JP3651730B2 - 半導体発光素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば発光ダイオード等の半導体発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、III−V族化合物半導体材料のうち、AlGaAs系材料またはGaInAs系材料を用いた半導体発光素子が注目されている。その理由は、これらの半導体材料が直接遷移型のバンドギャップを有し、0.7μm〜1.2μm帯の発光が得られるためである。これらの材料系を用いた半導体発光素子は、特に、赤外通信素子として空間通信や光ファイバ通信に応用されており、光出力の向上が要求されている。例えば、GaAs基板上にこれらの材料系からなる発光部を備えたpn接合型発光ダイオード(LED)の場合、光出力を向上させるためには、発光効率を高めることはもとより、素子内部での光吸収を低減したり、発光部と電極との相対位置関係を調整したりすることにより、素子外部への有効な光取り出しを実現することが重要である。
【0003】
従来、素子外部への光取り出し効率を向上させる方法の1つとして、発光部と光取り出し側の電極との間に電流拡散層を設けて、発光部全体に電流を均一に拡散させる方法が提案されている(例えば、特開平4−229665号)。この半導体発光素子は、発光部にAlGaInP系材料を用いた発光ダイオードであり、AlGaAs系材料およびAlGaInAs系材料を用いた半導体発光素子とは材料系が異なるが、半導体積層構造と光取り出し側電極との間に電流拡散層を設ける構造は同じである。
【0004】
以下に、提案された半導体発光素子について、図15を用いて説明する。
【0005】
この半導体発光素子は、n型GaAs基板151上に、n型AlGaInP第1クラッド層152、AlGaInP活性層153およびp型AlGaInP第2クラッド層154からなる半導体積層構造が設けられ、その上にp型GaInP中間バンドギャップ層155およびn型AlGaInP電流阻止層156が設けられている。この電流阻止層156は、中間バンドギャップ層155との選択エッチングにより例えば円形状に加工されている。その電流阻止層156および中間バンドギャップ層155の上にp型AlGaAs電流拡散層157が設けられている。電流拡散層157の上にはp型GaAsコンタクト層159を介してp型電極1511が設けられ、n型基板151側にはn型電極1510が設けられている。このp型電極1511は、レジスト等を用いたリフトオフ法またはエッチングにより電流阻止層156と対向するように形成され、p型電極1511が設けられていない部分のコンタクト層159は選択エッチングにより除去されている。
【0006】
この半導体発光素子によれば、p型電極1511から電流拡散層157へ注入された電流は、電流拡散層157で電流阻止層156の外側まで広がった後、p型第2クラッド層154に注入される。このように、p型電極1511の直下以外の広域に発光領域を広げることができるので、光の取り出し効率を向上させることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図15に示した従来の半導体発光素子においては、電流拡散層157にAlを含むAlGaAsを用いているため、発光部にAlGaAs系材料やGaInAs系材料を用いた場合に以下のような問題点があった。
【0008】
第1の問題点は、電流拡散層157中に含まれるAlの酸化により素子特性が劣化することである。一般に、発光部である活性層153からの発光に対して電流拡散層157を透明にするためには、電流拡散層157のバンドギャップを活性層153のバンドギャップより大きくする必要があり、例えば、AlfGa1-fAs活性層153のAl組成fが0.3である赤外発光素子(発光波長830nm)の場合、AlgGa1-gAs電流拡散層157のAl組成gを0.4以上に設定しなければならない。ところが、Alは化合物の中に含まれていても反応性が高く、大気中の酸素等と結合しやすいため、電流拡散層157中のAl組成が大きくなると、そのAlが大気中の酸素との結合により酸化されて電流拡散層157の結晶性が低下し、その結果、深い準位の形成による光の吸収等が発生して素子特性に悪影響を与えていた。また、半導体発光素子は屋外で表示素子等として使用される用途も多く、高温・高湿度の条件下ではより酸化され易くなるため、そのような条件下で動作させる場合には輝度が低下して信頼性が低いものとなっていた。
【0009】
第2の問題点は、電流拡散層157の光吸収が増大して光の取り出し効率が低下することである。例えば、AlfGa1-fAs活性層153のAl組成fが0.5である赤外発光素子(発光波長770nm)の場合、AlgGa1-gAs電流拡散層157のAl組成gをそれ以上にしなければならない。ところが、Al組成が0.5以上の領域ではAlGaAsが間接遷移となるので、Al組成を大きくしてもバンドギャップがそれほど増加せず、電流拡散層157による光吸収が増大していた。
【0010】
第3の問題点は、電流拡散層157中に含まれるp型ドーパントが発光部に対して悪影響を及ぼすことである。例えば、AlgGa1-gAs電流拡散層157のAl組成gを0.7以上にした場合、ZnやMg等のp型ドーパントのイオン化率が低くなるので、所望のキャリア濃度に設定するためには多量のp型ドーパントを供給する必要があり、格子位置以外に多くのp型ドーパントが存在する。ところが、これらのp型ドーパントが、電流拡散層157等の結晶成長中にクラッド層152、154や活性層153に拡散して悪影響を及ぼすため、素子特性の低下を招いていた。
【0011】
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、発光部に効率良く電流を導いて発光効率を高めると共に、電流拡散層による光吸収や酸化、p型ドーパントの拡散等を防いで光の取り出し効率を高めた高輝度の半導体発光素子を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体発光素子は、基板上に、第1クラッド層、(Al j Ga 1-j ) 1-k In k As(0≦j<0.3、0<k≦1)からなる発光部としての活性層、および第2クラッド層が、その順で積層されるとともに、該第2クラッド層上に(AlDGa1-D)1-EInEAs(0≦D≦1、0<E≦1)からなる保護層が積層されており、該保護層上に、部分的に電流阻止層が設けられ、該電流阻止層の上および該電流阻止層が形成されていない保護層の上にわたって、Al組成が0より大で0.3以下であり、前記活性層よりもバンドギャップが大きい(AlpGa1-p)1-qInqAs(0<p≦0.3、0<q≦1)からなる電流拡散層が設けられ、さらに該電流拡散層の上に該電流阻止層と対向するように光取り出し側電極が設けられており、そのことにより上記目的が達成される。
