柄表示部33,34,35の図柄を夫々所定時間変動させる(ステップS4〜S6)。
【0033】
即ち、始動手段24が遊技球を検出すると、第2乱数発生手段40の図柄乱数を第2乱数抽選手段41が抽選して、図柄確定手段42が大当たり乱数値、リーチ乱数値及び外れ乱数値等に応じて変動図柄表示手段23の各図柄表示部33,34,35の停止図柄を確定する。このため変動処理手段44では、各図柄表示部33,34,35の図柄が所定時間変動した後、その停止図柄で順次停止するように変動図柄表示手段23を制御する(ステップS4〜S6)。
【0034】
いま仮に乱数判定手段39の判定結果が大当たり乱数値であれば、各図柄表示部33,34,35の図柄が全て一致する大当たり図柄となるように変動処理を行い(ステップS6)、リーチ乱数値であれば、中央の図柄表示部34の図柄のみが左右の図柄表示部33,35 の図柄と異なるリーチ図柄となるように変動処理を行い(ステップS5)、またリーチ乱数値以外の外れ乱数値であれば、各図柄表示部33,34,35の図柄が全て異なる外れ図柄となるように変動処理を行う(ステップS4)。
【0035】
そして、判定結果がリーチ乱数値及び外れ乱数値の時は、その変動処理後にステップS1に戻る。また大当たり乱数値の時には、特定入賞手段28を有効にし(ステップS7)、この特定入賞手段28に入賞した遊技球が特別作動領域36を通過すれば(ステップS8)、権利発生手段45が働いて遊技者に有利な権利(大当たり状態)が発生する(ステップS9)。
【0036】
即ち、遊技球が特定入賞手段28の特別作動領域36を通過すれば(ステップS8)、その後、第3種始動手段30に遊技球が入る毎に(ステップS10)、大入賞手段31が一定時間開放し(ステップS11)、この大入賞手段31が開閉動作を最大16回まで繰り返す(ステップS12)。このため、大入賞手段31の1回の開放中に10個の遊技球が入賞するので、16回開閉する間に160個の遊技球が入賞し、その遊技球の1個毎に球払い出し手段16が15個づつの合計2400個の遊技球を景品として払い出して、遊技者に多大な利益を還元する。
なお、大入賞手段31が16回開閉すれば、ステップS13を経てステップS1に戻る。
【0037】
乱数判定手段39での乱数値の判定結果がリーチ乱数値及び大当たり乱数値の場合には、図6及び図7に示すように動作をする。
即ち、乱数判定手段39での判定結果がリーチ乱数値の場合には、図6に示すようにリーチ変動処理(ステップS5)中の一定時間内に目押し操作があるか否かを目押し制御手段47が判定し(ステップS14)、一定時間内に遊技者が目押しスイッチ49を操作すれば、目押し制御動作に移行する(ステップS15〜S23)。
【0038】
しかし、遊技者が一定時間内に目押しスイッチ49を操作しなければ、通常のリーチ停止処理に移行し(ステップS24)、所定時間の変動後に各図柄表示部33,34,35の図柄が自動的に停止する。このため、目押し操作をしない遊技者の場合には、従来のパチンコ機と同様に動作するだけである。
【0039】
一定時間内に遊技者が目押しスイッチ49を1回操作すれば(ステップS14)、目押し制御手段47の働きによって第2乱数抽選手段41が第2乱数の図柄乱数を抽選し、図柄確定手段42がリーチ乱数値及び図柄乱数値に応じて左の図柄表示部33の図柄を指定して、その図柄を図柄記憶手段43に記憶する(ステップS15)。
【0040】
この1回目の目押しスイッチ49の操作から一定時間内に2回目の操作をすると(ステップS16)、目押し制御手段47が左側の図柄表示部33の停止図柄と同一の図柄を右側の図柄表示部35の図柄として強制的に指定し、その図柄を図柄記憶手段43に記憶する(ステップS17)。
【0041】
次いで一定時間内に目押しスイッチ49の3回目の操作をすると(ステップS18)、第2乱数抽選手段41が第2乱数発生手段40の図柄乱数を抽選し、図柄確定手段42が中央の図柄表示部34の図柄を指定して、その図柄を図柄記憶手段43に記憶する(ステップS19)。
【0042】
しかし、今はリーチ処理中であるため、中央の図柄表示部34の図柄が他の図柄と同じか否かを判定し(ステップS20)、他の図柄と同じであれば、その次の図柄を強制的に選択し指定して(ステップS21)、大当たり図柄とならないようにする。また他の図柄と同じでなければ、大当たり図柄とはなり得ないので、ステップS19で抽選し指定した図柄をそのまま中央の図柄表示部34の図柄として確定し記憶する(ステップS22)。
【0043】
このように目押しスイッチ49を一定の時間内に順次操作して、目押しスイッチ49を操作するタイミングに応じて変動図柄表示手段23の各図柄表示部33,34,35の図柄を適宜指定すると、変動図柄表示手段23の各図柄表示部33,34,35の図柄が変動した後、左、右、中央の順にその指定図柄で停止する(ステップS23)。
