JP3658467B2 - 蓄熱性複合構造加工糸およびこれを用いた布帛 - Google Patents

蓄熱性複合構造加工糸およびこれを用いた布帛 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は蓄熱性複合構造加工糸、さらに詳しくは美しい色彩と優れた蓄熱特性を示すスキーウェアなどのスポーツ衣料に適した蓄熱性複合構造加工糸およびこれを用いた布帛に関する。
【0002】
【従来の技術】
衣料の分野では、ファッションの高度化やレジャーやスポーツの多様化・高度化に伴って、美しさや快適性の追求が行われており、衣料用の合成繊維にも美的要素と高度な機能性が要求されている。
また近年、ウィンタースポーツが盛んになり、スキーウェアやスケートウェアなどにも美しい色彩を有する快適性のあるものが好まれるようになっている。
ウインタースポーツ衣料の快適性を決める第一の機能は保温性(暖かさ)であり、近年、このような機能を有する繊維として、日光や人工光に曝された時に昇温する特性、すなわち蓄熱特性を有するカーボンブラックをポリマー中に練り込んだ合成繊維が提案されている(特開平7−82607号公報、同7−90723号公報等)。
【0003】
しかし、カーボンブラックを含有する合成繊維は黒色を呈するため、このような繊維からは黒色の布帛しか得られず、またこのような黒色の布帛を他の色に染色しても美しい色に染色することができず、ファッション性を重視する衣料用途としては不十分なものであった。
また、美しい色彩と高度の保温性を両立させる目的で、蓄熱剤として炭化ジルコニウムを練り込んだ蓄熱糸”ソーラーα(商録登標)”が市販されている。しかし、炭化ジルコニウムが極めて高価であり、かつその色は黒色ではないものの灰色を呈しているため、美しさの点で十分ではないという問題があった。
このように従来の蓄熱特性を有する繊維は、快適性とファッション性を重視する衣料用途としては不充分なものであった。
さらに、従来の蓄熱特性を有する繊維は、光エネルギーを吸収し、それを熱エネルギーに変換して発熱するが、蓄熱繊維が直接外気に接するため放熱が大きく、特に低温の環境下や有風時には昇温効果の少ないものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、前記従来技術の問題を解決し、スキーウェアなどウィンタースポーツ衣料を始めとするスポーツ衣料に、美しい色彩と快適性すなわち保温性の両方を与えることができ、また低温環境下や有風時でも高い昇温効果を得ることができる蓄熱性複合構造加工糸およびこれを用いた布帛を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究した結果、蓄熱剤を特定量含有した芯糸に特定の繊度比と特定周長比を有する異型断面形状の鞘糸を捲回させて鞘芯構造を有する加工糸とすることにより、芯糸による優れた蓄熱特性と、鞘糸による優れた染色性が同時に得られ、しかも昇温効果を高めることができることを見出し、本発明に到達したものである。
本発明で特許請求される発明は以下のとおりである。
【0006】
(1)ポリエステル繊維糸条および/またはポリアミド繊維糸条からなる複合構造加工糸であって、鞘糸が芯糸に捲回している構造を有し、芯糸が蓄熱剤を複合構造加工糸全体に対して0.4重量%以上含有しており、かつ、鞘糸の繊度が複合構造加工糸全体の繊度の40〜80%であり、該鞘糸が下記式で求める周長比L r が1.25以上である異型断面形状の単糸からなることを特徴とする蓄熱性複合構造加工糸
r =L 1 /L 2
(ただし、L 1 は鞘糸の単糸周長 (cm) を表し、L 2 は鞘糸の単糸断面積S 1 (cm 2 ) と同一面積の円形断面糸の周長 (cm) を表し、L 2 =2×(π×S 1 ) 0.5 で算出される。)
(2)前記蓄熱剤がカーボンブラック、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化ハフニウム、珪化ジルコニウム、珪化チタン、チタンブラックおよび珪化ハフニウムから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする(1) 記載の蓄熱性複合構造加工糸。
