JP2015218413A - 遠赤外線放射性マルチフィラメント糸 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた遠赤外線放射性能を有するとともに、色による用途の制限がなく、かつ紡糸操業性が良好な繊維を提供する。【解決手段】横断面形状が芯鞘複合型である合成フィラメントによって構成されるマルチフィラメント糸であって、該フィラメントにおける鞘部には0.2〜4.0wt%の白色系の遠赤外線放射性を有する微粒子であるマイカまたはタルクを含有しており、芯鞘比率(芯/鞘)が質量比で40/60〜90/10である遠赤外線放射性マルチフィラメント糸。合成フィラメントの単繊維繊度が0.2〜2デシテックスであることが好ましく、また、合成マルチフィラメントの断面形状が、芯鞘複合型であって、かつ芯部および鞘部のいずれもが多葉型断面形状を呈しており、葉部の数が3〜6であることが好ましい。【選択図】図1
Description
遠赤外線放射性能を有するマルチフィラメント糸に関するものである。
従来、保温を目的とした織編物は数多く上市されており、中空糸などによるデッドエアーの利用や吸湿発熱効果の利用、太陽光を熱に変換する効果の利用など、様々な手法を用いた素材が提案されている。
しかしながら、デッドエアーの利用は、空気を含ませることで放熱を抑えるという消極的な手法であるため、寒さに対する保温性には限界があり、また空気層を利用するため、織編物が嵩高になってしまうという問題があった。
また、吸湿発熱効果の利用については、不感蒸泄等の湿気を吸収することで発熱するものであるが、湿気の吸収した時には発熱するものの持続性が無く、すぐに放熱してしまうという問題があった。
太陽光を熱に変換する効果の利用については、積極的な発熱作用により、晴天時の屋外においては十分な効果が認められるものの、雨天時や室内ではその効果がほとんど期待できない問題があった。
一方、上記手法の他に、近年、遠赤外線を利用する方法も数多く提案されている。
例えば、特許文献1には、遠赤外線放射特性を有する周期律表第4族の遷移金属炭化物の微粒子を0.1〜20重量%含有させた保温繊維が記載されている。この繊維は炭化物系微粒子を使用しているため、繊維自体が黒色系の色調となり、デザイン性が求められる衣料用としては用途やデザインが制限されるという問題があった。
本発明は、優れた遠赤外線放射性能を有するとともに、色による用途の制限がなく、かつ紡糸操業性が良好な繊維を提供することを技術的な課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、横断面形状が芯鞘複合型である合成フィラメントによって構成されるマルチフィラメント糸であって、該フィラメントにおける鞘部には0.2〜4.0wt%の白色系の遠赤外線放射性を有する微粒子であるマイカまたはタルクを含有しており、芯鞘比率(芯/鞘)が質量比で40/60〜90/10であることを特徴とする遠赤外線放射性マルチフィラメント糸を要旨とするものである。
本発明のマルチフィラメント糸によれば、遠赤外線放射特性に優れ、かつ白度も有することから、色によるデザインや用途の制限を受けることなく、用途展開に優れた布帛を提供することができる。また、マルチフィラメント糸を製造するにあたって、紡糸操業性良く得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明において、白色系の遠赤外線放射性を有する微粒子(以下、「遠赤外線放射性微粒子」ともいう。)として、マイカまたはタルクを使用する。マイカおよびタルクは、モース硬度が5以下の鉱物であり、繊維に含有させた際に、製織機、製編機等加工機の、案内ガイドの摩耗を引き起こさないため、取扱い性が良好である。これらは、単独で使用しても、また、混合物として使用してもよい。中でもマイカは、コストが比較的廉価でありながら優れた遠赤放射特性を有するため好ましい。
遠赤外線放射性微粒子の粒子径は、紡糸操業性を良好にするため、平均粒子径4.0μm以下が好ましく、さらに好ましくは平均粒子径2.0μm以下である。平均粒子径が4.0μmを超えると紡糸操業性が著しく悪化する。なお、本発明において平均粒子径は、レーザ回析・散乱法により求めた値である。より具体的には、遠赤外線放射性微粒子の粉末をエチレングリコールに分散させた分散液を作液し、レーザ回析式粒度分布測定装置(島津製作所製 SALD−7100)を用いて、回折し、散乱光強度が40〜60%の範囲内となるようエチレングリコールにて希釈調整し、4回測定により得られた値の平均値を平均粒子径とする。
