JP3025760B2 - 窒化ガリウム系半導体レーザ素子およびその製造方法 - Google Patents

窒化ガリウム系半導体レーザ素子およびその製造方法

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JP3025760B2
JP3025760B2 JP13248398A JP13248398A JP3025760B2 JP 3025760 B2 JP3025760 B2 JP 3025760B2 JP 13248398 A JP13248398 A JP 13248398A JP 13248398 A JP13248398 A JP 13248398A JP 3025760 B2 JP3025760 B2 JP 3025760B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイドギャップ半
導体を使用した発光ダイオード、半導体レーザ等の半導
体発光素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】青色ないし緑色領域にて発光し得る半導
体材料を用いて半導体発光素子を作製することが検討さ
れている。
【0003】InGaAlN系化合物半導体は、広いバ
ンドギャップを有し、直接遷移型バンド構造を有するこ
とから青色及び緑色発光素子への応用が期待されてい
る。
【0004】GaNは、直接遷移型の半導体で、そのエ
ネルギーギャップが約3.39eVである。これを用い
ることにより約366nmの紫外光の半導体発光素子を
作製し得る。このGaNに、II族原子をド−ピングす
ると、青色領域に相当するエネルギーギャップの発光中
心を形成することが可能であり、これによって青色発光
ダイオードを作製し得る。
【0005】また、GaNにInを添加してなるInG
aNは、直接遷移型の半導体で青色・緑色発光を得るこ
とが可能である。このInGaNを用いることにより、
高効率の発光ダイオードおよび可視半導体レーザを得る
ことが期待されている。
【0006】さらに、上記GaNまたはInGaNにお
いて、結晶中に含まれるGaを一部あるいはすべてAl
に置換することによって、結晶の格子定数をほとんど変
化させることなく結晶のエネルギーギャップを増大させ
ることができ、かつ結晶の屈折率を低くすることができ
る。このように上記GaがAlに置換された結晶と、G
aNあるいはInGaNとを用いてヘテロ接合を形成す
ることにより、さらに高効率の発光ダイオードおよび半
導体レーザを実現にすることが可能である。
【0007】ところで、GaN層を基板上に成長させる
方法としては、MOVPE(有機金属化合物気相成長
法)、ガスソースMBE(分子線成長法)が用いられて
いる。しかし、例えばGaNに、Mg等のアクセプター
となるべきドーパントをド−ピングすると、GaNが高
抵抗化してしまい、p型の導電性を示す低抵抗のGaN
層を得ることができなかった。よって、GaNを用いて
発光素子を作製する場合にpn接合を形成することがで
きなかったので、量子効率に劣り、かつ駆動電圧の高い
MIS(metal−insulator−semic
onductor)構造を採用しなければならなかっ
た。
【0008】最近、H.Amanoらにより、Japa
nese Journal ofApplied Ph
ysics Vol.28 L2112(1989)に
おいて、図6に示すような半導体発光素子が提案され
た。この半導体発光素子は、サファイア基板61上にA
lNバッファ層62、アンドープn型GaN層63およ
びGaN層64が積層形成されている。上記GaN層6
4にはMgがド−ピングされており、さらに、図中、斜
線で示したGaN層64の中央部の領域65には電子線
66が照射されている。この電子線66照射により、照
射した部分65の電気的特性に変化が認められ、この照
射部分65は比抵抗が数十Ω・cmと抵抗が低減された
p型半導体層となることが報告された。
【0009】この電気的特性の変化は、結晶中の格子間
位置にあった不活性Mg原子が、電子線照射により励起
されて結晶格子中のGa原子と置換され、Ga原子の格
子位置に入りアクセプタとして活性化されたため生じた
と推測される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記電子線は