(3)前記蓄熱剤がカーボンブラックであることを特徴とする(1) 記載の蓄熱複合構造加工糸。
(4)前記鞘糸の異型断面形状がW型であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蓄熱複合構造加工糸。
(5)前記鞘糸の総デニールが30〜500デニールであり、単糸デニールが0.5〜2.5デニールであることを特徴とする(1) 〜(4) のいずれかに記載の蓄熱性複合構造加工糸。
(6)(1) 〜(5) のいずれかに記載の蓄熱性複合構造加工糸を用いた布帛。
【0007】
本発明において、蓄熱性複合構造加工糸は、芯糸に鞘糸が捲回されている鞘芯構造を有しているため、すなわち芯糸が光エネルギーを吸収して熱エネルギーに変化するカーボンブラックや炭化ジルコニウム等の蓄熱剤微粒子を含有する繊維糸条であり、また鞘糸が芯糸の周囲に蓄熱特性を阻害しない特定の繊度比と特定の周長比を有する異型断面形状糸で捲回されているため、優れた蓄熱特性を有し、かつ芯糸が黒色や灰色等の濃色を呈する蓄熱剤を含有していても、その周囲を捲回する鞘糸により黒色や灰色の芯糸の影響が最小限に抑えられ、美しい有彩色を呈することができる。さらに、蓄熱剤を含有する芯糸の周囲を鞘糸で覆うことができるため、低温環境下や有風時でも優れた昇温効果を得ることができる。
以下、本発明の蓄熱性複合構造加工糸を詳しく説明する。
【0008】
本発明の複合構造加工糸は、ポリエステル繊維糸条および/またはポリアミド繊維糸条からなる。ポリエステルとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびそれらの共重合体などの公知のものが用いられ、艶消し剤、熱安定剤、制電剤などの添加剤を含んでいても良い。またポリアミドとしては、例えばポリヘキサメチレンアジパミド、ポリカプラミド、およびそれらの共重合体などの公知のものが用いられ、上記ポリエステルと同様に添加剤を含んでいても良い。繊維の種類としては、POY糸、FOY糸等が好ましく用いられる。
また本発明の複合構造加工糸は、上述したように鞘糸が芯糸に捲回している構造を有しているが、鞘糸が芯糸に捲回していない場合には、芯糸の黒色等が見えやすく、芯糸の色による杢斑が現れ、加工糸を有彩色に染めても美しい色彩が得られない。鞘糸を芯糸に捲回させる方法としては、鞘糸と芯糸を複合仮撚する方法、鞘糸と芯糸をインターレースで混繊したのち撚糸する方法、芯糸に鞘糸をカバーリングする等の方法が挙げられる。
【0009】
本発明に用いられる芯糸は、複合構造加工糸全体に対して0.4重量%以上の蓄熱剤を含有する。蓄熱剤の含有量が0.4重量%未満では十分な蓄熱特性が得られない。蓄熱特性と美しい発色のバランスの点からは蓄熱剤を0.4〜1.8重量%の範囲で含有させるのが好ましい。蓄熱剤としては、太陽光や人工光に曝された時に、光エネルギーを吸収し、これを熱エネルギーに変換して昇温する蓄熱特性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、市販されているカーボンブラック、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化ハフニウム、珪化ジルコニウム、珪化チタン、チタンブラック、珪化ハフニウム等の微粒子を用いることができる。コストの点からは、光エネルギー吸収による蓄熱効果の高いカーボンブラックが好ましい。
【0010】
芯糸に蓄熱剤を含有させる手段としては、公知の手段を採用することができる。例えば、ポリマーチップと蓄熱剤を必要な比率でブレンドし、押出機で溶融ブレンドし、高濃度の蓄熱剤含有チップを作り、再度蓄熱剤を含有していないポリマーと混ぜ合わせ、溶融紡糸する方法、重合段階で最終濃度と同等になるよう蓄熱剤を混入する方法、紡糸乾燥段階で蓄熱剤をまぶし、押出機で練り込む方法、重合段階で高濃度蓄熱剤含有ポリマーを重合し、含有していないポリマーと適当な割合でブレンドし、押出機にて練り込む方法等が挙げられる。
