JP3654353B2 - 紫外発光素子用のエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外発光素子の封止材に関し、特にエポキシ樹脂系の封止材に関する。さらに、このような封止材により封止された紫外発光素子を含む光半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
発光ダイオード(LightEmitting Diode:LED)の分野においては、最近、InGaN系の材料を用いた紫外発光素子が開発されるなど、短波長化が進んでいる。実際にLEDを発光素子として利用する場合には、透明なエポキシ樹脂によりLEDを封止する。
【0003】
一般的に、エポキシ樹脂は主剤と硬化剤と硬化促進剤とを用いて生成する。主剤は、例えば、一般的に化1で表されるビスフェノールAジグリシジルエーテルである。硬化剤は、例えば、化2で表されるメチルヘキサヒドロ無水フタル酸(新日本理化製MH−700)、化3で表されるヘキサヒドロ無水フタル酸、化4で表されるメチルヘキサヒドロフタル酸、化5で表されるヘキサヒドロフタル酸のうちから選択される。
【0004】
【化1】
【0005】
【化2】
【0006】
【化3】
【0007】
【化4】
【0008】
【化5】
【0009】
硬化促進剤は、例えばジアザビシクロウンデセン(DBU)のオクチル酸塩、イミダゾール誘導体、三級アミン、トリフェニルフォスフィンなどから選択して使用する。硬化促進剤の配合比は、硬化促進剤を硬化剤中に0.5から5.0重量部配合するのが好ましい。作業性を高めるために、硬化剤中にさらに、内部離型剤や粘度調整剤などを添加しても良い。例えば、主剤100重量部に対して、硬化剤を80から100重量部混合する。
【0010】
主剤と硬化剤及び硬化促進剤とを使用前に混合するのが好ましい。硬化剤が無水物であるため常温でも重合反応が緩やかに進行し、エポキシ樹脂の粘度を増加させることができる。そのためには、主剤と硬化剤とを別々に保管する必要がある。尚、主剤と硬化剤及び硬化促進剤との配合比は、1:1.2から1:0.8程度が好ましい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
紫外発光素子と蛍光体とを組み合わせて製造する白色LEDは、既存の電球と比較して消費電力が小さい。そこで、電球の白色LEDへの置き換えが期待されている。紫外発光素子を用いた白色LEDを封止するための封止材として上述の材料を出発原料としたエポキシ樹脂を用いる技術に関する検討がなされている。
【0012】
しかしながら、ビスフェノールAジグリシジルエーテルを主剤(エポキシモノマー)として用いると、以下のような問題があった。
【0013】
ビスフェノールAのベンゼン環は紫外線を吸収しやすい。紫外線のエネルギーによって発生したラジカルによりエポキシ樹脂が酸化しやすくなる。エポキシ樹脂が酸化すると発色団が形成され、可視光を吸収する。従って、エポキシ樹脂が黄色く変色しやすい。
【0014】
紫外光素子やそれを用いた白色LEDの場合、樹脂が黄色に変色すると、LED素子から発光する光が樹脂により吸収されやすくなるため、LED素子の発光強度の低下と色調の変化が生じる。
【0015】
さらに、前述のエポキシ樹脂は、使用前に主剤と硬化剤とを混合するいわゆる二液性樹脂である。実際のLEDの生産工程では、主剤と硬化剤とを所定の比率で混合した後に硬化させている。配合比率がわずかにずれたり、攪拌不足などが生じたりすると、硬化後のエポキシ樹脂の光学的・機械的な特性が大きくばらついたり、エポキシ樹脂中に未硬化の部分が存在したりするなどの問題が生じる。さらに、エポキシ樹脂の硬化の度合いにもばらつきも生じ、不良品発生の原因ともなっていた。
【0016】
本発明の目的は、紫外LEDを封止するためのエポキシ樹脂製の封止材の変色を防止する技術を提供することである。さらに、一液での保存が可能なエポキシ樹脂製の封止材を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのフェニール基を核水添法により水素化して生成した水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテルと、アリサイクリックエポキシカルボキシレートと、非芳香族の有機スルフォニウム=ヘキサフルオロアンチモン塩と、を含むエポキシ樹脂材料を熱カチオン重合により硬化させたエポキシ樹脂で、エポキシ樹脂全体の3wt%以下の割合で混合された酸化防止剤を含む樹脂により紫外発光素子を封止した光半導体装置が提供される。
【0018】
上記エポキシ樹脂は、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテルを熱カチオン重合により硬化させるため、不飽和結合の割合が少なくなり、熱変色や紫外線劣化が生じにくい。従って、紫外線発光素子用の封止材として適している。また、熱カチオン重合を用いると触媒活性化温度以上で選択的に硬化反応が開始される。従って、常温においてほとんど反応が起こらないため、ポットライフが非常に長く、一液保存が可能になる。例えば、芳香族オニウム塩(潜在性触媒)としてSI−100L(三新化学製)を2重量部含有する水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテルとしてYX8000(ジャパンエポキシレジン製)エポキシは、常温で2ヶ月保存しても粘度変化が生じない。
