JP3643400B2 - 食品包装用シート及び食品密封容器のピンホール不良検査方法並びに装置 - Google Patents

食品包装用シート及び食品密封容器のピンホール不良検査方法並びに装置 Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、食品包装用シート及び食品密封容器のピンホール不良検査方法及び装置に関し、特に導電性層を挟んで樹脂層を積層した食品包装用シートあるいはその食品包装用シートを使用した食品密封容器のピンホール不良検査方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レトルト食品などの各種食品の包装用シートとして、アルミニウム箔などの金属箔(導電性層)とその金属箔を挟んで積層された樹脂フィルム(樹脂層)とによるラミネート構造の食品包装用シートが知られており、またこの食品包装用シートの樹脂層を熱溶着して形成された高気密性の食品密封容器が知られている。
【0003】
このような食品密封容器においては、気密性を保証するためにピンホール不良の検査が行われる。
食品密封容器のピンホール不良検査方法として、特公昭50−6998号公報に示されているように、食品密封容器の電気絶縁性表面に表面積が大きい接地電極を接触させ、食品密封容器を挟んで表面積が小さい検出電極を接地電極に対向させて食品密封容器の電気絶縁性表面に接触させ、検出電極と接地電極との間に高周波電圧を印加し、放電電流の有無よりピンホール不良を検出する方法が知られている。またこの方法を使用したピンホール不良検査装置が特開昭62−70725号公報に示されている。
【0004】
この食品密封容器のピンホール不良検査方法及び装置は、高周波電圧の印加によるコンデンサ結合を利用するものであり、検出電極と接地電極との表面積差により接地電極と容器内の内容物との間の静電容量を、検出電極と容器内の内容物との間の静電容量に対して無視できるものとし、内容物による電気抵抗と、検出電極と内容物との間の静電容量との直列回路を等価回路として、検出電極と接触する食品密封容器にピンホールがあれば、検出電極と内容物との間の静電容量部による放電間隙に閃絡が発生する高周波電電圧を電極間に印加し、その電圧印加回路に放電電流が流れか否かを検出することを検査原理としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の食品密封容器のピンホール不良検査方法では、その検査原理により、接地電極の表面積に対して検出電極の表面積が充分に小さいと云う条件が必須である。このことは食品密封容器が豆腐用の容器のように電気絶縁性、換言すれば誘電性の合成樹脂材料だけによるものであれば、電極形状によりその条件を満たすことができる。しかし、レトルト食品などの食品密封容器のように、食品密封容器が金属箔による導電性層を含んだラミネート構造の食品包装用シートによるものである場合には、電極形状の如何に拘らずその条件を満たすことができない。
【0006】
このため、金属箔による導電性層を含んだラミネート構造の食品包装用シートによる食品密封容器については、上述のピンホール不良検査方法を適用できない。
本発明は、上述の問題点を解消すべくなされたものであり、金属箔を挟んだラミネート構造の食品包装用シートを用いた食品密封容器のピンホール不良検査を能率よく、しかも高い確実性をもって行うことができ、生産ラインでの全品検査に使用され得る食品密封容器のピンホール不良検査方法及び装置を提供することを目的とする。
【0007】
本発明は、また、金属箔を挟んだラミネート構造の食品包装用シートのピンホール不良検査を行うための方法及び装置を提供することをも目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明による食品包装用シートのピンホール不良検査方法は、接地電極をシート端面に露出する導電性層に接触させ、該接地電極とシート表面に接触もしくは接近させた検出電極との間に電圧を印加して放電電流の有無を検出することを特徴とする。
【0009】
本発明による食品密封容器のピンホール不良検査方法は、接地電極を食品密封容器を形成するシートの導電性層に接触させ、該接地電極と食品密封容器の表面に接触もしくは接近させた検出電極との間に電圧を印加して放電電流の有無を検出することを特徴とする。
