JP3646517B2 - 酸洗性に優れる熱延鋼板の製造方法 - Google Patents

酸洗性に優れる熱延鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面に酸化スケールを有する熱延鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱延鋼板の表面には、熱間圧延時にスケールと呼ばれる酸化被膜が生成する。スケールは冷間圧延やメッキなどの表面処理などの次工程に先立って、連続酸洗ラインにて塩酸や硫酸により除去されるのが一般的である。ところが酸洗には非常に時間がかかるため、ラインの通板速度が制限されてしまう。そこで酸洗速度を上昇させる(スケールの酸洗性を向上させる)ことが生産性向上にとって極めて有効となる。
【0003】
従来、酸洗性を向上させる手段としては、薬剤を塗布するもの(特開昭64−28288 号公報、特開平7−278622号公報)、外気を遮断することにより仕上圧延中のスケール生成を抑制するもの(特開平4−66203 号公報、特開平4−228204号公報)などがあるが、いずれも大がかりな設備を要するものであり、薬剤や不活性ガスを用いた場合の安全性や環境への対処などの問題も多い。
【0004】
また、スキンパスやレベラなどによる機械的外力によりスケール層に亀裂を生じさせ酸液の浸透性を向上させるもの(特開平4−059116号公報)があるが、この手段は工程数を増加させるため生産性を低下させ、また冷間加工を加えるため母地鋼板が加工硬化して加工しにくくなる。
さらにスケールそのものを低減して酸洗速度を向上させる手段として、特開昭61−111701号公報に仕上入側温度をAr3 以下とし仕上出側温度を500 ℃以下とする方法が開示され、また特開昭58−2245号公報に仕上出側温度を800 ℃未満、巻取り温度を650 ℃未満とする方法が開示されているが、これらはAr3 変態点以下で圧延するため、圧延負荷が大きく、また、コイル長手方向、幅方向位置で材質(YSなど)がばらつく欠点がある。
【0005】
また、スケールの組成を制御する、とくに酸洗性の良好なウスタイト(FeO )を多く残留させる技術も提案されているが(例えば特開平8−1229号公報)、これらは前記の雰囲気制御や、あるいは工程的妥当性を超えた急冷を要するため実施が困難であるうえ、このように組成のみを改良しても、とくにAr3 変態点以上で熱間圧延を終了した場合にはスケール厚みを安定して薄く出来ず、酸洗性の改善効果は不十分であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題の解決にあたり、表面にスケール層を有する熱延鋼板の製造において、熱延条件を適切に制御することにより、低温圧延によることなく、かつ経済的に、酸洗性の良好なスケールを実現する方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために熱間圧延時のスケールの変形挙動について鋭意研究を重ねた結果、以下の事実が明らかになった。
熱間圧延後のスケールには、圧延に伴う変形により圧延方向に垂直な亀裂が生じている。スケールの成長速度はスケールが薄い部分で大きいため、このような亀裂にはスケールが生成しやすく、熱間圧延後のスケール生成を促進してしまう。このため、とくに圧延温度が高いと熱延後急速に亀裂が多い部分の周辺でスケール層が増大する。
【0008】
これに対し、表層にスケールを有する鋼板を熱間圧延するに際し潤滑を施すことにより表層のスケール亀裂が著しく減少することを見い出した。さらに、亀裂の減少が圧延後の冷却中のスケール生成を抑制し、鋼板のスケールの低減に大きな効果を発揮することが判明した。
さらに、かかる仕上潤滑圧延とそこから巻取りまで(巻取りを含む)の温度制御との適正な組合せにより、通常の仕上圧延温度域においても従来の熱延鋼板に比較して、スケール厚が8μm以下と格段に薄く、かつウスタイトの比率が80%以上と高いスケールが実現することが明らかとなった。このようにして製造された熱延鋼板は、極めて酸洗性に優れる。
【0009】
本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、熱延鋼板を製造するに当たり、スラブを粗圧延によりシートバーとした後、Ar3 変態点以上の温度域にて、少なくとも 930 ℃以下で圧延するスタンドで潤滑を施しつつ仕上圧延を施し、圧延後1秒以内に50℃/s以上の冷却を開始して650 ℃以下まで当該冷却速度で冷却し、450 ℃超〜550 ℃の温度で巻取ることを特徴とする酸洗性に優れる熱延鋼板の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明では、連続鋳造法または造塊、分塊法により作製されたスラブを粗圧延によりシートバーとした後、仕上圧延を施すに際し、Ar3 変態点以上の温度域で潤滑を施しつつ仕上圧延を行う。