また芯糸の繊度は、布帛にしたときのハリやコシの点から、単糸デニールが1〜20デニール、総デニールが30〜500デニールの範囲が好ましい。より好ましい芯糸の総デニールは30〜100デニールの範囲である。
【0011】
本発明に用いられる鞘糸の繊度は、複合構造加工糸全体の繊度の40〜80%、好ましくは50〜70%の範囲とされる。鞘糸の繊度が複合構造加工糸全体の繊度の40%未満では、芯糸の色が見えやすく、杢斑が現れ、有彩色に染めても、美しい色彩が得られず、さらに、芯糸の放熱を防ぐための有効な断熱層を形成することが困難となり、高い蓄熱特性が得られなくなる。また鞘糸の繊度が複合構造加工糸全体の繊度の80%を超えると、光照射中の温度上昇速度および上昇温度が低くなる。これは鞘糸が多すぎるため、蓄熱剤を含有した芯糸に光が届きにくいためと考えられる。
【0012】
本発明において、鞘糸の単糸断面は異型断面形状であり、三角型、Y型、W型、L型、I型等やこれらの中空断面形状の繊維糸条を用いることができるが、鞘糸の単糸の断面形状が異型で、その周長比Lr が1.25以上であることが必要であり、好ましくは1.3〜3の範囲である。鞘糸の周長比Lr を1.25以上とすることにより、鞘糸による芯糸のカバリング効果が高くなり、蓄熱剤を含有させた芯糸の黒色等が見えにくくなり、美しい色彩が得られ、さらに芯糸の放熱を防ぐための有効な断熱層を形成することが可能となる。すなわち、周長比1.25未満の単糸からなる鞘糸を用いると、蓄熱特性および発色性に劣るものとなる。なお、周長比Lr は以下の式で求められる。
r =L1 /L2
(ただし、L1 は鞘糸の単糸周長(cm)を表し、L2 は鞘糸の単糸断面積S1(cm2)と同一面積の円形断面糸の周長(cm)を表し、L2 =2×(π×S1)0.5 で算出される。)
鞘糸の単糸断面の断面形状は、芯糸をカバリングする効果と繊維糸条の製造しやすさから、W型、L型、I型などが好ましい。
【0013】
鞘糸の繊度は、芯糸への捲回のし易さから、単糸デニールが0.1〜5デニールで、総デニールが30〜500デニールの範囲が好ましい。また単糸デニールが0.5〜2.5デニールの範囲の鞘糸は、鞘糸が芯糸の周囲を被覆しやすく、かつデッドエアーによる断熱層が形成されやすくなるため、より好ましい。鞘糸の単糸の周長比Lrが1.0で円形である場合には、加工糸の単糸デニールを小さくし、総デニールを大とすることにより、上記異型断面の鞘糸を用いた場合と同様に加工糸の蓄熱特性、染色性および昇温効果を向上させることができる。
【0014】
複合構造加工糸に用いられる芯糸および鞘糸の好ましい沸水収縮率は−15〜70%である。また複合構造加工糸中の芯糸および鞘糸の好ましい沸水収縮率は−10〜10%である。
また芯糸の破断強度は、布帛にしたときの強度の点から、3g/d以上が好ましく、鞘糸の破断強度は同じ理由で0.5g/d以上が好ましい。また加工安定性の点からは芯糸の破断伸度は15〜60%、鞘糸の破断伸度は0.5〜180%であることが好ましい。
本発明の蓄熱性複合構造加工糸は、公知の方法で布帛とされるが、布帛製造時には本発明の目的を損なわない範囲で他の繊維、加工糸等を併用することもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面により説明する。
図1は本発明の一実施例を示す複合構造加工糸の製造装置(仮撚機)の説明図である。
図1において、鞘糸用供給糸1および芯糸用供給糸2は、フィードロール3、インタレーサ4、フィードロール5、チューブヒータ6、ツインターベルトおよびフィードロール8に順に導かれて複合構造加工糸9とされる。
鞘糸用供給糸1としては、例えばポリエステルの部分配向糸(POY)で、破断伸度が50〜180%で、沸水収縮率が−15〜70%のものが用いられる。ここで、沸水収縮率が負の値を示すものは、沸水中で糸を処理した時に自発伸張するものである。また芯糸用供給糸2としては、カーボンブラックを例えば2.0重量%含有するポリエステル延伸糸またはポリアミド延伸糸が用いられる。
【0016】