接地電極と導電性層との接触は、食品密封容器の縁端部に導電性層が露出している部分で行うことができる。また、検出電極を食品密封容器の表裏両面に対して設置すると、食品密封容器の両面のピンホール不良を同時に検査することができる。
【0010】
本発明による食品密封容器のピンホール不良検査装置は、接地電極と、検出電極と、前記両電極に接続された電源と電流検出器とを有し、接地電極は食品密封容器の縁端部に接触可能に配置され、検出電極は食品密封容器の表面に接触もしくは接近可能に配置されており、電源により接地電極と検出電極との間に電圧を印加した時に流れる放電電流を電流検出器により検出することによりピンホール不良を検出することを特徴とする。
【0011】
製造工程で検査を行うのに適した本発明による食品密封容器のピンホール不良検査装置は、食品密封容器を搬送する搬送手段と、搬送手段の側方に食品密封容器の縁端部に接触可能に配置された接地電極と、搬送手段によって搬送される食品密封容器の両面に各々接触もしくは接近可能に配置された一対の検出電極と、接地電極と検出電極とに接続された電源及び電流検出器と、搬送手段によって搬送される食品密封容器が所定位置を通過したことを検出する容器検出手段と、容器検出手段からの検出信号を受けて各容器毎に検査期間を設定する検査タイミング設定手段とを含み、検査タイミング設定手段が設定する検査期間内に電流検出器により検出される電流が閾値を超えて流れたときピンホール不良を検出することを特徴とする。
【0012】
検出電極としてはブラシ電極、ローラー電極、平板電極等を用いることができるが、この検出電極は、食品密封容器の側端面に露出し、接地電極と接触している導電性層と短絡してはならない。検出電極としてブラシ電極を用いる場合には、検出電極付近で食品密封容器の端面を覆う構造とすると、この短絡を確実に防止することができる。また、一対の検出電極を、小径部とその両端に大径部を有する一対のローラ電極で構成すると、大径部を電気絶縁性として検査中の食品密封容器の両側縁の熱溶着シール部を挟んで案内することができ、検出電極と食品密封容器表面の位置関係が安定するので、ピンホール検査の信頼性を高めることができる。
【0013】
電源としては、直流電源、交流電源、高周波電源等いずれの電源も使用可能であるが、実用的には周波数が数kHz程度で電圧が数kV程度の交流電源を用いるのが便利である。電源の周波数あるいは電圧は、ピンホール検査を行う食品包装用シートあるいは食品密封容器に使用されている金属箔を挟んだラミネートシートの材質や膜厚、あるいは検出すべきピンホールの大きさ等に応じて、ピンホール不良が存在するときのみ閾値を超える放電電流が流れるような値に設定される。
【0014】
【作用】
本発明では、接地電極をシート端面に露出する導電性層、あるいは容器端面に露出する導電性層に接触させることにより、食品包装用シートあるいは食品密封容器の導電性層自体を実質的な接地電極板として機能させる。
この接地電極と、シートあるいは容器表面に接触もしくは接近させた検出電極との間には、ピンホールが存在しなければ放電電流が流れず、ピンホールが存在すると閾値を超える放電電流が流れるように電源電圧等が設定されているため、接地電極と検出電極との間の放電電流の有無からピンホール不良を検出することができる。
【0015】
そして、搬送される食品密封容器の通過を検出して検査期間を設定することにより、食品密封容器の前縁部あるいは後縁部端面に露出するシート導電層が搬送中に検出電極に接触することによって流れることがある検出信号を排除して、ピンホール不良による検出信号のみを確実に検出することができる。
また、接地電極を食品密封容器の縁端部に露出する導電性層に接触させて接地電極と導電性層とを導通状態にすることにより、生産ラインで搬送手段により搬送されている食品密封容器を停止させることなくピンホール不良検査を連続的に行うことができ、食品密封容器の生産性を低下させることなくピンホール不良検査を行うことができる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の実施例について添付した図を参照して詳細に説明する。
