JP2003090826A - ピンホール検査装置およびピンホール検査方法 - Google Patents

ピンホール検査装置およびピンホール検査方法

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JP2003090826A
JP2003090826A JP2001285302A JP2001285302A JP2003090826A JP 2003090826 A JP2003090826 A JP 2003090826A JP 2001285302 A JP2001285302 A JP 2001285302A JP 2001285302 A JP2001285302 A JP 2001285302A JP 2003090826 A JP2003090826 A JP 2003090826A
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Japan
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pinhole
measurement
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electrode
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Application number
JP2001285302A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Murakawa
善浩 村川
Kenichi Sugino
健一 杉野
Toshitaka Hashimoto
利孝 橋本
Kazunari Takeuchi
和成 竹内
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Gunze Ltd
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Gunze Ltd
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 速い搬送速度においても検査洩れがなく、判
定用計測値およびしきい値を精度よく設定でき、高い精
度での検査が可能なピンホール検査装置およびピンホー
ル検査方法を提供する。 【解決手段】 導電性内容物1が充填された絶縁性密封
包装体2に接触させる第1の電極5と、絶縁性密封包装
体2の検査部位3に配置する第2の電極6と、両電極間
に電位差を与える電源4と、放電電流100をからアナ
ログ信号110を発生させるアナログ信号発生手段7
と、アナログ信号110をディジタル変換して判定用計
測値120を生成する判定用計測値生成手段26とを含
む計測部22、判定用計測値120としきい値130と
を比較して判定結果140を生成する判定手段27を含
む判定部23および制御手段25と記憶手段28とを含
む制御部21を備え、計測部22における計測処理と、
判定部23における判定処理とを独立して実行させる機
能を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液状の医薬品や飲
食物などの導電性内容物が充填された絶縁性密封包装体
のシール部および胴部におけるピンホールの有無を検査
するピンホール検査装置およびピンホール検査方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】生理食塩水、ブドウ糖液、蒸留水等の輸
液と呼ばれる液状の医薬品や飲食物などは、袋やボトル
などの包装体に充填され、密封された状態で流通される
のが一般的である。これらの内容物が充填され密封され
る包装体の材料には、ポリエチレン(PE)、ポリプロ
ピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、塩化ビニル(PVC)などの合成樹脂が広く用い
られている。包装体には、例えば、輸液バッグや輸液ボ
トルなどの輸液容器、レトルト食品用、飲料用PETボ
トル等の包装容器などがある。
【0003】上記のような内容物が充填された包装体
は、充填された内容物の漏出を防止するために、通常密
封される。内容物が充填される前の包装体には開口部が
あり、この開口部から内容物を充填した後、これを閉塞
する操作が行われる。そのような処理として、熱シール
処理が採用されている。
【0004】熱シールには、開口部をキャッピングする
方法、シート状の部分を重ね合わせてシールする方法な
どがある。いずれの場合も、包装体のシールする部位を
押さえつけつつ、そこに熱を加えて融着させることによ
って接着する処理が施される。このようにして内容物が
充填された包装体を密封することができる。
【0005】しかし、熱シール処理を施した部位(熱シ
ール部という)に、微小な穴状の欠陥や熱シール処理の
際の接着不良による隙間状の欠陥など(以下、まとめて
ピンホールという)が発生することがある。発生したピ
ンホールは、包装体のシール部を貫通することがあり、
液洩れや内容物と外気との反応による内容物の品質低
下、雑菌の侵入などの弊害をもたらす可能性がある。ま
た、包装体の胴部においても、その製造工程において同
様のピンホールが発生する場合がある。
【0006】したがって、密封された包装体は、通常全
数について、熱シール部および胴部におけるピンホール
の有無が検査され、ピンホールが存在する場合には、不
良品として処理される。以下、この検査を行うための装
置についてその概要を説明する。
【0007】このような装置の一例として、特開昭54
−76284号公報には、2組の検査電極を備え、差動
方式によりピンホールを検出するために、S/N比を大
きくすることができるピンホール検査装置が開示されて
いる。一方、特開平6−8801号公報には、低周波高
電圧を印加して検査性能を向上させるピンホール検査装
置が開示されている。 図1は、従来の技術に係るピン
ホール検査装置の構成を示したブロック図である。以
下、逐次搬送されてくる、導電性内容物1が充填された
絶縁性密封包装体2の検査部位3を対象に、ピンホール
の有無を検査する場合について説明する。
【0008】図1に示されているように、従来の技術に
係るピンホール検査装置は、絶縁性密封包装体2に接触
させる第1の電極5と、絶縁性密封包装体2の検査部位
3に接触させるかまたは近接させて配置する第2の電極
6と、第1の電極5と第2の電極6との間に電圧を印加