【0019】
本発明の他の観点によれば、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのフェニール基を核水添法により水素化して生成した水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテルとアリサイクリックエポキシカルボキシレートとフェノール系酸化防止剤とを含む主剤を、硬化剤により硬化させたエポキシ樹脂により紫外発光素子を封止した光半導体装置が提供される。
【0020】
【発明の実施の形態】
一般的に用いられている酸無水物硬化工程においては、二重結合を含む酸無水物を40wt%から50wt%の割合で添加する必要がある。エポキシ樹脂中において紫外線を吸収する不飽和結合を可能な限り少なくすることが重要である。但し、樹脂中の不飽和結合を完全になくすと、樹脂の反応性や耐熱性が低下してしまう。従って、不飽和結合の割合には適正な値が存在するであろう。
【0021】
発明者は、潜在性触媒を用いることを思いついた。潜在性触媒は、常温常圧の通常条件では活性を示さず、例えば加熱などの外部刺激により活性を示す。潜在性触媒は潜在性重合開始剤としても用いることが可能である。潜在性触媒は熱、光といった外部刺激により重合を開始させる活性種を生成する。潜在性触媒を用いることにより、重合の開始反応のみならず、成長と停止反応の制御も可能である。従って、重合温度、時間は潜在性触媒の選択により自由に設定できる。潜在性触媒は空気、水に対して安定であり、モノマーとの一液状態での長期間の保存が可能である。
【0022】
潜在性触媒を用いた熱カチオン重合工程をエポキシ樹脂の製造工程として用いれば、二重結合を含む触媒を1wt%以下の低い割合で添加することによりエポキシ樹脂を硬化させることができる。従って、エポキシ樹脂中における二重結合の割合を低く抑えることができる。
【0023】
以下、上記の考察に基づき、本発明の一実施の形態による紫外発光素子の封止技術について説明する。
【0024】
本実施の形態による紫外線発光素子の封止技術においては、化6で示される水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル(2,2-bis[4-(2,3-epoxypropoxy)cyclohexyl]propane)を主剤として用いた。
【0025】
【化6】
【0026】
水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルとしては、例えばジャパンエポキシレジン社製のYX8000を用いることができる。水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルは、化7で示されるビスフェノールAジグリシジルエーテルに水素添加する方法により製造することができる。
【0027】
【化7】
【0028】
ビスフェノールAジグリシジルエーテルとしては、例えばジャパンエポキシレジン社製のエピュート828(以下「EP828」と称する。)を用いることができる。
【0029】
尚、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルは、水素添加ビスフェノールAとエピクロピドリンとの反応により合成することもできる。この方法を用いた水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルは、新日本理化製のHBE−100(21−2)として入手可能である。
【0030】
耐熱性を向上させるために、上記水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルに、脂環式エポキシ樹脂を加えると良い。脂環式エポキシ樹脂としては、例えば化8で示されるアリサイクリックエポキシカルボキシレートを用いることができる。
【0031】
【化8】
【0032】
アリサイクリックエポキシカルボキシレートは、例えばダイセル化学製のCEL2021Pなどとして市販されている。
【0033】
但し、脂環式エポキシ樹脂の割合が高くなりすぎると、エポキシ樹脂の吸湿性と初期着色性が高まる。従って、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルに対する脂環式エポキシ樹脂の添加量としては、5wt%から30wt%までの値が好ましい。より好ましくは10wt%程度である。
【0034】
潜在性触媒としては、化9の一般式で示される芳香性オニウム塩を用いることができる。市販品としては、化10で示される三進化学製のSI−100Lや、化11で示される旭電化製のCP−77を用いることができる。潜在性触媒の配合比は、エポキシ当量に対して0.1phrから3.0phrである。
【0035】
【化9】
【0036】
【化10】
【0037】
【化11】
さらに、酸化防止剤を添加しても良い。酸化防止剤としては、化12で示される9,10-Dihydro-9-oxa-10-phospaphenenthrene-10-oxideを用いることができる。水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルとアリサイクリックエポキシカルボキシレートとの混合物に対して上記の酸化防止剤を0から3wt%の割合で添加すれば良い。
