JP2016038344A - 塗膜検査装置及びそれを用いた検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電性塗膜の欠損部を検出することができる塗膜検査装置を提供する。【解決手段】導電性基板12上に形成された導電性塗膜11を検査するための塗膜検査装置1であって、負荷インピーダンスに依存せず一定の電流を供給する定電流源41と、定電流源41から一定の電流が供給され、かつ、導電性塗膜11より電気伝導率の大きい液体9で濡れた状態の導電性塗膜11と接触させられるプローブ2と、プローブ2と導電性基板12との間に印加される電圧を測定する測定部42と、測定された電圧に対応する値と閾値との比較結果に基づいて、導電性塗膜11に欠損部があるか否かを判定する判定部43と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、塗膜を電気的に検査するための塗膜検査装置及びそれを用いた検査方法に関する。
従来から、導電性の基板上に形成された絶縁性塗膜のピンホールなどを検出する塗膜検査装置が知られている(例えば、特許文献1など参照)。当該塗膜検査装置は、導電性の基板と絶縁性塗膜の表面との間に、定電圧源によって高電圧を印加し、そのときに流れる電流の有無によって、絶縁性塗膜のピンホールなどの欠損部を検出する装置である。
特開平5−332981号公報
ところで、上述の絶縁性塗膜においては、帯電して静電気が発生する場合がある。絶縁性塗膜において静電気が発生した場合、異物を吸引するなどの問題が生じる。そこで、近年、絶縁性塗膜に代えて導電性塗膜が用いられている。導電性塗膜は、帯電しにくいため、静電気の発生が抑制される。
導電性塗膜においても、ピンホールなどの欠損部を検出する必要があるが、従来の絶縁性塗膜用の塗膜検査装置によっては、導電性塗膜の欠損部は検出できない。すなわち、絶縁性塗膜用の塗膜検査装置によって導電性塗膜を検査した場合、欠損部以外の正常部においても、高電圧印加時に電流が流れるため、欠損部と正常部とを区別できない。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、導電性塗膜の欠損部を検出することができる塗膜検査装置及びそれを用いた検査方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る塗膜検査装置は、導電性基板上に形成された塗膜を検査するための塗膜検査装置であって、負荷インピーダンスに依存せず一定の電流を供給する定電流源と、前記定電流源から前記一定の電流が供給され、かつ、前記塗膜より電気伝導率の大きい液体で濡れた状態の前記塗膜と接触させられるプローブと、前記プローブと前記導電性基板との間の電圧を測定する測定部と、前記電圧に対応する値と閾値との比較結果に基づいて、前記塗膜に欠損部があるか否かを判定する判定部と、を備える。
これにより、本発明の一態様に係る塗膜検査装置は、塗膜より電気伝導率の大きい液体で濡れた状態の塗膜の欠損部において、測定された電圧値に対応するインピーダンスが正常部より小さくなることを利用して、塗膜の欠損部を検出することができる。また、本発明の一態様に係る塗膜検査装置においては、定電流源から供給される電流値と、測定部によって測定される電圧とを用いて、四端子法により、プローブと導電性基板との間のインピーダンスを求めることができる。したがって、当該インピーダンスを二端子法によって求める場合より、誤差を抑制することができる。
また、本発明の一態様に係る塗膜検査装置は、前記判定部は、前記電圧に対応する値が前記閾値未満である場合に、前記塗膜に欠損部があると判定してもよい。
また、本発明の一態様に係る塗膜検査装置は、前記閾値を設定する閾値設定部をさらに備えてもよい。
これにより、本発明の一態様に係る塗膜検査装置において、塗膜のインピーダンス特性に応じて、適切な閾値を選択することができる。
また、本発明の一態様に係る塗膜検査装置は、前記閾値設定部は、前記閾値を予め定められた複数の値のいずれかに切り替えてもよい。
これにより、本発明の一態様に係る塗膜検査装置においては、ユーザは閾値設定部によって、容易に閾値を切り替えることができる。また、閾値設定部に予め定められた複数の値として、高い頻度で使用される複数の値を登録しておくことにより、閾値を設定する作業の効率を向上させることができる。
また、本発明の一態様に係る塗膜検査装置は、前記閾値設定部は、前記測定部で測定された前記電圧に所定の値を乗算した値を前記閾値として設定し、前記判定部は、前記閾値が設定された後に前記測定部で測定される前記電圧に対応する値と前記閾値との比較結果に基づいて、前記塗膜に欠損部があるか否かを判定してもよい。
これにより、本発明の一態様に係る塗膜検査装置においては、閾値が塗膜のインピーダンスに対応した値に自動的に設定されるため、ユーザによる塗膜に適した閾値を探索する作業が軽減される。
また、本発明の一態様に係る塗膜検査装置は、前記塗膜検査装置は、前記閾値を設定するための設定モードと、前記塗膜の検査を行うための検査モードと、に切り替え可能に構成され、前記閾値設定部は、前記設定モードにおいて、前記測定部によって測定された電圧値に基づいて、前記閾値を前記塗膜のインピーダンスに対応する値に設定し、前記検査モードにおいて、前記閾値を前記設定モードにおいて設定した値に維持し、前記判定部は、前記検査モードにおいて、前記測定部によって測定された電圧に対応する値と維持されている前記閾値との比較結果に基づいて、前記塗膜に欠損部があるか否かを判定してもよい。
これにより、本発明の一態様に係る塗膜検査装置においては、閾値が塗膜のインピーダンスに対応した値に自動的に設定されるため、ユーザによる塗膜に適した閾値を探索する作業が軽減される。
また、本発明の一態様に係る塗膜検査装置は、前記プローブは、ユーザによって把持されるためのグリップと、前記グリップに着脱可能に設けられた電極とを備えてもよい。
これにより、本発明の一態様に係る塗膜検査装置においては、種々の形状及び寸法の電極を準備しておくことで、検査対象物に合わせて、電極を交換することができる。
