JPH11254115A - 連続鋳造・分塊圧延における鋳片・鋼片の表面品質オンライン判定方法および判定装置 - Google Patents

連続鋳造・分塊圧延における鋳片・鋼片の表面品質オンライン判定方法および判定装置

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JPH11254115A
JPH11254115A JP10057067A JP5706798A JPH11254115A JP H11254115 A JPH11254115 A JP H11254115A JP 10057067 A JP10057067 A JP 10057067A JP 5706798 A JP5706798 A JP 5706798A JP H11254115 A JPH11254115 A JP H11254115A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 鋼片に対するスカーフィング量を必要最小限
として歩留り損失を大幅に低減したうえで鋼片の表面品
質のより一層の向上をはかる。 【解決手段】 タンディッシュ3内の溶鋼2を鋳型4内
に流下し、鋳型4の下部より鋳片5を引抜いてわん曲形
状にすると共にピンチロール6により矯正して水平向き
の状態としたあと切断し、切断鋳片5(B)を水冷水槽
11内の冷却水12中に浸漬して鋳片表層部の組織を微
細化する連続鋳造工程において水冷後の鋳片5(B)の
段階で分塊圧延後の鋼片15の表面品質をオンラインで
事前にあらかじめ判定するに際し、ピンチロールによる
矯正前の鋳片温度と、測定した水冷前の水槽水温と、水
冷前の鋳片温度を連続的に記録し、トラッキング整理し
て鋳片単位での各熱履歴から水冷後の鋳片5(B)の段
階で分塊圧延後の鋼片15の表面品質を表面品質オンラ
イン判定手段28により事前にあらかじめ判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続鋳造・分塊圧
延における鋳片・鋼片の表面品質オンライン判定方法お
よび判定装置に係わり、さらに詳しくは、連続鋳造によ
って鋳片を得たのち切断鋳片を分塊圧延することによっ
て鋼片を得る製造工程において分塊圧延後の鋼片の表面
品質を鋳片の段階でしかもオンラインで事前にあらかじ
め判定し、判定の結果予想される分塊圧延後の鋼片の表
面品質に応じて鋼片に対する所要のスカーフィング量を
あらかじめ増減(ないしは省略)管理してスカーフィン
グによる歩留り損失を最小化したうえで鋼片の表面品質
のより一層の向上を実現できるようにした連続鋳造・分
塊圧延における鋳片・鋼片の表面品質オンライン判定方
法および判定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、連続鋳造によって鋳片を得たのち
切断鋳片を分塊圧延することによって鋼片を得る製造工
程においては、分塊圧延後の鋼片の表面品質をより一層
良好なものとするために、すべての鋼片に対してほぼ同
量程度(例えば、1〜3mm程度)のスカーフィングを
実施していた(例えば、第3版 「鉄鋼便覧」III
(1) 圧延基礎・鋼板 第171頁〜第197頁
“5.5 精整”第197頁〜第215頁“5.6 操
業管理”昭和55年5月15日発行)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、分塊圧
延後の鋼片によっては、スカーフィングを実施しなくと
もないしはスカーフィング量を極く少量としてもその表
面品質が良好であるものも存在することから、このよう
なスカーフィングを実施しなくともないしはスカーフィ
ング量を極く少量としても分塊圧延後の鋼片の表面品質
が良好なものにできる鋼片に対しても通常通りのスカー
フィングを実施することは歩留り損失を著しく大きなも
のにするという課題があった。
【0004】また、仮に、通常のスカーフィング程度で
は表面品質を良好なものとすることができない鋳片がも
しあるとした場合には、スカーフィング後であっても表
面品質が良くない鋼片が後工程に流れてしまうこともな
いとはいえないという課題があった。
【0005】
【発明の目的】本発明は、このような従来の課題にかん
がみてなされたものであって、スカーフィングを実施し
なくともないしはスカーフィング量を極く少量としても
分塊圧延後の鋼片の表面品質が良好なものとなる鋼片の
存在を連続鋳造完了の段階からあらかじめ事前に検知す
ることができ、このような品質良好な鋼片に対するフカ
ーフィング量を従来に比べて低減ないしは不要として歩
留り損失を最小化し、鋼片の表面品質があまり良くなく
なるものと予想される鋼片に対してだけ必要最少量のス
カーフィングを実施するようにして、スカーフィングに
よる歩留り損失を最小限にしたうえで鋼片の表面品質の
より一層の向上を図ることができるようにすることを目
的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる連続鋳造
・分塊圧延における鋳片・鋼片の表面品質オンライン判
定方法は、請求項1に記載しているように、タンディッ
シュ内の溶鋼を鋳型内に流下し、鋳型の下部より鋳片を
