JP2007113133A - 涼感性布帛 - Google Patents
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Abstract
【課題】 全く新しい機構により晴天下での運動発汗時に涼感性を実感できる布帛を提供することを技術的な課題とする。
【解決手段】 周期律第4族に属する遷移金属の炭化物微粒子を0.3〜10質量%含有する合成繊維から構成されてなる涼感性布帛。この涼感性布帛においては、ピックアップ率が60%となるように湿潤させ、20℃×65%RHに調整された恒温恒湿室内にて、30cmの距離から総ワット数2000Wの写真用レフランプにより光を照射した際の恒率乾燥速度が5.0g/分・m2以上であることが好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】 周期律第4族に属する遷移金属の炭化物微粒子を0.3〜10質量%含有する合成繊維から構成されてなる涼感性布帛。この涼感性布帛においては、ピックアップ率が60%となるように湿潤させ、20℃×65%RHに調整された恒温恒湿室内にて、30cmの距離から総ワット数2000Wの写真用レフランプにより光を照射した際の恒率乾燥速度が5.0g/分・m2以上であることが好ましい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、涼感性布帛に関するものである。
従来から、衣服としての着用時に涼感性を発揮する布帛が涼感性布帛として知られている。例えば、酸化チタンなどの太陽光遮蔽物質を一定量以上含有するポリエステルマルチフィラメント糸からなる織物(例えば、特許文献1参照)や、熱伝導率に優れた繊維を使用してqmax(熱板と試料とが接した直後に試料へ移動する熱流量のピーク値)を一定値以上にすることで接触冷感を発現する編物(例えば、特許文献2参照)などが知られている。
一方、その対極にあるものとして保温性布帛が知られている。その一例として、周期律第4族に属する遷移金属の炭化物微粒子を含有する合成繊維からなる布帛が知られている。この炭化物微粒子は、太陽光の内、全エネルギーの95%以上を占める波長0.3〜2.0μmの波長領域にある光を選択的に吸収し、吸収した光を熱線である赤外線や遠赤外線として放射する性質を有している(例えば、特許文献3参照)。
特開平5−222632号公報
特開2004−270075号公報
特公平3−9202号公報
本発明は、全く新しい機構により晴天下での運動発汗時に涼感性を実感できる涼感性布帛を提供することを技術的な課題とするものである。
上記の太陽光を選択的に吸収する炭化物微粒子は、保温ないし衣服内を積極的に加温するのに用いられるものであることが技術常識であるが、本発明者らは、この炭化物微粒子を含有する合成繊維からなる布帛を晴天下で着用すると涼感性を実感できるという驚くべき事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、周期律第4族に属する遷移金属の炭化物微粒子を0.3〜10質量%含有する合成繊維から構成されてなることを特徴とする涼感性布帛を要旨とするものであり、また、ピックアップ率が60%となるように湿潤させ、20℃×65%RHに調整された恒温恒湿室内にて、30cmの距離から総ワット数2000Wの写真用レフランプにより光を照射した際の恒率乾燥速度が5.0g/分・m2以上であることを特徴とする上記の涼感性布帛を要旨とするものである。
