JP2009260136A - 半導体発光素子及びその製造方法、エピタキシャルウェーハ - Google Patents

半導体発光素子及びその製造方法、エピタキシャルウェーハ Download PDF

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Abstract

【課題】結晶性が改善され、高輝度且つ長時間安定動作が可能な半導体発光素子及びその製造方法、エピタキシャルウェーハを提供する。
【解決手段】 キャリア濃度が3×1017乃至1×1018cm−3の範囲のGaP基板と、第1の面側が前記GaP基板に対して接着された接着層と、前記接着層の前記第1の面側と対向する第2の面側に形成され、前記接着層との間の格子のずれが前記GaP基板と前記接着層との間の格子のずれより小さく、前記GaP基板を透過する光を放出可能な発光層を含む上部成長層と、を備えたことを特徴とする半導体発光素子及びその製造方法、エピタキシャルウェーハが提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体発光素子及びその製造方法、エピタキシャルウェーハに関する。
緑、黄、赤色などの可視光を放出する半導体発光素子は、照明、車載、ディスプレイ、信号機などの用途を有する。これらの用途の半導体発光素子は、高輝度、且つ長時間安定動作が要求される。
緑〜赤色光の可視光波長よりも長い約870nmのバンドギャップ波長を有するGaAs基板上に半導体発光素子の発光層を形成すると、放出光のうちGaAs基板に向かう光の一部が吸収され、光出力が低下する。
これに対して、緑〜赤色光の可視光波長よりも短い約550nmのバンドギャップ波長を有するGaP基板を用いると、GaP基板による光吸収を低減でき、高輝度とすることが容易となる。
しかしながら、緑〜赤色の可視光範囲の光を放出するInGaAlP及び赤〜赤外光の波長範囲を放出するGaAlAs系半導体の格子定数は、GaPの格子定数との差が数%と大きく、GaP基板上に低結晶欠陥密度のInGaAlP及びGaAlAs系積層体を直接結晶成長することが困難である。
長寿命の発光ダイオードの製造に適したりん化ひ化ガリウムエピタキシャルウェーハ及びその製造方法に関する技術開示例がある(特許文献1)。この技術開示例では、単結晶基板上に、キャリア濃度が5×1016〜5×1017cm−3であるりん化ひ化ガリウム混晶率変化層及び混晶率一定層を形成し、その上にキャリア濃度が3×1015cm−3以下である窒素をドープしたりん化ひ化ガリウムをさらに形成したりん化ひ化ガリウムエピタキシャルウェーハを用いて、輝度低下が小さく、かつVfの低い発光ダイオードを形成している。
しかしながら、この技術開示例を用いても、緑〜赤色光の広い波長範囲において、高輝度、且つ長時間安定動作する発光素子を実現することは困難である。
特許第3436379号公報
結晶性が改善され、高輝度且つ長時間安定動作が可能な半導体発光素子及びその製造方法、エピタキシャルウェーハを提供する。
本発明の一態様によれば、キャリア濃度が3×1017乃至1×1018cm−3の範囲のGaP基板と、第1の面側が前記GaP基板に対して接着された接着層と、前記接着層の前記第1の面側と対向する第2の面側に形成され、前記接着層との間の格子のずれが前記GaP基板と前記接着層との間の格子のずれよりも小さく、前記GaP基板を透過する光を放出可能な発光層を含む上部成長層と、を備えたことを特徴とする半導体発光素子が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、キャリア濃度が3×1017乃至1×1018cm−3の範囲のGaP基板と、少なくともGa及びAsを含む化合物半導体からなる表面制御層と、前記表面制御層の第1の面側に形成され、前記表面制御層と対向する側の面が前記GaP基板に対して接着された接着層と、前記表面制御層の前記第1の面側と対向する第2の面側に形成され、前記表面制御層との間の格子のずれが前記GaP基板と前記接着層との間の格子のずれよりも小さく、前記GaP基板を透過する光を放出可能なInGaAlP系半導体またはGaAlAs系半導体からなる発光層を含む上部成長層と、を備えたことを特徴とする半導体発光素子が提供される。
