JP2944476B2 - 鋳片の表面割れを防止した連続鍛圧法 - Google Patents

鋳片の表面割れを防止した連続鍛圧法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続鋳造における
鋳片の連続鍛圧法に関し、とくに、鍛圧加工を施した鋳
片に発生を余儀なくされた鍛圧部の表面割れを防止しよ
うとするものである。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造で得られる鋳片には、いわ
ゆる中心偏析が生成している。この中心偏析の軽微化な
いしは無害化のために、特開昭63−183765号公
報、特開昭61−222663号公報、特開平1−27
3657号公報、特開平2−70363号公報など、多
くの提案がなされているが、連続鋳造時に鋳片の最終凝
固域を、一対の鍛圧用金型にて連続的に圧下するのが、
極めて有効である。鍛圧用金型による鋳片の鍛圧加工
は、特公昭59−16862号公報に示されるロールに
よる鋳片の圧下に比較し、凝固界面における内部割れな
どを起こす危険はなく、中心偏析を有利に改善できる。
しかし、鍛圧加工が施された鋳片の表面には、鍛圧用金
型による段付の圧痕が生じ、のちの圧延過程でこれに起
因した線状の表面きずの発生が避けられず、製品に悪影
響をおよぼすことがあった。このため、特開平2−20
036号公報には、鍛圧加工の圧痕に由来した表面きず
の発生をなくすため、最適な鍛圧用金型の形状が提案さ
れている。また、特開平2−15857号公報にも、同
様な提案がある。
【0003】しかしながら、鍛圧加工を施した鋳片に
は、上記した圧痕以外にも、のちの圧延工程で表面きず
の起因となる表面割れが発生するという問題点が残され
ていた。連続鋳造用鋳型から引き抜いた鋳片を一対の鍛
圧用金型を有する鍛圧機で連続的に鍛圧加工を施す際
に、鍛圧される鋳片の2面には、表面に大きな引張応力
が発生している。この引張応力は圧下量に大きく依存
し、また、鋼種によっては、この引張応力により、鍛圧
部に割れが発生することもあり、問題となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、連続鋳造に
おける鋳片の連続鍛圧法において、鍛圧時の鋳片表面割
れを防止した、連続鍛圧法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、連続鋳造用鋳
型から引き抜いた鋳片を少なくとも一対の鍛圧金型を有
する鍛圧機で連続的に鍛圧加工を施す連続鍛圧法におい
て、鍛圧前の鋳片温度を測定し、該測定値をもとに、鋳
片の二次冷却条件を制御することにより、あるいはさら
に鍛圧圧下量δを制御することにより、該鍛圧時の表面
温度Tと鍛圧圧下量δが、下記(1)式、または(2)
式の関係を満足するように調整して、連続鍛圧加工を行
うことを特徴とする鍛圧時の鋳片表面割れを防止した連
続鍛圧法であり、(1)式は、T1 −aδ≧T、(2)
式は、T≧T2 +bδであり、ここに、T:鋳片の表面
温度(℃)、T1 :脆化域の下限温度(℃)、T2 :脆
化域の上限温度(℃)、(ただし、T2 >T1 )、δ:
鍛圧圧下量(mm)、a:定数、b:定数である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明者らが行った、本発明の基
礎となった実験を説明する。本発明者らは、連続鍛圧し
た鋳片表面の割れに及ぼす要因について検討した。鍛圧
用金型9(平坦部と逃げ面のなす角度:180−θ)に
より鋳片2を1回鍛圧(圧下量δ)した際には、図2に
