JP3660126B2 - データ転送回路及び液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、データ転送回路及び液晶表示装置に係り、特に、データバスを終端抵抗により終端したデータ転送回路及び液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のデータ転送回路としては、例えば、日経エレクトロニクス、1992年6月8日号(No.556)日経BP社、pp.133−144に記載されているように、GTL(Gunning Transceiver Logic)やCTT(Center Tapped Termination)といわれる入出力インタフェースを備えたデータ転送回路が知られている。このデータ転送回路は、データ転送速度の高速化及び消費電力面で有利な信号振幅が1V以下のものである。即ち、このデータ転送回路は、データバスを終端抵抗によって終端し、小振幅にすることで、容量及び振幅電圧の2乗及び周波数の積で表わされる交流成分の消費電力を抑え、動作周波数を上げて高速なデータ転送速度を実現している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のGTLやCTT等の入出力インタフェースを備えたデータ転送回路においては、交流成分の消費電力を押さえることにより、電源電圧フル振幅のデータ転送回路に比較して、高速かつ低消費電力のデータ転送を実現しているが、終端抵抗での直流分の消費電力が生じる。
【0004】
例えば、終端電圧を1.5V、データ信号線の信号振幅電圧は終端電圧を中心に±0.5V、終端抵抗は50Ωとしたとき、信号のハイレベルまたはロウレベルに関わらず、終端抵抗は、±10mAと常に一定の電流が流れることになる。従って、同じ値のデータを連続して転送して、データの実質的な周波数速度が下がっても、定常的に流れる終端電流により消費電力を抑えることが困難であるという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、終端抵抗により終端されたデータバスにおける消費電力を低減することができるデータ転送回路及び液晶表示装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、ラインクロックを含む制御信号と表示データを出力するコントローラと、制御信号線を介して上記コントローラからの上記制御信号を取り込み、複数のデータ信号線を介して上記コントローラからの上記表示データを取り込み、上記表示データに対応する電圧を出力する液晶駆動回路と、上記液晶駆動回路からの上記電圧によって駆動されるデータ線を有し情報を表示する液晶パネルとを有し、上記コントローラと上記液晶駆動回路との間の上記データ信号線は、それぞれ、終端抵抗によって終端されている液晶表示装置において、上記コントローラは、上記液晶駆動回路に送信する上記表示データが上記コントローラ内で上記表示データをラッチするためのクロックの1サイクル前の表示データと等しいとき有効となるホールド信号を生成するとともに、ホールド信号線を介してこのホールド信号を上記液晶駆動回路に送信するホールド信号生成手段を備え、上記液晶駆動回路は、受信した上記表示データをホールドするホールド回路を備え、上記液晶駆動回路は、上記ホールド信号によって上記コントローラからの表示データの受信を停止し、上記ホールド回路は、上記コントローラからの表示データの受信を停止している場合に、上記ホールド回路によってホールドされた表示データを出力するようにしたものである。
かかる構成により、終端抵抗に流れる電流を低減して、消費電力を低減し得るものとなる。
【0007】
(2)上記(1)において、好ましくは、上記ホールド信号生成手段は、所定時間遅延させたデータと送信するデータを比較し、一致するときホールド信号を有効にするものである。
かかる構成により、送信データと前のサイクルのデータが一致する場合のみならず、さらに、終端抵抗を流れる電流を低減し得るものとなる。
【0008】
(3)上記(1)において、好ましくは、上記コントローラは、送信する有効表示データと無効表示データの内、無効表示データについては、第1のデータを送信するとともに、残りのデータ送信を停止して、ホールド信号を上記液晶駆動回路に送信するものである。
かかる構成により、無効表示データの送信中の終端抵抗を流れる電流を低減し得るものとなる。
【0009】
(4)上記(1)において、好ましくは、上記コントローラは、送信するデータを複数の組に分割し、それぞれの組のデータに対して、上記ホールド信号生成回路を備えるものである。
かかる構成により、各組毎の終端抵抗に流れる電流を低減し得るものとなる。
【0010】
(5)上記(4)において、好ましくは、上記コントローラは、送信するデータを上位ビットと下位ビットのデータに分割し、それぞれのデータに対して、上記ホールド信号生成回路を備えるものである。
【0011】
(6)上記目的を達成するために、本発明は、ラインクロックを含む制御信号と表示データを出力するコントローラと、制御信号線を介して上記コントローラからの上記制御信号を取り込み、複数のデータ信号線を介して上記コントローラからの上記表示データを取り込み、上記表示データに対応する電圧を出力する液晶駆動回路と、上記液晶駆動回路からの上記電圧によって駆動されるデータ線を有し情報を表示する液晶パネルとを有し、上記コントローラと上記液晶駆動回路との間の上記データ信号線は、それぞれ、終端抵抗によって終端されている液晶表示装置において、上記コントローラは、上記液晶駆動回路に送信する上記表示データが上記コントローラ内で上記表示データをラッチするためのクロックの1サイクル前の表示データと等しいとき有効となるホールド信号を生成するホールド信号生成手段を備え、上記コントローラは、このホールド信号によってデータ送信を停止するとともに、ホールド信号線を介して上記ホールド信号を上記液晶駆動回路に送信し、上記液晶駆動回路は、上記ホールド信号に従って受信した上記表示データをホールドするとともに、上記コントローラからの表示データの受信を停止している場合に、このホールドされた表示データを出力するホールド回路を備えるようにしたものである。
かかる構成により、終端抵抗に流れる電流を低減して、消費電力を低減し得るものとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図6を用いて、本発明の一実施形態によるデータ転送回路の構成及び動作について説明する。
最初に、図1を用いて、本実施形態によるデータ転送回路の全体構成について説明する。
【0013】
本実施形態によるデータ転送回路は、データ送信回路100と、データ受信回路200と、データ送信回路100からデータ受信回路200にnビットのデータを転送するn本のデータ信号線300と、データ送信回路100からデータ受信回路200にホールド信号を送るホールド信号線400と、データ信号線300及びホールド信号線400を終端電圧Vterに終端する(n+1)個の終端抵抗Rt-1,…,Rt-n,Rt-Hとから構成されている。
