JP3643858B2 - 分離冷却システムが適用されるエンジンのシリンダヘッドとシリンダブロック用ウォータジャケットの構造 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は分離冷却システムが適用されるエンジンのシリンダヘッドとシリンダブロック用ウォータジャケットの構造に関し、より詳しくは、エンジンのシリンダヘッドとシリンダブロック側ウォータジャケットの冷却水入口の形状を変更すると共にシリンダブロック側ウォータジャケットの冷却水出口の位置をシリンダヘッド側に変更することにより、冷却水の流動損失を減らすと共にサーモスタット器具の装着耐久性を向上できるようにする分離冷却システムが適用されるエンジンのシリンダヘッドとシリンダブロック用ウォータジャケットの構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、自動車エンジンに備えられた冷却システムは、エンジンの全稼動領域にかけて正常な機関の作動温度が維持できるようにするもので、これは燃焼室内で混合気の燃焼過程で発生する最大温度（約２５００℃）の熱からシリンダブロックとシリンダヘッド、及びピストンなどの主要部品に対する熱害を防止するためのものである。
【０００３】
一方、エンジンの冷却システムにおいて、シリンダヘッドとシリンダブロックに個別の冷却水流路を設定して冷却效率を向上させる分離冷却システムが提案されている。従来のエンジンの分離冷却システムに適用されるウォータジャケットは図１に示すような構成を有する。
即ち、シリンダヘッド側ウォータジャケット１０とシリンダブロック側ウォータジャケット１２とが、それぞれ独立分離しており、ウォータポンプ（図示なし）の出口からウォータジャケット１０、１２側へ冷却水が流入する入口（ＩＮ）はエンジンのフロント側の側部で互いに共有するように形成されている。
【０００４】
そして、ウォータジャケット１０、１２の出口（ＯＵＴ）はシリンダヘッドとシリンダブロック上でエンジンのリア側にそれぞれ独立に形成されている。
さらに、冷却水の温度によって開閉が調節されて冷却水の流動経路を制御するようにするサーモスタット器具１４は図２に示すように、シリンダヘッド１６とシリンダブロック１８との間に冷却水の出口（ＯＵＴ）と連通するように設けられる。
【０００５】
ウォータポンプから送り出された冷却水は入口（ＩＮ）を通ってシリンダヘッド１６側のウォータジャケット１０とシリンダブロック１８側のウォータジャケット１２とにそれぞれ流入し、シリンダヘッド１６側のウォータジャケット１０とシリンダブロック１８側のウォータジャケット１２とにそれぞれ流入した冷却水はウォータジャケット１０、１２の内部をそれぞれ流動した後、シリンダヘッド１６とシリンダブロック１８上に独立に備えられた出口（ＯＵＴ）を通ってそれぞれサーモスタット器具１４を介して流出する。
【０００６】
上記のような従来の分離冷却システムが適用されるエンジンのウォータジャケット１０、１２では、ウォータポンプから供給される冷却水が内部へ流入する入口（ＩＮ）の断面形状が四角形状である場合、冷却水の流入時に入口（ＩＮ）で冷却水の流動性を阻害する渦流による圧力損失が発生し、冷却水の流動損失となる。
【０００７】
さらに、ウォータジャケット１０、１２の冷却水出口（ＯＵＴ）がシリンダヘッド１６とシリンダブロック１８とにそれぞれ独立に形成されることによって、これらと連通するサーモスタット器具１４の装着地点はシリンダヘッド１６とシリンダブロック１８との間に設ける必要がある。
これによって燃焼時の燃焼圧によってシリンダヘッド１６とシリンダブロック１８との間で発生する相対挙動による振動によって、サーモスタット器具１４には反復荷重が加えられ、サーモスタット器具１４の耐久性を低下させると言う短所がある。
【先行技術文献】
【特許文献１】
特開平８−１７７４８３
【特許文献２】
特開平３−２２５０１５