引抜いてわん曲形状にすると共にわん曲形状の鋳片をピ
ンチロールにより矯正して横向状態としたあと切断し、
切断鋳片を水冷水槽内に浸漬して水冷することにより鋳
片表層部の組織を微細化する連続鋳造工程において水冷
後の鋳片の段階で分塊圧延後の鋼片の表面品質をオンラ
インで事前判定するに際し、ピンチロールによる矯正前
の鋳片温度と、水冷前の水槽水温と、水冷前の鋳片温度
を連続的に記録し、トラッキング整理して鋳片単位での
各熱履歴から水冷後の鋳片の段階で分塊圧延後の鋼片の
表面品質をオンラインで事前判定するようにしたことを
特徴としている。
【0007】そして、本発明に係わる連続鋳造・分塊圧
延における鋳片・鋼片の表面品質オンライン判定方法の
実施態様においては、請求項2に記載しているように、
鋳型内での初期凝固・鋳造条件をも連続的に記録するよ
うにしたことを特徴としている。
【0008】同じく、本発明に係わる連続鋳造・分塊圧
延における鋳片・鋼片の表面品質オンライン判定方法の
実施態様においては、請求項3に記載しているように、
鋳型内での初期凝固・鋳造条件をも連続的に記録するに
際しては、過熱温度と湯面変動と引抜速度をも連続的に
記録するようにしたことを特徴としている。
【0009】同じく、本発明に係わる連続鋳造・分塊圧
延における鋳片・鋼片の表面品質オンライン判定方法の
実施態様においては、請求項4に記載しているように、
鋳型内での初期凝固・鋳造条件をも連続的に記録するに
際しては、抜熱変動によりデプレッションないしは縦割
れの有無をも連続的に記録するようにしたことを特徴と
している。
【0010】同じく、本発明に係わる連続鋳造・分塊圧
延における鋳片・鋼片の表面品質オンライン判定方法の
実施態様においては、請求項5に記載しているように、
ピンチロールによる矯正前の鋳片温度は、鋳片に割れが
発生するおそれのない適正温度領域Aと、鋳片にA
変態点挙動による割れが発生するおそれのある変態点挙
動温度領域Aと、鋳片に延性不足による割れが発生す
るおそれのある延性不足温度領域Aとに区分して連続
的に記録するようにしたことを特徴としている。
【0011】同じく、本発明に係わる連続鋳造・分塊圧
延における鋳片・鋼片の表面品質オンライン判定方法の
実施態様においては、請求項6に記載しているように、
水冷前の水槽水温は、鋳片の水冷に際し冷却能力不足と
なるおそれのない適正温度領域A,A,Aと、鋳
片の水冷に際し冷却能力不足となるおそれのある上昇温
度領域A,A,A,A10とに区分して連続的に
記録するようにしたことを特徴としている。
【0012】同じく、本発明に係わる連続鋳造・分塊圧
延における鋳片・鋼片の表面品質オンライン判定方法の
実施態様においては、請求項7に記載しているように、
水冷前の鋳片温度は、水冷時に鋳片の面部およびコーナ
ー部ともに割れが発生するおそれのない適正温度領域A
と、水冷時に鋳片の面部に割れが発生するおそれはな
いもののコーナー部に割れが発生するおそれのあるやや
危険温度領域Aと、水冷時に鋳片の面部およびコーナ
ー部ともに割れが発生するおそれのある危険温度領域A
とに区分して連続的に記録するようにしたことを特徴
としている。
【0013】同じく、本発明に係わる連続鋳造・分塊圧
延における鋳片・鋼片の表面品質オンライン判定方法の
実施態様においては、請求項8に記載しているように、
まず、ピンチロールによる矯正前の鋳片温度が適正温度
領域Aにあるか否かを判定し、次に、水冷前の水槽水
温が鋳片の水冷に際し冷却不足のおそれのない適正温度
領域A,A,Aにあるか否かを判定し、次いで、
水冷前の鋳片温度が水冷時に鋳片の面部およびコーナー
部ともに割れが発生するおそれのない適正温度領域A
にあるか否かを判定し、これらの順次判定をトラッキン
グ整理して鋳片単位での上記熱履歴から水冷後の鋳片段
階で分塊圧延後の鋼片の表面品質をオンラインで事前判
定するようにしたことを特徴としている。
【0014】同じく、本発明に係わる連続鋳造・分塊圧
延における鋳片・鋼片の表面品質オンライン判定方法の
実施態様においては、請求項9に記載しているように、
ピンチロールによる矯正前の鋳片温度と水冷前の水槽水
温と水冷前の鋳片温度におけるそれぞれの適正温度を鋼
種毎に設定するようにしたことを特徴としている。
【0015】本発明に係わる連続鋳造・分塊圧延におけ
る鋳片・鋼片の表面品質オンライン判定装置は、請求項
10に記載しているように、タンディッシュ内の溶鋼を
鋳型内に流下し、鋳型の下部より鋳片を引抜いてわん曲
形状にすると共にわん曲形状の鋳片をピンチロールによ
り矯正して横向状態としたあと切断し、切断鋳片を水冷
水槽内に浸漬して水冷することにより鋳片表層部の組織
を微細化する連続鋳造工程において水冷後の鋳片の段階
で分塊圧延後の鋼片の表面品質をオンラインで事前判定
する装置であって、ピンチロールによる矯正前の鋳片温
度を測定するピンチロール矯正前鋳片温度センサーと、
水冷前の水槽水温を測定する水槽水温センサーと、水冷
前の鋳片温度を測定する水冷前鋳片温度センサーと、前
記各センサーによる測温結果を連続的に記録すると共に
トラッキング整理して鋳片単位での各熱履歴から水冷後