加速電圧が高いため、電子線を照射することにより結晶
中の他の原子にもその影響が及び、格子欠陥が生じると
いう欠点がある。形成するp型層の層厚が厚い場合に
は、さらに高加速電圧の電子線が必要となるため、上記
格子欠陥が増大する。それにより、発光効率が低下す
る。特に半導体レーザの場合は、光導波領域に欠陥が生
じると信頼性が低下するため格子欠陥の問題は大きい。
【0011】さらに、上記半導体発光素子においては、
成長が完了し既にアクセプターがド−ピングされた層に
電子線を照射して低抵抗のp型層が作製されるため、製
造工程数が多くなる。しかも、p型層の厚さを制御する
ことは困難である。特に、上記p型層を厚くすること
は、電子線が届き得る層厚に限界があるため制限され
る。また、p型層中のキャリア濃度の制御も困難であ
る。
【0012】本発明は上記欠点を解決しようとするもの
であり、p型層において格子欠陥がなく、高効率で発光
でき、高信頼性を有しかつキャリア濃度およびp型層の
層厚の制御が容易である半導体発光素子、特にレーザ発
振が可能な窒化ガリウム系半導体レーザ素子の実現とそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
窒化ガリウム系半導体発光素子は、n型クラッド層と、
該n型クラッド層上に形成された活性層と、該活性層上
に形成されたp型In 1-x (Ga y Al 1-y x Nクラッド
層(0<x≦1、0≦y≦1)とを有する半導体レーザ素
子であって、上記n型クラッド層の不純物がSiであ
り、上記p型クラッド層において結晶成長によりドーパ
ント原子MgがIII族原子の格子位置に配され、かつ、
上記p型クラッド層にストライプ状リッジ部が形成され
ていることを特徴とする。
【0014】また、本発明の請求項2に記載の窒化ガリ
ウム系半導体発光素子は、上記ストライプ状リッジ部は
ドライエッチングにより形成されてなることを特徴とす
る。
【0015】
【0016】
【0017】本発明にあっては、基板上の成長面に、I
1-x(GayAl1-yxNに含有される窒素原子とII
I族原子とを交互に供給してIn1-x(GayAl1-yx
N層を成長させる。その際、窒素原子またはIII族原
子のいずれかと同時にアクセプターを供給する。そのた
めドーパントのマイグレーションが増大するため、この
ドーパントはアクセプターとなり得る格子位置に確実に
入ることができる。成長と同時に上記In1-x(Gay
1-yxN層はp型In1-x(GayAl1-yxN層とな
るので、層厚およびキャリア濃度の制御が容易になる。
【0018】また、上記成長面に光を照射すると、その
エネルギーによって上記マイグレーションをさらに増大
することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0020】[実施の形態1]図1は本発明の実施の形
態1の半導体発光素子を示す縦断面図である。この半導
体素子は、サファイア基板1の(0001)面上に、A
lNバッファ層2、n型In1-w(GazAl1-zwN層
3(wは0より大で1以下、zは0以上1以下であ
る)、p型In1-x(GayAl1-yxN層4(xは0よ
り大で1以下、yは0以上1以下である)が積層形成さ
れている。該p型In1-x(GayAl1-yxN層4およ
びn型In1-w(GazAl1-zwN層3は、n型In
1-w(GazAl1-zwN層3が露出するように部分的に
除去されており、露出されたn型In1-w(GazAl
1-zwN層3の上には、n型Al電極5が設けられ、残
存するp型In1-x(GayAl1-yxN層4上にはp型
Al電極6が設けられている。
【0021】この半導体発光素子は、以下のようにして
作製される。上記各半導体層の成長方法としては、MO
VPE法またはガスソースMBE法が好ましい。上記各
半導体層を構成する原子のソースおよびドーパント原料
としては、以下の化合物を用いることができる。
【0022】Gaソース:トリメチルガリウム(TM
G)またはトリエチルガリウム(TEG)等、Alソー
ス:トリメチルアルミニウム(TMA)またはトリエチ
ルアルミニウム(TEA)等、Inソース:トリメチル
インジウム(TMI)またはトリエチルインジウム(T
EI)等、Nソース:アンモニア(NH3)等、ドーパ
