JP6211885B2 - 保温性布帛 - Google Patents

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Description

本発明は、遠赤外線放射性能と吸光熱変換性能とを有し、保温効果、ソフト感及びウォーム感に優れ、秋冬衣料に好適な布帛に関するものである。
従来から、保温を目的とする布帛が数多く上市されており、中空糸などによるデッドエアーの利用や吸湿発熱効果の利用、太陽光を熱に変換して利用する方法など、様々な手法を用いた布帛が提案されている。例えば、中空糸によるデッドエアーの利用したものとして、接結糸に中空糸を配し、その両側の表側にポリエステル仮撚糸を、裏側にその他の糸を各々配した布帛が提案されている(例えば、特許文献1)。
また、吸湿発熱効果を利用したものとして、特定のアクリル酸系吸放湿吸水発熱性繊維を使用した布帛(例えば、特許文献2)や、セルロース分子にN-メチロール(メタ)アクリルアミドと特定の水溶性ビニル重合性化合物とを導入した吸湿発熱性セルロース繊維を使用した布帛(例えば、特許文献3)などが提案されている。
さらに、太陽光を熱に変換する手法を利用したものとして、特定の太陽光吸収性微粒子を含有するポリエステル繊維を使用した布帛(例えば、特許文献4)などが提案されている。
これに対して、近年、遠赤外線放射性微粒子を利用して布帛に保温効果を付与する技術が提案されている。例えば、当該微粒子として二酸化チタンを所定量含有するポリエステル繊維を使用した布帛(例えば、特許文献5)や、当該微粒子として特定の金属化合物を所定量含有するアクリル系繊維を使用した布帛(例えば、特許文献6)などが提案されている。
特開2002−235264号公報 特公平7−59762号公報 特許第2898623号公報 特開平8−197659号公報 特開2009−97105号公報 特開2007−270390号公報
しかしながら、デッドエアーを利用する手法は、空気を含ませることで放熱を抑えるという消極的な手法であるため、寒さに対する保温効果には限界があり、また空気層を利用するため、布帛が嵩高になってしまうという問題があった。
また、吸湿発熱効果を利用する手法は、いずれも発汗などによる湿気を吸収することで発熱を促す手法であり、湿気を吸収した際は発熱するものの、持続性が低く、すぐに放熱してしまうという問題があった。
さらに、太陽光を熱に変換する手法については、晴天時の屋外においては十分な効果が認められるものの、雨天時や室内ではその効果がほとんど期待できないという問題があっ た。
そして、遠赤外線放射性微粒子の利用については、かかる微粒子のみで所望の保温効果を得るには、遠赤外線放射性微粒子を多量に繊維へ含有又は付着させなければならず、これにより、原糸製造における工程通過性(紡糸操業性)が低下するという問題があった。加えて、この手法のみでは、実現可能な保温効果に限界があり、十分な暖かさを具現するに至っていないのが実情である。
さらに、上記の手法は、いずれもフィラメント糸使いの布帛へ専ら利用されるに留まり、紡績糸使いの布帛へ適用された例は未だ見当たらない。紡績糸はその表面に毛羽を有している。このため、紡績糸使いの布帛は、一般にフィラメント糸使いの布帛と比べふくらみ感に富み、そのふくらみ感に由来する各種風合いを付与できるという利点がある。例えば、秋冬衣料については、単に保温効果を付与するだけでは足りず、ふくらみ感に由来するウォーム感(ふっくらした温かみのある風合い)を与えることが商品価値を高めるうえで有利とされている。この場合、天然繊維や再生繊維を併用すれば、ソフト感をも付与できるから、商品価値を高めるうえで一層有利になると考えられる。例えば、羊毛繊維はウォーム感を、セルロース繊維は吸水吸湿性を付与するのに有利とされているから、これらを併用すれば、より価値あるものが提供できると考えられる。
これに対し、フィラメント糸使いの布帛では、ウォーム感を付与するため、例えば布帛を起毛などしているが、起毛により、フィンガーマークや厚み斑などを抑えて均一な表面感を得るという新たな課題が生じる。その結果、工程の条件出し、管理が煩雑となり、コスト面でも不利となることから、好ましいとはいい難いのが実情である。
