JP3657560B2 - 特にミシン針用のパッケージ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にミシン針又は類似物品を収容して保管するためのパッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】
ミシン針或いは、比較的細長い小物又は別様に成形された、例えば円弧状に湾曲された小物は、搬送及び販売のためにしばしば、当該物品を整然と取出すことのできるパッケージに収納されていなければならない。これが特に該当するのは、ミシン縫製業者に比較的大量に配送されるミシン針の場合である。ミシン縫製業者サイドの要望としては、ミシン針をその特定の届け先に供給するために、必要に応じてミシン針を相応のパッケージから、大抵は個別に取出すことが所望されている。パッケージ内に残留するミシン針は確実に保管されねばならない。このことは取りも直さず、パッケージが簡単に開閉できねばならないこと、かつ、パッケージ内に収納された針又はその他の細長い小物に容易にアプローチでき、パッケージから個別に取出すことが可能でなければならないことを意味している。また他面において針メーカーサイドでは、多種多様のタイプの針を生産する場合に別の要望が生じる。これらの針を同一のパッケージで既製品化できるようにする努力が頻繁に払われる。例えば細長い真直ぐな針を販売することが必要になると共に、細長い円弧状に湾曲された針を販売することが必要になることもある。両タイプの針は、できるだけ1つのタイプのパッケージで既製品化され得なければならない。更にまた、できるだけ多数本の針を1つのパッケージに収納することも頻繁に所望されている。
【0003】
複数の互いに平行な閉鎖フラップ舌片を有する扁平な長方形の外殻体として形成された、ミシン針のために規定されたパッケージが、ドイツ連邦共和国特許第196 46 845号明細書に基づいて公知である。閉鎖フラップ舌片は個別に開放することができ、これによってその都度1本又は数本の針だけがパッケージから取出され、この場合その他の針は確実に保持されている。すべての閉鎖フラップ舌片が開放された場合でも、針端部は、入手可能ではあるが多かれ少なかれ収容部内に位置している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記の従来技術を出発点とする本発明の課題は、特にミシン針のために適したパッケージを提供し、しかも該パッケージの操作を一層改善することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、特許請求の範囲の請求項1に記載した構成手段を備えたパッケージによって解決される。すなわち:
本発明のパッケージの構成手段は、細長い物品用の収容室を少なくとも片側で制限する扁平な収容部と、該収容部に対して間隔をおいて保持されて該収容部に接合されておりかつ該収容部に対向する側で前記収容室を制限する扁平な蓋部が設けられており、しかも前記収容部が、旋回可能に支承された収容部可動区分を有し、前記蓋部が、旋回可能に支承された蓋部可動区分を有し、かつ前記の収容部可動区分と蓋部可動区分が、断ち接ぎ可能な継手手段によって互いに結合されている。
【0006】
【発明の効果】
前記の収容部可動区分と蓋部可動区分が結合された状態では、パッケージによって包囲された収容室は閉じられており、かつ、パッケージ内に収納されている縫製針又はその他の細長い物品は安全に確保され、脱落することはあり得ない。
【0007】
パッケージを開放するためには前記の断ち接ぎ可能な継手手段が解離されるので、収容部可動区分と蓋部可動区分は互いに離反旋回することができる。従って収容部可動区分と蓋部可動区分は、針ステム又は、収容室内に支承されたその他の細長い物品を両側で解放するので、これらの物品へのアプローチ及び捕捉が格別簡便になり、パッケージからの取出しが容易になる。これは、真直ぐに形成された細長い物品(直線的なミシン針)についても、湾曲形成された細長い物品(特殊な円弧形ミシン針)についても該当する。
【0008】
