JP3640648B2 - 防音装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路、鉄道、工場等からの騒音を遮断する防音壁の上縁に取り付けられる防音装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の防音壁は、高くすることにより、騒音を遮断しようとしていた。しかしながら、防音壁の高さを高くすると、強い風圧を受けたり、工費が高くなったり、日照被害を大きくしたり、見晴らしが悪くなったりと、不都合なことが多くなり、防音壁の高さには限界があった。また、単に防音壁を高くしただけでは、騒音は、防音壁の上縁で回折して受音者側に到達するため、充分に騒音を遮断することができなかった。
【0003】
このため、特開平9−151420号公報では、図に示したような防音壁2の上縁に設ける防音装置200を提案している。この防音装置200は、筒状部分230の外周に放射方向に延びる第1及び第2の仕切り210、220を固定している。第1の仕切り210は筒上部分の周囲に沿う円環状をしており、第2の仕切り220は、第1の仕切り210と直交して長手方向に沿っている。両仕切り210、220と筒状部分230によって、音響部屋240が形成される。音響部屋240の深さは、音源から放射される騒音の主成分音波の波長λの約1/4程度にされる。波長λの音波が音響部屋240に入射すると、音響部屋240の底の筒状部分230で反射され、音響部屋240の開口において入射波と反射波は丁度逆位相となり、互いに打ち消し合う。このように、防音装置200によって、防音装置200の上側を回折する騒音が音響部屋240からの反射波によって弱められ、受音者側へ伝わる騒音を小さくしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記公報に記載された防音装置200では、音響部屋240の深さで定まる特定の波長付近の音波に対しては効果的な防音効果を奏するが、それ以外の周波数帯では逆に騒音を悪化させてしまうという現象がある。また、防音効果を奏する周波数が、音響部屋240の深さで定まるため、低周波音に対しては、防音装置200が大きくなり過ぎるという問題もあった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するもので、小型で低音から高音まで広い周波数範囲にわたって充分な防音効果を有し、かつ、騒音源となるようなことのない防音装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、請求項1に係る発明では、防音壁の上縁に固定される防音装置において、前記防音装置は、平坦な天井を有するとともに、前記防音壁と直交方向に沿って複数の共鳴室に区画され、各共鳴室の天井には外部と連通する開口が形成され、これらの共鳴室は、共振周波数が互いに異なるとともに、全ての共鳴室について音源側ほど共振周波数が低く、受音者側ほど共振周波数が高くされたことを特徴とする。
【0007】
防音装置は、平坦な天井を有するとともに、各共鳴室の天井には外部と連通する開口が形成されたから、各共鳴室は、共鳴室の共振周波数以上の周波数の騒音を受けると、騒音と逆位相の音波を上方へ放射させ、防音装置の上方で騒音と共鳴室から放射された音波とが干渉して、防音装置の上面を回折する騒音の音圧が低下する。特に、共鳴室の共振周波数より少し高い周波数の騒音に対しては、共鳴室は、騒音と逆位相で、しかも大きな音圧の音波を放射するので、騒音の音圧を効果的に低下させることができる。また、各共鳴室の共振周波数は、互いに異なるとともに、全ての共鳴室について音源側ほど低く、受音者側ほど高くされているので、低音から高音までの広い周波数成分を含む騒音の音圧を効果的に下げることができる。
【0008】
請求項2に係る発明では、請求項1に係る発明において、前記防音装置は、音源と反対側の底部に傾斜部を設けたことを特徴とする。底部に傾斜部を設けたから、音源と反対側の共鳴室の容積を特に小さくして、その共振周波数を特に高くすることにより、低音からさらに高音までのいっそう広い周波数成分を含む騒音の音圧を効果的に下げることができる。
【0009】