ントガス:シラン(SiH4)(n型ドーパント用)お
よびビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2
g)(p型ドーパント用)等。
【0023】まず、ウェハー状のサファイア基板1を基
板温度1150℃にてサーマルクリーニングする。その
後、基板温度を600℃に下げ、基板1の(0001)
面上にAlNバッファ層2を成長させ、続いて、基板温
度を800℃に上げてn型In1-w(GazAl1-zw
層3を成長させる。上記バッファ層2、n型In
1-w(GazAl1-zwN層3が積層された基板1上に、
Arレーザを照射し、例えば、上記TMG、TMIおよ
びCp2Mgの供給とNH3ガスの供給とを交互に行いな
がらp型In1-x(GayAl1-yxN層4を成長させ
る。
【0024】図5は、本発明において、p型In
1-x(GayAl1-yxN層4を構成する各原子が基板上
に供給されて層4が成長される状態を示す模式図であ
る。この図においては、III族原子52の格子位置に
配された場合にアクセプターとして活性化されるドーパ
ント51を用いた例を示す。このようなドーパント51
としては、例えば上記Mg等が挙げられる。
【0025】In1-x(GayAl1-yxN層4中では、
上記ドーパント51はIn、Ga、AlのIII族原子
52の位置に置換された場合にアクセプタとして活性化
され、それによりIn1-x(GayAl1-yxN層4の導
電型はp型となる。上記ドーパント51が結晶中におい
て格子間位置に配されると、該ドーパント51はアクセ
プタとして活性化されない。
【0026】p型In1-x(GayAl1-yxN層4を成
長させる際に、III族原子52と窒素原子53とを成
長面に交互に供給する。その際、上記ドーパント51を
上記III族原子52と同時に該成長面に供給する。I
II族原子52と上記ドーパント51を供給している間
は、窒素原子53の供給は停止される。このように、上
記ドーパント51が供給される際に窒素原子53の供給
が停止され、III族原子52および上記ドーパント5
1のみが供給されることにより、成長面におけるこれら
原子のマイグレーションが増大し、上記ドーパント51
はアクセプターとして機能し得る格子位置に確実に取り
込まれることができる。よって上記ドーパント51が格
子間位置に入ることがなく、しかも、p型In1-x(G
yAl1-yxN層4に、電子線照射を行った場合に生
じるような格子欠陥が生じない。
【0027】ところで、基板表面における吸着分子の拡
散および、ドーパントの格子位置への取り込みにおける
障壁は1〜数eVであるので、このエネルギーに相当す
る帯域波長の光を照射すると、さらに原子のマイグレー
ションが促進される。すなわちドーパント51が供給さ
れる際に、レーザ等の光照射が行われると上記マイグレ
ーションがさらに促進される。この実施の形態では波長
514〜528nmのArレーザを用いた。
【0028】p型In1-x(GayAl1-yxN層4形成
後、ドライエッチングによって、p型In1-x(Gay
1-yxN層4をn型In1-w(GazAl1-zwN層3
の内部に達する深さまで部分的に除去する。露出された
n型In1-w(GazAl1-zwN層3上に、n型Al電
極5を蒸着し、残存するp型In1-x(GayAl1-yx
N層4上にp型Al電極6を蒸着する。各Al電極5、
6形成後、ウェハー状の該基板1はダイシングによって
チップに分割され半導体発光素子となる。
【0029】本実施の形態における上記半導体層2、3
および4の詳細は以下の通りである。
【0030】バッファ層2:AlN、厚さ500オング
ストローム、n型In1-w(GazAl1-zwN層3:I
0.4Ga0.6N、厚さ3μm、p型In1-x(GayAl
1-yxN層4:In0.4Ga0.6N、厚さ1μm、p型I
1-x(GayAl1-yxN層4中のp型のキャリア濃
度:5×1017cm-3
【0031】チップの大きさは300μm×300μm
とした。
【0032】本実施の形態の半導体発光素子は、波長4
70nmの青色の高効率の発光が得られた。
【0033】[実施の形態2]図2は本発明の実施の形
態2の半導体発光素子を示す縦断面図である。
【0034】この半導体素子は、基板21上に、AlN
バッファ層22、n型In1-w(GazAl1-zwN層2
