JP3653824B2 - 表面処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理材の表面をエッチング、アッシング、改質又は薄膜を形成する表面処理技術に関し、特に大気圧又はその近傍の圧力下で生成されるプラズマの励起活性種を用いて表面処理するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、プラズマ放電により生成される励起活性種を利用して被処理材の表面を様々に処理するための技術が知られている。従来の真空中又は減圧された環境下でプラズマ放電をさせる表面処理方法は、真空チャンバ等の特別な装置・設備が必要で製造コストが高く、それにも拘わらず処理能力が低いという問題があった。そこで、最近では、例えば特開平6−2149号公報に記載されるように、大気圧付近の圧力下でプラズマ放電させ、真空設備を必要とせず、低コストで装置を簡単かつ小型化することができる表面処理技術が提案されている。
【0003】
この大気圧下でのプラズマによる表面処理には、電極と被処理材との間で直接気体放電を生じさせる直接方式と、電源電極と接地電極間での放電により活性種を生成しかつこれを含むガス流を被処理材表面に噴出させる間接方式とがある。直接方式は、高い処理レートが得られる反面、チャージアップにより被処理材を損傷したり、被処理材の形状が複雑であったり凹凸がある場合又は処理範囲を制限したい場合に十分に対応できない虞がある。他方、間接方式は、直接方式に比して処理レートが低いので高出力を要求される場合があるが、チャージアップによる被処理材の損傷の虞が無く、ガス流を噴出させるノズルの形状を変えたりガスの流量を調整することによって、被処理材の形状や処理範囲の制限に対応した局所的な表面処理が可能である。
【0004】
図8及び図9には、このような局所的な表面処理に適した表面処理装置の一例が示されている。この表面処理装置は、例えば基板のような被処理材1の表面に放電ガスを直線状に噴出させる所謂ラインタイプであって、互いに対向させた2枚の矩形アルミニウム板からなる1対の電源電極2及び接地電極3と、その4辺を囲む上下左右のホルダ部材4乃至7からなるホルダとによって構成される。下側ホルダ部材7の中央には、前記両電極間に画定される空隙8に連通し、かつ被処理材1に向けて開口する細長い直線状のガス噴出口9が形設されている。更に下側ホルダ部材7には、図10に併せて示されるように、ガス噴出口9の両側に排気口10と、その外側にバリヤガスの噴出口11とが平行に開設されている。
【0005】
放電ガスは、ガス供給源12から前記両電極の外面に設けたジョイント13を介して空隙9の上端に導入される。高周波電源14から前記両電極間に所定の電圧を印加して空隙9内を下向きに流れる放電ガス中で放電させ、それにより生成される励起活性種が含まれる放電ガスを被処理材1の表面に吹き当てる。放電ガスを適当に選択することによって、エッチング、アッシング、表面改質、又は薄膜形成等の様々な表面処理が行われる。この表面処理装置では、細長いガス噴出口9によって被処理材1の表面を2〜3mm幅程度の直線状に局所処理することができ、また被処理材をガス噴出口9と直交する向きに移動させることによって、広い面積を処理することができる。被処理材1表面を処理した後の放電ガスは、排気口10から外部に排出され、また噴出口11から吹き出すヘリウム、アルゴン等の不活性なバリヤガスによるカーテンによって、表面処理されている領域への大気の侵入が防止され、より良好な表面処理が可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の表面処理装置は、両電極2、3間の空隙8が放電ガスの流路となるため、前記電極の4辺と前記ホルダ部材との接合部に気密性が要求されるので、その上辺及び左右両辺が、多数のボルト15、16によって対応する上側及び左右ホルダ部材4〜6と緊密に結合されている。しかし、前記電極のアルミニウムと前記ホルダ部材のセラミック材料とは熱膨張率に大きな差があるため、プラズマ放電の高温によってホルダに割れを生じる虞がある。そこで、両電極2、3には、冷却液の取入口17、流路18及び排出口19からなる冷却系統が設けられ、例えば水等の冷却液を外部から流通させて放電時の前記両電極を冷却している。
【0007】
ところが、放電時に電極を冷却すると、被処理材1表面に吹き付けられる放電ガスの温度が常温程度まで低下する。このため、表面処理能力が低下して、処理レートが大幅に下がったり十分に処理できなくなるという問題がある。例えばエッチングの場合には、被処理材に当たる放電ガスの温度が150〜200℃であると好都合である。そこで、前記表面処理装置では、被処理材1を載置するテーブル20にヒータを内蔵して被処理材を加熱し、処理レートを高める工夫がなされている。しかしながら、テーブルを100℃程度に加熱しても、被処理材表面における放電ガスの温度は50℃程度であるから、エッチングや濡れ性を向上させる表面改質の場合にも高い処理レートが得られず、またアッシングは実質的に処理が困難である。