する電源4と、第1の電極5と第2の電極6との間に生
じる放電電流100の計測値を、アナログ信号110と
して発生させるアナログ信号発生手段7と、計測された
アナログ信号110と予め設定されているしきい値13
0とを比較し、絶縁性密封包装体2の検査部位3におけ
るピンホールの有無を示す判定結果140を生成する計
測判定手段8を備える。
【0009】一般に、上記のような内容物は導電性を有
し、一方、包装体は絶縁性を有する。そこで、両者の電
気的特性の相違を利用した検査方法が採用されている。
以下、図1に示したピンホール検査装置を基に、その検
査方法について説明する。
【0010】まず、導電性内容物1が充填された絶縁性
密封包装体2に高電圧を印加する第1の電極5を接触さ
せ、次に検査電極と呼ばれる第2の電極6を包装体の熱
シール部などの検査部位3に接触させるか、または近接
させて配置する。
【0011】この状態では、第1の電極5と導電性内容
物1との間には絶縁性を有する絶縁性密封包装体2の材
料層が存在し、第2の電極6と導電性内容物1との間に
も絶縁性密封包装体2の材料層が存在する。したがっ
て、第1の電極5および第2の電極6と導電性内容物1
との間には、電気的には静電容量が存在することにな
る。なお、第2の電極6と絶縁性密封包装体2とを接触
させないときには、この間に空気層が加わるが、基本的
に静電容量が存在することには変わりがない。一方、内
容物は導電性を有するので、電気抵抗を持つ導線と同様
の作用をする。
【0012】したがって、第1の電極5と第2の電極6
との間に電源4がある場合には、第1の電極5、コンデ
ンサ、導電体(導電性内容物1)、コンデンサ、第2の
電極6の順で、電気回路が構成されることになる。コン
デンサに相当する絶縁性密封包装体2の検査部位3にお
ける材料層にピンホールがない場合には、ほとんど電流
が流れない。コロナ放電により、わずかに電流が流れる
程度である。
【0013】一方、検査部位3にピンホールが存在する
と、ピンホール部で第2の電極6と導電性内容物1との
間に火花放電が生じるので、第1の電極5と第2の電極
との間を流れる電流(以下、放電電流という)が、著し
く増加する。すなわち、ピンホールの有無により、電流
値に顕著な変化が現れる。これにより、ピンホールの有
無を判別し、良品と不良品とを区別することができる。
【0014】このような従来の技術に係るピンホール検
査装置では、ピンホールがないと判定する場合の電流値
(以下、しきい値と記す)が予め設定されている。そし
て、計測判定手段8は、計測されたアナログ信号110
の値としきい値130とを比較し、計測値がしきい値よ
り大きいときにピンホールがあると判定する。
【0015】このように、しきい値130は非常に重要
なパラメータである。この値が低過ぎると実質的に良品
であるものを不良品と判定して処分してしまう可能性が
あり、高過ぎると不良品を良品と判定して出荷してしま
う危険性がある。なお、アナログ信号110とは、検査
部位3において計測された信号、例えば、検査部位3の
キャップ部3aの全周を連続的に計測したときに、計測
される信号を意味する。
【0016】通常、第2の電極6の一端は抵抗器などを
挟んで接地されており、アナログ信号発生手段7は、放
電電流100を計測すると、第2の電極6と接地部との
間(抵抗器の両端)で放電電流100に依存した電位を
獲得し、これをアナログ信号110として出力する。
【0017】ピンホールがなく、ピンホールに起因する
放電が起こらず、静電容量の均一性が保たれていると
き、アナログ信号110は、第2の電極6の検査部位3
における検査位置の変位に対して、通常ノイズによる複
数のピークを含む平坦な波形を描く。それに対し、ピン
ホールが存在するときには、検査位置の変位に対してピ
ンホールによるピークを有する波形となる。
【0018】しきい値130は、計測されたピーク値が
ノイズによるものなのか、またはピンホールに起因する
ものなのかを判定するための基準であり、通常その最適
値は導電性内容物1や絶縁性密封包装体2の品種などで
変化する。そのため、被検査体と同じ構成形態の良品を
検査したときのアナログ信号110の値を基に設定され
るのが一般的である。
【0019】しかし、アナログ信号の特性上、ピーク値
の確認やピーク値の保存、しきい値130の設定などの
精度が不十分であった。例えば、作業者が、ノイズのた
め逐次変化し続ける良品のアナログ信号110から、目
視などでそのピーク値を観察してピーク値を選び、その
ピーク値を約1.5〜3倍した値をしきい値130とし
て設定するといった方法が採られている。そのため、し
きい値130は、個人差の影響大きく受けるなど、信頼
性の高い値を得ることができないのが実情である。
【0020】さらに、絶縁性密封包装体2にピンホール
がない場合でも、アナログ信号110は、包装体の肉厚
変動や表面性状、外部からの電磁波、温度、湿度など様
々な計測条件の影響を受け、ノイズによる多くの細かな
ピークを伴う。特に、欠陥が小さい場合や導電性内容物
1の導電性が低いときには、バックグラウンドのノイズ
レベルに対するピンホールによる電流変化の比率が小さ
くなる。このような場合には、しきい値の設定が特に難
しい。
【0021】このように、従来の技術に係るピンホール
検査装置は、不十分な精度のしきい値130を基にして
おり、その検査精度もまた不十分であった。さらに、し
きい値130は、導電性内容物1や絶縁性密封包装体2
の品種などの他、同じ品種間でも、形状や特性上のばら
つき、計測条件など様々な要因により変動してしまうの
で、設定したしきい値が適正値であるか否かの判断も困
難であった。
【0022】また、アナログ信号をディジタル信号に変
換し、ディジタル信号の処理による方法も提案されてい
る。この方法では、アナログ信号を計測した後、そのデ
ータをディジタル信号に変換し、逐次そのディジタル信
号をしきい値と比較判定することによって、ピンホール
の有無を判定することが行われる。
【0023】しかし、この方法では、アナログ信号を計
測し、ディジタル信号に変換した後、判定処理を行い、
その判定処理が済んだ後、次のアナログ信号を計測する
ので速い速度で洩れなく検査することができなかった。
その結果、従来のディジタル信号による検査方法では高
速化ができなかった。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、導電性内容
物が充填された絶縁性密封包装体のピンホール検査にお
いて、検査洩れを確実に防止でき、速い搬送速度におい
ても高い精度で検査を行うことができる、ピンホール検
