JP4923650B2 - 連続鋳造鋳片の表面割れ防止方法 - Google Patents

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本発明は、連続鋳造鋳片の表面割れ防止方法に関し、詳しくは、鋳片の表層部を変態させることによって表面割れを防止した表面割れ防止方法に関するものである。
鉄鋼製造工程における生産性の向上並びに製品品質の向上は極めて重要な課題であり、高級鋼や特殊な材料特性を有する鋼製品の安定製造技術が求められている。連続鋳造工程において生産性を向上させるには、鋳片の表面割れや内部割れなどの欠陥を発生させずに鋳造し、その後、鋳片の温度を低下させずに次工程に搬送させることが理想である。
しかしながら、高級鋼や種々な材料特性が求められる現状の鋼種においては、鋳片表面割れの感受性に影響の強い、Nb、V、Nなどの元素を多量に含むものが増えてきている。鋳片表面に割れが発生した場合には、鋳片の歩留り低下や熱ロスを発生させることになり、操業阻害に対する影響は極めて大きい。特に、Nb、V、Nなどの元素を含む、割れ感受性の高い鋼種では、直送圧延と呼ばれている、連続鋳造工程で鋳造された鋳片を、加熱炉を経由させずに熱間圧延工程に搬送して熱間圧延工程で直ちに圧延して製品化する技術を達成することは極めて困難であるのが実情であった。
鋳片の表面割れ防止の対策として、鋳片の相変態を利用する方法がこれまでに幾つか提案されている。例えば、特許文献1には、C:0.15質量%以下、Mn:0.5質量%以下、Al:0.01〜0.08質量%及びN:0.01質量%以上を含有するアルミキルド鋼を連続鋳造し、引き続き熱間圧延及び冷間圧延を施して薄鋼板を製造するに当り、連続鋳造鋳片を一旦A3 変態点以下に冷却してから熱間圧延する技術が開示されている。特許文献2には、連続鋳造における鋳片の表面温度を、矯正部前の冷却ゾーンにおいて一旦α相析出温度まで下げ、α相を析出させた後に復熱させ、復熱により表層のγ粒径を0.5mm以下に制御する技術が開示されている。
特許文献3には、連続鋳造法により製造された直後の高温の鋳片を、鋳片の表層温度がA3 変態点直下になったとき、冷却水によって鋳片表層のみを急速に冷却し、一旦、鋳片の表層温度をA1変態点以下とした後、再加熱して圧延する技術が開示されている。また、特許文献4には、Al、Nb、Ti及びBのうちの少なくとも1種の合金元素を含有する鋼の連続鋳造方法において、鋳造中の鋳片を表面温度が950℃以下650℃以上となるように急冷し、この温度域で鋳片の表層部に加工歪を与える技術が開示されている。
これらの技術は何れも、鋼の相変態を利用して結晶粒を小さくし、鋼の延性を向上させることを目的とした技術であるが、何れの方法においても、理想とする効果は得られておらず、Nb、V、Nなどの元素を多量に含む、割れ感受性の高い鋼種では直送圧延を実施するまでには到っていないのが現状である。
特開2002−283019号公報 特開平2−37941号公報 特開昭63−188401号公報 特開昭60−56453号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、Nb、V、Al、B、Nなどの元素を多量に含む鋼種であっても、鋳造後の鋳片の表面検査や表面手入れを実施せずに、鋳造した鋳片を高温のまま次工程の熱間圧延工程に搬送しても、鋳片の表面割れに起因する表面欠陥のない鋼製品を製造することのできる、連続鋳造鋳片の表面割れ防止方法を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決するべく、Nb、V、Al、B、Nなどの元素を多量に含む鋼種に関して表面割れの発生に及ぼす凝固組織及び組織変態の影響について詳細な調査を行い、下記の結論に至った。
