JP2008166400A - 発光素子、発光素子用エピタキシャルウェハ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板(2)上に、少なくとも、反射層(3)と、(AlxGa1−x)yIn1−yP(0≦x≦1、0≦y≦1)からなる第一導電型クラッド層(4)、活性層(5)及び第二導電型クラッド層(6)と、窓層(8)と、窓層(8)上部の上面電極(9)と、基板(2)裏面の下面
電極(1)とを備えた発光素子において、基板(2)と活性層(5)との間に存在するAs系層と
P系層との界面のうち、活性層(5)側に最も近い前記界面と活性層(5)との間に、膜厚400nm以上のP系層が形成されている発光素子である。
【選択図】図1
Description
しかしながら、このように、発光部と基板との間に反射層などが設けられた場合に、活性層へのドーパント拡散が多く発生し、高輝度で信頼性の高い発光素子を歩留まり良く製造するのが難しかった。
ち結晶中に欠陥が多いと、ドーパント不純物はその欠陥を介して拡散が進む。
活性層の結晶品質を低下させる原因を調べたところ、活性層と基板の間にあるAs系層とP系層の界面が原因であることがわかった。この界面の成長中は、V族原料である、例えばAsH3とPH3が混合した状態となっており、AsとPが混合した結晶層を形成している。AsとPが混合した結晶層は、As系層とP系層のバンドギャップとなるため、ヘテロ障壁を緩和して発光素子の動作電圧の増大を防ぐという利点はあるものの、結晶性が悪い。この結晶性の悪いAsとPの混合した層の上に成長させた結晶は、その下方の結晶品質を引きずるために、やはり結晶品質は悪くなってしまう。しかし、結晶層厚が厚くなってくるに連れて結晶品質も向上する。
したがって、活性層の結晶品質を高くするためには、As系層とP系層の界面から活性層の距離を十分に大きくする必要があり、この距離を400nm以上とするとよいことがわかった。つまり、基板と(AlxGa1−x)yIn1−yP(0≦x≦1、0≦y≦1)からなるP系層の活性層との間に存在するAs系層とP系層との界面のうち、活性層側に最も近い界面と活性層との間に、膜厚400nm以上のP系層を形成すれば、活性層の結晶品質は向上し、ドーパント不純物の拡散を抑止できる。
また、基板と活性層との間に存在するIII族‐AsP系半導体層(AlGaInAsP
、AlInAsP、AlGaAsP、GaAsPなど)も、上記と同様の理由から、活性層の結晶品質を低下させる原因となる。したがって、活性層側に最も近いIII族‐AsP
系半導体層と活性層との間に、400nm以上のP系層を設ければ、活性層の結晶品質は向上し、ドーパント不純物の拡散を抑止できる。
かかる知見に基づいて本発明は案出されたもので、本発明は次のように構成されている。
体層のうち、前記活性層側に最も近い前記III族‐AsP系半導体層と前記活性層との間
に、膜厚400nm以上のP系層が形成されていることを特徴とする発光素子である。
近い前記III族‐AsP系半導体層と前記活性層との間に、膜厚400nm以上のP系層
が形成されていることを特徴とする発光素子用エピタキシャルウェハである。
P系半導体層のうち、前記活性層側に最も近い前記III族‐AsP系半導体層と前記活性
層との間に、膜厚400nm以上のP系層を形成する工程を含むことを特徴とする発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法である。
介在層7は、AlGaInP系の第二導電型クラッド層6とGaP等の窓層8とのヘテロ界面の電位障壁を小さくして順方向電圧を低減させるための層であり、介在層7は、第二導電型クラッド層6よりもバンドギャップの小さな半導体材料、例えば(AlxGa1−x)yIn1−yP(0≦x≦1、0≦y≦1)層からなる。
従って、これらの例では、反射層3と第一導電型クラッド層4との間に、膜厚が400nm以上のP系層を形成したり、あるいはP系層である第一導電型クラッド層4の膜厚を400nm以上にすれば、活性層5の結晶品質は向上し、活性層5へのドーパント不純物の拡散を抑止できる。
〔実施例1〕
実施例1の発光ダイオードは、図1に示す上記実施形態の発光ダイオードと同一の層構造のものであり、図1を用いて実施例1を説明する。
まず、MOVPE装置内にn型GaAs基板2を設置し、加熱したn型GaAs基板2に原料ガスを供給して、n型GaAs基板2上に、分布ブラッグ反射層3からp型GaP窓層8までのエピタキシャル層を積層形成し、LED用エピタキシャルウェハを作製した。n型ドーパントにはTe、p型ドーパントにはMgを用いた。
MOVPE法による成長温度は700℃とし、成長圧力は約13332Pa(100Torr)で行った。III族、V族原料としては、トリメチルガリウム(TMGa)、トリ