査装置およびピンホール検査方法を提供することを目的
とする。
【0025】また、本発明は、導電性内容物が充填され
た絶縁性密封包装体のピンホール検査において、判定用
計測値を精度よく生成することができ、これにより、良
品と不良品との判定においてさらに優れた判定精度を実
現することができる、ピンホール検査装置およびピンホ
ール検査方法を提供することを目的とする。
【0026】また、本発明は、導電性内容物が充填され
た絶縁性密封包装体のピンホール検査において、良品ま
たは不良品の判定処理の基礎となるしきい値を、自動的
に精度よく設定することができ、これにより、良品と不
良品との判定において優れた判定精度を実現することが
できる、ピンホール検査装置およびピンホール検査方法
を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決する手段】本発明に係るピンホール検査装
置は、導電性内容物が充填された絶縁性密封包装体に接
触させる第1の電極と、絶縁性密封包装体の検査部位に
接触させるかまたは近接させて配置する第2の電極と、
第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加する電源
と、第1の電極と第2の電極との間に生じる放電電流の
計測値を、アナログ信号として発生させるアナログ信号
発生手段と、アナログ信号をディジタル信号に変換し、
ディジタル信号を基にピンホール判定用計測値を生成す
る判定用計測値生成手段とを含む計測部、判定用計測値
と予め設定されているしきい値とを比較し、該比較に基
づいて絶縁性密封包装体の検査部位におけるピンホール
の有無を判定し、判定結果を生成する判定手段を含む判
定部、ならびに少なくとも、判定用計測値、しきい値お
よび判定結果を記憶する記憶手段と、計測部、判定部お
よび記憶手段を制御する制御手段とを含む制御部を備
え、計測部における計測処理と判定部における判定処理
とを独立して実行させる機能を有することを特徴とす
る。
【0028】上記の装置によれば、計測処理と判定処理
とを独立に平行して実行させることができるので、検査
洩れを防止しつつ、速い搬送速度においても高い精度で
検査を行うことができる。また、判定用計測値を精度よ
く生成することができ、これにより、良品と不良品との
判定において優れた判定精度、検査精度を実現すること
ができる。
【0029】本発明に係るピンホール検査装置は、制御
部が、アナログ信号をディジタル信号に変換する区間ま
たはアナログ信号を計測する区間を指定する計測制御信
号発生手段を備えることが望ましい。
【0030】上記の装置によれば、ピンホール検査おけ
る検査区間を正確に設定することができるので、判定用
計測値のデータ形態を確定することができ、判定用計測
値の管理が容易となる。
【0031】ここで、制御手段が、記憶手段に、1つの
検査部位における判定用計測値を格納した後、1つの絶
縁性密封包装体に対する一連の検査部位における判定用
計測値を格納した後、または、複数の絶縁性密封包装体
に対する一連の検査部位における判定用計測値を記憶手
段に格納した後に、判定用計測値を判定部に出力する機
能を有することが望ましい。
【0032】上記の装置によれば、絶縁性密封包装体の
搬送装置で構成される多種多様な搬送システムに適合す
るように、判定用計測値のデータ処理単位を設定するこ
とができ、検査洩れ等の誤動作を防ぎつつ、速い搬送シ
ステムの搬送速度に対応した、速い搬送速度においても
高い精度で検査を行うことができる。
【0033】本発明に係るピンホール検査装置は、制御
部が、ピンホールが検出されないことを示す1または複
数の判定用計測値を基に、しきい値を生成するしきい値
管理手段を備えることが望ましい。
【0034】上記の装置によれば、実際の計測条件に適
合したしきい値の生成が可能となり、しきい値を自動的
に精度よく設定することができ、良品と不良品との判定
において優れた判定精度を実現することができる。ま
た、しきい値の設定を自動的に処理することができ、設
定処理の高速化、省力化および人為的なミスの抑制が可
能となる。
【0035】また、本発明に係るピンホール検査装置
は、制御部が、導電性内容物の特性および絶縁性密封包
装体の構成形態のうち少なくとも一方の情報を含む計測
条件を基に、記憶手段に格納されるしきい値を設定する
しきい値管理手段を備えることが望ましい。
【0036】上記の装置によれば、導電性内容物や絶縁
性密封包装体の品種など、計測条件の変化に対応したし
きい値の設定が可能となり、良品と不良品との判定にお
いて優れた判定精度を実現することができる。また、し
きい値の設定を自動的に処理することができ、処理の高
速化、省力化および人為的なミスの抑制が可能となる。
【0037】ここで、本発明に係るピンホール検査装置
は、しきい値管理手段が、導電性内容物の特性および絶
縁性密封包装体の構成形態のうちの少なくとも一方の情
報を含む計測条件と、過去に計測した判定用計測値とを
基に、しきい値が正常値であるか否かを判断する機能を
有することが望ましい。
【0038】上記の装置によれば、導電性内容物や絶縁
性密封包装体の品種ごとに、設定したしきい値が正常値
であるか否かを確認することができ、異常なしきい値の
設定を防止できる。
【0039】本発明に係るピンホール検査方法は、第1
の電極を、導電性内容物が充填された絶縁性密封包装体
に接触させるステップと、第2の電極を、絶縁性密封包
装体の検査部位に接触させるかまたは近接させて配置す
るステップと、第1の電極と第2の電極との間に電圧を
印加するステップと、第1の電極と第2の電極との間に
生じる放電電流の計測値を、アナログ信号として発生さ
せるステップと、アナログ信号を、ディジタル信号に変
換し、ディジタル信号を基にピンホール判定用計測値を
生成するステップと、判定用計測値を格納するステップ
と、判定用計測値と予め設定されているしきい値とを比
較し、該比較に基づいて絶縁性密封包装体の検査部位に
おけるピンホールの有無を判定し、判定結果を生成する
ステップとを含み、判定用計測値を生成し、判定用計測
値を格納する計測処理と、格納された判定用計測値およ
びしきい値から判定結果を生成する判定処理とを独立し
て実行することを特徴とする。
【0040】また、本発明に係るピンホール検査方法
は、アナログ信号をディジタル信号に変換する区間また
はアナログ信号を計測する区間を指定することが望まし
い。
【0041】ここで、1つの検査部位における判定用計
測値を格納した後、1つの絶縁性密封包装体に対する一