請求項3に係る発明では、請求項1または2に係る発明において、前記天井は異なる開口面積と首下長さを有するものが複数種類用意されており、これらの天井は交換可能にされたことを特徴とする。天井を交換することにより、開口の面積と首下長さを変えて、防音装置の大きさや外形を変更することなく、各共鳴質の共振周波数を変更することができ、これによって、騒音における強い周波数成分の音圧を効果的に下げることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
まず、図1−図5に基づいて、本発明の第1実施例の防音装置について説明する。図1は、本実施例の概略を説明する図であり、図2は、防音壁の上縁に固定した状態の防音装置の正面図であり、図3は、この防音装置の平面図であり、図4は、図2におけるIV−IV線及び図3におけるIV−IV線に沿う断面図であり、図5は、この防音装置を防音壁の上縁に固定する構造を説明する図である。
【0012】
本実施例の防音装置10は、図1に示したように、防音壁2の上縁に固定されるもので、高さ約150mm、幅約500mm、長さ約2m(図2参照)程の中空部材であり、両端が閉鎖されている。その天井12は平坦であり、その底部18は、天井12より幅が狭い水平部14と、幅約160mm程の傾斜部16とを有し、この防音装置10は略台形断面を有している。また、この防音装置10は、防音壁2に平行に配置された複数の区画壁20により、防音壁2と直交方向に沿って、複数の小室22に区画され、各小室22の断面積は、音源24側ほど大きく、受音者26側ほど小さくしてある。
【0013】
各小室22は、天井12に外部と連通する開口であるスリット28を有し、スリット28の開口面積s、スリット28の首下長さd、小室22の容積V、音速cによって定まる共振周波数fを持った共鳴室(以下、小室22を共鳴室という。)となっている。共鳴室22の共振周波数fは、
f=(c/(2π))√(s/(d・V))
で与えられる。したがって、各共鳴室22は、容積Vが音源24側ほど大きく受音者26側ほど小さいので、各共鳴室22の共振周波数fは、音源24側ほど低く、受音者26側ほど高くなっている。
【0014】
また、この防音装置は、図4に示したように、第1−第5の5つの部材31−35を嵌合により結合して、第1−第4の4つの共鳴室22a−22dを形成している。第1部材31は、第1共鳴室22aの底部14aと、第1共鳴室22aの半分を覆う天井12aと、第1共鳴室22aの音源24側の側壁36とを構成している。第2部材32は、第1共鳴室22aと第2共鳴室22bの間の第1区画壁20aと、第2共鳴室22bの底部14bと、第2共鳴室22bと第3共鳴室22cとの間の第2区画壁20bを構成している。第3部材33は、第3共鳴室22c及び第4共鳴室22dの底部14cと、第3共鳴室22cと第4共鳴室22dとの間の第3区画壁20cと、第3共鳴室22cの半分及び第4共鳴室22dの半分を覆う天井12dと、第4共鳴室22dの受音者26側の側壁38と、第4共鳴室22dの半分を覆う天井12eとを構成している。これらの第1−第3の3つ部材31、32、33は、互いに底部14a、14b、14cにおいて嵌合により結合されている。
【0015】
第4部材34は、第1区画壁20aの上部に嵌合により結合されるもので、第1共鳴室22aの半分及び第2共鳴室22bの半分を覆う天井12bを構成している。第5部材35は、第2区画壁52の部に嵌合により結合されるもので、第2共鳴室22bの半分及び第3共鳴室22cの半分を覆う天井12cを構成している。各共鳴室22a−22dの各天井12a−12eは、隣接する天井の間にスリット28となる隙間が設けられ、各スリット28には天井12a−12eから垂下した首下部29が設けられている。また、天井12bと12cからは区画壁20a、20bの両側と接して垂下する嵌合突片50が形成される。これらの第1−第5の各部材は、押出加工によって成形する。
【0016】
この防音装置10の両端は端壁54によって閉鎖される(図5参照)。この端壁54には図示しない接合代が設けられていて、天井12a−12dや側壁36,38を挿通させたねじ56を接合代に設けられたねじ孔に螺合させることによって、端壁54は防音装置10の両端に結合される。
【0017】
この防音装置10の材料は、所定の対候性と強度を有するものであれば、金属、合成樹脂等、どのようなものでもよいが、本実施例では、軽量安価で、加工性と耐食性の良いアルミニウムを用いた。
【0018】