の鋳片の段階で分塊圧延後の鋼片の表面品質をオンライ
ンで事前判定する表面品質オンライン判定手段を備えた
ことを特徴としている。
【0016】そして、本発明に係わる連続鋳造・分塊圧
延における鋳片・鋼片の表面品質オンライン判定装置の
実施態様においては、請求項11に記載しているよう
に、鋳型壁面での抜熱変動を測定する鋳型壁面温度セン
サーを備え、表面品質オンライン判定手段は前記鋳型壁
面温度センサーによる測温結果を連続的に記録すると共
にトラッキング整理して鋳片単位での各熱履歴から水冷
後の鋳片の段階で分塊圧延後の鋼片の表面品質をオンラ
インで事前判定するものとしたことを特徴としている。
【0017】同じく、本発明に係わる連続鋳造・分塊圧
延における鋳片・鋼片の表面品質オンライン判定装置の
実施態様においては、請求項12に記載しているよう
に、表面品質オンライン判定手段は、ピンチロールによ
る矯正前の鋳片温度と水冷前の水槽水温と水冷前の鋳片
温度におけるそれぞれの適正温度領域を鋼種毎に定めた
判定テーブルを備えているものとしたことを特徴として
いる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係わる連続鋳造
・分塊圧延における鋳片・鋼片の表面品質オンライン判
定方法の実施に使用するオンライン判定装置の一実施形
態を示すものであって、この図1は、取鍋1内の溶鋼2
をタンディッシュ3に受け、このタンディッシュ3内の
溶鋼2を鋳型4内に流下し、鋳型4の下部より鋳片5を
引抜いて図示しないサポートロールを通過しながらわん
曲形状にすると共にわん曲形状の鋳片5をピンチロール
6により矯正して横向きの水平状態としたあとフレーム
カッター8により切断し、ここで得た切断鋳片5(B)
を水冷水槽11内の冷却水12中にに浸漬して水冷する
ことにより鋳片表層部の組織を微細化する連続鋳造工程
を示している。
【0019】そして、この水冷後の切断鋳片5(B)
は、加熱炉13内に装入されて所定の分塊圧延温度にま
で加熱され、次いで、分解圧延機のロール14で分塊圧
延されることによって鋼片15となる。
【0020】このような連続鋳造工程において、水冷後
の鋳片5(B)の段階で分塊圧延後の鋼片15の表面品
質をオンラインで事前判定するための装置20は、ピン
チロール6による矯正前の鋳片温度(例えば、鋳片コー
ナー部温度)を測定するピンチロール矯正前鋳片温度セ
ンサー21と、水冷前の水槽水温(冷却水12の水温)
を測定する水槽水温センサー22と、水冷前の鋳片温度
を測定する水冷前鋳片温度センサー23と、鋳型4の内
壁面での抜熱変動を測定する鋳型壁面温度センサー24
と、湯面変動などを測定する湯面センサー25等をそな
えている。
【0021】さらに、前記各センサー21,22,2
3,24,25等による測温結果やロール回転速度から
算出される引抜速度(鋳造速度:Vc)等のデータは信
号変換器26を経てデプレッション警報手段27に入力
されると共に、前記各センサー21,22,23,2
4,25による測温結果を連続的に記録しかつまたこれ
らのデータをトラッキング(tracking)整理し
て鋳片単位での各熱履歴から水冷後の鋳片5(B)の段
階で分塊圧延後の鋼片15の表面品質をオンラインで事
前判定する表面品質オンライン判定手段28を備えてい
る。
【0022】なお、鋳型壁面温度センサー24を用いた
デプレッションの検出は、デプレッションの発生により
デプレッション発生部分と鋳型4の壁面部分との間でエ
ヤーギャップが形成された場合に鋳型温度が急激に低下
することを利用したもので、鋳型4の上下に温度センサ
ー24として上部熱電対24Uおよび下部熱電対24D
を設けておくことによって、図2に示すように、正常な
部分Nmに対して、デプレッション発生部分Dpでは鋳
型温度の急激な下降位置が上部熱電対24Uと下部熱電
対24Dとで若干ずれることを検出してデプレッション
の有無を判定する。
【0023】そこで、このような連続鋳造工程において
水冷後の鋳片5(B)の段階で分塊圧延後の鋼片15の
表面品質をオンラインで事前にあらかじめ判定するに際
しては、ピンチロール矯正前鋳片温度センサー21によ
ってピンチロールによる矯正前の鋳片温度を測定し、水
槽水温センサー22によって水冷前の水槽水温を測定
し、水冷前鋳片温度センサー23によって水冷前の鋳片
温度を測定してそれぞれ連続的に記録し、トラッキング
整理して鋳片単位での各熱履歴から水冷後の鋳片5
(B)の段階で分塊圧延後の鋼片15の表面品質を表面
品質オンライン判定手段28によりオンラインで事前判
定する。
【0024】この場合、鋳型4内での初期凝固・鋳造条
件をも連続的に記録するようになすことができ、例え
ば、鋳型4内での初期凝固・鋳造条件をも連続的に記録
するに際しては、溶鋼2の過熱温度(SH)と湯面セン
サー25による湯面変動とピンチロール6の回転数で計
算される引抜速度(Vc)をも連続的に記録するように
なすことができ、また、鋳型4の壁面での抜熱変動によ
りデプレッションの有無をも連続的に記録するようにな
すことができる。
【0025】そして、表1に示すように、ピンチロール
による矯正前の鋳片温度は、鋳片に割れが発生するおそ