本発明の涼感性布帛は、発汗による水分を吸収して湿潤した布帛が乾燥される際、布帛から発せられた熱線により水分の気化が促進され、その際の吸熱効果により衣服内温度が下がり優れた涼感性を発揮する。したがって、本発明の涼感性布帛は、屋外スポーツ用ユニフォーム、各種衣料品などに好適に用いることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の涼感性布帛は、周期律第4族に属する遷移金属の炭化物微粒子を含有する合成繊維から構成される布帛であり、布帛の種類としては、織物、編物、不織布の何れであってもよい。周期律第4族に属する遷移金属の炭化物微粒子は、太陽光を選択的に吸収することができる微粒子であり、以下、そのような特性を有する微粒子を総称して太陽光選択吸収性微粒子と記す。本発明の涼感性布帛は、上記の炭化物微粒子を含有する合成繊維のみから構成されていてもよいが、他の通常の繊維との混繊、混紡、交織編などによるものでもよい。本発明においては、優れた涼感性を発揮させるために、上記の炭化物微粒子を含有する合成繊維が30質量%以上含まれていることが好ましい。
本発明に用いられる合成繊維としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12などのポリアミド系合成繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系合成繊維、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系合成繊維、又はこれらを主成分とする繊維形成性が良好な熱可塑性重合体ないし組成物からなる合成繊維や、ポリアクリロニトリル系合成繊維、ポリビニルアルコール系合成繊維、ポリ塩化ビニル系合成繊維などがあげられる。中でも、強伸度、発色性、風合いの点から、ポリアミド系合成繊維又はポリエステル系合成繊維が好ましく用いられる。ポリアミド系合成繊維としては、特にナイロン6、ナイロン66が好ましく、ポリエステル系合成繊維としては特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
上記合成繊維の形態としては、特に限定されるものでなく、フィラメント、ステープルの何れであってもよい。
本発明において、周期律第4族に属する遷移金属の炭化物微粒子としては、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化ハフニウムなどがあげられ、中でも、炭化ジルコニウムが太陽光の吸収と熱線への変換を最も効率的に行うことができるので好ましく用いられる。炭化物微粒子としては、上記のうちから選択して単独で用いてもよく、複数種類を併用してもよい。また、必要に応じて艶消し剤、難燃剤、抗酸化剤などとして無機微粒子や有機化合物を添加することもできる。なお、合成繊維としてポリアミド系合成繊維を用いる場合、太陽光選択吸収性微粒子として上記の炭化物微粒子ではなく酸化ジルコニウムを採用しても有効である。
上記炭化物微粒子の粒径(一次粒径)としては、15μm以下が好ましく、0.05〜10μmがより好ましく、0.05〜5μmが特に好ましい。粒径が15μmを超えると、紡糸工程において濾材の目詰まりや糸切れなどが生じる傾向にあり好ましくない。
合成繊維中における上記炭化物微粒子の含有量としては、0.3〜10.0質量%であることが必要であり、0.5〜7.0質量%が好ましい。含有量が0.3質量%未満であると、布帛が全体として太陽光を吸収し熱線を放射する機能を十分に発揮しない。一方、10.0質量%を超えると、紡糸性が悪化すると同時に繊維の強度低下を招く。
合成繊維中における上記炭化物微粒子の含有量としては、0.3〜10.0質量%であることが必要であり、0.5〜7.0質量%が好ましい。含有量が0.3質量%未満であると、布帛が全体として太陽光を吸収し熱線を放射する機能を十分に発揮しない。一方、10.0質量%を超えると、紡糸性が悪化すると同時に繊維の強度低下を招く。
合成繊維中に上記炭化物微粒子を含有させる態様としては、特に限定されるものでなく、繊維全体に均一に含有させる態様又は特定部分だけに含有させる態様の何れであってもよい。特定部分だけに含有させる態様としては、例えば、芯鞘状、サイドバイサイド状、フルーツセクション状などの態様が採用できる。中でも本発明においては、芯鞘状であって繊維の内側部分に上記炭化物微粒子を含有させる態様が好ましい。これは、微粒子の含有された部分が繊維表面に露出しないため、紡糸機、織機、編機などのローラーやガイドなどが微粒子によって損傷し難い傾向にあるからである。