【0014】
データ転送回路100は、内部回路110と、内部回路110の出力するnビットの内部送信データDA1に基づいてデータ信号線300から出力する外部送信データを生成するとともに、ホールド信号線400から出力するホールド信号を出力する出力制御回路120とから構成されている。
【0015】
出力制御回路120は、出力データDA2及びホールド信号Holdを生成するホールド信号生成回路122と、ホールド信号Holdによってハイインピーダンスに制御されるn個の3ステート出力バッファBuから構成されるデータ用出力バッファ回路124と、ホールド信号用出力バッファ126とから構成されている。なお、ホールド信号生成回路122の詳細な構成については、図2を用いて後述する。
【0016】
データ受信回路200は、データ信号線300から送られてくるデータを、ホールド信号に基づいて内部受信データDA4に復元する入力制御回路210と、復元された内部受信データDA4によって駆動される内部回路220とから構成されている。
【0017】
入力制御回路210は、データ信号線300から入力するデータと参照電圧Vrefとを比較して、受信データDA3を出力するn個の差動増幅器Dif及び、ホールド信号線400から入力するホールド信号Holdと参照電圧Vrefとを比較して、受信ホールド信号Hrecを出力する1個の差動増幅器Difから構成される差動増幅回路212と、入力する受信データDA3を受信ホールド信号Hrecに応じてホールドするホールド回路214とから構成されている。なお、入力制御回路210の詳細な構成については、図4を用いて、後述する。
【0018】
次に、本実施形態によるデータ転送回路の全体的な動作について説明する。
最初に、データ送信回路100によるデータ送信動作について説明する。
データ送信回路100内の内部回路110が出力する内部送信データDA1は、出力制御回路120内のホールド信号生成回路122に入力する。ホールド信号生成回路122は、内部送信データDA1を基に、ホールド信号Holdを生成する。ホールド信号生成回路122の詳細構成及び動作については、図2及び図3を用いて後述する。ホールド信号Holdは、内部送信データDA1が1サイクル前のデータ値と等しいときアクティブとなる。ホールド信号生成回路120の出力した送信データDA2は、出力バッファ回路124を構成する3ステート出力バッファBuに入力する。3ステート出力バッファBuは、内部送信データDA2をデータ信号線300に出力する。なお、3ステート出力バッファBuは、プッシュプル型のバッファであるものとする。
【0019】
データ信号線300は、終端抵抗Rt−1,…,Rt−nを介して、終端電圧Vterに終端するため、データ信号線300を流れるデータ信号は、終端電圧Vterを中心に電圧値が変化し、3ステート出力バッファBuに入力する送信データがハイの場合は終端電圧Vterよりも高い電圧値となり、ロウの場合は終端電圧Vterよりも低い電圧値となる。また、3ステート出力バッファBuの制御端子にはホールド信号Holdが入力し、ホールド信号Holdがアクティブのときには、3ステート出力バッファ124の出力はハイインピーダンスとなる。即ち、データ信号線300の電圧値は、終端電圧Vterと等しくなる。
さらに、ホールド信号Holdは、ホールド信号用出力バッファ126を介してホールド信号線400に出力される。このようにして、データ送信動作が行われる。
【0020】
次に、データ受信回路200によるデータ受信動作について説明する。
データ受信回路200の入力制御回路210内の差動増幅器Difの負入力端子(−)にデータ信号線300が入力し、正入力端子(+)に参照電圧Vrefが入力することにより、送信データを受信する。差動増幅器Difは、参照電圧Vrefをスレッショルドレベルとしてデータ信号線300を介して送信されたデータを受信し、その反転データを受信データDA3として出力する。この時、受信データDA3の振幅は、電源電圧レベルとなる。
【0021】
受信データDA3は、ホールド回路214に入力し、さらに、差動増幅器Difで受信した内部ホールド信号Hrecもホールド回路214に入力する。ホールド回路214は、ホールド信号Hrecがアクティブのとき、入力する受信データDA3を遮断し値を保持する。ホールド回路214の詳細構成及び動作については、図4を用いて後述する。ホールド信号Hrecがアクティブのとき、データ信号線300の電圧値は終端電圧Vterと同じ電圧値となり、データを受信する差動増幅器Difの受信データもハイレベルとロウレベルの間の中間レベルになるが、ホールド信号Hrecにより、データ受信回路200内の内部受信データDA4はホールドされているため、内部回路220に影響はないものである。
【0022】
以上のように、ホールド信号を生成し、ホールド信号にしたがってデータを保持することでデータ送受信を実現する。
【0023】
次に、図2及び図3を用いて、本実施形態による出力制御回路120に用いられるホールド信号生成回路122の構成及び動作について説明する。
図2に示すように、ホールド信号生成回路122は、ラッチ回路LAT,LAT2と、比較器COMPとから構成されている。なお、図1には示さなかったが、ホールド信号生成回路122にはデータをラッチするためにクロックCLKも入力する。
【0024】
内部送信データDA1(以下、「入力データ」と称する)は、ラッチ回路LAT1に入力し、クロックCLKでラッチされることにより、1サイクル遅れた送信データDA2(以下、「出力データ」と称する)が、ラッチ回路LAT1から出力する。即ち、図3(B),(C)に示すように、サイクル0において、ラッチ回路LAT1に入力した入力データD1は、1サイクル遅れたサイクル1のタイミングで、出力データとして、ラッチ回路LAT1から出力する。
【0025】
入力データと出力データは比較器41に入力し、入力データと出力データが一致したとき、つまり、等しいデータが2サイクル連続するとき、一致検出信号Sagrをアクティブにする。例えば、図3(B)に示す例では、入力データD1,D2は、それぞれ、1サイクル毎に、データが変わるが、入力データD3は、サイクル2〜サイクル4までの3サイクルの間等しいものとする。このとき、サイクル3とサイクル4において、比較器COMPの入力が一致することになり、このとき、図3(D)に示すように、比較器COMPの出力である一致検出信号Sagrがアクティブ(ハイレベル)となる。同様にして、入力データD5も、サイクル6以降等しいデータが続くものとすると、サイクル7以降において、比較器COMPの入力が一致することになり、このとき、図3(D)に示すように、比較器COMPの出力である一致検出信号Sagrがアクティブ(ハイレベル)となる。
【0026】