また、本発明のさらに他の一態様によれば、第1の基板の上に接着層を結晶成長する工程と、キャリア濃度が3×1017乃至1×1018cm−3の範囲であるGaP基板と、前記接着層の第1の面の側と、を加熱状態で接着したのち、前記第1の基板を除去する工程と、前記第1の面と対向する前記接着層の第2の面の側に、前記GaP基板を透過する光を放出可能な発光層を含む上部成長層を結晶成長する工程と、を備えたことを特徴とする半導体発光素子の製造方法が提供される。
また、本発明のさらに他の一態様によれば、キャリア濃度が3×1017乃至1×1018cm−3の範囲のGaP基板と、第1の面の側が前記GaP基板に対して加熱接着された接着層と、前記加熱接着された前記接着層の前記第1の面側と対向する第2の面側に結晶成長され、直径が10μm以上である表面ヒロック数が2インチウェーハに換算して490以下であり、前記接着層との間の格子のずれが前記GaP基板と前記接着層との間の格子のずれよりも小さく、前記GaP基板を透過する光を放出可能な発光層を含む上部成長層と、を備えたことを特徴とするエピタキシャルウェーハが提供される。
結晶性が改善され、高輝度且つ長時間安定動作が可能な半導体発光素子及びその製造方法、エピタキシャルウェーハが提供される。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態にかかる半導体発光素子を説明する模式図である。すなわち、図1(a)はGaP基板との接着工程を説明する図、図1(b)は下地層の上に上部成長層を形成したエピタキシャルウェーハの断面図、図1(c)は半導体発光素子の断面図である。
また、図2は、本実施形態にかかる半導体発光素子の製造方法を表すフローチャートである。
まず、GaAs基板28上に、InGaPからなるバッファ層26、In0.5(Ga0.3Al0.70.5Pからなり、エッチングストップ作用を有するバッファ層24(厚さ50nm)、n型In0.5(Ga0.5Al0.50.5Pからなる第1の接着層20(厚さ0.3μm、キャリア濃度4×1017cm−3)を、この順序で結晶成長した仮基板19を形成する(S100)。この結晶成長には、例えばMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相成長)法及びMBE(Molecular Beam Epitaxy:分子線エピタキシャル)法などを用いることができる。
仮基板19と接着される基板は、透光性を有し単結晶であるGaP基板10とし、そのキャリア濃度は、3×1017〜1×1018cm−3の範囲とすることが好ましく、3〜8×1017cm−3とするとより好ましい。また、GaP基板10の面方位は、例えば(100)面から[011]または[−011]の方向へ3〜20度傾いたものとすると、結晶性改善が容易となるがこれに限定されるものではない。なお,バッファ層26、24を省略することもできるが、バッファ層を設けることにより結晶成長及び仮基板19の除去を容易にすることができる。
第1の接着層20の第1の面20aに適正な前処理を行うことより清浄にする。他方、R最大値が10nm以下のラフネスであるように鏡面仕上げされたGaP基板10の上面は、例えば希弗酸などを用いて自然酸化膜を除去し、且つ洗浄などにより清浄にする。このようにすると、自然酸化膜及び付着した不要な微細粒子であるパーティクルなどによる接着不良領域の発生を抑制した接着界面15とできる。
仮基板19の第1の面20a及びGaP基板10の上面を貼り合わせ(S102)、水素雰囲気中において約400℃近傍で加熱することにより接着する(S104)。接着後、GaAs基板28を、例えば溶液エッチング法により除去し、バッファ層26の表面を露出する(S106)。次に約770℃で加熱することにより良好な接着特性(オーミック特性、接着強度)を得る(S108)。なお、GaP基板10のソリ量を、直径2インチウェーハにおいて20μm以下、直径3インチウェーハにおいて50μm以下とすると、接着不良領域の抑制が容易となる。