上記炭化物微粒子を合成繊維に含有させる方法としては、原料ポリマーに直接混合して紡糸する方法や、予め原料ポリマーの一部を用いて高濃度に含有したマスターバッチを製造し、これを紡糸時に所定の濃度に希釈調整してから紡糸する方法などがある。
上記炭化物微粒子は、光エネルギーを吸収し熱線を放射する性質を有している。したがって、この微粒子を含有する合成繊維及び該合成繊維から構成されてなる布帛も同様の性質を有することになる。
次に、本発明の涼感性布帛が涼感性を有することについて詳細に説明する。
本発明者らは、発汗により湿潤した布帛を乾燥する過程において、気化熱による吸熱効果を利用できれば、衣服内温度が下がり涼しいと感じることができるのではないかとの考えの下に鋭意検討した結果、驚くべきことに、熱線を放射する微粒子を含有する合成繊維から構成される布帛を用いると、水分を積極的に蒸発させることができ、気化熱による吸熱効果がより高められることを見出した。
一般に、湿潤した布帛を乾燥すると、予熱期を経た後、乾燥速度が一定の恒率乾燥期に移行し、次いで乾燥速度が除々に低下する減率乾燥期に移行後、しかる後に乾燥雰囲気と平衡となる水分率に達した時点で水分率の低下が停止することが知られている。また、恒率乾燥期における乾燥速度(恒率乾燥速度)は、乾燥温度が上昇するのに伴い速くなる傾向にあることも知られている。なお、乾燥速度とは、布帛表面の単位面積から単位時間あたりに蒸発する水分量で表されるものである。
本発明者らは、さらに検討を重ねた結果、この布帛において、水分を一定量以上蒸発させること、つまり、恒率乾燥速度が一定値以上であると、気化熱の吸熱効果による衣服内温度の低下が熱線による衣服内温度の上昇を上回ることを突き止めた。涼感性の尺度として、恒率乾燥速度を用いることができる。
このため、本発明においては、ピックアップ率が60%となるように湿潤させ、20℃×65%RHに調整された恒温恒湿室内にて、30cmの距離から総ワット数2000Wの写真用レフランプにより光を照射した際の恒率乾燥速度が5.0g/分・m2以上であることが好ましい。恒率乾燥速度が5.0g/分・m2未満であると、蒸発する水分が少なく気化熱による吸熱効果が低減する傾向にあるため好ましくない。
恒率乾燥速度を測定するには、乾燥速度測定装置を用いる。図1は乾燥速度測定装置の一例を示す正面概略図である。この乾燥速度測定装置においては、デジタル式自動天秤2の皿部2aの上に断熱箱3が載置され、断熱箱3は上部に開口部を、下部に黒体4を有し、さらにその断熱箱3の上方に総ワット数2000Wの写真用レフランプ6が設置されている。断熱箱3の材料としては、特に限定されるものでないが、入手しやすい点で発泡スチロールが好ましく採用できる。また、黒体4は、熱の反射を抑制するために設置されるものである。なお、断熱箱3の内部に温度センサー5を設置しているのは、この温度センサーにより測定される温度(以下、「内部温度」と記す)を衣服として着用した際の衣服内温度としてシュミレーションしたものである。温度センサー5は黒体上に設置し、布帛表面からの距離が1cmとなるようにしている。
恒率乾燥速度の測定は、20℃×65%RHに調整された恒温恒湿室内で行う。恒率乾燥速度を測定するに当っては、まず、10cm四方に裁断した試料を純水中に2時間浸漬した後、マングルを使用してピックアップ率が60%となるように絞り、次いで、乾燥速度測定装置の断熱箱3の上にこの試料1を載置する。次に、試料1表面とレフランプ6との距離Bが30cmとなるようにレフランプ6の位置を調整し、このレフランプ6から光を照射しながら試料質量の経時変化を測定する。その後、試料質量と乾燥時間との関係をグラフ化し、グラフにおける直線部分(恒率乾燥期に相当する)の傾きから恒率乾燥速度を算出する。
