JP4594993B2 - 半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents

半導体発光素子及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4594993B2
JP4594993B2 JP2008058996A JP2008058996A JP4594993B2 JP 4594993 B2 JP4594993 B2 JP 4594993B2 JP 2008058996 A JP2008058996 A JP 2008058996A JP 2008058996 A JP2008058996 A JP 2008058996A JP 4594993 B2 JP4594993 B2 JP 4594993B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
substrate
light emitting
surface control
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008058996A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009218312A (ja
Inventor
亮 佐伯
且章 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2008058996A priority Critical patent/JP4594993B2/ja
Priority to US12/391,283 priority patent/US8299480B2/en
Priority to TW098105998A priority patent/TW200950156A/zh
Priority to EP09003211.1A priority patent/EP2101361B1/en
Publication of JP2009218312A publication Critical patent/JP2009218312A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4594993B2 publication Critical patent/JP4594993B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Led Devices (AREA)

Description

本発明は、半導体発光素子及びその製造方法に関する。
緑、黄緑、黄、橙、赤色などの可視光を放出する半導体発光素子は、照明、車載、ディスプレイ、信号機などの広い用途を有する。半導体発光素子を高輝度とすると、屋外用途が拡大するだけでなく、駆動電流の低減により低消費電力とできる。
緑色〜赤色の可視光波長よりも長い約870nmのバンドギャップ波長を有するGaAsなどの基板上に半導体発光素子の発光層を形成すると、放出光のうち基板に向かう光が吸収され、光出力が低下する。
これに対して、黄緑色〜赤色の可視光波長よりも短い約550nmのバンドギャップ波長を有するGaP基板を用いると、基板による光吸収を低減でき、高輝度とすることが容易となる。
しかしながら、黄緑色〜赤色の可視光帯の光を放出するInGaAlP系半導体の格子定数は、GaPの格子定数との差が数%と大きく、GaP基板上に低結晶欠陥密度のInGaAlP系積層体を直接結晶成長することが困難である。
ウェーハ接着工程の熱処理による発光部への悪影響を回避して、発光効率の良好な発光素子を提供する技術開示例がある(特許文献1)。この技術開示例によれば、格子整合が取れた第1の基板上に第1の半導体層を形成し、第2の基板とウェーハ接着を行った後、第1の基板を除去し、第2の基板と接着された第1の半導体層上に第2の半導体層を形成している。この場合、第1の半導体層を設けるために、第2の基板と、発光層を含む積層体との格子不整合を緩和できる。しかし、第1の半導体層がInGaAlP系材料であると表面が不安定状態となりやすく、結晶欠陥密度が大きくなりやすい。
特開2001−144322号公報
結晶欠陥密度が低減され、信頼性が改善された半導体発光素子及びその製造方法を提供する。
本発明の一態様によれば、発光層を含み、In (Ga Al 1−y 1−x P(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1)を含む上部成長層と、前記発光層からの放出光を透過可能な透光性基板と、前記上部成長層と前記透光性基板との間に設けられた下地層であって、上面に前記上部成長層が結晶成長され、In、Al及びPのいずれの元素をも実質的に含まず、少なくともGa及びAsの元素を含む化合物半導体からなる表面制御層と、下面が前記透光性基板と接着され、In (Ga Al 1−y 1−x P(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1)からなる接着層と、を有し、前記表面制御層と前記上部成長層との間の界面における格子のずれは、前記接着層と前記透光性基板との間の界面における格子のずれよりも小さい、下地層と、を備えたことを特徴とする半導体発光素子が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、第1の基板上に、バッファ層と、In、Al及びPのいずれの元素をも実質的に含まず、少なくともGa及びAsの元素を含む化合物半導体からなる表面制御層と、In (Ga Al 1−y 1−x P(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1)からなる接着層と、をこの順序で結晶成長する工程と、前記接着層の表面と、前記透光性基板と、を加熱状態で接着する工程と、前記第1の基板及び前記バッファ層を除去し、前記表面制御層を露出する工程と、露出した前記表面制御層の上に、発光層を含み、In (Ga Al 1−y 1−x P(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1)を含む上部成長層を結晶成長する工程と、を備えたことを特徴とする半導体発光素子の製造方法が提供される。