即ち、鋳片の表面割れを防止するには、旧オーステナイト結晶粒界における表面割れ発生に有害な析出物や鋳片組織を、無害な形態に変化させることが重要であり、この点に関して、スラブ鋳片表面を冷却する際に冷却温度範囲及び冷却速度を規定することで、大幅に鋳片の表面割れが少なくなることを知見した。
つまり、Nb、V、Al、Bなどを多量に含む鋼種において、従来の冷却速度の10倍強の冷却強度で冷却して、鋳片の表層のみを、オーステナイト(γ)からフェライト(α)への変態開始温度であるAr3変態点以上の温度域から、オーステナイト(γ)からフェライト(α)への変態完了温度であるAr1変態点以下の温度域まで冷却し、その後、Ar3変態点以上に復熱させることが、脆化防止に極めて有効であり、鋳片の割れを抑制できることが分かった。この場合、炭素濃度が0.1質量%付近の亜包晶中炭素鋼では、縦割れを含めた表面割れの感受性が高くなるので、前記技術と公知の縦割れ回避技術とを組み合わせて用いることで、更なる効果が期待できることも分かった。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、第1の発明に係る連続鋳造鋳片の表面割れ防止方法は、連続鋳造鋳片の表面を、その表面温度がr3変態点以上の温度域からAr1変態点以下の温度域になるまで300℃/秒以上の冷却速度で冷却し、その後、再び連続鋳造鋳片の表面温度をAr3変態点以上の温度域まで復熱させることを特徴とするものである。
第2の発明に係る連続鋳造鋳片の表面割れ防止方法は、第1の発明において、前記鋳片は、化学成分としてNb、V、Bのうち少なくとも1種が添加されたものであることを特徴とするものである。
本発明によれば、300℃/秒以上の冷却速度でAr1変態点以下の温度域まで鋳片表面を冷却するので、鋳片表層にフェライトが分散状に形成され、その結果、Nb、Al、Bなどを多量に含む表面割れ感受性の高い鋼種であっても、表面割れを防止することができ、表面手入れによる歩留まり低下や鋳片温度低下を防止することができる。また、鋳片表層部のみを冷却するので、鋳片全体の温度低下は僅かとなり、直送圧延が可能となる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明者等は、鋳片の表面割れを防止することを目的とし、50kg規模の鋼塊を用いた実験を行い、鋼塊表面における冷却速度を変化させてAr1変態点以下の温度域まで冷却し、その後の加工による割れ発生状況と冷却速度との関係を調査した。
図1に実験方法の概要を示す。実験は、図1(A)に示すように、50kg溶解炉で化学成分を調整した後の溶鋼1を鋳型2に注入して凝固させ、凝固シェル3の厚みが所定の厚みになったところで鋳型2の一面を開放した。その後、図1(B)に示すように、開放面に高圧型の水スプレイノズル4から冷却水を噴霧して冷却した。その際に、予め鋳片内に設置した、凝固シェル3に鋳ぐるまれた複数個の熱電対5の測温値からスプレイ冷却条件と冷却能(熱伝達係数)との関係を定量化した。Ar1変態点以下まで冷却した後、水スプレイノズル4からの冷却水の噴霧を停止して、表面温度をAr3変態点以上に復熱させた。その後は、空冷により冷却し、開放面の表面温度が750℃に達した時点で、図1(C)に示すように、油圧式の歪付加装置6により凝固シェル3に5%の表面歪を付加し、表面割れをシミュレートした。鋼塊を室温まで冷却させた後に、表面割れを評価した。実験では、目安として、Ar1変態点を650℃、Ar3変態点を900℃とした。図2に、試験における開放面の温度条件及び表面歪の付加時期を模式的に示す。