【0038】
【化12】
【0039】
次に、本発明の第1の実施の形態によるエポキシ樹脂プレートの製造方法について説明する。
【0040】
図1は、エポキシ樹脂プレートの製造装置の概要を示す図である。図1に示すように、エポキシ樹脂プレートの製造装置1は、対向配置された2枚の強化ガラス3と、U字型のシリコンチューブ5と、棒状の固定具7とを有している。U字型のシリコンチューブ5は、2枚の強化ガラス3間に挟持されている。シリコンチューブ5は、強化ガラスの周辺部の4辺のうち3辺に沿って配置され、他の1辺側に開口が形成される。強化ガラス3とシリコンチューブ5とは、強化ガラス3の4隅に設けられ、2枚の強化ガラス3とシリコンチューブ5とにより収容部11が形成される。
【0041】
エポキシモノマーと酸無水物と硬化促進剤とを所定の配合比に混合した原料を作成する。原料としては、上述のエポキシ樹脂混合物(例えば90wt%の水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルと10wt%のアリサイクリックエポキシカルボキシレートとの混合物)と、酸化防止剤(例えばエポキシ樹脂混合物に対して0から3.0wt%の割合で混合された9,10-Dihydro-9-oxa-10-phospaphenenthrene-10-oxide)と、潜在性触媒(例えばエポキシ樹脂混合物のエポキシ当量に対して0.1phrから3.0phrの割合で混合されたSI−100L)とを、上記の配合比の範囲内において混合する。このエポキシ混合物は、粘度変化が少なく、長時間にわたる一液保存が可能である。
【0042】
調合した混合液を、図1に示すエポキシ樹脂プレートの製造装置1内に形成されている収容部11内に注入する。エポキシ樹脂プレートの製造装置1を加熱することで、混合液を所定温度Ta1(例えば110℃)で所定時間ta1(例えば1時間)の第1熱処理工程を行う。この第1熱処理工程において、混合液が硬化する。この硬化工程を第1硬化工程と称する。第1硬化工程後に、収容部11内に、ある程度の硬さを有する仮のエポキシ樹脂プレートが形成される。エポキシ樹脂プレート製造装置1の固定具7を取り外し、製造装置1から仮のエポキシ樹脂プレートを取り出す。
【0043】
次いで、硬化炉中において所定温度Ta2(例えば120℃)で所定時間ta2(例えば2時間)の第2熱処理工程を行う。この第2熱処理工程において、仮のエポキシ樹脂プレートが硬化する。この硬化工程を第2硬化工程と称する。第2硬化工程後に形成されたエポキシ樹脂プレートを、50mm×50mmであって厚さ5mmの評価用のエポキシ樹脂片に切断する。この樹脂片を評価用プレートと称する。
【0044】
尚、上記の工程は、エポキシ樹脂の特性を評価するためのエポキシ樹脂片を製造するための工程である。実際にLEDを樹脂で封止する方法としては以下の方法を用いる。
【0045】
必要に応じて酸化防止剤を所定濃度だけ溶解させたエポキシモノマーと潜在性触媒とを所定の配合比で混合した樹脂溶液を形成する。この際、樹脂溶液(混合液)が均一になるように継続的に攪拌を行う。次に、上記攪拌工程において生じた樹脂溶液中の泡を真空下において取り除く。次いで、樹脂溶液を耐熱性を有するプラスチック製の樹脂型内に注入する。封止する発光素子を予めパッケージにダイボンディングしておき、パッケージから延びる一対のリードを差込み固定する。所定温度、所定時間加熱し、発光素子ランプ(LEDランプ)を作成した。一般的な1次硬化の条件は110℃で1時間であり上述の条件と同じである。2次硬化の条件は120℃で2時間の熱処理である。
【0046】
上記の製造工程を用いて製造した評価用のエポキシ樹脂片の特性に関して評価を行った。耐熱性の評価と紫外線照射試験による耐光性の評価との評価手順ついて説明する。
【0047】
(1)耐熱性の評価厚さ5mmのエポキシ樹脂片を、150℃で72時間、硬化炉中に保持することにより耐熱性の評価を行った。熱処理の前後におけるエポキシ樹脂片の光透過率と黄色度(イエローインデックス)を測定した。尚、黄色度は、島津製作所製のUV−3100分光光度計を用いて、380nmから780nmまでの波長領域で測定を行い、そのデータに基づいて計算を行うことにより黄色度を求めた。黄色度は、その値が小さいほど無色透明に近い。黄色度の増加が少なく、透過率の減少が少ないほど、樹脂が変色していないことを示す。
【0048】
(2)紫外線照射試験による評価厚さ5mmのエポキシ樹脂片を、ピーク波長λpが340nmの紫外蛍光ランプを光源とするQ−Panel社製のQ−UV促進耐光試験機を用いて評価した。55℃においてエポキシ樹脂片に紫外線を300時間照射する。耐熱性試験の場合と同様に、紫外線照射試験においてもその前後の光透過率と黄色度とを測定した。
【0049】
以下に、上記評価法を用いた評価結果を示す。尚、本実施の形態による水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルを用いて形成したエポキシ樹脂と従来のビスフェノールAジグリシジルエーテルを用いて形成したエポキシ樹脂(EP828)との評価結果を適宜比較した。
【0050】
1)エポキシ樹脂中の残留塩素濃度の影響
【0051】
【表1】
【0052】