結晶欠陥密度が低減され、信頼性が改善された半導体発光素子及びその製造方法が提供される。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる半導体発光素子の模式断面図である。
透光性基板10は、半導体発光素子からの放出光の波長に対して透過率が高く、放出光の吸収を抑制し、チップの外部へ高い光出力を放出できる。本実施形態は、InGaAlP系材料からなる発光層32と、GaPからなる透光性基板10と、を有するものとするが、本発明はこれらの材料に限定されるものではない。
なお、本明細書において、InGaAlPとは、In(GaAl1−y1−xP(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1)なる組成式で表される材料であり、p型不純物やn型不純物が添加されたものも含むものとする。
透光性基板10としてn型GaP(ガリウム燐)からなる材料を用いると、そのバンドギャップ波長が約550nmであるので、InGaAlP系材料による550〜700nmの波長範囲の放出光の吸収が抑制され透過が可能である。また、緑色光の波長範囲は約510〜540nmであり、GaPのバンドギャップ波長よりも僅かに短いので光の透過率が僅かに低下する。しかしながら、GaAs基板と比較すると透過率は高く高い光出力を得ることが可能である。さらに、n型GaPは導電性を有しており、透光性基板10の下面に下側電極50を配置することができる。
なお、バンドギャップ波長が約368nmであるZnO(酸化亜鉛)を基板として用いると、可視光波長範囲の放出光を透過することができる。さらに、ZnSe(セレン化亜鉛)を基板として用いると、550nm以上の波長範囲の放出光を透過することができる。
透光性基板10(厚さ250μm)の上面と、下地層23と、が接着界面15において接着されている。また、下地層23は、n型InGaAlP(厚さ0.5μm)からなる接着層20と、n型GaAs(厚さ20nm)からなる表面制御層22と、を有している。接着された透光性基板10と、下地層23と、を結晶成長の下地基板とする。表面制御層22の上には、上部成長層39が形成されている。そして、表面制御層22と上部成長層39との間の界面における格子のずれは、下地層23と透光性基板10との間の界面における格子のずれよりも小さい。ここで、「格子のずれ」は、例えば、これら各層を構成する半導体の格子定数の差として定義することができる。
上部成長層39は、下地基板の上に結晶成長されている。すなわち、上部成長層39は、表面制御層22の上に、n型InAlPからなるクラッド層(厚さ0.6μm、不純物濃度4×1017cm−3)30、InGaAlPからなる発光層(厚さ0.6μm)32、p型InAlPからなるクラッド層(厚さ0.6μm、不純物濃度4×1017cm−3)34、p型In0.5(Ga0.3Al0.70.5Pからなる電流拡散層(厚さ1.5μm、不純物濃度1.5×1018cm−3)36、p型GaAsからなるコンタクト層(厚さ0.1μm、不純物濃度2×1018cm−3)38がこの順序で形成されたダブルヘテロ構造を有している。
発光層32をp型In0.5(GaAl1−y0.5Pからなる多重量子井戸構造とすると、放出光波長の制御性が改善でき、しきい値電流の低減が容易となる。この場合、例えば井戸層はGa組成比y=0.96、井戸幅を5nmとし、バリア層はGa組成比y=0.2、バリア幅を8nmとし、40対の多重量子井戸とする。また、不純物濃度は、井戸層及びバリア層において、例えば8×1016cm−3とする。このようにすると、波長が約620nmの赤色光を放出することができ、GaPからなる透光性基板10のバンドギャップ波長(約550nm)よりも波長が長いので透光性基板10における光吸収を抑制できる。発光波長が橙、黄、黄緑、緑色の場合も、発光層32の構造及び組成を適正に決定することができる。
GaPとInGaAlPとは数パーセントの格子のずれ(格子不整合)を生じるので、GaPからなる基板上に結晶欠陥が低減された高品質なInGaAlP系成長層を直接形成することは困難である。これに対し、本実施形態では、GaAsと略格子整合したn型InGaAlPからなる接着層20上に、50nm以下と薄いn型GaAsからなる表面制御層22が形成されている。このために、下地層23と格子整合され、転位などの結晶欠陥が低減された上部成長層39を形成することが容易となる。
