JP2012191001A - 表面処理方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被処理基板の第1面の表面処理を抑制又は防止しながら、第1面とは反対側の第2面を反応ガスにて表面処理する。
【解決手段】搬送手段2にて被処理基板9を搬送路3に沿って搬送し、反応室10に搬入する。被処理基板9の第1面9aを搬送路3と直交する方向の第1側に向け、かつ第2面9bを第2側に向ける。反応ガスを供給部30の供給口39から反応室10に供給する。反応室10内の搬送路3より第1側の第1室部11のうち被処理基板9にて第2室部12と隔てられた第1隔室部分11aに置換手段50から不活性ガスからなる置換ガスを供給し、第1隔室部分11aのガスを置換ガスに置換する。
【選択図】図5

Description

この発明は、被処理基板の表面を処理する方法及び装置に関し、特にガラス基板の裏面を軽く粗面化する程度にエッチングする等の表面処理に適した方法及び装置に関する。
例えば、特許文献1、2等には、フッ化水素(HF)を含む処理ガスをガラス基板に接触させ、ガラス基板の表面のシリコン含有物をエッチングすることが記載されている。上記処理ガスは、例えばCF等のフッ素系化合物を含む原料ガスに水(HO)を添加した後、上記原料ガスを大気圧放電によってプラズマ化することによって形成する。プラズマ化によってフッ化水素が生成される(式1)。
CF+2HO→4HF+CO (式1)
処理ガスがガラス基板に接触すると、フッ化水素及び水が凝縮し、ガラス基板の表面にフッ酸水の凝縮層が形成される。そして、例えば下式2に示すエッチング反応が起き、ガラス基板の表面のシリコン含有物がエッチングされる。
SiO+4HF+HO→SiF+3HO (式2)
国際公開第WO2008/102807号 特開2007−294642号公報
上掲特許文献1、2等に開示されたエッチング処理技術は、例えばガラス基板の裏面を軽く粗化する処理等に適用できる。裏面を軽く粗化しておくことによって、そのガラス基板をステージに載置して主面(おもて側の面)を表面処理し、ステージから搬出する際、ガラス基板をステージから容易に引き離すことができる。
上記エッチング処理によるガラス基板の裏面の粗化度は、ガラス基板をステージから容易に引き離すことができる範囲内でなるべく小さいことが好ましい。粗化度が大き過ぎると、その後の主面の表面処理の際、ガラス基板をステージに密着させにくくなったりガラス基板の光学特性が損なわれたりするおそれがある。
しかし、エッチング用の処理ガスが、拡散によってガラス基板の主面にも接触することが考えられる。そうすると、主面までもが粗面化されてしまう。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、被処理基板の第1面(例えばおもて面)が表面処理されるのを抑制又は防止しながら、裏側の第2面を表面処理することにある。
上記問題点を解決するために、本発明方法は、第1面と該第1面の裏側の第2面とを有する被処理基板における前記第2面を反応ガスにて処理する表面処理方法であって、
前記第1面を搬送路と直交する方向の第1側に向け、かつ前記第2面を前記直交方向の前記第1側とは反対の第2側に向けた状態で、前記被処理基板を前記搬送路に沿って搬送し、
前記搬送路に介在された反応室の少なくとも前記搬送路より前記第2側の第2室部に前記反応ガスを供給し、
前記反応室の前記搬送路より前記第1側の第1室部における前記被処理基板にて前記第2室部と隔てられた第1隔室部分のガスを不活性ガスからなる置換ガスに置換することを特徴とする。
被処理基板の第2面には反応ガスを接触させることで、第2面を表面処理することができる。このとき、第1面には置換ガスを接触させ、反応ガスが第1面になるべく接触しないようにできる。これによって、第1面の表面処理を抑制又は防止することができる。
前記置換ガスを、前記反応室より前記搬送路の上流側かつ前記搬送路より前記第1側から前記被処理基板の搬送方向と同方向に流すことが好ましい。これによって、置換ガスを被処理基板の搬送方向に沿って第1隔室部分内に導入でき、第1隔室部分内に被処理基板と同方向の置換ガスの流れを形成できる。この置換ガスの流れによって、第1隔室部分内の反応ガスを搬送方向の下流側へ押し出すことができ、さらには被処理基板よりも搬送方向の下流側の反応ガスが第1隔室部分内に入り込むのを阻止することができる。
前記第1面が表面処理されるのを防止する観点からは、前記第1隔室部分内における前記置換ガスの流速(線速度)は、前記被処理基板の搬送速度の好ましくは0.8倍以上であり、より好ましくは0.9倍〜4倍であり、更に好ましくは1倍〜2.2倍である。前記第2面を確実に表面処理する観点からは、前記第1隔室部分内における前記置換ガスの流速は、前記被処理基板の搬送速度の好ましくは2.5倍以下である。
置換ガスの流速(線速度)は、置換ガスの流量(体積速度)や第1隔壁部分の流路断面積によって調節できる。
本発明装置は、第1面と該第1面の裏側の第2面とを有する被処理基板における前記第2面を反応ガスにて処理する表面処理装置であって、
前記第1面を搬送路と直交する方向の第1側に向け、かつ前記第2面を前記直交方向の前記第1側とは反対の第2側に向けた状態で、前記被処理基板を前記搬送路に沿って搬送する搬送手段と、