この実験により、高圧型の水スプレイノズル4を用いて冷却する場合の熱伝達係数を定量化することができた。得られた熱伝達係数の推定式を下記の(1)式に示す。但し、(1)式において、α:熱伝達係数(kcal/m2 ・hr・℃)、ds :スプレイ厚み(mm)、U:鋳片移動速度(mm/秒)、ta :冷却後経過時間(秒)、Q:水量密度(L/分・m2 )、P:ノズル圧力(kgf/cm2 )、ws :スプレイ幅(mm)、C1 :定数である。ここで、定数C1 は、高圧型の水スプレイノズルを使用した場合には1.5〜3.5程度である。
Figure 0004923650
また、図3に、実験により得られた冷却速度と表面割れの発生量との関係を示す。表面割れの発生量は、割れ発生部の合計の割れ長さで評価した。図3では、この合計の割れ長さを指標化して表示している。図3に示すように、割れ発生量は150℃/秒の冷却速度までは冷却速度が大きくなるほど増大するが、冷却速度が150℃/秒を超えると逆に割れ発生量は減少し、300℃/秒以上の冷却速度では極めて低い値となることが確認できた。
この理由については、不明な点も多いが、鋼組織の調査並びに析出物調査の結果から以下のことが考えられる。
表面割れの発生は、旧オーステナイト結晶粒界に沿って割れが発生し進展するのが一般的であるが、この原因としては、割れ発生に有害な析出物やフェライト組織が、旧オーステナイト結晶粒界に優先的に生成することに起因すると考えられている。これを防止するために、これまで、特許文献1〜4に開示されるように、オーステナイト組織の温度範囲(Ar3変態点以上)から一旦フェライト変態完了温度(Ar1変態点)以下まで冷却し、その後Ar3変態点点以上まで温度を上昇させることで、旧オーステナイト結晶粒界のみでのフェライト生成を抑制する技術が開発されてきたが、その効果は十分ではなかった。
図4に、スラブ鋳片表層の組織に及ぼす冷却速度の影響を模式的に示す。図4(A)は、Ar3変態点以上からAr1変態点以下まで単純に冷却した場合の組織、つまり、フェライト変態完了温度(Ar1変態点)以下まで一旦冷却した後にAr3変態点以上まで復熱させることはせずに、単純に冷却した場合の組織である。これに対して図4(B)〜(D)は、フェライト変態完了温度(Ar1変態点)以下まで一旦冷却した後にAr3変態点以上まで復熱させ、その後、Ar3変態点以上からAr1変態点以下まで冷却した場合の組織である。但し、それぞれ、フェライト変態完了温度(Ar1変態点)以下まで一旦冷却する際の冷却速度が異なっていて、図4(B)は、一旦フェライト変態完了温度(Ar1変態点)以下まで冷却する際の冷却速度が50℃/秒未満の場合、図4(C)は、前記冷却速度が50℃/秒以上300℃/秒未満の場合、図4(D)は、前記冷却速度が本発明の範囲である300℃/秒以上の冷却速度の場合である。尚、図4(A)〜(D)において、斜線部の部分が析出したフェライト相であり、図4(D)においては塗りつぶした部分もフェライト相である。
図4(A)の場合には、旧オーステナイト結晶粒界に沿ってフェライトが網目状に析出している。これに対して図4(B)〜(D)では、旧オーステナイト結晶粒界以外の場所にフェライトが析出している。しかし、フェライト変態完了温度(Ar1変態点)以下まで一旦冷却する際の冷却速度が300℃/秒未満の場合には、つまり図4(B)及び図4(C)の場合には、Ar1変態点以下まで冷却された部分と旧オーステナイト結晶粒界とに層状にフェライトが形成されているのに対して、フェライト変態完了温度(Ar1変態点)以下まで一旦冷却する際の冷却速度が本発明の範囲である300℃/秒以上の場合には、つまり図4(D)の場合には、旧オーステナイト結晶粒界にはフェライトの形成がほとんど見られず、Ar1変態点以下まで冷却された部分に分散してフェライトが形成されていること、つまり分散型フェライト組織になっていることが分かった。尚、当然ながらAr1変態点以下まで冷却されていない鋳片内部の部分には、図4(A)と同様に旧オーステナイト結晶粒界に沿ってフェライトが網目状に析出している。
