JP2018119229A - 黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)断面形状が4個の凹部を有する。
(2)ローバル度(b/a×100)の平均値が33〜43である。(但し、隣接する2葉の突起部に接線をひいた接線の長さをa、前記接線から最深凹部までの最長距離をbとする)
(3)ローバル度の標準偏差が0.7〜2.0である。
(4)全凹部の開口深度(隣接する2葉の突起部に接線をひいた接線の長さに対する接線から凹部までの垂線距離であり、垂線距離/接線の長さ×100で算出する)の標準偏差が8.0以下である。
(5)空隙率((c−d)/c×100)の平均が38〜45である。(但し、隣接する突起部を接線で結んでできる短形型面積をc、単繊維の横断面積をdとする)
本発明の黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸の好ましい形態によれば、含有するカーボンブラックの一次粒子径が8〜50nmである。
本発明の黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸の好ましい形態によれば、総繊度が25〜330dtexである。
本発明の黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸の好ましい形態によれば、カーボンブラックの含有量が0.025〜0.14重量%である。
本発明の黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸の原料ポリマーは、芳香族ポリエステルであり、特に機械的性質と布帛風合いの観点から、ポリエチレンテレフタレートが好適に使用できる。マルチフィラメントを構成する単繊維のポリマーは、サイドバイサイド方式や芯鞘方式など、単繊維断面に2種類以上の領域を持ったポリマーを同時に紡糸口金から溶融させるのではなく、1種類のポリマーのみを溶融紡糸して製糸する、もしくは第2成分や第3成分を製造工程で添加、均一に混練して製糸するものである。本発明の目的を逸脱しない範囲で艶消し剤などの添加物を併用し含有させてもよい。
前記した原料ポリマーにカーボンブラックを前記含有量となるようにポリエステルに混合して、溶融紡糸を行うことにより、部分配向未延伸糸(マルチフィラメント)を得る。部分配向未延伸糸は、原料ポリマーを好ましくは270℃〜300℃の温度で溶融し、4個の凹部の吐出孔を有する紡糸口金から吐出し、糸条を形成させ、冷却風を吹き付けることによって糸条を冷却して、収束した後、油剤を付与し、パッケージに巻き取られる。単繊維の断面形状は、吐出孔の4個の凹部の深さや幅の変化により、目標とする断面形状を実現する。部分配向未延伸糸は、一般的に好ましくは紡速2000m/分〜4000m/分程度の速度条件で巻き取られる。部分配向未延伸糸は、ポリマー分子鎖の配向が進んでいる部分とそうでない部分が混在した状態ではなく、糸条長手方向で均一な分子鎖の配向状態である。
黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を、フェノールとテトラクロロエタン混合液の入ったガラスセルに溶解させ、スガ試験機社製ヘーズメータにて測定した値をカーボンブラック濃度とした。
黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を、解舒張力1/11.1g/dtexで枠周1.0mの検尺機で100回巻き、天秤を用いて重量を測定し、100倍することにより得られた重量を総繊度とした。さらに、以下の計算式により単繊維繊度の平均値を算出した。
単繊維繊度の平均値=総繊度/マルチフィラメントを構成する単繊維数 。
パラフィン、ステアリン酸、エチルセルロースからなる包理剤を溶解し、黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を導入後室温放置により固化させ、包理剤中の糸条を切断したものをCCDカメラにて撮影した。単繊維の形状を計測し、全単繊維に対して以下の計算式により各単繊維のローバル度を算出した。全単繊維のローバル度を足し合わせ、単繊維数で除した値をローバル度の平均として算出した。さらに各単繊維のローバル度に対する標準偏差を算出した。
ローバル度=b/a×100
(隣接する2葉の突起部に接線をひいた接線の長さをa、前記接線から最深凹部までの最長距離をbとする)
ローバル度の平均=全単繊維のローバル度の合計/マルチフィラメントを構成する単繊維数 。
上記した断面形状の観測にて、下記の計算式により開口深度を算出する。さらに各単繊維の全凹部に対する標準偏差を算出した。
開口深度=垂線距離/接する2葉の突起部の接線の長さ×100
(垂線距離とは、各接線から凹部までの垂線をひいた最長距離) 。
上記した断面形状の観測にて、下記の計算式により空隙率を算出する。全単繊維の空隙率を足し合わせ、単繊維数で除した値を空隙率として算出した。
空隙率=(c−d)/c×100
(但し、隣接する突起部を接線で結んでできる短形型面積をc、単繊維の横断面積をdとする)
空隙率の平均=全単繊維の空隙率の合計/マルチフィラメントを構成する単繊維数 。
単繊維断面の横断面方向に厚さ100nmとなる薄膜サンプルを作製し、透過型電子顕微鏡を用いてサンプル内に存在するカーボンブラック粒子を観測して一次粒子径を計測した。1個のカーボンブラック粒子に対して縦横の直径を画像上で測定して平均値をとり、カーボンブラックの粒子径とした。20個のカーボンブラック粒子各々について実施し、平均値をカーボンブラック一次粒子径の平均値とした。
黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を、筒編作製後に直径100mm、長さ500mmの筒編みが、重量10.0gとなるように、編目を調整した編機にて筒編みを作製する。10人のパネラーにハリコシ感を10点満点で採点してもらい、以下の3段階で評価した。○○および○が合格レベルである。
○○:10人のパネラーの平均点が9点以上
○:10人のパネラーの平均点が6点以上9点未満
×:10人のパネラーの平均点が6点未満 。
上記した筒編みを2枚重ねの試料とし、試料の間に熱電対を挿入して以下の条件にて、レフランプを15分間照射し、温度変化を経時的に測定した。測定は5回測定し、平均した値を測定結果とした。
使用ランプ:岩崎電気(株)製 アイランプ PRS100V 500W
照射距離 :50cm
照射面 :表面
照射時間 :15分間
法令時間 :15分間
室温度 :20±2℃
15分後の熱電対温度を以下の3段階で評価した。○○および○が合格レベルである。
○:熱電対の温度が45℃以上50℃未満
×:熱電対の温度が45℃未満 。
上記した筒編みを切り出し、10cm四方の試料とし、40℃の温度に設定した貯熱板の上に試料を置いた後、20±2℃の整流風を吹かせた環境下で、貯熱板の熱量が低温側の試料に移動する熱量を消費電力として測定した。測定にはサーモラボII型精密迅速熱物性測定装置(カトーテック社製)を用いた。各試料の消費電力値に対して以下の計算式により保温性を算出し、5回測定して平均した値を測定結果とした。
保温性=(W0−W)/W0×100
W0:試料なしでの消費電力値
W :試料を置いたときの消費電力値
保温性のピーク時の値を以下の3段階で評価した。○○および○が合格レベルである。
○:保温性が21以上24未満
×:保温性が20未満 。
原料ポリマーであるポリエチレンテレフタレートにカーボンブラックを2.5重量%含有させて溶融後、紡糸温度283℃にて24ホールで4個の凹部を設けた形状の吐出孔を有した紡糸口金から吐出し、糸条に冷却風を吹き付け冷却し、油剤を供給し集束させ、紡速2350m/分の速度で巻き取り、部分配向未延伸糸を採取した。延伸工程の加熱温度を100℃、熱セット温度を120℃、倍率を1.78にて延伸し、総繊度が84dtex、カーボンブラックの一次粒子径の平均が43nmの黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は38であり、ローバル度の標準偏差は1.2であった。凹部の開口深度の標準偏差は7.2であり、空隙率は40であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、ハリコシ感、蓄熱性、保温性全てについて良好であった。結果を表1に示す。
カーボンブラックの含有量を0.026重量%としたこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は39であり、ローバル度の標準偏差は0.8であった。凹部の開口深度の標準偏差は7.9であり、空隙率は42であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、保温性については良好であり、ハリコシ感、蓄熱性は目標レベルであった。結果を表1に示す。
紡糸口金を48ホールの吐出孔を有した部材とし、ポリマー吐出量を変更したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、総繊度が100dtexの黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は37であり、ローバル度の標準偏差は1.0であった。凹部の開口深度の標準偏差は6.8であり、空隙率は42であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、蓄熱性、保温性については良好であり、ハリコシ感は目標レベルであった。結果を表1に示す。
紡糸口金を18ホールの吐出孔を有した部材としたこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は37であり、ローバル度の標準偏差は0.8であった。凹部の開口深度の標準偏差は7.0であり、空隙率は40であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、蓄熱性、保温性については良好であり、ハリコシ感は目標レベルであった。結果を表1に示す。
紡糸口金の4個の凹部形状を変更したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は33であり、ローバル度の標準偏差は1.2であった。凹部の開口深度の標準偏差は3.5であり、空隙率は41であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、ハリコシ感、蓄熱性については良好であり、保温性は目標レベルであった。結果を表1に示す。
紡糸口金の4個の凹部形状を変更し、カーボンブラックの含有量を1.2重量%としたたこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は38であり、ローバル度の標準偏差は0.8であった。凹部の開口深度の標準偏差は6.9であり、空隙率は38であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、ハリコシ感、蓄熱性については良好であり、保温性は目標レベルであった。結果を表1に示す。
紡糸口金の4個の凹部形状を変更し、カーボンブラックの種類と含有量を1.0重量%としたたこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、カーボンブラック一次粒子径の平均値が33nmの黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は43であり、ローバル度の標準偏差は1.2であった。凹部の開口深度の標準偏差は7.2であり、空隙率は45であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、蓄熱性、保温性については良好であり、ハリコシ感は目標レベルであった。結果を表1に示す。