仕上圧延をAr3 変態点以上の温度域で行うのは、仕上圧延をAr3 変態点未満の温度域で行うと、スケールの加工性が低下し潤滑しても亀裂発生を十分防止できず、また、鋼組織がコイル長手・幅方向位置で不均一となり材質がばらつくためである。なお、Ar3 変態点が800 ℃未満の鋼の場合は、同様の理由で仕上圧延を800 ℃以上で行うことが望ましい。
【0011】
また、潤滑を行うのは鋼板表面における圧延による剪断歪を軽減しスケールに亀裂が生じるのを抑制するためである。例えば、表1に示す成分(質量%、残部Fe及び不可避的不純物、以下同じ)の鋼を圧下率50%、圧延温度850 ℃で潤滑を施しつつ圧延(潤滑圧延)し、圧延後直ちに100 ℃/sで200 ℃になるまで冷却したのち放冷した熱延鋼板表面スケールのSEM観察像を図1に示す。同図に示されるように、潤滑圧延により、潤滑を施さずに圧延(無潤滑圧延)した場合に比べスケール亀裂が著しく減少する。潤滑手段については油、油脂等、特にこれを規定しないが、潤滑時の摩擦係数が0.2 未満となることが望ましい。なお、潤滑は仕上全スタンドに対して実施しても構わないが、高温域圧延では亀裂が発生しにくく、また速やかに修復されるので、930 ℃以下で圧延するスタンドのみ潤滑を行う方が経済的である。よって、本発明では、少なくとも 930 ℃以下で圧延するスタンドで潤滑を施すものとする。
【0012】
【表1】
Figure 0003646517
【0013】
続いて、仕上圧延終了直後1秒以内(好ましくは0.5 秒以内)に50℃/s以上の冷却を開始し鋼板表面温度が650 ℃以下になるまで当該冷却を行う。
スケールの生成速度は温度の指数的増加関数であるため、極力急速に冷却して温度を低下させることによりスケール生成を抑制することができる。冷却速度が50℃/sより小さいとその効果が小さい。また650 ℃より高温で冷却を止めた場合もその効果が小さい。なお、冷却速度は高いほど上記効果は大きいが、経済性とのバランス(冷却コスト)からは、100 ℃/sまでとするのが好ましい。
【0014】
そして、450 ℃超〜550 ℃の温度で巻取りを行う。
巻取り温度が550 ℃より高い場合には、巻取り後のコイルが徐冷される間に、スケールの表層及びスケール−地鉄界面よりウスタイトからマグネタイトへの共析変態が起こる。マグネタイトはウスタイトに比較して酸に溶解しにくいため、とくに酸液と接触する表層がマグネタイト化することは酸洗性を低下させ、またスケール−地鉄界面がマグネタイト化することは酸洗後のスケール残りの原因となる。巻取り温度が550 ℃以下の場合には前記共析変態が抑制されるため、スケールがウスタイト主体となる。よって巻取り温度は550 ℃以下とする。一方、450 ℃以下で巻取ろうとすると、450 ℃付近まで比較的大きい冷却速度で降温するため、熱応力によりスケール層にクラックが入りやすく、マグネタイトが生成しやすくなる。
【0015】
【実施例】
表2に示される成分の鋼を溶製し、連続鋳造によりスラブとした後、通常の熱間圧延を施すのに際し、表3に示すよう仕上潤滑圧延条件、冷却速度および巻取温度を変化させた。なお、潤滑はいずれも930 ℃以下の圧延スタンドについてのみ実施した。このようにして得られた熱延鋼板より試料を採取し、X線回折によりスケール層中のウスタイトの比率を求め、さらに圧延方向に平行な板厚断面の光学顕微鏡写真からスケール厚を測定した。また、これらの熱延鋼板に塩酸(10%、50℃)による酸洗を施し酸洗時間を測定した。
【0016】
表3に示すように、本発明を満たす実施例では、本発明を満たさない比較例よりも、スケール厚が8μm以下と薄く、ウスタイト比率が80%以上と高く、酸洗時間が大幅に短縮しており、本発明によれば熱延スケールの酸洗性が格段に向上することが明らかである。
【0017】
【表2】
Figure 0003646517
【0018】
【表3】
Figure 0003646517
【0019】
【発明の効果】
かくして本発明によれば、表面にスケール層を有する熱延鋼板の製造において低温圧延によることなく、かつ経済的に、熱延スケールの酸洗性を向上させることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱延鋼板表層スケールの亀裂発生状況を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。

Claims (1)

  1. 熱延鋼板を製造するに当たり、スラブを粗圧延によりシートバーとした後、Ar3 変態点以上の温度域にて、少なくとも 930 ℃以下で圧延するスタンドで潤滑を施しつつ仕上圧延を施し、圧延後1秒以内に50℃/s以上の冷却を開始して650 ℃以下まで当該冷却速度で冷却し、450 ℃超〜550 ℃の温度で巻取ることを特徴とする酸洗性に優れる熱延鋼板の製造方法。
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