JP2016027212A - 機能性繊維 - Google Patents

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Hitoshi Ishii
仁 石井
幹也 廣長
Mikiya Hironaga
幹也 廣長
真史 山本
Masashi Yamamoto
真史 山本
恭雄 岸田
Yasuo Kishida
恭雄 岸田
優子 秋川
Yuko Akigawa
優子 秋川
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Abstract

【課題】紡糸操業性に悪影響を及ぼすことがなく製造可能であり、しかも優れた保温効果を備える繊維を提供する。
【解決手段】 発熱性微粒子と遠赤外線放射性微粒子とを含有する熱可塑性樹脂が、繊維表面の少なくとも一部を構成する繊維であり、該熱可塑性樹脂全体に対して、発熱性微粒子を0.1〜2.5質量%、遠赤外線放射性微粒子を0.1〜2.5質量%含有し、かつ、発熱性微粒子と遠赤外線放射性微粒子の合計含有量が該熱可塑性樹脂全体に対して0.2〜3.5質量%であり、単繊維繊度が1.5デシテックス以下であることを特徴とする機能性繊維。
【選択図】 なし

Description

本発明は、保温性に優れた機能性繊維に関する。
従来、保温を目的とした織編物は数多く上市されており、中空糸等によるデッドエアーの利用や吸湿発熱効果の利用、太陽光を熱に変換して利用する方法等、様々な手法を用いた素材が提案されている。しかしながら、デッドエアーの利用は、空気を含ませることで放熱を抑えるという消極的な手法であるため、寒さに対する保温性には限界があり、また空気層を利用するため、織編物が嵩高になってしまうという問題があった。また、吸湿発熱効果の利用については、不感蒸泄等の湿気を吸収することで発熱するものであるが、湿気を吸収した際には発熱するものの、持続性が低く、すぐに放熱してしまうという問題があった。一方、太陽光を熱に変換する方法は、晴天時の屋外においては十分な効果が認められるものの、雨天時や室内ではその効果がほとんど期待出来ないという問題があった。
これに対して、近年、遠赤外線放射性微粒子を利用して繊維に保温効果を付与する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、遠赤外線放射性微粒子を3重量%以上含有又は付着させた繊維が開示されている。また、特許文献2には、ポリエステルに平均粒径2.5〜5.0μmの雲母と平均粒径8.0〜13.0μmの雲母を重量比4/6〜8/2の割合で合計で3〜8重量%含有させた遠赤外線照射性ポリエステルが開示されている。さらに、特許文献3には、特定の遠赤外線照射率を示す遠赤外線放射性微粒子を1〜10重量%含有するポリマーからなる鞘部と、当該微粒子を10〜70重量%含有するポリマーからなる芯部より構成される遠赤外線放射性機能性繊維が開示されている。また、特許文献4には、遠赤外線放射性微粒子を含有する熱可塑性重合体を鞘部に含む芯鞘構造の機能性繊維であって、遠赤外線放射性微粒子が繊維全体の3重量%である機能性繊維が開示されている。
しかしながら、特許文献1〜4のように、遠赤外線放射性微粒子のみを利用して繊維の保温効果を高めるには、遠赤外線放射性微粒子を多量に含有又は付着させる必要があり、紡糸の際に糸切れやガイド摩耗等が生じやすくなり、紡糸操業性を悪化させるという問題があった。また、特許文献4の技術では、遠赤外線放射性微粒子を芯鞘構造の鞘部に局在化させることにより、紡糸操業性の改善が図られているものの、依然として満足できるものではない。
さらに、特許文献1〜4のように、遠赤外線放射特性を有する微粒子のみを利用して繊維に保温効果を付与する技術では、実現可能な保温効果には限界があり、十分な暖かさを実現するには至っていないのが現状である。
特開昭63−227828号公報 特開平9−77961号公報 特開昭63−152413号公報 特開平2−154009号公報
本発明は、紡糸操業性に悪影響を及ぼすことがなく製造可能であり、しかも優れた保温効果を備える繊維を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、発熱性微粒子と遠赤外線放射性微粒子を含有する繊維は、高い保温効果を有することを見出した。さらに、繊維の単繊維繊度を特定の大きさにすることによって、より保温効果が向上することを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