【0008】
そこで、本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、間接方式により大気圧付近の圧力下で発生させたプラズマを用いた表面処理装置において、電極を冷却させる必要性を無くして高い処理レートを維持しつつ、局所的な表面処理を可能にすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、所定のガスを被処理材の表面に向けて送出するためのガス流路と、前記ガス流路内で前記ガスに大気圧又はその近傍の圧力下で気体放電を発生させ、それにより前記ガスの励起活性種を生成するための一対の電源電極及び接地電極とからなり、前記励起活性種を含む前記ガスを前記被処理材表面に噴出させるようにした表面処理装置であって、前記ガス流路が、2枚の誘電体からなる板を所定の間隔をもって対向させ、かつその間隙に供給される前記ガスを前記誘電体板の一方の側辺から前記被処理材表面に噴出させるように形成され、前記各電極が、前記誘電体板を挟んでその外側に対向配置されることを特徴とする。
【0010】
このように2枚の誘電体板によってガス流路を形成しかつその両側に電極を配置することによって、電極を誘電体板とは別個に、かつ誘電体板に対して緩やかに取り付けることができるので、プラズマ放電の高温による電極の熱膨張が誘電体板に影響を与え、これを破損したりする虞を解消することができる。従って、上述した従来の表面処理装置のように電極に冷却系統を設ける必要が無く、またテーブルにヒータを設けなくても、被処理材表面に吹き付ける放電ガスの温度を高温に維持できるので、表面処理能力が低下せず、様々な表面処理が可能であると共に、高い処理レートを確保することができる。また、誘電体板の一辺から直接放電ガスを被処理材表面に噴出させるので、その間隙の幅を変えることによって表面処理の幅を調整し、所望の局所処理を行うことができる。
【0011】
本発明によれば、両誘電体板をセラミック等の絶縁材料からなるホルダによって保持することができ、かつ該ホルダによって両電極を緩やかに保持することができる。このようにホルダにより一体化することによって装置の組立、取扱い等が簡単になることに加え、電極の熱膨張がホルダに割れを生じる虞が解消され、また誘電体板とホルダの絶縁材料とは熱膨張率にあまり大きな差がないので、これらを互いにきつく結合させても、プラズマ放電の高温による熱膨張の影響で割れを生じたりする虞が無い。
【0012】
また、本発明によれば、電極とホルダとの熱膨張率の差は、電極の周辺部とホルダとの間に遊びを設けることによって吸収することができる。このような遊びは、例えば電極の周辺部を、その一部分においてホルダにボルトで取り付け、かつ他の部分においてホルダとの間に隙間を設けることによって可能である。
【0013】
前記両誘電体板は、その左右両側辺を封止することによって、それらの間に上下方向のガス流路を形成することができ、例えばその上辺側から放電ガスを導入して下辺側から噴出させることができる。誘電体板の左右両側辺は、樹脂材料で接着することによって容易に封止することができ、かつその間隙の幅を調整できるから、必要に応じて表面処理の幅を変えることができる。
【0014】
ホルダには、上述した従来の表面処理装置と同様に、ガスを噴出させる誘電体板の一方の側辺に沿ってかつその両側に排気口を開設することができ、これにより表面処理後の放電ガスを周囲に放散させることなく、集中的に外部に排出させることができる。従って、例えばエッチング、アッシングにより除去された物質が被処理材表面に再付着することを有効に防止できる。更に、排気口の外側に、バリヤガスの噴出口を設けることができ、例えば窒素等の安価で不活性なガスを噴出させることによって、周辺から表面処理されている領域への大気の侵入を防止し、より良好に表面処理を行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照しつつ本発明の好適な実施例について詳細に説明する。図1及び図2には、本発明によるラインタイプの表面処理装置の好適な実施例が示されている。表面処理装置21は、ノズルホルダ22と、その内部に保持された薄い板状のノズル23と、該ノズルの両側に配置された1対の電源電極24及び接地電極25とを備える。ノズルホルダ22は、例えばマイカ等の電気絶縁材料で形成された上下左右4個のホルダ部材26〜29をボルトで一体に結合した四角い枠構造を有する。
【0016】
