JP3647247B2 - シート搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置などにおいてシートを搬送する装置に関するものであって、特に搬送する際に斜行を矯正する昨日を有するシート搬送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、画像形成装置に於いてはシート位置に対する画像の記録装置、すなわち記録精度が重要な画像品質要素となっている。従って、従来の画像形成装置には記録精度向上のための種々のシートの斜行を矯正する手段が提案されている。これらは搬送方向に対し垂直に位置するシャッター部材にシートを突き当て、シート先端を当接面に倣わせることにより搬送方向に対して垂直に補正するものである。
【0003】
図8は従来例に係るシート搬送装置の要部構成図である。図示しない給送カセットから供給されたシートは第一搬送ローラ51によって給送され、第二搬送ローラ52及びこれに付勢される搬送コロ53のニップに搬送される。搬送コロ53にはシャッター部材であるレジシャッター54が被さる如く回動自在に取り付けられており、第二搬送ローラ52の上流側に於いてシート搬送経路上に当接面54aを位置させている。レジシャッター54は自重又は弾性体によりシート搬送方向と逆向きの付勢力Fを有している。
【0004】
従って第一搬送ローラ51から搬送されてきたシートはまず当接面54aに当接し、先端が停止してループを形成する。このループが形成されたことによりシートが元に戻ろうとする力F’がレジシャッター54の付勢力Fを上回るとレジシャッター54が回転し、シートは第二搬送ローラ52を通過することができる。ここでループを形成した際にシートの斜行を吸収してその先端を揃えることができ、即ち第二搬送ローラ52を通過する際にはシートは斜行が補正された状態となる。
【0005】
そしてシートは第二搬送ローラ52から上ガイド55a及び下ガイド55bによって感光ドラム56と転写ローラ57とのニップへと導かれ、感光ドラム56上に形成された静電潜像を転写ローラ57によって転写され、更に図示しない定着器によって定着されることにより画像を形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来例に係るシート搬送装置に於いては、シート後端が第二搬送ローラ52を抜けた後、上ガイド55aに到達するまでの間にシートを搬送するためのガイドがないため、シート後端が第二搬送ローラ52を抜けた際の跳ね上げやバタツキを抑えることができない。このようにシートの後端が跳ね上げられることによって上ガイド55aに接触し、その衝撃により突音の要因となったり、またシート後端のバタツキが転写ローラ57に伝達して画像上にぶれが発生したりしてしまう。
【0007】
また一般に、画像形成装置が複数の給送手段を有する場合に、シート位置の検知を一カ所で行えるようにするため、いずれの給送手段から搬送されたシートも必ず通過する第二搬送ローラ52の直後に検知機構であるセンサーフラグ58を設けている。しかし上記した如くシートの後端が跳ね上げられたりばたついたりした場合、シート後端がセンサーフラグ58を乗り越えてしまう場合が発生する。
【0008】
これを解決するために第二搬送ローラ52直後の搬送路を狭くし、シート後端の跳ね上がる量が少なくなるようにすることも考えられるが、逆にシート先端が搬送路に進入しにくくなり、ジャムが発生しやすくなってしまう。
【0009】
また、回動して搬送路より退避したレジシャッター54が元の位置に戻る際に、バネ圧と自重により位置決め部材に突き当たることにより衝撃音が発生してしまう。
【0010】
そこで本発明は、シート後端がシャッター部材を有する第二搬送ローラを抜ける際の跳ね上げやバタツキを防止して突音や画像のぶれを無くすと共に、シャッター部材の戻りによる衝撃音を少なくしたシート搬送装置及び画像形成装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係るシート搬送装置及び画像形成装置の代表的な構成は、シートを搬送する第一搬送手段と、前記第一搬送手段よりもシート搬送方向下流側に配置されシートを搬送する第二搬送手段と、前記第二搬送手段の近傍に配置され前記第一搬送手段により搬送されるシートの先端に当接してシートの斜行を矯正し回動することにより退避して前記シートを通過させるシャッター部材とを有するシート搬送装置であって、前記シャッター部材はリブ又は搬送コロ等からなるシートガイド部を有し、回動した状態に於いて前記シートの搬送路を構成することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