【0013】
以下、本発明の作用について説明する。
【0014】
本発明の半導体発光素子にあっては、電流拡散層により電流が広げられるので、電極直下以外の広域に発光領域を広げることができ、光の取り出し効率が向上する。この電流拡散層のバンドギャップは発光部のバンドギャップよりも大きくしてあるので、発光部からの光が電流拡散層で吸収されることはなく、光の取り出し効率が向上する。さらに、電流拡散層がAlを含まないか、またはAl組成が0より大で0.3以下である化合物半導体からなるので、従来のAlGaAs電流拡散層を用いた半導体発光素子のように、電流拡散層の酸化や電流拡散層による光吸収、電流拡散層中に含まれるp型ドーパントの拡散等が起こらず、素子特性の低下や信頼性の低下の問題を改善できる。
【0015】
半導体積層構造と電流拡散層との間に電流阻止層を部分的に設けると、電流拡散層に注入された電流が電流阻止層の形成されていない領域に効率良く導かれる。その電流阻止層は光取り出し側電極と対向しているので、電極直下以外の領域での発光効率がさらに向上する。
【0016】
上記電流拡散層としては、(AlpGa1-p)1-qInqAs(0<p≦0.3、0<q≦1)からなるものを用いることができる。
【0017】
(AlpGa1-p)1-qInqAs(0<p≦0.3、0<q≦1)層は、Al組成が0.3以下であるので電流拡散層が酸化されにくく、信頼性が低下しない。また、(AlpGa1-p)1-qInqAs(0<p≦0.3、0<q≦1)層は、Al組成が0.3以下であってもGaInAs等からなる発光部よりもバンドギャップを大きく設定することが可能であるので、電流拡散層による発光部からの光の吸収を低減できる。
【0018】
上記発光部として(AljGa1-j)1-kInkAs(0≦j≦1、0<k≦1)層を用いると、0.95μm〜1.25μm帯の赤外領域において高出力の半導体発光素子が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の参考例および実施形態について図面を用いて説明する。
【0020】
(参考例1)
この参考例1では、GaP電流拡散層を設けたAlGaAs系発光ダイオードについて説明する。
【0021】
図1(d)に、参考例1の半導体発光素子の断面図を示す。
【0022】
この半導体発光素子は、n型GaAs基板1上に、n型AlhGa1-hAs(0≦h≦1、例えばh=0.70、Siキャリア濃度5×1017cm-3、厚み1.0μm)クラッド層2、AliGa1-iAs(0≦i≦1、例えばi=0.30、厚み0.5μm)活性層3およびp型AlhGa1-hAs(0≦h≦1、例えばh=0.70、Znキャリア濃度5×1017cm-3、厚み1.0μm)クラッド層4からなる半導体積層構造が設けられ、その上にp型GanIn1-nP(0≦n≦1、例えばn=0、厚み0.1μm)保護層5が設けられている。保護層5の中央部上にはn型GaP(例えばSiキャリア濃度2×1018cm-3、厚み0.3μm)電流阻止層6が円形状に設けられ、その電流阻止層6上および電流阻止層6が形成されていない保護層5部分上にわたってp型GaP(例えばZnキャリア濃度5×1018cm-3、厚み5.0μm)電流拡散層7が設けられている。電流拡散層7の中央部上には電流阻止層6と対向するようにAu−Zn等からなるp型電極11が円形状に設けられ、n型基板1側にはAu−Ge等からなるn型電極10が全面に設けられている。
【0023】
この半導体発光素子は、以下のようにして作製することができる。
【0024】
まず、図1(a)に示すように、n型GaAs基板1上に、MOCVD法(有機金属気相成長法)により、n型AlhGa1-hAsクラッド層2、AliGa1-iAs活性層3、p型AlhGa1-hAsクラッド層4、p型GanIn1-nP保護層5、n型GaP電流阻止層6を順次成長させる。
【0025】
次に、図1(b)に示すように、電流阻止層6上にレジスト12を塗布してエッチングすることにより、電流阻止層6を円形状に形成する。
【0026】
続いて、図1(c)に示すように、レジストを除去し、電流阻止層6上および電流阻止層6が形成されていない保護層5部分上にわたってMOCVD法によりp型GaP電流拡散層7を成長させる。
【0027】
その後、図1(d)に示すように、電流拡散層7上にp型電極11を設けて円形状に加工し、基板1側にn型電極10を設けることにより、本参考例の半導体発光素子が完成する。
【0028】
このようにして得られた本参考例の半導体発光素子においては、電流拡散層7がAlを含まないGaPからなるので、従来の半導体発光素子に比べて、以下のような4つの改善効果が得られた。第1の改善効果として、GaP層はAlを含まず、Alの酸化による結晶性の低下が生じないので、素子の信頼性を大幅に改善することができた。第2の改善効果として、AliGa1-iAs活性層53のAl組成iが0.3である赤外発光素子(発光波長830nm)の場合でも、GaP層のバンドギャップが活性層3のバンドギャップよりも大きいので、電流拡散層7において活性層3からの発光に対する吸収が少なく、光の取り出し効率を向上させて高輝度の半導体発光素子を得ることができた。第3の改善効果として、GaP層は、Al組成gを0.4以上にしたAlgGa1-gAs層よりもZnやMg等のp型ドーパントのイオン化率が大きいので、格子位置以外に存在するp型ドーパントが減少し、結晶成長中のp型ドーパントの拡散を低減させて素子特性を大幅に改善することができた。第4の改善効果として、GaP層は、その上に直接電極を設けることができるので、従来の半導体発光素子のようなGaAsコンタクト層が不要であり、コンタクト層の成長工程とエッチング工程とを簡略化して大幅なコストの低減を実現できた。
【0029】
本参考例の半導体発光素子に対して、順方向に電圧を印加して50mAの電流を流したところ、ピーク波長830nmで光出力が1.8mWを越える発光が得られた。これに対して、従来の半導体発光素子では、光出力が1mW程度しか得られなかった。
【0030】
なお、本参考例においてはMOCVD法により各半導体層を成長させたが、MBE法(分子線エピタキシャル法)やMOMBE法(有機金属分子線エピタキシャル法)等を用いてもよい。
【0031】
(参考例2)
この参考例2では、参考例1のn型GaP電流阻止層の代わりにn型(AlvGa1-v)1-wInwP(0<v≦1、0≦w≦1)電流阻止層を設けた半導体発光素子について説明する。
