JP3649941B2 - 車両のエアバックモジュール取り付け器具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアバックモジュールを車両のステアリングホイール中央部に、容易、迅速、かつ正確に位置決めして取り付けるのに好適な車両のエアバックモジュール取り付け器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術におけるエアバックモジュール取り付け器具としては、図3に示すものが知られている。
図3に示すエアバック取り付け器具は、ベースプレート103上にネジ(又はボルトとナット)A1,A2及びB1,B2でそれぞれ取り付けられた1対のコンタクトプレート101A,101Bから構成されている。また、前記ベースプレート103には、ロアカバー105が取り付けられている。さらに、前記ベースプレート103には、ステアリングシャフトを通す穴C1が設けられている。
【0003】
前記1対のコンタクトプレート101A,101Bは、図4に示すエアバックモジュール110を取り付けるための器具であり、具体的には、エアバック110の両側面に設けられたネジ穴(又はボルトとナット)N1,N2(N2は図示せず)とコンタクトプレート101A,101Bのエアバック取付部102a,102bの穴A3,B3を介してネジ留め(又はボルトとナットによる締結)される。
【0004】
図5は、図4に示すエアバックモジュール110とロアカバー105が、コンタクトプレート101Aと101Bに取り付けられた際の外観側面を示す図である。
また、図6はエアバックモジュール110を取り付けたステアリングホイール107の上面図である。
【0005】
図5に示すように、ロアカバー105は、ステアリングホイールのスポーク109Aと109Bに取り付けるためのネジ穴又はボルト用の穴(図示せず)を具備しているスポーク取り付け部106A,106Bを備えている。したがって、ロアカバー105は、図示していないが、図6に示すスポーク109A,109Bとネジ留め(又はボルトとナットによる締結)される。
【0006】
図6に示すステアリングホイール107のスポーク109Aと109Bも、同様に、前記ネジ穴又はボルト用の穴(図示せず)に対応する位置に穴を備えている。これによって、ロアカバー105は、ステアリングホイール107のスポーク109Aと109Bの間に固定される。
なお、本発明に関連する先行技術としては、登録実用新案第3040741号、及び登録実用新案第3047616号、及び特開平9−123856号公報に記載された技術が存在する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来技術においては、図3に示すように、エアバックモジュール110をコンタクトプレート101Aと101Bとに取り付ける際、受部111a,111b及び受部112a,112bの上面によって、エアバックモジュール110のZ方向(上下方向)の位置が定まる。なお、この明細書において、上下方向、後述する左右方向、後述する前後方向とは、運転席に座ったドライバを基準に定義している。
【0008】
図7(a)(b)は、前記Z方向(上下方向)の位置決めの状態を示している。図7(a)は、図3に示すI−I方向から見た受部111aの断面を示す図であり、図7(b)は、図3に示すII−II方向から見た受部112aの断面を示す図である。なお、受部111b,112bについても、全く同様である。
また、従来技術においては、図3に示すように、エアバックモジュール110をコンタクトプレート101Aと101Bとに取り付ける際、エアバック取付部102a,102bの内側側面によって、X方向(左右方向)の位置決めが成される。ここで、図7(c)は、コンタクトプレート101Aにおける前記X方向(左右方向)の位置決めの状態を示している。図7(c)は、図3に示すIII−III方向から見たエアバック取付部102aの断面を示す図である。なお、受部112bについても、全く同様である。
【0009】
図7(a)(b)から明らかなように、図3に示すコンタクトプレート101A,101BはZ方向(上下方向)とX方向(左右方向)の位置決めを行って、エアバックモジュール110の取り付けを行うことができる。
しかし、図3に示すコンタクトプレート101A,101Bは、図3に示すY方向(前後方向)の位置決めを行うことはできない。
【0010】
