JP2015183326A - 絣調涼感性布帛 - Google Patents
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Abstract
【課題】見た目の涼しさに加えて実体的な涼感性をも有し、しかも温度変化に応じて保温性も発揮することができる新規な布帛を提供すること。
【解決手段】遠赤外線放射性微粒子と発熱性微粒子とを含有するポリエステルフィラメントから構成される仮撚加工糸を含む布帛であって、前記ポリエステルフィラメントは、長手方向に濃染性部と淡染性部とを交互に有し、前記淡染性部を構成するポリエステルフィラメントの断面形状が、濃染性部を構成するポリエステルフィラメントの断面形状より扁平化していることを特徴とする絣調涼感性布帛。
【選択図】図1
【解決手段】遠赤外線放射性微粒子と発熱性微粒子とを含有するポリエステルフィラメントから構成される仮撚加工糸を含む布帛であって、前記ポリエステルフィラメントは、長手方向に濃染性部と淡染性部とを交互に有し、前記淡染性部を構成するポリエステルフィラメントの断面形状が、濃染性部を構成するポリエステルフィラメントの断面形状より扁平化していることを特徴とする絣調涼感性布帛。
【選択図】図1
Description
本発明は、絣調外観を有する布帛に関するものである。
絣とは、白地や藍染地に十字や細線などの幾何学的模様を模した着物地の総称であり、久留米絣や琉球絣などの伝統工芸の着物用素材から普段着用素材まで幅広く使用されている。
近年では、この絣の模様を使用した浴衣用素材も提案され、見た目にも涼しげな浴衣が多数市販されている。
また、見た目でなく、実際に涼感性を与えることができる布帛も多数提案されている。例えば、特許文献1には、酸化チタンなどの太陽光遮蔽物質をポリエステルなどの合成繊維に練り込み、衣服内の温度上昇を抑えることで涼感性を実現した織物が提案されている。また、特許文献2には、熱伝導率に優れる繊維を用いることで、衣服が肌に接触した際に肌から熱を奪い、これにより冷感を与えるという接触冷感性を有する編物が提案されている。
しかしながら、単に太陽光遮蔽物質を使用するだけでは、衣服自身の温度上昇を抑えることはできても、衣服内温度を下げることまではできない。衣服内温度が高いままでは、十分な涼感性を感じることができない。また、単に接触冷感性を有するというだけでは、瞬間的な涼感性は得られても持続性ある涼感性は得られない。勿論、接触冷感性を奏するのみでは衣服内温度を下げることはできない。
また、涼感性に優れる布帛を用いるというだけでは、昨今の夏服に要求される消費者ニーズを満たすこともできない。例えば、夏季は、多くの場合冷房により屋内温度が調節されており、屋内外で相当の温度差があるのが一般的である。したがって、屋内外を移動するたびに衣服を着脱しなければ環境に応じた快適な温感を得られず、その際、事前に着脱用の衣服を用意しておかなければならないなど、手間も度々指摘されている。そこで、屋外では涼感性を感じることができ、かつ屋内では保温性を感じることができる衣服が提供できれば、着脱の手間を省くことができ効率的である。しかし、そのような性能を持つ衣服はこれまでに設計された例がない。
なお、布帛に保温性を具備させる手段としては、例えば、布帛内にデッドエアー層を設けること、吸湿発熱性繊維を利用すること、太陽光を熱に変換する吸光熱変換効果を利用することなどが知られている。ただし、これらの手段はあくまで保温性を具現するための手段に過ぎず、これらのみで涼感性が奏されることは無論ない。
本発明は、上記のような従来技術の欠点を解消するものであり、見た目の涼しさに加えて実体的な涼感性をも有し、しかも温度変化に応じて保温性も発揮することができる新規な布帛を提供することを課題とするものである。
本発明者は、鋭意研究の結果、汗を蒸発させるための気化熱が吸熱作用を有している点に着目し、気化熱による吸熱作用を利用すれば衣服内に溜まった熱気を消し去ることができ、これにより涼感性を感じることができるであろうとの考えに至った。加えて、布帛が何らかの手段により遠赤外線を放射すれば、屋内での使用時に適度な保温性を発することができるであろうとの考えに至った。そこで、検討したところ、発熱性微粒子と遠赤外線放射性微粒子とを練り込んだ繊維で布帛を構成すれば、屋外では太陽光を熱に変換して気化熱により涼感性を生み出し、同時に屋内では遠赤外線放射効果により適度な保温性を生み出すことができることを見出した。さらに、繊維長手方向に結晶性や配向度が異なる領域を交互に形成することで、染色性に差を設けることができ、これにより、布帛としたとき涼しげな絣調が表現できることも見出した。本発明は、これらの知見に基づいてさらに検討を重ね、完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は第一に、遠赤外線放射性微粒子と発熱性微粒子とを含有するポリエステルフィラメントから構成される仮撚加工糸を含む布帛であって、前記ポリエステルフィラメントは、長手方向に濃染性部と淡染性部とを交互に有し、前記淡染性部を構成するポリエステルフィラメントの断面形状が、濃染性部を構成するポリエステルフィラメントの断面形状より扁平化していることを特徴とする絣調涼感性布帛を要旨とするものである。
