JP4551290B2 - 撥水化用常圧プラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

この発明は、所謂ダイレクト式の常圧プラズマ処理装置に関し、特に撥水化処理等のプラズマ空間への酸素混入を嫌う処理に適した常圧プラズマ処理装置に関する。
撥水化処理用等のプラズマプロセスには、真空プラズマが多く用いられている。真空プラズマは、高いガス分解効率を実現するのが容易であるため、使用ガス量が少なくて済む。一方、例えば液晶分野等において基板サイズの増大に伴い、大掛かりな真空設備を要し高価格化を招いている。
そうした背景から真空設備が不要で低価格化が可能な常圧プラズマが着目されている。常圧プラズマ処理装置は、高圧電極と接地電極を有している。これら電極間にプロセスガスを導入するとともに大気圧下でプラズマを形成する。この電極間に基板を配置し、基板をプラズマに直接晒して、基板の表面をプラズマ処理する所謂ダイレクト方式と、基板を電極間の外側に配置し、電極間からプラズマガスを吹出し、基板に当てる所謂リモート方式とがある。上記高圧電極又は基板のどちらか一方が、スキャンされることにより、大型の基板に対応することができる。現在、このスキャン速度(搬送速度)の高速化に向けた開発が進められている。
特開2004−228136号公報
搬送速度を高速化すると、実質的な処理時間(プラズマが照射される時間)が短くなるだけでなく、外部雰囲気中の酸素がプラズマ空間に巻き込まれる量が増える。一方、撥水化処理等においてはプロセスガス中に酸素混入があると処理能力が低下してしまう。この対策としてプロセスガスの流速を大きくすれば、外部雰囲気が巻き込まれようとするのを押し返すことができる。しかし、プロセスガスの使用量の増大を招き、ランニングコストの観点から望ましくない。
発明者らは、ダイレクト式の常圧プラズマ処理装置において、高速スキャンに向けて鋭意研究を行なった。装置構成は、基板の表面に沿う処理通路にプロセスガスを流すとともに前記処理通路の一部を略大気圧のプラズマ空間にし、前記基板の表面をプラズマ処理するものであって、前記プラズマ空間を形成するための電極と、前記基板と対向して前記処理通路を形成する基板対向面とを有し、前記基板対向面には前記処理通路の上流端に連なるプロセスガスの導入口と前記処理通路の下流端に連なる排気口とが設けられた処理ヘッドと、前記基板を前記処理ヘッドに対し前記処理通路の延び方向(ガス流通方向の順方向又は逆方向)に沿って相対移動させる搬送機構と、を備えたダイレクト式の常圧プラズマ処理装置とした。
図3は、上記構成の常圧プラズマ処理装置によってガラス基板上のレジスト膜を撥水化処理した結果を示したものである。接触角で評価される処理能力は、基板の搬送速度が0.5〜3m/minの範囲ではほぼ一定であったのに対し、4m/minにおいて大幅に低下した。この現象は、外部空気が粘性によってプラズマ空間に巻き込まれ、この巻き込まれた空気中の酸素が撥水化のための反応を阻害したためと推測される。
さらに、発明者らは搬送速度だけでなくガス流速や装置の寸法構成も含めて検討を進めたところ、表1に示すデータを得た。
Figure 0004551290
表1において、Lは、前記処理通路におけるプラズマ空間の下流端から排気口までの距離すなわち処理通路のプラズマ空間より下流側の部分の長さ(mm)であり、L=60mmとL=90mmの2通りとした。
Vfは、前記処理通路でのプロセスガス流速であり、Vf=306mm/sec=18.36m/minと、Vf=612mm/sec=36.72m/minの2通りとした。
Vsは、前記搬送機構による搬送速度であり、Vs=25mm/sec=1.5m/minと、Vs=50mm/sec=3.0m/minの2通りとした。前記処理ヘッドを固定し、基板を前記排気口から前記導入口へ向かう方向(前記処理通路でのプロセスガスの流れとは逆方向)に搬送させた。
CAは、撥水化処理後の基板表面の接触角である。