そこで、従来技術においては、作業員が、エアバックモジュール110を取り付ける場合、エアバック取付部102a,102bのネジ留め作業の際に、図3に示すY方向(前後方向)に関してエアバックモジュール110の位置決めを行う必要があった。この作業は、相当の熟練を必要とし、品質のバラツキ及び組み付け時間のバラツキを生じるという問題点があった。
【0011】
特に、上記の組み付け作業を熟練者以外の者が行うと、ステアリングホイール107の外観上、スポーク109Aとエアバックモジュール110の接続、及びスポーク109Bとエアバックモジュール110の接続が滑らかにならないことがあり、問題となっていた。
本発明は、前記した従来技術の問題点に鑑み為されたもので、熟練者以外のものが組み付け作業を行う場合でも、短時間で作業を行うことを可能にし、組み付け時間を短縮することが可能な車両のエアバックモジュール取り付け器具を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、エアバックモジュールを組み付ける際に、X方向(左右方向)の位置決めとZ方向(上下方向)の位置決めのみならず、Y方向(前後方向)の位置決めとを容易に行うことが可能な車両のエアバックモジュール取り付け器具を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のエアバックモジュール取り付け器具は、ステアリングホイールの中央部に配置され、かつロアカバーを下側に取り付け、エアバックモジュールを上側に取り付ける車両のエアバックモジュール取り付け器具に適用されるものであり、エアバックモジュールを取り付ける際に上下方向の位置決めを行う第1の受部と、エアバックモジュールを取り付ける際に左右方向の位置決めを行う第2の受部と、エアバックモジュールを取り付ける際に前後方向の位置決めを行う第3の受部とを備え、第1の受部と第2の受部と第3の受部は、単体のエアバックモジュール取り付け器具に設けられていることを特徴とする。
【0015】
(作用)
請求項1記載のエアバックモジュール取り付け器具によれば、エアバックモジュールを取り付ける際に前後方向の位置決めを行う第3の受部を設けたため、X方向(左右方向)とZ方向(上下方向)の他に、Y方向(前後方向)を考慮した位置決めを、1回で行うことができる。
【0016】
また、請求項1記載のエアバックモジュール取り付け器具によれば、X方向(左右方向)とY方向(前後方向)とZ方向(上下方向)の位置決めを行うことができる車両のエアバックモジュール取り付け器具が一体で形成される。したがって、エアバックモジュールの取り付けとロアカバー取り付けを容易に行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施の形態を示す図である。図1に示す実施の形態は、請求項1に記載する発明に対応する。
【0018】
図1において、図3に示す従来技術と同一部分は、同一符号を付して、その説明を省略する。図1に示す実施の形態と図3に示す従来技術が相違するのは、以下の点である。
第1に、図1に示す実施の形態のコンタクトプレート1には、Y方向(前後方向)を規定する受部1a,1bが設けられている。ここで、特許請求の範囲に記載するエアバックモジュール取り付け器具は、図1に示すコンタクトプレート1に対応する。
【0019】
第2に、図1に示す実施の形態のコンタクトプレート1は、図3に示す従来のコンタクトプレート101A,101Bが1対で形成されているのと異なり、一体形成されている。
【0020】
以下、前記第1の相違点について説明する。
図1に示すコンタクトプレート1は、エアバックモジュール110をコンタクトプレート1に取り付ける際、Y方向(前後方向)を規定する受部1a,1bを備えている。
図2(a)は、受部1a(1b)をI−I方向から見た断面を示す図である。図2(a)に示すように、受部1a(1b)の矢印10Yが示す面はY方向(前後方向)を規定している。これは、請求項1に記載する前後方向の位置決めを行う第3の受部に相当する。
【0021】
また、受部1a(1b)の矢印10Zが示す面(平面部)はZ方向(上下方向)を規定している。これは、請求項1に記載する上下方向の位置決めを行う第1の受部に相当する。
さらに、図2(b)は、受部2a(2b)をII−II方向から見た断面を示す図である。図2(b)に示すように、受部2a(2b)の矢印10Zの示す面がZ方向(上下方向)を規定している。これは、請求項1に記載する上下方向の位置決めを行う第1の受部に相当する。このように、Z方向(上下方向)は、前記した受部1a,1bの平面部の他に、受部2a,2bによって規定される。
【0022】