発光層32を含む上部成長層39を結晶成長する直前に、バッファ層24を除去し、酸化物や汚れが抑制された第1の接着層20の第2の面20bを露出する。清浄な第2の面20bに、InGaAlPからなるバッファ層29(キャリア濃度4×1017cm−3)、n型InAlPからなるクラッド層30(厚さ0.6μm、キャリア濃度4×1017cm−3)p型In0.5(GaAl0.5Pからなる発光層32(キャリア濃度8×1016cm−3)、p型InAlPからなるクラッド層34(厚さ0.6μm、キャリア濃度4×1017cm−3)、p型In0.5(Ga0.3Al0.70.5Pからなる電流拡散層36(厚さ1.5μm、キャリア濃度1.5×1018cm−3)、p型In0.5(Ga0.7Al0.30.5Pからなる中間層37(厚さ10nm、キャリア濃度1.5×1018cm−3)、及びp型GaAsからなるコンタクト層38(厚さ0.1μm、キャリア濃度2×1018cm−3)、をこの順序で、MOCVD法またはMBE法などを用いて積層した上部成長層39を形成する(S110)。
発光層32を多重量子井戸構造とすると、動作電圧の低減、発光波長の制御などが容易となる。例えば、x=0.96且つy=0.04、幅5nmの井戸層と、x=0.2且つy=0.8、幅8nmのバリア層と、を40対配置した構造とすることができる。
図1において、第1の接着層20と上部成長層39との間の格子のずれは、第1の接着層20とGaP基板10との間の格子のずれよりも小さい。すなわち、GaPの格子定数が約5.4512オングストロームであり、第1の接着層20及び上部成長層39は格子定数が約5.6533オングストロームであるGaAsと略格子整合されている。このようにして、GaP基板10は、第1の接着層20に近い領域に転位などを生じ格子緩和されている。このために、接着界面15近傍に生じた結晶欠陥が上部成長層39にまで及ぶことが抑制できる。ここで、「格子のずれ」は、例えば、これら各層を構成する半導体の格子定数の差として定義することができる。
このようにして得られた図1(b)のエピタキシャルウェーハ8において、コンタクト層38の上にリフトオフ法を用いてAuZnからなるボンディング電極66(例えばφ100μm)及び3μm幅の細線電極68を形成する。また、GaP基板10の下面に、AuGeからなる下側電極90を、リフトオフ法を用いて形成する(S112)。この場合、下側電極90は、例えば電極被覆率が30%とし、下面の残余の部分を反射層92とすると、下面における光吸収を低減できる。このようにして、図1(c)の半導体発光素子を得ることができる。
続いて、450℃のRTA熱処理により、ボンディング電極66、細線電極68、及び下側電極90をオーミック接触とした後、ボンディング電極66及び細線電極68で覆われた領域以外のコンタクト層38をエッチング除去し、光吸収を低減する。さらに、ダイシングを行いチップに分離し、塩酸系溶液を用いて破砕層をエッチング除去する(S114)。このようにして、図1(c)に表す半導体発光素子が完成する。
図3は、比較例にかかる半導体発光素子を説明する模式図である。すなわち、図3(a)は接着工程を説明する図、図3(b)は接着後のエピタキシャルウェーハを表す断面図である。
比較例にかかる半導体発光素子は、図1の本実施形態とは反対の導電型であるp型GaPからなるGaP基板110の上に、p型GaPからなる接着層112が形成されている。
他方、GaAs基板120上に、n型GaAsからなるコンタクト層124、n型InGaAlPからなる電流拡散層126、n型InAlPからなるクラッド層128、発光層130、p型最終バリア層132、p型InAlPからなるクラッド層134、p型InGaPからなる接着層136、がこの順序で結晶成長されている。