また、表面制御層22の材料は、In、Al、Pを混晶構成元素として実質的に含まないGaAsなどのIII−V族化合物半導体とし表面を安定に保って上部成長層39を形成する。すなわち、接着層20を設けることにより格子整合を容易とし、薄い表面制御層22を設けることにより下地層23の表面を安定に保つ。なお、 実質影響が出ない程度であれば、表面制御層22の材料としてはGaとAsとを含んでおり、In、Al、Pなど他の元素を僅かだが含むようにしても構わない。
図2は、放出光の透過率のGaAs膜厚依存性を表すグラフ図である。縦軸は透過率(%)、横軸はGaAs膜厚(μm)、をそれぞれ表す。波長が620nmである赤色光の透過率を実線で表す。透過率は、膜厚が0.01μmでは略98%であり、膜厚が0.07μmでは略88%(R点)まで低下し、膜厚が0.1μmでは略83%までさらに低下する。
他方、波長が590nmの黄色光の透過率を破線で表す。透過率は、膜厚が0.01μmでは略97%であり、膜厚が0.07μmでは略81%(Y点)まで低下し、膜厚が0.1μmでは略74%までさらに低下する。また、波長が570nmの緑色光の透過率を鎖線で表す。透過率は、膜厚が0.01μmでは略95%であり、膜厚が0.07μmでは略70%(G点)まで低下し、膜厚が0.1μmでは略60%までさらに低下する。このように波長が短くなる程透過率が低下するので、緑色光に対しても高輝度が可能となる70%以上の透過率を保つには、表面制御層22のGaAs膜厚を0.07μm(70nm)以下とすることが好ましい。
コンタクト層38の上面には、リフトオフ法などを用いパターニングされ、AuZnなどからなる上側電極40が形成される。また、透光性基板10の下面には、AuGeなどからなる下側電極50が形成される。なお、コンタクト層38は、上側電極40の下方のみが残され、上側電極40との間でオーミック接触を形成している。
また、電流拡散層36を低抵抗とし上側電極40からの注入電流を発光層32の面内に拡がりやすくしているが、上側電極40の直下近傍は周辺部よりも電流密度が高く発光領域Gとなる。発光領域Gからの放出光は、上側電極40を除く上方、チップの側方から放出される。n型GaPからなる透光性基板10は透光性及び導電性を有しており、発光領域Gから下方へ向かう光が透光性基板10内で吸収されることを抑制する。発光層32から放出され透光性基板10へ入射した光のうち、側面10aから直接外部に放出される光があり、また、下面10bにおいて下側電極50に反射された後に側面10aから外部に放出される光もある。
実際の発光素子のチップ断面において、上部成長層39の厚さは略10μm以下であるのに対して、透光性基板10の厚さTCは100〜300μmと厚いので、透光性基板10における光吸収を抑制し側方への放出光を高めることが重要である。
図3は、第1の実施形態にかかる半導体発光素子の製造工程のうち、下地基板11を形成する工程断面図である。まず、図3(a)のように、n型GaAsからなる第1の基板(厚さ250μm)28の上に、n型GaAsからなるバッファ層(厚さ0.5μm)26、n型InGaAlPからなるバッファ層(厚さ0.5μm)24、n型GaAsからなる表面制御層(例えば厚さ20nm)22、n型InGaAlPからなる接着層(厚さ0.5μm)20を、この順序でエピタキシャル結晶成長する。この場合、n型InGaAlPからなる接着層20は、GaAsに対して略格子整合されている。なお、第1の基板28の上にn型InGaAlPからなるバッファ層24を直接成長させることも出来るが、n型GaAsからなるバッファ層26を間に挟む方がより結晶欠陥を低減することが容易である。
結晶成長法としては、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相成長)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy:分子線エピタキシャル)法、気相成長法などを用いることができる。