本発明のマルチフィラメント糸を構成する合成フィラメントは、溶融紡糸が可能である熱可塑性重合体により構成されるものであって、熱可塑性重合体としては特に制限するものではなく、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレートに代表されるポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン11及びナイロン12に代表されるポリアミド、ポリプロピレンやポリエチレンに代表されるポリオレフィン、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデンに代表されるポリ塩化系ポリマー、ポリ4フッ化エチレンならびにその共重合体、ポリフッ化ビニリデンなどに代表されるフッ素系繊維、PLA(ポリ乳酸)などのバイオマス由来モノマーを化学的に重合してなるバイオマスポリマー、PBS(ポリブチレンサクシネート)などの生分解性ポリマーなどが挙げられる。好ましくは低コストであるポリエステルやポリアミド系ポリマーがよい。また粘度、熱的特性、相溶性を鑑みてポリエステル系ポリマーにはイソフタル酸、5−スルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、コハク酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、およびエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂肪族ジオールや、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシヘプタン酸、ヒドロキシオクタン酸などのヒドロキシカルボン酸、ε−カプロラクトンなどの脂肪族ラクトン等を共重合してもよい。
合成フィラメントは、横断面形状が芯鞘型であり、芯部と鞘部を構成する熱可塑性重合体は、上記した重合体を適宜選択して用いる。芯部と鞘部を構成する重合体は、同種の重合体であっても異種の重合体であってもよい。また、芯部と鞘部に同一の重合体をであってもよい。
構成ポリマーの極限粘度は、ポリマーの種類に応じて適宜設定されるが、例えばポリエステルの場合は、極限粘度0.50〜0.90、好ましくは0.55〜0.80、さらに好ましくは0.60〜0.70が挙げられる。
上記した遠赤外線放射性を有する微粒子は、合成フィラメントの鞘部に0.2〜4.0wt%含有させる。鞘部に当該微粒子を含有させることにより、繊維表面付近に該微粒子を存在させることができ、当該微粒子が放射する遠赤外線が合成フィラメントを構成する熱可塑性重合体に吸収されることなく、より効率的に放射して優れた遠赤外線放射特性が得られる。鞘部に含有する遠赤外線放射性微粒子の量が0.2wt%未満では十分な遠赤放射特性が得られず、逆に4.0wt%を超えると、紡糸操業性やコスト面で好ましくない。本発明においては、鞘部にのみ微粒子を含有させることにより、紡糸操業性が良好で、繊維の機械的強度を十分に維持でき、かつ繊維に含有する微粒子の遠赤外線放射特性をより効率的かつ効果的に発揮させることができる。
合成フィラメントにおける芯部と鞘部の比率(質量比)は、芯部/鞘部が40/60〜90/10であり、好ましくは60/40〜80/20である。鞘部の比率が60wt%を超えると紡糸操業性が悪化し、一方、鞘部の比率が10wt%未満になると、十分な遠赤線放射特性が得られなくなる。
合成フィラメント中に遠赤外線放射性微粒子を含ませる方法は、該微粒子が含有されたポリマーを溶融紡糸する方法、または、バージン樹脂と該微粒子をドライブレンドしたのちスクリュー内で混練し溶融紡糸する方法等が挙げられ、繊維表面に均一に存在させることが可能になることから、前述の該微粒子が含有されたポリマーを溶融紡糸する方法が好ましい。
なお、本発明における合成フィラメントには、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、一般的に使用されている添加剤、艶消し剤、制電剤、酸化防止剤等が含まれてもよい。
本発明のマルチフィラメント糸は、上記した合成フィラメントが複数本を引き揃えまたは撚り合わせることにより構成されるが、白度(WI)が80以上であるとよい。本発明においては、遠赤外線放射特性を付与するために、カーボンや炭化物系微粒子を添加するのではなく、白色系であるマイカあるいはタルクを遠赤外線放射性の微粒子として添加しているため、白度80以上を得ることができる。したがって、本発明のマルチフィラメント糸を用いて繊維製品とし、各種の用途展開する際に、色によって使用用途が制限されることがない。