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、エンジンのシリンダヘッドとシリンダブロック側ウォータジャケットの冷却水入口の形状を変更して冷却水の流動損失を減らすと共に、シリンダヘッドとシリンダブロック側冷却水の出口位置を単一化してサーモスタット器具の装着耐久性を向上させる分離冷却システムが適用されるエンジンのシリンダヘッドとシリンダブロック用ウォータジャケットの構造を提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、シリンダヘッドとシリンダブロックにウォータジャケットがそれぞれ個別に形成され、該ウォータジャケットの入口は共用化されながら内部に向けて断面積が縮小する形態で形成され、前記ウォータジャケットの出口が各シリンダヘッド側にそれぞれ個別に形成されたことを特徴とする。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を添付図によって詳述する。
図３は本発明によるシリンダヘッドとシリンダブロック用ウォータジャケットの構造を示した斜視図、図４はシリンダヘッド用ウォータジャケットを示した斜視図、図５はシリンダブロック用ウォータジャケットを示した斜視図であるが、従来の分離冷却システムが適用されるエンジンでシリンダヘッドとシリンダブロックに備えられたウォータジャケットを示した図１と同一の参照部位には同一の参照符号を併記する。
【００１１】
本発明は、図３に示すように、エンジンのシリンダヘッド内に形成されるウォータジャケット１０とシリンダブロック内に形成されるウォータジャケット１２とがそれぞれ独立しており、ウォータポンプ（図示なし）の出口でウォータジャケット１０、１２側へ冷却水が流入する入口（ＩＮ）はエンジンのフロント側の側部にあって、シリンダヘッド側ウォータジャケット１０とシリンダブロック側ウォータジャケット１２が共有するように形成されている。
【００１２】
ここで、ウォータジャケット１０、１２の入口（ＩＮ）の断面形状は台形で、ウォータポンプ側からウォータジャケット１０、１２側に向けて断面積が縮小する形態からなっているが、これはウォータポンプからウォータジャケット１０、１２の入口（ＩＮ）へ流動する冷却水の流動抵抗を減らすことにより、ウォータジャケット１０、１２内の冷却水の圧力損失を減らすためである。
【００１３】
その結果、上記のような構造の入口（ＩＮ）を通ってウォータジャケット１０、１２内へ流入する冷却水の流動は、圧力損失が少なくなることによって活発になり、シリンダヘッドとシリンダブロックに対する冷却效率が向上できるようになる。
そして、ウォータジャケット１０、１２の出口（ＯＵＴ）はシリンダヘッドとシリンダブロック上でエンジンのリア側にそれぞれ独立に形成されているが、シリンダヘッド側のウォータジャケット１０の出口（ＯＵＴ）はシリンダヘッド側に形成され、シリンダブロック側のウォータジャケット１２の出口（ＯＵＴ）はシリンダブロックではなくシリンダヘッド側に上向き設定されている。
【００１４】
即ち、シリンダブロック側のウォータジャケット１２の出側流路（ＯＵＴ）は、シリンダブロックからシリンダヘッドへ上向きに形成された後、シリンダヘッドを通じて外部と連通する構造からなっている。
【００１５】
次に、本発明によるウォータジャケットのより詳細な構造を説明する。
まず、シリンダヘッド内に備えられるウォータジャケット１０は、図４に示すように、入口（ＩＮ）がエンジンのフロント側の側部でウォータポンプに向けて形成されると共にウォータポンプからウォータジャケット１０の内部に向けて断面の形状が台形形態で断面積が縮小する形態で形成される。また、各シリンダ別排気ポートと吸気ポート及び点火プラグの設置のための複数個の開口部１０ａが形成され、エンジンのリア側にサーモスタット器具と通じる冷却水の出口（ＯＵＴ）が形成されている。
【００１６】