一致検出信号Sagrは、ラッチ回路LAT2によってラッチされ、ホールド信号Holdとして出力する。図3(E)に示すように、ホールド信号Holdは、一致検出信号Sagrに対して1サイクル遅れた信号となる。
【0027】
このようにして、ホールド信号生成回路122は、送信データDA2とホールド信号Holdを生成する。
なお、上述した説明では、入力データをラッチ回路LAT1で1サイクル遅延して出力データを生成したが、入力データをそのまま出力データとし、一致検出信号Sagrをそのままホールド信号Holdとして出力しても、同一データが複数サイクル連続するデータの第2サイクルからホールド信号Holdが有効となれば、何ら問題はないものである。
【0028】
次に、図4を用いて、本実施形態による入力制御回路210の詳細な構成及び動作について説明する。
入力制御回路210の差動増幅回路212は、データ信号線300から入力するデータと参照電圧Vrefとを比較して、受信データDA3を出力するn個の差動増幅器Dif-1,…,Dif-nと、ホールド信号線400から入力するホールド信号Holdと参照電圧Vrefとを比較して、受信ホールド信号Hrecを出力する1個の差動増幅器Dif-Hとから構成されている。
【0029】
ホールド回路214は、受信データが入力するn個のデータラッチ手段DL-1,…,DL-nと、受信ホールド信号Hrecが入力する直列接続されたインバータINV1,INV2とから構成されている。データラッチ手段DL-1,…,DL-nは、それぞれ、同一の構成を有しているものであり、ここでは、データラッチ手段DL-1の構成について説明する。データラッチ手段DL-1は、スイッチSW-1と、インバータINV-1と、クロックトインバータCI-1とから構成されている。クロックトインバータCI-1は、インバータINV1,INV2から出力されるラッチ信号SLにより、電源を接続あるいは遮断して出力のハイインピーダンス制御が可能なインバータ回路である。インバータINV-1の出力は、クロックトインバータCI-1に入力し、反転した出力がインバータINV-1の入力側に接続し、フィードバックループを形成してデータラッチ手段DL-1を構成する。
【0030】
次に、入力制御回路210の動作について説明する。
差動増幅回路212を構成する差動増幅器Dif-1,…,Dif-nには、 データ信号線300及び参照電圧参照電圧Vrefが入力する。差動増幅器Dif-1,…,Dif-nは、データ信号線300の反転データである受信データDA3を出力し、受信データDA3をホールド回路214に入力する。
【0031】
受信データDA3は、スイッチSW-1,…,SW-nを通して、インバータINV-1,…,INV-nに入力する。インバータINV-1,…,INV-nは、内部受信データDA4を出力する。また、内部受信データDA4は、電源を接続あるいは遮断して出力のハイインピーダンス制御が可能なクロックトインバータCI-1,…,CI-nに入力し、反転した出力をインバータINV-1,…,INV-nの入力側に接続し、フィードバックループを形成してラッチ回路を構成する。
【0032】
ホールド回路214には、さらにデータ信号線300と同様に差動増幅器Dif-Hを介して反転した内部ホールド信号Hrecが入力し、インバータINV1,INV2を通してラッチ信号SLAを生成する。ホールド信号400がインアクティブのとき、スイッチSW-1,…,SW-nはオンとなり、受信データDA3を通し、クロックトインバータCI-1,…,CI-nは、出力をハイインピーダンスにしてインバータINV-1,…,INV-nは、内部受信データDA4を出力する。即ち、データラッチ手段DL-1,…,DL-nは、受信データDA3を、そのまま内部受信データDA4として、通過させる。
【0033】
ホールド信号400がアクティブのとき、スイッチSW-1,…,SW-nはオフとなり、受信データDA3は遮断され、クロックトインバータCI-1,…,CI-nは、インバータINV-1,…,INV-nの出力の反転を出力し、フィードバックループで値が保持され、内部受信データDA4を出力する。即ち、データラッチ手段DL-1,…,DL-nは、データをラッチする。この時、スイッチSW-1,…,SW-nにより差動増幅回路212が出力する受信データDA3が遮断されるため、データ信号線300が終端電圧Vterのレベルとなって、受信データDA3の電圧値が変化しても、ホールド回路214の出力する内部受信データDA4には影響はなくなる。
【0034】
このようにして、ホールド信号Hrecを用いて受信データDA4を保持することでデータ信号線300を終端電圧Vterレベルにすることができる。
【0035】
ここで、図5及び図6を用いて、本実施形態によるデータ転送回路のデータ送信回路により送信され、データ受信回路により受信されるデータについて説明する。
図5は、テキストデータが表示されているドットマトリックス型の表示画面であり、図6は、本実施形態によるデータ転送回路を用いた表示画面の第1ラインの表示データのデータ転送のタイミングチャートを示している。
【0036】
図5に示すように、表示画面上に、「01」という数字を表示しようとする場合、表示画面を拡大してみると、例えば、y方向は5ラインで文字の1行を構成するとすると、第1ラインのx方向のデータは、白を「ハイレベル=1」とし、黒を「ロウレベル=0」のデータで表すと、「1011101111……」となる。
【0037】
図6(A)は、図5に示した第1ラインを表示するために、図1に示したデータ送信回路100の内部回路110が出力する内部送信データDA1を示している。
【0038】
図6(B)に示すデータ信号線300を流れる信号は、図3(C)において説明した出力データDA2に等しいものであり、内部送信データDA1が1サイクル遅れた信号となっている。なお、図6(B)において、実線は本実施形態におけるデータ波形を示している。破線は、参考のために従来例について示している。
また、終端電圧Vterを1.5Vとし、データ信号線300及びホールド信号線400を流れるデータは、1.5Vを中心として、±0.5Vの振幅の信号となっている。
【0039】
データ信号線300は、終端抵抗Rt−1,…,Rt−nを介して、終端電圧Vterに終端するため、データ信号線300を流れるデータ信号は、終端電圧Vterを中心に電圧値が変化し、3ステート出力バッファBuに入力する送信データがハイの場合は終端電圧Vterよりも高い電圧値(2.0V)となり、ロウの場合は終端電圧Vterよりも低い電圧値(1.0V)となる。
【0040】