前記搬送路に介在される反応室を画成する画成部と、
前記反応室の前記搬送路より前記第2側の第2室部に開口する供給口を有し、前記反応ガスを前記供給口から前記反応室に供給する供給部と、
前記被処理基板の搬送と連携して、前記反応室の前記搬送路より前記第1側の第1室部における前記被処理基板にて前記第2室部と隔てられた第1隔室部分のガスを不活性ガスからなる置換ガスに置換する置換手段と、
を備えたことを特徴とする。
搬送手段にて被処理基板を反応室に通す。反応ガスを供給部の供給口から吹き出すことで、反応室の少なくとも第2室部に反応ガスを供給できる。これによって、被処理基板の第2面に反応ガスを接触させ、第2面を表面処理することができる。このとき、第1面には置換ガスを接触させ、反応ガスが第1面になるべく接触しないようにできる。これによって、第1面の表面処理を抑制又は防止することができる。
前記置換手段が、前記置換ガスを吹き出す置換ノズルを含み、前記置換ノズルが、前記反応室より前記搬送路の上流側かつ前記搬送路より前記第1側に配置されていることが好ましい。
これによって、置換ガスを、反応室より搬送路の上流側かつ搬送路より第1側から被処理基板の搬送方向と同方向に流すことができる。したがって、置換ガスを被処理基板の搬送方向に沿って第1隔室部分内に導入でき、第1隔室部分内に被処理基板と同方向の置換ガスの流れを形成できる。この置換ガスの流れによって、第1隔室部分内の反応ガスを搬送方向の下流側へ押し出すことができ、さらには被処理基板よりも搬送方向の下流側の反応ガスが第1隔室部分内に入り込むのを阻止することができる。
前記置換ノズルの吹出し口が、前記搬送路の下流側に向けて開口していることが好ましい。これによって、置換ガスを被処理基板の搬送方向に沿って第1隔室部分内に確実に導入できる。置換ガスが系外へ漏出する割合を減らすことができ、置換ガスの使用量を節減できる。
前記第2室部における前記供給口より前記搬送路の上流側に、ガスを吸い込む搬入側吸引口が設けられていることが好ましい。これによって、被処理基板の搬送方向の後端部の第1面が表面処理されるのを確実に防止できる。
本発明は、大気圧近傍下で行なう表面処理に好適である。前記反応ガスは大気圧近傍下で原料ガスをプラズマ化することによって生成することが好ましい。ここで、大気圧近傍とは、1.013×10〜50.663×10Paの範囲を言い、圧力調整の容易化や装置構成の簡便化を考慮すると、1.333×10〜10.664×10Paが好ましく、9.331×10〜10.397×10Paがより好ましい。
本発明によれば、被処理基板の第1面の表面処理を抑制又は防止しながら、裏側の第2面を表面処理することができる。
本発明の一実施形態に係る表面処理装置を示す側面断面図である。 図1のII-II線に沿う上記表面処理装置の正面断面図である。 図1のIII-III線に沿う上記表面処理装置の背面断面図である。 上記表面処理装置を、被処理基板が置換ノズルの吹出し口より搬送方向の上流側に位置する状態で、拡大して示す側面断面図である。 上記表面処理装置を、被処理基板の搬送方向の先端部が置換ノズルの吹出し口より搬送方向の下流側に突出した状態で、拡大して示す側面断面図である。 上記表面処理装置を、被処理基板の搬送方向の先端部が搬入口に入り込んだ状態で、拡大して示す側面断面図である。 上記表面処理装置を、被処理基板の搬送方向の先端部が反応室の中間部に在る状態で、拡大して示す側面断面図である。 上記表面処理装置を、被処理基板の搬送方向の後端部が反応室の中間部に在る状態で、拡大して示す側面断面図である。 実施例1の結果を示すグラフであり、(a)は第1面の測定結果であり、(b)は第2面の測定結果である。 実施例2の結果を示し、速度比に対する第1面及び第2面の面粗度のグラフである。 実施例2の結果を示し、速度比に対する処理比のグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1〜図3は、本発明の第1実施形態を示したものである。被処理基板9は、例えばフラットパネルディスプレイ等の半導体装置になるべきガラス基板である。ガラス基板9は、SiO等のシリコン含有物を主成分として含んでいる。ガラス基板9は、四角形の平板状をなし、おもて側の第1面9aと、その裏側の第2面9bとを有している。第1面9aは、絶縁層、導電層、半導体層等の各種電子素子層が設けられるべき主面である。第2面9bは、表面処理装置1による処理対象となる裏面である。この実施形態では、表面処理装置1によって第2面9bの粗化(エッチング)を行なう。そのうえで、第1面9aに対し、他の表面処理装置によって上記各種電子素子層を形成するための表面処理を行なう。ガラス基板9の厚さは、例えば0.5mm〜0.7mm程度である。
図1に示すように、表面処理装置1は、搬送手段2と、画成部20と、反応ガスの供給部30を備えている。搬送手段2は、例えばローラコンベアにて構成されているが、これに限られるものではなく、ロボットアーム、移動ステージ、浮上ステージ等にて構成されていてもよく、複数種の搬送手段が組み合わされていてもよい。被処理基板9が、搬送手段2によって図1の一点鎖線にて示す帯状の搬送路3上に水平に支持され、かつ矢印aにて示す搬送方向(図1において左)に搬送される。搬送手段2は、被処理基板9の支持手段を兼ねている。被処理基板9の第1面9aは、上方(搬送路3と直交する方向の第1側)に向けられ、第2面9bは、下方(搬送路3と直交する方向の第1側とは反対の第2側)に向けられている。被処理基板9の長手方向は、搬送路3の路長方向(図1において左右)に向けられ、被処理基板9の幅方向は、搬送路3の幅方向w(図1において紙面と直交する方向、図2及び図3において左右)に向けられている。被処理基板9の搬送速度は、後述する置換ガスの流速(線速度)との関係で設定するのが好ましく、例えば0.1m/min〜20m/min程度が好ましい。
