JP2843665B2 - 連続鋳造鋳片の熱間加工割れ防止方法 - Google Patents
連続鋳造鋳片の熱間加工割れ防止方法Info
- Publication number
- JP2843665B2 JP2843665B2 JP2288181A JP28818190A JP2843665B2 JP 2843665 B2 JP2843665 B2 JP 2843665B2 JP 2288181 A JP2288181 A JP 2288181A JP 28818190 A JP28818190 A JP 28818190A JP 2843665 B2 JP2843665 B2 JP 2843665B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- less
- steel
- slab
- casting
- hot
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B21—MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
- B21B—ROLLING OF METAL
- B21B1/00—Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations
- B21B1/46—Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations for rolling metal immediately subsequent to continuous casting
Landscapes
- Metal Rolling (AREA)
- Continuous Casting (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はCu,Sn,Sなどを含む鋼板の製造方法に関し、
詳しくは、鋳造厚が50mm以下となるような連続鋳造鋳片
から直接に熱間圧延工程を簡略化して薄帯鋼板を製造す
る際、熱間加工工程において熱延割れを生じることな
く、鋼板を製造する方法に関するものである。
詳しくは、鋳造厚が50mm以下となるような連続鋳造鋳片
から直接に熱間圧延工程を簡略化して薄帯鋼板を製造す
る際、熱間加工工程において熱延割れを生じることな
く、鋼板を製造する方法に関するものである。
(従来の技術) 近年、連続鋳造機の著しい開発により、鋳片の薄手化
が図られ、従来の熱延工程の省略、簡略化が進みつつあ
る。またこのような薄手化は熱延工程に於けるコスト低
減の観点から注目されている。
が図られ、従来の熱延工程の省略、簡略化が進みつつあ
る。またこのような薄手化は熱延工程に於けるコスト低
減の観点から注目されている。
しかしながら、鋳造ままの組織は一般にオーステナイ
ト組織が粗大で、このため最終的に得られるフェライト
組織も従来熱延材と比較すると粗大化もしくは不均一と
なり、熱延板としての強度−延性バランスが劣ったり、
冷延素材としても後の冷延・焼鈍により形成される(11
1)集合組織の発達が不十分で、深絞り性が劣るなど、
薄鋼板の基本的な機械的性質を満足しない。
ト組織が粗大で、このため最終的に得られるフェライト
組織も従来熱延材と比較すると粗大化もしくは不均一と
なり、熱延板としての強度−延性バランスが劣ったり、
冷延素材としても後の冷延・焼鈍により形成される(11
1)集合組織の発達が不十分で、深絞り性が劣るなど、
薄鋼板の基本的な機械的性質を満足しない。
このため薄肉鋳造プロセスにおいても鋳造後ある程度
の熱間圧延を施し、再結晶によるオーステナイト組織の
細粒化が図られる。またこのような鋳造後の圧延は表面
性状の点からもある程度は必要である。
の熱間圧延を施し、再結晶によるオーステナイト組織の