旋回可能に支承された収容部可動区分と、これに対置されて旋回可能に支承された蓋部可動区分とを備えた前記形式のミシン針用パッケージは、更にまた、収容室内の細長い物品(ミシン針)を例えば発泡プラスチック条片又はその他弾性的に作用する手段によってかたかた音を立てることなく固定する可能性を提供する。細長い物品は、このようにして生じた締付け作用を克服した上で収容室から引出すことができる。しかもパッケージを開いた場合でも細長い物品は収容室内に、つまりパッケージ内に、紛失不能に確保されている。このことは、真直ぐなミシン針にとっても円弧状のミシン針にとっても有利である。他の構造の等サイズのパッケージに対比して著しく多数本のミシン針をパッケージに収納することが可能である。ミシン針は、スペーサなしに相互に近接させ、互いに接触させて収容室内に収納することができる。
【0009】
パッケージの操作は、公知のその他のパッケージに対比して特に次の点で改善されている。すなわち本発明では、パッケージを開放した後に、残存するパッケージ区分の両側からミシン針を掴んでパッケージから引出すことが可能である。更に付加的に本発明のパッケージは、偶発的な抜け落ちが生じないように、前述のような適当な手段によって縫製針を収容室内に確保することを可能にする。
【0010】
本発明の有利な実施形態では、収容部可動区分はヒンジ手段によって、残存する収容部固定区分と結合されており、蓋部可動区分はヒンジ手段によって、残存する蓋部固定区分と結合されており、かつ前記の両ヒンジ手段は、互いに平行に方位づけられた旋回軸線を確定している。これによってパッケージの開放は(場合によっては再閉鎖も)特に簡単になる。パッケージが片手で保持されれば、収容部可動区分も蓋部可動区分も共に拇指で開放することが可能である。その場合、当該使用者は、細長い物品(ミシン針)を取出すために他方の手を自由に使うことができる。
【0011】
前記の両ヒンジ手段は膜ヒンジとして形成されているのが有利である。更にまた蓋部は、膜ヒンジを介して収容部と接合することができる。従って収容部並びに蓋部を含む外殻体全体を、例えば射出成形部品として一体に形成することが可能である。そればかりでなく膜ヒンジはヒンジ域において、ダスト又は湿分の侵入に対して収容室を封止する。
【0012】
パッケージは平面図で見て台形又は長方形であることができ、或いは必要に応じて、パックすべき物品の形状に適合させることができる。長方形の形状が最も有利である。この場合ボトム区分には、ボトムから実質的に垂直に起立する側壁が、互いに対置する側縁に沿って接続する。蓋部を収容部と結合するために両側壁は固定手段を有しているのが有利である。該固定手段としては例えば、両側壁の内面に形成された係止溝と、これに対応して蓋部の両側縁に形成された係止リブとから成る係止手段が使用される。このような係止手段は、若干の利点を統合することになる。すなわち該係止手段は蓋部をほぼその全長にわたって拘束し、従って該蓋部の反り返りを防止する。これが殊に有利になるのは、収容室内に、細長い物品の位置を確定するために例えば発泡プラスチック条片或いはその他のばね部材又は締付け部材が配置されている場合である。この点は無視するとしても、蓋部をその全長にわたって側壁に係止しておくのが基本的に有利である。これによってパッケージは顕著な安定性を得る。
【0013】
そればかりでなく本発明の構成に基づいて、個々のパッケージから1つの整然としたスタック(積重ね体)を形成することが簡単に可能になる。両側壁が蓋部を超えて張出す場合、パッケージはその下面側に、等しく形成されたパッケージの側壁上部区分を受容する適当に縁の開いたスタッキング溝を有することができる。
【0014】
スタックの連結を安定化させるために、個々のパッケージは、例えばボトム部に形成された係止穴及びこれに対応して蓋部に形成された係止ピンの形の、別の係止手段を有することができる。
【0015】
パッケージは、開放できない固定区分と、開放できる可動区分とを有している。パッケージの固定区分は、収容部の領域区分と蓋部の領域区分とによって形成され、この両方の領域区分は互いに固定的に係止されている。収容部及び蓋部の他の領域区分は、旋回可能に支承された収容部可動区分及び、旋回可能に支承された蓋部可動区分によって形成される。しかしながらパッケージは閉鎖状態では全体的に剛性的でなければならない。この剛性は対応受け座によって支援され、この対応受け座は、パッケージの各側で(両側壁で)、収容部可動区分の旋回角度を制限するように少なくとも収容部可動区分を支持するのが有利である。このような対応受け座はパッケージに顕著な安定性を与えることが判った。