ノズル23は、図3に併せて示されるように、その間に僅かな空隙30を画定するように対向させた薄い2枚の矩形石英ガラス板31、32で形成される。前記石英ガラス板の左右両側辺は、互いに全長に亘って所定厚さの樹脂材料33で接着されかつ気密に封止され、ノズル23の上端及び下端にそれぞれ開口する細長いスロットの間に空隙30による放電ガスのガス流路が形成される。本実施例では、ノズル23に石英ガラスを使用したが、プラズマ放電に対する十分な耐熱性、及び使用する放電ガスに対する耐食性を有するものであれば、例えばアルミナのような他の様々な誘電体の板を用いることができる。
【0017】
ノズル23は、上側及び下側ホルダ部材26、29の略中央を貫通して、その下端が、被処理材に対面する下側ホルダ部材29の下面から突出しないように、ノズルホルダ22内部に配置される。即ち、ノズル23の下端開口が、放電ガスを被処理材表面に吹き出させる細長い直線状のガス噴出口34を形成する。前記両石英ガラス板を接着する樹脂材料33の厚さを変えることによって、ガス噴出口の幅即ち表面処理の幅を調整することができる。上側ホルダ部材26から突出するノズル23上端には、放電ガスの導入ブロック35が結合され、かつその外面には、ガス供給源36に接続するためのジョイント37が植設されている。
【0018】
電極24、25は、従来と同様に矩形のアルミニウム板で形成されている。図4によく示されるように、電源電極24は、その上辺部及び左側辺部のみが、それぞれ3個のボルト38、39によって対応する上側ホルダ部材26及び左側ホルダ部材27に固定され、かつその下辺部及び右側辺部と対応する下側ホルダ部材29及び右側ホルダ部材28との間には、それぞれ隙間41、40が設けられている。この隙間によって、放電の高温により生じる前記電極とホルダ部材との熱膨張の差を吸収することができる。接地電極25も、電源電極24と同様にして、その上辺部及び左右いずれか一方の側辺部においてボルトで取り付けられている。
【0019】
別の実施例では、ボルト38、39を挿通するために上側及び左側ホルダ部材26、27に設けた孔の直径を前記ボルトの直径より僅かに大きくし、前記両電極がノズルホルダ22に対して、その全4辺において遊びを有するように取り付けることができる。これにより、放電による前記電極の熱膨張をより確実に吸収することができる。また、別の実施例では、前記両電極をその上辺部のみでノズルホルダ22にボルトで固定し、その左右両側辺及び下辺に隙間を設けることができる。
【0020】
図2及び図5に示されるように、下側ホルダ部材29の下面には、ガス噴出口34に沿ってその両側に僅かな距離を置いて、それぞれ細長い直線状の排気口42が開設されている。下側ホルダ部材29の内部には排気通路43が設けられ、かつその外面に設けたジョイント44を介して外部の排気装置に接続される。更に下側ホルダ部材29の下面には、バリヤガスを噴出させるための細長い直線状のガス噴出口45が、各排気口42より外側にそれぞれ距離を隔てて開設されている。同様に、下側ホルダ部材29には、外部のバリヤガス供給源に接続されるジョイント46と、これをガス噴出口45に連通する通路47とが設けられている。
【0021】
図2に示すように、テーブル48上に載置された例えば基板等の被処理材49を表面処理する場合、表面処理装置21は、被処理材49の上方に、その表面との間に例えば1〜2mm程度の僅かな隙間をもって配置される。所定の放電ガスをガス供給源36からジョイント37を介してノズル23内に導入し、空隙30を該放電ガスで置換すると同時に、高周波電源50から電極24に所定の電圧を印加して、該電極と接地電極25との間で放電を発生させる。これにより、空隙30内には、プラズマによる前記放電ガスの解離、電離、励起等によって該放電ガスの励起種、イオン等の活性種が生成される。これら励起活性種は、ガス供給源36から連続的に供給される放電ガスに含まれて、ガス噴出口34からガス流として被処理材49表面に噴出する。
【0022】
前記放電ガスは、実施しようとする表面処理に応じて適当に選択する。本実施例では、ガス噴出口34が、上述したように細長い直線状に開口しているので、これに対応して被処理材49表面を細長い直線状に局所処理することができる。また、ガス供給源36からの放電ガスの流量を変えることによって、被処理材49が複雑な形状を有する場合やその表面に多くの被膜等が形成されて凹凸がある場合にも、所望の狭い部分を選択して良好に表面処理することができる。
【0023】