本発明のこのような従来技術の欠点を解消するものであり、天候に左右されず持続性ある優れた保温効果を有すると共に、ソフト感、ウォーム感にも優れ、秋冬衣料に好適な紡績糸使いの布帛を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、遠赤外線放射性微粒子を利用する手法において発熱性微粒子を併用すると、遠赤外線放射作用と発熱作用との相乗効果により、各微粒子の使用量を減らして紡糸操業性を向上させても保温効果が低減せず、しかも、天候に左右されない持続性ある優れた保温効果も同時に得られることを見出し、さらに、紡績糸を用いて布帛を構成することで、起毛その他厚みなどを調整しなくても布帛にウォーム感を与えることができ、また、紡績糸を二層構造のものとし、芯部・鞘部に配すべき短繊維を特定することで、布帛に対し、一層の保温効果と、ソフト感に優れる風合いとを同時に付与できることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は以下を要旨とするものである。
(1)芯部が短繊維束A、鞘部が混紡短繊維束Bからなる二層構造紡績糸を用いてなる布帛であって、前記短繊維束Aが、遠赤外線放射性微粒子を含有するポリエステル短繊維Aから構成され、前記混紡短繊維束Bが、発熱性微粒子を含有するポリエステル短繊維Bと、天然繊維及び再生繊維の少なくとも1種とから構成され、その混率(ポリエステル短繊維B/天然繊維及び再生繊維の合計)が10/90〜90/10の範囲にあり、さらに、前記二層構造紡績糸において、前記芯部と前記鞘部との質量比(芯部/鞘部)が10/90〜60/40の範囲にあり、かつ撚係数が2.0〜4.0の範囲にあることを特徴とする保温性布帛。
(2)前記遠赤外線放射性微粒子がマイカ、酸化スズ及びタルクからなる群より選ばれる少なくとも1種の微粒子であり、かつ前記発熱性微粒子がカーボン、酸化ジルコニウム及び炭化ジルコニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の微粒子であることを特徴とする(1)記載の保温性布帛。
(3)前記遠赤外線放射性微粒子及び前記発熱性微粒子がそれぞれの短繊維中に各々0.1〜10質量%含有されていることを特徴とする(1)又は(2)記載の保温性布帛。
(4)厚みが0.2〜2.0mmで、目付けが100〜250g/mの範囲にあることを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載の保温性布帛。
本発明によれば、天候に左右されず持続性ある優れた保温効果と、ソフト感と、ウォーム感とに優れる布帛が提供できる。このため、秋冬衣料に好適である。本発明の布帛は紡績糸使いのため、特段の工夫を必要とせずに優れたウォーム感が得られる。
また、本発明における紡績糸では、遠赤外線放射性微粒子及び発熱性微粒子が併用され、両者が比較的接近している。このため、遠赤外線放射作用と発熱作用とによる相乗効果が発揮され、これらの微粒子が比較的低量であっても優れた保温効果を発揮する。さらに、本発明における紡績糸は、二層構造を呈し、芯部及び鞘部に配すべき短繊維が特定されているから、布帛において上記相乗効果がより促進され、ソフト感に優れる風合いも得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の布帛には、特定の紡績糸が用いられる。具体的には、遠赤外線放射性微粒子を含有するポリエステル短繊維Aから構成される短繊維束Aを芯部に配し、発熱性微粒子を含有するポリエステル短繊維Bと、天然繊維及び再生繊維の少なくとも1種とから構成される混紡短繊維束Bを鞘部に配した二層構造紡績糸が用いられる。
まず、短繊維A、Bを構成するポリエステルポリマーとしては、繊維形成能を有するポリエステルポリマーであれば、どのようなものでも使用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどの芳香族ポリエステル、PLA(ポリ乳酸)などの脂肪族ポリエステルがあげられる。