表1にエポキシ樹脂中の残留塩素濃度の影響について評価した結果を示す。表1に示すエポキシ樹脂のうち、EP828は上述のようにビスフェノールAジグリシジルエーテルを用いて形成した従来のエポキシ樹脂である。CEL2021は、脂環式エポキシ樹脂である。YX8000は、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルにより形成したエポキシ樹脂である。HBE−100は、前述のように水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルを、水素添加ビスフェノールAとエピクロピドリンとの反応により合成したエポキシ樹脂である。この方法により製造したHBE−100の加水分解性塩素濃度は50000ppm(wt%)程度であり、YX8000の加水分解性塩素濃度は1500ppm(wt%)である。高純度のビスフェノールAジグリシジルエーテルに直接核水素添加することで、塩素濃度、特に加水分解性塩素濃度を大幅に低減することができる。尚、EP828の塩素濃度も1500ppm(wt%)程度であった。
【0053】
上記の試料と併せて、ビスフェノールAジグリシジルエーテルEP828単独の場合と脂環式エポキシ樹脂CEL2021単独の場合に関しても同様の実験により、耐熱性の評価と紫外線照射試験による評価とを行った。
【0054】
尚、HBE−100とYX8000とは、いずれも水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルを含むエポキシ樹脂であり、二重結合数にさほどの違いはない。
【0055】
表1より、全塩素濃度の少ないYX8000の方が全塩素濃度の高いHBE100と比較して、紫外線、熱による透過率減少(黄色度の増加)が少ないことがわかる。すなわち、樹脂中に存在する塩素が、樹脂の熱による劣化及び紫外線による劣化に関与していることがわかる。
【0056】
YX8000に比べて二重結合の割合が多いEP828では、同じ塩素含有量であるにもかかわらず、300時間の紫外線照射により光の透過率が30%以下(28.19%)まで減少する。これは、ベンゼン環に存在する二重結合が紫外線吸収を促進するためであると考えられる。尚、EP828の方がYX8000よりも熱変色が少なかったのは、ベンゼン環が水添ビスAのシクロヘキサン環よりも熱に対する安定性が高いためと考えられる。
【0057】
CEL2021では、それ自身の耐熱性が高いため熱変色が少ない。但し、熱処理前の初期着色が多く透過率が低いので、LEDの封止材料としては適していないことがわかる。
【0058】
以上の結果より、2重結合の割合が少なく紫外線による劣化が抑制されること、及び水添ビスAジグリシジルエーテル中の塩素濃度が、紫外線劣化、熱変色の両者に大きな影響を与えることがわかった。従って、紫外線発光素子を封止するための材料としては、2重結合の割合が少なくかつ塩素濃度の低い水添ビスAジグリシジルエーテル(YX8000)を用いるのが好ましいことがわかる。
【0059】
次に、触媒種と触媒濃度の影響について考察する。前述のように、化11に示す構造式より、熱潜在性触媒として有機スルフォニウム=ヘキサフルオロアンチモン塩を用いる。
【0060】
尚。有機スルフォニウム=ヘキサフルオロアンチモン塩には、化10に示す芳香族のSI−100Lと化11に示す非芳香族のCP−77とが存在する。酸無水物硬化エポキシの紫外線劣化において硬化促進剤の二重結合濃度と紫外線劣化の度合いとの間には相関性がある。非芳香族のCP−77の方が、紫外線劣化が少ないことが予想される。実際に、SI−100LとCP−77とのそれぞれについて、触媒濃度と熱による変色/紫外線におよる変色との関連性について実験を行った。
【0061】
【表2】
【0062】
表2及び図2(A)及び図2(B)に実験結果を示す。これらの結果より、触媒種がSI−100LであるかCP77であるかに依存せず触媒濃度の増加とともに初期透過率が減少するとともに、初期黄色度が増加することがわかった。また、紫外線照射後の透過率は、上記の予想と一致した。すなわち、CP−77を用いた方がSI−100Lを用いた場合よりも透過率として高い値を示す。これは、SI−100Lが芳香族を有しており、従って紫外線を吸収して樹脂の透過率の低下(劣化)を促進するためであると考えられる。尚、SI−100Lでは0.28wt%未満、CP−77では0.3wt%未満の添加濃度においては、樹脂が完全には硬化しない。
【0063】
以上の結果より、紫外線発光素子用の封止材を形成する場合の触媒種としてはCP−77が好ましく、その添加濃度としては、0.3wt%以上0.6wt%以下の範囲であるのが好ましいことがわかる。
【0064】
尚、上記のデータは低塩素濃度のエポキシ樹脂に関するデータであるが、高塩素濃度のエポキシ樹脂に関しても同様の傾向を示すことがわかっている。
【0065】
【表3】
【0066】
次に、脂環式エポキシ濃度の影響について表3と図3とを参照して説明する。ビスフェノールAジグリシジルエーテルは安定なベンゼン環の存在により、その硬化物が高い耐熱性を示す。ベンゼン環に水素添加して形成されたシクロヘキサン環は、ベンゼン環と比べて不安定であり、耐熱性は低くなる傾向にある。
【0067】