p型GaP基板110上のp型GaPからなる接着層112と、p型InGaPからなる接着層136と、が貼り合わされ、水素雰囲気中で約400℃の加熱工程により接着される。次にGaAs基板を、例えば溶液エッチング法で除去する。さらに、約770℃の熱処理により接着界面170のオーミック接触を得ている。約770℃の熱処理工程において、Znなどの不純物が拡散を生じ、発光層130近傍において結晶性劣化が生じやすい。このために、輝度が、赤色光では略20%、緑〜黄色光では略40%低下することがある。
これに対して、本実施形態では、GaP基板10上に第1の接着層20を形成したのち、発光層32を含む上部成長層39の結晶成長を行う。すなわち、上部成長層39が、高い温度となる接着加熱工程を経ることはなく、Znなど不純物が発光層32の近傍に拡散することを抑制できる。また、GaAsに対して略格子整合された第1の接着層20上に、GaAsに対して略格子整合する上部成長層39が結晶成長されるので、高い品質の結晶とすることが一層容易となる。
次に、本実施形態にかかる半導体発光素子用GaP基板10の濃度について説明する。
図4は、エピタキシャル成長工程において生じるヒロックを説明する模式図である。すなわち、図4(a)はエピタキシャルウェーハの断面図、図4(b)はエピタキシャルウェーハ表面を表す図、図4(c)はチップの平面図である。
GaP基板10が高キャリア濃度であると、格子間(インタースティシャルサイト)にn型不純物として寄与しない原子が存在するようになり結晶欠陥として作用する。GaP基板10上のこのような結晶欠陥60が起点となり、第1の接着層20には、微小な空洞であるボイド領域62を生じやすくなっている。GaAs基板28及びバッファ層24、26を除去後、ボイドにより第2の面20b上には、結晶方位が正常な方位からずれ、且つ直径が数μmに及ぶ突起物であるヒロック61を生じる。
上部成長層39を結晶成長する工程において、このヒロック61の上方の上部成長層39では多結晶領域63を生じやすい。上部成長層39の厚さは4μm前後であるので、エピウェーハ8の表面ではヒロック64の直径が10μm以上に拡大することがある。図4(b)は、エピタキシャルウェーハ8の表面のヒロックの分布の一例を表す。
多結晶領域63は非発光となり、且つ逆方向電圧が4Vにおいて100μA前後の異常に高いリーク電流となるので、特性不良となりチップ歩留まりが低下する。また、図4(c)のように、ヒロック64が細線電極68の近傍に生じると、細線電極68の断線を生じやすくなり輝度が低下する。
なお、図3の比較例において、GaAs基板120上にも結晶欠陥121が存在するがGaP基板の場合よりも少なく、且つ略格子整合された成長層を形成するので、ボイドに起因する多結晶領域の広がりを抑制することが容易である。
図5は、直径2インチのエピタキシャルウェーハにおける結晶成長前のパーティクルの付着(パーティクル密度)に応じた、結晶成長後のヒロック密度の基板キャリア濃度依存性を表すグラフ図である。
縦軸は上部成長層39の表面のヒロック密度(1/ウェーハ)であり、横軸はGaP基板10のキャリア濃度(cm−3)である。なお、GaP基板10の表面は、鏡面仕上げであり、且つ結晶成長前は洗浄により清浄に保ってあり、パーティクルの付着を抑制している。このようにして、GaP基板10の表面における直径0.3μm以上のパーティクル密度を100/ウェーハ以下と低く抑えた場合を◆印で表している。
ヒロック及びパーティクルの形状は不定形であることが多いが、本願明細書においては、エピタキシャルウェーハを上方から見て等面積となる真円の直径をヒロック及びパーティクルの「直径」として、ヒロック及びパーティクルの大きさをそれぞれ表すことにする。図5におけるヒロック密度は、直径2インチのエピタキシャルウェーハ8表面において、直径が10μm以上であるヒロックの数とする。また、エピタキシャルウェーハ8の直径が、例えば3インチの場合は、実効的面積比で換算するものとする。
