JP2007278933A - フィルム付き成形品の検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】筒部の開口部の先端にフィルムが溶着されたフィルム付き成形品の溶着部を確実かつ容易に検査する。
【解決手段】筒部2の開口部3の先端4にフィルムが溶着されたフィルム付き成形品6の溶着部7を検査するに際し、筒部2の内部に第1の電極11を設置するとともに前記溶着部7の周囲に第2の電極12を設置し、第1の電極11と第2の電極12との間に電圧を印加したときの電流値および/または電圧低下値に基づいて欠陥の有無を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、開口した筒部を有する成形品と、前記筒部の開口部の先端に溶着されたフィルムとを有するフィルム付き成形品の溶着部を検査する検査方法に関する。
従来、飲食物や医療用品等が密封充填される包装用容器としては、缶、紙容器、パウチ(軟包装袋)、瓶など種々の容器が知られており、中でもパウチは、密封性や取り扱い性、廃棄時の減容性などに優れるため、多く使用されている。パウチにおいて内容物を出しやすくするため、開口した筒部を有するプラスチック成形品をパウチに固着してスパウト(注出口)としたものがある。
その様な容器に内容物を充填してレトルトや煮沸等による殺菌処理を行う場合、熱膨張でスパウトに螺着したキャップが緩む傾向があり、水分がキャップと筒部のネジ間に侵入し、経時とともに雑菌が繁殖して筒部先端の衛生性が損なわれることがある。水分がネジ間に侵入しても、衛生性を確実にするため、筒部の開口部の先端にフィルムを溶着したインナーシールが設けられる。
インナーシールで密封したスパウトを備える容器において、インナーシール部にピンホールやクラック等の欠陥が生じた場合、たとえ内容物が漏れなくても、雑菌がピンホール等を透過して衛生性が損なわれる原因となるため、これらの欠陥の検査は極めて重要である。
注出口やシール部のピンホールの検査方法として、例えば特許文献1には、導電性を有する内容物を密封して開口部にゴム栓を気密に設けたプラスチック瓶の検査をするため、該ゴム栓部に密接させた電極と瓶の側面部に接触させた電極との間に直流高電圧を印加し、電圧の印加をやめた後に電極を放電電流検知装置に接続する方法が記載されている。そして、レトルト食品等を密封した包装袋の熱シール部に密接させた電極と包装袋の側面部に接触させた電極との間に直流高電圧を印加する検査方法も記載されている。この方法によれば、欠陥がある場合には電極と内容物とが通電しうる状態にあり、直流高電圧の印加により内容物に電荷が充電されるので、放電電流検知装置で放電電流を検知したとき、欠陥があるものと判定することができる。
特開平09−222420号公報
インナーシール部の検査方法として、例えば特許文献1による方法を利用する場合、導電性を有する内容物を充填密封した後で検査する必要があるので、充填前にインナーシール部を検査することはできない。しかも、この方法は、不良品を検出した場合に、包装袋のみならず、内容物も廃棄することになり、合理的でないという問題を有していた。したがって、インナーシール部の検査を行う場合、目視観察によって検査する方法しかなかったが、目視では能率や信頼性の点で劣っていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、筒部の開口部の先端にフィルムが溶着されたフィルム付き成形品の溶着部を確実かつ容易に検査することが可能な検査方法を提供することを課題とする。
本発明の発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、検査する部位が対向する電極間から離れている場合であっても、放電現象を利用して検査を行うことが可能であるとの知見を得て、本発明をなすに至った。すなわち、本発明は、開口した筒部を有する成形品と、前記筒部の開口部の先端に溶着されたフィルムとを有するフィルム付き成形品の溶着部を検査する方法であって、前記筒部の内部に第1の電極を設置するとともに前記溶着部の周囲に第2の電極を設置し、第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加したときの電流値および/または電圧低下値に基づいて欠陥の有無を判定することを特徴とするフィルム付き成形品の検査方法を提供する。
第1および/または第2の電極は、導電性ブラシからなるものとすることができる。
第2の電極として分割された電極を用い、この分割された第2の電極で前記溶着部を囲むものとすることができる。