図1、図2は本発明による食品包装用シートのピンホール不良検査方法を実施する装置の一実施例を示している。本実施例の検査装置は、食品包装用シートSのラミネート製造ラインにおけるシート巻き取り部1の手前に設けられ、食品包装用シートSの両側端面に摺接する接地電極3と、食品包装用シートSを挟んで対向し食品包装用シートSを幅方向に横切って延在するガイドローラ5及びローラ状の検出電極7とを有している。検出電極7には高圧電源9が接続されており、高圧電源9と検出電極7とを導通接続する配線の途中に流れる電流の電流値を検出する電流計11が接続されている。
【0017】
電流計11には制御装置13が接続されている。制御装置13は、電流計11により検出される電流値が所定の閾値を超えたか否かを判別し、電流計11により検出される電流値が前記閾値を超えれば、食品包装用シートSの巻き取り速度に応じたタイミングでマーカー15へ動作命令を出力する。
食品包装用シートSは、図3に示されているように、アルミニウム箔などの金属箔による導電性層Saの一方の面にポリエチレン樹脂フィルムによる電気絶縁性の樹脂表層Sbに積層され、導電性層Saの他方の面にポリプロピレン樹脂フィルムによる電気絶縁性の熱溶着用樹脂層Scに積層された三層ラミネート構造をなし、両側端面に導電性層Saの端縁が露出している。
【0018】
接地電極3は、食品包装用シートSの両側端面に露出している導電性層Saの端面に摺接し、導電性層Saと直接的に導通状態になる。これにより導電性層Sa自体が実質的な接地電極板として作用する。
高圧電源9は、接地電極3と検出電極7との間に数kV、数kHz程度の高圧電圧を印加する。電源9の電圧は、シートSにピンホールが存在しなければ放電電流が流れず、ピンホールが存在するとき閾値を超える放電電流が流れるように設定されている。従って、検出電極7と接触している食品包装用シートSにピンホールがなければ、樹脂表層Sbの電気絶縁作用により検出電極7と導電性層Saとの間で放電は生じない。そのため、電流計11により検出される電流値が閾値を超えることはない。
【0019】
これに対し、検出電極7と接触している食品包装用シートSにピンホールがあると、そのピンホールにより樹脂表層Sbの電気絶縁作用が損なわれ、検出電極7と導電性層Saとの間で放電が生じ、電流計11により検出される電流値が閾値を超えることになる。この電流値変化より食品包装用シートSにピンホールがあることが判別され、制御装置13が所定のタイミングをもってマーカー15へ動作命令を出力する。これにより食品包装用シートSのピンホール発生部分にマーカー15によってインク等によるマークが付けられる。
【0020】
なお、上述の実施例では、検出電極7は食品包装用シートSと接触しているが、検出電極7を食品包装用シートSに対して微小エアギャップをおいて接近配置することもできる。
図4は、本発明による食品密封容器のピンホール不良検査方法の説明図である。食品密封容器Aは、上述の食品包装用シートSを、その熱溶着用樹脂層Scを内側にして二枚重ねにし、周縁部にて重なり合っている熱溶着用樹脂層Scを熱溶着することにより、内部に食品を収容して袋状に形成されている。図5は、食品密封容器Aの具体例を示している。この食品密封容器Aは四角形をしていて全周縁部を熱溶着による溶着代bとされ、溶着代bが食品密封容器Aの縁端部をなし、その内側が気密構造の食品収容部cとなっている。
【0021】
図4に戻って説明すると、食品密封容器Aの溶着代bの端面に導電性層Saの端面が露出しており、この端面に接地電極21が直接導通状態で接触している。これによりシートSの導電性層Sa自体が実質的な接地電極板として作用する。食品収容部cの表面には検出電極23が接触しており、高圧電源25により接地電極21と検出電極23との間に数kHz、数kV程度の高圧電圧を印加する。電源9の電圧は、シートSにピンホールが存在しなければ放電電流が流れず、ピンホールが存在するとき閾値を超える放電電流が流れるように設定されている。従って、この場合も検出電極23と接触している食品収容部cの食品包装用シートSにピンホールがなければ、樹脂表層Sbの電気絶縁作用により検出電極23と導電性層Saとの間で閾値を超える放電電流は生じない。
【0022】
