JP3779506B2 - 電解コンデンサ - Google Patents
電解コンデンサ Download PDFInfo
- Publication number
- JP3779506B2 JP3779506B2 JP24194299A JP24194299A JP3779506B2 JP 3779506 B2 JP3779506 B2 JP 3779506B2 JP 24194299 A JP24194299 A JP 24194299A JP 24194299 A JP24194299 A JP 24194299A JP 3779506 B2 JP3779506 B2 JP 3779506B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- capacitor
- outer case
- capacitor element
- electrolytic
- fixing material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電解コンデンサ、殊に音響用の電解コンデンサに係る。
【0002】
【従来の技術】
例えばラグ端子形の音響用のアルミニウム電解コンデンサ1は、図1のように、アルミニウムからなる陽極箔と陰極箔とセパレータを挟んで巻回してなるコンデンサ素子2に電解液を含浸させた後、該コンデンサ素子2を有底筒状の外装ケース3内に収納し、コンデンサ素子2の周囲に固定材4を充填してコンデンサ素子2を固定した後、外装ケース3の開口部を絶縁性の封口板5にて封口してなる。なお6は陽極箔と陰極箔にそれぞれ接続された内部リードで、この各内部リード6はリベット7を介して各ラグ端子8に接続されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
音響用の電解コンデンサは、オーディオ機器などにおいて電源平滑用やカップリング用などとして使用されるが、その場合、モータやトランスなどの外部で発生する振動が外装ケースから固定材を介してコンデンサ素子に伝わり、音声信号の伝達や電源平滑部の電力供給において歪み成分を加えることになり、優れた再生が得られないという問題があった。
【0004】
この問題を解決すべく、固定材としてタール系のピッチや、アタクチックポリプロピレン(APP)などの合成樹脂が使用されているが、必ずしも良好な効果が得られているとは言えなかった。また固定材に繊維を混入することなども提案されている(特許第2562957号公報)。
【0005】
本発明は、モータやトランスなどからの外部の振動があっても、優れた音質が得られる音響用の電解コンデンサを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の電解コンデンサは、陽極箔と陰極箔とをセパレータを挟んで巻回したコンデンサ素子に電解液を含浸し、同コンデンサ素子を有底筒状の外装ケース内に収納して固定材にて固定するとともに、同外装ケースの開口部を封口板にて封口してなり、固定材として合成樹脂またはタール系ピッチに雲母を混合してなる固定材を用いたことを特徴とする。
【0007】
合成樹脂はアタクチック構造、アイソタクチック構造またはステレオ構造のポリプロピレンの少なくとも一種類からなるポリプロピレンであるのが好ましい。
【0008】
雲母は天然のものでも合成雲母でもよく、組成的には例えばフッ素雲母などを使用することができる。
【0009】
フッ素雲母は、膨潤性のものでも非膨潤性のものでもよい。フッ素雲母は天然でも合成でもよいが、不純物が少ない点から合成したものが好ましく、合成フッ素雲母としてはフッ素キンウンモやフッ素シロウンモなどがある。
【0010】
雲母の含有量は0.1〜20重量%であるのが好ましい。含有量が0.1重量%未満では音質改善の効果が見られず、また20重量%を超えると、固定材としての機能を果たせなくなる。
【0011】
以下にアタクチック構造のポリプロピレンを使用した実施例を示すが、アイソタクチック構造またはステレオ構造のポリプロピレンの少なくとも一種類に雲母を混合したもの、またはタール系ピッチに雲母を混合させたものについても同様な結果が得られた。
【0012】
【実施例】
アルミニウム箔をエッチングし化成したものを陽極箔とし、アルミニウム箔をエッチングしたものを陰極箔として、これらの間にセパレータ紙を挟んで巻回してコンデンサ素子2を作り、図1のように有底筒状の外装ケース3内に収納し、コンデンサ素子2の周囲に固定材4を充填した。
【0013】
外装ケース3の開口部を二層構造からなる絶縁性の封口板5にて封口し、陽極箔と陰極箔にそれぞれ接続された内部リード6をリベット7を介してラグ端子8に接続した。このようにして直径40mm、高さ90mm、定格63V8200μFのJIS規格の69形の音響用のアルミ二ウム電解コンデンサ1(実施例1〜3、比較例1〜3)を作成した。
【0014】
なお、固定材4は実施例1〜3の場合、加温して液状としたアタクチック構造のポリプロピレン(APP)に高純度の合成フッ素雲母の粉末(コープケミカル株式会社製「ソマシフ」平均粒径1〜5μm)を1重量%(実施例1)、15重量%(実施例2)、および20重量%(実施例3)それぞれ混合したものを使用した。
【0015】
また比較例1〜3では、固定材として、加温して液状としたアタクチック構造のポリプロピレン(APP)に雲母をまったく混合しないもの(比較例1)、上記と同じ高純度の合成フッ素雲母の粉末を0.01重量%(比較例2)および25重量%(比較例3)それぞれ混合したものを使用した。なお、比較例3の電解コンデンサでは、防振効果がなくコンデンサ特性が悪くて製品化できなかった。
【0016】
実施例1〜3および比較例1〜2の電解コンデンサをパワーアンプの電源平滑部に実装し、音楽の再生音を6名で試聴して、その音質を帯域、解像度、音場、音像および質感に分けて10点満点で評価した。その結果を表1に示す。
【0017】
なお、表1中、「帯域」とは周波数特性であり高得点のものほど再現できる音の周波数帯が広いことを意味している。また「解像度」とは音の分解能であり例えば重なった旋律をそれぞれ把握できる度合いを意味している。また「音場」とは音の厚みすなわち音の収束感を意味している。さらに「音像」とは音の美しさであり、音の透明感や輪郭を意味し、「質感」とは音のSN比で、音の伸びの再現性を意味している。
【0018】
【表1】
【0019】
表1の結果から、本発明の電解コンデンサ(実施例1〜3)は比較例1〜2の電解コンデンサに比べて音質が優れていることがわかる。
【0020】
【発明の効果】
固定材として合成樹脂またはタール系ピッチに雲母を混合してなる固定材を用いることにより、外部振動のコンデンサ素子への伝達が防止され、音質の優れた電解コンデンサが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電解コンデンサの断面図。
