JP3639747B2 - 音響用電解コンデンサ用のセパレータおよび音響用電解コンデンサ - Google Patents
音響用電解コンデンサ用のセパレータおよび音響用電解コンデンサ Download PDFInfo
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は音響用電解コンデンサ用のセパレータおよび音響用電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
図1のように電解コンデンサ1は、陽極箔と陰極箔とをセパレータを間に挟んで巻回してなるコンデンサ素子2に電解液を含浸した後、有底の金属製のケース3内に収納し、開口部をゴムなどの封口体5にて封緘し、陽極箔および陰極箔にそれぞれ接続されている引出しリード4を封口体5の貫通孔を通して外部に引き出してなる構造を有する。
【0003】
セパレータは、電解液を充分な量保持すると共に、両極の短絡を防止するために使用され、セパレータとしては通常、クラフトパルプ繊維やマニラ麻繊維などの植物繊維や、ポリプロピレン、ビニロン、レーヨン、ポリエチレン、ポリエステルなどの合繊繊維を抄製したものが使用されている。またクラフトパルプ繊維とマニラ麻繊維を混抄したものや、植物繊維と合成繊維を混抄したり、あるいはこれらにガラス繊維を混抄したものも使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、電解液が含浸されている状態のセパレータは、一般に、繊維間の機械的結合が弱い膨潤状態にあるため、厚さや曲げ状態などの影響を受けやすい状態になっていて、音圧の変化や、プリント基板から伝播される振動などにより、陽極箔、陰極箔のセパレータに対する締め付け力が変化すると、セパレータの抵抗の変化を生じさせやすい。
【0005】
従って、このようなセパレータを有する電解コンデンサを音響用電解コンデンサとして、オーディオ機器の電源平滑用コンデンサやカップリング用コンデンサに使用した場合、音圧の変化や内部振動および外部振動などにより、オーディオ信号の劣化や音質の歪みが生じやすかった。
【0006】
そこでセパレータに真綿や真綿繊維を含有させたり(特開平1−161819号公報、特開平1−235225号公報)、動物性タンパク質からなる繊維を含有させり(特開平2−101726号公報)、あるいはセラミック粉末やセラミック繊維を含有させる(特開昭59−149017号公報、特公平6−30326号公報)ことが提案されている。
【0007】
本発明も音圧の変化や振動による音質の変化が少なく、品質の高い再生音を有する音響用電解コンデンサおよびこれに用いるセパレータを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の音響用電解コンデンサ用のセパレータは、フィブロインを含有させたことを特徴とする。
【0009】
また本発明の音響用電解コンデンサは、セパレータを陽極箔と陰極箔との間に挟んで巻回して電解液を含浸させてなるコンデンサ素子を、金属製のケース内に収納し密封してなる音響用電解コンデンサにおいて、セパレータがフィブロインを含有してなることを特徴とする。
【0010】
フィブロインは繊維状タンパク質で、絹繊維から熱湯や炭酸ソーダなどに溶けるセリシンを取り除くことにより得られる。
【0011】
本発明で使用されるフィブロインは粉末状や繊維状であるが、これ以外の形状のものを使用してもよい。
【0012】
セパレータは繊維を紙のように抄製した抄製体が使用され、繊維としてはクラフトパルプ繊維やマニラ麻繊維などの植物繊維や、ポリプロピレン、ビニロン、レーヨン、ポリエチレン、ポリエステルなどの合繊繊維が、単体または複合体として用いられ、あるいはこれらにガラス繊維を混抄したものが使用される。
【0013】
フィブロインは、抄製する前の繊維液中に混合して混抄したり、抄製された後に塗布または吹き付けてセパレータ中に含有させる。
【0014】
フィブロインは、粉末の場合、粒子径は1nm〜200μmの範囲のものが好ましい。粒子径が1nm未満では補強効果がなく、また200μmを超えると、電解液の含浸に影響しコンデンサ特性が低下する。
【0015】
フィブロインの使用量は、重量比で、セパレータの重量に対して0.05〜50%が好ましく、0.05%未満では補強効果がなく、50%を超えると電解液の含浸に影響しコンデンサの特性が低下する。
【0016】
なお抄製されたセパレータは、複数層からなっていてもよく、この場合、複数の層の一部の層または全部の層にフィブロインを含有させる。
【0017】