また、本発明の一態様に係る塗膜検査装置は、前記プローブは、ユーザによって把持されるためのグリップを備え、前記グリップは、前記判定部からの信号に基づいて前記グリップを振動させることによって、前記塗膜に欠損部があることをユーザに通知するバイブレータを備えてもよい。
これにより、本発明の一態様に係る塗膜検査装置においては、ブザー音を聞き取れないような騒音環境下においても、ユーザは、グリップの振動を感知することで、判定結果を知ることができる。
また、本発明の一態様に係る塗膜検査装置は、前記プローブと前記塗膜との間に流れる電流の向きを切り替える極性切替部をさらに備えてもよい。
これにより、本発明の一態様に係る塗膜検査装置においては、塗膜の抵抗成分に対して容量成分が支配的になる場合でも、当該容量成分によって、電流が流れなくなることを抑制することができる。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る検査方法は、導電性基板上に形成された塗膜を検査するための塗膜検査装置を用いた検査方法であって、前記塗膜検査装置は、負荷インピーダンスに依存せず一定の電流を供給する定電流源と、前記定電流源から前記一定の電流が供給されるプローブと、を備え、前記検査方法は、前記塗膜を、前記塗膜より電気伝導率の大きい液体で濡らすステップと、前記液体で濡れた状態の前記塗膜に前記プローブを接触させることにより、前記塗膜から前記導電性基板に一定の電流を流すステップと、前記プローブと前記導電性基板との間の電圧を測定するステップと、前記電圧に対応する値と閾値との比較結果に基づいて、前記塗膜に欠損部があるか否かを判定するステップと、を含む。
これにより、本発明の一態様に係る検査方法では、塗膜より電気伝導率の大きい液体で濡れた状態の塗膜の欠損部において、正常部よりインピーダンスが小さくなることを利用して、塗膜の欠損部を検出することができる。また、本発明の一態様に係る検査方法においては、定電流源から供給される電流値と、測定される電圧とを用いて、四端子法により、プローブと導電性基板との間のインピーダンスを求めることができる。したがって、当該インピーダンスを二端子法によって求める場合より、誤差を抑制することができる。
なお、本発明は、装置及び検査方法として実現できるだけでなく、検査方法におけるステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現することもできる。また、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現すること、及び、そのプログラムを示す情報、データ又は信号として実現することもできる。そして、それらプログラム、情報、データ及び信号は、インターネット等の通信ネットワークを介して配信してもよい。
本発明により、導電性塗膜の欠損部を検出することができる塗膜検査装置及びそれを用いた検査方法を提供することができる。
図1は、実施の形態1に係る塗膜検査装置の外観を示す斜視図である。 図2は、実施の形態1に係る塗膜検査装置の機能構成を示すブロック図である。 図3は、実施の形態1に係るプローブ本体の構成を示す断面図である。 図4は、実施の形態1に係る塗膜検査装置による検査対象物の良否判定の手順を示すフローチャートである。 図5は、実施の形態1に係る塗膜検査装置による検査対象物の良否判定における検査工程の手順を示すフローチャートである。 図6は、実施の形態1に係る塗膜検査装置による検査結果の一例を示すグラフである。 図7は、実施の形態1に係る塗膜検査装置の閾値を不適切な値に設定した場合における検査結果の一例を示すグラフである。 図8は、実施の形態1に係る塗膜検査装置の閾値を適切な値に設定した場合における検査結果の一例を示すグラフである。 図9は、実施の形態2に係る塗膜検査装置の機能構成を示すブロック図である。 図10は、実施の形態2に係る塗膜検査装置の動作を示すフローチャートである。 図11は、実施の形態2に係る塗膜検査装置を用いた場合における検査結果の一例を示すグラフである。 図12は、実施の形態3に係る塗膜検査装置の機能構成を示すブロック図である。 図13は、実施の形態3に係る塗膜検査装置の検査手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
なお、同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1に係る塗膜検査装置について、図面を用いて説明する。
[1−1.塗膜検査装置の概要]
まず、本実施の形態に係る塗膜検査装置の概要について図1を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係る塗膜検査装置1の外観を示す斜視図である。
図1には、本実施の形態に係る塗膜検査装置1、及び、塗膜検査装置1の検査対象である検査対象物10が示されている。
図1に示されるように、塗膜検査装置1は、プローブ2、アースクリップ3、本体4、プローブケーブル5及びアースケーブル6を備える。また、検査対象物10は、導電性基板12、及び、導電性基板12上に形成された導電性塗膜11から構成される。
プローブ2は、本体4内の定電流源から一定の電流が供給され、かつ、導電性塗膜11より電気伝導率の大きい液体で濡れた状態の導電性塗膜11と接触させられる部品である。プローブ2は、図1に示されるように、ユーザが把持するためのグリップ25と、検査対象物10に接触させられる部分であるプローブ本体20とを備える。プローブ本体20は、導電性塗膜11に電流を流すための電極を備える。本実施の形態に係るプローブ2の電極は、グリップ25に着脱可能に設けられている。これにより、種々の形状及び寸法の電極を準備しておくことで、検査対象物10に合わせて、電極を交換することができる。なお、プローブ本体20の詳細については後述する。
アースクリップ3は、検査対象物10の導電性基板12とアースケーブル6とを電気的に接続するためのクリップである。