マルチフィラメント糸を構成する合成フィラメントの単繊維繊度は、特に限定されず、用途に応じて適宜選択すればよいが、5dtex以下が好ましく、衣料用途に用いるには2.5dtex以下がよい。また、単繊維繊度をより小さくすることにより、例えば1.5dtex以下とすることにより、遠赤外線放射特性をより向上させることもできる。すなわち、マルチフィラメント糸の構成単位である合成フィラメントの単繊維繊度を小さくすることによって繊維表面積が増加し、それに伴い繊維に含有される遠赤外線放射性微粒子が外部からの熱エネルギーをより取り込みやすくなり、遠赤外線放射特性が向上して保温効果を一層高めることができる。また、単繊維繊度を小さくすることにより、繊維間の空隙が増えて空気層が増加すると、デッドエアーに起因する保温効果がさらに付加され得る。紡糸操業性を考慮すると、より小さい繊度とする際の単繊維繊度は、0.5〜1.5dtexの範囲が好ましい。
マルチフィラメント糸の繊度(総繊度)は、用途に応じて適宜選択すればよいが、20〜110dtex程度がよい。なお、総繊度が20dtex以下では、紡糸がやや困難となり、また、構成繊維間の空隙が減少する傾向となり遠赤外線放射特性が発揮しにくい場合がある。マルチフィラメント糸を構成する合成フィラメントの本数もまた、適宜設定すればよいが、20〜200本程度がよい。
マルチフィラメント糸の形態は、特に限定されないが、構成繊維間の空隙を大きく保持することによりデッドエアーに起因する保温効果も付加するために、捲縮を有し嵩高な仮撚加工糸が好ましく用いられる。
マルチフィラメント糸を構成する合成フィラメントの断面形状は、円形断面や楕円形、異形、中空断面等が挙げられ、特に限定されず適宜選択すればよい。また、異形断面を選択することにより、繊維表面積をより大きくすることができるため、上記した単繊維繊度を小さくする場合の理由を同様で、表面積が大きくなることに伴い繊維に含有される遠赤外線放射性微粒子が外部からの熱エネルギーをより取り込みやすくなり、遠赤外線放射特性が向上して保温効果を一層高めることができる。また、異形を選択することにより、繊維間の空隙も増えて空気層が増加し、デッドエアーに起因する保温効果も期待できる。具体的な異形断面の形状としては、芯部および鞘部のいずれもが多葉型断面形状を呈する芯鞘型複合異形断面を挙げる。このとき葉部の数は3〜6個がよい。また、芯部と鞘部のいずれもが多葉型断面として、芯部と鞘部とを構成する重合体の接合部の断面形状を繊維外周の輪郭に沿った形状を採用することにより、芯部の重合体が繊維表面に露出することを防ぎ、遠赤外線放射性微粒子を含有する鞘部の重合体が露出してなる面積が減少することを防止して、より効率的に遠赤外線放射特性を向上させるとよい。このような多葉断面形状の一例として断面模式図を図1に示す。図1は、3葉の断面形状の例である。
本発明の遠赤外線放射性マルチフィラメント糸の製造方法について説明する。遠赤外線放射性微粒子が含有されたポリマーを鞘部に、遠赤外線放射性微粒子を含有しないポリマーを芯部に配して複合紡糸する。このとき、紡糸速度は2000m/分以上の高速紡糸により半未延伸糸を得るPOY法、あるいは、一旦2000m/分未満の低速紡糸、または2000m/分以上の高速紡糸で溶融紡糸し、一旦巻き取った後、別工程で糸条を延伸熱処理する方法、一旦巻き取ることなく続いて延伸を行う直接紡糸延伸法により得ることができる。
以下に実施例により、さらに詳細に本発明を説明する。なお、実施例中で用いた測定方法は次の通りである。
1.極限粘度[η]
フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒として、温度20℃の条件下で常法に基づき測定した。
2.遠赤外線放射性微粉末の平均粒子径
遠赤外線放射性微粒子の粉末をエチレングリコールに分散させた分散液を作液し、レーザ回析式粒度分布測定装置(島津製作所製 SALD−7100)を用いて、回折し、散乱光強度が40〜60%の範囲内となるようエチレングリコールにて希釈調整し、4回測定により得られた値の平均値を平均粒子径とした。
3.紡糸操業性
24時間紡糸をした際の、切糸回数にて紡糸性の評価を行い、評価が○のものを合格とした。
0〜2回:○
3〜5回:△
6回以上:×
4.遠赤外線放射性