細粒化が図られる。またこのような鋳造後の圧延は表面
性状の点からもある程度は必要である。
一方、資源の再利用の観点からスクラップの溶鋼に占
める割合が増加するにつれて、スクラップ中に含まれる
Sn,Cuなどのトランプエレメントによる熱間加工割れが
問題となってきている。
める割合が増加するにつれて、スクラップ中に含まれる
Sn,Cuなどのトランプエレメントによる熱間加工割れが
問題となってきている。
また鋼中のSが熱間脆性の原因であることはよく知ら
れているが、製造工程のCC−DR化に伴いこの熱間割れが
助長されるため、鋼中Sを下げる、Mn添加量を上げるな
ど激しい成分の制約条件が付加されている。
れているが、製造工程のCC−DR化に伴いこの熱間割れが
助長されるため、鋼中Sを下げる、Mn添加量を上げるな
ど激しい成分の制約条件が付加されている。
これら上記の元素の特徴は溶鋼の融点を著しく低下さ
せ、最終凝固部に偏析することである。そして熱間加工
時のオーステナイト組織状態においてもオーステナイト
粒界上に液膜状態もしくは析出物として残存し、粒界の
結合力を弱めるため、ここを起点とし粒界割れが生じ、
スラブエッジ部において耳割れや表面でのヘゲと称する
ささくれ状の表面欠陥となる。このため著しく鋼板表面
・端面の美観を損なうばかりか、熱間圧延そのものまた
は後の冷間圧延において圧延不能となる場合すらある。
せ、最終凝固部に偏析することである。そして熱間加工
時のオーステナイト組織状態においてもオーステナイト
粒界上に液膜状態もしくは析出物として残存し、粒界の
結合力を弱めるため、ここを起点とし粒界割れが生じ、
スラブエッジ部において耳割れや表面でのヘゲと称する
ささくれ状の表面欠陥となる。このため著しく鋼板表面
・端面の美観を損なうばかりか、熱間圧延そのものまた
は後の冷間圧延において圧延不能となる場合すらある。
このような特定の元素が含まれることに起因する熱間
割れ防止法として特開昭59−97701号公報、特開昭60−5
2522号公報等に開示されている熱間加工前の熱履歴の制
御や加工温度の限定により割れを回避する方法と、特開
昭62−33001号公報、特開昭62−40902号公報などに開示
されている成分の添加量を数式化して規制するなどの方
策がとられてきた。
割れ防止法として特開昭59−97701号公報、特開昭60−5
2522号公報等に開示されている熱間加工前の熱履歴の制
御や加工温度の限定により割れを回避する方法と、特開
昭62−33001号公報、特開昭62−40902号公報などに開示
されている成分の添加量を数式化して規制するなどの方
策がとられてきた。
しかしこれらはその製造方法が鋳造後の直送圧延、即
ちCC−DR技術のようなものであっても、鋳造そのものは
従来の250mm厚スラブが前提となっており、本発明のよ
うな50mm厚以下になるような薄スラブを前提とする場合
には、製造条件が大きく異なることが予想される。なぜ
ならば前述しとたとおり、本発明の対象とする熱間割れ
の本質は凝固過程における元素の偏析と密接な関係があ
り、鋳造厚の違いは凝固時の凝固速度の変化を通じて、
この偏析挙動に大きな影響を及ぼすことが予想されるか
らである。
ちCC−DR技術のようなものであっても、鋳造そのものは
従来の250mm厚スラブが前提となっており、本発明のよ
うな50mm厚以下になるような薄スラブを前提とする場合
には、製造条件が大きく異なることが予想される。なぜ
ならば前述しとたとおり、本発明の対象とする熱間割れ
の本質は凝固過程における元素の偏析と密接な関係があ
り、鋳造厚の違いは凝固時の凝固速度の変化を通じて、
この偏析挙動に大きな影響を及ぼすことが予想されるか
らである。
(発明が解決しようとする課題) 従来熱間加工時の熱延割れを助長するようなCu,Sn,S
などの元素を含む炭素鋼または特殊鋼を連続鋳造−熱間
圧延により製造する工程に於いて、50mm厚以下の薄スラ