本発明の布帛では、濃淡差のある仮撚加工糸が使用されているため、涼しげな絣調が表現できる。同時に加工糸使いのため、ソフトで膨らみ感のある風合いも得られる。また、本発明では、吸光熱変換効果より気化熱を積極的に生み出すことができる一方、遠赤外線放射効果により適度な保温性も奏することができる。このため、本発明の布帛を使用することで、屋外では涼感性が感じられる一方で屋内では保温性が感じられる衣服が提供でき、着脱用の衣服を使用しなくても所望の温感を得ることが可能となる。本発明の布帛を用いることで、既述した昨今の夏服に要求される消費者ニーズを満たすことができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、遠赤外線放射性微粒子と発熱性微粒子とを含有するポリエステルフィラメントから構成される仮撚加工糸を含む布帛である。本発明における仮撚加工糸は、通常、ポリエステル高配向未延伸糸を特定条件で延伸同時仮撚りすることにより得ることができる。
本発明におけるポリエステル高配向未延伸糸は、ポリアルキレンテレフタレートに代表されるポリエステルから構成されるものであればよい。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどがあげられる。また、粘度、熱的特性、相溶性などに鑑みて、イソフタル酸、5−スルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、コハク酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、及びエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂肪族ジオールや、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシヘプタン酸、ヒドロキシオクタン酸などのヒドロキシカルボン酸、ε−カプロラクトンなどの脂肪族ラクトンなどを共重合させてもよい。
ポリエステル高配向未延伸糸を構成するフィラメント(単糸)には、遠赤外線放射性微粒子と発熱性微粒子とが含有されている。
ポリエステル高配向未延伸糸を構成するフィラメント(単糸)には、遠赤外線放射性微粒子と発熱性微粒子とが含有されている。
遠赤外線放射微粒子としては、マイカ、方解石などの鉱物、酸化錫、アルミナ、二酸化珪素などの酸化物系セラミックス、炭化珪素、炭化ホウ素などの炭化物系セラミックス、白金、タングステンなどの金属類などがあげられる。中でも仮撚時のガイド摩耗を抑える観点から、マイカなどのような硬度の低いものが好ましい。
また、発熱性微粒子としては、太陽光などの電磁波を吸収し発熱するものであればどのようなものでも使用できる。具体的には、炭化ジルコニウムやカーボンなどが好ましい。
ポリエステル高配向未延伸糸を構成するフィラメントの構造としては、特に限定されるものでないが、布帛を屋内で使用したとき、適度な保温性を発揮させる観点から、芯鞘構造をなし、かつ遠赤外線放射性微粒子がその鞘成分に所定量含有されているものが好ましい。これは、遠赤外線放射性微粒子を鞘成分に配することで、微粒子と人体との距離を短くすることができるから、結果として遠赤外線が人体に到達し易くなるからである。
また、本発明では、発熱性微粒子もフィラメント鞘成分に含有されていることが好ましい。これは、鞘成分すなわちフィラメント外側の方が光を受け易いからである。光を多く受けると、吸光熱変換効果が促進され、結果として汗などの水分を効率よく蒸発させることができる。そうすると、気化熱による吸熱作用が促進され、涼感性も増すこととなる。
本発明では、発熱性微粒子が発する熱を、気化熱の促進に利用するだけでなく、遠赤外線放射性微粒子そのものの温度上昇にも利用できる。遠赤外線放射性微粒子からは、温度上昇に応じて多くの遠赤外線が発せられるため、結果として優れた保温効果が奏される。特に、上記のように両微粒子をフィラメント鞘成分に配した場合、その鞘成分において両微粒子が近接することになるから、発熱性微粒子が発する熱をより利用し易くなり、遠赤外線放射効果が一層効率的に奏されることになる。本発明では、このような機構を利用することで、フィラメント全体に含まれる両微粒子の合計含有量を減らすことができ、これにより、紡糸操業性、製織編時の工程通過性などを改善することが可能となる。
本発明では、発熱性微粒子が発する熱を、気化熱の促進に利用するだけでなく、遠赤外線放射性微粒子そのものの温度上昇にも利用できる。遠赤外線放射性微粒子からは、温度上昇に応じて多くの遠赤外線が発せられるため、結果として優れた保温効果が奏される。特に、上記のように両微粒子をフィラメント鞘成分に配した場合、その鞘成分において両微粒子が近接することになるから、発熱性微粒子が発する熱をより利用し易くなり、遠赤外線放射効果が一層効率的に奏されることになる。本発明では、このような機構を利用することで、フィラメント全体に含まれる両微粒子の合計含有量を減らすことができ、これにより、紡糸操業性、製織編時の工程通過性などを改善することが可能となる。