実施例および比較例で得られたそれぞれの編地について、赤外分光光度計FT−IR装置を使用し、測定温度40℃における、測定波長域5〜20μmの遠赤外線放射強度を測定した。その際、同条件での黒体の遠赤外線放射強度も測定し、各波長における黒体との放射強度を100%とした場合の各編地の放射強度の比率(%)を求め、各波長で算出された比率の平均値を平均放射率(%)として算出した。また、ブランクとして、遠赤外線放射性微粒子を含まないこと以外は、各実施例および比較例と同組成のマルチフィラメント糸を用いて作成した各編地について、同様に平均放射率(%)を求めた。そして次式に基づいて、遠赤外線放射性を算出した。
<遠赤外線放射性の算出式>
遠赤外線放射性=[(各実施例または比較例の編地の平均放射率(%)−ブランクの平均放射率(%))/ブランクの平均放射率(%)]×100
5.白度(WI)
採取した繊維の仮撚糸を未染色の筒編地として、白度(WI)を測定した。ミノルタ社分光光度計CM-3700Dを用い、ASTM−E−313法に準じ、UV=99.9%で白度(WI)を測定し、○を合格とした。
<白度(WI)の評価方法>
80以上 :○
71〜79 :△
70以下 :×
フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒として、温度20℃の条件下で常法に基づき測定した。
2.遠赤外線放射性微粉末の平均粒子径
遠赤外線放射性微粒子の粉末をエチレングリコールに分散させた分散液を作液し、レーザ回析式粒度分布測定装置(島津製作所製 SALD−7100)を用いて、回折し、散乱光強度が40〜60%の範囲内となるようエチレングリコールにて希釈調整し、4回測定により得られた値の平均値を平均粒子径とした。
3.紡糸操業性
24時間紡糸をした際の、切糸回数にて紡糸性の評価を行い、評価が○のものを合格とした。
0〜2回:○
3〜5回:△
6回以上:×
4.遠赤外線放射性
実施例および比較例で得られたそれぞれの編地について、赤外分光光度計FT−IR装置を使用し、測定温度40℃における、測定波長域5〜20μmの遠赤外線放射強度を測定した。その際、同条件での黒体の遠赤外線放射強度も測定し、各波長における黒体との放射強度を100%とした場合の各編地の放射強度の比率(%)を求め、各波長で算出された比率の平均値を平均放射率(%)として算出した。また、ブランクとして、遠赤外線放射性微粒子を含まないこと以外は、各実施例および比較例と同組成のマルチフィラメント糸を用いて作成した各編地について、同様に平均放射率(%)を求めた。そして次式に基づいて、遠赤外線放射性を算出した。
<遠赤外線放射性の算出式>
遠赤外線放射性=[(各実施例または比較例の編地の平均放射率(%)−ブランクの平均放射率(%))/ブランクの平均放射率(%)]×100
5.白度(WI)
採取した繊維の仮撚糸を未染色の筒編地として、白度(WI)を測定した。ミノルタ社分光光度計CM-3700Dを用い、ASTM−E−313法に準じ、UV=99.9%で白度(WI)を測定し、○を合格とした。
<白度(WI)の評価方法>
80以上 :○
71〜79 :△
70以下 :×
実施例1
鞘部の重合体には、遠赤外線放射性微粒子として平均粒子径1.5μmのマイカを1.0wt%含有するポリエチレンテレフタレート(極限粘度0.65)を用いた。芯部の重合体には、極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを用いた。これらの2種の重合体を、孔数が24孔の芯鞘複合ノズルプレートを用いて、芯鞘の質量比率(芯/鞘)を80/20wt%として、紡糸速度3000m/分、紡糸温度290℃、吐出量27g/分で紡糸して捲き取った。次いで、得られた糸を仮撚機に給糸して、無撚状態で解舒しながら加工速度500m/分、延伸倍率1.517で延伸仮撚加工を行い、56dtex/24フィラメントの仮撚加工糸を得た。得られた仮撚加工糸を3本引揃えて厚さ0.8mm、目付け165g/m2の丸編みの筒編地を作製し、130℃で熱水処理を行い、実施例1の編地を得た。
鞘部の重合体には、遠赤外線放射性微粒子として平均粒子径1.5μmのマイカを1.0wt%含有するポリエチレンテレフタレート(極限粘度0.65)を用いた。芯部の重合体には、極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを用いた。これらの2種の重合体を、孔数が24孔の芯鞘複合ノズルプレートを用いて、芯鞘の質量比率(芯/鞘)を80/20wt%として、紡糸速度3000m/分、紡糸温度290℃、吐出量27g/分で紡糸して捲き取った。次いで、得られた糸を仮撚機に給糸して、無撚状態で解舒しながら加工速度500m/分、延伸倍率1.517で延伸仮撚加工を行い、56dtex/24フィラメントの仮撚加工糸を得た。得られた仮撚加工糸を3本引揃えて厚さ0.8mm、目付け165g/m2の丸編みの筒編地を作製し、130℃で熱水処理を行い、実施例1の編地を得た。