その他の条件は下記の通りである。
プロセスガス;N 67vol%、CF 33vol%
電源;投入電圧 20kV、周波数 20kHz
処理ヘッドの下面と基板の間のギャップ;1.0mm
図4は、表1をグラフ化したものである。同図の横軸は、L×Vf/Vs(単位:mm)である。
上記の結果より、十分な処理能力を得る条件として次式1aが導かれた。
k=L×Vf/Vs>700 …(式1a)
次式2aが満たされることが、より好ましい。
k=L×Vf/Vs>1400 …(式2a)
上記表1及び図4のデータは大気雰囲気下でのものであり、プラズマ空間に巻き込まれて来る雰囲気中の酸素濃度は、約20%であった。一方、雰囲気中の酸素濃度が変われば、それに伴って、巻き込まれる酸素量も変わるため、前記kの下限値が変わる。
雰囲気中の酸素濃度をも考慮すると、式1a及び式2aは、それぞれ次式1及び2に書き換えられる。
k=L×Vf/Vs>700×r …(式1)
k=L×Vf/Vs>1400×r …(式2)
ここで、rは、大気中の酸素濃度(約20%)に対する雰囲気中の酸素濃度(厳密には前記排気口でのプロセスガスを除く雰囲気中の酸素濃度)の比である。
本発明は、上記研究・考察によってなされたものであり、
基板の表面に沿う処理通路にフッ化炭素化合物を含むプロセスガスを流すとともに前記処理通路の一部を略大気圧のプラズマ空間にし、前記基板の表面を撥水化処理する撥水化処理用常圧プラズマ処理装置であって、
電源に接続されて、接地電極との間に前記プラズマ空間を形成するための高圧電極と、前記基板と対向して前記処理通路を形成する基板対向面とを有し、前記基板対向面には前記処理通路の上流端に連なるプロセスガスの導入口と前記処理通路の下流端に連なる排気口とが設けられた処理ヘッドと、
前記基板を前記処理ヘッドに対し前記処理通路の延び方向に沿って相対移動させる搬送機構と、を備え、
前記搬送機構が前記基板を前記処理ヘッドに対し前記排気口の側から前記導入口の側へ相対移動させるときの搬送速度VsがVs≧4m/minであり、かつ次の式1の関係が満たされ、前記プラズマ空間の下流端での酸素濃度が100ppm以下であり、前記処理通路の厚さが1mm程度であることを特徴とする。
L×Vf/Vs>700×r (式1)
ここで、
L:前記プラズマ空間の下流端から排気口までの距離(mm)
Vf:前記処理通路でのプロセスガス流速
r:大気中の酸素濃度に対する排気口でのプロセスガスを除く雰囲気中の酸素濃度の比
より好ましくは、上記式1に代えて、次の式2の関係が満たされることを特徴とする。
L×Vf/Vs>1400×r (式2)
これによって、雰囲気が処理通路に巻き込まれるのを防止ないし抑制でき、プラズマ空間の下流端から排気口までの距離Lを十分にとれば、搬送速度Vsを大きくしても、プロセスガスの使用量を増やすことなく処理能力を維持することができる。
前記搬送機構による搬送速度Vsは、好ましくはVs>2m/minであり、より好ましくはVs4m/minであり、前記基板を前記処理ヘッドに対し前記排気口の側から前記導入口の側へ相対移動させるときはVs≧4m/minである。本発明によれば、Vs>2m/minは勿論、Vs4m/minの高速スキャン下でも、雰囲気が処理通路に巻き込まれるのを確実に防止ないし抑制でき、処理能力を確実に維持することができる。
本発明は、プロセスガスへの酸素混入を可及的に少なくすべき撥水化処理に好適である。撥水化処理の場合のプロセスガスは、CF等のフッ化炭素化合物を主成分とするのが好ましく、これに窒素を含ませるのが好ましい。
処理通路の下流側部での酸素濃度は、プラズマ空間に近い位置ほど小さくなると考えられる。
撥水化処理では、プラズマ空間での酸素濃度が100ppm以下であることが求められる。そこで、プラズマ空間の下流端での酸素濃度が100ppm以下になるように上記L、Vf、Vs、rを設定するのが好ましい。これによって、撥水化処理における処理能力を確実に確保することができる。