本体4は、塗膜検査装置1を構成する電気回路などを内包する筐体である。本体4の詳細については後述する。
プローブケーブル5は、本体4とプローブ2とを電気的に接続するケーブルである。
アースケーブル6は、本体4とアースクリップ3とを電気的に接続するケーブルである。
本実施の形態に係る塗膜検査装置1においては、導電性塗膜11の表面が導電性塗膜11より電気伝導率が大きい液体で濡らされ、プローブ本体20と検査対象物10との間が、当該液体で満たされる。これにより、導電性塗膜11の欠損部に電気伝導率が大きい液体が流れ込むため、当該欠損部のインピーダンスが正常部のインピーダンスより小さくなる。塗膜検査装置1によって導電性塗膜11を検査する際には、プローブ本体20を導電性塗膜11の表面上において移動させながら、導電性塗膜11の表面上の各位置におけるインピーダンスを測定する。そして、欠損部のインピーダンスが正常部のインピーダンスより小さくなることを利用して、欠損部を検出する。
[1−2.塗膜検査装置の機能構成]
次に、本実施の形態に係る塗膜検査装置1の機能構成について、図1及び図2を用いて説明する。
図2は、本実施の形態に係る塗膜検査装置1の機能構成を示すブロック図である。
図2に示されるように、塗膜検査装置1の本体4は、極性切替部40、定電流源41、測定部42、判定部43、出力部44及び閾値設定部45を備える。
極性切替部40は、プローブ2と導電性塗膜11との間に流れる電流の向きを切り替えるスイッチである。極性切替部40は、手動で電流の向きを切り替える構成を有していてもよいし、所定の周期で自動的に電流の向きを切り替える構成を有していてもよい。また、極性切替部40は、定電流源41内部に備えられてもよい。極性切替部40によって電流の向きを切り替えることによって、導電性塗膜11の抵抗成分に対して容量成分が支配的になる場合でも、当該容量成分によって、電流が流れなくなることを抑制することができる。なお、極性切替部40は、導電性塗膜11の容量成分が比較的小さい場合には備えられなくてもよい。
定電流源41は、負荷インピーダンスに依存せず一定の電流を供給する電源であり、本実施の形態では、直流電流源が用いられる。本実施の形態においては、定電流源41から、プローブ2に供給された電流は、プローブ2から、検査対象物10、アースクリップ3及びアースケーブル6を介して定電流源41に戻る(図1参照)。なお、アースクリップ3を導電性基板12に接続する構成(図1参照)に代えて、アースクリップ3及び導電性基板12をそれぞれ接地する構成としてもよい。なお、定電流源41は連続的に電流を供給してもよいし、パルス的に電流を供給してもよい。また、定電流源41は、電流の向きを切り替える構成を備えてもよい。
測定部42は、プローブ2と導電性基板12との間に生成される電圧を測定する電圧測定器である。ここで、プローブ2に供給される電流値は一定であるので、測定部42によって測定された電圧は、プローブ2とアースクリップ3(すなわち導電性基板12)との間のインピーダンスに対応する値となる。
判定部43は、測定部42によって測定された電圧に対応するインピーダンスと、閾値との比較結果に基づいて、導電性塗膜11に欠損部があるか否かを判定する処理部である。ここで、閾値とは、導電性塗膜11に欠損部があるか否かを判定する基準となるインピーダンスである。また、判定部43は、判定結果を示す信号を出力部44に出力する。本実施の形態においては、判定部43は、測定部42によって測定された電圧からプローブ2とアースクリップ3との間のインピーダンスを求める。ここで、当該インピーダンスが、導電性塗膜11のインピーダンスに相当する。また、判定部43は、当該インピーダンスと閾値とを比較する。そして、当該インピーダンスが、閾値以上である場合には、判定部43は、検査対象物10の導電性塗膜11が正常に形成されていると判定して、0を示す信号を出力部44に出力する。一方、当該インピーダンスが、閾値未満である場合には、判定部43は、検査対象物10の導電性塗膜11に欠損部があると判定して、1を示す信号を出力部44に出力する。判定部43は、具体的には、プログラムを実行するプロセッサなどによって実現できる。なお、判定部43は、ハードウェアのみで構成されてもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現されてもよい。判定部43は、例えば、マイコンなどでも実現できる。
出力部44は、判定部43から入力された信号に基づいて判定結果を出力する処理部である。本実施の形態においては、出力部44は、本体4の外表面に設けられた表示部に判定結果を表示する。また、出力部44は、本体4の内部に設けられたブザーなどの音響機器によって判定結果をユーザに通知してもよい。さらに、出力部44は、プローブ2のグリップ25に設けられたバイブレータによって、グリップ25を振動させることにより、判定結果をユーザに通知してもよい。グリップ25に設けられたバイブレータによって判定結果をユーザに通知することにより、ブザー音が聞き取れないような騒音環境下においても、ユーザは、グリップ25の振動を感知することで、判定結果を知ることができる。
閾値設定部45は、判定部43において使用される閾値を設定する設定部であり、設定された閾値を示す信号を判定部43に出力する。閾値設定部45は、本体4の外表面に設けられた切替スイッチに対するユーザの操作に応じて、閾値を予め定められた複数の値のいずれかに切り替えることができる。なお、閾値設定部45における閾値の切り替えは、切替スイッチ以外の任意の入力装置によって実現されてもよい。
[1−3.プローブ本体の構成]
次に、プローブ本体20の構成について、図2及び図3を用いて説明する。
図3は、本実施の形態に係るプローブ本体20の構成を示す断面図である。
図3には、プローブ本体20の断面図とともに、検査対象物10の断面図、本体4、プローブケーブル5、及び、アースケーブル6も示されている。
図3に示されるように、プローブ本体20は、電極21、及び、パッド22を備える。また、パッド22は、導電性塗膜11より電気伝導率の高い液体9を吸収して含んでいる。