図1及び図2に示すように、画成部20は、天板21と、底部構造体22と、一対の側壁23,23を有している。天板21は水平な四角形の板にて構成されている。天板21の下方に少し離れて底部構造体22が配置されている。底部構造体22は、直方体の容器状になっている。上側の天板21と下側の底部構造体22との間に反応室10が画成されている。
図1に示すように、反応室10の搬送方向aの両端部は、開口されている。反応室10の搬送方向aの上流側の端部(図1において右)が、搬入口13を構成している。反応室10の搬送方向aの下流側の端部(図1において左)が、搬出口14を構成している。図2に示すように、反応室10の幅方向wの両端部が側壁23にて塞がれている。
画成部構成部材21,22,23は、アルミニウム等の金属にて構成されていてもよく、樹脂にて構成されていてもよく、ガラス板にて構成されていてもよい。画成部構成部材21,22,23が金属等にて構成されている場合、その少なくとも反応室10に面する表面には、反応ガス供給部30の反応ガスに対する耐腐蝕性の樹脂被膜(例えばポリテトラフルオロエチレン等)を設けることが好ましい。
反応室10は、搬送路3上に介在するように設けられている。反応室10の中間の高さを搬送路3が貫通している。被処理基板9が、搬送路3に沿って搬入口13から反応室10内に搬入され、反応室10を通過し、搬出口14から搬出される。
ここで、反応室10における搬送路3より上側(第1側)の空間を第1室部11と称す。反応室10における搬送路3より下側(第2側)の空間部を第2室部12と称す。反応室10内に被処理基板9が入っていないときは、第1室部11と第2室部12が直接に連なる。被処理基板9が反応室10内に入ると、被処理基板9が存在する領域の第1室部11と第2室部12が被処理基板9によって隔てられる。第1室部11における被処理基板9によって第2室部12と隔てられた部分を第1隔室部分11aと称す。第2室部12における被処理基板9によって第1室部11と隔てられた部分を第2隔室部分12aと称す。隔室部分11a,12aの有無及び広さは、被処理基板9の搬送位置に応じて変わる。
反応室10の搬送方向aの寸法(搬入口13から搬出口14までの距離)は、例えば40mm〜500mm程度である。反応室10の幅方向wの寸法は、被処理基板9の幅方向wの寸法より少し(例えば10mm〜100mm程度)大きい。図5に示すように、天板21の下面と底部構造体22の上面との間隔dすなわち反応室10の厚さdは、d=2mm〜60mm程度である。第1室部11の厚さd(天板21の下面と被処理基板9の上面9aとの垂直方向の距離)は、d=1mm〜50mm程度が好ましい。第2室部12の厚さd(被処理基板9の下面9bと底部構造体22の上面との垂直方向の距離(ワーキングディスタンス))は、d=1mm〜10mm程度が好ましい。
図1に示すように、供給部30は、原料ガス源31と、大気圧プラズマ生成部33と、反応ガスノズル38を含む。原料ガス源31は、反応ガスの原料ガスを蓄え又は生成し、送出する。原料ガスは、フッ素含有ガスとキャリアガスを含む。フッ素含有ガスとして、CFが用いられている。フッ素含有ガスとしてCFに代えて、C、C、C等の他のPFC(パーフルオロカーボン)を用いてもよく、CHF、CH、CHF等のHFC(ハイドロフルオロカーボン)を用いてもよく、SF、NF、XeF等のPFC及びHFC以外のフッ素含有化合物を用いてもよい。
キャリアガスは、フッ素含有ガスを搬送する機能の他、フッ素含有ガスを希釈する希釈ガスとしての機能、後記プラズマ放電を生成する放電ガスとしての機能等を有している。キャリアガスとしては、好ましくは不活性ガスを用いる。ここでは、キャリアガスとして、窒素(N)が用いられているが、アルゴン、ヘリウム、ネオン、キセノン等の希ガスを用いてもよい。フッ素含有ガスとキャリアガスとの流量比(CF:N)は、1:1000〜1:10が好ましい。キャリアガスを省略してもよい。
原料ガスには更に水(HO)が添加される。原料ガス源31は、水の添加手段として気化器(図示省略)を含む。気化器は、恒温槽等のタンクを備え、タンク内に液体の水が蓄えられている。水添加前の原料ガスが、上記タンクの水面より上側部分に供給され、上記上側部分の飽和水蒸気と混合される。或いは、水添加前の原料ガスを上記タンク内の水中にバブリングしてもよい。
或いは、添加する水を液体の状態で計量し、計量した水を加熱により気化させて、上記原料ガスと混合させるようにしてもよい。
原料ガス路32が、原料ガス源31から大気圧プラズマ生成部33へ延びている。大気圧プラズマ生成部33は、一対の電極34,34を含む。これら電極34,34が互いに対向し、両者間に狭いギャップ35が形成されている。ギャップ35に原料ガス路32が連なっている。少なくとも1つの電極34の対向面には固体誘電体層が形成されている。一方の電極34に電源36が接続されている。電源36は、例えばパルス波状の高周波電力を出力する。他方の電極34は電気的に接地されている。