前記処理ヘッドには前記排気口を挟んで前記処理通路の反対側にカーテンガスの吹出し部を設け、前記処理通路のプロセスガス流量と、前記吹出し部からのカーテンガス流量と、前記排気口からの排気流量とによって、前記rを調節することが好ましい。
本発明は、略常圧(大気圧近傍)の圧力環境での常圧プラズマ処理に特に効果的である。ここで、略常圧とは、1.013×104〜50.663×104Paの範囲を言い、圧力調整の容易化や装置構成の簡便化を考慮すると、1.333×104〜10.664×104Paが好ましく、9.331×104〜10.397×104Paがより好ましい。
本発明によれば、雰囲気中の酸素が処理通路に巻き込まれるのを防止ないし抑制して処理能力を維持でき、プロセスガスの使用量増加を抑えながら高速処理を行なうことができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
図1は、第1実施形態に係る撥水化処理用のダイレクト式常圧プラズマ処理装置Mを示したものである。常圧プラズマ処理装置Mの周辺の雰囲気は大気である。
装置Mは、処理ヘッド10と、ステージ20を備えている。処理ヘッド10は、装置フレーム(図示せず)に固定、支持されている。処理ヘッド10は、左右一対の処理ユニット11を有している。これら処理ユニット11は、左右対称形状になっているが、形状、寸法、構造等を互いに異ならせてもよい。各処理ユニット11は、ユニット本体12と、このユニット本体12に保持された高圧電極13を有している。
2つの処理ユニット11の高圧電極13に共通の電源(図示せず)が接続されている。
各処理ユニット11のユニット本体12と高圧電極13の下面には固体誘電体層としてのセラミック板14が設けられている。
2つの処理ユニット11の間にスリット状の導入路15が形成されている。導入路15の上端部にプロセスガス源2が連なっている。導入路15の下端の開口15aが、プロセスガス導入口になっている。
プロセスガス源2は、撥水化処理用のプロセスガスとしてCF等のフッ化炭素化合物と窒素を適量ずつ混合して処理ヘッド10の導入路15に供給するようになっている。
処理ヘッド10の左右両側部には、排気筒17がそれぞれ設けられている。排気筒17の下端面は、処理ユニット11の下面と面一になっているが非面一になっていてもよい。この排気筒17の下端面にスリット状の排気口17aが形成されている。排気筒17の上端部は、図示しない吸引ポンプなどの排気手段に接続されている。
処理ヘッド10の下側にステージ20が配置されている。ステージ20は、金属にて構成されるとともに、電気的に接地され、接地電極を構成している。
ステージ20には搬送機構21が接続されている。この搬送機構21によって、ステージ20が、左右方向に移動されるようになっている。
ステージ20の上面に、処理すべき液晶ガラス等の大面積の基板Wが設置されるようになっている。詳細な図示は省略するが、基板Wの上面にはレジスト膜が被膜されている。
処理ヘッド10の左右の処理ユニット11とステージ20上の基板Wとの間には、それぞれ処理通路16が形成されるようになっている。左側の処理通路16の上流端は、プロセスガス導入口15aに連なり、下流端は、左側の排気口17aに連なっている。右側の処理通路16の上流端は、プロセスガス導入口15aに連なり、下流端は、右側の排気口17aに連なっている。
各処理ユニット11の下面は、基板対向面を構成している。
なお、基板Wは、左右方向だけでなく図1の紙面と直交する前後方向(幅方向)にも長さを有している。
高圧電極13をはじめとする処理ヘッド構成部材11〜14,17及び空間部15,15a,16,17aの前後方向の幅寸法は、基板Wの前後方向の幅寸法と略同じか、それより大きくなるように設定されている。
ここで、処理通路16の下流側部16cの左右長さをL(mm)とし、ステージ20の搬送速度をVs(m/min)とし、処理通路16でのプロセスガスの流速をVf(m/min)とすると、次式の関係を満たすように設定しておく。処理通路16の下流側部16cの長さLは、処理通路16の中央の後記プラズマ空間16aの下流端から排気口17aまでの距離を指し、高圧電極13の排気口17a側の縁から排気口17aまでの距離と同等である。