これに対し、検出電極23と接触している食品収容部cの食品包装用シートSにピンホールpがあると、そのピンホールpにより樹脂表層Sbの電気絶縁作用が損なわれ、検出電極23と導電性層Saとの間で放電が生じ、電流計27により検出される電流値が閾値を超えることになる。この電流値変化より食品包装用シートSにピンホールがあることが判別される。
【0023】
検出電極23は食品収容部cの上下両面に各々に対向して配置するのが好ましく、その場合には食品密封容器Aの両面のピンホール不良を同時に検査することができる。本実施例においても、検出電極23を食品密封容器Aに対して接触させず、微小エアギャップをおいて接近配置することもできる。
また接地電極を針状電極により構成し、食品密封容器Aの食品収容部cの密封性を阻害することがない溶着代bに接地電極を突き刺すことにより、接地電極を食品密封容器Aの導電性層Saと導通接続させることもできる。
【0024】
図6〜図8は、本発明による食品密封容器のピンホール不良検査装置の一実施例を示している。図6は装置上面図、図7は側面図、図8は図6において検出位置に食品密封容器が位置する状態のA−A断面図である。
本実施例では、食品密封容器Aを搬送するベルトコンベア装置47の両側にガイド部材49が設けられている。ガイド部材49はプラスチックスなどの電気絶縁材料により構成され、ベルトコンベア装置47により水平搬送される食品密封容器Aの両側の溶着代bを受け入れるスリット状のガイド溝51を有している。ガイド溝51の溝底部に接地電極31が固定配置されており、ガイド溝51の入口部は食品密封容器Aの溶着代bを接地電極31の配置に的確に導くために上下左右方向に拡開されたテーパ形状になっている。これにより食品密封容器Aの両側の溶着代bの端面に露出している導電性層Saの端面がベルトコンベア装置47により水平搬送されている接地電極31と確実に導通接触する。ガイド溝51の入口部近傍には当該部分を食品密封容器Aの先端縁が通過したことを検出する容器センサ53が設けられている。
【0025】
ベルトコンベア47の上方には、食品密封容器Aの上面に接触可能にブラシ状の検出電極33が配置されており、接地電極31と検出電極33との間には、数kHz、数kV程度の電圧を印加する高周波高圧電源35が接続されている。電気絶縁材料により構成されたガイド部材49は、ブラシ状の検出電極33から食品密封容器Aの縁部を隠して、検出電極33が縁端部に露出する導電性層を介して接地電極31と短絡することを防止する機能も有している。
【0026】
高周波高圧電源35と検出電極33とを導通接続する配線の途中には、そこ流れる電流の電流値を検出する電流検出器37と数MΩ程度の保全抵抗39とが接続されている。電流検出器37にはDCアンプ39と直流変換器43が順に接続されており、電流検出器37が出力する電流値検出信号は、DCアンプ41によって増幅され、直流変換器43により直流電流値を示す信号に変換されて演算器45に入力される。
【0027】
演算器45は、直流電流値が検出電極33と接地電極31との間の放電による放電電流に相当する所定の閾値を超えたか否かを判別し、直流電流値が前記閾値を超えれば、ピンホール不良品として食品密封容器Aを排出する信号を図示されていない不良品排出シュータ制御部へ出力する。
食品密封容器Aはベルトコンベア装置47により搬送されており、ブラシ状の検出電極33は食品密封容器Aの上面に摺接し、接地電極31は、食品密封容器Aの溶着代bの端面に露出している導電性層Saの端面に摺接し、導電性層Saと導通状態になる。これにより導電性層Sa自体が実質的な接地電極板として作用する。
【0028】
検出電極33と接触している食品密封容器Aの上面にピンホールがなければ、樹脂表層Sbの電気絶縁作用により検出電極7と導電性層Saとの間で放電は生じない。これに対して、検出電極33と接触している食品密封容器Aにピンホールがあると、そのピンホールにより樹脂表層Sbの電気絶縁作用が損なわれ、検出電極33と導電性層Saとの間で放電が生じ、電流検出器37により検出される電流値が閾値を超えることになる。この場合には、演算器45が不良品排出シュータ制御部へ排出信号を出力する。
【0029】