この防音装置10を上縁に固定する防音壁2は、図2及び図3に示したように、標準的には約2m間隔で立設されたH形鋼4を備えており、隣り合うH形鋼4の間には複数枚の防音パネル6を上下方向に積み上げて配置している。防音パネル6の両端は、H形鋼4の一対のフランジ8の間に配置され、防音パネル6各端部と一方のフランジ8との間には弾性部材7が介在されていて、この弾性部材7によって防音パネル6が崩れないように保持されている。
【0019】
図5に基いて、この防音装置10を防音壁2の上縁に固定する構造を説明する。各H形鋼4の上縁には受板60が固定され、受板60の下面とH形鋼4のフランジ8との間には補強アングル62が固定される。隣り合うH形鋼4上の受板60間には、パネル押さえ板70が架渡される。パネル押さえ板70は、幅方向両側が下方に折り曲げられたパネル押さえ部72になっており、長手方向両端には水平拡幅部74を有している。パネル押さえ板70の水平拡幅部74と受板60と補強アングル62に夫々に開けられた開口(76等)にボルト77を挿通してナット78を締める(図4参照)ことで、パネル押さえ板70の各端と受板60とをH形鋼4の上端に固定する。このとき、パネル押さえ部72は、最上段の防音パネル6の上縁をしっかりと挟持するととともに、防音装置10と最上段の防音パネル6の上縁との間に隙間ができないようにしている。水平拡幅部74に開けられた開口76は、長孔になっていて、各部品等に製造誤差があってもボルト77を開口76等に挿入できるようになっている。
【0020】
防音装置10の側壁36、38には、ねじ孔46が開けられている。受板60には、防音装置10の底部18に一致するような水平部63と傾斜部65と垂直部64が設けられており、この垂直部64には長孔66が開けられている。防音装置10の両端を隣り合う受板60夫々の内面に当接させ、受け板60の垂直部64に開けられた長孔66を挿通させたねじ68を防音装置10の側壁36、38のねじ孔46に螺合させることに、防音装置10は防音壁2の上縁に固定される。
【0021】
本実施例は、以上のように構成されているので、次に述べるような効果を奏する。
【0022】
各共鳴室22は、スリット28付近の空気で形成されるマス部と、共鳴室内の空気で形成されるバネとからなる1自由度の振動系と見做すことができる。このような1自由度のマスバネ振動系においては、図6に示したように、加振力に対するマス部の変位の位相は、共振周波数以下の周波数帯では同位相であるが、共振周波数以上の周波数帯では逆位相になる特徴を有している。
【0023】
このことから類推できるように、音源24から出た騒音が、この防音装置10の上側に来ると、スリット28付近の空気は、騒音によって加振され、共鳴室22の共振周波数以上の周波数では騒音と逆位相になって振動して、上方へ音波を放射する。このため、防音壁2の上縁にこの防音装置10に備えれば、騒音が防音装置10の上面で回折する際に、共鳴室22の共振周波数以上の周波数では、騒音と共鳴室22から放射された音波が干渉を起こして、騒音の音圧を下げ、特に共振周波数より少し高音の騒音に対しては効果的に音圧を下げて、受音者26に伝わる騒音を低減させることができる。この際、音源の出す騒音の音圧が極大となる周波数に合わせて、各共鳴室22a−22dの容積V、各スリット28の開口面積sと首下長さdを変えて、各共鳴室22a−22dの共振周波数を適切に設定できるので、受音者26側へ伝わる騒音を低音から高音の広い周波数領域にわたって低減させることができる。
【0024】
また、本実施例の防音装置10は、小さな断面積の複数の部材31−35を結合して構成されているから、製造装置が大型化せず製造が容易である。そして、この防音装置10を防音壁2の上縁に固定するときは、ねじ締めのみでできるので、防音壁2への取付けも容易である。
【0025】
さらに、一部の天井12b、12cは交換可能であるから、これらの天井12b、12cに異なるスリット28の開口面積sと首下長さdを有するものを複数種類用意しておくと、防音装置10の外形と大きさを変えなくても、一部天井12b、12cの交換により、一部共鳴室22a−22cの共振周波数を容易に変更できて、種々の騒音源に対して効果的に騒音低減が可能となる。
【0026】
図7−図15に、この防音装置による騒音の低減効果の実験結果を示す。