耐熱性が高くかつ不飽和結合の少ない脂環式エポキシを添加することにより、ガラス転移点を高めることができる。この場合のエポキシ樹脂の熱変色及び紫外線変色に関する実験結果を表3及び図3に示している。水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル芳香族のエポキシ樹脂材料であるSI−100Lを0.5wt%混合し、さらに脂環式のエポキシ樹脂材料であるCEL2021を0wt%から30wt%までの濃度で混合した。110℃で2時間の1次硬化処理と、120℃で2時間の2次硬化処理を行った。表3にはこの場合の黄色度(Yellow Index)と透過率T(%)と、ガラス転移点Tgと吸水率(%)とを示した。図3は、CEL2021の濃度(横軸:wt%)と、エポキシ樹脂の波長400nmでの透過率(左縦軸:%)及び黄色度(右縦軸)との関係を示す。
【0068】
表3及び図3に示すように、脂環式エポキシ樹脂材料CEL2021の濃度が増加するに従って、初期透過率T(Initial)は減少するがその割合は緩やかであることがわかった。一方、脂環式エポキシ樹脂材料CEL2021の濃度が増加するに従って吸水率、ガラス転移点Tgは増加する。
【0069】
耐熱性試験(150℃で72時間の熱処理)を行った後の波長400nmにおけるエポキシ樹脂の透過率Tは、脂環式エポキシ樹脂材料CEL2021の濃度が増加するとともに増加する。脂環式エポキシ樹脂材料CEL2021を増加させることにより熱変色を抑制できることがわかる。
【0070】
紫外線(UV 300h)照射試験を行った場合の変色は、脂環式エポキシ材料の濃度が5wt%で最も少ない。脂環式エポキシ材料の濃度を5wt%以上増加させると、UV照射による変色度が増加することがわかった。
【0071】
以上の実験結果によれば、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテルに対して脂環式エポキシを5wt%程度添加することにより、熱処理による変色及び紫外線照射処理による変色の両者ともに抑制でき、透過率を最大にすることができることがわかった。
【0072】
一方、黄色度に関しては、CEL2021の濃度を増加させることにより初期の黄色度は増加し続けることがわかった。耐熱性試験(150℃で72時間の熱処理)を行った後の黄色度は、CEL2021の濃度の増加とともに減少することがわかる。紫外線照射試験(UV300h)後の黄色度に関しては、CEL2021の濃度が5wt%で最も低くなることがわかった。この結果も、CEL2021の濃度として5wt%が好ましいことを示している。
【0073】
以上の実験結果より、CEL2021の濃度は、0から10wt%の間が好ましく、特に5wt%近傍が特に好ましいことがわかった。
【0074】
次に、酸化防止剤濃度の影響について表4及び図4を参照して説明する。熱可塑性樹脂を高温で形成する場合に生じる着色の防止に関しては、酸化防止剤を添加することが有効である。エポキシ樹脂の関しても同様の結果が得られたので以下に説明する。
【0075】
ここでは、リン系酸化防止剤(HCA)を用いた。HCAは、酸無水物硬化のエポキシ樹脂において酸化防止剤としての実績がある。そこで、本実施の形態によるエポキシ樹脂に関しても、その影響を調べた。
【0076】
エポキシ樹脂材料YX8000と脂環式エポキシ樹脂材料CEL2021とを95:5の割合で混合し、これに対して芳香族の熱潜在性触媒SI−100Lを0.5wt%添加し、さらに燐酸系酸化防止剤HCAを所定の濃度だけ添加した。その際、110℃で1時間の熱処理により1次硬化を行った後、120℃で2時間の熱処理により2次硬化を行った。
【0077】
【表4】
【0078】
表4及び図4に示すように、初期状態(Initial)においては、HCA添加濃度の増加に伴って透過率が増加するとともに、黄色度が減少することがわかった。すなわち、HCAの添加により初期状態における樹脂の透明性が向上することがわかった。さらに、耐熱性試験(150℃で72時間)を行った後の透過率も、HCAの濃度が増加するとともに増加し、HCA濃度0.25wt%において最大値49.6%が得られることがわかった。耐熱性試験後の黄色度としては、HCA濃度0.25wt%で最小値15.6が得られた。
【0079】
一方、紫外線照射(UV光、300時間照射)後における透過率は、HCA濃度の増加とともに減少し、HCA濃度0.250wt%で59.39%、HCA濃度1.0wt%で50.21の値を示す。黄色度はHCA濃度の増加とともに増加し、HCA濃度0.125wt%で最大値14.01を示す。さらにHCA濃度が増加すると黄色度は減少する。
【0080】
以上の実験結果より、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルにより形成したエポキシ樹脂YX8000と、熱潜在性触媒として非芳香族のCP−77を0,3wt%から0.6wt%添加し、かつ、脂環式エポキシとして水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルに対してCEL2021を5wt%程度混合すると良い。さらに、燐酸系酸化防止剤HCAを所定濃度(0.25wt%)混ぜると、黄色度と透明度とにトレードオフの関係が存在することがわかった。
【0081】
本発明の第1の実施の形態によるエポキシ樹脂により封止した発光素子の構造について、図5及び図6を参照して説明する。図5は、いわゆる縦型LEDと称される。図6は横型LEDと称される。
【0082】