本発明は、発熱性微粒子と遠赤外線放射性微粒子とを含有する熱可塑性樹脂が、繊維表面の少なくとも一部を構成する繊維であり、
該熱可塑性樹脂全体に対して、発熱性微粒子を0.1〜2.5質量%、遠赤外線放射性微粒子を0.1〜2.5質量%含有し、
かつ、発熱性微粒子と遠赤外線放射性微粒子の合計含有量が該熱可塑性樹脂全体に対して0.2〜3.5質量%であり、
単繊維繊度が1.5デシテックス以下であることを特徴とする機能性繊維を要旨とするものである。
本発明の機能性繊維は、発熱性微粒子および遠赤外線放射性微粒子を含有することを特徴とする。以下、本発明の機能性繊維について詳述する。
本発明の繊維は、熱可塑性樹脂により構成される。このような構成ポリマーとしては、溶融紡糸が可能であることを限度として特に限定されず、従来、繊維の原料として使用されているポリマーを使用することができる。このようなポリマーとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のポリ塩化ポリマー;ポリ4フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系ポリマー;PLA(ポリ乳酸)やPBS(ポリブチレンサクシネート)等のバイオマス由来モノマーを化学的に重合してなるバイオマスポリマー;これらのポリマーを構成するモノマーの2種以上からなる共重合体等が挙げられる。
また、これらのポリマーは、粘度、熱的特性、相溶性等を鑑みて、他の構成モノマーを含む共重合体であってもよい。例えば、ポリエステルの共重合体(共重合ポリエステル)を使用する場合であれば、イソフタル酸、5−スルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸:アジピン酸、コハク酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族ジオール;グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシヘプタン酸、ヒドロキシオクタン酸等のヒドロキシカルボン酸;ε−カプロラクトン等の脂肪族ラクトンと、ポリエステルとの共重合体を使用してもよい。
上記したポリマーの粘度は、ポリマーの種類によって適宜選択されるが、例えば、極限粘度0.50〜0.90、好ましくは0.55〜0.80、さらに好ましくは0.60〜0.70がよい。
遠赤外線放射性微粒子とは、遠赤外線を放射可能な物質からなる微粒子である。本発明において使用される遠赤外線放射性微粒子としては、例えば、マイカ、タルク、方解石等の鉱物;酸化錫、アルミナ、二酸化珪素等の酸化物系セラミックス;炭化珪素、炭化ホウ素等の炭化物系セラミックス;白金、タングステン等の金属類が挙げられる。これらの遠赤外線放射性微粒子の中でも、紡糸操業性と遠赤外線放射性能をより向上させるという観点から、好ましくはマイカ、酸化錫、タルクさらに好ましくはマイカが挙げられる。これらの遠赤外線放射性微粒子は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組合せて使用してもよい。
発熱性微粒子とは、電磁波(太陽光を含む)の吸収により発熱可能な物質からなる微粒子である。本発明において使用される発熱性微粒子としては、特に制限されないが、例えば、酸化ジルコニウム、炭化ジルコニウム、カーボン等が挙げられる。これらの発熱性微粒子の中でも、紡糸操業性と発熱性能をより向上させるという観点から、好ましくはカーボンが挙げられる。これらの発熱性微粒子は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組合せて使用してもよい。
遠赤外線放射性微粒子および発熱性微粒子の平均粒子径については、4μm以下が好ましく、より好ましくは2μm以下である。これら微粒子の平均粒子径を前記のものを用いることにより、紡糸操業性に悪影響を及ぼすことなく、より優れた保温効果を奏させることができる。ここで平均粒子径は、レーザー回折散乱法粒度分布測定装置を用いて測定される体積平均粒子径である。なお、平均粒子径の下限は、0.05μm程度がよい。
本発明の機能性繊維は、上記した2種の微粒子を含む熱可塑性樹脂が、繊維表面の少なくとも一部を構成する繊維である。また、2種の微粒子の少なくとも一部が、繊維表面付近に存在していることが好ましく、繊維表面付近に存在する微粒子は、一部が繊維表面に露出したものであってもよい。このように繊維表面付近に微粒子を存在させる方法としては、後述するように紡糸速度2000m/分以上の高速紡糸を行う方法、繊維に熱延伸処理を施す方法等により、急激に変形させることが挙げられる。