れのない適正温度領域Aと、鋳片にA変態点挙動に
よる割れが発生するおそれのある変態点挙動温度領域A
と、鋳片に延性不足による割れが発生するおそれのあ
る延性不足温度領域Aとに区分して連続的に記録す
る。
【0026】また、水冷前の水槽水温は、表1および表
2に示すように、鋳片の水冷に際し冷却能力不足となる
おそれのない適正温度領域A,A,A(図3参
照)と、鋳片の水冷に際し冷却能力不足となるおそれの
ある上昇温度領域A,A,A,A10(図3,図
4参照)とに区分して連続的に記録する。
【0027】さらにまた、水冷前の鋳片温度は同じく表
1および表2に示すように、水冷時に鋳片の面部および
コーナー部ともに割れが発生するおそれのない適正温度
領域A(図4参照)と、水冷時に鋳片の面部に割れが
発生するおそれはないもののコーナー部に割れが発生す
るおそれのあるやや危険温度領域A(図4参照)と、
水冷時に鋳片の面部およびコーナー部ともに割れが発生
するおそれのある危険温度領域A(図4参照)とに区
分して連続的に記録する。
【0028】そして、まず、ピンチロールによる矯正前
の鋳片温度が適正温度領域Aにあるか否かを判定し、
次に、水冷前の水槽水温が鋳片の水冷に際し冷却不足の
おそれのない適正温度領域A,A,Aにあるか否
かを判定し、次いで、水冷前の鋳片温度が水冷時に鋳片
の面部およびコーナー部ともに割れが発生するおそれの
ない適正温度領域Aにあるか否かを判定し、これらの
順次判定をトラッキング整理して鋳片単位での上記熱履
歴から水冷後の鋳片段階で分塊圧延後の鋼片15の表面
品質をオンラインで事前にあらかじめ判定する。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】この結果、同じく表1に示すように、ピン
チロール6による矯正前の鋳片温度が適正温度領域A
にあり、水冷前の水槽水温が鋳片5の水冷に際し冷却不
足のおそれのない適正温度領域Aにあり、水冷前の鋳
片温度が水冷時に鋳片5の面部およびコーナー部ともに
割れが発生するおそれのない適正温度領域Aにあるも
のについては、あらかじめの実験データにより、分塊圧
延後の鋼片15においてスカーフィングが不要であるこ
とが確かめられているので、上記条件を満足した鋳片は
分塊圧延後において鋼片に対するスカーフィングを省略
する。
【0032】また、水冷時に鋳片の面部に割れが発生す
るおそれはないもののコーナー部に割れが発生するおそ
れのあるやや危険温度領域Aを経由した鋳片や、水冷
時に鋳片の面部およびコーナー部ともに割れが発生する
おそれのある危険温度領域Aを経由した鋳片について
は、分塊圧延後の鋼片に対して従来よりも軽度のスカー
フィングを行う。
【0033】そして、変態点挙動温度領域Aを経由し
たものや、延性不足温度領域Aを経由したものについ
ては、圧延後の鋼片に対して従来通りのスカーフィング
を行う。
【0034】これらの各温度領域は、鋼種によってもそ
れぞれ異なるので、ピンチロールによる矯正前の鋳片温
度と水冷前の水槽水温と水冷前の鋳片温度におけるそれ
ぞれの適正温度を鋼種毎に設定した判定テーブルをそな
えておくことが望ましい。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例についてさらに具体的
に説明するが、本発明はこのような実施例のみに限定さ
れないことはいうまでもない。
【0036】この実施例においては、機械構造用鋼(ク
ロム鋼:JIS SCR420H)について、浸炭時結
晶粒粗大化防止のためAl,Nを適切な量にコントロー
ルしたもの(Al,Nコントロール材)、通常処理した
もの(通常処理材)、含Pbのもの(含Pb材)につい
て、それぞ連続鋳造および分塊圧延を行い、鋼片におけ
る粒界割れや縦割れの発生状況について調べた。
【0037】そこで、図1に示した連続鋳造工程におい
て、ピンチロール矯正前温度センサー21によってピン
チロールによる矯正前の鋳片温度を測定し、水槽水温セ
ンサー22によって水冷前の水槽水温を測定し、水冷前
鋳片温度センサー23によって水冷前の鋳片温度を測定
してそれぞれ連続的に記録し、トラッキング整理して鋳
片単位での各熱履歴から水冷後の鋳片5(B)の段階で
分塊圧延後の鋼片15の表面品質を表面品質オンライン
判定手段28によりオンラインで事前判定することとし
た。
【0038】そして、このとき、鋳型4内での初期凝固
・鋳造条件をも連続的に記録するに際しては、溶鋼2の
過熱温度(SH)と湯面センサー25による湯面変動と
ピンチロール6の回転数で計算される引抜速度(Vc)
をも連続的に記録し、また、鋳型4の壁面での抜熱変動
によりデプレッションの有無をも連続的に記録するよう
にした。
【0039】そして、表1に示したように、ピンチロー
ルによる矯正前の鋳片温度は、鋳片に割れが発生するお
それのない適正温度領域A(この実施例では、表3に
示しているように、740〜830℃)と、鋳片にA
変態点挙動による割れが発生するおそれのある変態点挙
動温度領域A(この実施例では、表3に示しているよ
うに、830℃超過)と、鋳片に延性不足による割れが
発生するおそれのある延性不足温度領域A(この実施