シリンダブロック内に備えられるウォータジャケット１２は、図５に示すように、入口（ＩＮ）がエンジンのフロント側の側部からウォータポンプに向けて形成されると共に、ウォータポンプからウォータジャケット１２の内部に向けて断面の形状が台形形態で断面積が縮小する形態で形成される。そして、各シリンダの周囲に沿って湾曲した形態で形成され、エンジンのリア側にサーモスタット器具と通じる冷却水出口（ＯＵＴ）がシリンダヘッドに向けて上向きの連結通路（Ｃ）を介してシリンダヘッド側に位置するように設定されている。
【００１７】
一方、シリンダヘッド１６の底面一側には、図６に示すように、シリンダブロック１８側のウォータジャケット１２の入口（ＩＮ）と共有する、台形断面の入口（ＩＮ）が形成され、シリンダヘッド１６の底面他側には、シリンダブロック１８側のウォータジャケット１２出口（ＯＵＴ）と連結する連結通路（Ｃ）が形成される。
【００１８】
そして、シリンダヘッド１６の側部には、図７に示すように、シリンダヘッド１６側のウォータジャケット１０出口（ＯＵＴ）と、シリンダブロック１８側ウォータジャケット１２出口（ＯＵＴ）とがそれぞれ個別に形成されると共に、これらから冷却水が流入するサーモスタット器具１４装着のための座面２０が形成されている。
【００１９】
さらに、シリンダヘッド１６の側部に形成された座面２０には、図８に示すサーモスタット器具１４が設置されている。即ち、サーモスタット器具１４はシリンダヘッド１６の側部に限定してマウンティングされる構造となっている。
【００２０】
これによって、燃焼時の燃焼圧によってシリンダヘッド１６とシリンダブロック１８との間に相対挙動が発生しても、サーモスタット器具１４は、これの装着地点がシリンダヘッド１６に局限されているため、部品の耐久性には何の支障もきたさない。
【００２１】
【発明の効果】
本発明により、シリンダヘッド側のウォータジャケットとシリンダブロック側のウォータジャケットにおいて、冷却水入口の断面が台形で入口の幅が細くなる形状であるため、ウォータジャケットの入口で冷却水の不必要な渦流現象が排除され、シリンダヘッドとシリンダブロック側のウォータジャケットで発生する圧力損失を減らすことができる。
【００２２】
さらに、シリンダブロック側の冷却水出口が連結通路を介してシリンダヘッド側に形成されることによって、シリンダヘッド側の冷却水出口とシリンダブロック側の冷却水出口が位置する座面にサーモスタット器具の装着が可能となり、燃焼時の燃焼圧によるシリンダヘッドとシリンダブロック間の挙動変化によるサーモスタット器具の耐久性低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】従来のシリンダヘッドとシリンダブロック用ウォータジャケットの構造を示した斜視図である。
【図２】従来のシリンダヘッドとシリンダブロックの側部のサーモスタット器具の設置状態を示した図面である。
【図３】本発明によるシリンダヘッドとシリンダブロック用シリンダージャケットの構造を示した斜視図である。
【図４】シリンダヘッド用ウォータジャケットを示した斜視図である。
【図５】シリンダブロック用ウォータジャケットを示した斜視図である。
【図６】シリンダヘッド側ウォータジャケットの冷却水出口を示した底面図である。
【図７】シリンダヘッド側ウォータジャケットの冷却水出口を示した側面図である。
【図８】シリンダヘッド側部のサーモスタット器具の設置状態を示した図面である。
【符号の説明】
１０、１２ ウォータジャケット
１４ サーモスタット器具
１６ シリンダヘッド
１８ シリンダブロック
２０ 座面
【発明の属する技術分野】