【0032】
図2に、参考例2の半導体発光素子の断面図を示す。
【0033】
この半導体発光素子は、n型GaAs基板21上に、n型AlhGa1-hAs(0≦h≦1、例えばh=0.50、Siキャリア濃度5×1017cm-3)クラッド層22、AliGa1-iAs(0≦i≦1、例えばi=0.30)活性層23およびp型AlhGa1-hAs(0≦h≦1、例えばh=0.50、Znキャリア濃度5×1017cm-3)クラッド層24からなる半導体積層構造が設けられ、その上にp型GanIn1-nP(0≦n≦1、例えばn=0)保護層25が設けられている。保護層25の中央部上にはn型(AlvGa1-v)1-wInwP(0<v≦1、0≦w≦1、例えばv=0.20、w=0.50、Siキャリア濃度2×1018cm-3)電流阻止層26が円形状に設けられ、その電流阻止層26上および電流阻止層26が形成されていない保護層25部分上にわたってp型GaP(例えばZnキャリア濃度5×1018cm-3)電流拡散層27が設けられている。電流拡散層27の中央部上には電流阻止層26と対向するようにp型電極211が円形状に設けられ、n型基板21側にはn型電極210が全面に設けられている。
【0034】
本参考例の半導体発光素子においては、電流阻止層26が(AlvGa1-v)1-wInwP(0<v≦1、0≦w≦1)からなるので、適切なエッチャントを用いればGaInP保護層25とのエッチング速度に差が生じるため、選択エッチングを行って製造工程を簡略化すると共に、歩留りを向上させることができた。
【0035】
(参考例3)
この参考例3では、参考例1のn型GaP電流阻止層の代わりにn型AluGa1-uAs(0<u≦1)電流阻止層を設けた半導体発光素子について説明する。
【0036】
図3に、参考例3の半導体発光素子の断面図を示す。
【0037】
この半導体発光素子は、n型GaAs基板31上に、n型AlhGa1-hAs(0≦h≦1、例えばh=0.30、Siキャリア濃度5×1017cm-3)クラッド層32、AliGa1-iAs(0≦i≦1、例えばi=0.10)活性層33およびp型AlhGa1-hAs(0≦h≦1、例えばh=0.30、Znキャリア濃度5×1017cm-3)クラッド層34からなる半導体積層構造が設けられ、その上にp型GanIn1-nP(0≦n≦1、例えばn=0)保護層35が設けられている。保護層35の中央部上にはn型AluGa1-uAs(0<u≦1、例えばu=0.30、Siキャリア濃度2×1018cm-3)電流阻止層36が円形状に設けられ、その電流阻止層36上および電流阻止層36が形成されていない保護層35部分上にわたってp型GaP(例えばZnキャリア濃度5×1018cm-3)電流拡散層37が設けられている。電流拡散層37の中央部上には電流阻止層36と対向するようにp型電極311が円形状に設けられ、n型基板31側にはn型電極310が全面に設けられている。
【0038】
本参考例の半導体発光素子においては、電流阻止層36がAluGa1-uAs(0<u≦1)からなるので、適切なエッチャントを用いればGaInP保護層35とのエッチング速度に差が生じ、このエッチング速度の差を参考例2のAlGaInP電流阻止層よりも大きくすることができるので、さらに確実に選択エッチングを行って製造工程を簡略化すると共に、歩留りを向上させることができた。
【0039】
(参考例4)
この参考例4では、GaP電流拡散層を設けたAlGaInAs系発光ダイオードについて説明する。
【0040】
図4に、参考例4の半導体発光素子の断面図を示す。
【0041】
この半導体発光素子は、n型GaAs基板41上に、n型AlhGa1-hAs(0≦h≦1、例えばh=0.30、Siキャリア濃度5×1017cm-3)クラッド層42、(AljGa1-j)1-kInkAs(0≦j≦1、0≦k≦1、例えばj=0、k=0.80)活性層43およびp型AlhGa1-hAs(0≦h≦1、例えばh=0.30、Znキャリア濃度5×1017cm-3)クラッド層44からなる半導体積層構造が設けられ、その上にp型GanIn1-nP(0≦n≦1、例えばn=0.50)保護層45が設けられている。保護層45の中央部上にはn型(AlvGa1-v)1-wInwP(0≦v≦1、0≦w≦1、例えばv=0.70、w=0.50、Siキャリア濃度2×1018cm-3)電流阻止層46が円形状に設けられ、その電流阻止層46上および電流阻止層46が形成されていない保護層45部分上にわたってp型GaP(例えばZnキャリア濃度5×1018cm-3)電流拡散層47が設けられている。電流拡散層47の中央部上には電流阻止層46と対向するようにp型電極411が円形状に設けられ、n型基板41側にはn型電極410が全面に設けられている。
【0042】
本参考例の半導体発光素子においては、電流拡散層47がGaPからなるので、AlGaInAs系材料からなる活性層43に対しても充分にバンドギャップを大きくすることができ、電流拡散層47において活性層43からの発光に対する吸収が生じず、光の取り出し効率を向上させて高輝度の半導体発光素子を得ることができた。
【0043】
本参考例の半導体発光素子に対して、順方向に電圧を印加して50mAの電流を流したところ、ピーク波長980nmで光出力が1.2mWを越える発光が得られた。これに対して、従来の半導体発光素子では、光出力が0.5mW程度しか得られなかった。
【0044】
(参考例5)
この参考例5では、参考例1の電流拡散層を2層構造とし、その間に電流阻止層を設けた半導体発光素子について説明する。
【0045】
図5に、参考例5の半導体発光素子の断面図を示す。
【0046】
この半導体発光素子は、n型GaAs基板51上に、n型AlhGa1-hAs(0≦h≦1、例えばh=0.30、Siキャリア濃度5×1017cm-3)クラッド層52、AliGa1-iAs(0≦i≦1、例えばi=0.10)活性層53およびp型AlhGa1-hAs(0≦h≦1、例えばh=0.30、Znキャリア濃度5×1017cm-3)クラッド層54からなる半導体積層構造が設けられ、その上にp型GaP(例えばZnキャリア濃度5×1018cm-3)第1電流拡散層57aおよびp型GanIn1-nP(0≦n≦1、例えばn=0.50)保護層55が設けられている。保護層55の中央部上にはn型(AlvGa1-v)1-wInwP(0≦v≦1、0≦w≦1、例えばv=0.70、w=0.50、Siキャリア濃度2×1018cm-3)電流阻止層56が円形状に設けられ、その電流阻止層56上および電流阻止層56が形成されていない保護層55部分上にわたってp型GaP(例えばZnキャリア濃度5×1018cm-3)第2電流拡散層57bが設けられている。第2電流拡散層57bの中央部上には電流阻止層56と対向するようにp型電極511が円形状に設けられ、n型基板51側にはn型電極510が全面に設けられている。