例では、表3に示しているように、740℃未満)とに
区分して連続的に記録した。
【0040】また、水冷前の水槽水温は、表1および表
2に示したように、鋳片の水冷に際し冷却能力不足とな
るおそれのない適正温度領域A,A,A(この実
施例では、表3および図3に示しているように、43℃
以下)と、鋳片の水冷に際し冷却能力不足となるおそれ
のある上昇温度領域A,A,A,A10(この実
施例では、表3および図3,図4に示しているように、
43℃超過)とに区分して連続的に記録した。
【0041】さらにまた、水冷前の鋳片温度は同じく表
1および表2に示したように、水冷時に鋳片の面部およ
びコーナー部ともに割れが発生するおそれのない適正温
度領域A(この実施例では、表3および図4に示して
いるように、820℃超過)と、水冷時に鋳片の面部に
割れが発生するおそれはないもののコーナー部に割れが
発生するおそれのあるやや危険温度領域A(この実施
例では、表3および図4に示しているように、740〜
820℃)と、水冷時に鋳片の面部およびコーナー部と
もに割れが発生するおそれのある危険温度領域A(こ
の実施例では、表3および図4に示しているように、7
40℃未満)とに区分して連続的に記録した。
【0042】そして、まず、ピンチロールによる矯正前
の鋳片温度が適正温度領域A(すなわち、740〜8
30℃)にあるか否かを判定し、次に、水冷前の水槽水
温が鋳片の水冷に際し冷却不足のおそれのない適正温度
領域A,A,A(すなわち、43℃以下)にある
か否かを判定し、次いで、水冷前の鋳片温度が水冷時に
鋳片の面部およびコーナー部ともに割れが発生するおそ
れのない適正温度領域A(すなわち、820℃超過)
にあるか否かを判定し、これらの順次判定をトラッキン
グ整理して鋳片単位での上記熱履歴から水冷後の鋳片段
階で分塊圧延後の鋼片15の表面品質を表面品質オンラ
イン判定手段28によりオンラインで事前にあらかじめ
判定した。
【0043】
【表3】
【0044】この結果、同じく表3に示すように、ピン
チロールによる矯正前の鋳片温度が適正温度領域A
(すなわち、740〜830℃)にあり、水冷前の水
槽水温が鋳片5の水冷に際し冷却不足のおそれのない適
正温度領域A(すなわち、43℃以下)にあり、水冷
前の鋳片温度が水冷時に鋳片5の面部およびコーナー部
ともに割れが発生するおそれのない適正温度領域A
(すなわち、820℃超過)にあるものについては、
表3に示す実験データにより、分塊圧延後の鋼片15に
おいて粒界割れや縦割れが発生していないことから、ス
カーフィングが不要であることが確かめられているの
で、上記条件を満足した鋳片は分塊圧延後において鋼片
に対するスカーフィングを省略した。
【0045】また、水冷時に鋳片の面部に割れが発生す
るおそれはないもののコーナー部に割れが発生するおそ
れのあるやや危険温度領域A(すなわち、740〜8
20℃)を経由した鋳片や、水冷時に鋳片の面部および
コーナー部ともに割れが発生するおそれのある危険温度
領域A(すなわち、740℃未満)を経由した鋳片に
ついても、表3の実験データからは粒界割れや縦割れが
発生していないので、分塊圧延後の鋼片に対してスカー
フィングは不要である判断されるが、大事をとって分塊
圧延後の鋼片に対して従来よりも軽度のスカーフィング
を行った。
【0046】そして、変態点挙動温度領域A(すなわ
ち、830℃超過)を経由したものや、延性不足温度領
域A(すなわち、740℃未満)を経由したものにつ
いては、分塊圧延後の鋼片に対して従来通りのスカーフ
ィングを行った。
【0047】なお、上記した各温度領域は、鋼種によっ
てもそれぞれ異なるので、各鋼種毎に各温度領域を設定
した判定テーブルをそなえておくのが望ましいことが確
認された。
【0048】
【発明の効果】本発明による連続鋳造・分塊圧延におけ
る鋳片・鋼片の表面品質オンライン判定方法では、請求
項1に記載しているように、タンディッシュ内の溶鋼を
鋳型内に流下し、鋳型の下部より鋳片を引抜いてわん曲
形状にすると共にわん曲形状の鋳片をピンチロールによ
り矯正して横向状態としたあと切断し、切断鋳片を水冷
水槽内に浸漬して水冷することにより鋳片表層部の組織
を微細化する連続鋳造工程において水冷後の鋳片の段階
で分塊圧延後の鋼片の表面品質をオンラインで事前判定
するに際し、ピンチロールによる矯正前の鋳片温度と、
水冷前の水槽水温と、水冷前の鋳片温度を連続的に記録
し、トラッキング整理して鋳片単位での各熱履歴から水
冷後の鋳片の段階で分塊圧延後の鋼片の表面品質をオン
ラインで事前判定するようにしたから、スカーフィング
が軽減ないしは不要である鋼片に対しても従来通りのス
カーフィングを行うことが回避されるので、スカーフィ
ングに伴なう歩留り損失を必要最小量とすることが可能
となり、歩留りの向上ならびに鋼片表面品質のより一層
の向上を実現することが可能であるという著大なる効果
がもたらされる。
【0049】そして、請求項2に記載しているように、
鋳型内での初期凝固・鋳造条件をも連続的に記録するよ
うになすことによって、鋳型内での初期凝固・鋳造条件
をも警告ないしは判定要因に加味することが可能である
という著大なる効果がもたらされる。