3、p型In1-x(GayAl1-yxN層24が積層形成
されている。基板21側にはn型電極25が全面に形成
され、該p型In1-x(GayAl1-yxN層24上には
p型Al電極26が形成されている。
【0035】実施の形態2の半導体発光素子において
は、実施の形態1と同じソースを用い得、実施の形態1
と同様にして、Arレーザを基板21上の成長面に照射
しながら該成長面にIII族原子およびドーパントの供
給と窒素原子の供給とが交互に行われることにより、p
型In1-x(GayAl1-yxN層24が成長される。ウ
ェハー状の基板21は、電極25、26が形成された
後、ダイシングによってチップに分割され、半導体発光
素子となる。
【0036】この実施の形態においては、基板21とし
てn型ZnO基板を用い、n型電極25としてInを用
いた。基板21に積層された各半導体層22、23およ
び24の詳細は、以下の通りである。
【0037】バッファ層22:n型AlN、厚さ500
オングストローム、n型In1-w(GazAl1-zwN層
23:In0.4Ga0.6N、厚さ3μm、p型In
1-x(GayAl1-yxN層24:In0.4Ga0.6N、厚
さ1μm、p型In1-x(GayAl1-yxN層24中の
p型のキャリア濃度:5×1017cm-3
【0038】本実施の形態の半導体発光素子は、波長4
70nmの青色発光が得られ、実施の形態1よりさらに
高効率の発光が得られた。
【0039】[実施の形態3]図3は本発明の実施の形
態3の半導体発光素子を示す縦断面図である。
【0040】この半導体素子は、基板31上に、AlN
バッファ層32、n型In1-w(GazAl1-zwNクラ
ッド層37、アンドープIn1-s(GatAl1-tsN活
性層38(sは0より大で1以下、tは0以上1以下で
ある)、p型In1-x(GayAl1-yxNクラッド層3
9、p型In1-u(GavAl1-vuN層310(uは0
より大で1以下、vは0以上1以下である)およびSi
N絶縁膜311が積層形成されている。上記組成比zお
よびyはt未満である。SiN絶縁膜311は、幅10
μmのストライプ溝313がp型In1-u(GavAl
1-vuN層310の表面に達する深さで形成されてお
り、その上にp型Al電極312が形成され、基板31
側にはn型電極35が全面に形成されている。
【0041】実施の形態3の半導体発光素子において
は、実施の形態1と同じソースを用い得、実施の形態1
と同様にして、Arレーザを成長面に照射しながら上記
TMI、TMG、TMA、およびCp2Mgの供給とN
H3の供給とが交互に行われることにより、p型In
1-x(GayAl1-yxNクラッド層39、p型In1-u
(GavAl1-vuN層310が成長される。SiN絶
縁膜311は、プラズマCVDにより形成され、フォト
リソグラフィーおよび選択エッチングによって上記スト
ライプ溝313が形成される。ドライエッチングによっ
て共振器が形成される。共振器形成後、ウェハー状の基
板31はチップに分割されて半導体レーザとなる。
【0042】この実施の形態においては、基板31とし
てn型ZnO基板を用い、n型電極35としてInを用
いた。各半導体層32、37、38、39および310
の詳細は、以下の通りである。
【0043】バッファ層32:n型AlN、厚さ500
オングストローム、n型In1-w(GazAl1-zwNク
ラッド層37:n型In0.4Al0.6N、厚さ2μm、ア
ンドープIn1-s(GatAl1-tsN活性層38:アン
ドープIn0.4Ga0.6N、厚さ0.1μm、p型In
1-x(GayAl1-yxNクラッド層39:p型In0.4
Al0.6N、厚さ1μm、p型In1-u(GavAl1-v
uN層310:p型In0.4Ga0.6N、厚さ0.2μ
m、p型In1-x(GayAl1-yxNクラッド層39、
p型In1-u(GavAl1-vuN層310中のp型のキ
ャリア濃度:5×1017cm-3
【0044】チップの大きさは300μm×1000μ
mとした。
【0045】本実施の形態の半導体発光素子は、77K
において、レーザ発振がパルス駆動で得られた。
【0046】[実施の形態4]図4は本発明の実施の形
態4の半導体発光素子を示す縦断面図である。
【0047】この半導体素子は、基板41上に、AlN
バッファ層42、n型In1-w(GazAl1-zwNクラ