L×Vf/Vs>700(mm) (式1a)
より好ましくは、次式の関係を満たすように設定しておく。
L×Vf/Vs>1400(mm) (式2a)
上記構成において、電源から各高圧電極13への電圧供給により、各処理通路16の中間部(高圧電極13とステージ20上の基板Wとの間の部分)が大気圧プラズマ空間16aとなる。
上記電圧供給と併行して、プロセスガスが、供給路及び導入路15を順次経て、導入口15aから吹き出される。導入口15aから吹き出されたプロセスガスは、左右に分流する。
左側に分流したプロセスガスは、左側の処理通路16の上流側部16bを経て、左側の処理通路16の中間のプラズマ空間16aに入る。プロセスガスは、このプラズマ空間16aにおいてプラズマ化され、基板Wと接触して反応を起こす。これによって、基板Wの表面のレジスト膜を撥水化処理することができる。プロセスガスは、さらに左方向へ流れ、左側の処理通路16の下流側部16cを経て、左側の排気口17aに吸い込まれ、排気される。
同様に、右側に分流したプロセスガスは、右側の処理通路16の上流側部16bを経て、右側のプラズマ空間16aに入ってプラズマ化され、基板Wの表面のレジスト膜を撥水化処理し、さらに、右側の処理通路16の下流側部16cを経て、右側の排気口17aから排気される。
同時に図1の矢印に示すように、ステージ20ひいては基板Wが左右に搬送される。これにより、基板Wの全面を撥水化処理することができる。
ここで、基板Wが例えば左側から右方向へ搬送される時、基板Wの左側部分の上方の大気が粘性によって左側の処理通路16の下流側部16cに巻き込まれようとする。(なお、この時、右側の処理通路16では大気の巻き込みはほとんど起きない。)
一方、処理通路16の下流側部16cの長さLと、搬送速度Vsと、処理通路16でのプロセスガス流速Vfとが、上記式1a及び式2aを満たすように設定されているため、左側の処理通路16の下流側部16cに巻き込まれた大気が左側のプラズマ空間16aにまで達するのを防止ないし低減することができる。これにより、左側のプラズマ空間16aに侵入する大気中の酸素濃度をゼロないし僅少(100ppm以下)に抑えることができる。
同様に、基板Wが右側から左方向へ搬送される時は、大気が右側の処理通路16の下流側部16cに巻き込まれようとするが、この巻き込まれた大気が右側のプラズマ空間16aにまで達するのを防止ないし低減でき、右側のプラズマ空間16aに侵入する大気中の酸素濃度をゼロないし僅少(100ppm以下)に抑えることができる。
これによって、処理能力を十分に維持することができる。
各処理通路16の下流側部16cの長さLを十分にとれば、搬送速度Vsを大きくしても、プロセスガスの使用量を増やすことなく処理能力を十分に維持することができる。例えば、搬送速度Vsを、Vs=4m/min程度の高速にしても、処理能力を十分に維持することができる。この結果、処理能力を維持しながら高速処理を行なうことができる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において既述実施形態と重複する構成に関しては図面に同一符号を付して説明を省略する。
図2に示すように、第2実施形態では、処理ヘッド10の左右の排気筒17の外側にカーテンガス吹出し部としてのノズル18がそれぞれ設けられている。各吹出しノズル18にカーテンガス源(図示せず)が連なっている。カーテンガスとして窒素(N)が用いられている。カーテンガスはプロセスガス用の窒素源と共用してもよい。
第2実施形態によれば、基板Wの処理時には左右の吹出しノズル18の吹出し口18aから窒素ガスを吹出す。これによって、吹出しノズル18の下端と基板Wの間に窒素ガスカーテンを形成することができ、外部雰囲気の大気が、吹出しノズル18より排気口17aの側ひいては処理通路16に入り込むのを一層確実に防止ないし抑制することができる。これにより、処理能力を一層確実に維持することができる。