遠赤外線放射性微粒子及び発熱性微粒子の含有量としては、特に限定されないが、通常、フィラメント100質量部に対して各々0.1〜10質量部であることが好ましい。特に、遠赤外線放射性微粒子がフィラメント鞘成分に含まれている場合、含有量としては、鞘成分100質量部に対して0.1〜2.5質量部であることが好ましい。0.1質量部未満になると、布帛を屋内で使用した際、適度な保温効果が奏され難くなる。一方、含有量が2.5質量部を超えると、紡糸操業性などが悪化する傾向にある。
発熱性微粒子もフィラメント鞘成分に含まれていることが好ましいことは前述の通りであるが、この場合については、発熱性微粒子が鞘成分100質量部に対して0.1〜2.5質量部含まれていることが好ましい。0.1質量部未満になると、十分な気化熱を生み出すことが困難となる傾向にあり、2.5質量部を超えると、紡糸操業性などが悪化する傾向にある。
また、フィラメントの断面が芯鞘構造をなし、好ましくは遠赤外線放射性微粒子をさらに好ましくは遠赤外線放射性微粒子及び発熱性微粒子の両者を、その鞘成分に含む場合、芯鞘の質量比率としては、95/5〜15/85の範囲が好ましく、85/15〜40/60の範囲がより好ましい。芯鞘の質量比率がこの範囲を満足すると、両微粒子が当該鞘成分に適度な量をもって配されることとなり、涼感性だけでなく保温性の観点からも有利となり、同時に紡糸操業性も安定する。
本発明における仮撚加工糸は、前記のように、上記の遠赤外線放射性微粒子及び発熱性微粒子を含有するポリエステルフィラメントから構成される高配向未延伸糸を用意し、これを特定条件で加工することにより得ることができる。この場合、まず、高配向未延伸糸に間欠的に水を付与する。次に、高配向未延伸糸を延伸することなく熱処理し、その後、延伸同時仮撚りする。
熱処理は、フィラメントの結晶化度を上げ、配向度を下げるためのものである。結晶化度が上がると、次工程たる延伸同時仮撚り時にフィラメントが熱変形し難くなる。フィラメント断面の変形、扁平化を抑えることで、光沢感を低減できるから、結果として所望の濃染性が得られる。一方、配向度が下がると、フィラメント中に分散染料を吸尽・染着できる非晶領域が増え、分散染料をフィラメント中により多く吸尽させることができる。これにより所望の濃染性が得られる。本発明では、この熱処理に先立ち未延伸糸に水を間欠的に付与するが、水が付与された部分は、上記熱処理の影響を受け難く、ポリマー鎖の物理的構造が元の未延伸糸のときと比べほとんど変化しない。これは、水を蒸発させるために熱が消費されるからである。このため、水付け部分は、仮撚りによりフィラメントが大きく熱変形する。フィラメントが熱変形すると、染色後、白色の正反射光が増し白っぽく見えることから、結果として水を付けなかった部分と比べ淡く見えることになる。
本発明では、このように後に扁平化し易い部分(水付け部分)とし難い部分(水なし部分)とを糸条長手方向に交互に設けておいてから仮撚りする。こうすることで、染色により濃染性部と淡染性部とを交互に形成することができる。つまり、水を付けた部分は後に淡染性部となり、水を付けなかった部分は後に濃染性部となる。特に、延伸同時仮撚りは、延伸しない通常の仮撚りと比べ加撚ゾーンにおいて糸に大きな張力がかかるため、フィラメントの断面は、一般に扁平化し易い。このため、濃染性部と淡染性部との濃淡差は一層明瞭なものとなり、この仮撚加工糸を用いて布帛とすれば、質感豊かな絣調が表現できる。
熱処理は、仮撚加工機のヒーターを用いて行えばよい。ヒーターの種類としては、非接触タイプのものを用いるとよい。接触タイプのものを使用すると、付着した水が流れ出てしまうことがあり、好ましくない。また、熱処理時の温度としては、最終的に得られる加工糸が、布帛としたとき良好な絣調を呈するものとなれば、特に限定されるものでない。具体的には170〜230℃の範囲が好ましい。このような温度範囲とすることで、ヒーター出口付近で水が蒸発するように調整することができ、他方で水なし部分を低配向、高結晶化することができる。なお、熱処理時に糸を延伸してしまうと、明瞭な濃淡差が得られない。熱処理は、通常、オーバーフィードをかけた状態で行うとよい。ただし、オーバーフィードをかけ過ぎると、ヒーター内壁へ接触することがあるため、オーバーフィード率としては、通常、0.5〜20%の範囲とするのが好ましい。
高配向未延伸糸を延伸することなく熱処理した後は、延伸同時仮撚りする。これにより目的とする仮撚加工糸を得ることができる。
延伸同時仮撚りを行うための仮撚機としては、特に限定されないが、例えば、ピンタイプの低速仮撚機、ディスクタイプの高速仮撚機などが使用できる。延伸倍率としては、得られる加工糸の糸質物性を考慮して適宜設定してよく、特に限定されないが、通常は、糸切れ、延伸不良などを考慮して、1.2〜1.6倍とすることが好ましい。さらに、仮撚温度(仮撚ヒーター温度)としては、仮撚りによって付与される撚歪みが固定できる温度であれば、特に限定されず、通常は、フィラメント間の融着を抑えながら形状固定できる温度を適宜選択すればよい。具体的には、160〜230℃が好ましい。
本発明では、延伸することなく熱処理した高配向未延伸糸を一旦巻き取り、その後仮撚機に導入することにより延伸同時仮撚りしてもよいが、通常は、コスト、糸質などを考慮し、間欠水付け装置及び熱処理装置を備えた仮撚機に高配向未延伸糸を導入し、間欠水付け及び熱処理後、糸を巻き取ることなく連続的に仮撚りすることが好ましい。