即ち、本発明では、冷却速度が極めて大きいために、図4(D)に示すように、フェライトが層状ではなく分散状に表層下2mm程度まで生成され、旧オーステナイト結晶粒界への析出が、冷却速度が小さい場合に比べて少ないことが判明した。この結果として旧オーステナイト結晶粒界への歪集中が回避でき、これにより表面割れが防止されているものと考えられる。
本発明は、この実験結果に基づくもので、連続鋳造鋳片の表面温度を、Ar3変態点以上の温度域からAr1変態点以下の温度域まで300℃/秒以上の冷却速度で冷却し、その後、再び連続鋳造鋳片の表面温度をAr3変態点以上の温度域まで復熱させることを特徴としている。このような構成の本発明は、連続鋳造工程から熱間圧延工程の間の任意の箇所で実施することができる。
図5は、スラブ鋳片の連続鋳造工程から熱間圧延工程までを模式的に示したものである。スラブ連続鋳造機7で鋳造されるスラブ鋳片13は、鋳型9を出た後に鋳片支持ロール10で支持されながら二次冷却帯で冷却され、凝固シェル厚みを増加させながら連続的に引抜かれる。その後、ガス切断機14で切断されたスラブ鋳片13aは、必要に応じて表面のチェック及び手入れが実施された後、加熱炉15に装入されて加熱され、その後、熱間圧延機16で熱間圧延される。図5において、符号8はタンディッシュ、11は曲げ部、12は矯正部、17は、鋳片表層を300℃/秒以上の冷却速度で冷却するための冷却装置である。図5に示すスラブ連続鋳造機7は垂直曲げ型スラブ連続鋳造機であり、鋳片13は曲げ部11で垂直から湾曲に曲げられ、矯正部12で湾曲から水平に矯正されている。
このような連続鋳造工程から熱間圧延工程までにおいて、スラブ鋳片13,13aにおける表面割れの発生は、スラブ連続鋳造機7の曲げ部11及び矯正部12、並びに、熱間圧延機16における圧延時など、スラブ鋳片13,13aの表面に歪が付加される場合に顕著となる。
従って、本発明を実施する箇所は、スラブ連続鋳造機7における曲げ部11の直前または矯正部12の直前、或いは、加熱炉15への装入前または熱間圧延機16における圧延前などの候補が考えられるが、規定の冷却速度が確保できる限り、何れの箇所でも構わない。当然ながら割れの発生場所全てで実施すればベストであるが、加熱炉15への装入前で実施しても効果が得られる。図5では、ガス切断機14で切断されたスラブ鋳片13aを搬送させながら、スラブ鋳片13aを挟んで配置した冷却装置17によって強冷却している。
本発明においては、スラブ鋳片13,13aの表面を300℃/秒以上の強冷却で冷却する必要がある。300℃/秒以上の強冷却を得る場合、従来型の水スプレイノズルでは、大量の水量で10秒以上の冷却時間を要する必要があり、スラブ鋳片全体の温度低下にもつながるため、これを防止するために高圧型の水スプレイノズルを使用することが好ましい。また、本発明は、Nb、V、Bのうち少なくとも1種以上が添加された割れ感受性の高い鋼種を連続鋳造する際に適用することが好ましい。本発明により、Nb、Al、Bなどを多量に含む表面割れ感受性の高い鋼種であっても、表面割れを防止することが可能であるからである。その結果、Nb、Al、Bなどを多量に含む表面割れ感受性の高い鋼種であっても、直送圧延が可能となる。
以下、本発明の実施例を比較例とともに説明する。鋳片断面サイズが厚み260mm、幅1300mmのスラブ鋳片を、図5に示すスラプ連続鋳造機で鋳造した。溶鋼成分はC:0.06質量%、Al:0.05質量%、N:0.01質量%である。
スラブ鋳片の本発明による冷却は、図5に示すように、ガス切断後の搬送ロール上を移動する鋳片に対して実施した。冷却に当たっては、高圧型の水スプレイノズル(P=10〜150kgf/cm2 、C1 =3.0)を設置し、スラブ鋳片の移動速度は150〜500mm/秒であった。