図7は、前記実施例の防音装置10による騒音の低減効果の数値シミュレーション結果を示す図である。ここで、破線は、音源24側ほど共鳴室22の共振周波数を低くした場合の騒音低減効果を示し、実線は、逆に音源24側ほど共鳴室22の共振周波数を高くした場合の騒音低減効果を示している。これから、音源24側ほど共鳴室22の共振周波数を低くした場合のほうが、音源24側ほど共鳴室22の共振周波数を高くした場合よりも、200−300Hz付近、500−900Hz付近で騒音低減効果が大きいことが分かり、これ以外の周波数領域では、両者は略同じ程度の騒音低減効果を有することが分かる。
【0027】
図8は、前記実施例の防音装置10による普通舗装交通騒音の低減効果の実験結果を示す図である。図9は、前記実施例の防音装置による排水舗装交通騒音の低減効果の実験結果を示す図である。図8と図9において、斜線の入った棒は防音壁2の上縁に防音装置10を固定した場合の騒音低減効果を示し、無地の棒は防音壁のみの騒音低減効果を示し、( )内の数字は両者の騒音低減効果の差を示している。この実験は、図10に示したように、半無響室内において、普通舗装交通騒音又は排水舗装交通騒音の音源24から3.75m離れた場所に、前記実施例の防音装置10を上縁に設けた防音壁2を立設して行った。防音装置10は床面から1.63mの高さで、6つの測定点P1−P6で騒音を測定した。これらの実験から、防音壁2の上縁に防音装置10を設けた場合は、これを設けない場合よりも、普通舗装交通騒音又は排水舗装交通騒音のいずれに対しても、騒音を低減させることが確認された。なお、普通舗装交通騒音が約1000Hz程度に騒音のピークを有するのに対して、排水舗装交通騒音は、約650Hz程度に騒音のピークを有していて、低音成分が強くなっている。
【0028】
図11−図15は、図10に示したように音源24と防音装置10と防音壁2とを配置し、測定点P5で騒音を測定することにより、防音装置10の各共鳴室22単独の騒音低減効果を調べた実験結果である。
【0029】
図11は、防音装置10の全てのスリット28に蓋をした場合と、最も音源に近い共鳴室22(共振周波数250Hz付近)のスリット28を開け、これ以外のスリット28に蓋をした場合の騒音低減効果を比較した図である。この実験からは、250−600Hz付近で騒音の低減効果が認められ、特に、250−400Hz付近での低減効果が大きいことがわかった。
【0030】
図12−図14は、防音装置10の全てのスリット28に蓋をした場合と、音源24から夫々2、3、4番目の各共鳴室22のスリット28を開け、これ以外のスリット28に蓋をした場合の騒音低減効果を比較した図である。これらの実験からも、各共鳴室22とも共振周波数からこれより少し高音の領域で低減効果を有することが認められた。
【0031】
図15は、防音装置10の全てのスリット28に蓋をした場合と、防音装置10の全てのスリット28開けた場合との騒音低減効果を比較した図である。これによれば、約250Hz以上の周波数では、本実施例の防音装置10が騒音低減効果を有することが分かる。
【0032】
次に、図16に基いて、第2の実施例について説明する。図16は、本実施例の防音装置10の横断面図であり、この防音装置10では、底部18と両側壁36、38と区画壁20を押出成形により一体に形成し、複数枚の天井52a−52eを夫々両側壁36、38と各区画壁20の上縁に交換可能に固定する。各天井52a−52eの間の隙間はスリット28となり、このスリット28の両側では、天井52a−52eから下方へ折り曲げた首下部29が形成される。また、前部の天井52a−52bの下面からは、区画壁20の両側又は側壁36、38の一側に接して垂下する嵌合用突片50が形成される。これ以外は、前記第1実施例と同じである。
【0033】
本実施例では、スリット28の幅と首下長さを変更できるように、種々の天井板52a−52eを用意しておき、天井52a−52eを交換することにより、スリット28の開口面積と首下長さを変更可能にしている。これにより、騒音の周波数分布に応じて、全部の共鳴室22の共振周波数を最も効果的に騒音低減できるように設定できるので、第1実施例の効果に加えて、種々の騒音源に対していっそうの騒音低減が可能となる。
【0034】