前記分割された第2の電極で前記筒部を囲んだ後、または、前記分割された第2の電極で前記筒部を囲みつつ、前記分割された第2の電極を前記筒部に沿う方向に移動させて前記溶着部に接近または接触させるものとすることができる。
さらに第3の電極を前記溶着部のフィルム側に設置し、第1の電極と第3の電極との間に電圧を印加したときの電流値および/または電圧低下値に基づいて欠陥の有無を判定するものとすることができる。
また、本発明は、先端がフィルムで閉鎖された筒部を有する注出口部材であって、上述のフィルム付き成形品の検査方法で検査されたことを特徴とする注出口部材を提供する。
また、本発明は、上述の注出口部材を、開口部に溶着したことを特徴とする注出口付容器を提供する。
また、本発明は、上述の注出口部材を、内容物が充填された容器の開口部に溶着して密封することを特徴とする包装体の製造方法を提供する。
本発明の包装体の製造方法では、充填ライン上で前記注出口部材を、内容物が充填された容器の開口部に溶着して密封することも可能である。
また、充填ライン上で前記注出口部材を、前記フィルム付き成形品の検査方法により検査することも可能である。
本発明によれば、フィルム付き成形品、例えばインナーシール付き注出口部材のインナーシール溶着部の検査を、パウチへの取り付け前に実施することが可能になり、インナーシール付き注出口部材の検査の効率及び信頼性を向上することができる。
第1および/または第2の電極が導電性ブラシからなる場合、成型品の形状に追従しやすく、毛先を容易に溶着部に近づけられるので検査ミスが生じにくいとともに、毛先が先鋭なので電界強度が高くなり、基準電圧を高くすることなく検査を行うことができる。
第2の電極として分割された電極を用い、この分割された第2の電極で前記溶着部を囲むようにした場合、第2の電極を溶着部に近づけて配置する作業を容易に行うことができる。
前記分割された第2の電極で前記筒部を囲んだ後、または、前記分割された第2の電極で前記筒部を囲みつつ、前記分割された第2の電極を前記筒部に沿う方向に移動させて前記溶着部に接近または接触させる場合、例えばインナーシールからタブが延出されているときに該タブを第2の電極により持ち上げ、第2の電極を溶着部に近づけることができる。
さらに第3の電極を前記溶着部のフィルム側に設置し、第1の電極と第3の電極との間に電圧を印加したときの電流値および/または電圧低下値に基づいて欠陥の有無を判定する場合、溶着部の検査と併せてフィルムの検査を行うことができる。
充填ライン上で前記注出口部材を、内容物が充填された容器の開口部に溶着して密封し、さらに充填ライン上で前記注出口部材を、前記フィルム付き成形品の検査方法により検査する場合、オンラインで検査、充填、密封を一連の工程として実施できるので、生産性を大きく向上させることができる。
以下、最良の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
本発明の検査方法は、図1に示すように、開口した筒部2を有する成形品1の前記筒部2の開口部3の先端4にフィルム5が溶着されたフィルム付き成形品6の溶着部7を検査する方法である。
ここでフィルム付き成形品6としては、例えばパウチ(軟包装袋)のスパウトとなる成形品1にインナーシールとして開口部3を閉鎖するプラスチックフィルム5を溶着したものが挙げられる。
ここで成形品1としては、例えば熱可塑性樹脂を用いた射出成形等により成形したものを用いることができる。前記熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンが例示できる。
また、成形品1の筒部2の開口部3を閉鎖するフィルム5としては、特に限定されるものでないが、シーラントを少なくとも片面に備える積層体、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン―酢酸ビニル共重合体(EVA)、環状ポリオレフィンなどのポリオレフィン樹脂層を最内層(シーラント)とし、二軸延伸ナイロンフィルムや二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルムなどの延伸フィルムを基材とし、必要に応じてエチレン―ビニルアルコール共重合体、金属や無機化合物(例えばシリカ等のセラミック)の蒸着層、アルミ箔等の金属箔などを中間層としたラミネートフィルムを用いることができる。
本発明によるフィルム付き成形品6の検査方法の手順を説明すると以下のとおりである。