サイクル4,5においては、図3(E)に示したホールド信号生成回路122は、図6(D)に示したホールド信号Holdを生成する。ホールド信号Holdは、図1に示したように、3ステート出力バッファBuの制御端子に入力し、ホールド信号Holdがアクティブのときには、3ステート出力バッファBuの出力はハイインピーダンスとなる。即ち、データ信号線300の電圧値は、終端電圧Vterと等しくなる。従って、サイクル4,5においては、本実施形態においては、データ信号線300の信号の電圧は、終端電圧Vter(1.5V)と等しくなる。なお、従来の方式では、サイクル3〜5の間は、ハイレベルとなっている。同様にして、サイクル8〜10の間も、データ信号線300の信号の電圧は、終端電圧Vter(1.5V)と等しくなる。
【0041】
次に、図6(C)は、終端抵抗Rtを流れる電流を示しており、Rt電流は、データ信号線300を流れる信号はハイレベルのときは、プラスの電流(例えば、+10mA)が流れ、ロウレベルのときは、マイナスの電流(例えば、−10mA)が流れる。さらに、本実施形態のように、出力バッファとして、3ステート出力バッファBuを用いて、その制御入力により、3ステート出力バッファBuの出力をハイインピーダンスとすると、Rt電流は零(0mA)となる。即ち、図6(C)に示すように、サイクル4,5及びサイクル8〜10の間においては、従来の+10mAから0mAに低減することができる。この電流低減によって、本実施形態においては、消費電力を低減することができる。
【0042】
さらに、図6(E)により、受信時の動作について説明すると、サイクル1〜3においては、図4に示したスイッチSW-1,…,SW-nはオンとなっており、データ信号線300を流れるデータ(図6(C))は、そのまま、内部受信データDA4として、入力制御回路210から出力される。なお、内部受信データDA4は、高電位Vccと低電位GNDの間の振幅を有する信号となる。一方、サイクル4,5においては、スイッチSW-1,…,SW-nはオフとなる。そして、内部受信データDA4は、データラッチ手段DL-1,…,DL-nにラッチされた前のサイクルのレベルとなる。同様にして、サイクル8〜10も、前のサイクルのレベルとなる。
【0043】
ここで、図6(A)の内部送信データDA1と、図6(E)の内部受信データDA4は、1サイクル遅れているのみ等しいデータとなっている。即ち、本実施形態においては、同じデータが続く場合には、Rt電流を0とするようにして、消費電力を低減している。
【0044】
なお、従来のデータ転送回路においては、Nビットのデータを転送する際には、データ信号線300の本数は、N本である。本実施形態においては、ホールド信号線400が1本追加されるため、N+1本必要となる。ホールド信号線400を流れる電流を考慮して、消費電力の低減効果について見ると、次のようになる。サイクル1から3では(N+1)×10mAのRt電流が流れるが、サイクル4から5では、1×10mAのRt電流となる。即ち、サイクル1から10までに流れる単位時間当たりの電流は、各サイクルに流れる電流の総和をサイクル数で割ることにより得られ、(0.5×N+1)×10mAとなる。従来のデータ転送回路においてはN×10mAの電流が定常的に流れるため、Nが3以上の場合に、サイクル1から10のデータでは、本実施形態によるデータ転送回路の方がRtに流れる電流が少なくなる。さらに、同一データがより多く連続する場合には従来に比べ、大幅にRt電流を低減することができる。例えば、図6(A)に示したサイクル1〜10までのデータを、N=10のデータ信号線300に同時送る場合を考えると、従来に対して本実施形態の消費電力は、60%まで低減することができる。
【0045】
以上説明したように、本実施形態のデータ転送回路では、終端抵抗Rtの消費電流を低減することができ、特に同一データが連続して転送されるテキスト等のコンピュータグラフィックス画像のデータ転送等において有効である。
【0046】
次に、図7〜図9を用いて、本発明の第2の実施形態によるデータ転送回路について説明する。
図7は、本実施形態によるデータ転送回路の出力制御回路に用いるホールド信号生成回路の構成は示しており、図8は、本実施形態によるホールド信号生成回路の動作を示しており、図9は、本実施形態によるデータ転送回路のデータ転送の動作を示している。
【0047】
最初に、図7を用いて、本実施形態によるデータ転送回路の出力制御回路に用いるホールド信号生成回路の構成について説明する。なお、本実施形態によるデータ転送回路の全体構成は、図1に示したデータ送信回路100と、データ転送回路受信回路200と、データ信号線300と、ホールド信号線400とから構成されるデータ転送回路と同様であり、ホールド信号生成回路の構成が、図2に示したホールド信号生成回路122と一部異なるものである。
【0048】
本実施形態においても、図1〜図6において説明した実施形態と同様にして、送信するデータが1サイクル前のデータと等しいときには、データ送信をホールドし、データ受信回路側で送られてきたホールド信号に基づいて復元するようにした点は同様である。
本実施形態においては、図1〜図6に示した実施形態よりさらに、消費電力を低減しようとしているものである。
【0049】
図7に示すように、ホールド信号生成回路122Aは、遅延回路DELと、比較器COMP2とから構成されている。遅延回路DELによる遅延時間Tdは、1サイクルの時間よりも短くしている。例えば、1サイクルを30nsとすると、遅延時間Tdは、10ns〜20nsとする。
内部送信データDA1(以下、「入力データ」と称する)は、そのまま送信データDA2’(以下、「出力データ」と称する)として出力する。また、入力データDA1は、遅延回路DELに入力し、遅延時間Tdだけ遅れた遅延データSdとして出力し、比較器COMP2の一方の入力端子に入力する。また、比較器COMP2の他方の入力端子には、入力データDA1がそのまま入力する。比較器COMP2の2つの入力データが一致したとき、ホールド信号がアクティブとなる。
【0050】
例えば、図8に示す例において、図8(A)は、図3(B)に示したものと同じ入力データDA1を示している。遅延データSdは、図8(B)に示すように、入力データDA1に対して、遅延時間Tdだけ遅延したものとなる。ここで、両者が一致する時間帯を検討してみると、サイクル3,4及びサイクル7〜10は、図3に示した例と同様に一致している。従って、このとき、比較器COMP2が出力するホールド信号Holdは、アクティブ(ハイレベル)となる。
【0051】
また、サイクル0について見ると、遅延時間Tdずれた分、サイクルの長さをTcとすると、(Tc−Td)の間は、一致することとなり、図8(C)に示すように、(Tc−Td)の間、比較器COMP2が出力するホールド信号Holdは、アクティブ(ハイレベル)となる。同様にして、サイクル1,2,5,6においても、(Tc−Td)の間、比較器COMP2が出力するホールド信号Holdは、アクティブ(ハイレベル)となる。
【0052】
なお、ここで、ここで、図4に示した入力制御回路210のホールド回路214は、データラッチ回路DLでデータ値を保持する為に、ホールド信号Hrecの立ち上がりエッジに対してデータのセットアップ時間を必要とするため、遅延時間Tdはこのセットアップ時間以上の値とする必要がある。