ブもしくは薄鋳帯に連続鋳造する場合の、後の熱間加工
時の熱間割れを防止するための製造方法を確立すること
が本発明の目的である。
などの元素を含む炭素鋼または特殊鋼を連続鋳造−熱間
圧延により製造する工程に於いて、50mm厚以下の薄スラ
ブもしくは薄鋳帯に連続鋳造する場合の、後の熱間加工
時の熱間割れを防止するための製造方法を確立すること
が本発明の目的である。
(課題を解決するための手段) 従来技術で述べた通り、今までの250mm厚程度のスラ
ブからの再加熱熱間圧延及び直接熱間圧延工程に於いて
は、割れ回避の条件として、成分制約の他に加工に至る
までの熱履歴や加工温度の限定などがなされていた。本
発明の対象とする薄スラブもしくは薄鋳帯からのプロセ
スの場合には、これらの条件に加え、凝固現象そのもの
の条件が付加されることが予想される。
ブからの再加熱熱間圧延及び直接熱間圧延工程に於いて
は、割れ回避の条件として、成分制約の他に加工に至る
までの熱履歴や加工温度の限定などがなされていた。本
発明の対象とする薄スラブもしくは薄鋳帯からのプロセ
スの場合には、これらの条件に加え、凝固現象そのもの
の条件が付加されることが予想される。
本発明者らは、上記の実情に鑑み鋭意検討した結果、
鋳造厚の違い、鋳片の引き抜き速度の違いなどの鋳造時
の工程の差による熱間圧延時の割れ程度の差異は、溶鋼
からの凝固速度、即ち凝固時の鋳片の冷却速度により一
時的に整理できること、または熱間加工そのものの条件
は二次的なものであり、凝固現象の適切な制御により鋳
造以降の工程が如何なるものであっても割れが防止でき
ることを見いだした。
鋳造厚の違い、鋳片の引き抜き速度の違いなどの鋳造時
の工程の差による熱間圧延時の割れ程度の差異は、溶鋼
からの凝固速度、即ち凝固時の鋳片の冷却速度により一
時的に整理できること、または熱間加工そのものの条件
は二次的なものであり、凝固現象の適切な制御により鋳
造以降の工程が如何なるものであっても割れが防止でき
ることを見いだした。
第1図及び第2図に本発明に確立に至った実験結果を
示す。
示す。
本実験ではC量を重量%で0.02%、Mnを0.2%、Siを
0.05%含む鋼を基本とし、これにCu,Sn,Sを種々の添加
量で単独、もしくは複号添加した鋼を真空溶解で溶製
し、50mm,20mm,10mm厚の鋳片に鋳造した。鋳造後これら
の鋳片を従来の熱間加工温度の内、最も割れ易い温度域
である1150℃において、各板厚で50%の加工を2パスで
施したときの熱間割れの有無を調査した。
0.05%含む鋼を基本とし、これにCu,Sn,Sを種々の添加
量で単独、もしくは複号添加した鋼を真空溶解で溶製
し、50mm,20mm,10mm厚の鋳片に鋳造した。鋳造後これら
の鋳片を従来の熱間加工温度の内、最も割れ易い温度域
である1150℃において、各板厚で50%の加工を2パスで
施したときの熱間割れの有無を調査した。
第1図にその結果を示す(黒印が割れあり、白印が割
れ無し)。
れ無し)。
第1図の横軸は各鋼に含まれるCu,Sn,Sの重量%の合
計量、縦軸は鋳片の断面の組織観察により二次デントラ
イトアーム間隔から推定した凝固速度、すなわち凝固時
の鋳片の冷却速度にとって実験結果を整理したものであ
る。鋳片厚みにより冷却速度はおよそ限定されている
が、全体として以下に示す(1)式の領域では割れが生
じていないことがわかる。
計量、縦軸は鋳片の断面の組織観察により二次デントラ
イトアーム間隔から推定した凝固速度、すなわち凝固時
の鋳片の冷却速度にとって実験結果を整理したものであ
る。鋳片厚みにより冷却速度はおよそ限定されている
が、全体として以下に示す(1)式の領域では割れが生
じていないことがわかる。
CR(℃/sec)≧〔%Cu+%S+%Sn〕×15……(1) 第2図は鋳片厚みを10mmに限定し、横軸を前述の割れ
回避の指標となる(1)式に従って成分と凝固速度を整