ポリエステルポリマーは、粘度、熱的特性、相溶性などに鑑みて、他の構成モノマーを共重合成分として含む共重合体であってもよい。共重合成分としては、例えば、イソフタル酸、5−スルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、コハク酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂肪族ジオール;グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシヘプタン酸、ヒドロキシオクタン酸などのヒドロキシカルボン酸;ε−カプロラクトンなどの脂肪族ラクトンがあげられる。
短繊維A、Bには、必要に応じて艶消し剤、難燃剤、抗酸化剤といった無機微粒子や有機化合物などが含まれていてもよい。
短繊維Aに含有される遠赤外線放射性微粒子としては、遠赤外線放射能を有する物質から構成される微粒子であれば、どのようなものでも使用できる。例えば、マイカ、タルク、方解石などの鉱物;酸化スズ、アルミナ、二酸化珪素などの酸化物系セラミックス;炭化珪素、炭化ホウ素などの炭化物系セラミックス;白金、タングステンなどの金属類があげられる。中でも、遠赤外線放射性能をより向上させる観点から、マイカ、酸化スズ、タルクが好適である。これらの遠赤外線放射性微粒子は、1種又は2種以上を組合せて使用してもよい。
遠赤外線放射性微粒子の平均粒子径としては、特に限定されないが、10μm以下が好ましく、0.1〜5μmがより好ましく、0.3〜3μmがさらに好ましい。このような範囲を満足する遠赤外線放射性微粒子を使用することで、布帛に優れた保温効果を与えることができる。また、微粒径を小さくすることは紡糸操業性を高めるうえでも好ましい。ここで、平均粒子径とは、レーザー回折散乱法粒度分布測定装置を用いて測定される体積平均粒子径をいう。
遠赤外線放射性微粒子の含有量としては、特に限定されないが、一般に短繊維A中に0.1〜10質量%含有されていることが好ましく、0.2〜5質量%がより好ましく、0.5〜2.5質量%がさらに好ましく、0.5〜2質量%が最も好ましい。本発明では、遠赤外線放射性微粒子の含有量が少なくても、後述する発熱性微粒子を併用しているため、優れた保温効果を奏するという利点がある。本発明では、発熱性微粒子が発する熱を保温効果の向上そのものに利用するだけでなく、その熱を遠赤外線放射性微粒子の温度上昇にも利用でき、これにより、遠赤外線放射性微粒子からは温度上昇に伴いより多くの遠赤外線が発せられるという相乗効果が奏される。したがって、優れた保温効果が得られる。
一方、短繊維Bに含有される発熱性微粒子としては、電磁波(太陽光を含む)の吸収により発熱する物質から構成される微粒子であれば、どのようなものでも使用できる。例えば、カーボン、酸化ジルコニウム、炭化ジルコニウムなどがあげられる。中でも発熱性能をより向上させる観点から、カーボン、炭化ジルコニウムが好適である。これらの発熱性微粒子は、1種又は2種以上を組合せて使用してもよい。
発熱性微粒子の平均粒子径としては、特に限定されないが、0.01〜5μmが好ましく、0.05〜3μmがより好ましく、0.1〜2μmがさらに好ましい。このような範囲を満足する発熱性微粒子を使用することで、布帛に優れた保温効果を与えることができる。また、微粒径を小さくすることは紡糸操業性を高めるうえでも好ましい。ここで、平均粒子径とは、上記遠赤外線放射性微粒子の場合と同じく、レーザー回折散乱法粒度分布測定装置を用いて測定される体積平均粒子径をいう。
発熱性微粒子の含有量としては、特に限定されないが、一般に短繊維B中に0.1〜10質量%含有されていることが好ましい。遠赤外線放射性微粒子の場合と同様、発熱性微粒子の場合もその含有量が少なくても、優れた保温効果を奏する利点がある。かかる観点から、当該微粒子の含有量としては、0.2〜5質量%がより好ましく、0.5〜2.5質量%がさらに好ましく、0.5〜2質量%が最も好ましい。発熱性微粒子の使用量を低減することで、紡糸操業性も良好なものとなる。
本発明における各短繊維に含有させるべき微粒子の組み合わせとしては、上記相乗効果をより発揮させる観点から、マイカとカーボン、マイカと炭化ジルコニウムの組み合わせが好ましい。
短繊維A、Bの単糸繊度としては、可紡性の点から各々0.6〜4.4dtexが好ましく、1.0〜4.4dtexがより好ましい。平均繊維長としては、各々32〜51mmが好ましい。
短繊維A、Bは、例えば、上記ポリエステルポリマーに上記各微粒子を各々所定量練り込み、溶融紡糸後、所定の長さに切断することにより得ることができる。