本発明における仮撚加工糸のトータル繊度は、目的、性能に応じて適宜のものが選択可能であるが、通常は、布帛の風合い、濃淡差などを考慮して10〜440dtexが好ましく、30〜330dtexがより好ましく、50〜200dtexがさらに好ましい。また、加工糸の単糸繊度は、0.01〜10dtexが好ましく、0.1〜10dtexがより好ましく、0.1〜3dtexがさらに好ましい。
また、仮撚加工糸中に交互に存在する濃染性部及び淡染性部の長さ、比率については、布帛となし染色後に質感良好な絣調が発現さえすれば、特に限定されるものではない。通常は、各部の長さは各々7〜70cmの範囲とするのが好ましい。濃染性部及び淡染性部の比率については、糸中、一方の占める割合が3〜20%程度となるようにすることが質感良好な絣調を得るうえで好ましい。つまり、濃染性部(又は淡染性部)を背景としてその中に少量の淡染性部(又は濃染性部)を散りばめたような形態とすることが、絣調を表現するうえで好ましいといえる。また、濃染性部及び淡染性部の長さをランダムに変化させることも自然な絣調を得るうえで好ましい。
本発明における仮撚加工糸は、上記のように、遠赤外線放射性微粒子と発熱性微粒子とを含有するポリエステルフィラメントから構成される仮撚加工糸であり、長手方向に濃染性部と淡染性部とを交互に有している。そして、糸中、淡染性部のフィラメント断面は、著しく扁平化しており、濃染性部のフィラメント断面をほとんど扁平化していない。本発明の布帛はこのような加工糸から構成されるものであり、使用する加工糸が特異な構造、特性を有しているため、この糸を使用して染色さえすれば、基本的に所望の絣調が表現できる。
したがって、布帛の組織としては、特に限定されない。本発明では、布帛の形態として織物、編物などが採用できるが、例えば、織物の組織では、平織、斜文織、朱子織、多重織などが採用でき、編物の組織では、平編、パール編、リブ編、インターロック編などの丸編組織やハーフ編、デンビー編、アトラス編などの経編組織が採用できる。組織を含め布帛を設計する際は、絣模様の強弱や涼感性などに加え、各種物性、堅牢度、ウォッシャブル性などを適宜考慮し適切なものを選択すればよい。
仮撚加工糸を得た後は、生機を作製し、生機を染色加工することで本発明の布帛を得ることができる。布帛には、本発明の効果を損なわない範囲で上記加工糸以外の糸が含まれていてもよい。上記加工糸以外の糸としては任意のものが使用できる。通常、布帛には、上記加工糸が全体の20〜100質量%の割合で含まれていることが好ましい。20質量%未満では、本発明の効果を得難い傾向にある。
次に、涼感性の評価方法について述べる。
次に、涼感性の評価方法について述べる。
本発明の布帛は、人体が発した汗その他着用中に付着した水分を気化させ、そのときの気化熱による吸熱作用を利用して、涼感性を具現するものである。すなわち、衣服内温度を下げることで涼感性を得ようとするものである。かかる気化熱は、前記のように発熱性微粒子による吸光熱変換効果によりもたらされる。
本発明では、涼感性が発現するこのような機構に基づいて涼感性が評価されることが好ましい。具体的には、乾燥状態の布帛に光を照射したときの内部温度と、湿潤状態の布帛に光を照射したときの内部温度との差(内部温度差)に基づいて評価する。内部温度とは、衣服内温度に見立てたものをいう。
内部温度差の測定としては、20℃×65%RHに調節された恒温恒湿室内において、ハロゲンライトを用いて照度を調節した光を布帛に照射しながら行う。本発明では乾燥時と湿潤時との温度差(内部温度差)を測定する。すなわち、乾燥状態で測定したときの内部温度と、一定量の水を布帛全体に均一に滴下して湿潤状態として測定したときの内部温度とを比較する。本発明では、後者が前者より2℃以上低くなることが涼感性を実感する上で好ましい。また、布帛を湿潤状態にする際は、布帛全体を均一に湿潤させかつ布帛から水が滴り落ちないようにすることが、正確な測定を行ううえで好ましい。この点から、本発明では、ピックアップ率が30%となるように布帛を湿潤させる。そして、布帛に照射する光の照度としては、付着した水を一定の速度で気化させ、かつ効果を正確に確認できる照度であることが望ましいことから、照度は20000Luxとする。
内部温度を測定する装置としては、図1に示す内部温度測定装置を用いる。装置本体の骨格基礎部分には断熱性に優れる発泡スチロールを使用する。この内部温度測定装置においては、1cm四方の開口部が四方4mm間隔で配置された金属メッシュ板2が黒体3の上部に設置され、さらにその上方20cmの位置に130Wのハロゲンライト5が設置されている。黒体3は、熱の反射を抑制するために設置されるものである。そして、金属メッシュ板2の下方に10cm四方の黒体温度センサー4を設置する。この温度センサーで測定される温度(内部温度)を衣服として着用した際の衣服内温度と見立てる。黒体温度センサー4は、黒体3の上方にあって、試料裏面下方1cmの位置に設置する。
内部温度の測定は、20℃×65%RHに調節された恒温恒湿室内で行う。まず、乾燥状態にかかる内部温度を測定する。20cm四方に裁断した試料1を内部温度測定装置内の金属メッシュ板2の上に裏面を下にして設置する。そして、試料1表面とハロゲンライト5との距離が20cmとなるように調整する。続いて、変圧器を用いて照度が20000Luxになるようにハロゲンライト5から光を照射しながら、4分後の内部温度を測定する。