【符号の説明】
1 電解コンデンサ
2 コンデンサ素子
3 外装ケース
4 固定材
5 封口板
6 内部リード
7 リベット
8 ラグ端子
Claims (3)
- 陽極箔と陰極箔とをセパレータを挟んで巻回したコンデンサ素子に電解液を含浸し、同コンデンサ素子を有底筒状の外装ケース内に収納して、コンデンサ素子と外装ケースとの間のコンデンサ素子の周囲に、ポリプロピレンに平均粒径が1〜5μmの粉末の合成フッ素雲母を1〜20重量%混合してなる固定材を充填後、外装ケースの開口部を封口板にて封口してなる電解コンデンサ。
- ポリプロピレンが、アタクチック構造、アイソタクチック構造またはステレオ構造のポリプロピレンの少なくとも一種類からなる請求項1に記載の電解コンデンサ。
- 陽極箔と陰極箔とをセパレータを挟んで巻回したコンデンサ素子に電解液を含浸し、同コンデンサ素子を有底筒状の外装ケース内に収納して、コンデンサ素子と外装ケースとの間のコンデンサ素子の周囲に、タール系ピッチに平均粒径が1〜5μmの粉末の合成フッ素雲母を1〜20重量%混合してなる固定材を充填後、外装ケースの開口部を封口板にて封口してなる電解コンデンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24194299A JP3779506B2 (ja) | 1999-08-27 | 1999-08-27 | 電解コンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24194299A JP3779506B2 (ja) | 1999-08-27 | 1999-08-27 | 電解コンデンサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001068385A JP2001068385A (ja) | 2001-03-16 |
JP3779506B2 true JP3779506B2 (ja) | 2006-05-31 |
Family
ID=17081870
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24194299A Expired - Lifetime JP3779506B2 (ja) | 1999-08-27 | 1999-08-27 | 電解コンデンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3779506B2 (ja) |
-
1999
- 1999-08-27 JP JP24194299A patent/JP3779506B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001068385A (ja) | 2001-03-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3779506B2 (ja) | 電解コンデンサ | |
JP3639747B2 (ja) | 音響用電解コンデンサ用のセパレータおよび音響用電解コンデンサ | |
JPH05315193A (ja) | 電解コンデンサ | |
JP2001006980A (ja) | 音響用電解コンデンサ用のセパレータおよび音響用電解コンデンサ | |
JP4287537B2 (ja) | 音響機器用電解コンデンサ | |
JP2001093782A (ja) | 電解コンデンサ | |
JPH0774063A (ja) | 電解コンデンサ | |
JPH04247612A (ja) | 音響用アルミニウム電解コンデンサ | |
JP2000348980A (ja) | アルミニウム電解コンデンサ及びそのセパレータ | |
JPH04259207A (ja) | 音響用アルミニウム電解コンデンサ | |
JPH1145834A (ja) | 電解コンデンサ | |
JP3289513B2 (ja) | スピーカ | |
JPH04263413A (ja) | アルミニウム電解コンデンサ | |
JPS6011639Y2 (ja) | 電解コンデンサ | |
JPH04259208A (ja) | 音響用アルミニウム電解コンデンサ | |
JPS6133639Y2 (ja) | ||
JP2000299252A (ja) | 電解コンデンサ | |
JPS622758Y2 (ja) | ||
JP5663268B2 (ja) | アルミニウム電解コンデンサ用セパレータおよびアルミニウム電解コンデンサ | |
JP2960223B2 (ja) | 音響用コンデンサ及びその製造方法 | |
JPS6133638Y2 (ja) | ||
JPS5932129Y2 (ja) | アルミ電解コンデンサ | |
JP2007173693A (ja) | 電解コンデンサ | |
JPH11111570A (ja) | アルミニウム電解コンデンサおよびそのセパレータ | |
JP2010238969A (ja) | 電解コンデンサ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051003 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051011 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051209 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060221 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060302 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 3779506 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100310 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110310 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120310 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120310 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130310 Year of fee payment: 7 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140310 Year of fee payment: 8 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |