JP2960223B2 - 音響用コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

音響用コンデンサ及びその製造方法

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JP2960223B2 JP3261690A JP26169091A JP2960223B2 JP 2960223 B2 JP2960223 B2 JP 2960223B2 JP 3261690 A JP3261690 A JP 3261690A JP 26169091 A JP26169091 A JP 26169091A JP 2960223 B2 JP2960223 B2 JP 2960223B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音響機器に使用される
音響用コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、音響機器業界は、オ−ディオ機器
のディジタル化に伴い急速に高音質化が進行中である。
特に最近では、中低域の音声の量感が豊かで、且つ、高
域音が適切に抑制され、柔軟で聴き易い音が業界の主流
であり、その音質を再現すべく研究開発が盛んに行われ
ている。
【0003】そのため、電子部品であるコンデンサに対
しても、その音質性能の向上を強く要望されている状況
にある。コンデンサの音質性能を向上するには、信号波
形を忠実に伝送するコンデンサ素子を実現することが基
本となる。即ち、直列抵抗分は零であり、周波数による
静電容量の変化がなく、電流が常に90°進相している
理想的なコンデンサ素子を実現することである。
【0004】具体的には、誘電体、電極、リ−ド線等の
材料に低損失、低抵抗の材料を用いることや、素子構造
を振動しにくくすることが良いとされ、例えば、従来よ
り音響機器に使用されるフィルムコンデンサは、誘電体
フィルムにポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイ
ド等の電気的損失の少ないものを、電極材料に比重が高
く、且つ、抵抗率の低い銅、又は、錫等、またリ−ド線
に無酸素銅線をそれぞれ使用するなど、誘電体、電極、
リ−ド線の各材料に工夫を凝らしてその音質性能を向上
させていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の音響用コンデンサを実際に音響機器に用いると、スピ
−カより聞こえる音の音質は向上しているものの中域の
量感に乏しく、バランス的に悪く、且つ、高域の音が強
調され、音が硬く聴き疲れし易いことが大きな課題であ
った。
【0006】本発明は、このような従来の課題を解消
し、中域音がバランス良く聞こえ、且つ、高域音が適切
に抑えられ、音が柔軟で聴き疲れをしない音質性能の優
れた音響用コンデンサを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の音響用コンデンサは、その外装に真比重が
1.8〜2.1の範囲にある粉末樹脂材料を用いた構成
となっている。また、その外装にJIS C2104準
拠による150±1°Cにおけるゲル化時間が、200
〜250秒粉末樹脂材料を用いた構成となっている。
また、リード線として線径がφ0.8mm以上の無酸素
銅線を用いた構成となっている。
【0008】
【作用】本発明の音響用コンデンサは、外装粉末樹脂材
真比重が1.8〜2.1の範囲内にあるので、適度
な重量を持つとともに、コンデンサの製造過程において
外装粉末樹脂材料が適度な流動性を有する。真比重が
1.8未満と小さいと、外装を施した場合、コンデンサ
自体の重量が軽くなり、音質性能が悪く、真比重2.1
を越える場合は、重すぎて通常用いられる塗装方法の流
動浸漬法や、スプレー法において流動せず工業的に使用
できない。
【0009】従って、真比重1.8〜2.1の外装粉末
樹脂を用いることにより、外装を施した場合、フィルム
コンデンサ自体の重量が重くなり、その結果、コンデン
サ素子の振動を低減することができる。また、従来の外
装粉末樹脂は、JIS C2104準拠による150±
1℃におけるゲル化時間が、40〜150秒の材料が一
般的に用いられていた。これに対し、本発明においては
ゲル化時間が200〜250秒の材料を使用するもので
あり、200秒未満だと樹脂の硬化が速く、硬化歪のた
め音質性能が悪く、250秒を越える場合は、硬化時間
がかかりすぎ生産性が悪いことより工業的に有用でな
い。
【0010】従って、150±1℃におけるゲル化時間
が200〜250秒の外装粉末樹脂を用いることによ
り、外装樹脂の焼成硬化工程において、従来の外装粉末
樹脂に比較し硬化反応速度を遅延させることができ、そ
の結果、樹脂硬化時の歪みによるコンデンサ素子への機
械的ストレスを抑えることができる。さらに、コンデン
サ素子と外装樹脂の空隙層が減少することにより、コン
デンサ素子の振動を低減することができる。
【0011】また、リ−ド線材料として線径φ0.8m
m以上の無酸素銅線を用いることにより、リ−ド線の単
位長さ当たりの抵抗分を低減することができ、且つ、コ
ンデンサ素子のプリント基盤に対しての保持力が向上す
るため、コンデンサ素子の振動を低減することができ
る。以上のように、コンデンサ素子の機械的ストレスや
振動を抑制し、リ−ド線の抵抗分を低減することによ
り、電気信号の歪みの発生や信号の損失を低減、抑制す
ることとなり、その音質性能を大きく向上することがで
きる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例の音響用コンデンサ
について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の
音響用フィルムコンデンサの一実施例の構造を示したも
のであり、ポリプロピレンフィルム1とアルミニウム箔
2を交互に重ね合わせ巻回し、小判状に偏平化した無誘
導巻構造のフィルムコンデンサ素子端面に、線径φ0.