本発明は分離冷却システムが適用されるエンジンのシリンダヘッドとシリンダブロック用ウォータジャケットの構造に関し、より詳しくは、エンジンのシリンダヘッドとシリンダブロック側ウォータジャケットの冷却水入口の形状を変更すると共にシリンダブロック側ウォータジャケットの冷却水出口の位置をシリンダヘッド側に変更することにより、冷却水の流動損失を減らすと共にサーモスタット器具の装着耐久性を向上できるようにする分離冷却システムが適用されるエンジンのシリンダヘッドとシリンダブロック用ウォータジャケットの構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、自動車エンジンに備えられた冷却システムは、エンジンの全稼動領域にかけて正常な機関の作動温度が維持できるようにするもので、これは燃焼室内で混合気の燃焼過程で発生する最大温度（約２５００℃）の熱からシリンダブロックとシリンダヘッド、及びピストンなどの主要部品に対する熱害を防止するためのものである。
【０００３】
一方、エンジンの冷却システムにおいて、シリンダヘッドとシリンダブロックに個別の冷却水流路を設定して冷却效率を向上させる分離冷却システムが提案されている。従来のエンジンの分離冷却システムに適用されるウォータジャケットは図１に示すような構成を有する。
即ち、シリンダヘッド側ウォータジャケット１０とシリンダブロック側ウォータジャケット１２とが、それぞれ独立分離しており、ウォータポンプ（図示なし）の出口からウォータジャケット１０、１２側へ冷却水が流入する入口（ＩＮ）はエンジンのフロント側の側部で互いに共有するように形成されている。
【０００４】
そして、ウォータジャケット１０、１２の出口（ＯＵＴ）はシリンダヘッドとシリンダブロック上でエンジンのリア側にそれぞれ独立に形成されている。
さらに、冷却水の温度によって開閉が調節されて冷却水の流動経路を制御するようにするサーモスタット器具１４は図２に示すように、シリンダヘッド１６とシリンダブロック１８との間に冷却水の出口（ＯＵＴ）と連通するように設けられる。
【０００５】
ウォータポンプから送り出された冷却水は入口（ＩＮ）を通ってシリンダヘッド１６側のウォータジャケット１０とシリンダブロック１８側のウォータジャケット１２とにそれぞれ流入し、シリンダヘッド１６側のウォータジャケット１０とシリンダブロック１８側のウォータジャケット１２とにそれぞれ流入した冷却水はウォータジャケット１０、１２の内部をそれぞれ流動した後、シリンダヘッド１６とシリンダブロック１８上に独立に備えられた出口（ＯＵＴ）を通ってそれぞれサーモスタット器具１４を介して流出する。
【０００６】
上記のような従来の分離冷却システムが適用されるエンジンのウォータジャケット１０、１２では、ウォータポンプから供給される冷却水が内部へ流入する入口（ＩＮ）の断面形状が四角形状である場合、冷却水の流入時に入口（ＩＮ）で冷却水の流動性を阻害する渦流による圧力損失が発生し、冷却水の流動損失となる。
【０００７】
さらに、ウォータジャケット１０、１２の冷却水出口（ＯＵＴ）がシリンダヘッド１６とシリンダブロック１８とにそれぞれ独立に形成されることによって、これらと連通するサーモスタット器具１４の装着地点はシリンダヘッド１６とシリンダブロック１８との間に設ける必要がある。
これによって燃焼時の燃焼圧によってシリンダヘッド１６とシリンダブロック１８との間で発生する相対挙動による振動によって、サーモスタット器具１４には反復荷重が加えられ、サーモスタット器具１４の耐久性を低下させると言う短所がある。
【先行技術文献】
【特許文献１】
特開平８−１７７４８３
【特許文献２】
特開平３−２２５０１５
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、エンジンのシリンダヘッドとシリンダブロック側ウォータジャケットの冷却水入口の形状を変更して冷却水の流動損失を減らすと共に、シリンダヘッドとシリンダブロック側冷却水の出口位置を単一化してサーモスタット器具の装着耐久性を向上させる分離冷却システムが適用されるエンジンのシリンダヘッドとシリンダブロック用ウォータジャケットの構造を提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、シリンダヘッドとシリンダブロックにウォータジャケットがそれぞれ個別に形成され、該ウォータジャケットの入口は共用化されながら内部に向けて断面積が縮小する形態で形成され、前記ウォータジャケットの出口が各シリンダヘッド側にそれぞれ個別に形成されたことを特徴とする。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を添付図によって詳述する。