機能性繊維が含む前記微粒子の含有量としては、熱可塑性樹脂全体(微粒子を含めた熱可塑性樹脂組成物の全質量)に対して、発熱性微粒子を0.1〜2.5質量%、遠赤外線放射性微粒子を0.1〜2.5質量%含有し、より好ましくは発熱性微粒子を0.5〜2.5質量%、遠赤外線放射性微粒子を0.5〜2.5質量%含有するとよい。かつ発熱性微粒子と遠赤外線微粒子の合計含有量が熱可塑性樹脂全体に対して0.2〜3.5質量%、より好ましくは1.5〜3.5質量%であるとよい。微粒子含有量が少ない場合には下記の発熱性微粒子と遠赤外線放射性微粒子の相乗効果による保温効果が十分に得られない。また、微粒子含有量が多い場合には紡糸操業性が悪化する。
本発明の機能性繊維は、発熱性微粒子および遠赤外線放射性微粒子のそれぞれの含有量が、上記した範囲の低含有量であっても、発熱性微粒子と遠赤外線放射性微粒子の両者を併用して含有しているため、優れた保温効果を奏するという利点がある。本発明では、発熱性微粒子が発する熱を保温効果の向上そのものに利用できるだけでなく、その熱を遠赤外線放射性微粒子の温度上昇にも利用でき、遠赤外線放射性微粒子からは温度上昇に応じてより多くの遠赤外線が発せられるため、結果としてより優れた保温効果が奏されるのである。また、微粒子の含有量を低減させることにより、紡糸操業性も一層良好になる。
本発明の機能性繊維の単繊維繊度は、1.5デシテックス以下である。単繊維繊度を小さくすることによって、遠赤外線放射性能を向上させ、保温効果を一層高めることができる。遠赤外線放射性能向上の原理については定かではないが、単繊維繊度を小さくすることによって、繊維表面積が増加することに起因していると推察される。単繊維繊度の下限は、製糸を考慮して、0.2デシテックス程度がよい。
本発明の機能性繊維に配合される遠赤外線放射性微粒子と発熱性微粒子の組み合わせとしては、特に限定されないが、マイカとカーボンの組み合わせは、これらの微粒子による相乗作用によって保温効果が格段に高まるため、好適である。
本発明の機能性繊維の形態は、発熱性能と遠赤外線放射性能をさらに高めて一層優れた保温効果を奏させるという観点から、横断面形状が芯鞘複合断面であって、鞘成分に発熱性微粒子と遠赤外線放射性微粒子が含まれる熱可塑性樹脂を配し、芯成分に発熱性微粒子と遠赤外線微粒子を含有しない熱可塑性樹脂を配してなる形態とすることが好ましい。芯成分にこのような微粒子を含有しない熱可塑性樹脂を配することで、繊維製造の際の紡糸操業性がより良好となる。芯鞘質量比(芯/鞘)については、特に制限されないが、例えば、95/5〜15/85、好ましくは85/15〜40/60が挙げられる。芯鞘質量比が前記範囲を充足することにより、紡糸操業性に悪影響を及ぼすことなく、より優れた保温効果を奏することができる。
本発明の機能性繊維には、上記成分以外に本発明の効果を損なわない範囲内で、従来公知の添加剤、艶消し剤、制電剤、酸化防止剤等が含まれてもよい。
本発明の機能性繊維の形態としては、ステープル、フィラメントのいずれでもよい。特にフィラメントとして使用する場合、モノフィラメント又はマルチフィラメントのいずれの形態でも使用できるが、一般にマルチフィラメントが好ましい。この場合、本発明の機能性繊維のみでマルチフィラメントを構成することが好ましいが、本発明の効果を損なわない限り、他の任意の繊維と混用してマルチフィラメントを構成してもよい。マルチフィラメントの形態である場合、マルチフィラメントの繊度(総繊度)は、例えば20〜300デシテックス程度がよい。
本発明の機能性繊維は、ポリマー、遠赤外線放射性微粒子および発熱性微粒子を用いて従来公知の方法で紡糸して得ることができる。本発明の機能性繊維を紡糸する方法としては、具体的には、紡糸速度が2000m/分以上の高速紡糸により半未延伸糸を得るPOY法;一旦2000m/分未満の低速若しくは2000m/分以上の高速で溶融紡糸し、巻き取った糸条を延伸熱処理する方法;巻き取ることなく続いて延伸を行う直接紡糸延伸法等が挙げられる。また、本発明の機能性繊維が芯鞘構造を有する場合、通常の芯鞘型複合溶融紡糸装置を用いて芯鞘構造を形成させることができる。