電源36からの電圧供給によって電極34,34の間に大気圧近傍下で放電が形成され、ギャップ35が放電空間になる。この放電空間35に、原料ガス源31から原料ガスが導入される。これによって、原料ガスがプラズマ化(分解、励起、ラジカル化、イオン化等を含む)され、フッ化水素(HF)等の反応成分を含む反応ガスが生成される。反応ガスの供給路37が、大気圧プラズマ生成部33の放電空間35から底部構造体22へ延びている。
底部構造体22の内部に反応ガスノズル38が組み込まれている。供給路37の先端部が、反応ガスノズル38に連なっている。反応ガスノズル38は、底部構造体22の搬送方向aの中央部に配置され、かつ幅方向wに延びている。反応ガスノズル38の内部には、反応ガス整流部(図示省略)が設けられている。反応ガス整流部は、幅方向wに延びるチャンバー、幅方向wに延びるスリット、幅方向wに並べられた多数の小孔の列等を含む。供給路37からの反応ガスが、上記反応ガス整流部のチャンバー、スリット、小孔列等を通ることで幅方向wに均一化される。
反応ガスノズル38の上端面は、底部構造体22の上面と面一になり、第2室部12に面している。(反応ガスノズル38が、反応室画成部20の要素になっている。)反応ガスノズル38の上端部に供給口39が設けられている。供給口39が、第2室部12に開口している。上記均一化後の反応ガスが、供給口39から第2室部12ひいては反応室10内に供給される。供給口39は、幅方向wに延びるスリット状になっている。供給口39の幅方向wの長さは、被処理基板9の幅寸法とほぼ同じであるが、被処理基板9の幅寸法より短くてもよく、被処理基板9の幅寸法より長くてもよい。
底部構造体22には排気部40が組み込まれている。すなわち、底部構造体22には、排気部40の吸引口41,42が設けられている。搬入側吸引口41は、底部構造体22の搬送方向aの上流側の上面に形成され、第2室部12における搬入口13の近傍部分に開口している。搬出側吸引口42は、底部構造体22の搬送方向aの下流側の上面に形成され、第2室部12における搬出口14の近傍部分に開口している。これら吸引口41,42は、幅方向w(図1の紙面直交方向)に延びるスリット状になっている。吸引口41,42の搬送方向aに沿う開口寸法は、例えば数mm〜数十mm程度であり、ここでは10mm程度である。底部構造体22には、各吸引口41,42から下方へ延びる吸引路43が形成されている。吸引路43から排気路44が引き出されている。排気路44が排気手段45に連なっている。排気手段45は、排気ポンプや除害設備を含む。
図1に示すように、表面処理装置1は、更に置換手段50を備えている。置換手段50は、置換ガス源51と、置換ノズル60を含む。置換ガス源51には、置換ガスが蓄えられている。置換ガスとしては、不活性ガスが用いられている。ここでは、置換ガスとして、窒素(N)が用いられている。置換ガスは、窒素に限られず、空気でもよく、ヘリウム、アルゴン、ネオン等の希ガスであってもよい。置換手段50から置換ガス路52が置換ノズル60へ延びている。
置換ノズル60は、画成部20より搬送路3の上流側(図1において右)、かつ搬送路3より上側に配置されている。置換ノズル60は、ノズルボディ61と、案内部63を含む。図1及び図3に示すように、ノズルボディ61は、長手方向を搬送路3の幅方向wに向けた直方体になっている。置換ガス路52の先端部が、ノズルボディ61の上端部に連なっている。ノズルボディ61の内部には、置換ガス整流部(図示省略)が設けられている。置換ガス整流部は、幅方向wに延びるチャンバー、幅方向wに延びるスリット、幅方向wに並べられた多数の小孔の列等を含む。置換ガス路52からの置換ガスが、上記置換ガス整流部のチャンバー、スリット、小孔列等を通ることで幅方向wに均一化される。ノズルボディ61の下端面に導出口62が設けられている。上記均一化後の置換ガスが、導出口62から下方へ導出される。
図3及び図5に示すように、案内部63は、垂直案内部64と、水平案内部65を含む。垂直案内部64は、長手方向を搬送路3の幅方向wに向けた容器状になっている。垂直案内部64の上端部が開口され、そこにノズルボディ61の下端部が嵌め込まれている。垂直案内部64の内部が、垂直案内路64aになっている。垂直案内路64aは、導出口62からのガスを垂直下方へ案内する。垂直案内部64の画成部20とは反対側を向く壁64bは、画成部20を向く壁64cより少し下へ突出している。
垂直案内部64の下端部に水平案内部65が接続されている。水平案内部65は、上下一対の案内板66,67を含む。これら案内板66,67は、長手方向を搬送路3の幅方向wに向けた水平な板にて構成されている。上案内板66は、垂直案内部64と画成部20との間に架け渡されている。上案内板66の基端部(図5において右端)が、垂直案内部64の画成部20を向く壁64cの下端部に連結されている。上案内板66の先端部(図5において左端)が、天板21の搬入側の端面に突き当てられている。