紡糸ポリマー吐出量を変更したこと以外は、実施例4と同様にして紡糸、延伸を実施し、総繊度が90dtexの黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は37であり、ローバル度の標準偏差は0.9であった。凹部の開口深度の標準偏差は7.0であり、空隙率は40であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、蓄熱性、保温性については良好であり、ハリコシ感は目標レベルであった。結果を表2に示す。
紡糸口金の4個の凹部形状を変更したこと以外は、実施例7と同様にして紡糸、延伸を実施し、黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は35であり、ローバル度の標準偏差は0.8であった。凹部の開口深度の標準偏差は7.2であり、空隙率は40であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、ハリコシ感、蓄熱性、保温性全てについて良好であった。結果を表2に示す。
紡糸口金の4個の凹部形状を変更したこと以外は、実施例7と同様にして紡糸、延伸を実施し、黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は40であり、ローバル度の標準偏差は0.8であった。凹部の開口深度の標準偏差は7.3であり、空隙率は41であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、ハリコシ感、蓄熱性、保温性全てについて良好であった。結果を表2に示す。
紡糸口金の4個の凹部形状を変更したこと以外は、実施例7と同様にして紡糸、延伸を実施し、黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は38であり、ローバル度の標準偏差は1.8であった。凹部の開口深度の標準偏差は7.2であり、空隙率は40であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、ハリコシ感、蓄熱性、保温性全てについて良好であった。結果を表2に示す。
紡糸口金の4個の凹部形状を変更したこと以外は、実施例7と同様にして紡糸、延伸を実施し、黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は38であり、ローバル度の標準偏差は2.0であった。凹部の開口深度の標準偏差は7.2であり、空隙率は40であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、蓄熱性、保温性については良好であり、ハリコシ感は目標レベルであった。結果を表2に示す。
紡糸口金の4個の凹部形状を変更したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は38であり、ローバル度の標準偏差は1.2であった。凹部の開口深度の標準偏差は7.2であり、空隙率は39であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、ハリコシ感、蓄熱性、保温性全てについて良好であった。結果を表2に示す。
紡糸口金の4個の凹部形状を変更したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は38であり、ローバル度の標準偏差は1.2であった。凹部の開口深度の標準偏差は7.2であり、空隙率は44であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、ハリコシ感、蓄熱性、保温性全てについて良好であった。結果を表2に示す。
紡糸口金の4個の凹部形状を変更したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は38であり、ローバル度の標準偏差は1.2であった。凹部の開口深度の標準偏差は7.5であり、空隙率は41であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、ハリコシ感、蓄熱性、保温性全てについて良好であった。結果を表3に示す。
紡糸口金の4個の凹部形状を変更したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は42であり、ローバル度の標準偏差は1.3であった。凹部の開口深度の標準偏差は6.5であり、空隙率は44であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、ハリコシ感、蓄熱性、保温性全てについて良好であった。結果を表3に示す。
カーボンブラックの種類を変更したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、カーボンブラック一次粒子径の平均値が48nmの黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は38であり、ローバル度の標準偏差は1.2であった。凹部の開口深度の標準偏差は7.1であり、空隙率は41であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、ハリコシ感、蓄熱性、保温性全てについて良好であった。結果を表3に示す。