ッド層47、アンドープIn1-s(GatAl1-tsN層
48、p型In1-x(GayAl1-yxNクラッド層49
およびp型In1-u(GavAl1-vuN層410が積層
形成されている。上記組成比zおよびyはt未満であ
る。p型In1-x(GayAl1-yxNクラッド層49お
よびp型In1-u(GavAl1-vuN層410には、ス
トライプ状に突出する幅10μmのリッジ部415が形
成されており、該リッジ部415の両側にはn型GaA
s層414が形成されている。p型In1-u(GavAl
1-v)Nu層410およびn型GaAs層414を覆って
p型Al電極412が形成され、基板41側にはn型電
極45がその全面に形成されている。
【0048】実施の形態4の半導体発光素子は、以下の
ようにして作製される。まず、基板41上に、AlNバ
ッファ層42からp型In1-u(GavAl1-vuN層4
10までを実施の形態3と同様の方法で積層する。
【0049】p型In1-u(GavAl1-v)Nu層410
上に、さらにAl23膜(図示せず)を形成し、フォト
リソグラフィーおよびドライエッチングによって幅10
μmのストライプを残す。ストライプ状に残存したAl
23膜をマスクとし、p型In1-u(GavAl1-vu
層410およびp型In1-x(GayAl1-yxN層49
をエッチングし、リッジ部415を形成する。エッチン
グ後、MBE法またはMOVPE法によってn型GaA
s層414層を成長させ、リッジ部415の上面に残存
するAl23膜およびn型GaAs層414をフォトリ
ソグラフィーおよび選択エッチングによって除去する。
ドライエッチングにより共振器が作製される。共振器形
成後、ウェハー状の基板41はチップに分割され、半導
体レーザとなる。
【0050】この実施の形態においては、基板41とし
てn型ZnO基板を用い、n型電極45としてInを用
いた。各半導体層42、47、48、49および410
の詳細は、以下の通りである。
【0051】バッファ層42:n型AlN、厚さ500
オングストローム、n型In1-w(GazAl1-zwNク
ラッド層47:n型In0.4Al0.6N、厚さ2μm、ア
ンドープIn1-s(GatAl1-tsN活性層48:アン
ドープIn0.4Ga0.6N、厚さ0.1μm、p型In
1-x(GayAl1-yxNクラッド層49:p型In0.4
Al0.6N、厚さ1μm、p型In1-u(GavAl1-v
uN層410:p型In0.4Ga0.6N、厚さ0.2μ
m、p型In1-x(GayAl1-yxNクラッド層49、
p型In1-u(GavAl1-vuN層410中のp型のキ
ャリア濃度:5×1017cm-3
【0052】チップの大きさは300μm×1000μ
mとした。
【0053】本実施の形態の半導体発光素子は、77K
において、レーザ発振がパルス駆動で得られた。
【0054】なお、上記実施の形態2、実施の形態3お
よび実施の形態4においては、基板21、31および4
1としてn型ZnO基板を用いたが、それ以外にn型S
iC基板等を用いることができる。n型SiC基板を用
いた場合は、n型電極25、35および45としてn型
Ni/Au電極を用いると好適である。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1記載の
窒化ガリウム系半導体レーザ素子によれば、基板上に、
第1導電型のクラッド層と、発光層と、第2導電型のク
ラッド層とが積層された窒化ガリウム系半導体レーザ素
子であり、第2導電型のクラッド層をエッチングするこ
とにより形成したリッジ構造を持つことを特徴とするも
のである。
【0056】また、本発明の請求項2記載の窒化ガリウ
ム系半導体レーザ素子によれば、前記第1導電型のクラ
ッド層はn型半導体層であり、前記第2導電型のクラッ
ド層はp型半導体層であり、該p型半導体層は、p型I
1-x(GayAl1-yxN層(xは0より大で1以下、
yは0以上1以下である)であり、且つ、In1-x(G
yAl1-yxNのうちの窒素原子または窒素原子を含
有するガスと、III族原子またはIII族原子を含有
するガスとを交互に成長面に供給し、且つ、III族原
子またはIII族原子を含有するガスとのいずれかとと
もにアクセプターとなるドーパントを含有するガスを該
成長面に供給して成長させた層であることを特徴とする