次いで湿潤状態にかかる内部温度を測定する。設置されている試料1を内部温度測定装置から外し、裏面上方1cmの位置から、スポイトを用いてピックアップ率30%となるように水を滴下する。水は試料1の裏面全体に均一に滴下する。そして、湿潤状態となった試料1を金属メッシュ板2の上に裏面が下になるように設置する。その後、乾燥状態における場合と同様の手順で内部温度を測定する。両状態にかかる測定温度の差が、求めるべき内部温度差である。
本発明では、上記のように内部温度を衣服内温度に見立てて涼感性を評価するが、特に湿潤状態にかかる内部温度については、本発明の布帛を用いて測定した場合の内部温度(T1)と、遠赤外線放射性微粒子と発熱性微粒子とを含有しないこと以外は当該布帛と同一の構成を有する布帛(両微粒子を含有するポリエステルフィラメントに代えてポリエステルポリマーのみからなるフィラメントを使用した布帛)を用いて測定した場合の内部温度(T0)とを比較したとき、内部温度差(T0−T1)が1.0〜12.0℃となることが涼感性を実感するうえで好ましい。内部温度差(T0−T1)が1.0℃未満では、涼感性を実感し難い傾向にある。一方、内部温度差(T0−T1)が12.0℃を超えると、衣服内温度を低下させる効果には優れているものの、気化熱を促進するための熱量も増加しており、それに伴い布帛表面の温度も相当上昇しているから、肌に布帛が接触すると、涼感性が阻害される場合があり、好ましくない。
本発明の布帛は、以上のように、涼しげな絣調を呈しているだけなく、ソフトで膨らみ感ある風合いも有している。そして、吸光熱変換効果より気化熱を促進できる一方、遠赤外線放射効果による適度な保温性も具備する。このため、屋外で使用すると涼感性を実感できる一方、屋内で使用すると保温性が感じられるようになる。したがって、本発明の布帛は、夏服素材として好適であり、衣服に仕立ててそれを着用すれば、それだけで適度な温感が容易に得られ、別の衣服を着脱する手間が省ける。
以下、実施例及び比較例をあげてさらに詳細に本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
各測定方法及び評価方法は以下の通りである。
(1)遠赤外線放射効果
各実施例及び比較例で得られた布帛の遠赤外線放射強度を測定した。測定は、赤外分光光度計FT−IR装置(パーキンエルマー社製「Spectrum GX FT−IR(商品名)」)を使用し、測定温度40℃、測定波長域5〜20μmで行った。その際、同条件における黒体の遠赤外線放射強度も測定し、各波長における黒体の放射強度を100%とした場合の各布帛の放射強度の比率(%)を求め、各波長で算出された比率の平均値を平均放射率(%)として算出した。
各実施例及び比較例で得られた布帛の遠赤外線放射強度を測定した。測定は、赤外分光光度計FT−IR装置(パーキンエルマー社製「Spectrum GX FT−IR(商品名)」)を使用し、測定温度40℃、測定波長域5〜20μmで行った。その際、同条件における黒体の遠赤外線放射強度も測定し、各波長における黒体の放射強度を100%とした場合の各布帛の放射強度の比率(%)を求め、各波長で算出された比率の平均値を平均放射率(%)として算出した。
(2)内部温度及び内部温度差
図1に示すような内部温度測定装置を用いて、20℃×65%RHに調節された恒温恒湿室内において前述の方法に準じて測定を行った。この内部温度測定装置では、ハロゲンライトとしてパナソニック(株)製、照明器具「ハロゲンライトJD110V130W・NP/E(商品名)」(130W)を使用した。そして、このハロゲンライトを試料表面上方20cmの位置に設置した。照度は、20000Luxとなるよう変圧器を用いて調整した。さらに、試料裏面下方1cmの位置に黒体温度センサーを設置した。
図1に示すような内部温度測定装置を用いて、20℃×65%RHに調節された恒温恒湿室内において前述の方法に準じて測定を行った。この内部温度測定装置では、ハロゲンライトとしてパナソニック(株)製、照明器具「ハロゲンライトJD110V130W・NP/E(商品名)」(130W)を使用した。そして、このハロゲンライトを試料表面上方20cmの位置に設置した。照度は、20000Luxとなるよう変圧器を用いて調整した。さらに、試料裏面下方1cmの位置に黒体温度センサーを設置した。
(3)涼感性及び室内での温感
10人のパネラーが各試料からなるTシャツを着用し、時・気象条件として、季節が夏(6月から8月までの期間)であり、試験時間が昼ごろ(正午の前後それぞれ1時間を合わせた2時間くらい)であり、風の強さが静穏(風速0.3m/秒未満)であり、天気が晴れ(雲量2〜8の状態)であり、気温が夏日(日最高気温が25℃以上の日)の屋外にて、ランニングマシンを使用して10km/時の速度で30分間走り、その直後に感じた涼感性の大きさを下記3段階で官能評価し、10人のパネラーの合計点をそれぞれ算出して、下記3段階で涼感性を評価した。
(涼感性の大きさ)
涼感性を感じた:2点
涼感性をやや感じた:1点
涼感性をほとんど感じなかった:0点
(涼感性の評価基準)
○:15点以上
△:10〜14点
×:9点以下
涼感性の評価後、直ちに20℃×65%RHに調節された恒温恒湿室に入り、10分後に感じた温感を下記3段階で官能評価し、10人のパネラーの合計点をそれぞれ算出して、下記3段階で温感を評価した。