下案内板67は、上案内板66より少し下、かつ搬送路3より少し上の高さに配置されている。下案内板67の基端部(図5において右端)が、垂直案内部64の垂直案内部64の画成部20とは反対側を向く壁64bの下端部に連結されている。下案内板67は、壁64bから画成部20へ向けて延び、かつ垂直案内部64よりも画成部20側へ延び出て、その先端部(図5において左端)が解放されている。下案内板67が垂直案内路64aの下端部を塞いでいる。下案内板67の垂直案内部64よりも延び出た部分が、上案内板66と平行に対向している。
上案内板66と下案内板67との間に水平案内路65aが形成されている。水平案内路65aの基端部(図5において右)に垂直案内路64aが連なっている。図3に示すように、水平案内路65aの幅方向wの両端部は、端板68にて塞がれている。
図5に示すように、下案内板67の解放された先端部(図5において左端)は、上案内板66の搬送路長方向aの中間部に位置している。下案内板67の先端部と上案内板66との間に、吹出し口69が形成されている。水平案内路65aが吹出し口69に連なっている。吹出し口69は、搬送路3の下流側に向けて開口し、上案内板66の先端側部分の下側の空間に連なっている。吹出し口69は、幅方向w(図5の紙面直交方向)に延びるスリット状になっている。垂直案内路64aからのガスが、水平案内路65aを経て吹出し口69から吹き出される。
水平案内路65a及び吹出し口69の厚さdは、d=1mm〜50mm程度が好ましい。下案内板67の下面と被処理基板9の上面との垂直方向の距離dは、d=1mm〜10mm程度が好ましい。
上記のように構成された表面処理装置1にて被処理基板9をエッチング(表面処理)する方法を説明する。
今、図4に示すように、被処理基板9が反応室10内に搬入されていないものとする。
原料ガス(CF+N+HO)を大気圧プラズマ生成部33にてプラズマ化して、HFを含む反応ガスを生成する。この反応ガスを供給口39から吹き出す。反応ガスgは、直接には第2室部12に供給され、第1室部11へ拡散する。これによって、反応室10の全体が反応ガス雰囲気になる。
反応室10内の反応ガスgは、供給口39から搬入側と搬出側へ分流する。搬入側へ流れた反応ガスは、吸引口41に吸い込まれる。搬出側へ流れた反応ガスは、吸引口42に吸い込まれる。そして、吸引路43、排気路44を順次経て、排気手段45の除害設備にて除害されたうえで、排出される。
上記の反応ガス供給と併行して、置換ガス(N)を置換ガス源51から置換ノズル60へ導入する。置換ガスgは、ノズルボディ61、垂直案内路64aを順次経て、水平案内路65aを搬送方向aの下流方向(図1において左方向)へ案内され、吹出し口69から搬送方向aの下流方向へ吹き出される。
図4(a)に示すように、吹出し口69と画成部20との間に被処理基板9が位置していないときは、置換ガスgは、置換ノズル60より下側の空間へ拡散するか、又は搬入口13に入るとともに吸引口41に吸い込まれる。上案内板66によって、置換ガスgが上方へ拡散するのが阻止される。
上記の反応ガスの供給及び置換ガスの供給を継続しながら、搬送手段2にて被処理基板9を搬送路3に沿って搬送方向aに搬送する。図4(b)に示すように、被処理基板9の搬送方向aの先端部(図4(b)において左端部)が、下案内板67よりも画成部20側に突出すると、置換ガスが被処理基板9の第1面9aに接触し、第1面9a上を被処理基板9の搬送される向きと同方向に流れる。
やがて、図4(c)に示すように、被処理基板9の搬送方向aの先端部が、搬入口13から反応室10の内部に差し入れられる。これによって、第1室部11と第2室部12が被処理基板9によって隔てられ、第1隔室部分11a及び第2隔室部分12aが画成される。被処理基板9の第1面9aが第1隔室部分11aに面し、第2面9bが第2隔室部分12aに面する。図5に示すように、被処理基板9の搬送に伴なって隔室部分11a,12aが搬送方向aの下流側に拡がる。
第2室部12ひいては第2隔室部分12a内は反応ガスgにて満たされている。この反応ガスgが第2面9bに接触する。これによって、第2面9bを構成するSiO等のシリコン含有物と、反応ガス中のHF等の反応成分との反応が起き、第2面9bを軽く粗化(エッチング)することができる。
このとき、置換ガスgは、吹出し口69から、上案内板66と被処理基板9との間の隙間を経て、搬入口13における天板21と被処理基板9との間の開口部分13aを通り、第1隔室部分11aに導入される。置換ガスgの流れ方向が被処理基板9の搬送される向きと一致しているため、置換ガスgを開口部分13aから第1隔室部分11a内に確実に導入することができる。第1隔室部分11a内では、置換ガスgが被処理基板9と同方向に流れる。これによって、反応ガスgが第1隔室部分11aから搬送方向aの下流側へ押し出される。さらに、置換ガスgが、被処理基板9よりも搬送方向aの下流側へ流れ出ることで、被処理基板9よりも搬送方向aの下流側の反応ガスgが第1隔室部分11a内に入り込むのを阻止することができる。これによって、第1隔室部分11a内のガスを置換ガス(N)に置換することができる。この結果、反応ガスgが第1面9aに接触するのを回避又は制限でき、第1面9aがエッチングされるのを防止又は抑制することができる。特に、被処理基板9の第1面9aにおける搬送方向aの先端側の部分がエッチングされるのを確実に防止又は抑制することができる。
被処理基板9よりも搬送方向aの下流側の反応室10に流出した置換ガスgは、反応ガスgと混合されながら吸引口42に吸い込まれる。