実施例2、3
実施例1において、鞘部のマイカ含有量を2.0wt%(実施例2)、0.5wt%(実施例3)に変更したこと以外、実施例1と同様にして、実施例2、3の仮撚加工糸および編地を得た。
実施例1において、鞘部のマイカ含有量を2.0wt%(実施例2)、0.5wt%(実施例3)に変更したこと以外、実施例1と同様にして、実施例2、3の仮撚加工糸および編地を得た。
実施例4、5
実施例1において、芯鞘の質量比率を芯/鞘=40/60(実施例4)、芯/鞘=90/10(実施例5)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4、5の仮撚加工糸および編地を得た。
実施例1において、芯鞘の質量比率を芯/鞘=40/60(実施例4)、芯/鞘=90/10(実施例5)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4、5の仮撚加工糸および編地を得た。
実施例6
実施例1において、鞘部に含有するマイカの平均粒子径を4.0μmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6の仮撚加工糸および編地を得た。
実施例1において、鞘部に含有するマイカの平均粒子径を4.0μmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6の仮撚加工糸および編地を得た。
実施例7
実施例1において、鞘部に含有する遠赤外線放射性微粒子としてマイカに変えて平均粒径1.0μmのタルクを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例7の仮撚加工糸および編地を得た。
実施例1において、鞘部に含有する遠赤外線放射性微粒子としてマイカに変えて平均粒径1.0μmのタルクを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例7の仮撚加工糸および編地を得た。
実施例8
実施例1において、得られる合成フィラメントの単繊維繊度が5.0dtexとなるように溶融紡糸の際の単孔吐出量を変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例8の仮撚加工糸および編地を得た。
実施例1において、得られる合成フィラメントの単繊維繊度が5.0dtexとなるように溶融紡糸の際の単孔吐出量を変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例8の仮撚加工糸および編地を得た。
実施例9
実施例1において、溶融紡糸の際のノズルプレートとして孔数48孔のノズルプレートを用いたこと、得られる合成フィラメントの単繊維繊度が1.5dtexとなるように単孔吐出量を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例9の72dtex/48フィラメントの仮撚加工糸と編地を得た。
実施例1において、溶融紡糸の際のノズルプレートとして孔数48孔のノズルプレートを用いたこと、得られる合成フィラメントの単繊維繊度が1.5dtexとなるように単孔吐出量を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例9の72dtex/48フィラメントの仮撚加工糸と編地を得た。
実施例10
実施例1において、溶融紡糸の際のノズルプレートとして孔数48孔のノズルプレートを用いたこと、得られる合成フィラメントの単繊維繊度が0.92dtexとなるように単孔吐出量を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例10の44dtex/48フィラメントの仮撚加工糸と編地を得た。
実施例1において、溶融紡糸の際のノズルプレートとして孔数48孔のノズルプレートを用いたこと、得られる合成フィラメントの単繊維繊度が0.92dtexとなるように単孔吐出量を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例10の44dtex/48フィラメントの仮撚加工糸と編地を得た。
実施例11
実施例1において、溶融紡糸の際のノズルプレートとして孔数72孔のノズルプレートを用いたこと、得られる合成フィラメントの単繊維繊度が0.58dtexとなるように単孔吐出量を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例11の42dtex/72フィラメントの仮撚加工糸と編地を得た。