理し、縦軸にその後の加工温度をとって整理したもので
ある(○が割れ無し、×が割れ有り)。
回避の指標となる(1)式に従って成分と凝固速度を整
理し、縦軸にその後の加工温度をとって整理したもので
ある(○が割れ無し、×が割れ有り)。
横軸で正の値の領域、即ち(1)式を満たすような条
件で鋳造された鋼は、加工温度が如何なるものであって
も割れが生じていないことがわかる。一方、横軸で負の
領域、即ち(1)式を満足しない条件では加工温度のあ
るところで割れ易い状態となっており、従来の250mm厚
の鋳片からの熱間割れ防止法において、制約条件とされ
ていた成分や加工温度、再加熱温度などの効果が現れる
領域であることがわかる。
件で鋳造された鋼は、加工温度が如何なるものであって
も割れが生じていないことがわかる。一方、横軸で負の
領域、即ち(1)式を満足しない条件では加工温度のあ
るところで割れ易い状態となっており、従来の250mm厚
の鋳片からの熱間割れ防止法において、制約条件とされ
ていた成分や加工温度、再加熱温度などの効果が現れる
領域であることがわかる。
このような実験結果から(1)式に従うような条件で
鋳造された薄鋳片では、加工条件が如何なるものであろ
うと割れが生じないことが判明した。即ち見方を変えれ
ば従来の割れ回避の様々な制約条件は、鋳片厚みが厚い
ために凝固速度が遅く(1)式が満たされないために付
加されている条件であるとも言える。
鋳造された薄鋳片では、加工条件が如何なるものであろ
うと割れが生じないことが判明した。即ち見方を変えれ
ば従来の割れ回避の様々な制約条件は、鋳片厚みが厚い
ために凝固速度が遅く(1)式が満たされないために付
加されている条件であるとも言える。
本発明の(1)式に従えば割れが回避できる理由につ
いては、現在では不明であるが、定性的には凝固時の冷
却速度が速いほどCuなどの元素の残存液相への分配が起
こりにくくなり、鋳片内で均質化するためだと考えられ
る。
いては、現在では不明であるが、定性的には凝固時の冷
却速度が速いほどCuなどの元素の残存液相への分配が起
こりにくくなり、鋳片内で均質化するためだと考えられ
る。
つまり、本発明は鋼中成分としてCu,Sn,Sを1種もし
くは2種以上含む炭素鋼または低合金鋼を50mm厚以下の
薄スラブもしくは薄鋳帯に連続鋳造し熱間加工を施す工
程において、凝固時の鋳片の冷却速度が上記元素の重量
%で示される下記(1)式を満たす条件で鋳造する連続
鋳造鋳片の熱間加工割れ防止方法である。
くは2種以上含む炭素鋼または低合金鋼を50mm厚以下の
薄スラブもしくは薄鋳帯に連続鋳造し熱間加工を施す工
程において、凝固時の鋳片の冷却速度が上記元素の重量
%で示される下記(1)式を満たす条件で鋳造する連続
鋳造鋳片の熱間加工割れ防止方法である。
CR(℃/sec)≧〔%Cu+%S+%Sn〕×15……(1) 更に本発明は成分として重量%で、Mn:5%以下、Si:3
%以下、P:0.15%以下、Al:0.3%以下、Ca:0.1%以下、
希土類元素:0.1%以下含む鋼を用いることができ、重量
%で、Nb,Ti,V,Ni,Cr,Mo,Bの内1種または2種以上を各
々1.0%以下含有する鋼を用いることができる。
%以下、P:0.15%以下、Al:0.3%以下、Ca:0.1%以下、
希土類元素:0.1%以下含む鋼を用いることができ、重量
%で、Nb,Ti,V,Ni,Cr,Mo,Bの内1種または2種以上を各
々1.0%以下含有する鋼を用いることができる。
以下に本発明の限定理由を説明する。
Cuは析出強化のため数%故意に添加されることがある
が、一般にはSnも含めスクラップなどの冷鉄源から混入
する不可避的不純物である。またSも脱硫工程により一
般には積極的に低減している元素である。しかし本発明
ではこれら元素の添加量は特に限定するものではない。
が、一般にはSnも含めスクラップなどの冷鉄源から混入