示すような、形状の圧痕(深さ:δ/2)が形成され、
鋳片側のの位置に高い応力が発生する。の鋳片表面
に発生する応力σと鍛圧圧下量δとの関係を調べ、その
結果を図3に示す。図3から圧下量が増加するにつれて
応力も増加する傾向にあることがわかる。しかし、鍛圧
用金型の平坦部と逃げ面とのなす角度(θ値で代表す
る)によっては、鋳片に発生する応力の変化は小さい。
【0007】次に、高合金鋼連続鋳造鋳片について、一
対のθ=40°の鍛圧用金型を用いて、最終凝固域に、
圧下量をかえて鍛圧加工を施し、鍛圧時の表面割れを調
べた。その際、鍛圧時の表面温度も調べた。表面割れの
有無について、鋳片表面温度と鍛圧圧下量との関係で整
理して、図4に示す。図4から、表面割れは、直線Aの
上側では発生はなく、直線Aの下側では表面割れは発生
する、すなわち、表面割れの発生の限界となる鋳片表面
温度と鍛圧圧下量の関係が存在する、という知見を得
た。実験した鋼種(高合金鋼)では、直線Aは、T=
1.25δ+650.0、(T:鋳片表面温度(℃)、
δ:鍛圧圧下量)で表される。
【0008】このため、このような直線Aの上側となる
ように、鋳片の表面温度を制御するか、あるいはさらに
鍛圧圧下量を制御すれば、表面割れの発生はみられな
い。本発明者らは、鋳片が鋳型から引き抜かれたのち、
二次冷却水量等の二次冷却条件を制御して鋳片表面温度
を調整し、鍛圧時に、鋳片表面温度と、鍛圧圧下量の関
係が表面割れ発生領域外になるようにすればよいことに
思い至り、本発明を構成した。
【0009】本発明の実施状況を説明する概略図を図1
に示す。鋳型1から引き抜かれた鋳片2は、表面を冷却
スプレー3により冷却されながら、ピンチローラ4で保
持されて、少なくとも一対の鍛圧用金型9を有する鍛圧
機8で所定の圧下を加えられ、中心偏析を軽減または無
害化する。本発明では、鍛圧機8前で、放射温度計など
の温度測定器7で鋳片の表面温度を測定する。(なお、
温度測定器7は、放射温度計が望ましいが、それに限定
されるものではない。)その測定値に基づきバルブ開度
調整装置等の冷却制御装置6により、二次冷却水量を調
整するバルブ5の開度を、または、冷却水の圧力を制御
したりして、冷却スプレー3により鋳片2を冷却する。
これにより、鍛圧時の鋳片の表面温度を制御する。ある
いはさらに鍛圧圧下量を考慮し、鋳片の表面温度と鍛圧
圧下量との関係が、表面割れの発生しない範囲となるよ
うして鍛圧する。
【0010】鍛圧時に鍛圧部表面に表面割れを発生させ
ないためには、鍛圧時の鋳片の表面温度Tと、圧下量δ
とが、T1 −aδ≧T……(1)あるいは、T≧T2
bδ……(2)の関係を満足しなければならない。ここ
に、T:鋳片の表面温度(℃)、T1 :脆化域の下限温
度(℃)、T2 :脆化域の上限温度(℃)、(ただし、
2 >T1 )、δ:鍛圧圧下量(mm)、a、b:定数で
ある。なお、T1 、T 2 は、鋳片の鋼種により決定され
る値である。その決め方は、溶融状態から凝固させたの
ち各試験温度に保持した丸棒(8mm径)を、引張試験機
で引張荷重をかけ、破断させて、絞り値を求める。試験
温度により絞り値は変化して、絞り値の極端に減少する
温度領域、すなわち、脆化領域が存在する。この領域で
は、殆ど塑性変形なしで破壊が発生する。本発明では、
表面割れは、このような変形能の低い温度領域での加工
によるという考えから、ひとつの指標として、絞り値が
50%以下となる脆化領域の上限、下限の温度をとり、
それぞれT2 、T1 とする(図5参照)。また、この脆
化領域は鍛圧圧下量が増加するにしたがいひろがる。ま
た、a、bは鋼種により、決定される定数で、a=0.