本発明における二層構造紡績糸では、芯部が短繊維束A、鞘部が混紡短繊維束Bから構成されている。具体的に、紡績糸の芯部は、複数のポリエステル短繊維Aが束となり形成されている。一方、鞘部は、複数のポリエステル短繊維Bと複数の天然繊維、複数のポリエステル短繊維Bと複数の再生繊維、及び複数のポリエステル短繊維Bと複数の天然繊維と複数の再生繊維のいずれかの組み合わせによる繊維群が束となり形成されている。かかる紡績糸では、通常、繊維束Bが短繊維束Aに順次捲回するなどして、混紡繊維束Bが短繊維束Aの周囲を取り囲むがごとくに配置されている。
ここで、天然繊維としては、例えば、綿、麻などのセルロース繊維;羊毛、アンゴラ、カシミヤ、モヘア、アルパカ、絹などの動物繊維があげられる。一方、再生繊維としては、例えば、ビスコースレーヨン、キュプラ、リヨセル、モダール、ポリノジックなどのセルロース繊維があげられる。本発明では、天然繊維、再生繊維を使用することで、布帛にソフト感に優れる風合いを付与できる。中でも、ソフト感と併せウォーム感をさらに向上させるには、羊毛を用いることが好ましく、新たに吸水吸湿性をも付与するには、セルロース繊維を用いることが好しい。なお、セルロース繊維の中では、特に綿、リヨセルが好ましい。
天然繊維、再生繊維の単糸繊度としては、可紡性の観点から各々0.6〜4.2dtexが好ましく、1.0〜3.9dtexがより好ましい。平均繊維長としては、各々30〜40mmが好ましい。
本発明では、紡績糸の鞘部に混紡短繊維束Bを配することで、光の吸収を促進することができると同時に、布帛にソフトな風合いを与えることができる。これは、紡績糸の表面に短繊維Bと、天然繊維及び再生繊維の少なくとも一方とが同時に露出するからである。これに対し、短繊維束Bを多重構造のものにすると、紡績糸表面における短繊維Bの露出量が減るか、又は天然繊維、再生繊維の露出量が減ることとなる。短繊維Bの露出量が減れば、その分、光を取り込み難くなるから、上記した相乗効果が奏され難く、保温効果の向上は期待できない。一方、天然繊維、再生繊維の露出量が減れば、その分、風合いの向上は期待できなくなる。また、短繊維束Bを紡績糸の芯部に配してしまうと、短繊維Bだけでなく天然繊維、再生繊維の露出量も減るから、保温効果と風合いの向上が共に期待できない。
本発明の布帛では、このように保温効果とソフト感に優れる風合いとを同時に得ることができるが、これらの効果をバランスよく発現させるために、混紡短繊維束B中の混率を規定する必要がある。具体的に、その混率(ポリエステル短繊維B/天然繊維及び再生繊維の合計)は、10/90〜90/10の範囲にある必要がある。混率がこの範囲を外れると、保温効果及びソフト感の一方だけが強く布帛に反映されることとなり、さらなる用途展開を図るうえで不利となる。
また、紡績糸における芯部と鞘部との質量比(芯部/鞘部)としては、10/90〜60/40の範囲にある必要があり、20/80〜40/60の範囲にあることが好ましい。本発明では、赤外線放射性微粒子及び発熱性微粒子が使用され、微粒子個々の特性により保温効果が奏されるが、これに留まらず、両者を一本の紡績糸の中に含ませることでこれらを接近させ、発熱性微粒子が発する熱で遠赤外線放射を促し、もって個々の微粒子の総和による保温効果を超える相乗的な保温効果を奏することができる。よって、赤外線放射性微粒子及び発熱性微粒子をバランスよく配合させる観点から、紡績糸中の芯部及び鞘部の質量比を上記のように規定する必要がある。本発明では、上記範囲を外れても、保温効果自体が発揮されないわけではないが、天候に左右され易い持続性に乏しい保温効果しか得られない。
さらに、紡績糸の撚係数としては、2.0〜4.0の範囲にある必要があり、2.5〜3.0の範囲にあることが好ましい。撚係数とは、K=T/N1/2(K:撚係数、T:撚数(回/インチ)、N:得られた紡績糸の太さ(英式綿番手))なる式で算出されるものである。撚係数が2.0未満になると、紡績糸を構成する短繊維が十分に集束せず、引張強度に劣る紡績糸しか得られない。このような紡績糸では、製織編の際に支障をきたすだけでなく、衣料に必要な強度も得られない。一方、4.0を超えると、短繊維が過度に集束し、ソフト感やウォーム感に優れる布帛が得られなくなる。また、精紡の途中で糸切れすることがあり、作業工程上も好ましくない。