【0053】
ここで、図9を用いて、本実施形態によるデータ転送回路のデータ送信回路により送信され、データ受信回路により受信されるデータについて説明する。
図9(A)は、図5に示した第1ラインを表示するために、図1に示したデータ送信回路100の内部回路110が出力する内部送信データDA1を示しており、図6(A)と同じものである。
【0054】
図9(B)に示すデータ信号線300を流れる信号は、内部送信データDA1が1サイクル遅れるとともに、図9(D)に示すホールド信号Holdがアクティブになったとき、3ステート出力バッファBuの出力はハイインピーダンスとなり、データ信号線300の電圧値は、終端電圧Vterと等しくなる。従って、サイクル1,2,3,6,7の一部(時間:(Tc−Td)分)と、サイクル4,5,8〜10において、データ信号線300の信号の電圧は、終端電圧Vter(1.5V)と等しくなる。
【0055】
次に、図9(C)は、終端抵抗Rtを流れる電流を示しており、Rt電流は、3ステート出力バッファBuの制御入力であるホールド信号により、3ステート出力バッファBuの出力をハイインピーダンスとすると、Rt電流は零(0mA)となる。即ち、図9(C)に示すように、サイクル1,2,3,6,7の一部(時間:(Tc−Td)分)と、サイクル4,5,8〜10の間においては、0mAに低減することができる。この電流低減によって、本実施形態においては、消費電力を低減することができる。
【0056】
さらに、図9(E)により、受信時の動作について説明すると、図4に示したスイッチSW-1,…,SW-nはオンとなっている期間(ホールド信号がロウレベルの期間)は、データ信号線300を流れるデータは、そのまま、内部受信データDA4として、入力制御回路210から出力される。一方、ホールド信号がアクティブとなり、スイッチSW-1,…,SW-nはオフとなると、内部受信データDA4は、データラッチ手段DL-1,…,DL-nにラッチされたレベルとなる。
【0057】
ここで、図9(A)の内部送信データDA1と、図9(E)の内部受信データDA4は、1サイクル遅れているのみ等しいデータとなっている。即ち、本実施形態においては、同じデータが続く場合には、Rt電流を0とするようにして、消費電力を低減している。
【0058】
従って、本実施形態においては、図1〜図6における実施形態によるRt電流の低減効果に加えて、遅延時間Tdに基づいて生成されるホールド信号の分だけRt電流を低減することができる。例えば、図6(A)に示したサイクル1〜10までのデータを、N=10のデータ信号線300に同時送る場合を考え、サイクルTcを30nsとし、遅延時間Tdを10nsとすると、従来に対して本実施形態の消費電力は、43%まで低減することができる。
【0059】
以上説明したように、本実施形態のデータ転送回路では、終端抵抗Rtの消費電流を低減することができ、特に同一データが連続して転送されるテキスト等のコンピュータグラフィックス画像のデータ転送等において有効である。
【0060】
次に、図10を用いて、本発明の第3の実施形態によるデータ転送回路について説明する。なお、図4と同一符号は、同一部分を示している。
なお、本実施形態によるデータ転送回路の全体構成は、図1に示したデータ送信回路100と、データ転送回路受信回路200と、データ信号線300と、ホールド信号線400とから構成されるデータ転送回路と同様であり、入力制御回路の構成が、図2に示した入力制御回路210と一部異なるものである。
【0061】
本実施形態においても、図1〜図6において説明した実施形態と同様にして、送信するデータが1サイクル前のデータと等しいときには、データ送信をホールドし、データ受信回路側で送られてきたホールド信号に基づいて復元するようにした点は同様である。
【0062】
図10は、本発明の第3の実施形態によるデータ転送回路の入力制御回路の構成を示すブロック図である。
図4の実施形態における入力制御回路210は、差動増幅器Difの出力である受信データDA3をホールド回路214のスイッチSW-1,…,SW-nにより遮断し、フィードバックループを形成することでデータ値を保持していたが、本実施形態における入力制御回路210Aは、図4に示した入力制御回路210における差動増幅器Dif−1,…,Dif−n及びスイッチSW-1,…,SW-nに代えて、イネーブル端子を設けた差動増幅器EDif−1,…,EDif−nを用いるようにしている。
【0063】
入力制御回路210Aの差動増幅回路212Aは、データ信号線300から入力するデータと参照電圧Vrefとを比較して、受信データDA3を出力するn個の差動増幅器EDif-1,…,EDif-nと、ホールド信号線400から入力するホールド信号Holdと参照電圧Vrefとを比較して、受信ホールド信号Hrecを出力する1個の差動増幅器Dif-Hとから構成されている。差動増幅器EDif-1,…,EDif-nは、イネーブル端子ENを設けた差動増幅器である。
【0064】
ホールド回路214Aは、受信データが入力するn個のデータラッチ手段DL-1,…,DL-nと、受信ホールド信号Hrecが入力する直列接続されたインバータINV1,INV2とから構成されている。データラッチ手段DL-1,…,DL-nは、それぞれ、同一の構成を有しているものであり、ここでは、データラッチ手段DL-1の構成について説明する。データラッチ手段DL-1は、インバータINV-1と、クロックトインバータCI-1とから構成されている。クロックトインバータCI-1は、インバータINV1,INV2から出力されるラッチ信号SLにより、電源を接続あるいは遮断して出力のハイインピーダンス制御が可能なインバータ回路である。インバータINV-1の出力は、クロックトインバータCI-1に入力し、反転した出力がインバータINV-1の入力側に接続し、フィードバックループを形成してデータラッチ手段DL-1を構成する。
【0065】
次に、入力制御回路210Aの動作について説明する。
差動増幅回路212Aを構成する差動増幅器Dif-1,…,Dif-nには、 データ信号線300及び参照電圧参照電圧Vrefが入力する。差動増幅器Dif-1,…,Dif-nは、データ信号線300の反転データである受信データDA3を出力し、受信データDA3をホールド回路214Aに入力する。
【0066】
受信データDA3は、インバータINV-1,…,INV-nに入力する。インバータINV-1,…,INV-nは、内部受信データDA4を出力する。また、内部受信データDA4は、電源を接続あるいは遮断して出力のハイインピーダンス制御が可能なクロックトインバータCI-1,…,CI-nに入力し、反転した出力をインバータINV-1,…,INV-nの入力側に接続し、フィードバックループを形成してラッチ回路を構成する。
【0067】
ホールド回路214Aには、さらにデータ信号線300と同様に差動増幅器Dif-Hを介して反転した内部ホールド信号Hrecが入力し、インバータINV1,INV2を通してラッチ信号SLAを生成する。