同時に、前記バリヤガス供給源からヘリウム、アルゴン、窒素等の不活性なバリヤガスを送給し、ジョイント46及び通路47を介してガス噴出口45から被処理材49表面に向けて噴出させる。特に窒素は、ヘリウム、アルゴンに比して安価であるから、コスト低減化の観点から実用に適している。このバリヤガスに囲まれた領域では、周囲の環境から大気が侵入することなく、前記放電ガスによる表面処理が良好に行われる。表面処理を終えた前記放電ガスは、排気口42から排気通路43及びジョイント44を介して外部に強制的に排出される。従って、放電ガスが周囲の環境を汚染したり悪影響を与える虞が無く、またエッチング・アッシング等の場合には、被処理材表面から除去した物質の再付着が有効に防止される。
【0024】
本発明によれば、上述したように両電極24、25を、従来のように全4辺で各ホルダ部材と緊密に結合させるのではなく、少なくともその直交する2辺において遊びを有するように緩やかな状態で取り付けることによって、放電時に前記電極の熱膨張を吸収できるので、ノズルホルダ22に割れを生じる虞がない。また、ノズル23と両電極24、25との間も互いに緊密に結合されていないから、前記電極の熱膨張がノズル23に割れを生じる等の悪影響を及ぼす虞がない。このように本発明によれば、表面処理装置21に電極の冷却系統を設ける必要が無く、ガス噴出口から噴出する放電ガスの温度を高く維持できるので、テーブル48がヒータを内蔵しなくても処理レートを上げることができると共に、電極構造が簡単になり、製造コストを低減できる。しかし、テーブル48にヒータを内蔵したり他の加熱手段を設けて被処理材を加熱すれば、処理レートを高めることができることは言うまでもない。
【0025】
図6及び図7には、それぞれ前記電極をノズルホルダ22に取り付ける構造の別の実施例が示されている。図6の実施例では、電極51の左右両側の上端に突出部52が形成され、かつ左側及び右側ホルダ部材27、28の内側上端に、それぞれ突出部52より僅かに大きい段部53が形成されている。電極51は、前記各突出部を対応する前記段部に載せ、かつその下端は下側ホルダ部材29の上面に凹設した溝54内に僅かに突入させて、所定位置に配置される。このとき、電極51の左右各側辺と左側及び右側ホルダ部材27、28との間、及び電極51の下辺と溝54の底面との間には、それぞれ隙間55、56を設ける。このように、電極51がノズルホルダ22に対して上下及び左右方向に遊びを有するように保持されることによって、図4の実施例と同様に放電時の前記電極の熱膨張を吸収することができる。
【0026】
図7A及びBの実施例では、電極57、58が左側及び右側ホルダ部材27、28間の距離より僅かに大きな幅を有する。左側及び右側ホルダ部材27、28の内面には、前記両電極の左右両端を嵌合させるための溝59、60がそれぞれ凹設されている。各溝59、60は、前記各電極の端面との間に隙間61、62を有するように形成される。また、電極57、58の上端と上側ホルダ部材26との間にも、隙間63が設けられている。このように、電極57、58がノズルホルダ22に対して上下及び左右方向に遊びを有するように保持されるので、放電時の前記電極の熱膨張を吸収することができる。
【0027】
また、上記実施例では、両石英ガラス板31、32の左右両側辺を全長に亘って樹脂材料33で接着することによりノズル23内部に上下方向のガス流路を形成したが、別の実施例では、ノズルの上端付近から樹脂材料を除去して左右側辺に開口を設け、横方向から放電ガスを導入することができる。また、上記実施例の表面処理装置は、ノズル23と電極24、25とを共通のホルダによって保持するように構成したが、本発明によれば、これらを別個に保持した場合にも、上述したようにガス流路を電極と別個に設けることによって、電極の冷却系統を設ける必要が無く、放電による熱膨張率の差を吸収でき、かつ処理レートの向上を図ることができる。
【0028】
【実施例】
図1乃至図3の表面処理装置を用いて、ガラス基板の表面に形成したタンタル(Ta)からなる配線パターンを被覆する酸化タンタル(Ta25)の被膜を狭幅で局所的にエッチングした。処理条件は次の通りであった。
【0029】
Figure 0003653824
【0030】
その結果、ガラス基板の所望の位置に形成されている酸化タンタルの被膜を、ガス噴出口の寸法に対応して2.5mmの狭幅の直線状にエッチングすることができた。また、配線パターンを形成するタンタルと大気との反応によりTaOxやTaNxが形成された様子は認められなかった。これにより、液晶ディスプレイのガラス基板の製造において、従来は微細な部分の処理に用いられていたフォトエッチングに代えて、本発明の表面処理装置を用いることによって、大気圧付近の圧力下でプラズマによるエッチングが可能であることが確認された。
【0031】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