【0047】
本参考例の半導体発光素子においては、2層構造の電流拡散層57a、57bの間に電流阻止層56が設けられているので、第2電流拡散層57b内で電流阻止層56の周辺部まで広げられた電流が、第1電流拡散層57a内でさらに広げられてp型電極511直下以外の広い領域の活性層53に効率良く導かれ、発光領域を広げて光の取り出し効率をさらに向上させることができた。
【0048】
本参考例の半導体発光素子に対して、順方向に電圧を印加して50mAの電流を流したところ、ピーク波長850nmで光出力が2.0mWを越える発光が得られた。これに対して、従来の半導体発光素子では、光出力が1.0mW程度しか得られなかった。
【0049】
(参考例6)
この参考例6では、参考例1のn型電流阻止層の代わりに2層構造のp型電流阻止層を設けてその形成領域のヘテロバリアを非形成領域のヘテロバリアよりも大きくした半導体発光素子について説明する。
【0050】
図6に、参考例6の半導体発光素子の断面図を示す。
【0051】
この半導体発光素子は、n型GaAs基板61上に、n型AlhGa1-hAs(0≦h≦1、例えばh=0.50、Siキャリア濃度5×1017cm-3)クラッド層62、AliGa1-iAs(0≦i≦1、例えばi=0.30)活性層63およびp型AlhGa1-hAs(0≦h≦1、例えばh=0.50、Znキャリア濃度5×1017cm-3)クラッド層64からなる半導体積層構造が設けられ、その中央部上にp型GaAs(例えばZnキャリア濃度1×1017cm-3)第1電流阻止層66およびp型(AlvGa1-v)1-wInwP(0≦v≦1、0≦w≦1、例えばv=0.70、w=0.50、Znキャリア濃度1×1017cm-3)第2電流阻止層68が円形状に設けられ、その電流阻止層66、68上および電流阻止層66、68が形成されていない半導体積層構造上にわたってp型GaP(例えばZnキャリア濃度5×1018cm-3)電流拡散層67が設けられている。電流拡散層67の中央部上には電流阻止層66、68と対向するようにp型電極611が円形状に設けられ、n型基板61側にはn型電極610が全面に設けられている。
【0052】
本参考例の半導体発光素子においては、電流阻止層がGaAs第1電流阻止層66とAlGaInP第2電流阻止層68とのヘテロ接合からなるので、電流阻止層の形成領域では価電子帯側に大きなバンド不連続(ヘテロバリア)が生じる。このヘテロバリアは、電流阻止層が形成されていない領域におけるAlGaAs第2クラッド層64とGaP電流拡散層67との間のヘテロバリアよりも大きく、注入された電流が電流阻止層66、68の形成されていない領域に効率良く導かれるので、電極直下以外の広い領域の活性層63で発光が得られ、光の取り出し効率を向上させて高輝度の半導体発光素子とすることができた。また、本参考例の半導体発光素子においては、電流阻止層66、68が共にp型であるので、発光部上の結晶を全て同じ導電型にすることができ、製造工程を簡略化できると共に、逆導電型の不純物の再拡散が素子特性に悪影響を及ぼすのを防ぐこともできた。
【0053】
(参考例7)
この参考例7では、参考例6の2層構造のp型電流阻止層を設ける代わりにp型電流阻止層とその下の保護層との間のヘテロバリアを大きくした半導体発光素子について説明する。
【0054】
図7に、参考例7の半導体発光素子の断面図を示す。
【0055】
この半導体発光素子は、n型GaAs基板71上に、n型AlhGa1-hAs(0≦h≦1、例えばh=0.50、Siキャリア濃度5×1017cm-3)クラッド層72、AliGa1-iAs(0≦i≦1、例えばi=0.30)活性層73およびp型AlhGa1-hAs(0≦h≦1、例えばh=0.50、Znキャリア濃度5×1017cm-3)クラッド層74からなる半導体積層構造が設けられ、その上にp型AlmGa1-mAs(0≦m≦1、例えばm=0.10)保護層75が設けられている。保護層75の中央部上にはp型AluGa1-uAs(0≦u≦1、例えばu=0.40、Znキャリア濃度1×1017cm-3)電流阻止層76が円形状に設けられ、その電流阻止層76上および電流阻止層76が形成されていない保護層75部分上にわたってp型GaP(例えばZnキャリア濃度5×1018cm-3)電流拡散層77が設けられている。電流拡散層77の中央部上には電流阻止層76と対向するようにp型電極711が円形状に設けられ、n型基板71側にはn型電極710が全面に設けられている。
【0056】
本参考例の半導体発光素子において、電流阻止層の形成領域では、AlGaAs電流阻止層76とAlGaP保護層75とのヘテロ接合により、価電子帯側に大きなバンド不連続(ヘテロバリア)が生じる。このヘテロバリアは、電流阻止層が形成されていない領域におけるAlGaP保護層75とGaP電流拡散層77との間のヘテロバリアよりも大きく、注入された電流が電流阻止層76の形成されていない領域に広げられるので、電極直下以外の広い領域の活性層73で発光が得られ、光の取り出し効率を向上させて高輝度の半導体発光素子とすることができた。また、本参考例の半導体発光素子においては、電流阻止層76がp型であるので、発光部上の結晶を全て同じ導電型にすることができ、製造工程を簡略化できると共に、逆導電型の不純物の再拡散が素子特性に悪影響を及ぼすのを防ぐこともできた。
【0057】
(参考例8)
この参考例8では、参考例6の電流拡散層を2層構造とし、その間に電流阻止層を設けた半導体発光素子について説明する。
【0058】
図8に、参考例8の半導体発光素子の断面図を示す。
【0059】
この半導体発光素子は、n型GaAs基板81上に、n型AlhGa1-hAs(0≦h≦1、例えばh=0.30、Siキャリア濃度5×1017cm-3)クラッド層82、AliGa1-iAs(0≦i≦1、例えばi=0)活性層83およびp型AlhGa1-hAs(0≦h≦1、例えばh=0.30、Znキャリア濃度5×1017cm-3)クラッド層84からなる半導体積層構造が設けられ、その上にp型GaP(例えばZnキャリア濃度5×1018cm-3)第1電流拡散層87aが設けられている。その中央部上にp型GaAs(例えばZnキャリア濃度1×1017cm-3)第1電流阻止層86およびp型(AlvGa1-v)1-wInwP(0≦v≦1、0≦w≦1、例えばv=0.70、w=0.50、Znキャリア濃度1×1017cm-3)第2電流阻止層88が円形状に設けられ、その電流阻止層86、88上および電流阻止層86、88が形成されていない半導体積層構造上にわたってp型GaP(例えばZnキャリア濃度5×1018cm-3)第2電流拡散層87bが設けられている。第2電流拡散層87bの中央部上には電流阻止層86、88と対向するようにp型電極811が円形状に設けられ、n型基板81側にはn型電極810が全面に設けられている。