ここで、置換ガスの流量(体積速度)や第1隔壁部分11aの流路断面積を調節することによって、第1隔室部分11a内における置換ガスgの流速V(線速度)が、被処理基板9の搬送速度Vの好ましくは0.8倍以上になるようにする。これによって、第1面9aの面粗度Raと第2面9bの面粗度Raの比(Ra/Ra、以下、「処理比」と称す。)を1以上にできる(実施例1参照)。すなわち、第1面9aの表面処理度を第2面9bの表面処理度以下にすることができる。第1面9aが表面処理されるのを防止する観点からは、第1隔室部分11a内における置換ガスgの流速Vが、被処理基板9の搬送速度Vに対して、より好ましくは0.9倍〜4倍(0.9≦V/V≦4)になるようにし、更に好ましくは1倍〜2.2倍(1≦V/V≦2.2)になるようにする。速度比V/Vを0.9≦V/V≦4にすることによって、処理比をRa/Ra=1.5以上にできる(実施例1参照)。速度比V/Vを1≦V/V≦2.2にすることによって、処理比をRa/Ra=2.0以上にできる(実施例1参照)。
第2面9bの処理性の観点からは、第1隔室部分11a内における置換ガスgの流速Vは、被処理基板9の搬送速度Vの好ましくは2.5倍以下である(V/V≦2.5、実施例1参照)。これによって、置換ガスg1が第2室部12ひいては第2隔室部分12aにまで拡散して第2隔室部分12a内の反応成分濃度が低下するのを防止でき、第2面9bを確実に表面処理できる。
総合すると、第1隔室部分11a内における置換ガスgの流速Vは、被処理基板9の搬送速度Vの0.8倍〜2.5倍であることが好ましい(0。8≦V/V≦2.5)。これによって、第1面9aが表面処理されるのを確実に防止でき、かつ第2面9bを確実に表面処理できる。
やがて、被処理基板9の搬送方向aの先端部は搬出口14から搬出され、図6に示すように、被処理基板9の搬送方向aの後端部(図6において右端)が反応室10内に入り込み、吸引口41の真上に被処理基板9が位置しなくなる。この状態では、置換ガスgは、搬入口13から反応室10内に入ってもすぐに吸引口41に吸い込まれ、被処理基板9には達しない。反応ガスgのうち供給口39から搬送方向aの上流側(図6において右)へ分流したガスは、被処理基板9の後端部から出た後、大半がそのまま搬送方向aの上流側へ流れ、吸引口41に吸い込まれる。そのため、反応ガスgが、被処理基板9の搬送方向aの後端部から第1隔室部分11aへ回り込むことは殆どない。したがって、被処理基板9の搬送方向aの後端部については、第1隔室部分11aに置換ガスgを供給しなくても、第1面9aがエッチングされることは殆ど無い。
上記表面処理装置1による粗化処理の後、被処理基板9を別の第2表面処理装置(図示せず)へ搬送する。この第2表面処理装置のステージに被処理基板9を載置し、第2面9bをステージに接触させ吸着する。第2面9bの粗化度が小さいため、被処理基板9をステージに確実に吸着して保持できる。そして、第1面9aに洗浄、表面改質、エッチング、アッシング、成膜等の表面処理を施す。第1面9aは粗面化を回避又は抑制されているから、良好な表面処理を行なうことができる。ひいては、第1面9a上に形成される絶縁層、導電層、半導体層等の各種電子素子層の品質を良好にすることができる。第1面9aの表面処理の後、被処理基板9をステージから搬出する。第2面9bには上記粗面化処理によって微小凹凸が形成されているため、ステージから被処理基板9を容易に引き離すことができる。この結果、被処理基板9が撓んだり割れたりするのを防止できる。
本発明は、上記実施形態に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変をなすことができる。
例えば、上記実施形態では、表面処理すべきでない第1面9aがおもて面であり、表面処理すべき第2面9bが裏面であったが、表面処理すべきでない第1面9aが裏面であり、表面処理装置1にて処理すべき第2面9bがおもて面であってもよい。
被処理基板9は、ガラスに限られず、半導体ウェハ等でもよい。更に、被処理基板は、電子素子層が形成される基板ないしは半導体装置用の基板に限られない。
エッチング対象のシリコン含有物は、SiOに限られず、非晶質Si、多結晶Si、単結晶Si、SiN、Si、SiC、SiOC或いはこれらの積層構造物等であってもよい。被処理基板9にシリコン含有物からなる膜が形成されていてもよく、表面処理装置1が上記膜をエッチングするものであってもよい。上記シリコン含有物を含む基板自体がこれら例えば10〜数百μm程度の薄板或いはフィルムであってもよく、表面処理装置1が上記基板をエッチングするものであってもよい。
反応ガスは、プラズマ化により形成するものに限られない。例えば、反応ガス源としてフッ化水素水溶液を蓄えたタンクを用意し、上記フッ化水素水溶液を気化させて、反応ガスを得ることにしてもよい。
反応ガスが、オゾン等の酸化成分を含んでいてもよい。オゾンはオゾナイザーや酸素プラズマ生成装置にて生成できる。
「第1側」は上側に限られず、「第2側」は下側に限られない。被処理基板9の第1面9aを下に向け、第2面9bを上に向けて、上側の第2面9bに反応ガスを接触させ、下側の第1面9aに置換ガスを接触させてもよい。
被処理基板9の姿勢は、水平に限られず鉛直でもよく、水平又は鉛直に対し斜めであってもよい。