1〜0.5が、b=0.4〜1.3が好ましい。上記
(1)あるいは(2)式を満足しない鋳片表面温度、鍛
圧圧下量で鍛圧を行うと、鍛圧時に表面割れが発生す
る。一方、上記(1)あるいは(2)式を満足する鋳片
表面温度、鍛圧圧下量で鍛圧を行うと、鍛圧時に表面割
れの発生は見られない。
【0011】上記(1)あるいは(2)式は、具体的に
は、たとえば、普通鋼および合金元素の合計が2%以下
の低合金鋼では、T1 =550℃、T2 =650℃、a
=5/12、b=2/3で、550−5/12δ≧T、
およびT≧650+2/3δとなる。高合金鋼では、a
=1/2、b=1.25となる。これらの式を満足する
ように、鍛圧時に鋳片の表面温度と鍛圧圧下量を制御、
選択すれば、鍛圧時の表面割れは発生しない。
【0012】
【実施例】
(実施例1)C:0.2wt%、Si:0.4wt%、
Mn:0.2wt%、Cr:2.5wt%を含有し、残
部Feおよび不可避的不純物からなる鋼管用素材の溶鋼
を連続鋳造鋳型(サイズ:400×560mm)に注入
し、鋳造速度0.45m/minで引き抜き、ついで引
き抜いたのち二次冷却水で冷却し、最終凝固位置で一対
の鍛圧用金型を有する鍛圧機で鍛圧加工を施し所定の寸
法の鋳片とした。本発明の適用例および比較例は、鍛圧
機前で鋳片表面温度を測定し、その測定値から、鋳型直
下からピンチロール出側までの冷却ゾーンの二次冷却水
量を制御し、また、圧下量δは50〜80mmに制御
し、連続鍛圧を行った。
【0013】鍛圧時の表面温度T、鍛圧圧下量δが、5
50−1/2δ≧T、あるいはT≧650+1.25δ
のどちらかを満足するものは適用例、外れるものは比較
例である。その結果の一部を表1に示す。適用例はいず
れも、鋳片の表面割れは0であった。
【0014】
【表1】
【0015】(実施例2)C:0.35wt%、Si:
0.20wt%、Mn:0.75wt%、Cr:0.1
5wt%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物から
なる鋼管用素材の溶鋼を連続鋳造鋳型(サイズ:400
×560mm)に注入し、鋳造速度0.48m/min
で引き抜き、ついで引き抜いたのち二次冷却水で冷却
し、最終凝固位置で一対の鍛圧用金型を有する鍛圧機で
鍛圧加工(圧下量60mm)を施したのち所定の寸法の
鋳片とした。鍛圧時の表面温度T、鍛圧圧下量δが55
0−5/12δ≧T、あるいはT≧650+2/3δの
どちらかを満足するものは適用例、外れるものは比較例
である。その結果を表2に示す。適用例はいずれも、鋳
片の表面割れは0であった。
【0016】
【表2】
【0017】従来例として、とくに表面温度、鍛圧圧下
量を制御せずに、鍛圧した(圧下量は上記例と同様50
〜80mm)ものは、75例中9例に表面割れが発生し
た。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、表面割れのない連続鍛
圧鋳片が安定して提供でき、次工程である圧延工程の安
定化および製品歩留りのより一層の向上を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の連続鋳造機における実施状況を説明す
る概略図である。
【図2】鍛圧用金型で鋳片を圧下したときの状況を模式
的に示す断面図である。
【図3】鍛圧時の圧下量と鋳片表面に発生する応力の関
係を示す図である。
【図4】鍛圧時の表面割れの発生におよぼす圧下量と鋳
片表面温度の関係を示す図である。
【図5】鋼材の脆化領域温度T1 、T2 を決定するため
の絞り値と温度との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 鋳型 2 鋳片 3 冷却スプレー 4 ピンチローラ 5 バルブ 6 冷却制御装置 7 温度測定器 8 鍛圧機 9 鍛圧用金型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−339761(JP,A) 特開 平7−9102(JP,A) 特開 昭50−55529(JP,A) 特開 平5−309466(JP,A) 特開 平3−275259(JP,A) 特開 平5−269561(JP,A) 特開 平6−297125(JP,A) 特開 昭56−102358(JP,A) 特開 昭62−158555(JP,A) 特開 昭58−13454(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 11/128 350 B22D 11/124 B22D 11/16 104 B22D 11/20 B22D 11/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続鋳造用鋳型から引き抜いた鋳片を少
    なくとも一対の鍛圧金型を有する鍛圧機で連続的に鍛圧
    加工を施す連続鍛圧法において、鍛圧前の鋳片温度を測
    定し、該測定値をもとに、鋳片の二次冷却条件を制御す
    ることにより、あるいはさらに鍛圧圧下量δを制御する
    ことにより、該鍛圧時の表面温度Tと鍛圧圧下量δが、
    下記(1)式、または(2)式の関係を満足するように
    調整して、連続鍛圧加工を行うことを特徴とする鍛圧時
    の鋳片表面割れを防止した連続鍛圧法。 記 T1 −aδ≧T ……………(1) T≧T2 +bδ ……………(2) ここに、T :鋳片の表面温度(℃) T1 :脆化域の下限温度(℃) T2 :脆化域の上限温度(℃)、(ただしT2 >T1 ) δ :鍛圧圧下量(mm) a :定数 b :定数
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