連の検査部位における判定用計測値を格納した後、また
は、複数の絶縁性密封包装体に対する一連の検査部位に
おける判定用計測値を記憶手段に格納した後に、判定用
計測値に対する判定処理を実行することが望ましい。
【0042】本発明に係るピンホール検査方法は、ピン
ホールが検出されないことを示す1または複数の判定用
計測値を基にしきい値を生成するしきい値設定ステップ
を備えることが望ましい。
【0043】また、導電性内容物の特性および絶縁性密
封包装体の構成形態のうち少なくとも一方の情報を含む
計測条件を基に、格納されたしきい値を設定するしきい
値設定ステップを備えることが望ましい。
【0044】ここで、しきい値設定ステップが、導電性
内容物の特性および絶縁性密封包装体の構成形態のうち
少なくとも一方の情報を含む計測条件と、過去に計測し
た判定用計測値とを基に、しきい値が正常値であるか否
かを判断するステップを含むことが望ましい。
【0045】本発明において、導電性内容物とは、電圧
を印加したときに、計測可能な電流が流れる液体を意味
し、例えば、生理食塩水、ブドウ糖液、蒸留水などが含
まれる。また、絶縁性密封包装体とは絶縁性を有する材
料で作製され、密封された包装体を意味し、その材料に
はポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポ
リエチレンテレフタレート(PET)、塩化ビニル(P
VC)などがある。一方、検査部位とは、絶縁性密封包
装体において、ピンホールの有無を検査する領域を意味
する。1つの絶縁性密封包装体に複数の検査部位がある
場合も含む。
【0046】第2の電極を、絶縁性密封包装体の検査部
位に「接近させる」とは、ピンホールが存在しない場合
でも、放電電流を感知することができる位置まで、検査
部位に接近させた状態を意味する。第2の電極と絶縁性
密封包装体とが接触しても検査上問題がない場合には、
第2の電極と絶縁性密封包装体とを接触させることもで
きる。
【0047】なお、本明細書においては、便宜上、計測
部、判定部および制御部に分けて説明されているが、こ
れらは機能上の区分であり、装置上一体化されていても
よく、全体としてそれらの機能が発揮されるように構成
されていればよい。
【0048】
【発明の実施の形態】図2は、本発明の実施の形態に係
るピンホール検査装置の構成を示したブロック図であ
る。図2に示されているように、本発明の実施の形態に
係るピンホール検査装置は、計測部22、判定部23お
よび制御部21を備える。
【0049】計測部22は、第1の電極5と、第2の電
極6と、電源4と、アナログ信号発生手段7と、判定用
計測値生成手段26とを含んでいる。この計測部22
は、絶縁性密封包装体2の検査部位3において放電電流
100を計測し、放電電流100からアナログ信号11
0を発生させ、これをディジタル信号に変換し、ピンホ
ールの判定用計測値120を出力する機能を有する。
【0050】第1の電極5および第2の電極6には、検
査部位3の状態により多種多様な形状の電極が使用され
る。一方、第2の電極6は、例えば、検査部位3の幅が
狭く、かつ第2の電極6を接触させることが困難な場合
には、検査部位3に近接させる第2の電極6の先端を細
く鋭い形状とするのがよく、それによって計測時のS/
N比(信号/ノイズ比)を向上させることができる。
【0051】電源4には、高電圧を発生させることがで
きるタイプのものを用いる。また、放電電流100と
は、電源4により電圧を印加したときに、第2の電極6
と第1の電極5との間に流れる電流を意味し、これには
コロナ放電電流や火花放電電流などが含まれる。
【0052】アナログ信号発生手段7とは、放電電流1
00の計測値を、アナログ信号110として発生させる
手段を意味する。図示されていないが、例えば、抵抗器
を介して第2の電極6を接地し、抵抗器の両端で検出さ
れる電位差から、アナログ信号110を発生させるもの
などが挙げられる。
【0053】判定用計測値生成手段26とは、アナログ
信号110を通常の手法でディジタル信号に変換し、こ
のディジタル信号を基にピンホール判定用計測値120
を生成する手段を意味し、このA−D変換機能は一般的
なA−D変換装置で実現できる。ディジタル信号から判
定用計測値120を生成させる方法については後述す
る。
【0054】判定部23は、判定手段27を含み、判定
用計測値120と、後述する記憶手段28に格納されて
いるしきい値130とを比較し、この比較に基づいて絶
縁性密封包装体2の検査部位3におけるピンホールの有
無を判定し、その結果を示す判定結果140を生成する
機能を備えている。記憶手段28に格納されているしき
い値130は、予め、判定時に利用することができるよ
うに設定されている。なお、判定部23、判定手段27
などの機能は通常のコンピュータで実現することができ
る。
【0055】制御部21は、計測部22、判定部23お
よび記憶手段28を制御する制御手段25と、記憶手段
28とを含んでおり、計測部22における計測処理と、
判定部23における判定処理とを独立して実行させる機
能を有する。制御部21、制御手段25などの機能も通
常のコンピュータで実現することができる。さらに、図
2に示されているように、制御部21は、しきい値管理
手段29や計測制御信号発生手段30を含むことが望ま
しい。
【0056】記憶手段28とは、判定用計測値120、
しきい値130、判定結果140など、ピンホール検査
装置で発生するデータを記憶する手段を意味し、半導体
メモリや記録媒体などで実現できる。上述のA−D変換
装置やコンピュータに含まれるメモリを記憶手段28と
して利用することもできる。
【0057】しきい値管理手段29は、ピンホールが検
出されないことを示す1または複数の判定用計測値12
0、すなわち良品を計測したときの判定用計測値120
を基に、しきい値130を生成する手段である。しきい
値管理手段29の機能も、通常のコンピュータで実現す
ることができる。しきい値管理手段29の詳細について
は後述する。
【0058】計測制御信号発生手段30とは、アナログ
信号110をディジタル信号に変換する区間、またはア
ナログ信号110を計測する区間を指定する計測制御信
号170を発生させるものである。
【0059】制御部21、計測部22および判定部23
は、本発明に係るピンホール検査装置およびピンホール
検査方法における機能を区別して明確に説明するもので
あり、それぞれの中に含まれる各手段を、それぞれ別々
の装置に分割することができ、また同一の装置に併合す
ることも可能である。
