JP3647733B2 - ローリフトトラック - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、荷物の運搬や荷役作業を行うためのローリフトトラックに関し、詳細にはオペレータが基体部の前側に立ってハンドルを操作する機種と、バッテリ格納部の後側に設けられた運転部に立乗りしてハンドルを操作する機種の双方にハンドルを共用できるローリフトトラックに関する。
【0002】
【従来の技術】
ローリフトトラックには、例えば図4に示すようなオペレータが立乗りしない機種と、図5に示すようなオペレータが立乗りする機種とがある。
【0003】
図4の立乗りしない機種のローリフトトラックは、内部に走行装置及び昇降装置(共に図示せず)を有する基体部10と、この基体部10に揺動可能に取付けられたハンドル20′と、基体部10の後側に配置され、走行装置及び昇降装置の動力源となるバッテリ(図示せず)を収納したバッテリ格納部30と、このバッテリ格納部30の下部に設けられ、当該下部から後方に延びると共に昇降装置により昇降可能な一対のフォーク50とを備える。
【0004】
基体部10の下部にはドライブホイール11が取付けられ、一対のフォーク50の各々の後側にはロードホイール51が取付けられ、ホイール11,51によりローリフトトラックが路面上に支持される。そして、オペレータは基体部10の前側に立ってハンドル20′を操作し、走行装置によりドライブホイール11が回転すると、それに伴ってロードホイール51も回転し、ローリフトトラックが移動する。上記ハンドル2の操作については、図4の一点鎖線で示した前後揺動操作にてブレーキ及びブレーキ解除を行い、ハンドル2先端のアクセルレバーにて走行速度を変える。また、ハンドル2の左右旋回操作にてドライブホイール11のステアリング操作を行うものである。
【0005】
一方、図5の立乗り機種のローリフトトラックは、図4の機種をベースに構成されているが、オペレータが立乗りして操作する運転部40がバッテリ格納部30の後側に設けられ、この運転部40が一対のフォーク50に溶接されている。また、ハンドル20″は上記図4で示した前後揺動操作はしないものの、ハンドル2先端のアクセルレバーにて走行速度を変え、また、ハンドル2の左右旋回操作にてドライブホイール11のステアリング操作を行う。なお、運転部40は、オペレータが乗るフロア41と、例えば臀部をもたれさせる運転席42とを有し、また安全用の手すりとなるガイド43がバッテリ格納部30に取付けられている。この機種では、オペレータは運転部40に立乗り、ハンドル20″を操作する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図4の立乗りしない機種のハンドル20′は約90°の範囲で前側に揺動可能であり、図5の立乗り機種のハンドル20″は左右方向に旋回可能であるが、それ以外の方向には固定されていることから、それぞれの機種に応じた専用のハンドルが使用されている。
【0007】
例えば図4の機種において、ハンドル20′と関連部分の拡大図を図6に示すように、ハンドル20′はコントローラ21とステアリングアーム22とからなるが、これらコントローラ21とステアリングアーム22は、図4の機種専用であり、図5の機種には専用のコントローラ及びステアリングアームからなるハンドル20″が用いられる。
【0008】
また、図6において、ステアリングアーム22は、基体部10のドライブサポート18に突設された支持部19に取付けられており、支持部19は基体部10の下側に位置する。これは図5の機種でも同様である。
【0009】
このように、図4及び図5の機種で、それぞれ専用のハンドル20′,20″が使用されているため、メーカー側では部品点数が多くなり、単品コストが高くなり、その結果、特に立乗りしない機種をベースに構成される立乗り機種の価格が高くなるという問題がある。
【0010】