【0016】
対応受け座は、蓋部のための緊張装置として同時に作用するように構成されているのが有利である。これを達成するために対応受け座は、該対応受け座に夫々隣接した側壁と協働する適当な楔面、しかも収容部との係止時に蓋部を少なくとも僅かに長手方向で緊張させる適当な楔面を有している。旋回可能に支承された収容部可動区分はその場合、蓋部に結合された対応受け座に支持される。
【0017】
旋回可能に支承された蓋部可動区分がその場合、収容部可動区分に被さって係合する係止ラッチを有している場合には、パッケージは閉鎖時に全体的に剛性である。これは、収容部可動区分が、対応受け座に当接する極限位置を超えて旋回できないことに基づいて生じる。前記収容部可動区分は逆方向にも旋回できない。それというのは、この逆方向旋回が、収容部可動区分の自由端部において、収容部可動区分に係止ラッチでもって係合する蓋部可動区分によって阻止されるからである。係止ラッチと対応受け座は、両者間に収容部可動区分を旋回不能に保持した1種のクランプを形成する。
【0018】
蓋部可動区分はグリップトラフを有しているのが有利である。これは片手操作、すなわち片手のみによるパッケージの開閉を可能にする。このことはパッケージ操作を著しく簡便にする。
【0019】
以上説明した以外の本発明のその他の細部構成及び利点は、特許請求の範囲の記載及び図面の詳細な説明に基づいて明らかである。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に図面に基づいて本発明の実施例を詳説する。
【0021】
図1に図示したパッケージ1は、図7に例示したような縫製針2,3を既製品化するために役立つ。縫製針2が真直ぐに形成されているのに対して、縫製針3は、細長いが円弧状に湾曲して形成されている。両タイプの縫製針は、図1に示したパッケージ1内もしくは図7に示したパッケージ1a内に包装されて発送される。
【0022】
図1に示したパッケージ1は、図4に示したような外殻体4を有し、該外殻体は例えば射出成形法で製造されている。前記外殻体4には、収容部5と蓋部6が所属し、この両部は相互に膜ヒンジ7を介して結合されている。膜ヒンジ7は、著しく減少された材料厚(壁厚)の線状域によって形成され、該線状域は、蓋部6もしくは収容部5のほぼ全幅にわたって延在している。
【0023】
収容部5は扁平な長方形のボトム区分8を有している。該ボトム区分8の相互に対向して位置する2つの側縁9,10を起点として側壁11,12が垂直に延びている。収容部5は、収容部可動区分14と収容部固定区分15とに区分けされている。このために両側壁11,12は、ボトム区分8を横切って側縁9から側縁10へ延在する膜ヒンジ16の領域で中断されている。両側壁11,12はその場合、ボトム全体が平らに(つまり伸直した状態に)なるように収容部可動区分14を方位づけた場合に、膜ヒンジ16の領域内に空隙を有するように構成されている。
【0024】
蓋部6は実質的に長方形の剛性区分によって形成されており、該長方形剛性区分は膜ヒンジ17によって、蓋部固定区分18と蓋部可動区分19とに区分けされている。蓋部固定区分18は膜ヒンジ7を起点として膜ヒンジ17にまで及んであり、しかも、膜ヒンジ7と膜ヒンジ16との距離によって規定される収容部固定区分15の長さよりも大きな長さを有している。
【0025】
蓋部固定区分18は、収容部固定区分15と結合するために設けられている。このために適当な固着手段が設けられており、該固着手段は係止部材として形成されているのが有利である。本実施例では固着手段は、収容部固定区分15の側壁11,12と蓋部6との間で作用する。このために側壁11は、該側壁11の自由上縁の近くで側縁9に対して平行に延在する1つの係止溝21を有している。該係止溝21はその場合、側壁11の内面に沿って膜ヒンジ7を起点として、膜ヒンジ16の部位で側壁11内に存在する空隙にまで達している。