【0060】本発明に係るピンホール検査装置またはピ
ンホール検査方法によれば、精度の高いしきい値130
を設定することが可能であり、また、正確な判定用計測
値120を求めることができる。この両者の組み合わせ
により、ピンホールの有無を正確に判定することができ
る。すなわち、しきい値130の設定不良や計測値の不
正確さによる誤った判定を防止することが可能であり、
かつ従来、良品でありながら不良品と判定していたもの
を良品と正確に判定できるので、判定歩留まりを向上さ
せることができる。以下に、その理由を説明し、同時に
本発明で採用するのに好適なしきい値130の設定方法
およびピンホール判定用計測値120の決定方法を説明
する。
【0061】図3に、ピンホールがない健全な包装体A
からEの絶縁性密封包装体2を対象とした1カ所の検査
部位3におけるアナログ信号110およびアナログ信号
110をディジタル変換した信号の例を示す。図3
(a)は計測されたアナログ信号110、同図(b)は
アナログ信号110をディジタル変換した後の信号を、
それぞれ模式的に示す図である。なお、しきい値は、1
つまたは複数の包装体の計測値から得られる信号レベル
を基に決定され(図3の場合は5個)、ピンホールが存
在しない場合の絶縁性密封包装体2において計測される
信号レベルのピーク値の約1.5〜3倍の値とされる。
ここでは、便宜的に、しきい値130を決定する基の信
号レベルを「しきい値用基礎計測値」と記して、しきい
値130と区別する。
【0062】アナログ信号110からしきい値用基礎計
測値を選ぶ場合、AからEの各包装体の最大値(図3
(a)における○印)を選び、さらにこれらの中の最大
値を選び、これを基にしきい値130を決定するのが最
も簡便な手段である。
【0063】しかし、アナログ信号110を基に、しき
い値用基礎計測値を求める場合には、図3(a)に示す
ようなアナログ波形から、作業者が適当な値を読み取る
という方法を採らざるを得ない。この場合には、しきい
値設定の不正確さ、個人差等を避けることができないと
いう問題がある。図3(a)では、作業者が最大値を読
み取り、これをしきい値用基礎計測値として、しきい値
130を見積もる場合を示している。このとき、リアル
タイムで変動するアナログ信号の最大値の中の最大値
を、作業者が目視でもって選び、しきい値用基礎計測値
とするので、個人差や波形の表れ方により最大値の選択
の仕方にある範囲のバラツキが生じる。その結果、しき
い値130もバラツキを生じることになり、信頼性が低
くなる。
【0064】これに対して、本発明においては、判定用
計測値生成手段26がアナログ信号110をディジタル
信号に変換した後、これを基にピンホール判定用計測値
120を生成する。そして、しきい値管理手段29が、
この判定用計測値120を基にしきい値を生成する。
【0065】このとき、しきい値用基礎計測値に、得ら
れた判定用計測値120(検査区間内)のうちのAから
Eの各包装体の最大値(図3(b)における○印)を選
び、さらにこれらの中の最大値(図3(b)における符
号B)が作業者によらず自動的に選択される。このよう
なしきい値用基礎計測値の決定方法によって得られた値
を、前述のように、約1.5〜3倍することによって、
作業者によらず、自動的にしきい値130が決定される
ので、精度に優れた、信頼性の高いしきい値130が得
られる。
【0066】したがって、図3(b)に示したように、
しきい値用基礎計測値およびしきい値130を予め定め
られた演算式により、それぞれの最適値に設定すること
ができ、図3(a)に示したような幅をなくすことがで
きる。結果として、しきい値を自動的に精度よく設定す
ることが可能となり、良品と不良品との判定において優
れた判定精度を実現することができる。
【0067】一方、ピンホール判定用計測値120の決
定方法およびピンホールの判定方法は、次のとおりであ
る。
【0068】図4は、ピンホールが存在する絶縁性密封
包装体2を対象とした1カ所の検査部位3におけるアナ
ログ信号110およびアナログ信号110をディジタル
変換した信号の例である。図4(a)は計測されたアナ
ログ信号110、同図(b)はアナログ信号110をデ
ィジタル信号に変換した後、ディジタル信号を基に生成
した判定用計測値120を、それぞれ模式的に示す図で
ある。
【0069】アナログ信号110からピンホールの有無
を判定する場合、従来の方法では、図4(a)に示した
ような波形と予め設定されているしきい値130とを比
較するときに、アナログ信号110を図1に示したよう
な計測判定手段8に入力し、リアルタイムでピンホール
の有無を判定する。アナログ信号110から求められる
しきい値130の精度が低いため、ピンホールの存在を
示すアナログ信号110の変化やピークが小さい場合に
は、判定が難しくなり、不良品(ピンホール有り)の識
別ミス、良品を不良品とする誤判定も起こり得るという
問題があり、全体的な検査精度を向上させることが難し
い。
【0070】図4においては、アナログ信号110に高
いレベルのノイズが存在する場合を示しており、このよ
うな場合にはノイズと信号とを区別することが困難とな
る。図4ではピンホールによるピークの他に、偽ピーク
のある場合が示されているが、偽ピークは、ピンホール
によるピークに比べてピークの幅が極端に狭いので、ノ
イズと判定しなければならない。しかし、仮にピンホー
ルによるピークがなく、偽ピークだけが存在する場合、
上記のように、アナログ信号をリアルタイムで判定する
と、偽ピークがピンホールに起因する信号として扱われ
る場合があり、誤判定の一因となる。
【0071】これに対して、本発明においては、判定用
計測値生成手段26がアナログ信号110をディジタル
変換した後、ディジタル信号から判定用計測値120を
生成する。判定用計測値120は、図4(b)に黒丸と
してプロットされているように、なるべく多くのディジ
タル信号を基に複数生成することが望ましい。ディジタ
ル変換された隣り合ういくつかの計測値を平均化するよ
うに演算して、判定用計測値120を生成することで、
ノイズレベルを緩和させることもできる。このとき、図
4(a)の場合と比べて、ピンホールによるピークの信
号レベルに大きな変化はないが、偽ピークの信号レベル
が著しく低下しており、上記のような誤判定を防ぐこと
ができ、判定の精度を高めることが可能となる。
【0072】なお、ディジタル信号から判定用計測値1
20を生成させるとき、ディジタル信号をそのまま判定
用計測値120とすることも可能であり、また、しきい