本発明は、そのような問題点に着目してなされたものであって、特に立乗り機種の価格を低減するために立乗り機種と立乗りしない機種とでハンドルを共用できるローリフトトラックを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のローリフトトラックは、走行装置及び昇降装置を有する基体部と、この基体部に取付けられ前記走行装置のための操作用コントローラを有するハンドルと、基体部の後側に配置され、走行装置及び昇降装置の動力源となるバッテリを収納したバッテリ格納部と、このバッテリ格納部の下部に設けられ、当該下部から後方に延びると共に前記昇降装置により昇降可能な荷台とを備えるローリフトトラックにおいて、前記基体部内の走行装置を構成するモータの上端部にステアリングサポートが取付けられると共に、前記ハンドルの根本部が前記ステアリングサポートに揺動可能に取付けられ、更に該ステアリングサポートは前記モータに対し着脱可能でかつ前向き又は後向きのいずれの向きにも取付け可能に構成されており、前記ステアリングサポートを前記モータに対し前向き又は後向きに取付けることにより、前記ハンドルを前方又は後方から使用可能としたことを特徴とする。
【0012】
このローリフトトラックでは、ハンドルを基体部の上部に向きを変えて取付けることができるため、立乗り機種と立乗りしない機種とでハンドルを共用できる。それにより、両機種でハンドルは1種類でよく、単品コストを抑えることができ、特に立乗り機種を低価格で提供できる。
【0013】
具体的にハンドルの根元部は、基体部の上部に前向き又は後向きのいずれの向きにも着脱可能に取付けられたステアリングサポートに取付ける。更に、ハンドルの根元部は、ステアリングアームで構成され、このステアリングアームがステアリングサポートに取付けられる。
【0014】
この場合、立乗りしない機種では、ステアリングサポートは基体部の上部に前向きに取付けられ、ハンドルは基体部の前側に揺動可能である。また、立乗り機種では、バッテリ格納部の後側に設けられ、オペレータが立乗りして操作する運転部を備え、ステアリングサポートは基体部の上部に後向きに取付けられ、ハンドルは基体部の後側に揺動可能である。
【0015】
なお、本発明において、荷台は主に両面パレット(片面パレットも可能)に適用される一対のフォークでもよいし、或いは主に片面パレットに適用される1枚の平板状のプラットフォームでもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態により、本発明を更に詳細に説明する。
【0017】
その一実施形態に係る立乗りしない機種のローリフトトラックの側面図を図1に示す。但し、図4及び図5に示す従来のものと同じ要素には同一符号を付してある。
【0018】
このローリフトトラックは、内部に走行装置及び昇降装置(共に図示せず)を有する基体部10と、この基体部10の上部に前側に揺動可能となるようにステアリングサポート23を介して取付けられたハンドル20と、基体部10の後側に配置され、走行装置及び昇降装置の動力源となるバッテリ(図示せず)を収納したバッテリ格納部30と、このバッテリ格納部30の下部に設けられ、当該下部から後方に延びると共に昇降装置により昇降可能な一対のフォーク(荷台)50とを備える。
【0019】
基体部10の下部にはドライブホイール11が取付けられ、一対のフォーク50の各々の後側にはロードホイール51が取付けられ、ホイール11,51によりローリフトトラックが路面上に支持される。オペレータMは基体部10の前側に立ってハンドル20を操作し、走行装置によりドライブホイール11が回転すると、それに伴ってロードホイール51も回転し、ローリフトトラックが移動する。
【0020】
別実施形態に係る立乗り機種のローリフトトラックの側面図を図2に示す。このローリフトトラックは、前記立乗りしない機種をベースに構成されているが、ハンドル20が後側に揺動可能となるようにステアリングサポート23に取付けられ、オペレータMが立乗りして操作する運転部40が一対のフォーク50上に溶接により固定されている。また、運転部40は、オペレータMが乗るフロア41と、例えば臀部をもたれさせる運転席42とを有し、安全用の手すりとなるガイド43がバッテリ格納部30に取付けられている。
【0021】
図1及び図2のいずれのローリフトトラックでも、使用されているハンドル20は同じであり、1種類のハンドル20を立乗りしない機種と立乗り機種とで共用している。
【0022】