製造プロセスとしては、以下の3つの方法を採用した。即ち、通常法、DHCR法、及びDR法の3つである。通常法とは、「連続鋳造→鋳片冷却(Ar1変態点以下)→加熱炉装入/抽出→熱間圧延」の工程で、DHCR法とは、「連続鋳造→加熱炉装入/抽出→熱間圧延」の工程で、また、DR法とは、「連続鋳造→圧延」の工程で圧延鋼板を製造する方法である。
表面割れの発生の確認は、熱間圧延機における粗圧延実施後のスラブ鋳片を、一旦製造ラインから外し、表面割れの発生状況を浸透探傷法(カラーチェック)により確認した。検出された割れ発生個数に基づき、以下の3つに区分して評価した。即ち、スラブ鋳片1m当たりの割れ発生個数が0個の場合を「良好」と評価し、スラブ鋳片1m当たりの割れ発生個数が1〜5個の場合を「通常」と評価し、スラブ鋳片1m当たりの割れ発生個数が5個以上の場合を「不良」と評価した。
表1に、本発明例及び比較例の冷却条件、鋳片温度、及び表面割れ調査結果を示す。表1では表面割れの評価を、「良好」を○印、「通常」を△印、「不良」を×印で表示している。
Figure 0004923650
表1に示すように、鋳片を一旦Ar1変態点以下の温度域まで冷却した後にAr3変態点以上に復熱させる処理を実施していない比較例2及び比較例3では、DHCR法及びDR法ともに、割れの発生が顕著であり製品欠陥が生じることが確認された。同様に、鋳片を一旦Ar1変態点以下の温度域まで冷却し、その後Ar3変態点以上に復熱させたものの、冷却速度が60℃/秒である比較例4及び比較例5では、DHCR法及びDR法ともに、割れの発生が顕著であり製品欠陥が生じることが確認された。また、鋳片を一旦Ar1変態点以下の温度域まで冷却し、その後Ar3変態点以上に復熱させたものの、冷却速度が200℃/秒である比較例6及び比較例7では、比較例6のDHCR法での表面割れ発生は僅かであったが、比較例7のDR法では割れが多量に発生し、割れ発生の防止効果が不十分であることが確認された。
これに対して、本発明例1〜4では、DHCR法及びDR法においても表面割れ発生が皆無であることが確認できた。比較例1では表面割れが少ないものの、加熱炉装入前の鋳片温度は低下しており、直送圧延は困難であった。これに対して、本発明例では鋳片の温度は1000℃以上を確保できており、DHCR法やDR法を十分に達成出来るレベルであることが確認できた。
表面割れを評価するための実験方法を示す概略図である。 表面割れを評価するための実験における温度条件及び表面歪の付加時期を模式的に示す図である。 実験により得られた冷却速度と表面割れの発生量との関係を示す図である。 スラブ鋳片表層の断面組織を冷却速度別に模式的に示す図である。 連続鋳造工程から熱間圧延工程までを模式的に示す図である。
符号の説明
1 溶鋼
2 鋳型
3 凝固シェル
4 水スプレイノズル
5 熱電対
6 歪付加装置
7 スラブ連続鋳造機
8 タンディッシュ
9 鋳型
10 鋳片支持ロール
11 曲げ部
12 矯正部
13 スラブ鋳片
13a スラブ鋳片
14 ガス切断機
15 加熱炉
16 熱間圧延機
17 冷却装置

Claims (2)

  1. 連続鋳造鋳片の表面を、その表面温度がr3変態点以上の温度域からAr1変態点以下の温度域になるまで300℃/秒以上の冷却速度で冷却し、その後、再び連続鋳造鋳片の表面温度をAr3変態点以上の温度域まで復熱させることを特徴とする、連続鋳造鋳片の表面割れ防止方法。
  2. 前記鋳片は、化学成分としてNb、V、Bのうち少なくとも1種が添加されたものであることを特徴とする、請求項1に記載の連続鋳造鋳片の表面割れ防止方法。
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