[第一実施形態]
本発明に係るシート搬送装置及び画像形成装置の第一実施形態について、図を用いて説明する。図1は本実施形態に係るシート搬送装置の要部構成図、図2は画像形成装置の全体構成図、図3はシート搬送装置の斜視図、図4はシート搬送装置の動作を説明する図である。
【0013】
まず、図2を用いて画像形成装置全体について説明する。画像形成装置1は電子写真方式を用いたいわゆるレーザビームプリンタであり、記録媒体であるシートSをカセット2内の中板3に積載している。中板3は加圧バネ4によってシートSを給送ローラ6に付勢しており、給送ローラ6はこれに付勢された分離パッド5と協働することによりシートSを一枚ずつ分離給送する。
【0014】
給送ローラ6によって送出されたシートSは第一搬送ローラ7及び第二搬送ローラ8によって搬送され、プロセスカートリッジ9に搬送される。プロセスカートリッジ9の感光ドラム9aにはレーザースキャナー11のレーザー光源から高速で回転するスキャナーミラー11a、折り返しミラー11bを介してレーザーが照射され、静電潜像が形成される。この静電潜像を図示しないトナーを用いて現像ローラ9bによって現像し、顕像化したトナー像を転写ローラ10によってシートSに転写する。
【0015】
トナー像を転写されたシートSは、内部に熱源である定着ヒータ12aを有する定着ローラ12と、シートSを定着ローラ12に加圧する加圧ローラ13とのニップに送られて、熱と圧力を加えられることにより画像を定着される。しかる後にシートSは排出ローラ14によって機外の排出トレイ15に排出、積載される。また装置内部には各期後部品を駆動するための電源及び電気部品を有する電装基板16が備えられている。
【0016】
図1に示すように、第一搬送ローラ7とこれに付勢された搬送コロ22とによって搬送されたシートSは、搬送ガイド24に沿って第二搬送ローラ8に導かれる。第二搬送ローラ8には搬送コロ23が図示しない付勢手段によって付勢されており、シートSを挟持して搬送することができる。第二搬送ローラ8の下流側には、シートSの搬送路を構成する上ガイド25及び下ガイド26が設けられており、シートを感光ドラム9aと転写ローラ10とのニップへと導いている。
【0017】
図3に示すように、搬送コロ23と同一軸にシャッター部材であるレジシャッター21が回動可能に取り付けられている。レジシャッター21はシートの搬送面上に複数の当接面21aを有しており、該当接面21aの端面をシートの搬送方向に対して垂直に配置している。
【0018】
レジシャッター21は搬送方向上流側に対して付勢する図示しない付勢手段が設けられており、搬送ガイド24に当接して姿勢を保持している。従ってシートSの先端が当接面21aに当接した際に抵抗を有し、シートSの先端は当接面21aに当接して停止する。そしてシートSは後方が更に搬送されることによってループ状に撓みを生成し、先端が複数の当接面21aに沿うことにより斜行が矯正される。ここでレジシャッター21の付勢力Fに対してループが元に戻ろうとする力F’がF>F’となる様に付勢力Fを設定しているため、シート先端の両端が当接面に突き当たってループが形成されている間は、レジシャッター21が回動することはない。
【0019】
シートSのループ量は搬送経路の隙間によって規制されるため、ループがそれ以上作れない大きさになると搬送方向への分力が大きくなり、レジシャッター21を搬送方向下流側に回動させて搬送面より退避させる。これによりシートSは第二搬送ローラ8と搬送コロ23とのニップに進入し、これらに挟持されてプロセスカートリッジ9へと搬送される。
【0020】
シートS先端がプロセスカートリッジ9に到達すると、シートSは感光ドラム9aと転写ローラ10、第二搬送ローラ8と搬送コロ23によって張力を掛けられつつ搬送されることになる。この張力によってレジシャッター21は当接面21aを持ち上げられることとなる。ここでレジシャッター21の下面にはシートガイド部であるリブ21bが一体に設けられており、第二搬送ローラ8の直後に新たなシート搬送路を構成し、搬送路を狭くすることができる。
【0021】
従って、シート後端がレジシャッター21によって形成された搬送路に沿って搬送されることとなり、第二搬送ローラを抜けた際に発生する跳ね上げやバタツキを抑えることができる。従って跳ね上げられたことにより上ガイド25にあたって突音等の異音を発生したり、またばたつくことによる画像のぶれを防ぐことができる。
【0022】
またレジシャッター21が元の位置に戻る際に、リブ21bとシートの後端が摺擦することによってレジシャッター21の戻る速度が遅くなり、搬送ガイド24に当接する際に発生する衝撃音を少なくすることができる。