【0060】
本参考例の半導体発光素子においては、参考例6で説明した効果に加えて、2層構造の電流拡散層87a、87bの間に電流阻止層86、88が設けられているので、第2電流拡散層87b内で電流阻止層86、88の周辺部まで広げられた電流が、第1電流拡散層87a内でさらに広げられてp型電極811直下以外の広い領域の活性層83に効率良く導かれ、発光領域を広げて光の取り出し効率をさらに向上させることができた。
【0061】
(参考例9)
この参考例9では、参考例1のn型電流阻止層の代わりに高抵抗の電流阻止層を設けた半導体発光素子について説明する。
【0062】
図9に、参考例9の半導体発光素子の断面図を示す。
【0063】
この半導体発光素子は、n型GaAs基板91上に、n型AlhGa1-hAs(0≦h≦1、例えばh=0.70、Siキャリア濃度5×1017cm-3)クラッド層92、AliGa1-iAs(0≦i≦1、例えばi=0.50)活性層93およびp型AlhGa1-hAs(0≦h≦1、例えばh=0.70、Znキャリア濃度5×1017cm-3)クラッド層94からなる半導体積層構造が設けられ、その上にp型GanIn1-nP(0≦n≦1、例えばn=0.50)保護層95が設けられている。保護層95の中央部上には(AlvGa1-v)1-wInwP(0≦v≦1、0≦w≦1、例えばv=0、w=0)電流阻止層96が円形状に設けられ、その電流阻止層96上および電流阻止層96が形成されていない保護層95部分上にわたってp型GaP(例えばZnキャリア濃度5×1018cm-3)電流拡散層97が設けられている。電流拡散層97の中央部上には電流阻止層96と対向するようにp型電極911が円形状に設けられ、n型基板91側にはn型電極910が全面に設けられている。
【0064】
高抵抗な電流阻止層を形成する方法としては、例えば不純物をドープしない方法や深い準位を形成しやすい不純物をドープする方法等があり、成長条件と適宜組み合わせることにより高抵抗層を成長させることができる。本参考例では、不純物をドープせずに成長温度を600℃にすることにより高抵抗な電流阻止層96を成長させた。
【0065】
本参考例の半導体発光素子においては、高抵抗な電流阻止層96が設けられていることにより、注入された電流が電流阻止層96の形成されていない領域に広げられるので、電極直下以外の広い領域の活性層93で発光が得られ、光の取り出し効率を向上させて高輝度の半導体発光素子とすることができた。また、本参考例の半導体発光素子においては、電流阻止層96の導電型やキャリア濃度の制御が不要であるので製造工程を簡略化できた。
【0066】
(参考例10)
この参考例10では、参考例9の電流拡散層を2層構造とし、その間に電流阻止層を設けた半導体発光素子について説明する。
【0067】
図10に、参考例10の半導体発光素子の断面図を示す。
【0068】
この半導体発光素子は、n型GaAs基板101上に、n型AlhGa1-hAs(0≦h≦1、例えばh=0.50、Siキャリア濃度5×1017cm-3)クラッド層102、AliGa1-iAs(0≦i≦1、例えばi=0.30)活性層113およびp型AlhGa1-hAs(0≦h≦1、例えばh=0.50、Znキャリア濃度5×1017cm-3)クラッド層104からなる半導体積層構造が設けられ、その上にp型GaP(例えばZnキャリア濃度5×1018cm-3)第1電流拡散層107aおよびp型GanIn1-nP(0≦n≦1、例えばn=0.50)保護層105が設けられている。保護層105の中央部上には(AlvGa1-v)1-wInwP(0≦v≦1、0≦w≦1、例えばv=0、w=0)電流阻止層106が円形状に設けられ、その電流阻止層106上および電流阻止層106が形成されていない保護層105部分上にわたってp型GaP(例えばZnキャリア濃度5×1018cm-3)第2電流拡散層107bが設けられている。第2電流拡散層107bの中央部上には電流阻止層106と対向するようにp型電極1011が円形状に設けられ、n型基板101側にはn型電極1010が全面に設けられている。
【0069】
本参考例の半導体発光素子においては、参考例9の効果に加えて、2層構造の電流拡散層107a、107bの間に電流阻止層106が設けられているので、第2電流拡散層107b内で電流阻止層106の周辺部まで広げられた電流が、第1電流拡散層107a内でさらに広げられてp型電極1011直下以外の広い領域の活性層103に効率良く導かれ、発光領域を広げて光の取り出し効率をさらに向上させることができた。
【0070】
(参考例11)
この参考例11では、参考例1のGaP電流拡散層の代わりにZnaMg1-aS1-bSeb(0≦a≦1、0≦b≦1)電流拡散層を設けた半導体発光素子について説明する。
【0071】
図11に、参考例11の半導体発光素子の断面図を示す。
【0072】
この半導体発光素子は、n型GaAs基板111上に、n型AlhGa1-hAs(0≦h≦1、例えばh=0.70、Siキャリア濃度5×1017cm-3)クラッド層112、AliGa1-iAs(0≦i≦1、例えばi=0.50)活性層113およびp型AlhGa1-hAs(0≦h≦1、例えばh=0.70、Znキャリア濃度5×1017cm-3)クラッド層114からなる半導体積層構造が設けられ、その上にp型(ZndMg1-d)S1-eSee(0≦d≦1、0≦e≦1、例えばd=0.85、e=0.85、Znキャリア濃度5×1017cm-3)保護層115が設けられている。保護層115の中央部上にはn型(ZnrMg1-r)S1-zSez(0≦r≦1、0≦z≦1、例えばr=0.85、z=0.85、Siキャリア濃度2×1018cm-3)電流阻止層116が円形状に設けられ、その電流阻止層116上および電流阻止層116が形成されていない保護層115部分上にわたってp型ZnaMg1-aS1-bSeb(0≦a≦1、0≦b≦1、例えばa=0.85、b=0.85、Znキャリア濃度1×1018cm-3)電流拡散層117が設けられている。電流拡散層117の中央部上には電流阻止層116と対向するようにp型ZnTe(例えばZnキャリア濃度1×1018cm-3)コンタクト層119を介してp型電極1111が円形状に設けられ、n型基板111側にはn型電極1110が全面に設けられている。
【0073】