MOCVD法の場合、原料として、TMG(トリメチルガリウム)、TMA(トリメチルアルミニウム)、TMI(トリメチルインジウム)などの有機金属、AsH(アルシン)及びPH(ホスフィン)などの水素化ガスを用い、結晶成長温度は約700℃とする。また、p型不純物として、Zn、Mgを用い、n型不純物としてSiを用いる。Znの原料はDMZ(ジメチル亜鉛)またはDEZ(ジエチル亜鉛)、Mgの原料はCpMg(ビスシクロペンタジエニルマグネシウム)、炭素の原料はCBr4(四臭化炭素)、Siの原料はSiH(シラン)などとする。
続いて、図3(b)のように、n型GaPからなる透光性基板10と、n型InGaAlPからなる接着層20と、をウェーハ状態で密着し、水素または不活性ガス雰囲気中で熱処理により接着する。この場合、接着界面を15で表す。熱処理の適正温度範囲は770〜830℃の間であり、例えば800℃などとすることができる。
図3(c)は接着後の状態を表す。接着層20及び表面制御層22は、格子定数が約5.6533オングストロムであるGaAsと略格子整合されており、格子定数が約5.4512オングストロムである透光性基板10とは格子不整合となっている。すなわち、透光性基板10は、接着層20に近い領域に転位などを生じやすくなっており、格子緩和されている。下地層23を設けたことにより、透光性基板10との接着界面15の近傍に生じた転位などの格子欠陥が上部成長層39にまで及ぶことが抑制できる。
さらに、図3(d)のように、機械的研磨法及び溶液エッチング法の少なくともいずれかを用いて、第1の基板28と、n型GaAsバッファ層26と、n型InGaAlPバッファ層24と、の積層を、分離除去する。この様にして、透光性基板10上に、接着層20と表面制御層22とが積層された下地層23が接着された下地基板11が得られる。この場合、n型InGaAlPからなる接着層20は、透光性基板10と格子整合していない。なお、n型InGaAlPからなるバッファ層24を選択的にエッチングすると、70nm以下の薄い表面制御層22を確実に残すことが容易となる。
図4は、第1の実施形態にかかる半導体発光素子の製造工程のうち、下地基板11の上に上部成長層39を形成する工程以降の工程断面図である。まず、図4(a)のように、下地基板11の表面である表面制御層22の上に、n型InGaAlPからなるクラッド層30から始まる上部成長層39を形成する。上部成長層39は、最上部のp型GaAsからなるコンタクト層38以外は、InGaAlPからなる。MOCVD法を用いる場合、結晶成長温度を、例えば約700℃とする。
もし、GaAs基板上に約700℃において上部成長層39を形成したのちに、約800℃においてGaP基板との接着を行うとする。この場合、p型クラッド層34のp型不純物としてZnを用いると、約700℃の結晶成長温度よりも高い約800℃の熱処理工程において、Znが発光層に拡散するなどにより結晶性が悪化し、光出力が低下する。
これに対して、本実施形態のように、下地基板11の表面となる表面制御層22の上に、上部成長層39を接着温度よりも低い温度で形成すると、オーミック接触を良好に保ちつつ上部成長層39の組成、キャリア濃度などを安定に保ち、高い光出力とすることが出来るのでより好ましい。
また、表面制御層22は、凝集による組成不均一を生じやすいIn、酸化しやすいAl、蒸気圧が高いP、を実質的に含んでおらず、上部成長層39を成長する直前の表面を安定的にかつ再現性よく制御することが容易であり、結晶欠陥の少ない上部成長層39を形成できる。上部成長層39を、真空中において連続して成長すると、結晶欠陥が低減され汚れが抑制され好ましい。なお、ガス切り替えを自動制御としたMOCVD装置を用いると、膜厚精度及び再現性良く上部成長層39を形成することができ、生産性を高めることが容易となる。In、Al、Pを混晶構成元素に含まないIII−V族化合物半導体としては、GaAsの他に、GaSb、GaNなどがある。
続いて、図4(b)のように、コンタクト層38の上に上側電極40を形成し、上側電極40の非形成領域のコンタクト層38を溶液エッチング法などを用いて除去する。GaAsからなるコンタクト層38を表面全域に残すと、放出光を吸収し上方への光出力が低下するので、このように除去することが好ましい。さらに、透光性基板10の下面に下側電極50を形成し、ウェーハ製造工程を終了する。