値用基礎計測値の決定の場合と同様に、複数のディジタ
ル信号から1つの判定用計測値120を生成することも
できる。例えば、ここではディジタル値のうちの最大値
を判定用計測値120としている。
【0073】上記のように、本発明の場合には、精度の
高いしきい値130の設定が可能であるだけでなく、判
定用計測値120を精度よく生成させることができ、こ
れにより、良品と不良品との判定において優れた判定精
度を実現することができる。
【0074】図5は、図2に示した制御手段25および
判定用計測値生成手段26によって実行される計測処理
の流れの好ましい形態を示したフローチャートである。
図5に示されているように、まず、ステップS501に
おいて、判定用計測値生成手段26は計測制御信号17
0を受信する。
【0075】計測制御信号170は、絶縁性密封包装体
2の搬送制御装置に備えられている計測制御信号発生手
段30から、制御手段25を介して、判定用計測値生成
手段26に送信されてくるトリガーに相当するものであ
り、アナログ信号110をディジタル信号に変換する区
間、またはアナログ信号110を計測する区間を指定す
る信号である。この信号を基に、各絶縁性密封包装体2
における各検査部位3での計測が実行される。
【0076】次に、ステップS502に進行して、計測
制御信号170により、次の判定用計測値120を生成
するか否かを判断する。ここで、計測を開始または継続
すると判断した場合には、ステップS503に進行し
て、上記のような方法で判定用計測値120を生成し、
ステップS504に進んで、生成した判定用計測値12
0を制御手段25に送信する。そして、制御手段25が
その判定用計測値120を記憶手段28に格納する。な
お、ステップS504の処理が終了すると、ステップS
501に戻る。
【0077】一方、ステップS502において、次の判
定用計測値120を生成しない、すなわち計測を終了ま
たは中止すると判断した場合には、ステップS506に
進行して、制御手段25が判定手段27に取込完了信号
150を送信し、計測処理を終了する。
【0078】取込完了信号150とは、制御手段25
が、予め定められているデータ数量(以下、蓄積データ
数量という)分の判定用計測値120を判定用計測値生
成手段26から受け取り、記憶手段28に格納したとき
に、判定手段27に送信する信号である。このようにし
て、逐次搬送されてくるどの絶縁性密封包装体2に、ど
の判定用計測値120が対応しているのかを正確に判別
することができ、検査洩れなどのミスを防ぐことが可能
となる。
【0079】蓄積データ数量は、記憶手段28に格納し
た判定用計測値120を判定部23に出力するまでに、
制御手段25が、記憶手段に蓄積しておくデータ数量を
意味する。蓄積データ数量には、例えば、1つの検査部
位3における判定用計測値120の数、1つの絶縁性密
封包装体2に対する一連の検査部位3における判定用計
測値120の数、複数の絶縁性密封包装体2に対する一
連の検査部位3における判定用計測値120の数など多
様な設定が可能である。
【0080】制御手段25が、記憶手段28に、蓄積デ
ータ数量分の判定用計測値120を格納した後に、格納
した判定用計測値120を順次判定部23に出力する。
これにより、絶縁性密封包装体2の搬送装置で構成され
る多種多様な搬送システムに適合するように、判定用計
測値120のデータ処理単位を設定することができ、検
査洩れ等の誤動作を防ぎつつ、速い搬送速度を有する搬
送システムにおいても高い精度で検査を行うことができ
る。
【0081】上記のような計測処理を行う際、第2の電
極の移動速度を考慮して、単位時間当たりに、アナログ
信号100からディジタル信号を発生させる割合となる
サンプリングレートを設定する。サンプリングレート
は、第2の電極の移動速度を考慮する。このような機能
は、A−D変換装置にアナログ信号を入力して、サンプ
リングを開始するタイミングと、終了するタイミングと
にトリガーとして計測制御信号170を送信し、その
間、設定したサンプリングレートでディジタル信号を逐
次出力させることで実現できる。このようなA−D変換
装置には、横河電機(株)製のPCベース計測器WE7
000が適している。
【0082】図6は、図2に示した判定手段27が行う
判定処理の流れの好ましい形態を示したフローチャート
である。制御手段25から送信されてくる取込完了信号
150を受信すると、図6に示されているように、ま
ず、ステップS601において、判定手段27は、制御
手段25に伝送要求信号160を送信し、判定用計測値
120が送られてくるのを待つ。伝送要求信号160を
受信した制御手段25は、記憶手段28に格納された判
定用計測値120を判定手段27に送信する。
【0083】次に、ステップS602に進行して、制御
手段25から送られてくる判定用計測値120を受信す
る。このとき、ローパスフィルタなどを用いて判定用計
測値120のノイズを除去しておくことが望ましい。
【0084】判定用計測値120を受信すると、ステッ
プS603に進んで、判定用計測値120と予め設定さ
れているしきい値とを比較して、判定用計測値120が
しきい値より小さいか否かを判断する。
【0085】ステップS603において、判定用計測値
120がしきい値より小さいと判断した場合には、ステ
ップS604に進行して、一連の判定用計測値120を
判定したか否かを判断する。例えば、蓄積データ数量だ
け判定を繰り返すように設定するとよい。
【0086】ステップS604において、一連の判定用
計測値120を判定したと判断した場合には、ステップ
S605に進行し、検査した検査部位3にピンホールが
検出されなかった旨、または良品である旨の判定結果1
40を生成する、これにより良品としての通常搬送が指
示される。一方、一連の判定用計測値120を判定して
いないと判断した場合には、ステップS602に戻っ
て、次の判定用計測値120を受信する。
【0087】また、ステップS603において、判定用
計測値120がしきい値より小さくないと判断した場合
には、ステップS606に進み、絶縁性密封包装体2に
ピンホールが検出された旨、または不良品である旨の判
定結果140を生成する、これにより不良品としての排
除が指示される。
【0088】ステップS605またはステップS606
において判定結果140を生成すると、ステップS60
8に進み、制御手段25に判定結果140を送信して判
定処理を終了する。
【0089】以上のようにして、図5に示したような計
測処理と、図6に示したような判定処理とを、それぞれ
独立して実行させる機能を有する。それにより、検査洩