本発明の機能性繊維を用いて糸条として、各種繊維製品に用いるとよい。糸条は、本発明の機能性繊維のみからなる糸条であっても、また、機能性繊維と他の繊維との混用糸条であってもよい。混用糸条である場合、使用される他の繊維としては、従来公知のものから選択することができ、例えば、綿、麻、絹、ウール等の天然繊維;ビスコースレーヨン、キュプラ、ポリノジック等の再生繊維;ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン等の合成繊維等が挙げられる。混用糸条である場合には、例えばインターレース加工、タスラン加工等の従来公知の方法により製造される。混用する場合、混用糸条における機能性繊維の含有量は、10質量%以上、好ましくは30〜90質量%、さらに好ましくは50〜90質量%である。
また、糸条を得る際に必要に応じて撚糸してもよい。この場合の撚り数としては、特に制限されないが、例えば10〜3000T/m、好ましくは50〜2000T/m、さらに好ましくは100〜1000T/mが挙げられる。撚糸を行う際は、一般にリング式撚糸機やダブルツイスターが用いられる。また、糸条を仮撚加工してもよい。仮撚りの方法は特に限定されず、従来公知の条件を採用して行うことができる。仮撚加工による捲縮が形成されると、空気層が増加するためデッドエアーに起因する保温効果がさらに付加され得る。また、仮撚加工と混繊加工とを組み合わせて、加工糸としてもよい。
このような糸条を用いて織編物等の繊維製品とし、例えば、各種インナー、Tシャツ、ジャケット、ウインドブレーカー、ウェットスーツ、スキーウエア、手袋、帽子、テント、靴の中敷き、布団の側地等の保温性が求められる繊維製品の素材として好適に用いることができる。なお、繊維製品とする際には、機能性繊維を含む糸条のみから構成される繊維製品であっても、他の糸条と併用して構成される繊維製品であってもよい。
本発明によれば、遠赤外線放射性および発熱特性の両方を同時に実現し、優れた保温効果を有する機能性繊維が提供される。本発明の機能性繊維は、遠赤外線放射性微粒子および発熱性微粒子を含有する熱可塑性樹脂が繊維表面を構成しており、微粒子の含有量が比較的低量であっても、両者がより近接するため、効率的に発熱作用と遠赤外線作用を発揮して、さらに優れた保温効果を奏することができる。そのため、本発明の機能性繊維によれば、繊維に配合する前記微粒子量を低減できるので、前記微粒子に起因する糸切れやガイド摩耗を抑制でき、紡糸操業性も良好になる。
また、単繊維繊度が1.5デシテックス以下であるため、繊維表面積が増加することで遠赤外線放射性能が向上すると推測され、保温効果を一層高めることができる。
このような本発明の機能性繊維を使用した糸条や布帛等の繊維製品は、保温性に優れることから防寒用衣類等の素材として有用である。
以下、実施例および参考例を挙げてさらに詳細に本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。各測定方法および評価方法は以下の通りである。
(1)極限粘度[η]
フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒として、20℃の条件下で常法に基づき測定した。
(2)紡糸操業性
24時間紡糸した際の切糸回数を計測し、下記判定基準に従って紡糸操業性を評価した。
<紡糸操業性の判定基準>
○:切糸回数が0〜2回
△:切糸回数が3〜5回
×:切糸回数が6回以上
(3)遠赤外線放射性
各実施例および参考例で得られた織物の遠赤外線放射強度を測定した。測定は、赤外分光光度計FT−IR装置を使用し、測定温度40℃、測定波長域5〜20μmで行った。その際、同条件におけるカーボンブラックの遠赤外線放射強度も測定し、各波長におけるカーボンブラックの放射強度を100%とした場合の各織物の放射強度の比率(%)を求め、各波長で算出された比率の平均値を平均放射率(%)として算出した。また、ブランクとして、遠赤外線放射性微粒子および発熱性微粒子を含まないこと以外は、各実施例および参考例と同組成の繊維を用いて調製した各織物を用い、同様に平均放射率(%)を求めた。そして、次式に基づいて、遠赤外線放射性を算出した。
<遠赤外線放射性の算出式>
遠赤外線放射性=〔(得られた織物の平均放射率(%)−ブランクの平均放射率(%))/ブランクの平均放射率(%)〕×100
(4)発熱特性
各実施例および参考例で得られた織物に、照度10000LUXとなるようにレフランプを照射し、裏面からサーモグラフィーで織物の表面温度を観察した。なお、測定の際の環境条件は、20℃65%RHとした。また、上記ブランクについても表面温度をそれぞれ測定した。発熱特性は、測定した各実施例および参考例の表面温度と各ブランクの表面温度の差を算出して評価した。