本参考例の半導体発光素子においては、電流拡散層117がAlを含まないZnaMg1-aS1-bSeb(0≦a≦1、0≦b≦1)からなるため、GaP層と同様にAlの酸化が生じず、結晶性の低下や深い準位の形成による光吸収等の素子特性の低下を防ぐことができ、高温・高湿度条件下での輝度の低下も大幅に改善することができた。また、ZnaMg1-aS1-bSeb(0≦a≦1、0≦b≦1)層は、その組成によってGaP層よりもさらにバンドギャップを大きくすることができるので、電流拡散層による発光部からの光の吸収をさらに低減して光の取り出し効率を向上させ、高輝度の半導体発光素子を得ることができた。さらに、ZnaMg1-aS1-bSeb(0≦a≦1、0≦b≦1)層は、GaAs基板および発光部との格子整合が可能であるので、発光部に対して悪影響を及ぼさず、高い発光効率で発光させることができた。
【0074】
(参考例12)
この参考例12では、参考例1のGaP電流拡散層の代わりにGa1-cIncN(0≦c≦1)電流拡散層または(AlsGa1-s)1-tIntN(0<s≦0.3、0≦t≦1)電流拡散層を設けた半導体発光素子について説明する。
【0075】
図12に、参考例12の半導体発光素子の断面図を示す。
【0076】
この半導体発光素子は、n型GaAs基板121上に、n型AlhGa1-hAs(0≦h≦1、例えばh=0.50、Siキャリア濃度5×1017cm-3)クラッド層122、AliGa1-iAs(0≦i≦1、例えばi=0.30)活性層123およびp型AlhGa1-hAs(0≦h≦1、例えばh=0.50、Znキャリア濃度5×1017cm-3)クラッド層124からなる半導体積層構造が設けられ、その上にp型GaAIn1-AN(0≦A≦1、例えばA=0)保護層125が設けられている。保護層125の中央部上にはn型Ga1-BInBN(0≦B≦1、例えばB=0.10、Siキャリア濃度2×1018cm-3)電流阻止層126が円形状に設けられ、その電流阻止層126上および電流阻止層126が形成されていない保護層125部分上にわたってp型Ga1-cIncN(0≦c≦1、例えばc=0、Znキャリア濃度1×1018cm-3)電流拡散層127が設けられている。電流拡散層127の中央部上には電流阻止層126と対向するようにp型電極1211が円形状に設けられ、n型基板121側にはn型電極1210が全面に設けられている。
【0077】
本参考例の半導体発光素子においては、電流拡散層127がAlを含まないGa1-cIncN(0≦c≦1)からなるため、GaP層と同様にAlの酸化が生じず、結晶性の低下や深い準位の形成による光吸収等の素子特性の低下を防ぐことができ、高温・高湿度条件下での輝度の低下も大幅に改善することができた。また、Ga1-cIncN(0≦c≦1)層は、その組成によってGaP層よりもさらにバンドギャップを大きくすることができるので、電流拡散層による発光部からの光の吸収をさらに低減して光の取り出し効率を向上させ、高輝度の半導体発光素子を得ることができた。さらに、Ga1-cIncN(0≦c≦1)層は、その上に直接電極を設けることができるので、従来の半導体発光素子のようなコンタクト層が不要であり、製造工程を少なくして大幅なコストの低減が実現できた。
【0078】
また、本参考例の半導体発光素子において、GaInN電流拡散層127の代わりに(AlsGa1-s)1-tIntN(0<s≦0.3、0≦t≦1)電流拡散層を設けた場合、Al組成が0.3以下であるので電流拡散層が殆ど酸化されず、素子特性が低下しなかった。また、(AlsGa1-s)1-tIntN(0<s≦0.3、0≦t≦1)層は、Al組成が0.3以下であってもGaP層よりもさらにバンドギャップを大きくすることができるので、電流拡散層による発光部からの光の吸収をさらに低減して光の取り出し効率を向上させ、高輝度の半導体発光素子を得ることができた。さらに、(AlsGa1-s)1-tIntN(0<s≦0.3、0≦t≦1)層は、その上に直接電極を設けることができるので、従来の半導体発光素子のようなコンタクト層が不要であり、製造工程を少なくして大幅なコストの低減が実現できた。
【0079】
(参考例13)
この参考例13では、参考例1のGaP電流拡散層の代わりに(AlxGa1-x)1-yInyP(0<x≦0.3、0≦y≦1)電流拡散層を設けた半導体発光素子について説明する。
【0080】
この半導体発光素子は、n型GaAs基板131上に、n型AlhGa1-hAs(0≦h≦1、例えばh=0.50、Siキャリア濃度5×1017cm-3)クラッド層132、AliGa1-iAs(0≦i≦1、例えばi=0.30)活性層133およびp型AlhGa1-hAs(0≦h≦1、例えばh=0.50、Znキャリア濃度5×1017cm-3)クラッド層134からなる半導体積層構造が設けられ、その上にp型GanIn1-nP(0≦n≦1、例えばn=0)保護層135が設けられている。保護層135の中央部上にはn型GaP(例えばSiキャリア濃度2×1018cm-3)電流阻止層136が円形状に設けられ、その電流阻止層136上および電流阻止層136が形成されていない保護層135部分上にわたってp型(AlxGa1-x)1-yInyP(0<x≦0.3、0≦y≦1、例えばx=0.1、y=0.1、Znキャリア濃度5×1018cm-3)電流拡散層137が設けられている。電流拡散層137の中央部上には電流阻止層136と対向するようにp型GaAs(例えばZnキャリア濃度5×1018cm-3)コンタクト層139を介してp型電極1311が円形状に設けられ、n型基板131側にはn型電極1310が全面に設けられている。
【0081】
本参考例の半導体発光素子においては、電流拡散層137がAl組成が0.3以下の(AlxGa1-x)1-yInyP(0<x≦0.3、0≦y≦1)からなるため、電流拡散層が殆ど酸化されず、素子特性が低下しなかった。また、(AlxGa1-x)1-yInyP(0<x≦0.3、0≦y≦1)層は、Al組成が0.3以下であってもGaP層よりもバンドギャップを大きくすることができるので、電流拡散層による発光部からの光の吸収をさらに低減して光の取り出し効率を向上させ、高輝度の半導体発光素子を得ることができた。さらに、(AlxGa1-x)1-yInyP(0<x≦0.3、0≦y≦1)層は、GaAs基板および発光部との格子整合が可能であるので、発光部に対する悪影響が生じず、高い発光効率で発光させることができた。
【0082】
(実施形態)
この実施形態では、参考例1のGaP電流拡散層の代わりに(AlpGa1-p)1-qInqAs(0<p≦0.3、0≦q≦1)電流拡散層を設けた半導体発光素子について説明する。
【0083】