【0026】
係止溝21の構造は特に図5に基づいて明らかである。収容部固定区分15に蓋部固定区分18を固着するために該蓋部固定区分18は、膜ヒンジ7から離隔して延びる縁部に沿って係止リブ22を有しており、該係止リブは、前記係止溝21に適合した横断面を有している。例えば係止溝21は三稜形横断面を有し、係止リブ22は三角形横断面を有している。また側壁12が収容部固定区分15の部分である限り、該側壁12は相応の係止溝を有している。また蓋部固定区分18の対応縁部もそれ相応に係止リブを有している。従って側壁12の係止機構は、側壁11の係止機構に対して鏡面対称に構成されている。
【0027】
図4から、また特に図3からも判るように、蓋部固定区分18は、パッケージ1を閉じた状態で膜ヒンジ16を被覆する領域において、その両側壁面にそれぞれ1つの突起25,26を有しており、各突起は、側壁11,12の空隙内へ延びて、収容部可動区分14のための対応受け座をそれぞれ形成している。両突起25,26は互いに鏡面対称に構成されているので、突起26についての以下の説明は、突起25についても同じく当て嵌まる。
【0028】
突起26は側面図で見て台形状に形成されており、しかも膜ヒンジ7寄りの側に斜面27を有し、該斜面には、側壁12の端面側の相応の斜面28が対応配設されている。両斜面27,28は、図3から判るように楔面として作用する。蓋部6と収容部5が合体すると、両斜面27,28は互いに当接し、これによって両側壁11,12における両突起25,26の固定的な当接が得られ、これによって蓋部6の応力が膜ヒンジ7から少なくとも幾分除かれる。突起25,26が遊び無く当該側壁11,12に当接することが重要である。
【0029】
突起25,26の形状は、側壁11,12の各空隙にほぼ対応している。収容部可動区分14の側壁区分11a,12aは、突起25,26に対面した方の端面側に、同じく斜面29を有しており、該斜面は、収容部5のボトム区分8が扁平に、つまり真直ぐに保持されている場合、突起25,26の対応した楔面つまり斜面に当接している。これによって収容部可動区分14は、図3に図示したように蓋部6から離間旋回させることはできるが、伸直した位置を超えて蓋部6の方へ旋回させることはできない。従って突起25,26は収容部可動区分14のための対応受け座を形成している。この対応受け座は特に図2からも明らかである。
【0030】
更に図2から判るように、蓋部可動区分19と収容部可動区分14との間を連結するために連結手段が設けられており、該連結手段は係止機構31によって形成される。該係止機構には、蓋部可動区分19の端面側自由端部に形成された係止ラッチ32が所属しており、該係止ラッチは蓋部可動区分19の全幅にわたって延在しており、かつ、蓋部可動区分19に対してほぼ直角に方位づけられている(図3参照)。係止ラッチ32は、収容部可動区分14のボトム区分8の自由端部に沿って側壁区分11aから側壁区分12aへ延びるウェブ33に被さって係合する。該ウェブ33は、図2に図示したように、パッケージ1から離反する方の側に係止レセス34を有しており、該係止レセスには、係止ラッチ32に形成されたフィン状の係止ラグ35が対応配設されている。該係止ラグは図4に示した通りである。
【0031】
係止レセス34は溝によって形成され、該溝内に係止ラグ35は、係止ラッチ32のばね作用によってスナップ係合することができる。蓋部可動区分19が係止位置を超えて運動するのを防止するために、該蓋部可動区分はその内面側に支持段36を有しており、該支持段は、蓋部可動区分19の内面側全幅にわたって係止ラッチ32に対して平行に延びている。係止ラグ35が係止レセス34内に座着する係止状態では、支持段36はウェブ33に当接する。
【0032】
操作を改善するために、特にパッケージ1を片手で開放できるようにするために、係止ラッチ32はグリップトラフ37を有しているのが有利である。該グリップトラフを形成するために係止ラッチ32は、パッケージ1から離反する方の側で凹面状に湾曲されている。例えば該湾曲部は円筒面に倣うこともできる。瘤状部、突起などのような、その他のグリップ補助手段を設けることも同じく可能である。