図5に示すように、縦型LED20は、台部22と、台部22搭載されたLEDチップ21と、台部22から延びる一方及び他方のリード23とを有している。LEDチップ21は、例えばInGaN系の化合物半導体材料を用いて形成される。LEDチップ21上に形成されるボンディングパッドとリード23とがワイヤー25により電気的に接続されている。LEDチップ21及びワイヤー25が、本実施の形態によるエポキシ樹脂により形成された封止材27により封止されている。リード23が封止材27から飛び出しており、電源などに接続できるように構成されている。
【0083】
図6に示すように、横型LED30は、プリント基板31と、その上に搭載されたLEDチップ33とを有している。さらに、LEDチップ33上のボンディングパッドとプリント基板31上に形成されている端子とを接続するワイヤー35が形成されている。LEDチップ33及びワイヤー35を覆ってプリント基板31上に本実施の形態による封止材37が形成されている。
【0084】
図5及び図6のいずれのLEDにおいても、本実施の形態による封止材により封止されているため、LEDをオンにした場合に発せられる紫外線等に起因する封止材の透過率の劣化が少なく、黄色度の増加も抑制される。
【0085】
従って、LEDの封止材の変色に起因する性能の劣化を防止することができる。
【0086】
また、一液性の原料を用いるため、保存が簡単な上、樹脂の製造工程が簡単化する。
【0087】
水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルを原料とするエポキシ樹脂は、元来塗料用接着剤の耐光性改善を目的として開発された樹脂である。
【0088】
ところが、上記のように、本実施の形態によるエポキシ樹脂において、熱による変色と紫外線による変色とを同時に防止することは難しいことがわかった。すなわち、以下のような問題点が挙げられる。
【0089】
(1)表1に示すように、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの代わりに水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテルを用いて(YX8000)エポキシ樹脂を製造することにより、紫外線劣化を抑制できる。しかしながら、上記の方法によれば、耐熱性が減少し熱変色(黄色度の増加)がみられるという問題が生じる。
【0090】
(2)水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテルを用いた場合に、紫外線照射による劣化を抑制するためには、硬化促進剤として何を選定するかが問題となる。
【0091】
尚、二重結合の少ない燐酸系硬化促進剤を用いると紫外線による劣化を抑制できることがわかっている。
【0092】
(3)適当な量の脂環式エポキシ、例えば10wt%程度の脂環式エポキシを添加すると、上記(1)におけるエポキシ樹脂の耐熱性を向上させることができる。この点に関しては、第1の実施の形態においても説明した。
【0093】
(4)光安定剤を添加すると、紫外線劣化による透過率の低下を防止することができる。但し、熱による変色が生じやすい。光安定剤は、紫外線照射によって生じた高分子のラジカルを捕捉し、熱に変換することによって不安定なラジカルを除去する働きを有する。
【0094】
以上の結果を踏まえ、発明者は、さらに酸化防止剤の構造に注目した。表2に示すように、燐酸系酸化防止剤(HCA)を添加すると、熱による変色を抑制できる。しかしながら、紫外線劣化が生じやすい。従って、酸化防止剤の選択が重要なポイントになると考えられる。
【0095】
以下に本発明の第2の実施の形態によるエポキシ樹脂の製造技術について図7(A)、(B)及び図8を参照して説明する。図7(A)は、フェノール系酸化防止剤として化13に示すAO−80(旭電化製)を用いた場合の酸化防止剤の添加濃度と透過率の関係を示す図であり、図7(B)は、フェノール系酸化防止剤としてSL−BHT−P(住友化学製)を用いた場合の酸化防止剤の添加濃度と透過率の関係を示す図である。図8は、燐酸系酸化防止剤として前述のHCAを用いた場合の酸化防止剤の添加濃度と透過率の関係を示す図である。
【0096】
酸化防止剤の添加実験について説明する前に、まず、エポキシ樹脂を製造する際に用いる主剤混合物と硬化剤混合物について説明する。主剤混合物は水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルと、脂環式エポキシ樹脂と、フェノール系酸化防止剤とを含む混合物である。
【0097】
水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルは、第1の実施の形態において説明したように化6に示す構造を有している。高純度ビスフェノールAジグリシジルエーテルの芳香族を、触媒により選択的に水素化したものであり、商品名はYX−8000(ジャパンエポキシレジン製)である。尚、上記の合成方法は、核水添法と呼ばれる。塩素濃度が既存の水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルの1/20である。
【0098】
脂環式エポキシ樹脂としては、化8で示すアリサクリックエポキシカルボキシレートが用いられる。商品名はCEL2021P(ダイセル化学製)である。脂環式エポキシ樹脂を添加することにより、樹脂の耐熱性を向上させることができる。添加濃度は、10wt%程度が適当である。
【0099】