この半導体発光素子は、n型GaAs基板141上に、n型AlhGa1-hAs(0≦h≦1、例えばh=0.30、Siキャリア濃度5×1017cm-3)クラッド層142、(AljGa1-j)1-kInkAs(0≦j≦1、0≦k≦1、例えばj=0、k=0.90)活性層143およびp型AlhGa1-hAs(0≦h≦1、例えばh=0.30、Znキャリア濃度5×1017cm-3)クラッド層144からなる半導体積層構造が設けられ、その上にp型(AlDGa1-D)1-EInEAs(0≦D≦1、0≦E≦1、例えばD=0、E=0.80)保護層145が設けられている。保護層145の中央部上にはn型(AlFGa1-F)1-GInGAs(0≦F≦1、0≦G≦1、例えばF=0、G=0.80、例えばSiキャリア濃度2×1018cm-3)電流阻止層146が円形状に設けられ、その電流阻止層146上および電流阻止層146が形成されていない保護層145部分上にわたってp型(AlpGa1-p)1-qInqAs(0<p≦0.3、0≦q≦1、例えばp=0.1、q=0.80、Znキャリア濃度5×1018cm-3)電流拡散層147が設けられている。電流拡散層147の中央部上には電流阻止層146と対向するようにp型GaAs(例えばZnキャリア濃度5×1018cm-3)コンタクト層149を介してp型電極1411が円形状に設けられ、n型基板141側にはn型電極1410が全面に設けられている。
【0084】
本実施形態の半導体発光素子においては、電流拡散層147がAl組成が0.3以下の(AlpGa1-p)1-qInqAs(0<p≦0.3、0≦q≦1)からなるため、電流拡散層が殆ど酸化されず、素子特性が低下しなかった。また、(AlpGa1-p)1-qInqAs(0<p≦0.3、0≦q≦1)層は、Al組成が0.3以下であってもGaP層よりもバンドギャップを大きくすることができるので、電流拡散層による発光部からの光の吸収をさらに低減して光の取り出し効率を向上させ、高輝度の半導体発光素子を得ることができた。
【0085】
なお、本発明は上述した実施形態に限定させるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、n型クラッド層、活性層、p型クラッド層や保護層は他の材料を用いてもよく、組成を適宜変更してもよい。
【0086】
また、電流拡散層は、活性層よりもバンドギャップが大きく、Alを含まないかAl組成が0.3以下である化合物半導体であれば他の材料を用いてもよく、組成を適宜変更してもよい。
【0087】
また、電流阻止層はバンドギャップが活性層よりも大きいことが望ましいが、これに限られず、バンドギャップが活性層と同じであったり、活性層よりも小さい材料を用いてもよく、組成を適宜変更してもよい。
【0088】
また、上記実施形態ではn型基板上に各半導体層を成長させたが、p型基板を用いてもよい。この場合には、各半導体層の導電型を逆の導電型にすればよい。
【0089】
また、上記実施形態では、半導体積層構造の中央部上に円形状の電流阻止層を設けたが、電流阻止層の形成位置は半導体積層構造の一部上であればよく、例えば半導体積層構造の両端部上に設けたり、半導体積層構造の中央部上を囲むように設けたりしてもよい。
【0090】
さらに、上記実施形態では、p型クラッド層とn型クラッド層との間に活性層を設けたダブルヘテロ接合構造を用いた半導体発光素子について説明したが、シングルヘテロ接合構造やホモ接合構造の半導体発光素子に本発明を適用することも可能である。
【0091】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、電極直下以外の広域での発光が実現でき、光の取り出し効率を向上させた高輝度の半導体発光素子が得られる。また、電流拡散層をバンドギャップが大きい化合物半導体で構成するため、発光部からの光が電流拡散層で吸収されることはなく、高輝度の半導体発光素子が得られる。さらに、電流拡散層がAlを含まないか、またはAl組成が0より大で0.3以下である化合物半導体からなるので、従来のAlGaAs電流拡散層を用いた半導体発光素子のように、電流拡散層の酸化や電流拡散層による光吸収、電流拡散層中に含まれるp型ドーパントの拡散等が生じず、信頼性を向上させることができる。また、半導体積層構造と電流拡散層との間には電流阻止層が部分的に設けられているので、電極直下以外の領域での発光効率がさらに向上する。
【0092】
また、上記電流拡散層を2層にして、その間に電流阻止層を部分的に設けると、光取り出し電極側の電流拡散層内で電流阻止層の形成されていない領域まで電流が広げられ、さらに基板側の電流拡散層内で電流が広げられるので、より広い領域で発光が得られる。
【0093】
上記電流阻止層は、第1導電型の化合物半導体または高抵抗材料からなるものを用いることができる。特に、電流阻止層が高抵抗材料からなる場合には、電流阻止層の導電型を制御したり、電流阻止層のキャリア濃度を制御したりする必要が無いため、製造工程が簡略化されると共に、不純物の再拡散による悪影響等も防ぐことができる。また、上記電流阻止層は、その電流阻止層が形成されていることにより形成領域のヘテロバリアを非形成領域のヘテロバリアよりも大きくするような第2導電型の化合物半導体層を用いることができる。この場合、発光部上の結晶が全て同じ導電型になるので、製造工程が簡略化されると共に、逆導電型の不純物の再拡散による悪影響も防ぐことができる。
【0094】
上記電流拡散層としてGaP層を用いた場合、Alを含まないので、その酸化による素子特性の低下が生じず、信頼性を大幅に改善することができる。また、GaP層は、従来の半導体発光素子において用いられているAlGaAs層よりもバンドギャップが大きく、電流拡散層による発光部からの光の吸収を低減することができるので、光の取り出し効率をより向上させて高輝度の半導体発光素子を得ることができる。また、GaP層は、Al組成gを0.4以上にしたAlgGa1-gAs層よりもp型ドーパントのイオン化率が高いので、結晶成長中に拡散したp型ドーパントが素子特性に悪影響を及ぼすのを防ぐことができる。さらに、GaP層は、その上に直接電極を設けることができるので、従来の半導体発光素子のようなコンタクト層が不要であり、製造工程を少なくして大幅なコストの低減が実現できる。
【0095】
上記電流拡散層としてZnaMg1-aS1-bSeb(0≦a≦1、0≦b≦1)層を用いた場合、GaP層と同様にAlを含まないので、その酸化による素子特性の低下が生じず、信頼性を大幅に改善することができる。また、ZnaMg1-aS1-bSeb(0≦a≦1、0≦b≦1)層は、GaP層よりもさらにバンドギャップを大きくすることができるので、電流拡散層による発光部からの光の吸収をさらに低減して高輝度の半導体発光素子をえることができる。さらに、ZnaMg1-aS1-bSeb(0≦a≦1、0≦b≦1)層は、GaAs基板および発光部との格子整合が可能であるので、発光部に対して悪影響を及ぼさない。