【0033】
以上説明したパッケージ1は積重ね(スタッキング)可能である。このために、図5では側壁11について図示したように、両側壁11,12は、蓋部6から張出すように構成されている。係止溝21は、側壁が少なくとも1mmの数分の一だけ蓋部6を超えて張出すように側壁11の上縁から間隔をとって配置されている。これに対応してパッケージ1の下側では、ボトム区分8が側壁11,12へ移行する部位に、縁の開いたスタッキング溝38が形成されている。該スタッキング溝は、同一種パッケージの当該側壁11,12の自由上縁を受容できるように構成されている。図1及び図2から判るように、蓋部固定区分18には、係止ピン又は係止疣41,42が付加的に設けられており、該係止疣に対応してボトムには係止穴43,44(図4)が配設されている。係止穴43,44と係止疣41,42は、係止疣41,42が係止穴43,44内に導入された場合に、相応のパッケージ1を相互に保持するように互いに調和されている。
【0034】
パッケージ1の異なった実施形態は、パッケージ1aとして図6及び図7に図示されている。前記のパッケージ1に対する当該パッケージ1aの主要な相異点は、蓋部可動区分19が、互いに無関係に開閉できる2つの蓋部可動区分19a,19bに区分けされている点にある。この区分けは、係止ラッチ32から膜ヒンジ17にまで至るスリット46によって得られる。
【0035】
パッケージ1,1aは次のように操作される。
【0036】
製造に際して、図4に図示した外殻体4が先ず生産される。縫製針をパッケージに装填するにあたって蓋部6は、係止溝21への係止リブ22の係止によって、収容部5と結合される。これによって、包囲された収容室48が生じる。この収容室48は、図7に図示したような縫製針2又は3を保管するために使用される。
【0037】
縫製針2又は3は、外殻体4の最初の閉鎖(起立)時においてすでに、収容室48内へ収納することができる。このために細長い当該物品、例えば縫製針2又は3が収容部5内へ挿入される。蓋部6を収容部5と完全に係止した後には、前記縫製針2又は3は収容室48内に保持されている。
【0038】
縫製針2,3を遊び無く収容室48内に収納しようとする場合には、例えば発泡プラスチック条片のようなばねエレメントを収容室48内に付加的に挿入することが可能である。これは、先ず縫製針2又は3を収容室48内へ挿入し、次いで適当な発泡プラスチック条片を前記縫製針2,3の上に載せることによって行われる。蓋部6を閉鎖しかつ収容部5と係止することによって、蓋部6は、収容室48内の発泡プラスチック条片及び縫製針2,3をボトムに対して緊締する。
【0039】
前記とは択一的に発泡プラスチック条片又はその他のばねエレメントは(例えば接着剤又は粘着剤によって)蓋部6、特に蓋部固定区分18と接合されてもよい。係止リブ22と係止溝21は、蓋部6を確実に収容部5に保持し、かつ、発泡プラスチック条片の作用によるパッケージ1の歪曲又は突発的な開放を防止する。
【0040】
また択一的に、パッケージ1を先ず閉鎖し、次いで、収容部可動区分14と蓋部可動区分19とを互いに離反旋回させて収容室48を片側で開放させるようにすることによって、パッケージ1の端面側から縫製針を装填することも可能である。
【0041】
縫製針の装填を行った後に、蓋部6を側壁11,12に沿って収容部5と係止すると共に、係止ラッチ32によって蓋部可動区分19を収容部可動区分14と係止することによって(図1)、外殻体4を完全に閉鎖することも可能である。パッケージ1はこの状態で安定的(剛性的)である。収容部可動区分14に対して矢印F1の方向に圧力が加えられると、側壁区分11a,12aは突起25,26において固定的な受け座を見出して、パッケージ1の顕著な変形を阻止する。これに対して矢印F2の方向の力が蓋部可動区分19に対して及ぼされると、収容部可動区分14に被さって係合する係止ラッチ32が、蓋部可動区分19と収容部可動区分14とから成るユニットの旋回運動を阻止する。これは特に、膜ヒンジ17から係止ラッチ32に至るまでの蓋部可動区分19の長さが、膜ヒンジ17からウェブ33に至るまでの収容部可動区分14の長さよりも短いからである。