(室内での温感)
適度な保温性を感じることができ快適であった:2点
やや保温性は感じるものの、冷え感が若干残る感じであった:1点
冷え感を感じ快適とはいえなかった:0点
(室内温感の評価基準)
○:15点以上
△:10〜14点
×:9点以下
10人のパネラーが各試料からなるTシャツを着用し、時・気象条件として、季節が夏(6月から8月までの期間)であり、試験時間が昼ごろ(正午の前後それぞれ1時間を合わせた2時間くらい)であり、風の強さが静穏(風速0.3m/秒未満)であり、天気が晴れ(雲量2〜8の状態)であり、気温が夏日(日最高気温が25℃以上の日)の屋外にて、ランニングマシンを使用して10km/時の速度で30分間走り、その直後に感じた涼感性の大きさを下記3段階で官能評価し、10人のパネラーの合計点をそれぞれ算出して、下記3段階で涼感性を評価した。
(涼感性の大きさ)
涼感性を感じた:2点
涼感性をやや感じた:1点
涼感性をほとんど感じなかった:0点
(涼感性の評価基準)
○:15点以上
△:10〜14点
×:9点以下
涼感性の評価後、直ちに20℃×65%RHに調節された恒温恒湿室に入り、10分後に感じた温感を下記3段階で官能評価し、10人のパネラーの合計点をそれぞれ算出して、下記3段階で温感を評価した。
(室内での温感)
適度な保温性を感じることができ快適であった:2点
やや保温性は感じるものの、冷え感が若干残る感じであった:1点
冷え感を感じ快適とはいえなかった:0点
(室内温感の評価基準)
○:15点以上
△:10〜14点
×:9点以下
(4)絣調の評価(濃淡差の評価)
JIS L0804に準拠した変退色用グレースケールを用い、布帛における濃染性部と淡染性部との濃淡差を下記評価基準にて官能評価した。
<絣調の評価基準>
1級〜2級:顕著な絣調効果が認められる
2−3級〜3級:絣調効果が認められる
3−4級〜4級:絣調効果に乏しい
4−5級〜5級:絣調効果が認められない
JIS L0804に準拠した変退色用グレースケールを用い、布帛における濃染性部と淡染性部との濃淡差を下記評価基準にて官能評価した。
<絣調の評価基準>
1級〜2級:顕著な絣調効果が認められる
2−3級〜3級:絣調効果が認められる
3−4級〜4級:絣調効果に乏しい
4−5級〜5級:絣調効果が認められない
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート97質量部に、遠赤外線放射性微粒子として平均粒子径3μmのマイカを1.5質量部、及び発熱性微粒子として平均粒子径1.5μmの炭化ジルコニウムを1.5質量部練り込んだ樹脂組成物と、ポリエチレンテレフタレートからなる樹脂とを用意した。そして、両者を複合紡糸機に導入し、前者を鞘成分に、後者を芯成分にそれぞれ配しつつ両者の質量比率(芯成分/鞘成分)が80/20となるように複合紡糸し、89.7dtex24fの高配向未延伸糸を得た。なお、紡糸操業性は良好であった。
ポリエチレンテレフタレート97質量部に、遠赤外線放射性微粒子として平均粒子径3μmのマイカを1.5質量部、及び発熱性微粒子として平均粒子径1.5μmの炭化ジルコニウムを1.5質量部練り込んだ樹脂組成物と、ポリエチレンテレフタレートからなる樹脂とを用意した。そして、両者を複合紡糸機に導入し、前者を鞘成分に、後者を芯成分にそれぞれ配しつつ両者の質量比率(芯成分/鞘成分)が80/20となるように複合紡糸し、89.7dtex24fの高配向未延伸糸を得た。なお、紡糸操業性は良好であった。
次に、間欠水付け装置と熱処理のためのヒーターとを備えた仮撚機(三菱重工業株式会社製「LS−6(商品名)」)に上記高配向未延伸糸を導入し、まず糸条に間欠的に水を付与した。水付けはコンピュータ制御のもと行い、水付け時間0.01〜0.1秒/回でランダムに水付けした。水付け後、温度180℃、オーバーフィード率2.5%なる条件で熱処理(非接触タイプのヒーターを使用)した。そして巻き取ることなく連続的に、延伸倍率1.515倍、仮撚数4236T/M、仮撚方向Z、仮撚ヒーター(接触タイプ)温度170℃なる条件で延伸同時仮撚りし、62.0dtex24fの仮撚加工糸を得た。ここで得られた加工糸の一部を取り出し、筒編染色後、解編し、淡染性部の平均長さを測ったところ10.2cmであった。また、淡染性部の糸条全体に占める割合は12.5%であった。
仮撚りにより加工糸を得た後は、ダブルツイスターを使用してS方向に2500T/M、Z方向に2500T/Mの撚数で各々撚糸し、撚糸後、75℃、45分間の条件で真空セットした。そして、S方向に撚糸した糸及びZ方向に撚糸した糸を2:2に配列したビームを整経した後、緯糸として上記各々の方向に撚糸した糸を2:2の繰り返しで打ち込み、平二重組織の生機を製織した。生機密度は、経糸145本/インチ、緯糸130本/インチであった。
次に、生機を精練、プレセットした後、ダイスタージャパン株式会社製、分散染料「Dianix Navy Blue UN−SE200(商品名)」を2.0%omf使用して、130℃、30分間の条件で染色した。染色後、ファイナルセットすることで布帛を得た。
(実施例2)