れ等の誤動作を防止しつつ、速い搬送速度においても高
い精度で検査を行うことができる。
【0090】具体的な例として、1つの絶縁性密封包装
体2に、検査部位3がシール部および胴部の2カ所(例
えば、キャップ部検査部位3aとボトム部検査部位3
b)にある場合、次のような手順で検査を行うとよい。
例えば、本発明の実施の形態に係るピンホール検査装置
を4セット用意する。そして、逐次搬送されてくる絶縁
性密封包装体2の第1の検査部位(キャップ部検査部位
3a)を第1と第2のピンホール検査装置で計測し、第
2の検査部位(ボトム部検査部位3b)を第3と第4の
ピンホール検査装置で計測するようにする。
【0091】また、搬送されてくる絶縁性密封包装体2
のうち奇数番目を第1と第3のピンホール検査装置で計
測し、偶数番目を第2と第4のピンホール検査装置で計
測するように設計する。各ピンホール検査装置における
計測処理はそれぞれの判定処理の終了を待たずに次の計
測処理を開始することができるので、ラインの高速化を
実現することができる。
【0092】図7は、図2に示した制御手段25および
しきい値管理手段29が行うしきい値設定処理の流れの
好ましい形態を示したフローチャートである。しきい値
130を設定する方法としては、前述のように判定用計
測値120を基にしきい値130を生成して、これを設
定する方法や、計測条件を基に過去に設定されたしきい
値130を読み出す方法がある。ここでは、その両方の
機能を備えたしきい値管理手段29について説明する。
【0093】図7に示されているように、まず、ステッ
プS701において、しきい値管理手段29は、制御手
段25から計測条件180を受信する。計測条件180
とは、電気伝導率などの導電性内容物1の特性、絶縁性
密封包装体2の構成形態などの被検査体に関する情報の
他、使用する計測装置や、その設定状況、計測時の気温
など計測条件に関して、検査に影響する因子を含む情報
である。さらに、判定用計測値120からしきい値13
0を生成するときに必要となるもの、例えば、上述した
例のように判定用計測値120を定数倍して、その結果
をしきい値130として設定する場合には、その定数や
上記計測条件の影響を加味した演算式を含むことが望ま
しい。
【0094】次に、ステップS702に進行して、しき
い値130を生成するか否かを判断する。このことは、
作業者が判断してもよく、制御手段25が定期的または
検査ロットの変更時に随時更新するようにしてもよい。
【0095】ステップS702において、しきい値13
0を生成すると判断するとステップS703に進行し
て、1つまたは複数の判定用計測値120を受信する。
そして、ステップS704に進行して、前述のような手
法でしきい値130を生成する。
【0096】次に、ステップS705に進行して、しき
い値130は正常値か否かを判断する。この判断として
は、しきい値管理手段29が、計測条件180と、それ
に対応する過去に計測した判定用計測値120とを基に
判断するとよく、また、しきい値130と、同様の計測
条件180の下で過去に使用したしきい値130とを比
較することもできる。
【0097】ステップS705において、しきい値13
0は正常値であると判断すると、ステップS706に進
行し、しきい値130を設定する。しきい値130は、
しきい値管理手段29から制御手段25を経て記憶手段
28に格納され、しきい値設定処理を終了する。一方、
しきい値130が正常値でないと判断するとステップS
708に進んで異常終了を告知し、しきい値設定処理を
終了する。
【0098】また、新たにしきい値130を生成するこ
となく、対応する計測条件180を基に、記憶手段28
に格納されたしきい値の中から該当する値を選び、しき
い値130として設定することも可能である。この場
合、ステップS702において、しきい値130を生成
しないと判断して、ステップS707に進行し、しきい
値130を受信した後、ステップS705に進行する。
【0099】本明細書に記載された図5〜図7に示した
フローチャートは、本発明の実施の形態に係るピンホー
ル検査装置または検査方法における手順の一例である。
各ステップにおける処理内容や、ステップの構成または
順序等は、実施する検査条件に応じて、適宜選択するの
がよい。
【0100】
【発明の効果】本発明に係るピンホール検査装置または
検査方法によれば、絶縁性密封包装体2の搬送速度を速
くした場合においても、1つの計測処理が終了すると対
応する判定処理の終了を待たずに次の計測処理を開始す
ることができる。それにより、検査洩れを確実に防止で
き、速い搬送速度においても高い精度で検査を行うこと
ができる。また、判定用計測値を精度よく生成すること
ができ、これにより、良品と不良品との判定において優
れた判定精度を実現することができる。
【0101】さらに、本発明に係るピンホール検査装置
によれば、絶縁性密封包装体2の検査工程またはそれを
組み込んだ絶縁性密封包装体2の製造工程全体としての
ラインの高速化を実現することができるという優れた効
果がある。
【0102】また、本発明に係るピンホール検査装置に
よれば、良品または不良品の判定処理の基礎となるしき
い値を、自動的に精度よく設定することができ、これに
より、良品と不良品との判定において優れた判定精度を
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の技術に係るピンホール検査装置の構成
を示したブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係るピンホール検査装
置の構成を示したブロック図である。
【図3】 ピンホールがない健全な包装体A〜Eの5個
の絶縁性密封包装体の同じ検査部位におけるアナログ信
号およびアナログ信号をディジタル変換した信号による
グラフである。
【図4】 ピンホールが存在する絶縁性密封包装体を対
象とした1カ所の検査部位におけるアナログ信号および
アナログ信号をディジタル変換した信号によるグラフ。
【図5】 図2に示した制御手段および判定用計測値生
成手段によって実行される計測処理の流れの好ましい形
態を示したフローチャートである。
【図6】 図2に示した判定手段が行う判定処理の流れ
の好ましい形態を示したフローチャートである。
【図7】 図2に示した制御手段およびしきい値管理手
段が行うしきい値設定処理の流れの好ましい形態を示し
たフローチャートである。
【符号の説明】