電極21は、パッド22によって、少なくとも一部が覆われ、かつ、本体4の定電流源41(図2参照)から電流が供給される導電性部材である。
パッド22は、液体9を吸収させるための部材であり、液体9を吸収して含むことにより、電極21と検査対象物10との間のインピーダンスを液体9のインピーダンス程度に維持する。さらに、パッド22は、検査対象物10の表面に液体9を供給する作用も奏する。これにより、図3に示されるように、検査対象物10の導電性塗膜11に欠損部111がある場合に、欠損部111が液体9で満たされ、欠損部111のインピーダンスが導電性塗膜11の正常部より低くなる。したがって、検査対象物10のインピーダンスに基づいて欠損部111を検出することができる。なお、パッド22としては、例えば、ウレタン製スポンジなどの液体吸収性が高い部材を用いることができる。
液体9は、上述のとおり、導電性塗膜11より電気伝導率の高い液体である。液体9としては、電解質溶液などを用いることができる。また、液体9として水道水を用いることもできる。水道水は塩分を含むため、純水よりも電気伝導率が高いからである。また、液体9を欠損部111の微小な空間に浸透させるために、液体9は界面活性剤を含有してもよい。
[1−4.検査手順]
次に、本実施の形態に係る塗膜検査装置1による検査手順について図4及び図5を用いて説明する。
図4は、本実施の形態に係る塗膜検査装置1による検査対象物10の良否判定の手順を示すフローチャートである。
図5は、本実施の形態に係る塗膜検査装置1による検査対象物10の良否判定における検査工程の手順を示すフローチャートである。
図4に示されるように、まず、塗膜検査装置1の閾値設定部45によって、閾値が設定される(S1)。ここで、検査対象物10の導電性塗膜11のインピーダンスが予め分かっている場合には、閾値は、当該インピーダンスより小さい値に設定される。例えば、閾値は、当該インピーダンスに0.5〜0.9を乗算した値に設定されてもよい。また、塗膜検査装置1によって検査対象物10のインピーダンスを予め測定し、当該測定結果に基づいて閾値が設定されてもよい。例えば、閾値は、測定された検査対象物10のインピーダンスの最小値に1より小さい所定の値を乗算した値に設定されてもよい。
次に、設定された閾値に基づいて、検査対象物10の検査が実行される(S2)。検査工程においては、図5に示されるように、まず、液体9をパッド22に十分に吸収させたプローブ本体20を、検査対象物10の導電性塗膜11の表面上に接触させることにより、導電性塗膜11上に液体9を供給して、導電性塗膜11を液体9で濡らす(S201)。続いて、プローブ本体20から導電性塗膜11に電流を供給し(S202)、測定部42によってプローブ本体20と導電性基板12との間の電圧を測定する(S203)。当該電圧を示す信号が、測定部42から判定部43に送信され、当該電圧に基づいて導電性塗膜11における欠損部の有無が、判定部43によって判定される(S204)。当該判定の結果は、出力部44からの出力によって確認される。
次に、図4に示されるように、上記検査の結果について検証する(S3)。例えば、導電性塗膜11が形成されていない部分を検査した場合に、出力部44から欠損部がない旨の出力が得られれば、検査結果が妥当でないと判断されてよい。この場合、閾値が液体9のインピーダンスより小さいと考えられる。また、目視では導電性塗膜11の欠損部が確認できないのに、目視で確認できる程度に広い領域において欠損部がある旨の出力が出力部44から得られた場合には、検査結果が妥当でないと判断されてよい。この場合、閾値が導電性塗膜11の正常部のインピーダンスより大きいと考えられる。
上記検査の結果が妥当であると判断される場合(S3でYes)には、当該検査結果に基づいて、導電性塗膜11の良否が判定される(S4)。一方、上記検査の結果が妥当でないと判断される場合(S3でNo)には、閾値を設定し直す(S1)。ここで、閾値は、例えば、上記検査の際に測定された検査対象物10のインピーダンスを用いて設定されてもよい。
[1−5.検査例]
次に、本実施の形態に係る塗膜検査装置1による塗膜の検査例を示す。
[1−5−1.第1の検査例]
まず、判定部43において使用される閾値を、変更しない場合の検査例について、図6を用いて説明する。
図6は、本実施の形態に係る塗膜検査装置1による検査結果の一例を示すグラフである。
図6の上側のグラフは、測定場所と測定されたインピーダンスとの関係を示す。また、図6の下側のグラフは、測定場所と判定部43の出力との関係を示す。
塗膜検査装置1のプローブ2を検査対象物10の導電性塗膜11上で移動させながら、検査対象物10の検査を行うことにより、図6上側のグラフに示されるような、各測定場所におけるインピーダンスの測定結果が求められる。ここで、導電性塗膜11にピンホールなどの欠損部があれば、当該欠損部におけるインピーダンスは、導電性塗膜11の膜が正常に形成されている正常部のインピーダンスより小さい値となる。ここで、当該欠損部におけるインピーダンスは、欠損部に浸透した液体9の固有インピーダンスにほぼ等しくなる。したがって、インピーダンスの閾値を、正常部及び欠損部の各インピーダンスの間の値に設定することにより、当該閾値以上のインピーダンスを有する測定場所を正常部、当該閾値未満のインピーダンスを有する測定場所を欠損部と判定することができる。そして、塗膜検査装置1の判定部43は、測定されたインピーダンスが閾値未満である場合には、図6下側のグラフに示されるように、1を示す信号を出力部44に出力する。また、1を示す信号を受けた出力部44は、検出結果を、本体4の表示部及びブザー、並びに、プローブ2のバイブレータによりユーザに通知する。
[1−5−2.第2の検査例]
次に、判定部43において使用される閾値を、変更する場合の検査例について、図7及び図8を用いて説明する。
図7は、本実施の形態に係る塗膜検査装置1の閾値を不適切な値に設定した場合における検査結果の一例を示すグラフである。
図8は、本実施の形態に係る塗膜検査装置1の閾値を適切な値に設定した場合における検査結果の一例を示すグラフである。