本発明の涼感性布帛は、気化熱による吸熱効果を利用して衣服内温度を下げて涼感性を得ることを技術的思想とするものである。上記したように内部温度は衣服内温度をシュミレーションしたものであるが、この内部温度については、本発明の涼感性布帛を用いて測定した内部温度(T1)と、前述の炭化物微粒子を含有しないこと以外は当該涼感性布帛と同じ構成の布帛を用いて測定した内部温度(T0)とを比較した場合、前者が1.0〜4.0℃低くなることが、涼感性を実感する上で好ましい。内部温度差(T0−T1)が1.0℃未満であると、涼感性を実感し難い傾向にあり好ましくない。一方、4.0℃を超えると、衣服内温度を低下させる効果に優れている反面、発せられた熱線の量が増しそれに伴い布帛表面の温度も著しく上昇するため、布帛が肌に接触するとかえって涼感性が阻害される傾向にあり好ましくない。
本発明の涼感性布帛は、優れた涼感性を有するものであり、染色、樹脂加工などの加工処理が施されていると、その商品価値が高められるので好ましい。本発明の涼感性布帛の用途としては、陸上競技、野球、サッカーなどに用いる屋外スポーツ用ユニフォームや、腕カバー、パーカー、帽子、ブラウス、ワイシャツ、ズボン、スカート、Tシャツ、ポロシャツ、ワーキングウエア、トレーニングウエアなどの衣料品などが適している。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、実施例、比較例における布帛の評価は、下記の方法に準じて行った。
1.恒率乾燥速度、内部温度及び内部温度差
図1に示すような乾燥速度測定装置を用いて、20℃×65%RHに調整された恒温恒湿室内において前述の方法に準じて測定を行った。該乾燥速度測定装置においては、断熱箱として発泡スチロール製のものを使用し、松下電器産業(株)製写真用レフランプ「PRF−500WB(商品名)」(ワット数:500W)を4基備えた照明スタンドを、試料表面と該レフランプとの距離が30cmとなるように設置し、さらに、黒体に接すると共に試料表面から距離1cmの位置に温度センサーを設置した。内部温度は、試料質量の経時変化を測定する際に併せて測定した。
図1に示すような乾燥速度測定装置を用いて、20℃×65%RHに調整された恒温恒湿室内において前述の方法に準じて測定を行った。該乾燥速度測定装置においては、断熱箱として発泡スチロール製のものを使用し、松下電器産業(株)製写真用レフランプ「PRF−500WB(商品名)」(ワット数:500W)を4基備えた照明スタンドを、試料表面と該レフランプとの距離が30cmとなるように設置し、さらに、黒体に接すると共に試料表面から距離1cmの位置に温度センサーを設置した。内部温度は、試料質量の経時変化を測定する際に併せて測定した。
2.涼感性
10人のパネラーが各試料からなるTシャツを着用し、時・気象条件(以下、時・気象条件に関する用語は、気象庁が発表している2004年6月現在の予報用語及び解説用語に準拠する)として、季節が夏(6月から8月までの期間)であり、試験時間が昼ごろ(正午の前後それぞれ1時間を合わせた2時間くらい)であり、風の強さが静穏(風速0.3m/秒未満)であり、天気が晴れ(雲量2〜8の状態)であり、気温が夏日(日最高気温が25℃以上の日)の屋外にて、ランニングマシンを使用して10km/時の速度で30分間走り、その直後に感じた涼感性の大きさを下記3段階で官能評価し、10人のパネラーの合計点を算出し下記3段階で涼感性を評価した。
(涼感性の大きさ)
涼感性を感じた:2点、涼感性をやや感じた:1点、涼感性を感じない:0点
(涼感性の評価基準)
○:15点以上、△:10〜14点、×:9点以下
10人のパネラーが各試料からなるTシャツを着用し、時・気象条件(以下、時・気象条件に関する用語は、気象庁が発表している2004年6月現在の予報用語及び解説用語に準拠する)として、季節が夏(6月から8月までの期間)であり、試験時間が昼ごろ(正午の前後それぞれ1時間を合わせた2時間くらい)であり、風の強さが静穏(風速0.3m/秒未満)であり、天気が晴れ(雲量2〜8の状態)であり、気温が夏日(日最高気温が25℃以上の日)の屋外にて、ランニングマシンを使用して10km/時の速度で30分間走り、その直後に感じた涼感性の大きさを下記3段階で官能評価し、10人のパネラーの合計点を算出し下記3段階で涼感性を評価した。