カーボンブラックの種類を再度変更し、実施例17と同様にして紡糸、延伸を実施し、カーボンブラック一次粒子径の平均が10nmの黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は39であり、ローバル度の標準偏差は0.9であった。凹部の開口深度の標準偏差は7.2であり、空隙率は42であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、ハリコシ感、蓄熱性、保温性全てについて良好であった。結果を表3に示す。
紡糸口金を96ホールの吐出孔を有した部材とし、ポリマー吐出量を変更したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、総繊度が330dtexの黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は38であり、ローバル度の標準偏差は0.9であった。凹部の開口深度の標準偏差は6.5であり、空隙率は39であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、ハリコシ感、蓄熱性、保温性全てについて良好であった。結果を表3に示す。
紡糸口金を8ホールの吐出孔を有した部材とし、ポリマー吐出量を変更したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、総繊度が25dtexの黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は38であり、ローバル度の標準偏差は0.9であった。凹部の開口深度の標準偏差は6.6であり、空隙率は40であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、ハリコシ感、蓄熱性、保温性全てについて良好であった。結果を表3に示す。
紡糸口金を2個の凹部形状と変更したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、ハリコシ感、保温性は満足なレベルではなかった。結果を表4に示す。
紡糸口金を3個の凹部形状と変更したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は12であり、ローバル度の標準偏差は0.8、凹部の開口深度の標準偏差は2.5であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、ハリコシ感、保温性は満足なレベルではなかった。結果を表4に示す。
紡糸口金を5個の凹部形状と変更したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は13であり、ローバル度の標準偏差は1.2、凹部の開口深度の標準偏差は1.2であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、ハリコシ感、保温性は満足なレベルではなかった。結果を表4に示す。
カーボンブラックを含有させず紡糸したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、白色異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸を、染料によって黒色に染色し、黒色の異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は33であり、ローバル度の標準偏差は0.8であった。凹部の開口深度の標準偏差は6.8であり、空隙率は40であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、蓄熱性は満足なレベルではなかった。結果を表4に示す。
カーボンブラックの含有量を0.010重量%としたこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は42であり、ローバル度の標準偏差は0.8であった。凹部の開口深度の標準偏差は6.2であり、空隙率は42であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、蓄熱性は満足なレベルではなかった。結果を表4に示す。
紡糸口金を48ホールの吐出孔を有した部材としたこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は38であり、ローバル度の標準偏差は0.8であった。凹部の開口深度の標準偏差は6.3であり、空隙率は40であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、ハリコシ感は満足なレベルではなかった。結果を表4に示す。
紡糸口金を12ホールの吐出孔を有した部材としたこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は37であり、ローバル度の標準偏差は0.8であった。凹部の開口深度の標準偏差は7.7であり、空隙率は41であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、ハリコシ感は満足なレベルではなかった。結果を表5に示す。
紡糸口金の4個の凹部形状を変更したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は28であり、ローバル度の標準偏差は1.5であった。凹部の開口深度の標準偏差は1.5であり、空隙率は40であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、保温性は満足なレベルではなかった。結果を表5に示す。