【0023】
[第二実施形態]
次に、本発明に係るシート搬送装置及び画像形成装置の第二実施形態について図を用いて説明する。図5は本実施形態に係るシート搬送装置の要部構成図であって、上記第一実施形態と説明の重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0024】
上記第一実施形態に於いてはシャッター部材に設けたシートガイド部としてリブ21bを設けて示したが、本実施形態に於いては、図5に示すようにレジシャッター21の下面に搬送コロ28を設けている。これによりシートSが第二搬送ローラ8と搬送コロ23、感光ドラム9aと転写ローラ10によって張架される際に、レジシャッター21の搬送コロ28がシートSに接触して搬送路の一部を構成する。
【0025】
従ってシートSの後端は、第二搬送ローラ8を抜けた際にレジシャッター21の搬送コロ28によって構成された搬送路に沿って搬送される。このように搬送コロ28と摺擦することによりシート後端の挙動が制限され、跳ね上げやバタツキが少ない状態で送られるため、上ガイド25に突き当たって突音等の異音を発したり、また画像のぶれが発生することを防ぐことができる。
【0026】
このように、シートS先端が通過した後に搬送路を狭くするよう搬送ガイドを構成することにより、搬送路が狭いことにより発生されるシートの搬送不良を防止することができる。またシートガイド部としてリブの代わりに搬送コロを用いることにより、シートSの記録面への傷、ガイドとの摺擦によって発生する紙粉などを少なくすることができる。
【0027】
[第三実施形態]
本発明に係るシート搬送装置の第三の実施形態について図を用いて説明する。図6は本実施形態に係るシート搬送装置の要部構成図であって、上記第一又は第二実施形態と説明の重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0028】
上記第一の実施形態に於いては、レジシャッター21にシートガイド部としてリブ21bを一体に設けて示したが、本実施形態に係るレジシャッター21においては振動を抑える機能を有する材質によって形成した別部材のガイド部材29を取り付けている。
【0029】
第二搬送ローラ8によって搬送されたシートSは、第二搬送ローラ8を抜ける際にその後端がレジシャッター21に設けられたガイド部材29によって構成された搬送路に沿って搬送される。
【0030】
第二搬送ローラ8を抜けた際のシートSの後端の挙動は、転写ローラ10によって引っ張られることによって大きくバタついており、その振動によって突音や画像上のぶれが発生する。しかしレジシャッター21のガイド部材29が振動を吸収することにより、シート後端のバタツキをより効果的に抑えることができ、これに起因する突音や画像上のぶれを防止することができる。
【0031】
[第四実施形態]
本発明に係る第四実施形態について図を用いて説明する。図7は本実施形態に係るシート搬送装置の要部構成図であって、上記第一乃至第三実施形態と説明の重複する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0032】
図7に示すように、本実施形態に係るレジシャッター30においては、シートガイド部としては第一実施形態と同様のリブ30bを有し、当接面30aにシートSの先端が当接することにより回動するよう構成されている。またレジシャッター30にはセンサーフラグ30cが一体に設けられており、シート検知手段であるフォトセンサ31に作用するように構成されている。すなわちレジシャッター30の回動によってセンサーフラグ30cがフォトセンサ31の光源を遮蔽、解放することができ、これをON/OFFさせることができる。
【0033】
シートSが第一搬送ローラ7によって搬送され、その先端が当接面30aに当接してレジシャッター30を回動させると、これに伴ってセンサーフラグ30cも回動する。これによりフォトセンサ31がONと検知され、シートの先端が第二搬送ローラ8を通過したことを検知することができる。
【0034】
第二搬送ローラ8によって搬送されたシートSは、感光ドラム9aと転写ローラ10、第二搬送ローラ8と搬送コロ23とによって張力を掛けられつつ搬送される。このときレジシャッター30は当接面30aが押し上げられ、リブ30bによって搬送経路を構成すると共に、センサーフラグ30cがフォトセンサ31を遮らない状態が持続する。
【0035】