【0050】また、請求項3に記載しているように、鋳
型内での初期凝固・鋳造条件をも連続的に記録するに際
しては、過熱温度と湯面変動と引抜速度をも連続的に記
録するようになすことによって、これらの過熱温度と湯
面変動と引抜速度をも警告ないしは判定要因に加味する
ことが可能であるという著大なる効果がもたらされる。
【0051】さらにまた、請求項4に記載しているよう
に、鋳型内での初期凝固・鋳造条件をも連続的に記録す
るに際しては、抜熱変動によりデプレッションの有無を
も連続的に記録するようになすことによって、このよう
なデプレッションの有無をも警告ないしは判定要因に加
味することが可能であるという著大なる効果がもたらさ
れる。
【0052】さらにまた、請求項5に記載しているよう
に、ピンチロールによる矯正前の鋳片温度は、鋳片に割
れが発生するおそれのない適正温度領域Aと、鋳片に
変態点挙動による割れが発生するおそれのある変態
点挙動温度領域Aと、鋳片に延性不足による割れが発
生するおそれのある延性不足温度領域Aとに区分して
連続的に記録するようになすことによって、スカーフィ
ングを軽微ないしは不要としうる鋼片をその鋼片に対応
する鋳片の段階で判定することが可能であるという著大
なる効果がもたらされる。
【0053】さらにまた、請求項6に記載しているよう
に、水冷前の水槽水温は、鋳片の水冷に際し冷却能力不
足となるおそれのない適正温度領域A,A,A
と、鋳片の水冷に際し冷却能力不足となるおそれのあ
る上昇温度領域A,A,A,A10とに区分して
連続的に記録するようになすことによって、スカーフィ
ングを軽微ないしは不要としうる鋼片をその鋼片に対応
する鋳片の段階で判定することが可能であるという著大
なる効果がもたらされる。
【0054】さらにまた、請求項7に記載しているよう
に、水冷前の鋳片温度は、水冷時に鋳片の面部およびコ
ーナー部ともに割れが発生するおそれのない適正温度領
域Aと、水冷時に鋳片の面部に割れが発生するおそれ
はないもののコーナー部に割れが発生するおそれのある
やや危険温度領域Aと、水冷時に鋳片の面部およびコ
ーナー部ともに割れが発生するおそれのある危険温度領
域Aとに区分して連続的に記録するようになすことに
よって、スカーフィングを軽微ないしは不要としうる鋼
片をその鋼片に対応する鋳片の段階で判定することが可
能であるという著大なる効果がもたらされる。
【0055】そしてまた、請求項8に記載しているよう
に、まず、ピンチロールによる矯正前の鋳片温度が適正
温度領域Aにあるか否かを判定し、次に、水冷前の水
槽水温が鋳片の水冷に際し冷却不足のおそれのない適正
温度領域A,A,Aにあるか否かを判定し、次い
で、水冷前の鋳片温度が水冷時に鋳片の面部およびコー
ナー部ともに割れが発生するおそれのない適正温度領域
にあるか否かを判定し、これらの順次判定をトラッ
キング整理して鋳片単位での上記熱履歴から水冷後の鋳
片段階で分塊圧延後の鋼片の表面品質をオンラインで事
前判定するようになすことによって、鋼片における粒界
割れや縦割れの発生を矯正前鋳片温度>水冷前の水槽水
温>水冷前の鋳片温度の条件で判定することにより、鋳
片の段階で鋼片の表面品質を検知することが可能である
という著大なる効果がもたらされる。
【0056】さらにまた、請求項9に記載しているよう
に、ピンチロールによる矯正前の鋳片温度と水冷前の水
槽水温と水冷前の鋳片温度におけるそれぞれの適正温度
を鋼種毎に設定するようになすことによって、各鋼種に
対応したオンラインでの品質判定を行うことが可能であ
るという著大なる効果がもたらされる。
【0057】本発明による連続鋳造・分塊圧延における
鋳片・鋼片の表面品質オンライン判定装置によれば、請
求項10に記載しているように、タンディッシュ内の溶
鋼を鋳型内に流下し、鋳型の下部より鋳片を引抜いてわ
ん曲形状にすると共にわん曲形状の鋳片をピンチロール
により矯正して横向状態としたあと切断し、切断鋳片を
水冷水槽内に浸漬して水冷することにより鋳片表層部の
組織を微細化する連続鋳造工程において水冷後の鋳片の
段階で分塊圧延後の鋼片の表面品質をオンラインで事前
判定する装置であって、ピンチロールによる矯正前の鋳
片温度を測定するピンチロール矯正前鋳片温度センサー
と、水冷前の水槽水温を測定する水槽水温センサーと、
水冷前の鋳片温度を測定する水冷前鋳片温度センサー
と、前記各センサーによる測温結果を連続的に記録する
と共にトラッキング整理して鋳片単位での各熱履歴から
水冷後の鋳片の段階で分塊圧延後の鋼片の表面品質をオ
ンラインで事前判定する表面品質オンライン判定手段を
備えたものとしたから、スカーフィングが軽減ないしは
省略が可能である鋼片に対しても従来のごときスカーフ
ィングを行うことが回避されるので、スカーフィングに
伴う歩留り損失を必要最小量とすることが可能となり、
歩留りの向上ならびに鋼片表面品質のより一層の向上を
実現することが可能であるという著大なる効果がもたら
される。
【0058】そして、請求項11に記載しているよう
に、鋳型壁面での抜熱変動を測定する鋳型壁面温度セン
サーを備え、表面品質オンライン判定手段は前記鋳型壁
面温度センサーによる測温結果を連続的に記録すると共