図5は、第1の比較例にかかる半導体発光素子の模式断面図である。すなわち、GaPからなる基板110上に、n型InGaAlPからなる接着層120が、接着界面111において接着されている。n型InGaAlPからなるクラッド層130から始まる上部成長層139は、接着層120上に結晶成長される。接着層120は、In、Al、Pを含む混晶であり、表面におけるAlの酸化、Inの凝集、Pの蒸発、などを生じ制御が困難であり不安定となり、表面に酸化膜及び凹凸などを生じやすい。
すなわち、格子整合可能な接着層120上に形成された成長層139であっても、格子間原子及び空格子点のような点欠陥、転位、積層欠陥などの結晶欠陥が生じやすくなっている。このようにして、結晶欠陥密度が高くなり、非発光再結合が増加し、光出力が低下する。特に、通電動作により注入キャリアが非発光再結合すると、例えばダークラインのようになって結晶欠陥が発光層132内に拡がって行き、光出力が通電時間の経過とともに低下する。
図6は、第2の比較例にかかる半導体発光素子の模式断面図である。すなわち、n型GaAsからなる基板(厚さ250μm)128上にn型GaAsからなるバッファ層126を形成し下地基板とし、その上に上部成長層139を形成する。この場合、ウェーハ接着工程が不要であるので製造方法が簡素にできるが、基板128に向かう光Gabの吸収が大きく基板128の側方への放出光出力が低下し、高い光出力を得ることが困難となる。
(表1)は、結晶欠陥密度及び通電後の相対光出力の比較を表す。
Figure 0004594993
第1の比較例では、100時間通電後の相対光出力が初期の50%以下にまで低下する。これは、接着層120の表面が酸化膜や凹凸を含んだ不安定な状態であるために生じた結晶欠陥が、通電動作により発光層132内に広がるためである。この場合、結晶欠陥密度は約1×10個/cmと大きくなっている。このように、接着層120の表面が不安定であると、結晶成長の再現性及び均一性を低下させ、歩留まり及び生産性を高く保つことが困難となる。
第2の比較例では、表面が安定なGaAsからなる基板128上に上部成長層139が形成されるために、結晶欠陥密度は約1×10個/cmと小さく、通電後の相対光出力は90%以上を保っている。ただし、GaAsからなる基板128における光吸収により光出力が本実施形態の光出力の35〜50%と低く、高輝度とすることが困難である。
本実施形態では、GaPなどからなる透光性基板10を用いるので、第2の比較例よりも光出力を高めることが容易である。また、発光層32を含む上部成長層39の結晶成長開始時の下地基板11の表面制御層22が、少なくともGa及びAsを含むGaAsなどの化合物半導体であり表面が安定であるので、結晶欠陥密度が約3×10個/cmとなり第1の比較例の結晶欠陥密度よりも小さく、再現性及び均一性が高く高品質のエピタキシャル結晶が可能である。このために、長期通電動作に対して、光出力の低下を抑制し、高い信頼性を保つことが容易となる。また、製造歩留まりを改善し、生産性を高める発光素子の製造方法が可能となる。
本実施形態にかかり、赤、橙、黄、黄緑、緑色などの可視光を放出する半導体発光素子は高い光出力、すなわち高輝度を有し、照明、車載、ディスプレイ、信号機などの広い用途に用いることができる。このために、屋外用途が拡大するだけでなく、駆動電流の低減により低消費電力が容易となる。
以上、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかしながら本発明は、これら実施形態に限定されない。本発明を構成する基板、下地層、下地基板、接着層、表面制御層、上部成長層の材質、サイズ、形状、配置などに関して当業者が設計変更を行ったものであっても、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明の範囲に包含される。
本発明の実施形態にかかる半導体発光素子の模式断面図 透過率のGaAs膜厚依存性を表すグラフ図 本実施形態の下地基板の工程断面図 本実施形態の工程断面図 第1の比較例にかかる半導体発光素子の模式断面図 第2の比較例にかかる半導体発光素子の模式断面図
符号の説明
10 透光性基板、20 接着層、22 表面制御層、23 下地層、24、26 バッファ層、28 第1の基板、32 発光層、39 上部成長層、G 発光領域