8mmの無酸素銅線3を2点スポット溶接し、次いで含
浸用低粘度液状エポキシ樹脂4にてフィルムコンデンサ
素子本体へ含浸、硬化を行なった後、外装粉末樹脂5で
外装を施したものである。
【0013】外装粉末樹脂5は、エポキシ当量850〜
1000のビスフェノールA型エポキシ樹脂を100重
量部、充填剤として粒径2μm以下の酸化チタンを70
重量部と炭酸カルシウムを50重量部、硬化剤としてジ
アミノジフェニルメタンを7重量部、さらに着色顔料と
して銅フタロシアニンブルーを5重量部、表面平滑剤と
してアクリル樹脂モタフローを2重量部用い、押し出し
機にて混練りし、粉砕したものであり、この外装粉末樹
脂は真比重1.84、JIS C2104準拠による1
50±1℃におけるゲル化時間が227秒であった。
【0014】外装は、流動浸漬塗装法により施し、10
0℃、3時間焼成硬化してフィルムコンデンサを得た。
図2は、本発明の上記一実施例と従来の音響用フィルム
コンデンサを実際にCDプレ−ヤのエンファシス・ディ
エンファシス回路に使用した場合、その音質について
『高域の抜け』、『高域の締まり』、『中域の量感』、
『低域の量感』、『低域の伸び』、『歪み感』、『音情
感』、『立ち上がり感』、『分解能』、『音の柔らか
さ』、『音のバランス』の11項目にわたって実際に試
聴して評価した結果を示している。
【0015】ここで、従来品はリ−ド線に線径φ0.6
mmの無酸素銅線を用い、外装粉末樹脂には真比重が
1.67、150±1℃におけるゲル化時間が59秒の
材料を用い、本発明品は、従来品と比較しやすい様にリ
−ド線の線径と外装樹脂材料のみを変更し、その他は同
一の設計とした。図2より明確なように、本発明の一実
施例の音響用フィルムコンデンサは従来品と比較して、
特に中域の量感、及び、音の柔らかさが改善され、音質
性能が大きく向上している。
【0016】これは、外装粉末樹脂材料に比重大の充填
剤を適度に配合することにより真比重が1.8〜2.1
の範囲となり、外装を施した場合、コンデンサ自体が重
く振動を低減することができると共に良好な生産性を実
現できる。また、外装粉末樹脂の150±1℃における
ゲル化時間を227秒と従来の粉末樹脂と比較して長く
することにより、樹脂硬化時の歪みによるコンデンサ素
子への機械的ストレスを抑えることができると共に良好
な生産性を実現できる。さらにコンデンサ素子と外装樹
脂の空隙層が減少することにより、コンデンサ素子の振
動を低減することができ、その結果、電気信号の歪みの
発生を低減、抑制することとなり音質性能が大きく向上
するのである。
【0017】さらに、リ−ド線径を従来品より太くする
ことにより、リ−ド線の抵抗分を低減することができ、
且つ、コンデンサ素子のプリント基盤に対しての保持力
が向上するため、コンデンサ素子の振動が低減でき、そ
の結果、電気信号の歪みの発生や信号の損失が低減、抑
制され音質性能が大きく向上するのである。
【0018】
【発明の効果】以上のように、本発明の音響用コンデン
サは、外装樹脂材料に適当な真比重で、且つ、ゲル化時
間の適当な材料を用い、リ−ド線に線径の太い無酸素銅
線を用いる構成とすることにより、生産性を考慮しつつ
コンデンサ素子への機械的ストレスや振動が抑制で
き、さらにリード線の抵抗分を低減することとなり、そ
の結果、電気信号歪みの発生や信号の損失が低減、抑制
され、中域の音声が量感豊かに聴こえ、しかも音が柔軟
で聴き易い、高音質な音を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の音響用フィルムコンデンサ
の構造図
【図2】本発明の一実施例と従来品との音質比較図
【符号の説明】
1 ポリプロピレンフィルム 2 アルミニウム箔 3 無酸素銅線 4 含浸用低粘度液状エポキシ樹脂 5 外装粉末樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木下 長男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 佐々井 祥二 東京都千代田区内幸町1丁目2番2号 住友デュレズ株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−98910(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01G 1/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂と無機物粉末充填剤とから
    なり、真比重が1.8〜2.1の範囲にあり且つJIS
    C2104準拠による150±1℃におけるゲル化時
    間が200〜250秒の粉末樹脂材料を外装に用いたこ
    とを特徴とする音響用コンデンサ。
  2. 【請求項2】 リード線として線径φ0.8mm以上の無
    酸素銅線を用いたことを特徴とする請求項1に記載の音
    響用コンデンサ。
  3. 【請求項3】 エポキシ樹脂と無機物粉末充填剤とから
    なり、真比重が1.8〜2.1の範囲にあり且つJIS
    C2104準拠による150±1℃におけるゲル化時
    間が200〜250秒の粉末樹脂材料を外装に用いたこ
    とを特徴とする音響用コンデンサの製造方法。
  4. 【請求項4】 リード線として線径φ0.8mm以上の無
    酸素銅線を用いたことを特徴とする請求項3に記載の音
    響用コンデンサの製造方法。
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