紡績糸の毛羽指数としては、特に限定されないが、例えば毛羽を低減する目的でコンパクトスピン紡績法を利用すれば、紡績糸の強度が上がり、布帛に光沢感を与えることも可能となる。
また、紡績糸には、本発明の効果を損なわない範囲で他の短繊維が含まれていてもよい。通常、芯部には上記短繊維Aが80質量部以上含まれていることが好ましく、鞘部には上記短繊維Bと天然繊維及び再生繊維とが合計で80質量部以上含まれていることが好ましい。
次に、本発明における紡績糸を得るための方法について説明する。
本発明における紡績糸を得るには、例えば、上記短繊維Aから構成されるスライバーAと、上記短繊維Bと天然繊維及び再生繊維の少なくとも1種とから構成される混紡スライバーBとを用意し、スライバーAを芯部へ、混紡スライバーBを鞘部へそれぞれ配しながら粗紡し、後に得られた複合粗糸を精紡する方法、又はスライバーA、Bをそれぞれ個別に粗紡し、後にスライバーAに由来する粗糸Aを芯部へ、スライバーBに由来する粗糸Bを鞘部へそれぞれ配しながら精紡する方法などがあげられる。なお、混紡スライバーBは、例えば、紡績工程中、混打綿又は練条の過程で繊維同士を混合することにより得ることができる。
本発明では、被覆性に優れる紡績糸を得る観点から、前者の方法を採用するのが好ましい。
前者の方法において、スライバーAの周囲にスライバーBを捲回させるには、粗紡機のフライヤーヘッドから見てドラフト域の外側にスライバーAを、内側にスライバーBをそれぞれ導入し粗紡すればよい。また、粗紡工程中、スライバーBの送り出し量をスライバーAの送り出し量より高く設定することで、Aの周囲にBを順次捲回させてもよい。
一方、後者の方法では、精紡機のフロントローラーから紡出される粗糸Bの量が粗糸Aの量より多くよるように送り出し量を調整し、紡出後、両者を重ね合わせ、リング、トラベラで実撚りを与えればよい。
そして、両方法とも、紡績糸の被覆性を高める目的で、Bをそれぞれ複数本使用してAに捲回させてもよいし、精紡後、必要に応じて複数の紡績糸を上撚りしてもよい。また、前者の方法では、複合粗糸を精紡交撚してもよい。
本発明の布帛は、以上の二層構造紡績糸を用いてなるものである。本発明では、発熱性微粒子によって太陽光を効率的に熱に変換することで十分な暖かさが具現でき、同時に雨天時や室内など太陽光の届きにくい場所でも、遠赤外線放射性微粒子によって暖かさを維持することができる。このため、本発明では、布帛をことさら厚くしなくても所望の保温効果を得ることができる。したがって、本発明の布帛は、多くの用途へ好ましく適用できる。
具体的に、布帛の厚みとしては0.2〜2.0mmの範囲が好ましく、目付けとしては、100〜250g/mの範囲が好ましい。布帛の厚みが0.2mm未満もしくは目付けが100g/m未満になると、上記紡績糸の絶対量が減り、所望の保温効果が得られ難く、また、ふくらみ感が低下することでウォーム感も得られ難くなる。一方、布帛の厚みが2.0mmを超えるもしくは目付けが250g/mを超えると、布帛が重たくなり、衣料に適用し難くなる。
布帛の厚みはJIS L1096.8.5.1に基づき測定し、目付けはJIS L1096.8.4.2に基づき測定する。
本発明の布帛には、本発明の効果を損なわない範囲で、上記紡績糸以外の他の糸条が含まれていてもよい。本発明の布帛には、保温効果の観点から、上記紡績糸が60質量部以上含まれていることが好ましい。
また、布帛の形状としては、織物、編物、不織布などがあげられる。特に、形状が織物又は編物である場合、その組織としては、特に限定されず、目的に応じて適宜の組織を採用すればよい。また、布帛の設計についても、特に限定されず、好ましくは仕上げ時の厚み、目付けが上記範囲を満たすように設計すればよい。
本発明の布帛は、製織編後、精練、リラックス、ファイナルセットすることにより得ることができる。一連の後加工の途中もしくは最終段階において、公知の知見に基づき布帛を染色、着色プリント、エンボス加工、撥水加工、抗菌加工、蓄光加工、消臭加工などしてもよい。一般にはリラックスの後、染色することが好ましい。