即ち、上記ローリフトトラックの特徴は、ハンドル20の根元部が基体部10の上部に前向き又は後向きのいずれの向きにも着脱可能に取付けられたステアリングサポート23に取付けられている点である。このステアリングサポート23とハンドル20に関連する部分の構造を図3に示す。ハンドル20はここでは、前後進レバー等を有するコントローラ21と、このコントローラ21に接続されたステアリングアーム22とからなり、ステアリングアーム22の根元部がステアリングサポート23に支持されている。
【0023】
ステアリングサポート23は、基体部10の上部に前向き(図1)又は後向き(図2)のいずれの向きにも着脱可能に取付けることができるようになっている。ここでは、ステアリングサポート23は走行装置のモータ12の上端部にボルト25により取付けられている。従って、組立時に機種に応じてステアリングサポート23の向きを変え、ボルト25によりステアリングサポート23をモータ12の上端部に固定すればよい。
【0024】
なお、図3において、モータ12の走行駆動力は図示しない伝達機構によりドライブホイール11に伝達される。また、モータ12の下部には、前記従来技術で説明したドライブサポート13が設けられており、従来はこのドライブサポート13にハンドル20′,20″が取付けられていた。
【0025】
上記のように、1種類のハンドル20を立乗りしない機種と立乗り機種に共通とすることで、従来と比べて部品点数が少なくて済み、単品コストも低く抑えることができ、特に立乗りしない機種(図1参照)をベースとして構成する立乗り機種(図2参照)の価格を低減できる。
【0026】
なお、上記実施形態のローリフトトラックは一例であり、種々の変更が可能である。例えば、上記ローリフトトラックでは、荷台として一対のフォーク50を示してあるが、1つの平板状のプラットフォームであってもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のローリフトトラックによれば、ハンドルの根元部を基体部の上部に前向き又は後向きのいずれの向きにも着脱可能に取付けたことにより、次の効果が得られる。
(1)1種類のハンドルを立乗りしない機種と立乗り機種に共用できるので、部品点数が少なくて済み、単品コストも低く抑えることができる。
(2)特に立乗りしない機種をベースとして構成する立乗り機種を低価格で提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係る立乗りしない機種のローリフトトラックの側面図である。
【図2】別実施形態に係る立乗り機種のローリフトトラックの側面図である。
【図3】図1及び図2のローリフトトラックにおける基体部の上部に取付けられたハンドル及び関連部分の構造図である。
【図4】従来例に係る立乗りしない機種のローリフトトラックの側面図である。
【図5】従来例に係る立乗り機種のローリフトトラックの側面図である。
【図6】図4及び図5のローリフトトラックにおける基体部に取付けられたハンドル及び関連部分の構造図である。
【符号の説明】
10 基体部
12 モータ
20 ハンドル
21 コントローラ
22 ステアリングアーム
23 ステアリングサポート
25 ボルト
30 バッテリ格納部
40 運転部
50 フォーク(荷台)
M オペレータ
Claims (1)
- 走行装置及び昇降装置を有する基体部と、この基体部に取付けられ
前記走行装置のための操作用コントローラを有するハンドルと、基体部の後側に配置され、走行装置及び昇降装置の動力源となるバッテリを収納したバッテリ格納部と、このバッテリ格納部の下部に設けられ、当該下部から後方に延びると共に前記昇降装置により昇降可能な荷台とを備えるローリフトトラックにおいて、前記基体部内の走行装置を構成するモータの上端部にステアリングサポートが取付けられると共に、前記ハンドルの根本部が前記ステアリングサポートに揺動可能に取付けられ、更に該ステアリングサポートは前記モータに対し着脱可能でかつ前向き又は後向きのいずれの向きにも取付け可能に構成されており、前記ステアリングサポートを前記モータに対し前向き又は後向きに取付けることにより、前記ハンドルを前方又は後方から使用可能としたことを特徴とするローリフトトラック。
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