鞘糸および芯糸用の供給糸の繊度と芯糸中のカーボンブラックの含有率は、例えば、鞘糸75dとし、芯糸25dとした場合、芯糸のカーボンブラックの含有率は1.6重量%以上となる。
鞘糸用供給糸1と芯糸用供給糸2は、フィードロール3で合糸され、インターレーサー4で交絡が加えられる。続いて、合糸交絡後の供給糸を仮撚工程に導き、フィードロール5とフィードロール8にて−2.0〜−10.0%のフィード率、ヒーター6にて100〜180℃の温度および繊度に応じた適切な撚数の条件で複合仮撚が施され、巻取工程に導かれ、チーズ状パッケージに巻き取られて複合構造加工糸9とされる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、例中の鞘糸単糸の周長比おび複合構造加工糸の蓄熱特性は下記の方法で測定した。
(1)周長比Lr
複合構造加工糸の光学顕微鏡クロスセクション写真または同画像上から鞘糸側単糸の断面積S1 と周長L1 を画像解析にて測定し、下記式(ii)に従って周長比Lr を求める。尚、異型断面糸の面積S1 から同ーの断面積を持つ円形断面糸を想定し、その周長L2 を下記式(i)にて算出する。
2=2×(π×S10.5 ……(i)
周長比=L1/L2 ……(ii)
【0018】
(2)複合構造加工糸の蓄熱特性
環境1:温度20℃、湿度65%RH、風速0m/s
環境2:温度5℃湿度33%RH、風速0m/s
環境3:温度5℃、湿度33%RH、風速2.5m/s
の環境試験室内の各環境下で、10cm四方に切った布帛試料に、500Wレフランプの光を1m離れた位置から、試料に垂直に照射して、試料の昇温の程度を測定することで蓄熱特性の尺度とする。温度測定は試料の裏の中心部に接触温度計を当てて行い、試料の温度が一定温になったところを測定値とする。
蓄熱特性(℃)=光照射中温度(℃)−光照射前温度(℃)
【0019】
実施例1〜および比較例1〜2
図1に示す仮撚機を用いて、以下のように蓄熱性複合構造加工糸の製造試験を行った。すなわち、鞘糸用供給糸1と芯糸用供給糸2をフィードロール3で合糸し、インターレーサにて30〜80個/mの交絡を加える。続いて、合糸交絡後の供給糸を仮撚行程に導き、表1の条件で複合仮撚を施した。さらに得られた複合構造加工糸を巻き取り行程に導き、チーズ状パッケージに巻き取ってサンプルを得た。
【0020】
【表1】
Figure 0003658467
【0021】
この時、複合構造加工糸中の蓄熱剤の含有率や周長比を種々変えて行った。
芯糸用供給糸に蓄熱剤を含有させる方法は、ポリマーチップ:蓄熱剤=9:1の重量比で十分混ぜた後乾燥し、二軸押し出し機にて溶融状態にて練り込み、ストランド状に押し出した後、冷却し再度チップ状にカットした。そして蓄熱剤含有チップ:蓄熱剤無含有チップ=1:4の比率でブレンドして溶融紡糸した後、通常の方法にて熱延伸して芯糸用供給糸を得た。
得られた複合仮撚糸を用いて作製した布帛の蓄熱特性・色調(杢の程度)を調べ、その結果を表2に示した。なお、鞘糸用供給糸および芯糸用供給糸には下記のものを使用した。
【0022】
(1)鞘糸用供給糸
極限粘度[η]=0.65でTiO2 を0.5重量%含有するポリエチレンテレフタレートからなり、単糸の断面形状が図2に示すようにW型であって、以下の特性を有するPOY−A、POY−Bを使用した
【0023】
POY−A(W断面)
繊度: 75/30 d/f
破断強度: 2.57 g/d
破断伸度: 118 %
沸水収縮率:64.5 %
POY−B
POY−Aを2本合糸したもの。従って繊度が150/60 d/fとなる以外はPOY−Aと同じ特性を有する
【0024】
(2)芯糸用供給糸
極限粘度[η]=0.65でカーボンブラックを2.0重量%含有するポリエチレンテレフタレートからなり、全単糸の断面形状が円形であって、以下の特性を有するFOY−AまたはFOY−Bを使用した。また、比較として、上記特性の内でカーボンブラックを含有しないFOY−Cを用いた。また、極限粘度[η]=0.65で炭化ジルコニウムを2.0重量%含有するポリエチレンテレフタレートからなり、全単糸の断面形状が円形であって、以下の特性を有するFOY−Dを用いた。
【0025】