本実施の形態においては、酸化防止剤として燐酸系酸化防止剤の代わりにフェノール系酸化防止剤を用いる。フェノール系酸化防止剤としては、化13から化15までに示す構造を有するものを用いれば良い。尚、併せて燐酸系酸化防止剤(HCA)を用いた結果についても示す。
【0100】
【化13】
【0101】
【化14】
【0102】
【化15】
【0103】
【化16】
【0104】
化13に示されるフェノール系酸化防止剤は、3,9-bis[1,1-dimethl-2[b-(3-t-butyl-4-hydroxy-5-methylphenyl)propionyloxy]-2,2,8,10-etraoxaspiro[5,5]undecanであり、商品名はAO−80(旭電化製)である。
【0105】
化14に示されるフェノール系酸化防止剤は、2,6-Di-tert-butyl-4-methyl-phenolであり、商品名はSL−BHT−P(住友化学製)である。
【0106】
化15に示されるフェノール系酸化防止剤は、2,6-Di-tert-butylphenolであり、メルク社製のフェノール系酸化防止剤である。
【0107】
酸化防止剤は、化13から化15までに示される酸化防止剤を単独で、或いは混合して用いる。酸化防止剤は、化6及び化8で示されるエポキシ樹脂混合物に対して、合計で1.0wt%以内の割合で添加する。
【0108】
硬化剤混合物としては、硬化剤と硬化促進剤とを含む混合物が用いられる。硬化剤としては、第1の実施の形態において説明した化3で示されるメチルヘキサヒドロ無水フタル酸(新日本理化製、商品名MH−700)を用いる。硬化促進剤としては、化16で示すテトラブチルフォスフォニウムジエチルフォスフォロジチオエートを、硬化剤に対して0.5から2.5wt%の割合で添加する。
【0109】
以上に説明した主剤混合物と硬化剤混合物とを、重量比を100:120から100:80までの割合で混合する。耐熱性が最大となる割合は、エポキシ当量と酸無水物当量との比率が100:90付近である。尚、100:90とは、エポキシ基を1モルに対して酸無水物を0.9モルとした場合を言う。
【0110】
以下、上記の主剤混合物と硬化剤混合物とを用い、酸化防止剤としてフェノール系の酸化防止剤を用いた場合の耐熱性と耐UV性とについて図7(A)及び図(B)にその評価結果を示す。尚、比較のために図8に、燐酸系の酸化防止剤を用いた場合の評価結果を示す。
【0111】
図7(A)は、フェノール系酸化防止剤を用いた場合の、酸化剤の含有量(横軸)と、製造後の樹脂の透過率(左縦軸:波長400nm)及び樹脂の黄色度(右縦軸)との関係を、初期値、熱処理後及びUV照射後について評価した結果を示すグラフである。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止材AO−80を用いた。
【0112】
図7(B)は、フェノール系酸化防止剤としてSL−BHT−Pを用いた場合の評価結果を示すグラフである。
【0113】
図8は、酸化防止剤として燐酸系の酸化防止剤を用いた場合の評価結果を示すグラフである。
【0114】
図7(A)と図7(B)との評価結果は同様の傾向を示す。すなわち、酸化防止剤としてフェノール系の酸化防止剤を添加すると、AO−80を用いた場合でもSL−BHT−Pを用いた場合でも、耐熱試験後の樹脂の透過率を向上させることができるとともに、紫外線照射試験後の樹脂の透過率も向上させることができることがわかる。尚、同様の傾向がみられることが、その他のフェノール系酸化防止剤を用いた場合にも確認された。
【0115】
フェノール系酸化防止剤(AO−80、SL−BHT−P)を添加することにより、耐熱性試験後及び紫外線照射後のいずれの場合にも黄色度を低くすることができる。
【0116】
これに対して、図8に示すように、燐酸系酸化防止剤を用いると耐熱性試験後の樹脂の透過率を向上させることができるが、紫外線照射後の樹脂の透過率が低くなる。黄色度に関しても、耐熱試験後の樹脂の黄色度は低くなるが、紫外線照射後の樹脂の黄色度は高くなってしまうことがわかる。すなわち、燐酸系の酸化防止剤(HCA)を用いた場合には、耐熱性試験後の樹脂の透過率は、HCA濃度の増加と共に高くなり、LED用封止材としては、フェノール系酸化防止剤を用いると良いことがわかる。
【0117】
次に、図9に、本実施の形態によるLED封止用エポキシ樹脂の透過率の波長依存性を示す。初期状態と紫外線照射と耐熱性試験後との各試料について透過率の波長依存性を示している。耐熱性試験は、150℃において72時間放置した試料を用いて行った。
【0118】
図9に示すように、初期状態と紫外線照射と耐熱性試験後との各試料についての樹脂の透過率は、波長380nmから600nmの間の波長領域において、ほぼ80%以上の高い値を示すことがわかる。
【0119】
図10に、比較のために一般的なLED封止用エポキシ樹脂の率の波長依存性を示す。初期状態と紫外線照射と耐熱性試験後との各試料について透過率の波長依存性を示している。耐熱性試験は、150℃において72時間放置した試料を用いて行った。尚、一般的なLED封止用エポキシ樹脂としては、ビスフェノールAと脂環式エポキシと酸無水物とを所定の割合で混合して形成したエポキシ樹脂である。
【0120】
図10に示すように、初期状態での透過率は、波長380nmから600nmの間の波長領域において、ほぼ80%以上の高い値を示すことが、熱処理後の試料は、短波長域において70%以下の透過率を示すようになる。さらに、紫外線照射後の試料は、短波長域において40%から60%程度と透過率が大幅に低くなることがわかる。