(涼感性の大きさ)
涼感性を感じた:2点、涼感性をやや感じた:1点、涼感性を感じない:0点
(涼感性の評価基準)
○:15点以上、△:10〜14点、×:9点以下
(実施例1)
相対粘度(フェノールとテトラクロロエタンとを質量比率1/1で混合したものを溶媒とし、濃度0.5g/dl、温度25℃で測定)が1.38のポリエチレンテレフタレートを鞘成分とし、前記ポリエチレンテレフタレート92質量%に対して平均粒径0.6μmの炭化ジルコニウム微粒子8質量%を溶融混合し、十分に混練した均一の溶融混練物を芯成分として、芯/鞘の質量比を15/85に設定して、紡糸温度290℃、速度3200m/分で溶融紡糸し、90dtex/24fの高配向未延伸マルチフィラメント糸を得た。次いで、フリクション型仮撚機を使用して、ヒーター温度175℃、延伸倍率1.62で上記高配向未延伸マルチフィラメント糸を仮撚加工し、56dtex/24fの仮撚捲縮糸を得た。
相対粘度(フェノールとテトラクロロエタンとを質量比率1/1で混合したものを溶媒とし、濃度0.5g/dl、温度25℃で測定)が1.38のポリエチレンテレフタレートを鞘成分とし、前記ポリエチレンテレフタレート92質量%に対して平均粒径0.6μmの炭化ジルコニウム微粒子8質量%を溶融混合し、十分に混練した均一の溶融混練物を芯成分として、芯/鞘の質量比を15/85に設定して、紡糸温度290℃、速度3200m/分で溶融紡糸し、90dtex/24fの高配向未延伸マルチフィラメント糸を得た。次いで、フリクション型仮撚機を使用して、ヒーター温度175℃、延伸倍率1.62で上記高配向未延伸マルチフィラメント糸を仮撚加工し、56dtex/24fの仮撚捲縮糸を得た。
次に、この仮撚捲縮糸を用いてスムース編地の生機を作製し、精練、プレセット後、分散染料(日本化薬株式会社製、「Kayalon Polyester Blue 2R−SF(商品名)」)を2%omfで用いて染色し、ウェール密度45個/2.54cm、コース密度54個/2.54cm、目付け110g/m2の本発明の涼感性布帛を得た。
(実施例2)
芯/鞘の質量比を15/85ではなく80/20とすること以外は、実施例1と同様にして本発明の涼感性布帛を得た。
芯/鞘の質量比を15/85ではなく80/20とすること以外は、実施例1と同様にして本発明の涼感性布帛を得た。
(実施例3)
芯成分におけるポリエチレンテレフタレートと炭化ジルコニウム微粒子との混合比率を92:8ではなく96:4とすること、並びに、芯/鞘の質量比を15/85ではなく10/90とすること以外は、実施例1と同様にして本発明の涼感性布帛を得た。
芯成分におけるポリエチレンテレフタレートと炭化ジルコニウム微粒子との混合比率を92:8ではなく96:4とすること、並びに、芯/鞘の質量比を15/85ではなく10/90とすること以外は、実施例1と同様にして本発明の涼感性布帛を得た。
(実施例4)
芯成分におけるポリエチレンテレフタレートと炭化ジルコニウム微粒子との混合比率を92:8ではなく80:20とすること、並びに、芯/鞘の質量比を15/85ではなく40/60とすること以外は、実施例1と同様にして本発明の涼感性布帛を得た。
芯成分におけるポリエチレンテレフタレートと炭化ジルコニウム微粒子との混合比率を92:8ではなく80:20とすること、並びに、芯/鞘の質量比を15/85ではなく40/60とすること以外は、実施例1と同様にして本発明の涼感性布帛を得た。
(比較例1)
芯成分におけるポリエチレンテレフタレートと炭化ジルコニウム微粒子との混合比率を92:8ではなく98.5:1.5とすること以外は、実施例1と同様にして比較用の布帛を得た。