図7及び図8の上側のグラフは、測定場所と測定されたインピーダンスとの関係を示す。また、図7及び図8の下側のグラフは、測定場所と判定部43の出力との関係を示す。
一般に、塗膜検査装置1によって検査対象物10を検査する場合、検査対象物10の塗膜が正常に形成されている正常部、及び、ピンホールなどの欠損部のインピーダンスを検査前に正確に推測することができない。そのため、検査対象物10の導電性塗膜11において、推測された以上に導電性が高く、設定された閾値未満のインピーダンスを有する領域(以下、「高導電性領域」という)が存在する場合がある。図7に示される例では、閾値Aが、高導電性領域より大きいインピーダンスに設定されているため、導電性塗膜11の欠損部H1及びH2のうち、欠損部H1については、適切に検出されるが、欠損部H2については適切に検出されない。図7に示される例では、欠損部H2の周辺の高導電性領域全体が欠損部として検出されている。
以上のように、設定された閾値が導電性塗膜11の高導電性領域のインピーダンスより大きい場合には、検査対象物10の異常に広い領域が欠損部として検出される。この場合、ユーザは、閾値設定部45を用いて、高導電性領域におけるインピーダンスより小さい値を閾値として設定し直すことができる。閾値が、高導電性領域におけるインピーダンスより小さい値である閾値Bに設定された場合、図8に示されるように、欠損部H1及びH2が適切に検出される。
[1−6.効果など]
以上のように、本実施の形態に係る塗膜検査装置1は、負荷インピーダンスに依存せず一定の電流を供給する定電流源41と、定電流源41から一定の電流が供給され、かつ、導電性塗膜11より電気伝導率の大きい液体9で濡れた状態の導電性塗膜11と接触させられるプローブ2と、プローブ2と導電性基板12との間に印加される電圧を測定する測定部42と、上記電圧に対応する値と閾値との比較結果に基づいて、導電性塗膜11に欠損部があるか否かを判定する判定部43と、を備える。
これにより、塗膜検査装置1は、導電性塗膜11より電気伝導率の大きい液体で濡れた状態の導電性塗膜11の欠損部において、正常部よりインピーダンスが小さくなることを利用して、導電性塗膜11の欠損部を検出することができる。ここで、塗膜検査装置1においては、定電流源41を用いて当該インピーダンスに相当する値を測定するため、導電性塗膜11の正常部と欠損部とのインピーダンスの相違を判別することができる。一方、従来の定電圧源を用いる塗膜検査装置においては、電圧印加時に流れる電流の有無によって、塗膜の正常部と欠損部とを判別する。したがって、従来の定電圧源を用いる塗膜検査装置を用いて導電性塗膜11を検査しようとしても、正常部と欠損部とも、電圧印加時に電流が流れてしまうため、欠損部の検出を行うことは難しい。また、塗膜検査装置1においては、定電流源41から供給される電流値と、測定部42によって測定される電圧とを用いて、四端子法により、プローブ2と導電性基板12との間のインピーダンスを求めることができる。したがって、当該インピーダンスを二端子法によって求める場合より、誤差を抑制することができる。
また、塗膜検査装置1は、閾値を設定する閾値設定部45をさらに備える。
これにより、塗膜検査装置1において、導電性塗膜11のインピーダンス特性に応じて、適切な閾値を選択することができる。
また、塗膜検査装置1において、閾値設定部45は、閾値を予め定められた複数の値のいずれかに切り替える。
これにより、塗膜検査装置1において、ユーザは閾値設定部45によって、容易に閾値を切り替えることができる。また、閾値設定部45に予め定められた複数の値として、高い頻度で使用される複数の値を登録しておくことにより、閾値を設定する作業の効率を向上させることができる。
また、塗膜検査装置1のプローブ2は、ユーザによって把持されるためのグリップ25と、グリップ25に着脱可能に設けられた電極21とを備える。
これにより、種々の形状及び寸法の電極21を準備しておくことで、検査対象物10に合わせて、電極21を交換することができる。
また、プローブ2は、ユーザによって把持されるためのグリップ25を備え、グリップ25は、判定部43からの信号に基づいてグリップ25を振動させることによって、導電性塗膜11に欠損部があることをユーザに通知するバイブレータを備える。
これにより、ブザー音が聞き取れないような騒音環境下においても、ユーザは、グリップ25の振動を感知することで、判定結果を知ることができる。
また、塗膜検査装置1は、プローブ2と導電性塗膜11との間に流れる電流の向きを切り替える極性切替部40をさらに備える。
これにより、導電性塗膜11の抵抗成分に対して容量成分が支配的になる場合でも、当該容量成分によって、電流が流れなくなることを抑制することができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る塗膜検査装置について説明する。
上記実施の形態1に係る塗膜検査装置1においては、閾値設定部45において、閾値を複数の値のいずれかに切り替える構成を示した。本実施の形態においては、導電性塗膜11上でプローブ2を掃引する際に、測定部42によって測定される電圧の変化に追随するように閾値を更新しながら導電性塗膜11の欠損部を検出する構成を示す。
以下、本実施の形態に係る塗膜検査装置について、上記実施の形態1に係る塗膜検査装置1との相違点を中心に説明する。
[2−1.機能構成]
まず、本実施の形態に係る塗膜検査装置の機能構成について図9を用いて説明する。
図9は、本実施の形態に係る塗膜検査装置1aの機能構成を示すブロック図である。
図9に示されるように、本実施の形態に係る塗膜検査装置1aの本体4aは、上記実施の形態1に係る塗膜検査装置1の本体4と同様に、極性切替部40、定電流源41、測定部42、判定部43a、出力部44及び閾値設定部45aを備える。塗膜検査装置1aは、閾値設定部45aの構成において、上記実施の形態1に係る塗膜検査装置1と相違する。図9に示されるように、閾値設定部45aは、制御部451a及びメモリ452aを備える。