ものである。
【0057】また、本発明の請求項3記載の窒化ガリウ
ム系半導体レーザ素子によれば、前記リッジ構造の側面
部が、n型GaAs層で埋め込まれてなることを特徴と
するものである。
【0058】さらに、本発明の請求項4記載の窒化ガリ
ウム系半導体レーザ素子の製造方法によれば、基板上
に、n型In1-w(GazAl1-zwNクラッド層(wは
0より大で1以下、zは0以上1以下である)と、In
1-s(GatAl1-tsN活性層(sは0より大で1以
下、tは0以上1以下である)と、p型In1-x(Gay
Al1-yxNクラッド層(xは0より大で1以下、yは
0以上1以下である)とを含む積層構造を形成する工程
と、該p型In1-x(GayAl1-yxNクラッド層をド
ライエッチングしてストライプ状に突出するリッジ構造
を形成する工程と、該リッジ構造の側面部をn型GaA
s層で埋め込む工程と、を有することを特徴とするもの
である。
【0059】従って、本発明によれば、p型InGaA
lN層に格子欠陥がなく、高効率高信頼性の窒化ガリウ
ム系半導体レーザ素子を提供することができる。
【0060】また、本発明の窒化ガリウム系半導体レー
ザ素子の製造方法によれば、少ない工程数で作製でき、
かつp型InGaAlN層の厚さおよびキャリア濃度を
容易に制御することができる。
【0061】さらに、本発明によれば、77Kにおい
て、パルス駆動でレーザ発振する窒化ガリウム系半導体
レーザ素子が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の本発明の実施の形態1の半導体発光素
子を示す縦断面図である。
【図2】本発明の実施の形態2の半導体発光素子を示す
縦断面図である。
【図3】本発明の実施の形態3の半導体発光素子を示す
縦断面図である。
【図4】本発明の実施の形態4の半導体発光素子を示す
縦断面図である。
【図5】p型In1-x(GayAl1-y)Nx層の成長工程
を示す模式図である。
【図6】従来の半導体発光素子を示す模式図である。
【符号の説明】
1 基板 4 p型In1-x(GayAl1-yxN層 21 基板 24 p型In1-x(GayAl1-yxN層 31 基板 39 p型In1-x(GayAl1-yxNクラッド層 41 基板 49 p型In1-x(GayAl1-yxNクラッド層 51 ドーパント 52 III族原子 53 窒素原子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲吉▼田 智彦 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 大林 健 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 幡 俊雄 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 須山 尚宏 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−343737(JP,A) 特開 平2−229475(JP,A) 特開 平2−275682(JP,A) 特開 平4−213878(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 H01L 33/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n型クラッド層と、該n型クラッド層上
    に形成された活性層と、該活性層上に形成されたp型I
    1-x (Ga y Al 1-y x Nクラッド層(0<x≦1、0≦
    y≦1)とを有する半導体レーザ素子であって、上記n
    型クラッド層の不純物がSiであり、上記p型クラッド
    層において結晶成長によりドーパント原子MgがIII族
    原子の格子位置に配され、かつ、上記p型クラッド層に
    ストライプ状リッジ部が形成されていることを特徴とす
    る半導体レーザ素子。
  2. 【請求項2】 上記ストライプ状リッジ部はドライエッ
    チングにより形成されてなることを特徴とする請求項1
    に記載の半導体レーザ素子。
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