キャリア濃度中心値が1×1018cm−3において、◆印で表すヒロック密度は略490/ウェーハであり、これよりも高いキャリア濃度においてヒロック密度が急激に増加した。キャリア濃度中心値が、3×1017〜1.45×1018cm−3の範囲内であるエピタキシャルウェーハを用いた発光素子の初期不良率(%)を調べた結果を(表1)に表す。
Figure 2009260136
この場合、キャリア濃度中心値に対するヒロック密度は図5に表す関係に従っている。初期不良とする基準は、輝度不足、及び逆方向電圧が4Vにおいて逆方向電流が1μA以上となるリーク不良である。輝度不足は、多結晶領域63による非発光及び細線電極68の断線などにより生じる。
本実施形態にかかる発光素子は、キャリア濃度中心値が3×1017〜1×1018cm−3の範囲のキャリア濃度を有するウェーハ番号1〜7であり、合計した平均不良率を1%よりも低くし、高いチップ歩留まりとできた。他方、ウェーハ番号8、9、10のグループは、キャリア濃度中心値が1.2〜1.45×1018cm−3に対応し、合計した平均不良率は約10%と高く、高いチップ歩留まりを得ることが困難であった。さらに、ウェーハ番号8、9、10のグループにおける平均輝度は、ウェーハ番号1〜7のグループの平均輝度よりも20%以上低く、所望の輝度を保つことが困難であった。
また、図5において、直径が0.3μm以上のパーティクル密度が、略300/ウェーハ(■印)、略800/ウェーハ(△印)、略1100/ウェーハ(□印)の場合のヒロック密度をそれぞれ破線で表している。パーティクル密度が高くなるに従い、ヒロック密度が高くなる。例えば、パーティクル密度が略1100/ウェーハでは、GaP基板濃度が3×1017cm−3において、ヒロック密度が略1300/ウェーハと高くなる。このような高いヒロック密度となると初期不良率を1%以下と低く抑えることが困難となるので、パーティクル密度を、例えば100/ウェーハ以下とすることが好ましい。このようにして、高輝度及び高い歩留まりが可能であり、量産性に富む半導体発光素子の製造方法が提供される。
なお、キャリア濃度が3×1017cm−3よりも低いと、オーミック抵抗が増加し発光素子の順方向電圧が高くなるので、キャリア濃度を3×1017cm−3以上とすることが好ましい。
図6は、輝度の時間変動を表すグラフ図である。縦軸は発光素子間における平均輝度変動率(%)であり、横軸は通電時間(h)である。なお、動作条件は、室温且つ動作電流50mAとした。
GaP基板10のキャリア濃度中心値が1.4×1018cm−3である場合、1000時間経過ののち平均輝度が略85%まで低下した。これは、GaP基板10の高キャリア濃度に基づいて発光層32に点欠陥、転位、積層欠陥などの結晶欠陥が増加し、注入キャリアの非発光再結合によりこれらの結晶欠陥が通電時間の経過とともにますます広がることによる。
これに対して、キャリア濃度中心値を1×1018cm−3以下とする本実施形態では、1000時間経過後も、平均輝度が94%以上を保っている。また、キャリア濃度を低くしていくと、平均輝度変動率を低減できる。例えば、キャリア濃度3×1017cm−3においては、1000時間経過後も、平均輝度は99%以上であり変動が極めて少ない。このように、本実施形態では、1×1018cm−3以下のキャリア濃度範囲とすることにより、輝度変動を抑制することが容易であった。このために、長時間安定動作が要求される用途に用いることができる。
図7は、本実施形態の半導体発光素子の第1変形例を説明する図である。すなわち、図(a)は接着工程を説明する図、(b)は上部成長層を成長後のエピタキシャルウェーハ断面図である。
本第1変形例では、GaAs基板28上に、InGaPからなるバッファ層26、In0.5(Ga0.3Al0.70.5Pからなるバッファ層24(厚さ50nm)、n型GaAsからなる表面制御層22(厚さ10nm、キャリア濃度4×1017cm−3)、n型In0.5(Ga0.5Al0.50.5Pからなる第1の接着層20(厚さ0.3μm、キャリア濃度4×1017cm−3)を、この順序で積層する。
第1の接着層20は、n型In0.5(Ga0.5Al0.50.5Pなる組成を有しているが、これらの構成元素のうち、Inは凝固しやすく、Pは蒸発しやすい。すなわち、結晶成長工程において、第1の接着層20の表面が露出し組成比が上記の比率からずれることがある。組成がずれた第1の接着層20の上に、主としてInGaAlP系半導体からなる上部成長層39を結晶成長すると、結晶欠陥が増加する。結晶欠陥の増加は、輝度低下及び長時間動作に伴う輝度低下を生じる。
少なくともGa及びAsを含み、In及びPを実質的には含まないIII−V族化合物半導体膜からなる薄い表面制御層22を、第1の接着層20に隣接して配置しこの表面制御層22上に上部成長層39を結晶成長すると、InGaAlP組成が安定し結晶欠陥が低減された上部成長層39とできる。この場合、表面制御層22はGaAsと略格子整合されているので、上部成長層39との間の格子のずれはGaP基板10と第1の接着層20との間の格子のずれよりも小さい。
なお、表面制御層22をGaAsとする場合、その厚さを、例えば70nm以下とすると可視〜赤外光の波長範囲の光の吸収を十分に小さくし、且つ結晶性をより改善できる。この場合、GaP基板10と、上部成長層39と、の間の下地層23は、表面制御層22及び第1の接着層20とからなる。
図8は、本実施形態にかかる半導体発光素子の第2変形例を説明する模式図である。すなわち、図(a)は接着工程を説明する図、図(b)はエピタキシャルウェーハ断面図、図8(c)は発光素子の断面図である。
本第2変形例では、GaAs基板28上に、InGaPからなるバッファ層26、In0.5(Ga0.3Al0.70.5Pからなるバッファ層24(厚さ50nm)、n型GaAsからなる表面制御層22(厚さ10nm、キャリア濃度4×1017cm−3)、n型In0.5(Ga0.5Al0.50.5Pからなる第1の接着層20(厚さ0.3μm、キャリア濃度4×1017cm−3)、及びn型In0.5Ga0.5Pからなる第2の接着層21(厚さ0.02μm、キャリア濃度6×1018cm−3)を、この順序で積層する。
他方、n型GaPからなるGaP基板10上に、n型GaPからなる第3の接着層12(厚さ0.2μm、キャリア濃度6×1018cm−3)を、MOCVD法またはMBE法などを用いて結晶成長する。
このようにして接着する場合、第2及び第3の接着層21、12のキャリア濃度を高くすることにより、接着界面15近傍におけるオーミック抵抗を低減し動作電圧を低減することがより容易となる。この場合、GaP基板10及び上部成長層39の間の下地層23は、表面制御層22、第1の接着層20、第2の接着層21、及び第3の接着層12、とから構成される。また、表面制御層22はGaAsと略格子整合されているので、上部成長層39との間の格子のずれはGaP基板10と第1の接着層20との間の格子のずれよりも小さい。
本実施形態では、GaP基板10の導電型をn型としているが、本発明はこれに限定されずp型GaPであってもよい。p型GaPの場合、不純物濃度を5×1017〜2×1018cm−3と高くし導電性を保つようにすると、光吸収の増大を生じ出力が低下する。これに対して、n型GaP基板の場合、不純物濃度を3×1017〜1×1018cm−3と低くしても導電性を高く保つことができ、且つ光吸収を低減することができるのでより好ましい。
本実施形態及びそれに付随する変形例において、発光層32はInGaAlP系半導体からなり、その放出光の発光波長は可視光波長範囲とした。なお、InGaAlPとは、In(GaAl1−y1−xP(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1)なる組成式で表される材料であり、p型不純物やn型不純物が添加されたものも含むものとする。しかし、本発明はこれに限定されず、例えばGaAlAs系半導体からなる発光層32とし、赤外光波長範囲の光を放出することもできる。この場合、GaAlAsとは、GaAl1−wAs(ただし、0≦w≦1)なる組成式で表される材料であり、p型不純物やn型不純物が添加されたものも含むものとする。