にトラッキング整理して鋳片単位での各熱履歴から水冷
後の鋳片の段階で分塊圧延後の鋼片の表面品質をオンラ
インで事前判定するようになすことによって、抜熱変動
の測定によるデプレッション(縦割れ)の発生の有無を
も判定・警告することが可能であるという著大なる効果
がもたらされる。
【0059】そしてまた、請求項12に記載しているよ
うに、表面品質オンライン判定手段は、ピンチロールに
よる矯正前の鋳片温度と水冷前の水槽水温と水冷前の鋳
片温度におけるそれぞれの適正温度領域を鋼種毎に定め
た判定テーブルを備えているものとすることによって、
各鋼種に対応したオンラインでの表面品質判定を行うこ
とが可能であるという著大なる効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる連続鋳造・分塊圧延における鋳
片・鋼片の表面品質オンライン判定装置の一実施形態を
連続鋳造設備の概要と共に示す説明図である。
【図2】鋳型内壁でのデプレッションの検出原理を示す
説明図である。
【図3】本発明の実施例において測定したピンチロール
による矯正前の鋳片(コーナー)温度と水槽水温との関
係を例示するグラフである。
【図4】本発明の実施例において測定した水槽水温と冷
却前の鋳片温度との関係を例示するグラフである。
【符号の説明】
1 取鍋 2 溶鋼 3 タンディッシュ 4 鋳型 5 鋳片 5(B) 切断鋳片 6 ピンチロール 8 フレームカッター 11 水冷水槽 12 冷却水 13 加熱炉 14 分塊圧延機のロール 15 鋼片 20 鋳片・鋼片の表面品質オンライン判定装置 21 ピンチロール矯正前鋳片温度センサー 22 水槽水温センサー 23 水冷前鋳片温度センサー 24 鋳型壁面温度センサー 25 湯面センサー 26 信号変換器 27 デプレッション警報手段 28 表面品質オンライン判定手段
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B22D 11/126 B22D 11/126 E

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンディッシュ内の溶鋼を鋳型内に流下
    し、鋳型の下部より鋳片を引抜いてわん曲形状にすると
    共にわん曲形状の鋳片をピンチロールにより矯正して横
    向状態としたあと切断し、切断鋳片を水冷水槽内に浸漬
    して水冷することにより鋳片表層部の組織を微細化する
    連続鋳造工程において水冷後の鋳片の段階で分塊圧延後
    の鋼片の表面品質をオンラインで事前判定するに際し、
    ピンチロールによる矯正前の鋳片温度と、水冷前の水槽
    水温と、水冷前の鋳片温度を連続的に記録し、トラッキ
    ング整理して鋳片単位での各熱履歴から水冷後の鋳片の
    段階で分塊圧延後の鋼片の表面品質をオンラインで事前
    判定することを特徴とする連続鋳造・分塊圧延における
    鋳片・鋼片の表面品質オンライン判定方法。
  2. 【請求項2】 鋳型内での初期凝固・鋳造条件をも連続
    的に記録することを特徴とする請求項1に記載の連続鋳
    造・分塊圧延における鋳片・鋼片の表面品質オンライン
    判定方法。
  3. 【請求項3】 鋳型内での初期凝固・鋳造条件をも連続
    的に記録するに際しては、過熱温度と湯面変動と引抜速
    度をも連続的に記録することを特徴とする請求項2に記
    載の連続鋳造・分塊圧延における鋳片・鋼片の表面品質
    オンライン判定方法。
  4. 【請求項4】 鋳型内での初期凝固・鋳造条件をも連続
    的に記録するに際しては、抜熱変動によりデプレッショ
    ンの有無をも連続的に記録することを特徴とする請求項
    2または3に記載の連続鋳造・分塊圧延における鋳片・
    鋼片の表面品質オンライン判定方法。
  5. 【請求項5】 ピンチロールによる矯正前の鋳片温度
    は、鋳片に割れが発生するおそれのない適正温度領域A
    と、鋳片にA変態点挙動による割れが発生するおそ
    れのある変態点挙動温度領域Aと、鋳片に延性不足に
    よる割れが発生するおそれのある延性不足温度領域A
    とに区分して連続的に記録することを特徴とする請求項
    1ないし4のいずれかに記載の連続鋳造・分塊圧延にお
    ける鋳片・鋼片の表面品質オンライン判定方法。
  6. 【請求項6】 水冷前の水槽水温は、鋳片の水冷に際し
    冷却能力不足となるおそれのない適正温度領域A,A
    ,Aと、鋳片の水冷に際し冷却能力不足となるおそ
    れのある上昇温度領域A,A,A,A10とに区
    分して連続的に記録することを特徴とする請求項1ない
    し5のいずれかに記載の連続鋳造・分塊圧延における鋳
    片・鋼片の表面品質オンライン判定方法。
  7. 【請求項7】 水冷前の鋳片温度は、水冷時に鋳片の面
    部およびコーナー部ともに割れが発生するおそれのない
    適正温度領域Aと、水冷時に鋳片の面部に割れが発生
    するおそれはないもののコーナー部に割れが発生するお
    それのあるやや危険温度領域Aと、水冷時に鋳片の面