被処理基板9を往復移動させてもよい。
被処理基板9を支持する支持手段を搬送手段2とは別途に設けてもよい。支持手段にて被処理基板9の位置を固定し、搬送手段にて画成部20及び置換手段50を移動させることにしてもよい。
被処理基板9の搬送方向aの先端部が搬入口13から反応室10内に差し入れられるときに、置換ガスの吹出しを開始してもよく、被処理基板9の搬送方向aの後端部が搬入口13から反応室10内に差し入れられた後に、置換ガスの吹出しを停止してもよい。
画成部20より搬送方向aの下流側にも置換ノズル60を設けてもよい。
置換手段として、反応室10内の搬送路3より第1側に置換ガスの吹出しノズルを複数、搬送方向に並べて配置し、被処理基板9の搬送と連携して、直下に被処理基板が位置する吹出しノズルからは置換ガスを吹き出し、直下に被処理基板が位置していない吹出しノズルについては置換ガスの吹き出しを停止してもよい。
本発明は、エッチング(表面粗化)に限られず、洗浄、成膜、表面改質(撥水化、親水化を含む)等の種々の表面処理に適用できる。
実施例を説明する。本発明が以下の実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。
実施例1では、第1実施形態(図1〜図6)と実質的に同じ表面処理装置1を用い、第1実施形態と同様の方法で被処理基板9の第2面9bに対し表面粗化処理(エッチング)を行なった。
被処理基板9としてガラス基板を用いた。
被処理基板9の寸法は、以下の通りであった。
搬送方向aの長さ:650mm
幅方向wの寸法:550mm
厚さ:0.7mm
表面処理装置1の寸法構成は、以下の通りであった。
反応室10の厚さd: d=8mm
反応室10の幅方向wの寸法:600mm
第1隔室部分11aの厚さd: d=3.3mm
第1隔室部分11aの流路断面積: 0.0020m
置換手段50のガス条件は以下の通りであった。
置換ガス成分: N
置換ガス流量: 0L/min、25L/min、50L/min
第1隔室部分11a内の置換ガスの流速:
0m/sec、0.21m/sec、0.42m/sec
なお、上記置換ガス流速は、下式にて算出した線速度である。
(置換ガス流速)=(置換ガス流量)/(第1隔室部分11aの流路断面積)
被処理基板9の搬送速度は、20m/minとした。
原料ガスの組成は以下の通りとした。
CF: 0.12slm
: 5.90slm
O: 0.06g/min
大気圧プラズマ生成部33のプラズマ生成条件は以下の通りとした。
電極間間隔: 1mm
電極間電圧: Vpp=12.8kV
電極間電圧の周波数: 25kHz(パルス波)
供給電力: パルス変換前の直流電圧=370V、電流=9.4A
排気部40の排気流量は、400slmとした。
表面処理後、被処理基板9の第1面9a上の搬送方向aの先端縁までの距離が10mm、100mm、200mmの箇所の面粗度Ra、及び第2面9b上の搬送方向aの先端縁までの距離が10mm、325mm、640mmの箇所の面粗度Raをそれぞれ測定した。図7(a)は、被処理基板9の第1面9aの測定結果を示し、図7(b)は、第2面9bの測定結果を示す。
図7(a)から明らかな通り、置換ガスを供給しない(0slm)ときは、第1面9a上の先端縁までの距離が10mmの箇所及び100mmの箇所では面粗度Raが大きく、距離200mmの箇所では面粗度Raが比較的小さかった。すなわち、第1面9a上の先端縁に近い箇所では表面処理されやすく、先端縁から遠い箇所では表面処理されにくかった。これは、反応ガスが被処理基板9の搬送方向aの先端縁から第1隔室部分11aに回り込むためと考えられる。置換ガスの流量を25slmにすると、距離10mmの箇所の面粗度Raは、置換ガスを供給しないときと殆ど変らなかったが、距離100mmの箇所の面粗度Raは、距離200mmの箇所の面粗度Raと同程度の大きさまで大きく低下した。置換ガスの流量を50slmにすると、距離10mmの箇所においても面粗度Raが大きく低下した。このことから、置換ガスの供給によって第1面9aの表面処理を抑制できることが確認された。置換ガスの流量を大きくすることで、表面処理を抑制できる領域を第1面9aの搬送方向aの先端側へ拡張できることが確認された。これは、第1隔室部分11aの反応ガスが置換ガスによって搬送方向aの先端側へパージされるためと考えられる。
図7(b)に示すように、被処理基板9の第2面9aについては、先端縁までの距離に拘わらず、かつ置換ガスの流量に拘わらず、大略同程度の面粗度Raになった。なお、面粗度の0.1nm程度の違いは、十分に許容範囲である。
実施例2では、置換ガス(N)の流量を以下の3通りとした。
置換ガス流量: 20L/min、25L/min、50L/min
第1隔室部分11a内の置換ガスの流速(線速)は、以下の3通りであった。
置換ガスの流速V: 0.17m/sec、0.21m/sec、0.42m/sec
被処理基板9の搬送速度Vは、以下の通りとした。
搬送速度V: 5m/min、10m/min、20m/min
その他の条件は、実施例1と同一であった。
表面処理後、被処理基板9の第1面9a上及び第2面9b上の搬送方向aの先端縁までの距離が10mm、100mm、200mmの箇所の面粗度Ra、Raをそれぞれ測定した。更に、2つの面9a,9bの先端縁までの距離が互いに等しい箇所どうしの処理比(Ra/Ra)を算出した。