する不可避的不純物である。またSも脱硫工程により一
般には積極的に低減している元素である。しかし本発明
ではこれら元素の添加量は特に限定するものではない。
ただし理論的にはそれぞれのFeとの二元係合金状態図
によって示されるフェライトもしくはオーステナイトへ
の最大固溶量以上の添加では、如何なる冷却速度を持っ
てしても均一な組成の鋳片を得ることは困難となるの
で、Cuについて最大9%以下、Snは15%以下、Sは0.15
%以下とすることが好ましい。
によって示されるフェライトもしくはオーステナイトへ
の最大固溶量以上の添加では、如何なる冷却速度を持っ
てしても均一な組成の鋳片を得ることは困難となるの
で、Cuについて最大9%以下、Snは15%以下、Sは0.15
%以下とすることが好ましい。
また一般低合金鋼としてSi:3wt%以下、Mn:5wt%以
下、P:0.15wt%以下の諸成分を含有しても差し支えな
い。
下、P:0.15wt%以下の諸成分を含有しても差し支えな
い。
また綱中のO,S量を低減させるためにAl:0.3%以下、C
a:0.1%以下、希土類元素:0.1%以下が添加されても構
わない。さらにNb,Ti,V,Ni,Cr,Mo,Bの内1種または2種
以上を各々1.0%以下の範囲で必要に応じ添加してもよ
い。
a:0.1%以下、希土類元素:0.1%以下が添加されても構
わない。さらにNb,Ti,V,Ni,Cr,Mo,Bの内1種または2種
以上を各々1.0%以下の範囲で必要に応じ添加してもよ
い。
本発明は上記成分の鋼を(1)式を満たすような冷却
速度で凝固させなければならない。この際連続鋳造の方
法としては、従来の鋳造機の薄手材はもとより、双ベル
ト式、片ベルト式、双ロール式、単ロール式などの方式
のどれでもよく、鋳造厚みが50mm以下となるような比較
的速い凝固速度のもとで(1)式が満たされるようにす
ればよい。(1)式を満たさない場合には前述の理由に
述べたとおり割れを生じる。
速度で凝固させなければならない。この際連続鋳造の方
法としては、従来の鋳造機の薄手材はもとより、双ベル
ト式、片ベルト式、双ロール式、単ロール式などの方式
のどれでもよく、鋳造厚みが50mm以下となるような比較
的速い凝固速度のもとで(1)式が満たされるようにす
ればよい。(1)式を満たさない場合には前述の理由に
述べたとおり割れを生じる。
ところで従来の250mm厚の鋳片においてはその凝固速
度は高々0.5℃/sほどであり、(1)式で逆算して0.03w
t%以上のSなどの添加量になると、本発明条件を満た
さない。すなわち本発明は従来のスラブ厚に対しては、
ほぼ適用不可能であるといえる。
度は高々0.5℃/sほどであり、(1)式で逆算して0.03w
t%以上のSなどの添加量になると、本発明条件を満た
さない。すなわち本発明は従来のスラブ厚に対しては、
ほぼ適用不可能であるといえる。
また、加工時の加工温度については本発明で特に限定
はしないが、フェライト変態が始まり二相組織状態とな
ると、異相界面での析出物などに起因する割れが起こる
ため、Ar3温度以上のオーステナイト域で加工を施すの
が好ましい。
はしないが、フェライト変態が始まり二相組織状態とな
ると、異相界面での析出物などに起因する割れが起こる
ため、Ar3温度以上のオーステナイト域で加工を施すの
が好ましい。
(実 施 例) 以下に実施例を上げて本発明を説明するが、本発明は
これら実施例により何ら限定されるものではない。
これら実施例により何ら限定されるものではない。
第1表に示す化学成分の鋼を転炉出鋼した、鋼中の成
分から計算される(〔%Cu+%S+%Su〕×15)の値も
あわせて表中に示す。
分から計算される(〔%Cu+%S+%Su〕×15)の値も
あわせて表中に示す。
これらを第2表に示すように連続鋳造で各鋳造厚に鋳
造した。ここで鋳造後の鋳片の二次デントライトアーム