本発明の表面処理装置によれば、ガス流路が2枚の誘電体板により形成され、かつその両側に電極を配設する構成によって、電極を誘電体板とは別個にかつ誘電体板に対して緩やかに取り付けることができるので、プラズマ放電の高温による電極と誘電体板との熱膨張の差を吸収でき、誘電体板の割れ、破損の虞が解消される。従って、電極に冷却系統を設けたりテーブルにヒータを設けなくても、放電ガスの温度を高温に維持できるので、表面処理能力が低下せず、高い処理レートを確保することができる。また、2枚の誘電体板の間隙の幅を変えることによって表面処理の幅を調整し、所望の狭幅で適当な長さの局所処理を行うことができる。
【0032】
また、セラミック等の絶縁材料からなる共通のホルダによって誘電体板と電極とを保持する一体構造の表面処理装置においても、該ホルダにより両電極を緩やかに保持されることによって、電極の熱膨張がホルダに割れを生じる虞を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による表面処理装置の実施例を示す斜視図である。
【図2】図1の表面処理装置の部分断面側面図である。
【図3】図1の表面処理装置に使用するノズルを示す斜視図である。
【図4】図1の表面処理装置の正面図である。
【図5】図1の表面処理装置の底面図である。
【図6】電極の保持構造の別の実施例を示す図3と同様の正面図である。
【図7】A図は、電極の保持構造の更に別の実施例を示す正面図、B図はそのB−B線における断面図である。
【図8】従来の表面処理装置を示す斜視図である。
【図9】図8の表面処理装置の断面図である。
【図10】図8の表面処理装置の底面図である。
【符号の説明】
1 被処理材
2 電源電極
3 接地電極
4〜7 ホルダ部材
8 空隙
9 ガス噴出口
10 排気口
11 噴出口
12 ガス供給源
13 ジョイント
14 高周波電源
15、16 ボルト
17 取入口
18 流路
19 排出口
20 テーブル
21 表面処理装置
22 ノズルホルダ
23 ノズル
24 電源電極
25 接地電極
26〜29 ホルダ部材
30 空隙
31、32 石英ガラス板
33 樹脂材料
34 ガス噴出口
35 導入ブロック
36 ガス供給源
37 ジョイント
38、39 ボルト
40、41 隙間
42 排気口
43 排気通路
44 ジョイント
45 ガス噴出口
46 ジョイント
47 通路
48 テーブル
49 被処理材
50 高周波電源
51 電極
52 突出部
53 段部
54 溝
55、56 隙間
57、58 電極
59、60 溝
61〜63 隙間

Claims (8)

  1. 所定のガスを被処理材の表面に向けて送出するためのガス流路と、前記ガス流路内で前記ガスに大気圧又はその近傍の圧力下で気体放電を発生させ、それにより前記ガスの励起活性種を生成するための一対の電源電極及び接地電極とからなり、前記励起活性種を含む前記ガスを前記被処理材表面に噴出させるようにした表面処理装置であって、
    前記ガス流路が、2枚の誘電体からなる板を所定の間隔をもって対向させ、かつその間隙に供給される前記ガスを前記誘電体板の一方の側辺から前記被処理材表面に噴出させるように形成され、
    前記各電極が、前記誘電体板を挟んでその外側に対向配置され
    前記誘電体板と前記電極とが、絶縁材料からなる共通のホルダに保持され、
    前記ホルダが、前記ガスを噴出させる前記誘電体板の前記一方の側辺に沿ってかつその両側に開設した排気口と前記排気口に連通するように内設した排気通路とを有し、更に、前記各排気口に沿ってその外側にバリヤガスを噴出させるためのバリヤガス噴出口を開設しかつ前記バリヤガス噴出口にバリヤガスを供給するための通路を内設したことを特徴とする表面処理装置。
  2. 前記電極が前記ホルダに緩やかに保持されていることを特徴とする請求項1記載の表面処理装置。
  3. 前記電極が、その周辺部において少なくとも部分的に前記ホルダとの間に遊びを有するように保持されていることを特徴とする請求項2記載の表面処理装置。
  4. 前記電極の周辺部が、その一部分において前記ホルダにボルトで取り付けられ、かつ他の部分において前記ホルダとの間に隙間が設けられていることを特徴とする請求項3記載の表面処理装置。
  5. 前記ホルダがセラミック材料からなることを特徴とする請求項乃至4のいずれか記載の表面処理装置。
  6. 前記誘電体板の左右両側辺が封止されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の表面処理装置。
  7. 前記誘電体板が、その左右両側辺に沿って樹脂材料で接合されていることを特徴とする請求項記載の表面処理装置。
  8. 前記バリヤガスが窒素であることを特徴とする請求項記載の表面処理装置。
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