(5)ガイド摩耗性
各実施例および参考例で得られた各仮撚り糸(マルチフィラメント)について、ステンレス製のトラベラーを有するリワインド機で100000mリワインドした後、トラベラーの表面状態を顕微鏡で観察し、下記判定基準に従ってガイド摩耗性を評価した。
<ガイド摩耗性の判定基準>
○:摩耗が認められないか、又は摩耗があっても問題のない程度である。
△:やや摩耗している。
×:強い摩耗が認められる。
実施例1
鞘成分に、遠赤外線放射性微粒子として1.0質量%のマイカ(平均粒径0.4μm)、発熱性微粒子として1.0質量%のカーボン(平均粒径0.4μm)およびポリエチレンテレフタレート樹脂(極限粘度0.65)98.0質量%を含む樹脂組成物を使用した。
一方、芯成分に、ポリエチレンテレフタレート樹脂(極限粘度0.65)を使用した。
鞘成分および芯成分を、孔数が48孔の芯鞘複合ノズルプレートを用いて、芯鞘質量比(芯/鞘)を80/20として、常用の複合紡糸装置を用いて、紡糸温度290℃で複合繊維を紡出した。そして、紡出した該複合繊維を冷却、油剤付与し、1400m/分の速度で第一ローラにて引き取り、次いで第二ローラにて3600m/分、延伸倍率2.57倍で延伸し、同時に第一ローラを95℃、第二ローラ温度を100℃として熱処理を行い65dtex/48フィラメントの本発明の機能性フィラメント原糸(単繊維繊度1.35dtex)を得た。
得られた機能性フィラメント原糸を緯糸に用い、遠赤外線放射性微粒子および発熱性微粒子を含まないポリエチレンテレフタレート繊維からなるマルチフィラメント(56dtex/48フィラメント)の原糸を経糸に用いて、緯糸密度111本/2.54cm、経糸密度153本/2.54cmで平組織にて製織して生機を得、得られた生機を常法にしたがって精錬、染色(130℃熱水)、仕上げ加工を行って実施例1の織物を得た。
実施例2〜5、比較例1〜3
鞘部のマイカ又はカーボンの含有量を下表1に記載の量に変更した以外、実施例1と同様に行った。
実施例6〜7
芯/鞘重量比率を下表1に記載の比率に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
実施例10、比較例4
芯鞘複合構造とならないノズルプレートを用い、遠赤外線放射性微粒子と発熱性微粒子を繊維内部に全分散させた繊維構造をとった以外は、実施例1と同様に行った。
参考例1〜8
実施例1〜8において、緯糸を構成する原糸の単繊維繊度を2.33dtex、構成本数24フィラメントとして56dtex/24フィラメントの原糸を用いたこと以外は同様にして、参考例1〜8の織物を得た。
実施例および参考例における繊維の組成および各評価結果を表1に示す。
Figure 2016027212
本発明の機能性繊維からなる織物は、単繊維繊度が2.33デシテックスである参考例を比較して、遠赤外線放射性および発熱特性が共に向上していた。
また、機能性繊維を製造する際の紡糸操業性が良好であり、且つガイド摩耗が抑制され、製造上の問題もなかった。

Claims (5)

  1. 発熱性微粒子と遠赤外線放射性微粒子とを含有する熱可塑性樹脂が、繊維表面の少なくとも一部を構成する繊維であり、
    該熱可塑性樹脂全体に対して、発熱性微粒子を0.1〜2.5質量%、遠赤外線放射性微粒子を0.1〜2.5質量%含有し、
    かつ、発熱性微粒子と遠赤外線放射性微粒子の合計含有量が該熱可塑性樹脂全体に対して0.2〜3.5質量%であり、
    単繊維繊度が1.5デシテックス以下であることを特徴とする機能性繊維。
  2. 発熱性微粒子がカーボンであり、遠赤外線放射性微粒子がマイカであることを特徴とする請求項1記載の機能性繊維。
  3. 横断面形状が芯鞘複合断面であって、鞘成分に発熱性微粒子と遠赤外線放射性微粒子とを含有する熱可塑性樹脂が配され、芯成分に発熱性微粒子および遠赤外線放射性微粒子を含有しない熱可塑性樹脂が配されてなることを特徴とする請求項1または2記載の機能性繊維。
  4. 芯成分と鞘成分との質量比が、芯成分/鞘成分=95/5〜15/85であることを特徴とする請求項3記載の機能性繊維。
  5. 発熱性微粒子および遠赤外線放射性微粒子の少なくとも一部が、繊維表面付近に存在していることを特徴とする請求項1〜4記載の機能性繊維。
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