第2実施形態においては、次式が成り立つように設定する。
L×Vf/Vs>700×r (式1)
L×Vf/Vs>1400×r (式2)
ここで、rは、
r=(排気口17aでの雰囲気中の酸素濃度)/(大気中の酸素濃度) (式3)
である。大気中の酸素濃度は約20%である。プロセスガス流量をQp、カーテンガス流量をQc、排気口17aからの排気流量をQs、大気の巻き込み流量をQaとすると、以下の関係がある。
Qs=Qp+Qc+Qa (式4)
排気口17aでの雰囲気流量Q1は、下式5の通り、カーテンガス流量Qcと大気の巻き込み流量Qaの和であり、全体のガス流量Qp+Qc+Qa(=Qs)からプロセスガス流量Qpを差し引いた大きさになる。
Q1=Qa+Qc
=Qs−Qp (式5)
式3〜式5より、rは次式で表され、プロセスガス流量Qpとカーテンガス流量Qcと排気流量Qsとによって調節することができる。
r=(Qs−Qp−Qc)/(Qs−Qp) (式6)
上記の設定によって、外部雰囲気中の酸素が処理通路16まで侵入するのを確実に防止でき、プロセスガスの使用量を増やすことなく処理能力を一層確実に維持できる。また、処理通路16の下流側部16cの長さLを第1実施形態より短くできるとともに、一層の高速スキャンを実現することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の改変をなすことができる。
例えば、上記実施形態では、処理ヘッド10が固定され、基板Wが移動されるようになっていたが、基板Wが固定され、処理ヘッド10が移動されるようになっていてもよい。
処理ヘッド10は、2つの処理ユニット11を有し、プロセスガスが中央から左右2方向に分流するようになっていたが、1つの処理ユニット11だけで構成し、プロセスガスの全量が1つの処理ユニット11の一端部から他端部へ流れるようになっていてもよい。
実施例を説明する。
図1と同様の装置Mを用いて、撥水化処理を行なった。装置Mの寸法構成及び処理条件は、以下の通りである。
高圧電極13の寸法:40mm(左右)×700(前後)
処理ヘッド10と基板Wの間のギャップ(処理通路16の厚さ):1mm
投入電力:1kW(20kHzのパルス波)
基板W:ガラス(#1737)、880mm(左右長さ)×680mm(前後幅)
基板Wの表面のレジスト膜の処理前接触角:70°(対水)
プロセスガス:N 40slm、CF 20slm
各処理通路16のプロセスガス流量:Qp=30slm
各処理通路16の下流側部16cの長さ:L=90mm
各処理通路16でのプロセスガス流速:Vf=42.8m/min
搬送速度:Vs=4m/min
したがって、L×Vf/Vs=963(mm)>700(mm)となり、式1aを満たす。
その結果、処理後の基板表面のレジスト膜の水に対する接触角を110°にすることができ、Vs=4m/minの高速スキャン下で十分な撥水表面を得ることができた。
図2と同様の装置Mを用いて、撥水化処理を行なった。装置Mの寸法構成及び処理条件は、以下の通りである。
高圧電極13の寸法:40mm(左右)×700(前後)
処理ヘッド10と基板Wの間のギャップ(処理通路16の厚さ):1mm
投入電力:1kW(20kHzのパルス波)
基板W:ガラス(#1737)、880mm(左右長さ)×680mm(前後幅)
基板Wの表面のレジスト膜の処理前接触角: 70°(対水)
プロセスガス:N 20slm、CF 10slm
各処理通路16のプロセスガス流量:Qp=15slm
各ノズル18からのカーテンガス流量:Qc=17.5slm
各排気口17aからの排気流量:Qs=50l/min
大気中の酸素濃度に対する巻き込み酸素濃度の比:r=0.5
各処理通路16の下流側部16cの長さ:L=90mm
各処理通路16でのプロセスガス流速:Vf=21.4m/min