    部およびコーナー部ともに割れが発生するおそれのある
    危険温度領域Aとに区分して連続的に記録することを
    特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の連続鋳
    造・分塊圧延における鋳片・鋼片の表面品質オンライン
    判定方法。
  8. 【請求項8】 まず、ピンチロールによる矯正前の鋳片
    温度が適正温度領域Aにあるか否かを判定し、次に、
    水冷前の水槽水温が鋳片の水冷に際し冷却不足のおそれ
    のない適正温度領域A,A,Aにあるか否かを判
    定し、次いで、水冷前の鋳片温度が水冷時に鋳片の面部
    およびコーナー部ともに割れが発生するおそれのない適
    正温度領域Aにあるか否かを判定し、これらの順次判
    定をトラッキング整理して鋳片単位での上記熱履歴から
    水冷後の鋳片段階で分塊圧延後の鋼片の表面品質をオン
    ラインで事前判定することを特徴とする請求項1ないし
    7のいずれかに記載の連続鋳造・分塊圧延における鋳片
    ・鋼片の表面品質オンライン判定方法。
  9. 【請求項9】 ピンチロールによる矯正前の鋳片温度と
    水冷前の水槽水温と水冷前の鋳片温度におけるそれぞれ
    の適正温度を鋼種毎に設定することを特徴とする請求項
    1ないし8のいずれかに記載の連続鋳造・分塊圧延にお
    ける鋳片・鋼片の表面品質オンライン判定方法。
  10. 【請求項10】 タンディッシュ内の溶鋼を鋳型内に流
    下し、鋳型の下部より鋳片を引抜いてわん曲形状にする
    と共にわん曲形状の鋳片をピンチロールにより矯正して
    横向状態としたあと切断し、切断鋳片を水冷水槽内に浸
    漬して水冷することにより鋳片表層部の組織を微細化す
    る連続鋳造工程において水冷後の鋳片の段階で分塊圧延
    後の鋼片の表面品質をオンラインで事前判定する装置で
    あって、ピンチロールによる矯正前の鋳片温度を測定す
    るピンチロール矯正前鋳片温度センサーと、水冷前の水
    槽水温を測定する水槽水温センサーと、水冷前の鋳片温
    度を測定する水冷前鋳片温度センサーと、前記各センサ
    ーによる測温結果を連続的に記録すると共にトラッキン
    グ整理して鋳片単位での各熱履歴から水冷後の鋳片の段
    階で分塊圧延後の鋼片の表面品質をオンラインで事前判
    定する表面品質オンライン判定手段を備えたことを特徴
    とする連続鋳造・分塊圧延における鋳片・鋼片の表面品
    質オンライン判定装置。
  11. 【請求項11】 鋳型壁面での抜熱変動を測定する鋳型
    壁面温度センサーを備え、表面品質オンライン判定手段
    は前記鋳型壁面温度センサーによる測温結果を連続的に
    記録すると共にトラッキング整理して鋳片単位での各熱
    履歴から水冷後の鋳片の段階で分塊圧延後の鋼片の表面
    品質をオンラインで事前判定することを特徴とする請求
    項10に記載の連続鋳造・分塊圧延における鋳片・鋼片
    の表面品質オンライン判定装置。
  12. 【請求項12】 表面品質オンライン判定手段は、ピン
    チロールによる矯正前の鋳片温度と水冷前の水槽水温と
    水冷前の鋳片温度におけるそれぞれの適正温度領域を鋼
    種毎に定めた判定テーブルを備えていることを特徴とす
    る請求項10または11に記載の連続鋳造・分塊圧延に
    おける鋳片・鋼片の表面品質オンライン判定装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003013763A1 (de) * 2001-08-07 2003-02-20 Sms Demag Aktiengesellschaft Verfahren und anlage zur produktion von flach- und langprodukten
KR100775501B1 (ko) 2006-12-19 2007-11-12 주식회사 포스코 연주설비의 슬라브 연속 전달 장치
CN110303047A (zh) * 2019-07-08 2019-10-08 东北大学 一种连铸热芯轧制系统及方法
CN112191814A (zh) * 2020-09-24 2021-01-08 沈阳建筑大学 一种基于炼钢连铸生产管理优化的管理方法
WO2024104108A1 (zh) * 2022-11-15 2024-05-23 郑州大学 一种用于高通量连铸连轧铝合金板材温度控制装置及工艺

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CN112191814A (zh) * 2020-09-24 2021-01-08 沈阳建筑大学 一种基于炼钢连铸生产管理优化的管理方法
WO2024104108A1 (zh) * 2022-11-15 2024-05-23 郑州大学 一种用于高通量连铸连轧铝合金板材温度控制装置及工艺

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