【0042】
本発明のパッケージ1が、誤った開放に対する安定性と抵抗性を有しているにも拘わらず、容易かつ簡便に開放することができる。これは図2に基づいて明らかである。パッケージ1を片手で把持している場合、当該使用者は、蓋部可動区分19を例えば拇指をグリップトラフ37に作用させて収容部可動区分14から押し離すことによって、前記蓋部可動区分19を開放することができる。これに従って係止ラッチ32と係止レセス34との間の係止継手は解離される。係止継手の開放時に、突起25,26における側壁区分11a,12aの当接に基づいて、収容部可動区分14の同時的な連動旋回は阻止されるので、図2に示した矢印F3の方向での拇指圧の作用によって、蓋部可動区分19によって形成された旋回フラップは開放される。
【0043】
蓋部可動区分19の開放後には、図3に図示したように収容部可動区分14は、前記蓋部可動区分19から離反旋回することができる。これは、拇指の後退運動によって行われる。収容室48の内部に収容された縫製針2,3がその端部を今や収容室48から突出させるので、縫製針2,3は簡単に掴んで取出すことができる。
【0044】
縫製針2,3が収容室48から所望本数引出されたら、パッケージ1又は1aは、係止ラッチ32がウェブ33と係合するまで収容部可動区分14と蓋部可動区分19;19a,19b相互を再び合体運動させることによって、簡単に再閉鎖することができる。このようにして本発明のパッケージ1は事実上任意の頻度で開閉することができる。
【0045】
前述の実施例はすべて、収容室48が空であること、すなわち、何らかの仕切壁、凸設部又は、縫製針2又は3相互を仕分けするその他の内設部材を有していないことを前提として説明された。しかし必要に応じて収容室48内には、ウェブ又は中間壁を設けることが可能であり、この場合前記のウェブ又は中間壁は、パッケージの側壁11,12に対して平行にか又は鋭角を成して延在しかつ収容部5のボトム区分8又は蓋部6と接合されている。しかしながら収容室48の内部容積を最大限に活用することを考慮すれば、このような仕分けエレメントを設けない方が有利とも考えられる。これによって特に湾曲された縫製針3を、従来知られていない本数でパッケージ1内に収納することが可能になる。
【0046】
例えば縫製針2,3のような細長い物品を収納して保管するためのパッケージ1は、互いに相接して保持された収容部5と蓋部6とを有している。収容部5も蓋部6も共に各ヘッド端部に、旋回フラップとして構成された可動区分14,19を有しており、両旋回フラップは、相互接近方向及び相互離反方向に旋回可能であり、かつ相互に係止可能である。両旋回フラップ14,19が相互離反旋回した場合に、両旋回フラップは、収容室48から突出する縫製針2,3の端部を解放するので、該縫製針は簡便に収容室48から取出すことができる。これによって縫製針2,3を例えば摩擦接続式に収容室48内に確保することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパッケージを閉鎖状態で示した斜視図である。
【図2】図1に示したパッケージの蓋部可動区分を部分的に開放した状態で示した斜視図である。
【図3】図1及び図2に示したパッケージを全開状態で示した斜視図である。
【図4】外殻体の製造後に蓋部を収容部と係止する前の状態で示した図1〜図3によるパッケージの斜視図である。
【図5】図4に示したパッケージの一部分の拡大斜視図である。
【図6】本発明のパッケージの異なった実施形態を部分的に開放した状態で示した斜視図である。
【図7】図6によるパッケージを全開した状態で2本の例示した細い縫製針と共に示した斜視図である。
【符号の説明】
1,1a パッケージ、 2,3 縫製針、 4 外殻体、 5 収容部、 6 蓋部、 7 膜ヒンジ、 8 ボトム、 9,10 側縁、 11,12 側壁、 11a,12a 側壁区分、 14 収容部可動区分、 15 収容部固定区分、 16,17 膜ヒンジ、 18 蓋部固定区分、 19;19a,19b 蓋部可動区分、 21 係止溝、 22 係止リブ、 25,26 突起、 27,28,29 斜面、 31 継手手段としての係止機構、 32 係止ラッチ、 33 ウェブ、34 係止レセス、 35 係止ラグ、 36 支持段、 37 グリップトラフ、 38 スタッキング溝、 41,42 係止ピン又は係止疣、 43,44 係止穴、 46 スリット、 48 収容室