搬送速度:Vs=4m/min
したがって、L×Vf/Vs=482(mm)>700(mm)×r=350(mm)となり、式1を満たす。
その結果、処理後の基板表面のレジスト膜の接触角CAを、CA>100°にすることができ、Vs=4m/minの高速スキャン下で十分な撥水表面を得ることができた。ガスカーテンを形成することにより、処理通路16の下流側部16cの長さL及びプロセスガスの使用量を実施例1(ガスカーテン無し)の場合より十分に小さくできることが確認された。
本発明は、例えば、液晶ガラスなどの基板を撥水化する処理に適用可能である。
本発明の第1実施形態に係る撥水化処理用のダイレクト式常圧プラズマ処理装置の概略構成を示す正面図である。 本発明の第2実施形態に係る撥水化処理用のダイレクト式常圧プラズマ処理装置の概略構成を示す正面図である。 本発明をなすに至る研究課程において、ダイレクト式常圧プラズマ処理装置によってガラス基板上のレジスト膜を撥水化処理した際の搬送速度に対する処理後接触角を示すグラフである。 本発明をなすに至る研究課程において、ダイレクト式常圧プラズマ処理装置の処理通路の下流側部の長さと、処理通路でのプロセスガス流速と、搬送速度を調節した場合の撥水化処理後の接触角を示すグラフである。
符号の説明
M 撥水化処理用のダイレクト式常圧プラズマ処理装置
W 基板
2 プロセスガス源
10 処理ヘッド
11 処理ユニット
12 ユニット本体
13 高圧電極
14 セラミック板
15 導入路
15a プロセスガス導入口
16 処理通路
16a プラズマ空間
16b 処理通路16の上流側部
16c 処理通路の下流側部
17 排気筒
17a スリット状の排気口
18 カーテンガス吹出しノズル(カーテンガス吹出し部)
20 ステージ
21 搬送機構
L 処理通路の下流側部の長さ(プラズマ空間の下流端から排気口までの距離)

Claims (3)

  1. 基板の表面に沿う処理通路にフッ化炭素化合物を含むプロセスガスを流すとともに前記処理通路の一部を略大気圧のプラズマ空間にし、前記基板の表面を撥水化処理する常圧プラズマ処理装置であって、
    電源に接続されて、接地電極との間に前記プラズマ空間を形成するための高圧電極と、前記基板と対向して前記処理通路を形成する基板対向面とを有し、前記基板対向面には前記処理通路の上流端に連なるプロセスガスの導入口と前記処理通路の下流端に連なる排気口とが設けられた処理ヘッドと、
    前記基板を前記処理ヘッドに対し前記処理通路の延び方向に沿って相対移動させる搬送機構と、を備え、
    前記搬送機構が前記基板を前記処理ヘッドに対し前記排気口の側から前記導入口の側へ相対移動させるときの搬送速度VsがVs≧4m/minであり、かつ次の式1の関係が満たされ、前記プラズマ空間の下流端での酸素濃度が100ppm以下であり、前記処理通路の厚さが1mm程度であることを特徴とする撥水化処理用常圧プラズマ処理装置。
    L×Vf/Vs>700×r (式1)
    ここで、
    L:前記プラズマ空間の下流端から排気口までの距離(mm)
    Vf:前記処理通路でのプロセスガス流速
    r:大気中の酸素濃度に対する排気口でのプロセスガスを除く雰囲気中の酸素濃度の比
  2. 上記式1に代えて、次の式2の関係が満たされることを特徴とする請求項1に記載の撥水化処理用常圧プラズマ処理装置。
    L×Vf/Vs>1400×r (式2)
  3. 前記処理ヘッドの前記基板対向面には、カーテンガスを吹き出す吹出し口が設けられており、前記吹出し口と前記導入口とが前記排気口を挟んで互いに反対側に設けられ、前記rが、前記処理通路のプロセスガス流量と、前記吹出し口からのカーテンガス流量と、前記排気口からの排気流量とによって調節されることを特徴とする請求項1又は2に記載の撥水化処理用常圧プラズマ処理装置。
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