まず、筒部2の内部に第1の電極(内部電極)11を設置するとともに、筒部2の周囲に第2の電極(外部電極)12を設置する。これらの電極11、12は、必ずしも溶着部7に接触する必要はないが、電極間の距離が大きくなるほど放電電圧が高くなるので、印加電圧を抑制する観点からは、接触させるか接触する程度に接近させることが好ましい。
第1の電極11がマイナス極(−極)、第2の電極12がプラス極(+極)となるようにこれら電極11、12を電源に接続して、第1の電極11と第2の電極12との間に直流、交流またはパルスの高電圧を印加する。極性は逆になっても良い。所定の電圧を印加した時、開口部3の先端4の全周にわたって溶着が良好である場合には、筒部2とフィルム5により内外の絶縁が維持され、電圧印加による放電に耐えることができる(両電極11、12間が通電しない)。これに対して溶着部7に欠陥があれば、その隙間に気中放電が起きて、瞬間的に大きな放電電流が流れ、印加電圧が急激に低下する。
そこで、あらかじめ良品の場合は放電せず、不良品の場合は放電する印加電圧(基準電圧)、良品に基準電圧を印加したときに流れる電流(基準電流)を調べておいて、それぞれの変動幅による良否判定基準を定めておき、第1の電極11と第2の電極12との間に基準電圧を印加して両電極11、12間が通電したときの電圧や電流を測定し判定基準以上に電圧が低下した場合や判定基準以上の高い電流が流れたときに溶着部7が不良であると判定する。これにより、溶着部7の良否を確実かつ容易に判定することが可能となる。
なお、電流と電圧のいずれか一方でも良いが、両方を測定して判定しても良い。また、第1の電極11と第2の電極12との間に電圧を印加したときにフィルムや成型品に電荷が充電されるときや放電されるときの電流を測定して判定しても良い。フィルムや成型品が金属層を有する場合などは、フィルムや成型品に電荷が充電されるときや放電されるときの電流が大きくなり、欠陥による放電電流と紛らわしい場合は、測定した電流を電圧印加時間で積分した積分値を用いて比較しても良い。また、電圧低下を測定する場合でも、電圧が低下すると放電が止まるので、欠陥による放電で低下した電圧は瞬時に回復して再度放電し電圧低下を繰り返すため、基準電圧と紛らわしい場合は、測定した電圧を電圧印加時間で積分した積分値を用いて比較しても良い。
第2の電極12の形状としては、溶着部7と第2の電極12との距離が限りなく小さく一定に維持できるものが好ましく、例えば筒部2が円筒状であれば、筒部2の外径より若干大きい内径の孔を有する金属板などが挙げられる。第2の電極12は分割可能であることが好ましい。この場合、分割された第2の電極で溶着部7を囲むことにより、第2の電極12を溶着部7に近づけて配置する作業を容易に行うことができる。
第1および/または第2の電極12として金属など導電性材料製の毛をブラシ状に束ねた導電性ブラシを用いた場合、成型品の形状に追従しやすく、毛先を容易に溶着部7に近づけられるので検査ミスが生じにくいとともに、毛先が先鋭なので電界強度が高くなり、基準電圧を高くすることなく検査を行うことができるので好ましい。
本発明においては、溶着部7の良否判定と併せてフィルム5の溶着時の熱や圧力によるフィルムの付け根切れやクラックなどのピンホール検査を行うこともできる。この場合、フィルム5の厚さ方向の両側(表側と裏側)に電極を設置してこれら2個の電極間にフィルム5を挟み込むようにすれば良い。
すなわち、図2に示すようにフィルム5の上に第3の電極13を設置する。第3の電極13は第2の電極12と極性が同じでも良いし、異なっても良い。極性が同じ場合は、これらの電極が一体化されても良い。そして、第1の電極11と第2の電極12との間に電圧を印加すると同時に、または、前後して第1の電極11と第3の電極13との間にも電圧を印加する。第1の電極11と第3の電極13による良否の判定は、第1の電極11と第2の電極12による良否の判定と同様に行う。フィルム5の検査は、電極間の距離が小さいので、溶着部7の検査に比べて印加する基準電圧を低くすることが可能である。
成型品にインナーシールを設ける場合、開封しやすくするため、図3(a)に示すように、開口部3を閉鎖するためのフィルム5が筒部2の開口部3の先端4からはみ出す位置にタブ8、8を延出させることがある。この場合、タブ8が溶着時の熱や筒部2の先端4外側の面取りにより、筒部2の周囲に垂れ下がることがあり(図3(a)に示すタブ8の状態)、溶着部7と第2の電極12との間にフィルム5が介在して検査が不確実になるおそれがある。