間隔の組織観察より推定した凝固時の冷却速度で、これ
らを種々の温度にて2パスで50%の加工を施したとき
の、加工後の鋳片に発生する割れの有無を調査し、その
結果を表中に○:割れ無し、×:割れ有り、としてわあ
せて示した。
造した。ここで鋳造後の鋳片の二次デントライトアーム
間隔の組織観察より推定した凝固時の冷却速度で、これ
らを種々の温度にて2パスで50%の加工を施したとき
の、加工後の鋳片に発生する割れの有無を調査し、その
結果を表中に○:割れ無し、×:割れ有り、としてわあ
せて示した。
本発明法にしたがったものには如何なる加工温度に於
いても熱間割れは生じないが、(1)式を満たさないよ
うな遅い冷却速度や成分の添加量が多い鋼種では一部の
温度域で割れがないものの、ほぼすべてで割れが発生し
ている。また従来スラブ厚に近い鋳造厚の場合も割れが
生じている。
いても熱間割れは生じないが、(1)式を満たさないよ
うな遅い冷却速度や成分の添加量が多い鋼種では一部の
温度域で割れがないものの、ほぼすべてで割れが発生し
ている。また従来スラブ厚に近い鋳造厚の場合も割れが
生じている。
(発明の効果) 本発明は、従来熱間加工時の熱延割れを助長するよう
なCu,Sn,Sなどの元素を含む炭素鋼または低合金鋼を連
続鋳造−熱間圧延により製造する工程に於いて、50mm厚
以下の薄スラブもしくは薄鋳帯に連続鋳造する場合の、
後の熱間加工時の熱間割れを防止する方法を明らかにし
たものである。
なCu,Sn,Sなどの元素を含む炭素鋼または低合金鋼を連
続鋳造−熱間圧延により製造する工程に於いて、50mm厚
以下の薄スラブもしくは薄鋳帯に連続鋳造する場合の、
後の熱間加工時の熱間割れを防止する方法を明らかにし
たものである。
この発明により、今後鉄源としてスクラップの比率が
増え、鋼中のCu,Sn量が増した鋳片に於いても、加工の
際割れが発生することなく、表面及び端面形状の良好な
薄鋼板の製造が可能となる。またCuは近年の耐火鋼板に
おける析出強化元素として故意に微量添加することがあ
るが、本発明はこのような鋼種に対しても適用可能であ
る。
増え、鋼中のCu,Sn量が増した鋳片に於いても、加工の
際割れが発生することなく、表面及び端面形状の良好な
薄鋼板の製造が可能となる。またCuは近年の耐火鋼板に
おける析出強化元素として故意に微量添加することがあ
るが、本発明はこのような鋼種に対しても適用可能であ
る。
なお本発明では鋳造後加工を施さずにそのまま巻き取
る場合でも、巻取り張力により割れを防止することがで
きる。
る場合でも、巻取り張力により割れを防止することがで
きる。
第1図はCu,Sn,Sの合計添加量と凝固時の冷却速度によ
り整理された割れ回避領域の図表、第2図は本発明法の
割れ回避条件に対する加工温度の影響を示す図表であ
る。
り整理された割れ回避領域の図表、第2図は本発明法の
割れ回避条件に対する加工温度の影響を示す図表であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B22D 11/06 340 B22D 11/06 340A 340C (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 11/06 330 B22D 11/06 340 B21B 1/22 B21B 1/46
Claims (3)
- 【請求項1】鋼中成分としてCu,Sn,Sを1種もしくは2
種以上含む炭素鋼または低合金鋼を50mm厚以下の薄スラ
グもしくは薄鋳帯に連続鋳造し熱間加工を施す工程にお
いて、凝固時の鋳片の冷却速度が上記元素の重量%で示
される下記(1)式を満たす条件で鋳造することを特徴
とする連続鋳造鋳片の熱間加工割れ防止方法。 CR(℃/sec)≧〔%Cu+%S+%Sn〕×15 ……(1) - 【請求項2】重量%で、Mn:5%以下、Si:3%以下、P:0.