図9は、図6〜図8に示したピンホール不良検査装置の制御系を示している。この制御系は容器センサ53からの検出信号を入力する検査タイミング設定部55を含んでいる。検査タイミング設定部55は、容器センサ53からの検出信号を受けて、ベルトコンベア47の搬送速度、センサ53の位置から検出電極33までの距離、食品密封容器Aの溶着代bの幅等によって決まる検査期間を各容器毎に設定し、この検査期間内における電流比較結果のみを有効とする。
【0030】
これにより、検出電極33が、食品密封容器Aの搬送過程で、食品密封容器Aの前縁あるいは後縁の溶着代bの端面に露呈している導電性層Saと接触することによって高騰する電流値が閾値を超えてもピンホール不良と判定されることが避けられる。
図10は、直流変換器43の出力例を示している。演算器45は、この出力電圧Vを所定の電圧閾値Vsと比較することによりピンホール不良を検出する。図10において、符号Tにより示されている期間が検査タイミング設定部55によって設定される検査期間であり、この検査期間T内において直流変換器43の出力電圧Vが所定の閾値Vsを超えれば、ピンホール不良と判定される。
【0031】
従って、図10にて、符号Ppにより示されているピンホール不良に起因する電圧ピークのみがピンホール不良として捉えられ、検出電極33が食品密封容器Aの前縁の溶着代bの端面に露出している導電性層Saに接触したことによる電圧ピークPa、あるいは後縁の溶着代bの端面に露出している導電性層Saに接触したことによる電圧ピークPbは判定のための比較対象から除外される。そのため、電圧ピークPa,Pbが電圧閾値Vsを超えてもピンホール不良と判定されることはなく、誤判定を防止することができる。
【0032】
図11〜図13は本発明による食品密封容器のピンホール不良検査装置の他の実施例を示している。なお、図11〜図13において、図6〜図8に対応する部分は図6〜図8に付した符号と同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例においては、直列に配置された2つの容器搬送用ベルトコンベア装置57、59が設けられており、ベルトコンベア装置57と59との接続部に上下一対のローラ状の検出電極33が設けられている。下側の検出電極33はフレーム61より所定の高さ位置にて回転可能に支持されており、上側の検出電極33は、フレーム61に形成された上下方向の長孔63に回転可能に係合し、ばね65のばね力により下側の検出電極33に対して押し付けられている。
【0033】
この上下一対の検出電極33は、各々導電性の小径部33aとその両端に電気絶縁性の大径部33bを有し、上下の小径部33a間に食品密封容器Aの食品収容部cが通過する空間を画定し、上下の大径部33bによって食品密封容器Aの両側縁の熱溶着シール部、即ち溶着代cを挟む。
容器搬送用ベルトコンベア装置57の終端近傍の両側に接地電極31を有するガイド部材49が配置されており、また容器搬送用ベルトコンベア装置59の始端近傍の両側にも接地電極32が配置されている。
【0034】
この実施例では、容器搬送用ベルトコンベア装置57によって水平搬送される食品密封容器Aの両側の溶着代bがガイド部材49のガイド溝51に係合し、この溶着代bがガイド溝51を通過しつつ溶着代bの導電性層Saの端面が接地電極31あるいは32と導通接触し、そして食品密封容器Aは上下の一対の検出電極33間に進入する。食品密封容器Aは両側の溶着代bを上下の大径部33bによって挟まれ、食品収容部cが小径部33a間を通過しつつその上下両面が各々上下の小径部33aに摺接する。これにより食品密封容器Aの上下両面のピンホール不良検査が同時に行われる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によると、金属箔による導電性層を含んだラミネート構造の食品包装用シートにおけるピンホール不良検査を能率よく、しかも高い確実性をもって行うことができる。
また本発明によると、金属箔による導電性層を含んだラミネート構造の食品包装用シートによる食品密封容器のピンホール不良検査を能率よく、しかも高い確実性をもって行うことができ、生産ラインでの全品検査が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】食品包装用シートのピンホール不良検査方法の一実施例を説明する概略側面図。
【図2】図1の要部の平面図。