制御部451aは、測定部42において測定された電圧に所定の値を乗算した値を閾値として設定する。具体的には、制御部451aは、測定部42において測定された電圧に定電流源41が供給する電流の逆数を乗算して求められる導電性塗膜11のインピーダンスを示す信号を判定部43aから受信する。そして、制御部451aは、当該インピーダンスに1より小さい所定の値を乗じた値を閾値として、メモリ452aに記憶させ、かつ、判定部43aに送信する。当該閾値は、当該閾値が判定部43aに送信された後に測定部42で測定された電圧に対応するインピーダンスと比較するために用いられる。なお、判定部43aは、測定部42から入力された電圧に対応するインピーダンスと、閾値とを比較して、導電性塗膜11に欠損部があると判定した場合には、当該インピーダンスを示す信号を制御部451aに送信しない。これにより、制御部451aにおいて、当該欠損部のインピーダンスに基づいて閾値が設定されることを防ぐことができる。すなわち、設定される閾値が欠損部のインピーダンスより小さくなることを防ぐことができる。また、導電性塗膜11に欠損部があると判定された場合には、液体9のインピーダンスなどに基づいて予め定められた閾値を設定してもよい。なお、制御部451aは、プログラムを実行するプロセッサによって実現できる。制御部451aは、ハードウェアのみで構成されてもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現されてもよい。制御部451aは、例えば、マイコンなどでも実現できる。
メモリ452aは、制御部451aによって設定された閾値を記憶するための記憶手段である。メモリ452aには、制御部451aにおいて閾値を設定する際に使用される1より小さい所定の値が記憶されてもよい。
[2−2.動作]
次に、本実施の形態に係る塗膜検査装置1aの動作について図10を用いて説明する。
図10は、本実施の形態に係る塗膜検査装置1aの動作を示すフローチャートである。
図10に示されるように、まず、閾値設定部45aの制御部451aは、初期閾値THを設定して判定部43aに閾値THを示す信号を送信する(S11)。当該初期閾値THは、導電性塗膜11のインピーダンスの推測値、液体9のインピーダンスなどに基づいて適宜設定される。
次に、変数nを0、この時点における時刻tをTとして(S12)、測定部42によって、t=Tにおけるプローブ本体20と導電性基板12との間の電圧Vが測定され(S13)、当該電圧Vを示す信号が、測定部42から判定部43aに送信される。そして電圧Vと閾値THとに基づいて導電性塗膜11における欠損部の有無が、判定部43によって判定される(S14)。具体的には、例えば、電圧Vから導電性塗膜11のインピーダンスを求めて、当該インピーダンスと閾値THとを比較する。ここで、判定部43aにおいて欠損部があると判定された場合(S14でYes)には、閾値THはTHのと同じ値とされる(S15)。一方、判定部43aにおいて欠損部がないと判定された場合(S14でNo)には、閾値設定部45aにおいて、電圧Vに基づいて閾値THが新たに設定される(S16)。具体的には、例えば、Vに定電流源41から供給される電流の逆数を乗算して求められるインピーダンスに、1より小さい所定の値をかけた値が閾値THとして設定される。
次に、ΔTを測定部42による電圧測定の繰り返し周期として、時刻tがT+ΔTを経過していなければ(S17でNo)、待機し、時刻がT+ΔTを経過すれば(S17でYes)、nに1を追加してn=1とした後(S18)、再度工程S13から工程S18が行われ、電圧V及び閾値THが求められる。これ以降同様の工程が、ユーザが検査を終了するまで繰り返され、導電性塗膜11の検査が行われるとともに、V、V、・・・、及び、TH、TH、・・・が求められる。
以上のように、塗膜検査装置1aが動作することにより、検査対象物10の検査が行われる。そして、当該検査の結果に基づいて、検査対象物10の導電性塗膜11の良否が判定される。
[2−3.検査例]
次に、本実施の形態に係る塗膜検査装置1aによる塗膜の検査例を示す。
図11は、本実施の形態に係る塗膜検査装置1aによる検査結果の一例を示すグラフである。
図11の上側のグラフは、測定場所と測定されたインピーダンスとの関係を示す。また、図11の下側のグラフは、測定場所と判定部43aの出力との関係を示す。なお、図11の上側のグラフには、測定場所と閾値設定部45aによって設定された閾値との関係も一点鎖線で示されている。
図11の上側のグラフに示されるように、本実施の形態においては、閾値は、導電性塗膜11のインピーダンスの測定値に追随するように設定される。これにより、導電性塗膜11の高導電性領域が欠損部と判定されることが軽減され、かつ、欠損部H1及びH2が正確に検出される。
[2−4.効果など]
以上のように、本実施の形態に係る塗膜検査装置1aにおいて、閾値設定部45aは、測定部42で測定された電圧に所定の値を乗算した値を閾値として設定し、判定部43aは、当該閾値が設定された後に測定部42で測定される電圧に対応する値と当該閾値との比較結果に基づいて、導電性塗膜11に欠損部があるか否かを判定する。
これにより、閾値が導電性塗膜11のインピーダンスに対応した値に自動的に設定されるため、ユーザによる塗膜に適した閾値を探索する作業が軽減される。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3に係る塗膜検査装置について説明する。
上記実施の形態2に係る塗膜検査装置1においては、閾値設定部45aにおいて、閾値が導電性塗膜11のインピーダンスの測定値に追随するように設定される構成を示したが、本実施の形態においては、塗膜に応じて閾値を設定するための設定モードと、塗膜の検査を行うための検査モードに切り替え可能に構成された閾値設定部によって閾値が設定される構成を示す。
以下、本実施の形態に係る塗膜検査装置について、上記実施の形態1に係る塗膜検査装置1との相違点を中心に説明する。
[3−1.機能構成]
まず、本実施の形態に係る塗膜検査装置の機能構成について図12を用いて説明する。