以上、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明した。しかしながら本発明はこれら実施形態に限定されない。半導体発光素子を構成するGaP基板、仮基板、下地層、接着層、表面制御層、バッファ層、上部成長層、発光層などの材質、サイズ、形状、配置などに関して当業者が設計変更を行ったものであっても、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明の範囲に包含される。
本実施形態にかかる発光素子の模式図 本実施形態にかかる発光素子の製造方法のフローチャート 比較例にかかる発光素子を説明する模式図 表面ヒロックを説明する模式図 ヒロック密度の基板濃度依存性を表すグラフ図 輝度変動を表すグラフ図 第1変形例にかかる発光素子を説明する図 第2変形例にかかる発光素子を説明する図
符号の説明
8 エピタキシャルウェーハ、10 GaP基板、28 GaAs基板(第1の基板)、24、26 バッファ層、22 表面制御層、20 第1の接着層、32 発光層、39 上部成長層

Claims (5)

  1. キャリア濃度が3×1017乃至1×1018cm−3の範囲のGaP基板と、
    第1の面側が前記GaP基板に対して接着された接着層と、
    前記接着層の前記第1の面側と対向する第2の面側に形成され、前記接着層との間の格子のずれが前記GaP基板と前記接着層との間の格子のずれよりも小さく、前記GaP基板を透過する光を放出可能な発光層を含む上部成長層と、
    を備えたことを特徴とする半導体発光素子。
  2. キャリア濃度が3×1017乃至1×1018cm−3の範囲のGaP基板と、
    少なくともGa及びAsを含む化合物半導体からなる表面制御層と、
    前記表面制御層の第1の面側に形成され、前記表面制御層と対向する側の面が前記GaP基板に対して接着された接着層と、
    前記表面制御層の前記第1の面側と対向する第2の面側に形成され、前記表面制御層との間の格子のずれが前記GaP基板と前記接着層との間の格子のずれよりも小さく、前記GaP基板を透過する光を放出可能なInGaAlP系半導体またはGaAlAs系半導体からなる発光層を含む上部成長層と、
    を備えたことを特徴とする半導体発光素子。
  3. 第1の基板の上に接着層を結晶成長する工程と、
    キャリア濃度が3×1017乃至1×1018cm−3の範囲であるGaP基板と、前記接着層の第1の面の側と、を加熱状態で接着したのち、前記第1の基板を除去する工程と、
    前記第1の面と対向する前記接着層の第2の面の側に、前記GaP基板を透過する光を放出可能な発光層を含む上部成長層を結晶成長する工程と、
    を備えたことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  4. 前記接着層を結晶成長する前に、前記第1の基板の上に少なくともGa及びAsを含む化合物半導体からなる表面制御層を結晶成長し、
    前記除去する工程により露出した前記表面制御層上に、前記上部成長層を結晶成長することを特徴とする請求項3記載の半導体発光素子の製造方法。
  5. キャリア濃度が3×1017乃至1×1018cm−3の範囲のGaP基板と、
    第1の面の側が前記GaP基板に対して加熱接着された接着層と、
    前記加熱接着された前記接着層の前記第1の面側と対向する第2の面側に結晶成長され、直径が10μm以上である表面ヒロック数が2インチウェーハに換算して490以下であり、前記接着層との間の格子のずれが前記GaP基板と前記接着層との間の格子のずれよりも小さく、前記GaP基板を透過する光を放出可能な発光層を含む上部成長層と、
    を備えたことを特徴とするエピタキシャルウェーハ。
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