本発明の織編物の用途については、特に限定されないが、例えば、各種インナー、Tシャツ、ジャケット、ウインドブレーカー、ウェットスーツ、スキーウエア、手袋、帽子、テント、靴の中敷き、布団の側地などの保温性が求められる各種繊維製品の素材として好適に使用される。
以下、実施例及び比較例をあげてさらに詳細に本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
各測定方法及び評価方法は以下の通りである。
(1)遠赤外線放射性
各実施例及び比較例で得られた織物の遠赤外線放射強度を測定した。測定は、赤外分光光度計FT−IR装置(パーキンエルマー社製「Spectrum GX FT−IR(商品名)」)を使用し、測定温度40℃、測定波長域5〜20μmで行った。その際、同条件における黒体の遠赤外線放射強度も測定し、各波長における黒体の放射強度を100%とした場合の各織物の放射強度の比率(%)を求め、各波長で算出された比率の平均値を平均放射率(%)として算出した。また、ブランクとして、遠赤外線放射性微粒子及び発熱性微粒子を含まないこと以外は、各実施例及び比較例と同組成の繊維を用いて製織、後加工した織物を用い、同様に平均放射率(%)を求めた。そして、次式に基づいて、遠赤外線放射性を算出した。
<遠赤外線放射性の算出式>
遠赤外線放射性=〔(得られた織物の平均放射率(%)−ブランクの平均放射率(%))/ブランクの平均放射率(%)〕×100
(2)発熱特性
温度が20℃、湿度が65%に保たれた恒温恒湿状態の室内において、各実施例及び比較例で得られた織物へ、レフランプから照度10000LUXの光を照射し、裏面からサーモグラフィー(赤外線センサー、日本電子株式会社製「JTG−4200(商品名)」)で織物の表面温度を観察した。
(3)ソフト感
10人のパネラーにより得られた織物を官能検査(ハンドリング)し、以下の3段階で評価した。
○:ソフト感に優れると判断した者が8人以上。
△:ソフト感に優れると判断した者が5人以上7人以下。
×:ソフト感に優れると判断した者が4人以下。
(4)ウォーム感
10人のパネラーにより得られた織物を官能検査(ハンドリング)し、以下の3段階で評価した。
○:ウォーム感に優れると判断した者が8人以上。
△:ウォーム感に優れると判断した者が5人以上7人以下。
×:ウォーム感に優れると判断した者が4人以下。
(実施例1)
単糸繊度が1.7dtexで平均繊維長が38mmであって、遠赤外線放射性微粒子として平均粒子径3μmのマイカを1.5質量%含有するポリエステル短繊維AからなるスライバーAを用意した。さらに、単糸繊度が1.3dtexで平均繊維長が38mmであって、発熱性微粒子として平均粒子径1.5μmの炭化ジルコニウムを2.0質量%含有するポリエステル短繊維Bと、単糸繊度が0.9dtexで平均繊維長が34mmであるリヨセル短繊維とからなる混紡スライバーBを用意した。この混紡スライバーは、短繊維Bとリヨセル短繊維とを練条工程で混合することにより得たもので、混率(短繊維B/リヨセル短繊維)は、30/70であった。
そして、両スライバーを粗紡機へ導入し、フライヤーヘッドから見てドラフト域の外側にスライバーAを、内側にスライバーBをそれぞれ配しながらドラフトし、スライバーAの周りにスライバーBを捲回させ、複合粗糸とした。続いて、得られた複合粗糸を精紡し、撚係数3.6、太さ40番手(英式綿番手)の二層構造紡績糸を得た。この紡績糸において、芯部と鞘部との質量比(芯部/鞘部)は30/70であった。
次に、得られた紡績糸を経緯糸に用いてエアージェット織機(津田駒工業株式会社製「ZA209i(商品名)」)にて2/2綾組織の生機を製織した。その後、生機を順次、精練、リラックス、染色、ファイナルセットし、厚み0.3mm、目付け127g/mで経緯糸密度が118本×80本/インチの保温性布帛を得た。
(比較例1)
スライバーBとしてポリエステル短繊維Bのみからなるものを使用すること以外は、実施例1と同様に行い、保温性布帛を得た。
(比較例2、3)
紡績糸における芯部と鞘部との質量比が表1記載のものとなるように、スライバーA、Bの太さ及び粗紡時のドラフト率を調整すること以外は、実施例1と同様に行い、保温性布帛を得た。
(比較例4、5)
紡績糸の撚係数が表1記載のものとなるように、精紡時の撚数を調整する以外は、実施例1と同様に行い、保温性布帛を得た。
(実施例2)