そこで、筒部2の外周に配設される第2の電極12としては、円筒状の筒部2の周囲に沿う円弧の一部をなす複数、例えば2個の電極12、12からなるものを用いることが好ましい。そして、これら2個の電極12、12を筒部2の中程の位置(フィルム5のタブ8の下方の位置)に配して筒部2を囲い込み、次いで図3(b)に示すように2個の電極12、12を筒部2に沿う方向に該筒部2の先端に向け(図3では上方に)移動させてこれら2個の電極12、12によりタブ8、8を持ち上げることにより、溶着部7の直近に第2の電極12、12を配置する作業が容易になる。なお、タブ8を持ち上げることができる限り、複数の円弧の一部をなす電極は、筒部2を囲いつつ上方に移動させても良い。
本発明の注出口部材は、本発明のフィルム付き成形品の検査方法によって検査されたものである。先端がフィルムで閉鎖された筒部を有する注出口部材は、軟包装袋からなる容器の開口部に溶着させることで、注出口として利用することができる。注出口部材には、インナーシールの上からネジや嵌め込みなどによってキャップを取り付けておくことが好ましい。
軟包装袋は、例えば、平袋やガセット袋であれば、注出口部材を固着させる開口部とは反対の位置に充填用の開口部を設け、充填後に溶着等によって充填口を閉鎖、密封するようにすることもできるが、底部が開拡可能な自立袋や角底袋の場合は、充填後に充填口に注出口部材を溶着して密封することが好ましい。これらいずれの場合も、注出口部材をインナーシールで閉じたまま内容物を充填することができる。内容物の充填後にレトルト殺菌やボイル殺菌等の殺菌処理を施す場合も、インナーシールの密封性が検査によって確認されているため、内容物の漏洩や汚染等を防止することができる。また、殺菌処理時の熱膨張で注出口部材に螺着したキャップが緩んで水分がキャップと筒部のネジ間に侵入し、経時とともに雑菌が繁殖して筒部先端の衛生性が損なわれることを防止することができる。
本発明による検査は簡単な装置によって実施が可能であるので、注出口部材にインナーシールを溶着するシール装置や、インナーシール付き注出口部材にキャップを取り付けるキャッパーへの組み込みも可能である。さらには、パーツフィーダや充填ラインの一部への組み込みも可能であり、内容物の充填時にオンラインで注出口部材の検査を行いつつ内容物が充填された容器の開口部に溶着して密封することができる。具体的には、本発明による検査に必要な装置を充填ラインの一部に組み込んで注出口部材を検査しつつ、不良と判定されたものは供給ラインから排出し、良品の注出口部材をパーツフィーダで供給して、あるいは、本発明による検査に必要な装置を組み込んだパーツフィーダで検査済みの良品の注出口部材を供給して、例えば、ロータリー式充填機のトップシールを行うセクションに注出口部材を配置し、トップシールに代えて注出口部材を溶着して軟包装袋を密封することができる。これによって、生産性を大きく向上させることができる。検査時のフィルム付き成形体や電極、電源等の操作は、手動、半自動、全自動のいずれでも行うことが可能である。また、フィルム付き成形品の検査において、電圧や電流の測定にはデーターロガーを用いることが好ましい。
外径22mm、肉厚0.5mmの円筒状の筒部を有するPE製注出口部材の筒部の開口部の先端に12μmの二軸延伸PETに50μmのPEフィルムをドライラミネートしたインナーシールフィルムを溶着して、図1に示すインナーシール付き注出口部材(フィルム付き成形品)の良品サンプルを作製した。
インナーシール付き注出口部材の開口部の先端に、インナーシールフィルムとの間に0.16mm径の糸を噛み込ませて溶着することにより、不良品サンプルを作製した。
(試験例1)
電源装置として、単相200Vの交流電源で作動し、5kV〜25kVの直流高電圧を発生させる高電圧発生装置を用いた。第1の電極は、注出口部材の筒部の内径よりやや細い金属丸棒から作製し、第2の電極は、注出口部材の筒部の外径よりやや大きい内径の孔を金属板に加工して作製した。第1の電極は電源装置の高圧出力端子(−極)に接続して筒部の内部に設置し、第2の電極は電源装置のアース端子(+極)に接続して溶着部の周囲に設置した。電極間の距離は3mmとした。
基準電圧の設定に際し、注出口部材を介在させずに第1の電極と第2の電極との間に直流高電圧を、電圧を漸次上げながら印加したとき、約10kVで通電した。そこで、基準電圧を20kVと設定して、フィルムの溶着が良好な良品サンプル10個を電極間にセットし高電圧起動信号を入力して試験したところ、いずれのサンプルでも通電することなく、基準電圧まで上昇した。なお、基準電圧の印加により良品サンプルに破壊が起きていないことを確認するため、サンプルを再検査したが全て良品であった。