更にシート後端が第二搬送ローラ8を抜けると、今まで二つのローラにて引っ張られていたシートSが弛み、レジシャッター30は支持を失って元の位置へ戻ろうとする。これに伴ってレジシャッター30のリブ30bがシートの後端を抑えながら搬送路を構成し、シート後端のバタツキを規制する。またシートSが搬送されシート後端がリブ30bを抜けると同時にレジシャッター30は元の位置に戻り、このときセンサーフラグ30cをフォトセンサ31の光源を遮ってOFFとさせる。このフォトセンサ31のON/OFFのタイミングを計ることにより、シートの位置、サイズを確実に検知することが可能となる。
【0036】
従って、同一部材にシート後端を規制する機能とシートサイズの検知機能とを兼有させることができ、部品点数を削減することができ、装置構成を簡略化して生産コストを低減化させる効果を有している。
【0037】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係るシート搬送装置及び画像形成装置に於いては、回動したシャッター部材が回動して搬送路より退避した場合に第二搬送手段直後に搬送経路を構成するため、シート後端の跳ね上がりやバタツキを防ぐことができ、シート後端が突音などの異音を発したり画像にぶれが生じることを防ぐことができる。
【0038】
また、シャッター部材がシート後端と摺擦しながら初期位置に戻ることにより、その速度を緩和することができ、シャッター部材が位置決め部材に突き当たる際の衝撃音を減少させることができる。
【0039】
またシートガイド部にシートの振動を吸収する材質の部材を設けたことにより、シート後端の跳ね上げに起因するバタツキを更に減衰させることができ、バタツキに伴って発生する突音、画像のぶれを更に減少させることができる。
【0040】
また、シャッター部材によってシートを検知するよう構成したことにより、一つの部材によってシート後端のバタツキを防止すると共にシートを検知することが可能となり、部品点数を削減することができ、装置構成を簡略化して生産コストを低減化させる効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態に係るシート搬送装置の要部構成図である。
【図2】画像形成装置の全体構成図である。
【図3】シート搬送装置の斜視図である。
【図4】シート搬送装置の動作を説明する図である。
【図5】第二実施形態に係るシート搬送装置の要部構成図である。
【図6】第三実施形態に係るシート搬送装置の要部構成図である。
【図7】第四実施形態に係るシート搬送装置の要部構成図である。
【図8】従来例に係るシート搬送装置の要部構成図である。
【符号の説明】
S …シート
1 …画像形成装置
2 …カセット
3 …中板
4 …加圧バネ
5 …分離パッド
6 …給送ローラ
7 …第一搬送ローラ
8 …第二搬送ローラ
9 …プロセスカートリッジ
9a …感光ドラム
9b …現像ローラ
10 …転写ローラ
11 …レーザースキャナー
11a …スキャナーミラー
11b …ミラー
12 …定着ローラ
12a …定着ヒータ
13 …加圧ローラ
14 …排出ローラ
16 …電装基板
21 …レジシャッター
21a …当接面
21b …リブ
22 …搬送コロ
23 …搬送コロ
24 …搬送ガイド
25 …上ガイド
26 …下ガイド
28 …搬送コロ
29 …ガイド部材
30 …レジシャッター
30a …当接面
30b …リブ
30c …センサーフラグ
31 …フォトセンサ

Claims (4)

  1. シートを搬送する第一搬送手段と、前記第一搬送手段よりもシート搬送方向下流側に配置されシートを搬送する第二搬送手段と、前記第二搬送手段の近傍に配置され前記第一搬送手段により搬送されるシートの先端に当接してシートの斜行を矯正し、回動することにより退避して前記シートを通過させるシャッター部材とを有するシート搬送装置であって、
    前記シャッター部材はリブ又は搬送コロ等からなるシートガイド部を有し、回動した状態に於いて前記シートの搬送路を構成することを特徴とするシート搬送装置。
  2. 前記シートガイド部とは、前記前記シャッター部材と別部材かつシートの振動を吸収する材質にて形成されていることを特徴とする請求項1記載のシート搬送装置。
  3. 前記シャッター部材が回動することによりシートの存在を検知するシート検知手段を構成していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のシート搬送装置。
  4. 前記シートを給送する給送手段と、請求項1乃至請求項3記載のシート搬送装置と、搬送された前記シートに画像を記録する画像記録手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
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