表1、並びに図8及び図9は、測定結果及び算出結果をまとめたものである。
Figure 2012191001
図9から明らかな通り、第1隔室部分11a内における置換ガスgの流速Vが被処理基板9の搬送速度Vの0.8倍以上のとき、処理比がRa/Ra=1以上になった。すなわち、第1面9aの表面処理度が、第2面9bの表面処理度以下になった。
第1隔室部分11a内における置換ガスgの流速Vが被処理基板9の搬送速度Vの0.9倍〜4倍のとき、処理比がRa/Ra=1.5以上になった。
更に、第1隔室部分11a内における置換ガスgの流速Vが被処理基板9の搬送速度Vの1.0倍〜2.2倍のとき、処理比がRa/Ra=2.0以上になった。
また、図8から明らかな通り、第1隔室部分11a内における置換ガスgの流速Vが被処理基板9の搬送速度Vの2.5倍を超えると、第1面9aの面粗度Raが低下しただけでなく、第2面9bの面粗度Raについても大きく低下した。これは、置換ガスが被処理基板9の先端縁から第2隔室部分12aに回り込んで、第2隔室部分12aの反応ガスを希釈したためと考えられる。
したがって、第1隔室部分11a内における置換ガスgの流速Vが被処理基板9の搬送速度Vの0.8倍以上、2.5倍以下にすることで、第1面9aの表面処理を確実に抑制でき、かつ第2面9bを確実に表面処理できることが判明した。
本発明は、例えばフラットパネルディスプレイ等の半導体装置の製造に適用できる。
反応ガス
置換ガス
1 表面処理装置
2 搬送手段
3 搬送路
9 被処理基板
9a 第1面
9b 第2面
10 反応室
11 第1室部
11a 第1隔室部分
12 第2室部
12a 第2隔室部分
13 搬入口
13a 搬入口の天板と基板との間の開口部分
14 搬出口
20 画成部
21 天板
22 底部構造体
23 側壁
30 供給部
31 原料ガス源
32 原料ガス路
33 大気圧プラズマ生成部
34 電極
35 放電空間
36 電源
37 供給路
38 反応ガスノズル
39 供給口
40 排気部
41 搬入側吸引口
42 搬出側吸引口
43 吸引路
44 排気路
45 排気手段
50 置換手段
51 置換ガス源
52 置換ガス路
60 置換ノズル
61 ノズルボディ
62 導出口
63 案内部
64 垂直案内部
64a 垂直案内路
64b 搬送方向上流側の壁
64c 搬送方向下流側の壁
65 水平案内部
65a 水平案内路
66 上案内板
67 下案内板
68 端板
69 吹出し口

Claims (7)

  1. 第1面と該第1面の裏側の第2面とを有する被処理基板における前記第2面を反応ガスにて処理する表面処理方法であって、
    前記第1面を搬送路と直交する方向の第1側に向け、かつ前記第2面を前記直交方向の前記第1側とは反対の第2側に向けた状態で、前記被処理基板を前記搬送路に沿って搬送し、
    前記搬送路に介在された反応室の少なくとも前記搬送路より前記第2側の第2室部に前記反応ガスを供給し、
    前記反応室の前記搬送路より前記第1側の第1室部における前記被処理基板にて前記第2室部と隔てられた第1隔室部分のガスを不活性ガスからなる置換ガスに置換することを特徴とする表面処理方法。
  2. 前記置換ガスを、前記反応室より前記搬送路の上流側かつ前記搬送路より前記第1側から前記被処理基板の搬送方向と同方向に流すことを特徴とする請求項1に記載の表面処理方法。
  3. 前記第1隔室部分内における前記置換ガスの流速が、前記被処理基板の搬送速度の0.8倍〜2.5倍であることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面処理方法。
  4. 第1面と該第1面の裏側の第2面とを有する被処理基板における前記第2面を反応ガスにて処理する表面処理装置であって、
    前記第1面を搬送路と直交する方向の第1側に向け、かつ前記第2面を前記直交方向の前記第1側とは反対の第2側に向けた状態で、前記被処理基板を前記搬送路に沿って搬送する搬送手段と、
    前記搬送路に介在される反応室を画成する画成部と、
    前記反応室の前記搬送路より前記第2側の第2室部に開口する供給口を有し、前記反応ガスを前記供給口から前記反応室に供給する供給部と、
    前記被処理基板の搬送と連携して、前記反応室の前記搬送路より前記第1側の第1室部における前記被処理基板にて前記第2室部と隔てられた第1隔室部分のガスを不活性ガスからなる置換ガスに置換する置換手段と、
    を備えたことを特徴とする表面処理装置。
  5. 前記置換手段が、前記置換ガスを吹き出す置換ノズルを含み、前記置換ノズルが、前記反応室より前記搬送路の上流側かつ前記搬送路より前記第1側に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の表面処理装置。
  6. 前記置換ノズルの吹出し口が、前記搬送路の下流側に向けて開口していることを特徴とする請求項5に記載の表面処理装置。
  7. 前記第2室部における前記供給口より前記搬送路の上流側に、ガスを吸い込む搬入側吸引口が設けられていることを特徴とする請求項4〜6の何れか1項に記載の表面処理装置。
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