図12は、本実施の形態に係る塗膜検査装置1bの機能構成を示すブロック図である。
図12に示されるように、本実施の形態に係る塗膜検査装置1bの本体4bは、上記実施の形態2に係る塗膜検査装置1aの本体4aと同様に、極性切替部40、定電流源41、測定部42、判定部43b、出力部44及び閾値設定部45bを備える。一方、塗膜検査装置1bは、本体4bに、モード切替部46をさらに備える点において、上記実施の形態1に係る塗膜検査装置1と相違する。
モード切替部46は、塗膜検査装置1bを、閾値を設定するための設定モードと、導電性塗膜11の検査を行うための検査モードと、に切り替えるための処理部である。モード切替部46は、本体4bの外表面に設けられた切替スイッチなどにより、モードを切り替えられ、設定モード及び検査モードのいずれのモードに設定されているかを示すモード信号を、判定部43b及び閾値設定部45bに出力する。
閾値設定部45bは、制御部451b及びメモリ452aを備え、モード切替部46から、設定モードであることを示すモード信号が入力される場合、測定部42において測定された電圧に基づいて、閾値を導電性塗膜11のインピーダンスに対応した値に設定する。例えば、閾値設定部45bの制御部451bは、測定部42によって測定された複数の電圧に対応するインピーダンスの最小値を算出し、当該最小値に1より小さい所定の値を乗算した値を、閾値としてメモリ452aに記憶させる。当該所定の値は、閾値が液体9の固有インピーダンスより大きくなるように適宜設定される。
制御部451bは、モード切替部46から、検査モードであることを示すモード信号が入力される場合には、閾値を上記設定モードにおいて設定した値に維持する。
制御部451bは、具体的には、プログラムを実行するプロセッサによって実現できる。なお、制御部451bは、ハードウェアのみで構成されてもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現されてもよい。制御部451bは、例えば、マイコンなどでも実現できる。
判定部43bは、モード切替部46から、設定モードであることを示すモード信号が入力される場合には、測定部42から入力された電圧に対応するインピーダンスを算出し、当該インピーダンスを閾値設定部45bに出力する。また、判定部43bは、設定モードにおいて、導電性塗膜11に欠損部があるか否かの判定を停止してもよい。
また、判定部43bは、モード切替部46から、検査モードであることを示すモード信号が入力される場合には、上記実施の形態1に係る判定部43と同様に、導電性塗膜11に欠損部があるか否かを判定する。
[3−2.検査手順]
次に、本実施の形態に係る塗膜検査装置1bによる検査手順について図13を用いて説明する。
図13は、本実施の形態に係る塗膜検査装置1bの検査手順を示すフローチャートである。
図13に示されるように、まず、塗膜検査装置1bは、モード切替部46によって、設定モードに設定される(S21)。
設定モードにおいて、検査対象物10の導電性塗膜11の表面にプローブ本体20を接触させた状態で、プローブ本体20と導電性基板12との間の電圧が、測定部42によって測定される(S22)。ここで、プローブ本体20は、液体9を十分に吸収させた状態で、導電性塗膜11に接触させられる。
測定部42によって、プローブ本体20と導電性基板12との間の電圧が測定された後、判定部43bにおいて、当該電圧と、定電流源41が出力する電流値とから、検査対象物10のインピーダンスが算出される。そして、当該インピーダンスを示す信号が閾値設定部45bに出力される。閾値設定部45bは、当該インピーダンスに基づいて、閾値を、導電性塗膜11のインピーダンスに対応した値に設定する(S23)。例えば、閾値は、測定された検査対象物10のインピーダンスの最小値に1より小さい所定の値を乗算した値に設定されてもよい。
次に、塗膜検査装置1bは、モード切替部46によって、検査モードに設定される(S24)。
検査モードにおいて、閾値設定部45bによって設定された閾値に基づいて、検査対象物10の検査が実行される(S25)。ここで、検査対象物10の検査は、上記実施の形態1と同様に行われる。
最後に、検査結果に基づいて、検査対象物10の導電性塗膜11の良否が判定される(S26)。
[3−3.効果など]
以上のように、本実施の形態に係る塗膜検査装置1bは、閾値を設定するための設定モードと、導電性塗膜11の検査を行うための検査モードと、に切り替え可能に構成される。また、閾値設定部45bは、設定モードにおいて、測定部42によって測定された電圧に対応する値に基づいて、閾値を導電性塗膜11のインピーダンスに対応する値に設定し、検査モードにおいて、閾値を設定モードにおいて設定した値に維持する。また、判定部43bは、検査モードにおいて、測定部42によって測定された電圧に対応する値と閾値との比較結果に基づいて、導電性塗膜11に欠損部があるか否かを判定する。
これにより、塗膜検査装置1bにおいて、閾値が導電性塗膜11のインピーダンスに対応した値に自動的に設定されるため、ユーザによる導電性塗膜11に適した閾値を探索する作業が軽減される。
また、塗膜検査装置1bにおいて、閾値設定部45bは、設定モードにおいて、測定部42によって測定された複数の電圧に対応する値の最小値を算出し、当該最小値に1より小さい所定の値を乗算した値を、閾値として設定する。
これにより、閾値設定部45bは、閾値を導電性塗膜11のインピーダンスに対応した値に自動的に設定することができる。
(変形例など)
以上、本発明の塗膜検査装置について、各実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、各実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
例えば、上記各実施の形態では、塗膜検査装置1、1a及び1bは、判定部43、43a及び43bにおいて、測定されたインピーダンスと閾値とを比較しているが、判定部43、43a及び43bにおいては、測定部42で測定された電圧に対応する値と、当該値に対する閾値と、を比較すればよい。例えば、判定部43、43a及び43bにおいて、測定部42で測定された電圧と、当該電圧に対する閾値とを比較してもよい。