Claims (17)
- 特にミシン針(2,3)用又は類似物品用のパッケージ(1)において、細長い物品(2,3)用の収容室(48)を少なくとも片側で制限する扁平な収容部(5)と、該収容部(5)に対して間隔をおいて保持されて該収容部(5)に接合されておりかつ該収容部(5)に対向する側で前記収容室(48)を制限する扁平な蓋部(6)が設けられており、しかも前記収容部(5)が、可動に支承された収容部可動区分(14)を有し、前記蓋部(6)が、旋回可能に支承された蓋部可動区分(19)を有し、かつ前記の収容部可動区分(14)と蓋部可動区分(19)が、解離可能な継手手段(31)によって互いに結合されており、前記収容部(5)が2つの収容部区分(14,15)から成っていて、これらの収容部区分(14,15)は膜ヒンジ(16)によって互いに結合されており、収容部(5)は2つの側壁(11,12)を有していて、これらの側壁は、膜ヒンジ(16)の領域で空隙によって中断されており、該空隙には蓋部(6)に形成された突起(25,26)が対応していて、パッケージを閉じた状態で突起(25,26)が前記空隙に係合することを特徴とする、パッケージ。
- 収容部可動区分(14)がヒンジ手段(16)によって、留まる収容部固定区分(15)と結合されており、蓋部可動区分(19)がヒンジ手段(17)によって、留まる蓋部固定区分(18)と結合されており、かつ前記の両ヒンジ手段(16,17)が、互いに平行に方位づけられた旋回軸線を確定している、請求項1記載のパッケージ。
- 両ヒンジ手段(16,17)が膜ヒンジとして形成されている、請求項2記載のパッケージ。
- 収容部(5)が扁平な長方形のボトム区分(8)を有し、該ボトム区分が、互いに対置していて互いに平行な側縁(9,10)に沿って側壁(11,12)を有している、請求項1記載のパッケージ。
- 両側壁(11,12)に沿って、蓋部(6)を収容部(5)に固定するための手段(21,22)が設けられている、請求項4記載のパッケージ。
- 両側壁(11,12)が蓋部(6)から張出すように構成されており、かつ前記側壁(11,12)を収容部(5)のボトム区分(8)と結合している側縁(9,10)に沿ってスタッキング溝(38)が配置されている、請求項4記載のパッケージ。
- 蓋部(6)を収容部(5)に固定するための手段(21,22)が係止手段である、請求項5記載のパッケージ。
- 収容部(5)と蓋部(6)が、膜ヒンジ(7)を介して互いに接合されている、請求項1記載のパッケージ。
- 収容部可動区分(14)の旋回角度を制限するために該収容部可動区分用の対応受け座(25,26)が蓋部(6)に設けられている、請求項1記載のパッケージ。
- 対応受け座(25,26)が、蓋部(6)のための緊張装置として構成されている、請求項9記載のパッケージ。
- 対応受け座(25,26)が、側壁(11,12)の楔面(28,29)と協働する突起によって形成されている、請求項4又は10記載のパッケージ。
- 収容部可動区分(14)が、対応受け座(25,26)に支持するために該対応受け座と協働する側壁区分(11a,12a)を有している、請求項9記載のパッケージ。
- 収容室(48)が、仕切らずに構成されている、請求項1記載のパッケージ。
- 収容部可動区分(14)に被さって係合するように構成された係止ラッチ(32)が、蓋部可動区分(19)に設けられている、請求項1記載のパッケージ。
- 係止ラッチ(32)がグリップトラフ(37)を有している、請求項14記載のパッケージ。
- 蓋部可動区分(19)及び/又は収容部可動区分(14)が仕切らずに構成されている、請求項1記載のパッケージ。
- 物品(2,3)が収容室(48)内で摩擦接続式に確保されている、請求項1記載のパッケージ。
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