実施例1において、溶融紡糸の際のノズルプレートとして孔数72孔のノズルプレートを用いたこと、得られる合成フィラメントの単繊維繊度が0.58dtexとなるように単孔吐出量を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例11の42dtex/72フィラメントの仮撚加工糸と編地を得た。
実施例12
実施例1において、図1に示すごとき芯鞘型3葉断面形状となる複合紡糸口金を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例12の仮撚加工糸と編地を得た。
実施例1において、図1に示すごとき芯鞘型3葉断面形状となる複合紡糸口金を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例12の仮撚加工糸と編地を得た。
実施例13、14
実施例1において、図1に示すごとき芯鞘型3葉断面形状となる複合紡糸口金を用いたこと、鞘部のマイカ含有量を2.0wt%(実施例13)、0.5wt%(実施例14)に変更したこと以外、実施例1と同様にして、実施例13、14の仮撚加工糸および編地を得た。
実施例1において、図1に示すごとき芯鞘型3葉断面形状となる複合紡糸口金を用いたこと、鞘部のマイカ含有量を2.0wt%(実施例13)、0.5wt%(実施例14)に変更したこと以外、実施例1と同様にして、実施例13、14の仮撚加工糸および編地を得た。
比較例1、2
実施例1において、鞘部のマイカ含有量を0.1wt(比較例1)、5.0wt%(比較例2)に変更したこと以外、実施例1と同様にした。比較例2は、連続操業において切糸が多く発生し、紡糸操業性が良くなかった。
実施例1において、鞘部のマイカ含有量を0.1wt(比較例1)、5.0wt%(比較例2)に変更したこと以外、実施例1と同様にした。比較例2は、連続操業において切糸が多く発生し、紡糸操業性が良くなかった。
比較例3、4
実施例1において、芯鞘の質量比率を芯/鞘=95/5(比較例3)、芯/鞘=20/80(比較例4)に変更したこと以外は、実施例1と同様にした。比較例4は、連続操業において切糸が多く発生し、紡糸操業性が良くなかった。
実施例1において、芯鞘の質量比率を芯/鞘=95/5(比較例3)、芯/鞘=20/80(比較例4)に変更したこと以外は、実施例1と同様にした。比較例4は、連続操業において切糸が多く発生し、紡糸操業性が良くなかった。
実施例1〜14は、いずれも紡糸操業性が良好であり、また、得られた編地の遠赤外線放射特性、白度に優れるものであった。特に、単繊維繊度が小さい実施例9〜11の編地や、繊維断面形状が異形である実施例12〜14の編地は、特に遠赤外線放射特性がより向上していた。
Claims (4)
- 横断面形状が芯鞘複合型である合成フィラメントによって構成されるマルチフィラメント糸であって、該フィラメントにおける鞘部には0.2〜4.0wt%の白色系の遠赤外線放射性を有する微粒子であるマイカまたはタルクを含有しており、芯鞘比率(芯/鞘)が質量比で40/60〜90/10であることを特徴とする遠赤外線放射性マルチフィラメント糸。
- 白度(WI)が80以上であることを特徴とする請求項1記載の遠赤外線放射性マルチフィラメント糸。
- 合成フィラメントの単繊維繊度が0.2〜2デシテックスであることを特徴とする請求項1または2記載の遠赤外線放射性マルチフィラメント糸。
- 合成マルチフィラメントの断面形状が、芯鞘複合型であって、かつ芯部および鞘部のいずれもが多葉型断面形状を呈しており、葉部の数が3〜6であることを特徴とする請求項1または2記載の遠赤外線放射性マルチフィラメント糸。
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Cited By (2)
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KR20180064737A (ko) * | 2016-12-06 | 2018-06-15 | 주식회사 스카이바이오 | 원적외선 방사 봉합사, 그 제조 장치 및 방법 |
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2014
- 2014-05-20 JP JP2014104338A patent/JP2015218413A/ja active Pending
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