Claims (5)

  1. 発光層を含み、In (Ga Al 1−y 1−x P(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1)を含む上部成長層と、
    前記発光層からの放出光を透過可能な透光性基板と、
    前記上部成長層と前記透光性基板との間に設けられた下地層であって、上面に前記上部成長層が結晶成長され、In、Al及びPのいずれの元素をも実質的に含まず、少なくともGa及びAsの元素を含む化合物半導体からなる表面制御層と、下面が前記透光性基板と接着され、In (Ga Al 1−y 1−x P(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1)からなる接着層と、を有し、前記表面制御層と前記上部成長層との間の界面における格子のずれは、前記接着層と前記透光性基板との間の界面における格子のずれよりも小さい、下地層と、
    を備えたことを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記透光性基板は、GaPからなり、
    前記表面制御層は、GaAsを含むことを特徴とする請求項記載の半導体発光素子。
  3. 前記表面制御層の厚さは、70nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体発光素子。
  4. 第1の基板上に、バッファ層と、In、Al及びPのいずれの元素をも実質的に含まず、少なくともGa及びAsの元素を含む化合物半導体からなる表面制御層と、In (Ga Al 1−y 1−x P(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1)からなる接着層と、をこの順序で結晶成長する工程と、
    前記接着層の表面と、透光性基板と、を加熱状態で接着する工程と、
    前記第1の基板及び前記バッファ層を除去し、前記表面制御層を露出する工程と、
    露出した前記表面制御層の上に、発光層を含み、In (Ga Al 1−y 1−x P(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1)を含む上部成長層を結晶成長する工程と、
    を備えたことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  5. 前記第1の基板はGaAsからなり、
    前記表面制御層は、GaAsを含むことを特徴とする請求項4記載の半導体発光素子の製造方法。
JP2008058996A 2008-03-10 2008-03-10 半導体発光素子及びその製造方法 Active JP4594993B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008058996A JP4594993B2 (ja) 2008-03-10 2008-03-10 半導体発光素子及びその製造方法
US12/391,283 US8299480B2 (en) 2008-03-10 2009-02-24 Semiconductor light emitting device and method for manufacturing same, and epitaxial wafer
TW098105998A TW200950156A (en) 2008-03-10 2009-02-25 Semiconductor light emitting device and method for manufacturing same, and epitaxial wafer
EP09003211.1A EP2101361B1 (en) 2008-03-10 2009-03-05 Semiconductor light emitting device and method for manufacturing same, and epitaxial wafer