ポリエチレンテレフタレート98質量部に、遠赤外線放射性微粒子として平均粒子径3μmのマイカを1.0質量部、及び発熱性微粒子として平均粒子径1.5μmのカーボンを1.0質量部練り込んだ樹脂組成物と、ポリエチレンテレフタレートからなる樹脂とを用意した。そして、両者を複合紡糸機に導入し、前者を鞘成分に、後者を芯成分にそれぞれ配しつつ両者の質量比率(芯成分/鞘成分)が80/20となるように複合紡糸し、126.7dtex36fの高配向未延伸糸を得た。なお、紡糸操業性は良好であった。
次に、間欠水付け装置と熱処理のためのヒーターとを備えた仮撚機(三菱重工業株式会社製「LS−6(商品名)」)に上記高配向未延伸糸を導入し、実施例1の場合と同様の条件で水付けした後、温度180℃、オーバーフィード率2.0%なる条件で熱処理(非接触タイプのヒーターを使用)した。そして巻き取ることなく連続的に、延伸倍率1.380倍、仮撚数3320T/M、仮撚方向Z、仮撚ヒーター(接触タイプ)温度170℃なる条件で延伸同時仮撚りし、91.8dtex36fの仮撚加工糸を得た。得られた加工糸において、淡染性部の平均長さは10.9cmであり、淡染性部の糸条全体に占める割合は13.6%であった。
ポリエチレンテレフタレート98質量部に、遠赤外線放射性微粒子として平均粒子径3μmのマイカを1.0質量部、及び発熱性微粒子として平均粒子径1.5μmのカーボンを1.0質量部練り込んだ樹脂組成物と、ポリエチレンテレフタレートからなる樹脂とを用意した。そして、両者を複合紡糸機に導入し、前者を鞘成分に、後者を芯成分にそれぞれ配しつつ両者の質量比率(芯成分/鞘成分)が80/20となるように複合紡糸し、126.7dtex36fの高配向未延伸糸を得た。なお、紡糸操業性は良好であった。
次に、間欠水付け装置と熱処理のためのヒーターとを備えた仮撚機(三菱重工業株式会社製「LS−6(商品名)」)に上記高配向未延伸糸を導入し、実施例1の場合と同様の条件で水付けした後、温度180℃、オーバーフィード率2.0%なる条件で熱処理(非接触タイプのヒーターを使用)した。そして巻き取ることなく連続的に、延伸倍率1.380倍、仮撚数3320T/M、仮撚方向Z、仮撚ヒーター(接触タイプ)温度170℃なる条件で延伸同時仮撚りし、91.8dtex36fの仮撚加工糸を得た。得られた加工糸において、淡染性部の平均長さは10.9cmであり、淡染性部の糸条全体に占める割合は13.6%であった。
仮撚りにより加工糸を得た後は、ダブルツイスターを使用してS方向に2000T/M、Z方向に2000T/Mの撚数で各々撚糸し、撚糸後、85℃、40分間の条件で真空セットした。そして、S方向に撚糸した糸及びZ方向に撚糸した糸を2:2に配列したビームを整経した後、緯糸としてS方向に撚糸した糸を打ち込み、楊柳組織の生機を製織した。生機密度は、経糸166本/インチ、緯糸94本/インチであった。
次に、生機を精練、プレセットした後、ダイスタージャパン株式会社製、分散染料「Dianix Navy Blue UN−SE200(商品名)」を2.0%omf使用して、130℃、30分間の条件で染色した。染色後、ファイナルセットすることで布帛を得た。
(実施例3)
ポリエチレンテレフタレートの含有量を98質量部に代えて94質量部とすること、及びマイカ及びカーボンの含有量を各々1.0質量部に代えて3.0質量部とする以外は、実施例2と同様に行い、高配向未延伸糸、仮撚加工糸及び布帛を得た。なお、紡糸操業性は、実施例2の場合と比べやや劣るものであった。高配向未延伸糸の繊度は130.4dtex36fであり、仮撚加工糸の繊度は94.5dtex36fであった。また、加工糸における淡染性部の平均長さは11.5cmであり、淡染性部の糸条全体に占める割合は14.8%であった。
ポリエチレンテレフタレートの含有量を98質量部に代えて94質量部とすること、及びマイカ及びカーボンの含有量を各々1.0質量部に代えて3.0質量部とする以外は、実施例2と同様に行い、高配向未延伸糸、仮撚加工糸及び布帛を得た。なお、紡糸操業性は、実施例2の場合と比べやや劣るものであった。高配向未延伸糸の繊度は130.4dtex36fであり、仮撚加工糸の繊度は94.5dtex36fであった。また、加工糸における淡染性部の平均長さは11.5cmであり、淡染性部の糸条全体に占める割合は14.8%であった。
(比較例1)
延伸同時仮撚り前の間欠水付け及び熱処理を省略すること、及び仮撚り時の延伸倍率を1.613倍に変更すること以外は、実施例1と同様に行い、仮撚加工糸及び布帛を得た。仮撚加工糸の繊度は58.0dtex24fであった。
延伸同時仮撚り前の間欠水付け及び熱処理を省略すること、及び仮撚り時の延伸倍率を1.613倍に変更すること以外は、実施例1と同様に行い、仮撚加工糸及び布帛を得た。仮撚加工糸の繊度は58.0dtex24fであった。
(比較例2)
延伸同時仮撚り前の間欠水付け及び熱処理を省略すること、及び仮撚り時の延伸倍率を1.420倍に変更すること以外は、実施例2と同様に行い、仮撚加工糸及び布帛を得た。仮撚加工糸の繊度は89.2dtex36fであった。
延伸同時仮撚り前の間欠水付け及び熱処理を省略すること、及び仮撚り時の延伸倍率を1.420倍に変更すること以外は、実施例2と同様に行い、仮撚加工糸及び布帛を得た。仮撚加工糸の繊度は89.2dtex36fであった。
(比較例3)
熱処理時のオーバーフィード率を−0.8%に変更すること、及び仮撚り時の延伸倍率を0.815倍に変更すること以外は、実施例1と同様に行い、仮撚加工糸及び布帛を得た。仮撚加工糸の繊度は64.2dtex24fであった。