FOY−A(カーボンブラック含有糸)
繊度: 50/30 d/f
破断強度: 4.70 g/d
破断伸度: 32.8 %
沸水収縮率:8.6 %
FOY−B
FOY−Aを2本合糸したもの。従って繊度が 95.4/60d/fとなる以外はFOY−Aと同じ特性を有する。
FOY−C(蓄熱剤未含有)
繊度: 40/24 d/f
破断強度: 5.58 g/d
破断伸度: 32.3 %
沸水収縮率:7.45 %
FOY−D(炭化ジルコニウム含有糸)
繊度: 50/30 d/f
破断強度: 4.30 g/d
破断伸度: 32.0 %
沸水収縮率:8.2 %
【0026】
【表2】
Figure 0003658467
【0027】
蓄熱特性は、環境1では蓄熱剤含有率0.50重量%以上である比較例1、比較例2、実施例1〜で良好であった。さらに環境2、環境3では蓄熱剤を含有した芯糸に鞘糸が捲回した実施例1〜が良好で、特に鞘糸の周長比1.44の実施例1〜3が優れた蓄熱特性であった。また、色調(杢の程度)は、鞘糸の周長比1.44の実施例1〜3、比較例2で杢斑がほとんど感じられず良好であった
【0028】
【発明の効果】
本発明の蓄熱性複合構造加工糸およびこれを用いた布帛によれば、黒色や灰色を呈する蓄熱剤を含有していても、赤や青などの有彩色に染めた時に、黒色の杢斑が少なく美しい色に染めることができ、かつ太陽光や人工光が照射されると5〜18℃位に昇温し、優れた蓄熱特性を得ることができ、さらに低温の環境下や有風時に高い昇温効果を得ることができる。
本発明の複合構造加工糸を使用することによって、始めて有彩色の蓄熱性を示すウィンタースポーツウェアが得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す蓄熱性複合構造加工糸の製造装置の説明図。
【図2】本発明の実施例に用いた鞘糸の断面形状を示す図。
【符号の説明】
1…鞘糸用供給糸、2…芯糸用供給糸、3…フィードロール、4…インタレーサ、5…フィードロール、6…チューブヒータ、7…ツイスターベルト、8…フィードロール、9…複合構造加工糸

Claims (6)

  1. ポリエステル繊維糸条および/またはポリアミド繊維糸条からなる複合構造加工糸であって、鞘糸が芯糸に捲回している構造を有し、芯糸が蓄熱剤を複合構造加工糸全体に対して0.4重量%以上含有しており、かつ、鞘糸の繊度が複合構造加工糸全体の繊度の40〜80%であり、該鞘糸が下記式で求める周長比L r が1.25以上である異型断面形状の単糸からなることを特徴とする蓄熱性複合構造加工糸
    r =L 1 /L 2
    (ただし、L 1 は鞘糸の単糸周長 (cm) を表し、L 2 は鞘糸の単糸断面積S 1 (cm 2 ) と同一面積の円形断面糸の周長 (cm) を表し、L 2 =2×(π×S 1 ) 0.5 で算出される。)
  2. 前記蓄熱剤がカーボンブラック、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化ハフニウム、珪化ジルコニウム、珪化チタン、チタンブラックおよび珪化ハフニウムから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の蓄熱性複合構造加工糸。
  3. 前記蓄熱剤がカーボンブラックであることを特徴とする請求項1記載の蓄熱複合構造加工糸。
  4. 前記鞘糸の異型断面形状がW型であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蓄熱複合構造加工糸。
  5. 前記鞘糸の総デニールが30〜500デニールであり、単糸デニールが0.5〜2.5デニールであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の蓄熱性複合構造加工糸。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の蓄熱性複合構造加工糸を用いた布帛。
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