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008058996A JP4594993B2 (ja) 2008-03-10 2008-03-10 半導体発光素子及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009218312A JP2009218312A (ja) 2009-09-24
JP4594993B2 true JP4594993B2 (ja) 2010-12-08

Family

ID=41189914

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008058996A Active JP4594993B2 (ja) 2008-03-10 2008-03-10 半導体発光素子及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4594993B2 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0541537A (ja) * 1991-08-02 1993-02-19 Omron Corp 発光領域制限型発光ダイオード及びその製造方法
JPH08130326A (ja) * 1994-10-26 1996-05-21 Kokukin Ko 透光導電薄膜応用の半導体結晶結合方法
JPH10270803A (ja) * 1997-03-25 1998-10-09 Rohm Co Ltd 半導体レーザの製法
JP2000332302A (ja) * 1999-05-19 2000-11-30 Rohm Co Ltd 半導体発光素子
JP2001144322A (ja) * 1999-11-11 2001-05-25 Toshiba Corp 半導体素子の製造方法および半導体発光素子の製造方法
JP2001244499A (ja) * 2000-02-24 2001-09-07 Osram Opt Semiconductors Gmbh & Co Offene Handels G 光学的に透明な基板を製作する方法及び発光半導体チップを製作する方法
JP2004260109A (ja) * 2003-02-27 2004-09-16 Shin Etsu Handotai Co Ltd 発光素子の製造方法、複合透光性基板及び発光素子

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0541537A (ja) * 1991-08-02 1993-02-19 Omron Corp 発光領域制限型発光ダイオード及びその製造方法
JPH08130326A (ja) * 1994-10-26 1996-05-21 Kokukin Ko 透光導電薄膜応用の半導体結晶結合方法
JPH10270803A (ja) * 1997-03-25 1998-10-09 Rohm Co Ltd 半導体レーザの製法
JP2000332302A (ja) * 1999-05-19 2000-11-30 Rohm Co Ltd 半導体発光素子
JP2001144322A (ja) * 1999-11-11 2001-05-25 Toshiba Corp 半導体素子の製造方法および半導体発光素子の製造方法
JP2001244499A (ja) * 2000-02-24 2001-09-07 Osram Opt Semiconductors Gmbh & Co Offene Handels G 光学的に透明な基板を製作する方法及び発光半導体チップを製作する方法
JP2004260109A (ja) * 2003-02-27 2004-09-16 Shin Etsu Handotai Co Ltd 発光素子の製造方法、複合透光性基板及び発光素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009218312A (ja) 2009-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8513694B2 (en) Nitride semiconductor device and manufacturing method of the device
KR100752007B1 (ko) 3족 질화물계 화합물 반도체 발광 소자 및 그 제조 방법
JP3890930B2 (ja) 窒化物半導体発光素子
US20070122994A1 (en) Nitride semiconductor light emitting element
JP2006108585A (ja) Iii族窒化物系化合物半導体発光素子
WO2006126516A1 (ja) 窒化物半導体発光素子
WO2015146069A1 (ja) 発光ダイオード素子
JP3602856B2 (ja) 半導体発光素子およびその製法
JP2007234647A (ja) 窒化物半導体発光素子の製造方法
TWI414077B (zh) Light emitting element and manufacturing method thereof
JP5873260B2 (ja) Iii族窒化物積層体の製造方法
US8299480B2 (en) Semiconductor light emitting device and method for manufacturing same, and epitaxial wafer
JPH077182A (ja) 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子
JP4705384B2 (ja) 窒化ガリウム系半導体素子
KR101560952B1 (ko) 발광 다이오드용 에피택셜 웨이퍼
JP2003008058A (ja) AlGaInPエピタキシャルウエーハ及びそれを製造する方法並びにそれを用いた半導体発光素子
JP3788444B2 (ja) 発光ダイオード及びその製造方法
JP3763303B2 (ja) 半導体発光素子
JP4594993B2 (ja) 半導体発光素子及びその製造方法
CN112802869A (zh) 单片集成氮化物发光波长可调节的白光led及制备方法
WO2005038936A1 (ja) 発光素子及びその製造方法
JP2006135215A (ja) 半導体発光素子の製造方法
JP4062360B2 (ja) 発光素子
JP2008166400A (ja) 発光素子、発光素子用エピタキシャルウェハ及びその製造方法
JP2009260136A (ja) 半導体発光素子及びその製造方法、エピタキシャルウェーハ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100512

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100629

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100823

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100917

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130924

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4594993

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130924

Year of fee payment: 3