【0096】
上記電流拡散層としてGa1-cIncN(0≦c≦1)層を用いた場合、GaP層と同様にAlを含まないので、その酸化による素子特性の低下が生じず、信頼性を大幅に改善することができる。また、Ga1-cIncN(0≦c≦1)層は、GaP層よりもさらにバンドギャップを大きくすることができるので、電流拡散層による発光部からの光の吸収をさらに低減して高輝度の半導体発光素子を得ることができる。さらに、Ga1-cIncN(0≦c≦1)層は、その上に直接電極を設けることができるので、従来の半導体発光素子のようなコンタクト層が不要であり、製造工程を少なくして大幅なコストの低減が実現できる。
【0097】
上記電流拡散層として(AlxGa1-x)1-yInyP(0<x≦0.3、0≦y≦1)層を用いた場合、Al組成が0.3以下であるので電流拡散層が酸化されにくく、信頼性が低下しない。また、(AlxGa1-x)1-yInyP(0<x≦0.3、0≦y≦1)層は、Al組成が0.3以下であっても発光部よりもバンドギャップを大きく設定することが可能であり、電流拡散層による発光部からの光の吸収を低減できるので、光の取り出し効率を向上させて高輝度の半導体発光素子を得ることができる。さらに、(AlxGa1-x)1-yInyP(0<x≦0.3、0≦y≦1)層は、GaAs基板および発光部との格子整合が可能であるので、発光部に対する悪影響が生じない。
【0098】
上記電流拡散層として(AlsGa1-s)1-tIntN(0<s≦0.3、0≦t≦1)層を用いた場合、Al組成が0.3以下であるので電流拡散層が酸化されにくく、信頼性が低下しない。また、(AlsGa1-s)1-tIntN(0<s≦0.3、0≦t≦1)層は、Al組成が0.3以下であっても従来の半導体発光素子で用いられているAlGaAs層よりもバンドギャップを大きく設定することが可能であるので、電流拡散層による発光部からの光の吸収を低減できる。さらに、(AlsGa1-s)1-tIntN(0<s≦0.3、0≦t≦1)層は、その上に直接電極を設けることができるので、従来の半導体発光素子のようなコンタクト層が不要であり、製造工程を少なくして大幅なコストの低減が実現できる。
【0099】
上記電流拡散層として(AlpGa1-p)1-qInqAs(0<p≦0.3、0≦q≦1)層を用いた場合、Al組成が0.3以下であるので電流拡散層が酸化されにくく、信頼性が低下しない。また、(AlpGa1-p)1-qInqAs(0<p≦0.3、0≦q≦1)層は、Al組成が0.3以下であっても発光部よりもバンドギャップを大きく設定することが可能であるので、電流拡散層による発光部からの光の吸収を低減できる。
【0100】
上記電流阻止層と上記半導体積層構造との間に保護層を設けると、再成長前にAlを含む材料からなるクラッド層が露出されて酸化されるのを防ぐことができる。また、電流阻止層との選択エッチングが可能な材料からなる保護層を設ければ、製造工程を大幅に簡略化して大幅なコストの低減が実現できる。
【0101】
上記発光部としてAliGa1-iAs(0≦i≦1)層を用いると、0.68μm〜0.86μm帯の赤外領域において高出力の半導体発光素子が得られる。また、上記発光部として(AljGa1-j)1-kInkAs(0≦j≦1、0≦k≦1)層を用いると、0.95μm〜1.25μm帯の赤外領域において高出力の半導体発光素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1の半導体発光素子の製造工程を示す断面図である。
【図2】 参考例2の半導体発光素子を示す断面図である。
【図3】 参考例3の半導体発光素子を示す断面図である。
【図4】 参考例4の半導体発光素子を示す断面図である。
【図5】 参考例5の半導体発光素子を示す断面図である。
【図6】 参考例6の半導体発光素子を示す断面図である。
【図7】 参考例7の半導体発光素子を示す断面図である。
【図8】 参考例8の半導体発光素子を示す断面図である。
【図9】 参考例9の半導体発光素子を示す断面図である。
【図10】 参考例10の半導体発光素子を示す断面図である。
【図11】 参考例11の半導体発光素子を示す断面図である。
【図12】 参考例12の半導体発光素子を示す断面図である。
【図13】 参考例13の半導体発光素子を示す断面図である。
【図14】 実施形態の半導体発光素子の断面図である。
【図15】 従来の半導体発光素子の断面図である。
【符号の説明】
1、21、31、41、51、61、71、81、91、101、111、121、131、141 n型基板
2、22、32、42、52、62、72、82、92、102、112、122、132、142 n型クラッド層
3、23、33、43、53、63、73、83、93、103、113、123、133、143 活性層
4、24、34、44、54、64、74、84、94、104、114、124、134、144 p型クラッド層
5、25、35、45、55、75、95、105、115、125、135、145 保護層
6、26、36、46、56、66、68、76、86、88、96、106、116、126、136、146 電流阻止層
7、27、37、47、57a、57b、67、77、87a、87b、97、107a、107b、117、127、137、147 電流拡散層
119、139、149 コンタクト層
10、210、310、410、510、610、710、810、910、1010、1110、1210、1310、1410 n型電極
11、211、311、411、511、611、711、811、911、1011、1111、1211、1311、1411 p型電極
Claims (1)
- 基板上に、第1クラッド層、(Al j Ga 1-j ) 1-k In k As(0≦j<0.3、0<k≦1)からなる発光部としての活性層、および第2クラッド層が、その順で積層されるとともに、該第2クラッド層上に(AlDGa1-D)1-EInEAs(0≦D≦1、0<E≦1)からなる保護層が積層されており、該保護層上に、部分的に電流阻止層が設けられ、該電流阻止層の上および該電流阻止層が形成されていない保護層の上にわたって、Al組成が0より大で0.3以下であり、前記活性層よりもバンドギャップが大きい(AlpGa1-p)1-qInqAs(0<p≦0.3、0<q≦1)からなる電流拡散層が設けられ、さらに該電流拡散層の上に該電流阻止層と対向するように光取り出し側電極が設けられている半導体発光素子。
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