本発明の音響用電解コンデンサの陽極箔としては、アルミニウム箔をエッチングし化成したものが使用でき、陰極箔としてはアルミニウム箔をエッチングしたものが使用できる。
【0018】
電解液には、溶質として例えば無機酸や、芳香族カルボン酸および脂肪族カルボン酸などの有機酸を使用でき、また溶媒としてはγーブチロラクトンなどの非プロトン溶媒やエチレングリコールなどのプロトン溶媒を使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
電解液には、初期の損失角の正接(tanδ)を改善するためにケトン類を添加したり、pHを調整するためにpH調整剤を添加するなど、その他の添加剤を添加してもよい。
【0020】
音響用電解コンデンサのタイプは、JIS04形に限らず、その他の形でもよい。
【0021】
【実施例】
厚さ90μmのアルミニウム箔(純度4N)をエッチングし化成したものを陽極箔とし、厚さ40μmのアルミニウム箔(純度2N)をエッチングしたものを陰極箔として、これらの間に表1のようにセパレータ(厚さ50μm、1層からなる)の仕様を変えて、挟んで巻回してコンデンサ素子を作った。これらのコンデンサ素子を用いて、直径25mm、高さ50mm、定格63V4700μFのラグ端子形の音響用電解コンデンサ(実施例1〜4、比較例1〜6)を作成した。
【0022】
セパレータの材質としてはクラフトパルプ繊維またはマニラ麻繊維を用いるとともに、抄製されたセパレータに、水に分散しているフィブロイン(シナノケンシ株式会社製の「プドルソワ」、平均粒径23〜33μm)を塗布した。なお表1中、フィブロインの含有量はセパレータの重量に対する重量比である。
【0023】
【表1】
【0024】
実施例1〜4および比較例1〜6のアルミニウム電解コンデンサをオ−ディオ機器の電源平滑用コンデンサとして用いて、音楽の再生音を6名で試聴して、その音質を帯域、質感、解像度、音像および音場に分けて10点満点で評価した。その結果を表2に示す。なお比較例5、6のアルミニウム電解コンデンサでは、電解液の保持率が悪く、静電容量が定格より20%以上不足したので試聴しなかった。
【0025】
なお、帯域とは周波数特性であり高得点のものほど再現できる音の周波数帯が広いことを意味している。また質感とは音のSN比で、音の伸びの再現性を意味している。さらに解像度とは音の分解能であり例えば重なった旋律をそれぞれ把握できる度合いを意味している。また音像とは音の美しさであり、音の透明感や輪郭を意味し、音場とは音の厚み、すなわち音の収束感を意味している。
【0026】
【表2】
【0027】
表2の結果から、本発明の音響用電解コンデンサ(実施例1〜4)は比較例1〜6の音響用電解コンデンサに比べて音質が優れていることがわかる。
【0028】
【発明の効果】
本発明の音響用電解コンデンサおよびこれに用いるセパレータは、内部振動または外部振動および音圧の変化に影響されずに高品質の音質を再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】音響用電解コンデンサの断面図。
【符号の説明】
1 音響用電解コンデンサ
2 コンデンサ素子
3 ケース
4 引出しリード
5 封口体
Claims (6)
- フィブロインを含有させたことを特徴とする音響用電解コンデンサ用のセパレータ。
- 植物繊維または合成繊維の単体もしくは複合体からなる抄製体にフィブロイン粉末を含有させてなることを特徴とする音響用電解コンデンサ用のセパレータ。
- 植物繊維または合成繊維の単体もしくは複合体からなる抄製体にフィブロイン繊維を含有させてなることを特徴とする音響用電解コンデンサ用のセパレータ。
- セパレータを陽極箔と陰極箔との間に挟んで巻回して電解液を含浸させてなるコンデンサ素子を、金属製のケース内に収納し密封してなる音響用電解コンデンサにおいて、セパレータがフィブロインを含有してなることを特徴とする音響用電解コンデンサ。
- セパレータを陽極箔と陰極箔との間に挟んで巻回して電解液を含浸させてなるコンデンサ素子を、金属製のケース内に収納し密封してなる音響用電解コンデンサにおいて、セパレータが植物繊維または合成繊維の単体もしくは複合体からなる抄製体にフィブロイン粉末を含有させてなるものであることを特徴とする音響用電解コンデンサ。
- セパレータを陽極箔と陰極箔との間に挟んで巻回して電解液を含浸させてなるコンデンサ素子を、金属製のケース内に収納し密封してなる音響用電解コンデンサにおいて、セパレータが植物繊維または合成繊維の単体もしくは複合体からなる抄製体にフィブロイン繊維を含有させてなるものであることを特徴とする音響用電解コンデンサ。
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