【図3】食品包装用シートの端部と接地電極の関係を示す図。
【図4】食品密封容器のピンホール不良検査方法を説明する断面概略図。
【図5】(a)は食品密封容器の一例を示す平面図、(b)はその縦断面図。
【図6】食品密封容器のピンホール不良検査装置の一実施例を示す概略平面図。
【図7】図6に示した装置の概略側面図。
【図8】図6に示した装置の概略断面及び信号検出系の概略を示す図。
【図9】食品密封容器のピンホール不良検査装置の制御系を示すブロック線図。
【図10】食品密封容器のピンホール不良検査装置における検出信号の一例を示す図。
【図11】食品密封容器のピンホール不良検査装置の他の実施例を示す平面図。
【図12】図11に示した装置の概略側面図。
【図13】食品密封容器のピンホール不良検査装置にて使用される検出電極一実施例を示す図。
【符号の説明】
1…シート巻き取り部、3…接地電極、7…検出電極、9…電源、11…電流計、13…制御装置、15…マーカー、21…接地電極、23…検出電極、25…電源、27…電流計、31,32…接地電極、33…検出電極、35…電源、37…電流検出器、45…演算器、49…ガイド部材、53…容器センサ、55…検査タイミング設定部、65…ばね、S…食品包装用シート、Sb…樹脂表層、Sa…導電性層、Sc…熱溶着用樹脂層、3A…食品密封容器、b…溶着代、c…食品収容部

Claims (6)

  1. 導電性層を挟んで樹脂層を積層した食品包装用シートを熱溶着して形成された食品密封容器のピンホール不良検査方法において、接地電極を前記食品密封容器を形成する前記食品包装用シートの導電性層に接触させ、前記食品密封容器を搬送手段によって搬送しながら前記接地電極と食品密封容器の表面に接触もしくは接近させた検出電極との間に電圧を印加して放電電流の有無を検出することを特徴とする食品密封容器のピンホール不良検査方法。
  2. 前記接地電極を前記食品密封容器の縁端部に露出する導電性層に接触させることを特徴とする請求項記載の食品密封容器のピンホール不良検査方法。
  3. 前記検出電極を前記食品密封容器の両面に各々接触もしくは接近させ、食品密封容器の両面のピンホール不良を同時に検査することを特徴とする請求項又は記載の食品密封容器のピンホール不良検査方法。
  4. 導電性層を挟んで樹脂層を積層した食品包装用シートを熱溶着して形成された食品密封容器のピンホール不良検査装置において、接地電極と、検出電極と、前記両電極に接続された電源と電流検出器と、前記食品密封容器を搬送する搬送手段とを有し、前記接地電極は前記食品密封容器の縁端部に接触可能に配置され、前記検出電極は前記食品密封容器の表面に接触もしくは接近可能に配置されており、前記食品密封容器を前記搬送手段によって搬送しながら前記電源により前記接地電極と前記検出電極との間に電圧を印加した時に流れる放電電流を前記電流検出器により検出することによりピンホール不良を検出することを特徴とする食品密封容器のピンホール不良検査装置。
  5. 導電性層を挟んで樹脂層を積層した食品包装用シートを熱溶着して形成された食品密封容器のピンホール不良検査装置において、前記食品密封容器を搬送する搬送手段と、前記搬送手段の側方に前記食品密封容器の縁端部に接触可能に配置された接地電極と、前記搬送手段によって搬送される前記食品密封容器の両面に各々接触もしくは接近可能に配置された一対の検出電極と、前記接地電極と前記検出電極とに接続された電源及び電流検出器と、前記搬送手段によって搬送される前記食品密封容器が所定位置を通過したことを検出する容器検出手段と、前記容器検出手段からの検出信号を受けて各容器毎に検査期間を設定する検査タイミング設定手段とを含み、前記検査タイミング設定手段が設定する検査期間内に前記電流検出器により検出される電流が閾値を超えて流れたときピンホール不良を検出することを特徴とする食品密封容器のピンホール不良検査装置。
  6. 前記一対の検出電極は小径部とその両端に大径部を有するローラ電極により構成されて対向配置され、前記大径部は電気絶縁性であって前記食品密封容器の両側縁の熱溶着シール部を挟んで案内することを特徴とする請求項記載の食品密封容器のピンホール不良検査装置。
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