メチルアルミニウム(TMAl)、トリメチルインジウム(TMIn)、アルシン(AsH3)、ホスフィン(PH3)を用いた。また、n型層のドーパント原料には、ジエチルテルル(DETe)を、p型層のドーパント原料には、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)を用いた。キャリアガスには水素を用いた。
は、膜厚49.5nm、キャリア濃度1×1018cm−3、且つ成長速度は0.5nm/secである。更に、その上にキャリア濃度が0.5×1018cm−3のn型AlGa
InPクラッド層4、厚さが0.5μmのアンドープのAlGaInP活性層5、厚さ0.5μmでキャリア濃度が1〜5×1017cm−3のp型AlGaInPクラッド層6、厚さ10〜50nmのp型AlGaInP介在層7、厚さ10μmでドーパント濃度が4×1018cm−3のp型GaP窓層8を順次成長した。
上記構成のLED用エピタキシャルウェハにおいて、n型AlGaInPクラッド層4の厚さを100nm、200nm、300nm、400nm、500nmとした5種類のLED用エピタキシャルウェハを作製した。
信頼性試験条件は、環境温度:室温、試験通電電流:50mAである。光出力の測定(信頼性評価時)は20mAで行った。信頼性試験の結果を図2に示す。図2において、a、bは、n型AlGaInPクラッド層4の厚さが、それぞれ500nm、400nmのLEDチップの場合であり、また、c、d、eは、n型AlGaInPクラッド層4の厚さが、それぞれ300nm、200nm、100nmのLEDチップの場合である。図2の発光出力は相対値である。図2に示すように、n型AlGaInPクラッド層4の厚さが400nm以上のLEDチップでは、300nm以下のLEDチップに比較して、初期の光出力が高く、また長時間の通電においても劣化は見られず良好な結果であった。
〔実施例2〕
上記実施例1におけるp型ドーパントをZn(ドーパント原料にジエチルジンク(DEZn)を用いた)に変更して、実施例1と同様の実験を行ったところ、実施例1と同様の結果が得られた。
〔実施例3〕
上記実施例1におけるp型ドーパントをZn(ドーパント原料にジエチルジンク(DEZn)を用いた)に、またn型ドーパントをSe(ドーパント原料にセレン化水素(H2Se)を用いた)に変更して、実施例1と同様の実験を行ったところ、実施例1と同様の
結果が得られた。
〔実施例4〕
上記実施例1におけるn型ドーパントをSe(ドーパント原料にセレン化水素(H2Se)を用いた)に変更して、実施例1と同様の実験を行ったところ、実施例1と同様の結果が得られた。
〔実施例5〕
上記実施例1におけるn型ドーパントをSi(ドーパント原料にジシラン(Si2H6)を用いた)に変更して、実施例1と同様の実験を行ったところ、実施例1と同様の結果が得られた。
〔実施例6〕
上記実施例1のLED用エピタキシャルウェハにおける分布ブラッグ反射層3をn型GaAsバッファ層に変更したLED用エピタキシャルウェハを作製し、このLED用エピタキシャルウェハのp型GaP窓層8表面に真空蒸着により、金属反射膜を形成した。更に、LED用エピタキシャルウェハの金属反射膜面にSi基板の主面を接触させて積層し、積層した状態で、金属反射膜を構成する金属の拡散温度よりも高く且つSi等の塑性温度よりも低い温度で熱処理し、金属反射膜を構成する金属をSi基板に拡散させて拡散接合によってLED用エピタキシャルウェハとSi基板を貼り合わせ、n型GaAs基板2とn型GaAsバッファ層3を研磨とエッチングを組み合わせて除去した。得られたエピタキシャルウェハに、上記実施例1と同様に、n型AlGaInPクラッド層4上に上面電極及びSi基板裏面側に下面電極を形成した後、LEDチップを製作し、実施例1と同様の実験を行ったところ、実施例1と同様の結果が得られた。
〔実施例7〕
上記実施例6のSi基板をGe基板に変更したLEDチップを製作して、実施例1と同様の実験を行ったところ、実施例1と同様の結果が得られた。
〔実施例8〕
実施例1と同様にして、AlInPとGaAsの組合せの反射膜3を作製してから、n型GaAsP(厚さ10nm、キャリア濃度1×1018cm−3)のAsP系半導体層を形成し、その上に、実施例1と同様に、順次n型AlGaInPクラッド層4〜p型GaP窓層8を作製した。そして、実施例1と同様の実験を行ったところ、実施例1と同様の結果が得られた。
なお、AsP系半導体層は、反射層を構成する最終層(上記例ならGaAs)に対して、As又はPを添加してAsP系半導体層とするのが良い。更にまた、反射層なしの場合は、GaAsバッファ層、n型GaAsP層、n型AlGaInPクラッド層〜p型GaP窓層とする。
2 基板(n型GaAs基板)
3 反射層(分布ブラッグ反射層)
4 第一導電型クラッド層(n型AlGaInPクラッド層)
5 活性層(AlGaInP活性層)
6 第二導電型クラッド層(p型AlGaInPクラッド層)
7 介在層(p型AlGaInP介在層)
8 窓層(p型GaP窓層)
9 上面電極
Claims (9)