【0068】
差動増幅器Dif-1,…,Dif-nは、イネーブル端子ENにより電源を接続或いは遮断する回路を設け、ホールド回路214AのインバータINV1が出力するラッチ信号をイネーブル端子ENに接続して、内部ホールド信号Hrecがアクティブのときに電源が遮断されるようにする。内部ホールド信号Hrecがアクティブのとき、差動増幅器Dif-1,…,Dif-nの動作が停止し、出力端子はハイインピーダンズとなる。このとき、クロックトインバータCI-1,…,CI-nは、保持しているデータを出力してフィードバックループが形成されるため、受信データが保持される。
【0069】
このようにして、ホールド信号Hrecを用いて受信データDA4を保持することでデータ信号線300を終端電圧Vterレベルにすることができる。また、ホールド信号Hrecがアクティブの期間中に差動増幅器Dif-1,…,Dif-nの動作を停止することが可能であり、差動増幅器の消費電力を低減することができる。
【0070】
以上説明したように、本実施形態のデータ転送回路では、終端抵抗Rtの消費電流を低減することができ、特に同一データが連続して転送されるテキスト等のコンピュータグラフィックス画像のデータ転送等において有効である。
また、ホールド信号Hrecがアクティブの期間中に差動増幅器Dif-1,…,Dif-nの動作を停止することが可能であり、差動増幅器の消費電力を低減することができる。
【0071】
次に、図11及び図12を用いて、本発明の第4の実施形態によるデータ転送回路を用いた液晶表示装置の構成及び動作について説明する。
図11は、本実施形態によるデータ転送回路を用いた液晶表示装置の全体構成を示しており、図12は、本実施形態による液晶表示装置の動作を示している。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
【0072】
図11において、液晶パネル1000に表示される表示データは、コントローラ100Bからデータ信号線300を介して、液晶駆動回路200B−1,…,200B−mに転送される。ここで、コントローラ100Bは、図1に示したデータ送信回路100に相当するものである。コントローラ100Bは、図1に示した出力制御回路120を備えており、その内部のホールド信号生成回路としては、図7に示したホールド信号生成回路122Aを用いている。また、液晶駆動回路200B−1,…,200B−mは、それぞれ、図1に示したデータ受信回路200に相当するものである。データ信号線300は、終端抵抗Rt−1,…,Rt−nにより終端電圧Vterに終端されている。
【0073】
また、コントローラ200Bは、内部ホールド信号Holdを生成するとともに、オア回路ORは、内部ホールド信号Holdと、出力する表示信号の有効期間を示すDISP信号とのオア出力を、ホールド信号用出力バッファ126Bを介して、ホールド信号線400に出力する。従って、DISP信号がインアクティブのとき、ホールド信号がアクティブとなり、無効表示期間におけるデータ信号線300は、終端電圧Vterのレベルとしている。
【0074】
また、コントローラ100Bは、液晶駆動回路制御信号610を液晶駆動回路200B−1,…,200B−mに出力する。液晶走査回路500には、コントローラ100Bから液晶走査回路制御信号620が入力する。
【0075】
次に、本実施形態による液晶表示装置の動作について説明する。
まず、コントローラ100Bは、液晶パネル1000に表示する表示データをデータ信号線300に出力し、表示データが液晶駆動回路200B−1,…,200B−mに取込まれる。液晶駆動回路200B−1,…,200B−mは、表示データに対応した電圧で液晶パネル1000のデータ線を駆動し、さらにラインクロック等の制御信号620を液晶走査回路500に与え、液晶パネル1000の各ラインを走査することで、表示データを液晶パネル1000に表示する。
【0076】
ここで、図12(C)に示すように、コントローラ100Bの内部データには、液晶パネルに表示する有効表示データと、液晶パネルには表示しない無効表示データとが存在する。有効表示データを液晶駆動回路30に入力した後、無効表示データの期間中に、図12(A)に示すように、ラインクロックが入力される。
【0077】
コントローラ100Bの内部には、図12(B)に示すように、出力する表示データの有効期間を示す信号であるDISP信号を備えている。一方、図12(D)に示すように、内部ホールド信号は、有効表示データ及び無効表示データのそれぞれについて、図8(C)において説明したように、同一レベルのデータが続く場合と、遅延回路の遅延時間Tdとサイクルの長さTcの差分(Tc−Td)の時間の間、生成される。
【0078】
従って、有効表示データは、図12(E)に示されるように出力し、このとき、図12(F)に示すホールド信号が出力されることによって、図12(G)に示すように、Rt電流が低減される。この原理は、図8及び図9において説明したものと同様である。
【0079】
さらに、本実施形態においては、無効表示データは、同一のレベル(例えば、「1111……」若しくは「0000……」)が続く信号であるため、図12(C)に示す無効表示データは、コントローラから出力する際には、図12(E)に示すように、最初の1サイクルのデータを無効表示データとして出力するのみで、残りの期間は、図12(F)に示すホールド信号がアクティブとなることにより、ホールドされる。従って、無効表示データの送信期間の大部分のRt電流は、図12(G)に示すように0mAとなり、無効表示データの送信の際のRt電流をも低減することができる。
【0080】
以上説明したように、本実施形態のデータ転送回路を用いる液晶表示装置では、終端抵抗Rtの消費電流を低減することができる。
また、無効表示期間における終端抵抗の消費電力を削減することができる。
【0081】
次に、図13及び図14を用いて、本発明の第5の実施形態によるデータ転送回路を用いた液晶表示装置の構成及び動作について説明する。
図13は、本実施形態によるデータ転送回路を用いた液晶表示装置の全体構成を示しており、図14は、本実施形態による液晶表示装置の動作を示している。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
【0082】
図13において、本実施形態において用いられる液晶パネルは、カラー液晶パネルである。従って、コントローラ100Cは、内部回路110Cと、RGBの3原色の表示データをそれぞれ出力するためのR用出力制御回路120C−Rと、G用出力制御回路120C−Gと、B用出力制御回路120C−Bとを備えている。R用出力制御回路120C−Rは、データ信号線300Rから表示データを出力するとともに、ホールド信号線400Rからホールド信号Holdを出力する。G用出力制御回路120C−G及びB用出力制御回路120C−Bも同様の構成となっている。