また、上記各実施の形態では、閾値と、測定部42によって測定される電圧に対応する値との比較だけによって欠損部の有無を判定したが、さらに他の情報を参照して欠損部の有無を判定してもよい。例えば、プローブ2を移動させながら検査を行う場合に、判定部43、43a及び43bは、測定部42によって測定される電圧に対応する値が閾値未満となる検査範囲が、所定の範囲より狭い場合にだけ、欠損部と判定して、それ以外の場合には、欠損部と判定しなくてもよい。
また、上記各実施の形態では、導電性塗膜11の欠損部の有無を、検査対象物10のインピーダンスと閾値との比較結果に基づいて判定したが、導電性塗膜11の欠損部の有無の判定方法は、これに限られない。例えば、図6〜8に示されるような、測定場所とインピーダンスとのグラフを求めて、欠損部におけるインピーダンス曲線の傾き(変化率)に基づいて、欠損部の有無を判定することもできる。
また、上記実施の形態1においては、閾値は、予め定められた複数の値のいずれかに切り替えられる構成が用いられたが、閾値として任意の値を選択できる構成としてもよい。
また、上記各実施の形態においては、塗膜検査装置1、1a及び1bによって導電性塗膜11を検査する例を示したが、塗膜検査装置1、1a及び1bの検査対象は、導電性塗膜11に限られない。例えば、絶縁性塗膜も検査対象となり得る。
本発明は、塗膜を検査するための塗膜検査装置などに利用することができる。
1、1a、1b 塗膜検査装置
2 プローブ
3 アースクリップ
4、4a、4b 本体
5 プローブケーブル
6 アースケーブル
9 液体
10 検査対象物
11 導電性塗膜
12 導電性基板
20 プローブ本体
21 電極
22 パッド
25 グリップ
40 極性切替部
41 定電流源
42 測定部
43、43a、43b 判定部
44 出力部
45、45a、45b 閾値設定部
46 モード切替部
111 欠損部
451a、451b 制御部
452a メモリ

Claims (10)

  1. 導電性基板上に形成された塗膜を検査するための塗膜検査装置であって、
    負荷インピーダンスに依存せず一定の電流を供給する定電流源と、
    前記定電流源から前記一定の電流が供給され、かつ、前記塗膜より電気伝導率の大きい液体で濡れた状態の前記塗膜と接触させられるプローブと、
    前記プローブと前記導電性基板との間の電圧を測定する測定部と、
    前記電圧に対応する値と閾値との比較結果に基づいて、前記塗膜に欠損部があるか否かを判定する判定部と、を備える
    塗膜検査装置。
  2. 前記判定部は、前記電圧に対応する値が前記閾値未満である場合に、前記塗膜に欠損部があると判定する
    請求項1に記載の塗膜検査装置。
  3. 前記閾値を設定する閾値設定部をさらに備える
    請求項1又は2に記載の塗膜検査装置。
  4. 前記閾値設定部は、
    前記閾値を予め定められた複数の値のいずれかに切り替える
    請求項3に記載の塗膜検査装置。
  5. 前記閾値設定部は、前記測定部で測定された前記電圧に所定の値を乗算した値を前記閾値として設定し、
    前記判定部は、前記閾値が設定された後に前記測定部で測定される前記電圧に対応する値と前記閾値との比較結果に基づいて、前記塗膜に欠損部があるか否かを判定する
    請求項3に記載の塗膜検査装置。
  6. 前記塗膜検査装置は、
    前記閾値を設定するための設定モードと、前記塗膜の検査を行うための検査モードと、に切り替え可能に構成され、
    前記閾値設定部は、
    前記設定モードにおいて、前記測定部によって測定された電圧値に基づいて、前記閾値を前記塗膜のインピーダンスに対応する値に設定し、
    前記検査モードにおいて、前記閾値を前記設定モードにおいて設定した値に維持し、
    前記判定部は、
    前記検査モードにおいて、前記測定部によって測定された電圧に対応する値と維持されている前記閾値との比較結果に基づいて、前記塗膜に欠損部があるか否かを判定する
    請求項3に記載の塗膜検査装置。
  7. 前記プローブは、ユーザによって把持されるためのグリップと、前記グリップに着脱可能に設けられた電極とを備える
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の塗膜検査装置。
  8. 前記プローブは、ユーザによって把持されるためのグリップを備え、
    前記グリップは、前記判定部からの信号に基づいて前記グリップを振動させることによって、前記塗膜に欠損部があることをユーザに通知するバイブレータを備える
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の塗膜検査装置。
  9. 前記プローブと前記塗膜との間に流れる電流の向きを切り替える極性切替部をさらに備える
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の塗膜検査装置。
  10. 導電性基板上に形成された塗膜を検査するための塗膜検査装置を用いた検査方法であって、
    前記塗膜検査装置は、
    負荷インピーダンスに依存せず一定の電流を供給する定電流源と、
    前記定電流源から前記一定の電流が供給されるプローブと、を備え、
    前記検査方法は、
    前記塗膜を、前記塗膜より電気伝導率の大きい液体で濡らすステップと、
    前記液体で濡れた状態の前記塗膜に前記プローブを接触させることにより、前記塗膜から前記導電性基板に一定の電流を流すステップと、
    前記プローブと前記導電性基板との間の電圧を測定するステップと、
    前記電圧に対応する値と閾値との比較結果に基づいて、前記塗膜に欠損部があるか否かを判定するステップと、を含む
    検査方法。
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