【0121】
以上の結果からも、本発明の第2の実施の形態によるエポキシ樹脂の特性は、一般的なLED封止用エポキシ樹脂の特性に比べて、紫外線発光素子を用いたLEDの封止用エポキシ樹脂として適していることがわかる。
【0122】
尚、上記各実施の形態によるエポキシ樹脂は、紫外線発光素子用の封止材のみならず、発光ダイオード用の波長変換材料や導電性接着剤として用いることもできる。導電性接着剤は、エポキシ樹脂中に高濃度の銀粉等の金属粉末を添加し、金属同士が物理的に接触することによって導電性を得るものである。LEDの分野においては、ダイボンド用の銀ペーストとして用いられる。
【0123】
以上、実施の形態に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者には自明あろう。
【0124】
【発明の効果】
ビスフェノールAジグリシジルエーテルに直接核水素添加をすることにより得られる水添ビスAジグリシジルエーテルと脂環式エポキシモノマーとを含む混合物を出発物質として用い、潜在性触媒により重合させることにより形成されたエポキシ樹脂を用いると、耐熱性が高まるとともに、紫外線劣化が抑制される。一液性の原料により製造可能なため、取り扱いや製造工程が簡単になる。
【0125】
また、水添ビスAジグリシジルエーテルと脂環式エポキシモノマーとを含む混合物と、フタル酸系の酸無水物を中心とする酸無水物の硬化剤とを用い、さらにフェノール系酸化防止剤を添加して硬化させることにより形成されたエポキシ樹脂を用いると、耐熱性が高まるとともに、紫外線劣化が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態によるエポキシ樹脂プレート製造装置の概要を示す図である。
【図2】 触媒濃度と熱による変色/紫外線におよる変色との関連性について実験を行った際の、エポキシ樹脂の透過率と黄色度のSI−100L濃度依存性を示す図である。図2(A)はSI−100Lを用いた場合の結果、図2(B)はCP−77を用いた場合の結果を示す。
【図3】 脂環式エポキシ(CEL2021)の濃度と透過率及び黄色度の関係を示す図である。
【図4】 酸化防止剤(HCA)濃度と透過率及び黄色度の関係を示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態による封止材を用いた縦型LEDの構造を示す断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態による封止材を用いた横型LEDの構造を示す断面図である。
【図7】 図7(A)は、フェノール系酸化防止剤(AO−80)の添加濃度と透過率との関係を示す図である。図7(B)は、フェノール系酸化防止剤(SL−BHT−P)の添加濃度と透過率との関係を示す図である。
【図8】 燐酸系酸化防止剤(HCA)の添加濃度と透過率との関係を示す図である。
【図9】 本発明の実施の形態によるエポキシ樹脂における、透過率の波長依存性を示す図である。
【図10】 一般的なエポキシ樹脂における、透過率の波長依存性を示す図である。
【符号の説明】
【0126】
1 エポキシ樹脂プレートの製造装置
7 固定具
11 収容部
20 縦型LED
21 LEDチップ
22 台部
23 リード
25 ワイヤー
27 封止材
30 横型LED
31 プリント基板
33 LEDチップ
35 ワイヤー
37封止材
Claims (5)
- ビスフェノールAジグリシジルエーテルのフェニール基を核水添法により水素化して生成した水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテルと、
アリサイクリックエポキシカルボキシレートと、
非芳香族の有機スルフォニウム=ヘキサフルオロアンチモン塩と、
を含むエポキシ樹脂材料を熱カチオン重合により硬化させたエポキシ樹脂で、エポキシ樹脂全体の3wt%以下の割合で混合された酸化防止剤を含む樹脂により紫外発光素子を封止した光半導体装置。 - 前記水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテルは、水素添加ビスフェノールAとエピクロロピドリンとの反応によって合成される合成水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテルよりも低い残留塩素濃度を有している請求項1に記載の光半導体装置。
- 前記水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテルの残留塩素濃度が、0から2000ppmまでの間である請求項1に記載の光半導体装置。
- 前記水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテルと前記アリサイクリックエポキシカルボキシレートとの配合比は、重量比で90:10から80:20までの間である請求項1に記載の光半導体装置。
- 前記非芳香族の有機スルフォニウム=ヘキサフルオロアンチモン塩の添加濃度が、0.3wt%以上、0.6%以下の範囲である請求項1に記載の光半導体装置。
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