【0083】
液晶駆動回路200Cは、RGBの3原色用のR用入力制御回路210C−Rと、G用入力制御回路210C−Gと、B用入力制御回路210C−Bと、内部回路220Cとを備えている。
【0084】
液晶パネルに表示される表示データは、コントローラ100Cからデータ信号線300R,300G,300Bを介して、液晶駆動回路200Cに転送される。ここで、コントローラ100Cは、図1に示したデータ送信回路100に相当するものである。コントローラ100Cの出力制御回路120C−R,120C−G,120C−Bの内部のホールド信号生成回路としては、図2に示したホールド信号生成回路122Aを用いている。また、液晶駆動回路200は、図1に示したデータ受信回路200に相当するものである。データ信号線300R,300G,300Bは、終端抵抗により終端電圧に終端されている。
【0085】
ここで、図14を用いて、本実施形態における液晶表示装置の動作について説明する。なお、以下の例においては、カラー液晶パネルには、黒の背景に、赤の文字が表示されるものとする。即ち、RGB用データ信号線300R,300G,300Bの内、データ信号線300Rには、カラー液晶パネルに表示される赤の表示データが送信されるが、データ信号線300G,300Bにはデータが送信されないことになる。
【0086】
図14(A)〜(D)は、それぞれ、図6(A)〜(D)に対応している。即ち、R用信号については、図14(A)に示す内部送信データが生成されている場合、サイクル3,4,7〜10においては、前と同じデータ繰り返されるため、図14(D)に示すように、R用ホールド信号がアクティブとなる。従って、図14(B)に示すように、サイクル4,5,8〜10において、R用データ信号緒線の信号レベルは中間レベルとなり、図14(C)に示すように、R用Rt電流も、0mAとなり、Rt電流を低減して、消費電力を低減することができる。
【0087】
さらに、本例においては、黒の背景に赤の文字を表示する場合、図14(E)に示すように、G用内部送信データは、0レベルである。なお、B用内部送信データも、G用内部送信データと同様に0レベルであるため、図示は省略している。以下の説明においても、G用とB用は同様である。従って、サイクル1以降のデータは前のデータと等しいため、サイクル2以降において、図14(H)に示すように、G用ホールド信号がアクティブとなる。その結果、図14(F)に示すように、G用データ信号線に流れるデータは、サイクル1においてマイナスのレベル(1.0V)となるだけで、サイクル2以降は、中間レベル(1.5V)となる。また、図14(G)に示すように、G用Rt電流も、サイクル2以降は0mAとなる。B用Rt電流も同様である。
従って、例えば、黒の背景に赤の文字の表示画像ではRのデータのみに変化があり、G及びBの各色はデータに変化がないため、G及びBのRt電流を低減することができる。
【0088】
以上説明したように、本実施形態のデータ転送回路を用いる液晶表示装置では、終端抵抗Rtの消費電流を低減することができる。
また、カラー液晶パネルに表示する場合のRt電流をさらに低減することが可能となる。
【0089】
次に、図15を用いて、本発明の第6の実施形態によるデータ転送回路を用いた液晶表示装置の構成について説明する。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
【0090】
本実施形態においては、コントローラ100Dは、内部回路110Dと、上位ビット用出力制御回路120D−Uと、下位ビット用出力制御回路120D−Lとを備えている。上位ビット用出力制御回路120D−Uは、データ信号線300Uから表示データを出力するとともに、ホールド信号線400Uからホールド信号を出力する。下位ビット用出力制御回路120D−Lも同様の構成となっている。
液晶駆動回路200Dは、上位ビット用入力制御回路210D−Uと、下位ビット用入力制御回路210D−Lと、内部回路220Dとを備えている。
【0091】
液晶パネルに表示される表示データは、コントローラ100Dからデータ信号線300U,300Lを介して、液晶駆動回路200Dに転送される。ここで、コントローラ100Dは、図1に示したデータ送信回路100に相当するものである。コントローラ100Dの出力制御回路120D−U,120D−Lの内部のホールド信号生成回路としては、図2に示したホールド信号生成回路122Aを用いている。また、液晶駆動回路200Dは、図1に示したデータ受信回路200に相当するものである。データ信号線300U,300Lは、終端抵抗により終端電圧に終端されている。
【0092】
次に、本実施形態における液晶表示装置の動作について説明する。
出力制御回路120D−U,120D−L及びホールド信号線300U,300L及び入力制御回路210D−U,210D−Lを、上位及び下位ビット個別に備えたことにより、送信するデータは変化しているが、その変化量の少ない領域が存在する画像、例えば、自然画等では下位ビットのデータのみに変化がある画像において、上位ビットのデータに変化がないため、上位ビットのRt電流を低減することが可能となる。
【0093】
このように表示画像のデータの局所的な変化量に合わせて、出力制御回路及びホールド信号線及び入力制御回路を複数備えることにより、消費電力を低減することが可能となる。
【0094】
以上説明したように、本実施形態のデータ転送回路を用いる液晶表示装置では、終端抵抗Rtの消費電流を低減することができる。
また、データの変化量の少ない画像を表示する場合、Rt電流をさらに低減することが可能となる。
【0095】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、第1の実施形態に示したホールド信号Holdは、1サイクル前のデータと基のデータとを比較して生成したが、ホールド回路でデータをラッチできさえすれば1サイクルに限らずに同等な機能を実現することができる。
また、第5の実施形態における出力制御回路及びホールド信号線及び入力制御回路は、第4の実施形態に示したように、R,G,Bの各色をさらに上位ビットと下位ビットに分けてそれぞれ個別に備えるものであってもよい。
【0096】
さらに、3ステート出力バッファ及びホールド用出力バッファをプッシュプル型のバッファとし、終端電圧Vterを中心とした±0.5Vの信号振幅で送信すると仮定したが、これに限定されず、GTLのようにオープンドレイン型のバッファとしても、あるいは2本の差動信号線で送信しても、終端抵抗の消費電力を低減することができる。
【0097】
【発明の効果】