1 導電性内容物 2 絶縁性密封包装体 3 検査部位 4 電源 5 第1の電極 6 第2の電極 7 アナログ信号発生手段 21 制御部 22 計測部 23 判定部 25 制御手段 26 判定用計測値生成手段 27 判定手段 28 記憶手段 29 しきい値管理手段 30 計測制御信号発生手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉野 健一 京都府綾部市井倉新町石風呂1番地 グン ゼ株式会社研究開発部京都研究所内 (72)発明者 橋本 利孝 徳島県鳴門市大津町吉永273の4 (72)発明者 竹内 和成 徳島県板野郡松茂町中喜来字中瀬西ノ越36 の9 Fターム(参考) 2G060 AA11 AE02 AE03 AF01 AG03 EA07 EB02 EB05 HC13 HC19 HC21 KA12 2G067 AA45 BB22 CC01 DD23

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性内容物が充填された絶縁性密封包
    装体に接触させる第1の電極と、前記絶縁性密封包装体
    の検査部位に接触させるかまたは近接させて配置する第
    2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に
    電圧を印加する電源と、前記第1の電極と前記第2の電
    極との間に生じる放電電流の計測値を、アナログ信号と
    して発生させるアナログ信号発生手段と、前記アナログ
    信号をディジタル信号に変換し、該ディジタル信号を基
    にピンホール判定用計測値を生成する判定用計測値生成
    手段とを含む計測部、 前記判定用計測値と予め設定されているしきい値とを比
    較し、該比較に基づいて前記絶縁性密封包装体の前記検
    査部位におけるピンホールの有無を判定し、判定結果を
    生成する判定手段を含む判定部、ならびに少なくとも、
    前記判定用計測値、前記しきい値および前記判定結果を
    記憶する記憶手段と、前記計測部、前記判定部および前
    記記憶手段を制御する制御手段とを含む制御部を備え、 前記計測部における計測処理と前記判定部における判定
    処理とを独立して実行させる機能を有することを特徴と
    するピンホール検査装置。
  2. 【請求項2】 前記制御部が、前記アナログ信号を前記
    ディジタル信号に変換する区間または前記アナログ信号
    を計測する区間を指定する計測制御信号発生手段を備え
    ることを特徴とする請求項1に記載のピンホール検査装
    置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段が、前記記憶手段に、1つ
    の検査部位における前記判定用計測値を格納した後に、
    該判定用計測値を前記判定部に出力する機能を有するこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のピンホール検
    査装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段が、前記記憶手段に、1つ
    の絶縁性密封包装体に対する一連の検査部位における前
    記判定用計測値を格納した後に、該判定用計測値を前記
    判定部に出力する機能を有することを特徴とする請求項
    1または2に記載のピンホール検査装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段が、前記記憶手段に、複数
    の絶縁性密封包装体に対する一連の検査部位における前
    記判定用計測値を前記記憶手段に格納した後に、前記判
    定用計測値を前記判定部に出力する機能を有することを
    特徴とする請求項1または2に記載のピンホール検査装
    置。
  6. 【請求項6】 前記制御部が、ピンホールが検出されな
    いことを示す1または複数の前記判定用計測値を基に、
    前記しきい値を生成するしきい値管理手段を備えること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載のピン
    ホール検査装置。
  7. 【請求項7】 前記制御部が、前記導電性内容物の特性
    および前記絶縁性密封包装体の構成形態のうち少なくと
    も一方の情報を含む計測条件を基に、前記記憶手段に格
    納される前記しきい値を設定するしきい値管理手段を備
    えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記
    載のピンホール検査装置。
  8. 【請求項8】 前記しきい値管理手段が、前記導電性内
    容物の特性および前記絶縁性密封包装体の構成形態のう
    ちの少なくとも一方の情報を含む計測条件と、過去に計
    測した判定用計測値とを基に、前記しきい値が正常値で
    あるか否かを判断する機能を有することを特徴とする請
    求項6または7に記載のピンホール検査装置。
  9. 【請求項9】 第1の電極を、導電性内容物が充填され
    た絶縁性密封包装体に接触させるステップと、 第2の電極を、前記絶縁性密封包装体の検査部位に接触
    させるかまたは近接させて配置するステップと、 前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加す
    るステップと、 前記第1の電極と前記第2の電極との間に生じる放電電
    流の計測値を、アナログ信号として発生させるステップ
    と、 前記アナログ信号を、ディジタル信号に変換し、該ディ
    ジタル信号を基にピンホール判定用計測値を生成するス
    テップと、 該判定用計測値を格納するステップと、 該判定用計測値と予め設定されているしきい値とを比較
    し、該比較に基づいて前記絶縁性密封包装体の検査部位
    におけるピンホールの有無を判定し、判定結果を生成す
    るステップとを含み、 前記判定用計測値を生成し、該判定用計測値を格納する
    計測処理と、格納された前記判定用計測値および前記し
    きい値から前記判定結果を生成する判定処理とを独立し
    て実行することを特徴とするピンホール検査方法。
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Cited By (5)

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