これに対して、糸を噛み込ませて溶着した不良品サンプル15個で同様に試験したところ、最大で15kV、最小で10.5kV、平均で12.3kVの電圧で通電した。なお、電圧の測定は、高電圧発生装置の出力電圧を測定した。このことから、20kVに基準電圧を設定し、5kV以上の電圧低下を判定基準とすれば、通電したときの電圧低下が判定基準以下であるか否かによって良品と不良品の判定が可能となることが分かる。
(試験例2)
第1の電極は、試験例1と同様に作製し、第2の電極には導電性ブラシを用いた。第1の電極は電源装置の−極に接続して筒部の内部に設置し、第2の電極は電源装置の+極に接続して筒部の周囲に設置した。
試験例1を踏まえて、基準電圧を20kVとして、糸を噛み込ませて溶着した不良品サンプル15個で試験したところ、最大で12kV、最小で6kV、平均で9.8kVの電圧で通電した。
このことから、15kV〜20kVの間で基準電圧を設定すれば、通電したときの電圧低下が前記基準電圧以下であるか否かによって良品と不良品の判定が可能となることが分かる。併せて、導電性ブラシを用いることで基準電圧を低く設定することができることが分かる。
以上の試験例により、筒部にフィルムを溶着したフィルム付き成形品の溶着不良を、簡便な装置で確実に検査することが可能であることが示された。
本発明は、インナーシール付き注出口部材やこれが溶着された包装用容器の検査に利用することができる。包装用容器としては特に限定されず、軟包装袋の他、チューブ容器等にも適用が可能である。また、包装用容器の内容物としても特に限定されず、各種の液体、粉体、粒体、粘稠物などが例示される。
本発明に係るフィルム付き成形品の検査方法の第1形態例を説明する断面図である。 本発明に係るフィルム付き成形品の検査方法の第2形態例を説明する断面図である。 本発明に係るフィルム付き成形品の検査方法の第3形態例を説明する図面であって、(a)は2個の電極をタブの下方で筒部を囲い込むように設置した状態を示す正面図、(b)は2個の電極を上方に移動させてタブを2個の電極にて持ち上げた状態を示す正面図である。
符号の説明
1…成形品、2…筒部、3…開口部、4…開口部の先端、5…フィルム、6…フィルム付き成形品、7…溶着部、8…タブ、11…第1の電極、12…第2の電極、13…第3の電極。

Claims (10)

  1. 開口した筒部を有する成形品と、前記筒部の開口部の先端に溶着されたフィルムとを有するフィルム付き成形品の溶着部を検査する方法であって、
    前記筒部の内部に第1の電極を設置するとともに前記溶着部の周囲に第2の電極を設置し、第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加したときの電流値および/または電圧低下値に基づいて欠陥の有無を判定することを特徴とするフィルム付き成形品の検査方法。
  2. 第1および/または第2の電極が導電性ブラシからなることを特徴とする請求項1に記載のフィルム付き成形品の検査方法。
  3. 第2の電極として分割された電極を用い、この分割された第2の電極で前記溶着部を囲むことを特徴とする請求項1または2に記載のフィルム付き成形品の検査方法。
  4. 前記分割された第2の電極で前記筒部を囲んだ後、または、前記分割された第2の電極で前記筒部を囲みつつ、前記分割された第2の電極を前記筒部に沿う方向に移動させて前記溶着部に接近または接触させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のフィルム付き成形品の検査方法。
  5. さらに第3の電極を前記溶着部のフィルム側に設置し、第1の電極と第3の電極との間に電圧を印加したときの電流値および/または電圧低下値に基づいて欠陥の有無を判定することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のフィルム付き成形品の検査方法。
  6. 先端がフィルムで閉鎖された筒部を有する注出口部材であって、請求項1ないし5のいずれかに記載のフィルム付き成形品の検査方法で検査されたことを特徴とする注出口部材。
  7. 請求項6に記載の注出口部材を、開口部に溶着したことを特徴とする注出口付容器。
  8. 請求項6に記載の注出口部材を、内容物が充填された容器の開口部に溶着して密封することを特徴とする包装体の製造方法。
  9. 充填ライン上で前記注出口部材を、内容物が充填された容器の開口部に溶着して密封することを特徴とする請求項8に記載の包装体の製造方法。
  10. 充填ライン上で前記注出口部材を、前記フィルム付き成形品の検査方法により検査することを特徴とする請求項9に記載の包装体の製造方法。
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