ところで、本発明は、上記実施例に限るものではなく、例えば、次のように変形してもよい。たとえば、防音装置10の共鳴室22は、4つに限らず、騒音の周波数分布に応じた適切な数であればよい。また、防音装置10は、前記第1実施例や第2実施例と異なる数の数の部材から組立ててもよく、これらの部材の接合は、嵌合に限ることはなく、ねじ、リベット、溶接、接着等の適宜締結具により、これらの部材どうしを接合してもよい。さらに、天井12には、スリット28の代りに、円形孔や角型孔等の開口を設けてもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上、実施例により詳細に説明したことから理解できるように、請求項1に係る発明によれば、本発明の防音装置は、平坦な天井を有するとともに、各共鳴室の天井には外部と連通する開口が形成されたから、各共鳴室は、共鳴室の共振周波数以上の周波数の騒音を受けると、騒音と逆位相の音波を上方へ放射させ、防音装置の上方で騒音と共鳴室から放射した音波とを干渉させて、受音者側へ伝わる騒音を低減させる。特に、共鳴室の共振周波数より少し高い周波数の騒音に対して、騒音を低減させる効果が大きい。また、各共鳴室の共振周波数は、互いに異ならせるとともに音源側ほど低くされているので、低音から高音までの広い周波数成分を含む騒音に対しても、受音者側へ伝わる騒音を効果的に低減させる。
【0036】
請求項2に係る発明では、請求項1に係る発明において、さらに、防音装置は、音源と反対側の底部に傾斜部を設けたから、音源と反対側に特に容積の小さな共鳴室を備えることによって、その共鳴室の共振周波数を特に高くして、低音からさらに高音までの周波数成分を含む騒音に対しても、受音者側へ伝わる騒音をいっそう効果的に低減させることができる。
【0037】
請求項3に係る発明では、請求項1または2に係る発明において、さらに、天井は異なる開口面積と首下長さを有するものが複数種類用意されており、これらの天井は交換自在にされたから、天井を交換することにより、開口の面積と首下長さを変えて、防音装置の大きさや外形を変更することなく、各共鳴質の共振周波数を変更して、騒音の周波数成分に応じて、最も効果的に受音者側へ伝わる騒音を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る防音装置の概略の横断面図である。
【図2】前記第1実施例の防音装置の正面図である。
【図3】前記第1実施例の防音装置の平面図である。
【図4】図2におけるIV−IV線及び図3におけるIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】前記防音装置を防音壁の上縁に固定する構造を説明する図である。
【図6】一般のマス−バネ系における加振力と変位の位相関係を説明する図である。
【図7】前記防音装置の効果を数値シミューションにより求めた図である。
【図8】前記防音装置の普通交通騒音に対する騒音低減の実験結果を示す図である。
【図9】前記防音装置の普通交通騒音に対する騒音低減の実験結果を示す図である。
【図10】前記防音装置の実験において、音源と防音壁と防音装置と観測点の位置関係を示す図である。
【図11】前記防音装置の第1共鳴室による騒音低減の実験結果を示す図である。
【図12】前記防音装置の第2共鳴室による騒音低減の実験結果を示す図である。
【図13】前記防音装置の第3共鳴室による騒音低減の実験結果を示す図である。
【図14】前記防音装置の第4共鳴室による騒音低減の実験結果を示す図である。
【図15】前記防音装置の全共鳴室による騒音低減の実験結果を示す図である。
【図16】本発明の第2実施例に係る防音装置の概略の横断面図である。
【図17】従来の防音壁の上縁に固定される防音装置の斜視図である。
【符号の説明】
2 防音壁
10、200 防音装置
12 天井
16 傾斜部
18 底部
22 小室(共鳴室)
28 スリット(開口)

Claims (3)

  1. 防音壁の上縁に固定される防音装置において、
    前記防音装置は、平坦な天井を有するとともに、前記防音壁と直交方向に沿って複数の共鳴室に区画され、各共鳴室の天井には外部と連通する開口が形成され、これらの共鳴室は、共振周波数が互いに異なるとともに、全ての共鳴室について音源側ほど共振周波数が低く、受音者側ほど共振周波数が高くされたことを特徴とする防音装置。
  2. 前記防音装置は、音源と反対側の底部に傾斜部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の防音装置。
  3. 前記天井は異なる開口面積と首下長さを有するものが複数種類用意されており、これらの天井は交換可能にされたことを特徴とする請求項1又は2に記載の防音装置。
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