紡糸口金の4個の凹部形状を変更したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は45であり、ローバル度の標準偏差は1.5であった。凹部の開口深度の標準偏差は10.5であり、空隙率は40であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、ハリコシ感は満足なレベルではなかった。結果を表5に示す。
紡糸口金の4個の凹部形状を変更したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は37であり、ローバル度の標準偏差は2.5であった。凹部の開口深度の標準偏差は7.2であり、空隙率は38であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、ハリコシ感は満足なレベルではなかった。結果を表5に示す。
紡糸口金の4個の凹部形状を変更したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は38であり、ローバル度の標準偏差は1.2であった。凹部の開口深度の標準偏差は7.7であり、空隙率は28であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、保温性は満足なレベルではなかった。結果を表5に示す。
紡糸口金の4個の凹部形状を変更したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は45であり、ローバル度の標準偏差は1.8であった。凹部の開口深度の標準偏差は6.8であり、空隙率は50であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、ハリコシ感は満足なレベルではなかった。結果を表5に示す。
紡糸口金の4個の凹部形状を変更したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は32であり、ローバル度の標準偏差は1.2であった。凹部の開口深度の標準偏差は6.5であり、空隙率は38であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、保温性は満足なレベルではなかった。結果を表6に示す。
紡糸口金の4個の凹部形状を変更したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は44であり、ローバル度の標準偏差は0.8であった。凹部の開口深度の標準偏差は6.4であり、空隙率は44であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、ハリコシ感は満足なレベルではなかった。結果を表6に示す。
紡糸口金の4個の凹部形状を変更したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は40であり、ローバル度の標準偏差は1.2であった。凹部の開口深度の標準偏差は8.1であり、空隙率は41であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、ハリコシ感は満足なレベルではなかった。結果を表6に示す。
紡糸口金の4個の凹部形状を変更したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は35であり、ローバル度の標準偏差は1.2であった。凹部の開口深度の標準偏差は7.7であり、空隙率は37であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、保温性は満足なレベルではなかった。結果を表6に示す。
紡糸口金の4個の凹部形状を変更したこと以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を実施し、黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸のローバル度の平均は40であり、ローバル度の標準偏差は1.8であった。凹部の開口深度の標準偏差は6.8であり、空隙率は45であった。得られた延伸糸で作製した筒編みを用いて、上記したハリコシ感、蓄熱性、保温性を評価した結果、ハリコシ感は満足なレベルではなかった。結果を表6に示す。
Claims (3)
- カーボンブラックを0.025重量%以上含有し、マルチフィラメント全単繊維に対して、繊度が2.0〜5.0dtexであり、かつ下記(1)〜(5)の断面形状を満足する芳香族ポリエステルからなる黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸。
(1)断面形状が4個の凹部を有する。
(2)ローバル度(b/a×100)の平均値が33〜43である。(但し、隣接する2葉の突起部に接線をひいた接線の長さをa、前記接線から最深凹部までの最長距離をbとする)
(3)ローバル度の標準偏差が0.7〜2.0である。
(4)全凹部の開口深度(隣接する2葉の突起部に接線をひいた接線の長さに対する接線から凹部までの垂線距離))の標準偏差が8.0以下である。
(5)空隙率((c−d)/c×100)の平均が38〜45である。(但し、隣接する突起部を接線で結んでできる短形型面積をc、単繊維の横断面積をdとする) - 含有するカーボンブラックの一次粒子径が8〜50nmであることを特徴とする請求項1記載の黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸。
- マルチフィラメントの総繊度が25〜330dtexであることを特徴とする請求項1または2記載の黒原着異型断面マルチフィラメント延伸糸。
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