芯成分におけるポリエチレンテレフタレートと炭化ジルコニウム微粒子との混合比率を92:8ではなく98.5:1.5とすること以外は、実施例1と同様にして比較用の布帛を得た。
(比較例2)
実施例4において、芯/鞘の質量比を40/60ではなく52/48として高配向未延伸マルチフィラメント糸の作製を試みたが、溶融混練物の流動性が低下し、紡糸することができなかった。
実施例4において、芯/鞘の質量比を40/60ではなく52/48として高配向未延伸マルチフィラメント糸の作製を試みたが、溶融混練物の流動性が低下し、紡糸することができなかった。
(比較例3)
微粒子を含有する高配向未延伸マルチフィラメント糸に代えてポリエチレンテレフタレートからなる高配向未延伸マルチフィラメント糸を用いる以外は、実施例1と同様にして比較用の布帛を得た。
微粒子を含有する高配向未延伸マルチフィラメント糸に代えてポリエチレンテレフタレートからなる高配向未延伸マルチフィラメント糸を用いる以外は、実施例1と同様にして比較用の布帛を得た。
上記の実施例及び比較例で得られた布帛の特性を評価した結果を下記表1に示す。
表1から明らかなように、本発明の涼感性布帛は恒率乾燥速度が速く、気化熱を効率的に奪うことができるため、内部温度差が大きくなり、涼感性を十分に実感しうるものであった。
これに対し、比較例1では、繊維中の炭化ジルコニウム微粒子の含有量が少なすぎるため、布帛が全体として太陽光を吸収し熱線を放射する機能を十分に発揮できなかった。このため、涼感性を十分に実感することができなかった。
また、比較例2では、繊維中の炭化ジルコニウム微粒子の含有量が多すぎるため、紡糸することができなかった。
比較例3では、繊維中の炭化ジルコニウム微粒子が含まれていないため、涼感性を実感することができなかった
1 試料
2 デジタル式自動天秤
2a 皿部
3 断熱箱
4 黒体
5 温度センサー
6 レフランプ
2 デジタル式自動天秤
2a 皿部
3 断熱箱
4 黒体
5 温度センサー
6 レフランプ
Claims (2)
- 周期律第4族に属する遷移金属の炭化物微粒子を0.3〜10質量%含有する合成繊維から構成されてなることを特徴とする涼感性布帛。
- ピックアップ率が60%となるように湿潤させ、20℃×65%RHに調整された恒温恒湿室内にて、30cmの距離から総ワット数2000Wの写真用レフランプにより光を照射した際の恒率乾燥速度が5.0g/分・m2以上であることを特徴とする請求項1記載の涼感性布帛。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP (1) | JP2007113133A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008285780A (ja) * | 2007-05-16 | 2008-11-27 | Unitica Fibers Ltd | 涼感性布帛 |
JP2009185410A (ja) * | 2008-02-06 | 2009-08-20 | Teijin Fibers Ltd | 吸水性と拡散蒸発性に優れる多層構造織編物およびその製造方法および繊維製品 |
JP2015183326A (ja) * | 2014-03-25 | 2015-10-22 | ユニチカトレーディング株式会社 | 絣調涼感性布帛 |
-
2005
- 2005-10-19 JP JP2005304584A patent/JP2007113133A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009185410A (ja) * | 2008-02-06 | 2009-08-20 | Teijin Fibers Ltd | 吸水性と拡散蒸発性に優れる多層構造織編物およびその製造方法および繊維製品 |
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