熱処理時のオーバーフィード率を−0.8%に変更すること、及び仮撚り時の延伸倍率を0.815倍に変更すること以外は、実施例1と同様に行い、仮撚加工糸及び布帛を得た。仮撚加工糸の繊度は64.2dtex24fであった。
(比較例4)
ポリエチレンテレフタレートの含有量を100質量部とし、マイカ、カーボンを省く以外は、実施例1と同様に行い、高配向未延伸糸、仮撚加工糸及び布帛を得た。なお、紡糸操業性は良好であった。高配向未延伸糸の繊度は90.7dtex24fであり、仮撚加工糸の繊度は60.0dtex24fであった。また、加工糸における淡染性部の平均長さは10.6cmであり、淡染性部の糸条全体に占める割合は13.4%であった。
ポリエチレンテレフタレートの含有量を100質量部とし、マイカ、カーボンを省く以外は、実施例1と同様に行い、高配向未延伸糸、仮撚加工糸及び布帛を得た。なお、紡糸操業性は良好であった。高配向未延伸糸の繊度は90.7dtex24fであり、仮撚加工糸の繊度は60.0dtex24fであった。また、加工糸における淡染性部の平均長さは10.6cmであり、淡染性部の糸条全体に占める割合は13.4%であった。
(比較例5)
ポリエチレンテレフタレートの含有量を98.5質量部とし、マイカを省く以外は、実施例1と同様に行い、高配向未延伸糸、仮撚加工糸及び布帛を得た。なお、紡糸操業性は良好であった。高配向未延伸糸の繊度は92.2dtex24fであり、仮撚加工糸の繊度は60.9dtex24fであった。また、加工糸における淡染性部の平均長さは9.8cmであり、淡染性部の糸条全体に占める割合は12.3%であった。
ポリエチレンテレフタレートの含有量を98.5質量部とし、マイカを省く以外は、実施例1と同様に行い、高配向未延伸糸、仮撚加工糸及び布帛を得た。なお、紡糸操業性は良好であった。高配向未延伸糸の繊度は92.2dtex24fであり、仮撚加工糸の繊度は60.9dtex24fであった。また、加工糸における淡染性部の平均長さは9.8cmであり、淡染性部の糸条全体に占める割合は12.3%であった。
(比較例6)
ポリエチレンテレフタレートの含有量を98.5質量部とし、炭化ジルコニウムを省く以外は、実施例1と同様に行い、高配向未延伸糸、仮撚加工糸及び布帛を得た。なお、紡糸操業性は良好であった。高配向未延伸糸の繊度は91.8dtex24fであり、仮撚加工糸の繊度は60.6dtex24fであった。また、加工糸における淡染性部の平均長さは10.2cmであり、淡染性部の糸条全体に占める割合は12.4%であった。
ポリエチレンテレフタレートの含有量を98.5質量部とし、炭化ジルコニウムを省く以外は、実施例1と同様に行い、高配向未延伸糸、仮撚加工糸及び布帛を得た。なお、紡糸操業性は良好であった。高配向未延伸糸の繊度は91.8dtex24fであり、仮撚加工糸の繊度は60.6dtex24fであった。また、加工糸における淡染性部の平均長さは10.2cmであり、淡染性部の糸条全体に占める割合は12.4%であった。
以上で得た布帛の評価結果を表1に示す。
実施例にかかる布帛は、いずれも質感良好で涼しげな絣調を呈し、風合いにも優れていた。また、本発明の布帛を用いることで、実感として感じうるだけの涼感性を発現する衣服が提供でき、さらに、その衣服は、例えば冷房の効いた屋内において重ね着をしなくても快適な温感を発現することが確認できた。
これに対し、延伸同時仮撚り前の間欠水付け及び熱処理を省略するか(比較例1、2)又は熱処理しても延伸してしまうと(比較例3)、濃染性部となるべき部分のポリマー鎖が十分に低配向かつ高結晶の構造とならず、所望の濃淡差が得られないことが確認できた。また、遠赤外線放射性微粒子及び発熱性微粒子のいずれかを省いてしまうと、涼感性の他、温度変化に応じた快適な温感などが得られないことが確認できた(比較例4〜6)。
1 試料
2 金属メッシュ板
3 黒体
4 黒体温度センサー
5 ハロゲンライト
2 金属メッシュ板
3 黒体
4 黒体温度センサー
5 ハロゲンライト
Claims (4)
- 遠赤外線放射性微粒子と発熱性微粒子とを含有するポリエステルフィラメントから構成される仮撚加工糸を含む布帛であって、前記ポリエステルフィラメントは、長手方向に濃染性部と淡染性部とを交互に有し、前記淡染性部を構成するポリエステルフィラメントの断面形状が、濃染性部を構成するポリエステルフィラメントの断面形状より扁平化していることを特徴とする絣調涼感性布帛。
- 前記仮撚加工糸が高配向未延伸糸を延伸同時仮撚りして得たものであることを特徴とする請求項1記載の絣調涼感性布帛。
- 前記ポリエステルフィラメントの断面が芯鞘構造をなし、前記遠赤外線放射性微粒子が鞘成分に含まれ、前記遠赤外線放射性微粒子の含有量が鞘成分100質量部に対して0.1〜2.5質量部であり、かつフィラメントにおける芯鞘の質量比率(芯成分/鞘成分)が95/5〜15/85の範囲にあることを特徴とする請求項1又は2記載の絣調涼感性布帛。
- 前記発熱性微粒子が前記ポリエステルフィラメントの鞘成分100質量部に対して0.1〜2.5質量部含まれていることを特徴とする請求項3記載の絣調涼感性布帛。
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