さらに、図2(c)は、エアバック取付部3a(3b)をIII−III方向から見た断面を示す図である。図2(c)に示すように、エアバック取付部3a(3b)の矢印10Xの示す内側側面がX方向(左右方向)を規定している。これは、請求項1に記載する左右方向の位置決めを行う第2の受部に相当する。
なお、図1において、符号D1からD4は、ロアカバー105をコンタクトプレート1に取り付けるためのネジ穴(又はボルト用の穴)である。
【0023】
以上の説明から明らかなように、図1に示す実施の形態によれば、従来技術では、X方向(左右方向)とZ方向(上下方向)の位置決めしかできなかったものが、X方向(左右方向)とZ方向(上下方向)の他に、Y方向(前後方向)を考慮した位置決めを1回で行うことができる。
【0024】
したがって、作業員が、エアバックモジュール110を取り付ける場合、エアバック取付部3a,3bのネジ留め作業の際に、Y方向(前後方向)に関してエアバックモジュール110の位置決めを行う必要がなくなり、作業効率が大幅に向上する効果を有する。
また、熟練していない作業員が取り付ける場合でも、品質のバラツキ及び組み付け時間のバラツキが生じないという効果を有する。特に、熟練していない作業員が取り付ける場合でも、ステアリングホイール107の外観上、スポーク109A,109Bとエアバックモジュール110の接続を滑らかにすることができるという効果を有する。
【0025】
次に、前記第2の相違点について説明する。
前記したように、図1に示す実施の形態のコンタクトプレート1は、図3に示すコンタクトプレート101A,101Bが1対で形成されているのと異なり、一体形成されている。したがって、従来のコンタクトプレート101A,101Bの取り付けと比較して、エアバックモジュール及びロアカバーの取り付けが容易になる。その結果、作業時間を大幅に短縮することができ、熟練していない作業員が取り付ける場合でも、品質のバラツキ及び組み付け時間のバラツキが生じないという効果を有する。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1記載の車両のエアバックモジュール取り付け器具によれば、作業員がエアバックモジュールを取り付ける場合、従来技術と比較してY方向(前後方向)に関して、エアバックモジュールの位置決めを行う必要がなくなり、作業効率が大幅に向上する効果を有する。
【0027】
また、熟練していない作業員が取り付ける場合でも、組み付け品質のバラツキ及び組み付け時間のバラツキが生じないという効果を有する。特に、熟練していない作業員が取り付ける場合、ステアリングホイールの外観上、スポークとエアバックモジュールの接続を滑らかにすることができるという効果を有する。
すなわち、請求項1記載の車両のエアバックモジュール取り付け器具によれば、エアバックモジュール及びロアカバーの取り付けが容易になる。その結果、作業時間を大幅に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す各受部の側面断面図である。
【図3】従来技術によるコンタクトプレートを示す斜視図である。
【図4】エアバックモジュールを示す斜視図である。
【図5】エアバックユニットとロアカバーを取り付けた状態を示す外観側面図である。
【図6】ステアリングホイールを示す上面図である。
【図7】図3に示す各受部の側面断面図である。
【符号の説明】
1,101A,101B コンタクトプレート
1a,1b,2a,2b,111a,111b,112a,112b 受部
3a,3b,102a,102b エアバック取付部
A1,A2,B1,B2 ネジ(又はボルト、ナット)
D1からD4 ネジ穴(ボルト、ナット用の穴)
103 ベースプレート
105 ロアカバー
106A,106B スポーク取付部
107 ステアリングホイール
109A,109B スポーク
110 エアバックモジュール
Claims (1)
- ステアリングホイールの中央部に配置され、かつロアカバーを下側に取り付け、エアバックモジュールを上側に取り付ける車両のエアバックモジュール取り付け器具において、
前記エアバックモジュールを取り付ける際に上下方向の位置決めを行う第1の受部と、
前記エアバックモジュールを取り付ける際に左右方向の位置決めを行う第2の受部と、
前記エアバックモジュールを取り付ける際に前後方向の位置決めを行う第3の受部とを備え、
前記第1の受部と前記第2の受部と前記第3の受部は、単体のエアバックモジュール取り付け器具に設けられていることを特徴とする車両のエアバックモジュール取り付け器具。
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