図３は本発明によるシリンダヘッドとシリンダブロック用ウォータジャケットの構造を示した斜視図、図４はシリンダヘッド用ウォータジャケットを示した斜視図、図５はシリンダブロック用ウォータジャケットを示した斜視図であるが、従来の分離冷却システムが適用されるエンジンでシリンダヘッドとシリンダブロックに備えられたウォータジャケットを示した図１と同一の参照部位には同一の参照符号を併記する。
【００１１】
本発明は、図３に示すように、エンジンのシリンダヘッド内に形成されるウォータジャケット１０とシリンダブロック内に形成されるウォータジャケット１２とがそれぞれ独立しており、ウォータポンプ（図示なし）の出口でウォータジャケット１０、１２側へ冷却水が流入する入口（ＩＮ）はエンジンのフロント側の側部にあって、シリンダヘッド側ウォータジャケット１０とシリンダブロック側ウォータジャケット１２が共有するように形成されている。
【００１２】
ここで、ウォータジャケット１０、１２の入口（ＩＮ）の断面形状は台形で、ウォータポンプ側からウォータジャケット１０、１２側に向けて断面積が縮小する形態からなっているが、これはウォータポンプからウォータジャケット１０、１２の入口（ＩＮ）へ流動する冷却水の流動抵抗を減らすことにより、ウォータジャケット１０、１２内の冷却水の圧力損失を減らすためである。
【００１３】
その結果、上記のような構造の入口（ＩＮ）を通ってウォータジャケット１０、１２内へ流入する冷却水の流動は、圧力損失が少なくなることによって活発になり、シリンダヘッドとシリンダブロックに対する冷却效率が向上できるようになる。
そして、ウォータジャケット１０、１２の出口（ＯＵＴ）はシリンダヘッドとシリンダブロック上でエンジンのリア側にそれぞれ独立に形成されているが、シリンダヘッド側のウォータジャケット１０の出口（ＯＵＴ）はシリンダヘッド側に形成され、シリンダブロック側のウォータジャケット１２の出口（ＯＵＴ）はシリンダブロックではなくシリンダヘッド側に上向き設定されている。
【００１４】
即ち、シリンダブロック側のウォータジャケット１２の出側流路（ＯＵＴ）は、シリンダブロックからシリンダヘッドへ上向きに形成された後、シリンダヘッドを通じて外部と連通する構造からなっている。
【００１５】
次に、本発明によるウォータジャケットのより詳細な構造を説明する。
まず、シリンダヘッド内に備えられるウォータジャケット１０は、図４に示すように、入口（ＩＮ）がエンジンのフロント側の側部でウォータポンプに向けて形成されると共にウォータポンプからウォータジャケット１０の内部に向けて断面の形状が台形形態で断面積が縮小する形態で形成される。また、各シリンダ別排気ポートと吸気ポート及び点火プラグの設置のための複数個の開口部１０ａが形成され、エンジンのリア側にサーモスタット器具と通じる冷却水の出口（ＯＵＴ）が形成されている。
【００１６】
シリンダブロック内に備えられるウォータジャケット１２は、図５に示すように、入口（ＩＮ）がエンジンのフロント側の側部からウォータポンプに向けて形成されると共に、ウォータポンプからウォータジャケット１２の内部に向けて断面の形状が台形形態で断面積が縮小する形態で形成される。そして、各シリンダの周囲に沿って湾曲した形態で形成され、エンジンのリア側にサーモスタット器具と通じる冷却水出口（ＯＵＴ）がシリンダヘッドに向けて上向きの連結通路（Ｃ）を介してシリンダヘッド側に位置するように設定されている。
【００１７】
一方、シリンダヘッド１６の底面一側には、図６に示すように、シリンダブロック１８側のウォータジャケット１２の入口（ＩＮ）と共有する、台形断面の入口（ＩＮ）が形成され、シリンダヘッド１６の底面他側には、シリンダブロック１８側のウォータジャケット１２出口（ＯＵＴ）と連結する連結通路（Ｃ）が形成される。