なお、2回目及び3回目の場合にも、遊技者が一定時間内に目押しスイッチ49を操作をしなければ、全ての記憶を解除して通常のリーチ停止処理に戻る(ステップS24)。
【0044】
乱数判定手段39での判定結果が大当たり乱数値の場合にも、図7に示すように、大当たり変動処理(ステップS6)中に遊技者が目押しスイッチ49を3回操作すれば、前述と略同様にして大当たり図柄を指定し、その大当たり図柄で変動図柄表示手段23の各図柄表示部33,34,35の図柄が停止する(ステップS25〜S34)。
【0045】
即ち、この大当たり乱数値の場合には、遊技者が目押しスイッチ49を1回操作すれば(ステップS25)、目押し制御手段47の働きによって第2乱数抽選手段41が第2乱数の図柄乱数を抽選し、図柄確定手段42がリーチ乱数値及び図柄乱数値に応じて左の図柄表示部33の図柄を指定して、その図柄を図柄記憶手段43に記憶する(ステップS26)。
【0046】
次いで目押しスイッチ49を一定時間内に2回目、3回目と操作をすると(ステップS27、S29)、目押し制御手段47が左側の図柄表示部33の停止図柄と同一の図柄を他の2個の図柄表示部34,35 の図柄として強制的に指定し、その図柄を記憶する(ステップS28、S30)。
【0047】
次に指定した図柄が確率変動図柄か否かを判定し(ステップS31)、指定図柄が確率変動図柄でなければ、その指定図柄のままで確定し(ステップS32)、その指定図柄に従って大当たり図柄の停止処理に移行する(ステップS33)。
【0048】
しかし、指定図柄が確率変動図柄であれば、指定図柄の記憶を解除して、既に確定していた大当たり図柄に強制的に戻して(ステップS34)、その大当たり図柄で停止させる(ステップS33)。このため変動図柄表示手段23の各図柄表示部33,34,35の図柄は、指定図柄で停止する寸前に元の大当たり図柄に変動して停止するか、又は徐々に変動速度を低下させながら元の大当たり図柄で停止する。
【0049】
従って、目押しスイッチ49を操作して、大当たり図柄の中でも、特定の確率変動図柄を狙って指定することはできず、確率変動手段46による確率変動の利益を受けるようなことはできない。
この実施形態によれば、変動図柄表示手段23を備えたパチンコ機にスロットルマシンの味わいを一部取り入れることができ、これによって遊技者が変動図柄表示手段23の各図柄の変動、停止に関与できるため、遊技者のゲーム攻略に対する意欲を喚起できる等、興趣に優れたパチンコ機を提供できる。
【0050】
しかも抽選乱数値が大当たり乱数値又はリーチ乱数値であった時に、目押し操作手段48の操作により変動図柄表示手段23の各図柄表示部33,34,35の図柄の抽選・停止を可能にしているので、あたかも遊技者の操作によってリーチ図柄又は大当たり図柄が出たかのような錯覚又は印象を遊技者に与えることができ、遊技者の興趣をより大にできる。
【0051】
遊技者が一定時間内に目押しスイッチ49を操作しなければ、通常の大当たり乱数停止処理に移行し(ステップS35)、所定時間の変動後に各図柄表示部33,34,35の図柄が自動的に大当たり図柄で停止する。
この場合の大当たり図柄が特定の確率変動図柄であれば、その大当たりによる権利状態の消滅後、確率変動手段46が作動して変動図柄表示手段23での大当たりの発生確率を低確率の1/250から高確率の1/50に変動し、次の大当たりの発生を容易にする。
【0052】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
目押し操作手段48を押しボタン式の目押しスイッチ49により構成し、この目押し操作手段48を下皿の左端側で前枠4 の下端部に設けているが、目押し操作手段48は押しボタン式の目押しスイッチ49以外のものを用いても良いし、また前枠4 の左端側の下部以外の位置に設けることも可能である。
【0053】
変動図柄表示手段23は、実施形態のように3個の図柄表示部33,34,35を備えたものの他、2個又は4個以上の図柄表示部を備えたものであっても良い。
実施形態では、第2権利発生手段として確率変動手段46を例示しているが、これは遊技者に有利になるものであれば十分である。