15%以下、Al:0.3%以下、Ca:0.1%以下、希土類元素:
0.1%以下含む鋼を用いる特許請求の範囲第1項記載の
連続鋳造鋳片の熱間加工割れ防止方法。 - 【請求項3】重量%で、Nb,Ti,V,Ni,Cr,Mo,Bの内1種ま
たは2種以上を各々1.0%以下含有する鋼を用いる特許
請求の範囲第2項記載の連続鋳造鋳片の熱間加工割れ防
止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2288181A JP2843665B2 (ja) | 1990-10-25 | 1990-10-25 | 連続鋳造鋳片の熱間加工割れ防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2288181A JP2843665B2 (ja) | 1990-10-25 | 1990-10-25 | 連続鋳造鋳片の熱間加工割れ防止方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04162943A JPH04162943A (ja) | 1992-06-08 |
JP2843665B2 true JP2843665B2 (ja) | 1999-01-06 |
Family
ID=17726861
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2288181A Expired - Lifetime JP2843665B2 (ja) | 1990-10-25 | 1990-10-25 | 連続鋳造鋳片の熱間加工割れ防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2843665B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102485362A (zh) * | 2010-12-02 | 2012-06-06 | 西门子Vai金属科技有限责任公司 | 用于生产高强度低合金钢的方法 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR950701395A (ko) * | 1993-02-26 | 1995-03-23 | 미노루 다나까 | 구리 및 주석을 다량 함유하는 보통 탄소강 박주편 및 박강판과 그의 제조방법(thin cast piece of ordinary carbon steel containing large quantities of copper and tin, thin steel sheet, and method of production thereof) |
JP6331881B2 (ja) * | 2014-08-27 | 2018-05-30 | 新日鐵住金株式会社 | Cu−Sn共存鋼材およびその製造方法 |
WO2019207636A1 (ja) * | 2018-04-24 | 2019-10-31 | 株式会社Sbb66 | 高張力鋼からなる鋼板の製造方法 |
CN109865806A (zh) * | 2018-06-08 | 2019-06-11 | 江苏沙钢集团有限公司 | 一种薄带连铸345MPa级耐候钢及其生产方法 |
-
1990
- 1990-10-25 JP JP2288181A patent/JP2843665B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102485362A (zh) * | 2010-12-02 | 2012-06-06 | 西门子Vai金属科技有限责任公司 | 用于生产高强度低合金钢的方法 |
CN102485362B (zh) * | 2010-12-02 | 2015-06-03 | 西门子Vai金属科技有限责任公司 | 用于生产高强度低合金钢的方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04162943A (ja) | 1992-06-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US3963531A (en) | Cold rolled, ductile, high strength steel strip and sheet and method therefor | |
EP1846584B2 (en) | Austenitic steel having high strength and formability method of producing said steel and use thereof | |
US5647922A (en) | Process for manufacturing high manganese hot rolled steel sheet without any crack | |
US6106638A (en) | Process for manufacturing thin strip of ferritic stainless steel, and thin strip thus obtained | |
CN111014603B (zh) | 加硼钢的双辊铸轧生产方法 | |
JP2536685B2 (ja) | Agメッキ性に優れたリ―ドフレ―ム素材用Fe―Ni合金およびその製造方法 | |
KR20040069357A (ko) | 높은 구리함량을 갖는 탄소강으로 제조된 철강 제품제조방법 및 그 제조방법에 따라 제조된 철강제품 | |
JP2843665B2 (ja) | 連続鋳造鋳片の熱間加工割れ防止方法 | |
JP3008825B2 (ja) | 鋳片表面割れ抑制方法 | |
JPH0565263B2 (ja) | ||
JP2000087185A (ja) | 表面性状およびスケール密着性に優れた熱延鋼板及びその製造方法 | |
JP2863541B2 (ja) | 薄肉鋳造法を用いたCr系ステンレス鋼薄板の製造方法 | |
JPH0365001B2 (ja) | ||
JPS6320412A (ja) | 含Mo,Nオ−ステナイト系ステンレス鋼の熱間加工法 | |
JP3091795B2 (ja) | 引抜き加工性に優れた棒鋼の製造方法 | |
JP2838468B2 (ja) | 熱間圧延での割れを防止するCr−Ni系ステンレス合金の製造方法 | |
USRE31221E (en) | Cold rolled, ductile, high strength steel strip and sheet and method therefor | |
JP3091794B2 (ja) | 押出し加工性及び鍛造性に優れた自動車用軸部品の製造方法 | |
JPH0776751A (ja) | 高靱性高強度鋼用鋳片及びその鋳片による圧延形鋼の製造方法 | |
JP3079756B2 (ja) | S快削オーステナイトステンレス鋼の製造方法 | |
JP2681393B2 (ja) | 表面性状が良好で延性に優れたオーステナイト系ステンレス薄鋼帯の製造方法 | |
JPH09125212A (ja) | 加工性に優れた高珪素鋼及びその製造方法 | |
USRE31306E (en) | Cold rolled, ductile, high strength steel strip and sheet and method therefor | |
JP3358137B2 (ja) | Cu,Sn含有薄スラブ鋳片およびCu,Sn含有鋼板の製造方法 | |
JP2944476B2 (ja) | 鋳片の表面割れを防止した連続鍛圧法 |