炭化ジルコニウムに代えて、平均粒子径1.5μmのカーボンを2.0質量%含有させること以外は、実施例1と同様に行い、保温性布帛を得た。
(実施例3)
マイカに代えて、平均粒子径3μmの酸化スズを1.5質量%含有させること以外は、実施例1と同様に行い、保温性布帛を得た。
(実施例4)
紡績糸の太さが60番手となるように精紡時のドラフト率を調整すること、及び生機組織を平組織に変更するなどして織物設計を変更すること以外は、実施例2と同様に行い、厚み0.2mm、目付け89g/mで経緯糸密度が132本×98本/インチの保温性布帛を得た。
(比較例6)
粗紡の際、フライヤーヘッドから見てドラフト域の外側にスライバーBを、内側にスライバーAをそれぞれ配することで、芯部に短繊維B及びリヨセル短繊維を、鞘部に短繊維Aをそれぞれ配した二層構造紡績糸となす以外は、実施例2と同様に行い、保温性布帛を得た。
以上で得た布帛の評価結果を表1に示す。
実施例1〜3にかかる布帛では、個々の微粒子による発熱及び遠赤外線放射に加え、発熱性微粒子が発する熱で遠赤外線放射がより促されたため、優れた保温効果が得られた。中でも実施例2にかかる布帛は、微粒子相互の相乗的な保温効果が一層発揮されたため、実施例1、3にかかる布帛と比べより保温効果に優れていた。また、実施例1〜3にかかる布帛は、いずれもがソフト感に優れていた。さらに、これらはいずれも秋冬衣料に好適であることが確認できた。
これに対し、比較例1にかかる布帛では、紡績糸鞘部に天然繊維及び再生繊維のいずれもが配されていなかったため、実施例1にかかる布帛と比べソフト感に欠けるものとなった。
比較例2、3にかかる布帛では、紡績糸において芯部と鞘部との質量比がバランスを欠いており、それに伴い両微粒子の質量比もバランスを欠くものであったため、発熱及び赤外線放射性の点で実施例1にかかる布帛ほどのバランスの取れた保温効果は得られなかった。つまり、保温効果の点で、実施例1の布帛と比べ天候に左右され易い持続性に乏しいものとなった。
比較例4では紡績糸の撚係数が低すぎたため、所定の強度を有する紡績糸が得られず、製織時に糸切れが多発したため、製織を途中で中止した。一方、比較例5では、紡績糸の撚係数が高すぎたため、ソフト感及びウォーム感に優れる布帛が得られなかった。
また、実施例4では、布帛の厚みがあまり好ましいとはいえず、実施例2にかかる布帛ほどのウォーム感は得られなかった。
そして、比較例6では、紡績糸鞘部に発熱性微粒子を含有するポリエステル短繊維が配されていなかったため、実施例2にかかる布帛ほどの発熱効果は得られなかった。加えて、鞘部に天然繊維及び再生繊維のいずれもが配されていなかったため、ソフト感にも欠けるものとなった。

Claims (4)

  1. 芯部が短繊維束A、鞘部が混紡短繊維束Bからなる二層構造紡績糸を用いてなる布帛であって、前記短繊維束Aが、遠赤外線放射性微粒子を含有するポリエステル短繊維Aから構成され、前記混紡短繊維束Bが、発熱性微粒子を含有するポリエステル短繊維Bと、天然繊維及び再生繊維の少なくとも1種とから構成され、その混率(ポリエステル短繊維B/天然繊維及び再生繊維の合計)が10/90〜90/10の範囲にあり、さらに、前記二層構造紡績糸において、前記芯部と前記鞘部との質量比(芯部/鞘部)が10/90〜60/40の範囲にあり、かつ撚係数が2.0〜4.0の範囲にあることを特徴とする保温性布帛。
  2. 前記遠赤外線放射性微粒子がマイカ、酸化スズ及びタルクからなる群より選ばれる少なくとも1種の微粒子であり、かつ前記発熱性微粒子がカーボン、酸化ジルコニウム及び炭化ジルコニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の微粒子であることを特徴とする請求項1記載の保温性布帛。
  3. 前記遠赤外線放射性微粒子及び前記発熱性微粒子がそれぞれの短繊維中に各々0.1〜10質量%含有されていることを特徴とする請求項1又は2記載の保温性布帛。
  4. 厚みが0.2〜2.0mmで、目付けが100〜250g/mの範囲にあることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の保温性布帛。
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