- 基板上に、少なくとも、反射層と、(AlxGa1−x)yIn1−yP(0≦x≦1、0≦y≦1)からなる第一導電型クラッド層、活性層及び第二導電型クラッド層と、窓層と、前記窓層上部の上面電極と、前記基板裏面の下面電極とを備えた発光素子において、
前記基板と前記活性層との間に存在するAs系層とP系層との界面のうち、前記活性層側に最も近い前記界面と前記活性層との間に、膜厚400nm以上のP系層が形成されていることを特徴とする発光素子。 - 基板上に、少なくとも、反射層と、(AlxGa1−x)yIn1−yP(0≦x≦1、0≦y≦1)からなる第一導電型クラッド層、活性層及び第二導電型クラッド層と、窓層と、前記窓層上部の上面電極と、前記基板裏面の下面電極とを備えた発光素子において、
前記基板と前記活性層との間に存在するIII族‐AsP系半導体層のうち、前記活性層
側に最も近い前記III族‐AsP系半導体層と前記活性層との間に、膜厚400nm以上
のP系層が形成されていることを特徴とする発光素子。 - 上記反射層は、(AlxGa1−x)yIn1−yP(0≦x≦1、0≦y≦1)からなる第1層とAltGa1−tAs(0≦t≦1)からなる第2層を交互に積層したもの、又はAlxGa1−xAs(0≦x≦1)からなる第1層とAltGa1−tAs(0≦t≦1)からなる第2層を交互に積層したもの、又は金属であることを特徴とする請求項1又は2に記載の発光素子。
- 前記第一導電型と前記第二導電型を決定する、一方のp型ドーパントは、Mg、Zn、Cのいずれか一つ、若しくは二つ以上を含むこと、また他方のn型ドーパントは、S、Si、Se、Teのいずれか一つ、若しくは二つ以上を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発光素子。
- 上記基板が、GaAs、Si又はGeであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発光素子。
- 基板上に、少なくとも、反射層と、(AlxGa1−x)yIn1−yP(0≦x≦1、0≦y≦1)からなる第一導電型クラッド層、活性層及び第二導電型クラッド層と、窓層とを備えた発光素子用エピタキシャルウェハにおいて、
前記基板と前記活性層との間に存在するAs系層とP系層との界面のうち、前記活性層側に最も近い前記界面と前記活性層との間に、膜厚400nm以上のP系層が形成されていることを特徴とする発光素子用エピタキシャルウェハ。 - 基板上に、少なくとも、反射層と、(AlxGa1−x)yIn1−yP(0≦x≦1、0≦y≦1)からなる第一導電型クラッド層、活性層及び第二導電型クラッド層と、窓層とを備えた発光素子用エピタキシャルウェハにおいて、
前記基板と前記活性層との間に存在するIII族‐AsP系半導体層のうち、前記活性層
側に最も近い前記III族‐AsP系半導体層と前記活性層との間に、膜厚400nm以上
のP系層が形成されていることを特徴とする発光素子用エピタキシャルウェハ。 - 基板上に、有機金属気相成長法により、少なくとも、反射層と、(AlxGa1−x)yIn1−yP(0≦x≦1、0≦y≦1)からなる第一導電型クラッド層、活性層及び第二導電型クラッド層と、窓層とを形成する発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法において、
前記基板と前記活性層と間に存在するAs系層とP系層との界面のうち、前記活性層側に最も近い前記界面と前記活性層との間に、膜厚400nm以上のP系層を形成する工程を含むことを特徴とする発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法。 - 基板上に、有機金属気相成長法により、少なくとも、反射層と、(AlxGa1−x)yIn1−yP(0≦x≦1、0≦y≦1)からなる第一導電型クラッド層、活性層及び第二導電型クラッド層と、窓層とを形成する発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法において、
前記基板と前記活性層との間に存在するIII族‐AsP系半導体層のうち、前記活性層
側に最も近い前記III族‐AsP系半導体層と前記活性層との間に、膜厚400nm以上
のP系層を形成する工程を含むことを特徴とする発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法。
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---|---|---|---|---|
JP2017504975A (ja) * | 2014-01-29 | 2017-02-09 | エイユーケー コープ. | 凹凸状窒化ガリウム層を有するアルミニウムガリウムインジウムリン系発光ダイオード、及びその製造方法 |
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-
2006
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