【００１８】
そして、シリンダヘッド１６の側部には、図７に示すように、シリンダヘッド１６側のウォータジャケット１０出口（ＯＵＴ）と、シリンダブロック１８側ウォータジャケット１２出口（ＯＵＴ）とがそれぞれ個別に形成されると共に、これらから冷却水が流入するサーモスタット器具１４装着のための座面２０が形成されている。
【００１９】
さらに、シリンダヘッド１６の側部に形成された座面２０には、図８に示すサーモスタット器具１４が設置されている。即ち、サーモスタット器具１４はシリンダヘッド１６の側部に限定してマウンティングされる構造となっている。
【００２０】
これによって、燃焼時の燃焼圧によってシリンダヘッド１６とシリンダブロック１８との間に相対挙動が発生しても、サーモスタット器具１４は、これの装着地点がシリンダヘッド１６に局限されているため、部品の耐久性には何の支障もきたさない。
【００２１】
【発明の効果】
本発明により、シリンダヘッド側のウォータジャケットとシリンダブロック側のウォータジャケットにおいて、冷却水入口の断面が台形で入口の幅が細くなる形状であるため、ウォータジャケットの入口で冷却水の不必要な渦流現象が排除され、シリンダヘッドとシリンダブロック側のウォータジャケットで発生する圧力損失を減らすことができる。
【００２２】
さらに、シリンダブロック側の冷却水出口が連結通路を介してシリンダヘッド側に形成されることによって、シリンダヘッド側の冷却水出口とシリンダブロック側の冷却水出口が位置する座面にサーモスタット器具の装着が可能となり、燃焼時の燃焼圧によるシリンダヘッドとシリンダブロック間の挙動変化によるサーモスタット器具の耐久性低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】従来のシリンダヘッドとシリンダブロック用ウォータジャケットの構造を示した斜視図である。
【図２】従来のシリンダヘッドとシリンダブロックの側部のサーモスタット器具の設置状態を示した図面である。
【図３】本発明によるシリンダヘッドとシリンダブロック用シリンダージャケットの構造を示した斜視図である。
【図４】シリンダヘッド用ウォータジャケットを示した斜視図である。
【図５】シリンダブロック用ウォータジャケットを示した斜視図である。
【図６】シリンダヘッド側ウォータジャケットの冷却水出口を示した底面図である。
【図７】シリンダヘッド側ウォータジャケットの冷却水出口を示した側面図である。
【図８】シリンダヘッド側部のサーモスタット器具の設置状態を示した図面である。
【符号の説明】
１０、１２ ウォータジャケット
１４ サーモスタット器具
１６ シリンダヘッド
１８ シリンダブロック
２０ 座面
Claims (3)
- シリンダヘッドとシリンダブロックにウォータジャケットがそれぞれ個別に形成され、該ウォータジャケットの入口は共用化されながら内部に向けて断面積が縮小する形態で形成され、前記ウォータジャケットの出口が各シリンダヘッド側にそれぞれ個別に形成されたことを特徴とする分離冷却システムが適用されるエンジンのシリンダヘッドとシリンダブロック用ウォータジャケットの構造。
- 前記シリンダブロック側ウォータジャケットの出口は連結通路を介して前記シリンダヘッド側に上向きに設定されたことを特徴とする請求項１に記載の分離冷却システムが適用されるエンジンのシリンダヘッドとシリンダブロック用ウォータジャケットの構造。
- 前記シリンダヘッドの一側には前記ウォータジャケットの出口とマッチングするサーモスタット器具装着のための座面が形成されたことを特徴とする請求項１に記載の分離冷却システムが適用されるエンジンのシリンダヘッドとシリンダブロック用ウォータジャケットの構造。
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