本発明によれば、データ転送回路及びこれを用いた液晶表示装置において、終端抵抗により終端されたデータバスにおける消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるデータ転送回路の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態によるデータ転送回路を構成する出力制御回路に用いられるホールド信号生成回路の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態によるデータ転送回路を構成する出力制御回路に用いられるホールド信号生成回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図4】本発明の一実施形態によるデータ転送回路に用いる入力制御回路の構成を示すブロック図である。
【図5】テキストデータが表示されているドットマトリックス型の表示画面の説明図である。
【図6】本発明の一実施形態によるデータ転送回路を用いてデータを送受信して、表示画面の第1ラインの表示データのデータ転送のタイミングチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態によるデータ転送回路の出力制御回路に用いるホールド信号生成回路の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施形態によるホールド信号生成回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態によるデータ転送回路のデータ転送の動作を示すタイミングチャートである。
【図10】本発明の第3の実施形態によるデータ転送回路の入力制御回路の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第4の実施形態によるデータ転送回路を用いた液晶表示装置の構成を示すブロック図である。
【図12】図12は、本発明の第4の実施形態によるデータ転送回路を用いた液晶表示装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図13】本発明の第5の実施形態によるデータ転送回路を用いた液晶表示装置の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第5の実施形態によるデータ転送回路を用いた液晶表示装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図15】本発明の第6の実施形態によるデータ転送回路を用いた液晶表示装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
100…データ送信回路
100B…コントローラ
110…内部回路
120…出力制御回路
122…ホールド信号生成回路
124…ステート出力バッファ
126…ホールド信号用出力バッファ
200…データ受信回路
200B…液晶駆動回路
210…入力制御回路
212…差動増幅回路
214…ホールド回路
220…内部回路
300…データ信号線
500…走査駆動回路
1000…液晶表示パネル
Claims (6)
- ラインクロックを含む制御信号と表示データを出力するコントローラと、制御信号線を介して上記コントローラからの上記制御信号を取り込み、複数のデータ信号線を介して上記コントローラからの上記表示データを取り込み、上記表示データに対応する電圧を出力する液晶駆動回路と、上記液晶駆動回路からの上記電圧によって駆動されるデータ線を有し情報を表示する液晶パネルとを有し、上記コントローラと上記液晶駆動回路との間の上記データ信号線は、それぞれ、終端抵抗によって終端されている液晶表示装置において、
上記コントローラは、上記液晶駆動回路に送信する上記表示データが上記コントローラ内で上記表示データをラッチするためのクロックの1サイクル前の表示データと等しいとき有効となるホールド信号を生成するとともに、ホールド信号線を介してこのホールド信号を上記液晶駆動回路に送信するホールド信号生成手段を備え、
上記液晶駆動回路は、受信した上記表示データをホールドするホールド回路を備え、
上記液晶駆動回路は、上記ホールド信号によって上記コントローラからの表示データの受信を停止し、
上記ホールド回路は、上記コントローラからの表示データの受信を停止している場合に、上記ホールド回路によってホールドされた表示データを出力することを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1記載の液晶表示装置において、
上記ホールド信号生成手段は、所定時間遅延させたデータと送信するデータを比較し、一致するときホールド信号を有効にすることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1記載の液晶表示装置において、
上記コントローラは、送信する有効表示データと無効表示データの内、無効表示データについては、第1のデータを送信するとともに、残りのデータ送信を停止して、ホールド信号を上記液晶駆動回路に送信することを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1記載の液晶表示装置において、
上記コントローラは、送信するデータを複数の組に分割し、それぞれの組のデータに対して、上記ホールド信号生成回路を備えることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項4記載の液晶表示装置において、
上記コントローラは、送信するデータを上位ビットと下位ビットのデータに分割し、それぞれのデータに対して、上記ホールド信号生成回路を備えることを特徴とする液晶表示装置。 - ラインクロックを含む制御信号と表示データを出力するコントローラと、制御信号線を介して上記コントローラからの上記制御信号を取り込み、複数のデータ信号線を介して上記コントローラからの上記表示データを取り込み、上記表示データに対応する電圧を出力する液晶駆動回路と、上記液晶駆動回路からの上記電圧によって駆動されるデータ線を有し情報を表示する液晶パネルとを有し、上記コントローラと上記液晶駆動回路との間の上記データ信号線は、それぞれ、終端抵抗によって終端されている液晶表示装置において、
上記コントローラは、上記液晶駆動回路に送信する上記表示データが上記コントローラ内で上記表示データをラッチするためのクロックの1サイクル前の表示データと等しいとき有効となるホールド信号を生成するホールド信号生成手段を備え、
上記コントローラは、このホールド信号によってデータ送信を停止するとともに、ホールド信号線を介して上記ホールド信号を上記液晶駆動回路に送信し、
上記液晶駆動回路は、上記ホールド信号に従って受信した上記表示データをホールドするとともに、上記コントローラからの表示データの受信を停止している場合に、このホールドされた表示データを出力するホールド回路を備えることを特徴とする液晶表示装置。
Priority Applications (4)
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