またパチンコ機の他、アレンジボール機等の弾球遊技機においても同様に実施することが可能である。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、複数個の図柄表示部33〜35を有する変動図柄表示手段23と、始動手段24による遊技球の検出により各図柄表示部33〜35の図柄を所定時間変動させて、変動後の各図柄が抽選乱数値に応じて確定した停止図柄により、その抽選乱数値が大当たり乱数値の場合に大当たり図柄、リーチ乱数値の場合にリーチ図柄、リーチ乱数値以外の外れ乱数値の場合に外れ図柄で夫々停止するように変動処理を行う変動処理手段44と、各図柄表示部33〜35の停止図柄が大当たり図柄となった場合に遊技者に有利な権利を発生させる権利発生手段45とを備えた弾球遊技機において、抽選乱数値が大当たり乱数値又はリーチ乱数値の場合に、各図柄表示部33〜35に停止表示されるべき大当たり図柄又はリーチ図柄をその操作タイミングに応じて指定するための操作手段48と、該操作手段48の操作により大当たり図柄又はリーチ図柄が指定された場合に、その指定された大当たり図柄又はリーチ図柄を記憶する機能と、大当たり図柄又はリーチ図柄が指定された場合に、各図柄表示部33〜35の図柄をその指定された大当たり図柄又はリーチ図柄で停止させる機能と、各図柄表示部33〜35の大当たり図柄又はリーチ図柄が一定時間内に全て指定されない場合に、前記記憶を解除して抽選乱数値に応じて確定した停止図柄で停止させる機能とを備えているので、スロットルマシンの味わいを一部取り入れることができ、これによって遊技者が変動図柄表示手段23の各図柄表示部33,34,35の図柄の変動、停止に関与できるため、遊技者のゲーム攻略に対する意欲を喚起できる等、従来に比較して遊技者の興趣に優れた弾球遊技機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示す全体の前側の斜視図である。
【図2】 本発明の第1の実施形態を示す全体の裏側の斜視図である。
【図3】 本発明の第1の実施形態を示す遊技盤の正面図である。
【図4】 本発明の第1の実施形態を示す制御系のブロック図である。
【図5】 本発明の第1の実施形態を示すフローチャートである。
【図6】 本発明の第1の実施形態を示すフローチャートである。
【図7】 本発明の第1の実施形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
23 変動図柄表示手段
24 始動手段
33,34,35 図柄表示部
45 第1権利発生手段
46 第2権利発生手段
48 目押し操作手段
Claims (4)
- 複数個の図柄表示部(33)〜(35)を有する変動図柄表示手段(23)と、始動手段(24)による遊技球の検出により前記各図柄表示部(33)〜(35)の図柄を所定時間変動させて、変動後の各図柄が抽選乱数値に応じて確定した停止図柄により、その抽選乱数値が大当たり乱数値の場合に大当たり図柄、リーチ乱数値の場合にリーチ図柄、リーチ乱数値以外の外れ乱数値の場合に外れ図柄で夫々停止するように変動処理を行う変動処理手段(44)と、前記各図柄表示部(33)〜(35)の停止図柄が大当たり図柄となった場合に遊技者に有利な権利を発生させる権利発生手段(45)とを備えた弾球遊技機において、抽選乱数値が大当たり乱数値又はリーチ乱数値の場合に、前記各図柄表示部(33)〜(35)に停止表示されるべき大当たり図柄又はリーチ図柄をその操作タイミングに応じて指定するための操作手段(48)と、該操作手段(48)の操作により大当たり図柄又はリーチ図柄が指定された場合に、その指定された大当たり図柄又はリーチ図柄を記憶する機能と、大当たり図柄又はリーチ図柄が指定された場合に、前記各図柄表示部(33)〜(35)の図柄をその指定された大当たり図柄又はリーチ図柄で停止させる機能と、前記各図柄表示部(33)〜(35)の大当たり図柄又はリーチ図柄が一定時間内に全て指定されない場合に、前記記憶を解除して抽選乱数値に応じて確定した停止図柄で停止させる機能とを備えたことを特徴とする弾球遊技機。
- 抽選乱数値が大当たり乱数値又はリーチ乱数値のときに、前記操作手段(48)による変動図柄表示手段(23)の図柄の抽選・停止を可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
- 抽選乱数値がリーチ乱数値となった後に操作手段(48)を順次操作したときに図柄が順次停止する3個以上の図柄表示部(33)(34)(35)を備え、操作手段(48)を順次操作したときに、最先停止用の図柄表示部(33)の図柄が操作手段(48)の操作に応じた図柄で停止し、中間停止用の図柄表示部(35)の図柄が前記最先停止用の図柄表示部(33)と同じ図柄で停止し、最後停止用の図柄表示部(34)の図柄が前記各図柄表示部(33)(35)の図柄以外の図柄で停止するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の弾球遊技機。
- 特定の大当たり図柄のときに別の有利な権利を発生させる第2権利発生手段(46)を備え、抽選乱数値が大当たり乱数値となった後に操作手段(48)を操作したときに、前記特定の大当たり図柄以外の図柄で停止させるようにしたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の弾球遊技機。
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