JP3345709B2 - 電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサ

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JP3345709B2
JP3345709B2 JP36396197A JP36396197A JP3345709B2 JP 3345709 B2 JP3345709 B2 JP 3345709B2 JP 36396197 A JP36396197 A JP 36396197A JP 36396197 A JP36396197 A JP 36396197A JP 3345709 B2 JP3345709 B2 JP 3345709B2
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靖彦 曽我
満 米田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金めっき層を形成し
たアルミニウム製外装ケ−スを使用した電解コンデン
サ、特には音響用電解コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルミニウムなどの弁作用金属の陽極箔
と陰極箔をセパレータを介在させて巻回してコンデンサ
素子とした電解コンデンサは、一般にコンデンサ素子に
駆動用電解液を含浸し、アルミニウムなどの金属製の外
装ケ−スや合成樹脂製の外装ケースにコンデンサ素子を
収納し、密閉した構造を有する。
【0003】このような電解コンデンサはJIS−04
形、62形、69形などの構造を有する。
【0004】電解コンデンサ用電極箔の一方の陽極箔と
しては、アルミニウム箔を化学的にあるいは電気化学的
にエッチングしてその表面積を拡大し、化成処理により
誘電体酸化皮膜を形成したものが一般的に使用される。
また、エッチングすることなく、プレーン(平坦)なア
ルミニウム箔に誘電体酸化皮膜を形成したものも使用さ
れることがある。
【0005】電解コンデンサ用電極箔の他方の陰極箔と
しては、アルミニウム箔を化学的にあるいは電気化学的
にエッチングしてその表面積を拡大したもの、エッチン
グすることなく、プレーン(平坦)なアルミニウム箔を
そのまま使用するのが普通であるが、誘電体酸化皮膜を
形成したものも使用されることがある。
【0006】電解コンデンサの駆動用電解液としては、
エチレングリコールやγ−ブチロラクトンなどの有機極
性溶媒の単体あるいはその混合物を主溶媒とし、これに
カルボン酸またはその塩を溶質とし、また必要により糖
類、水分、リン酸などを添加剤として溶解した電解液が
一般に使用されている。溶質としてホウ酸またはその塩
を使用することもある。
【0007】コンデンサ素子を封口体と共に組み込み、
コンデンサ素子を収納するための外装ケ−スとしては合
成樹脂製のケ−スも使用されるが、アルミニウム製のケ
−スが一般的に使用される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】音響用に使用される電
解コンデンサは電源回路の2次側のフィルタ用のコンデ
ンサ、アンプ間のカップリング用コンデンサ、あるいは
スピーカネットワーク用コンデンサとして使用される
が、特に優れた再生音質が得られることが要求される。
しかし、従来の音響用として使用されている電解コンデ
ンサは、必ずしも優れた再生音質が得られているとは言
えなかった。
【0009】本発明は優れた音質特性を有した音響用の
電解コンデンサを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために、本発明者らは種々の実験および検討を行なっ
た結果、金めっき層を形成したアルミニウム製外装ケ−
スを使用すると、優れた再生音を得ることができる電解
コンデンサを提供することができることが判明した。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で使用されるアルミニウム
製外装ケースとしては通常のものが使用でき、ケースの
厚さとしては例えば0.20〜1.50mmのものが使
用される。外装ケ−スの形状としては、一方を開口とし
た有底筒状のものが好適である。外装ケ−スのアルミニ
ウムの純度としては99.0%以上のものがよく、鉄、
ケイ素、銅やその他の金属不純物を含んでいてもよい。
また、数%以下の銅、ニッケルなどその他の金属とによ
るアルミニウム合金を外装ケ−スに使用することもあ
り、これによると外装ケ−スに吸振性を付与することが
できる場合がある。アルミニウム製外装ケースの表面に
金めっき層を形成する方法としては、化学めっき法また
は電気めっき法を利用するのが好ましい。この金めっき
層は有底円筒形のアルミニウム製外装ケースの外表面に
形成するのが好ましいが、内表面にも形成してもよい。
また、内表面のみに形成してもよい。この金めっき層を
保護することを目的として、例えばアクリル系の樹脂を
金めっき層上に皮覆してもよい。金めっき層の厚さとし
ては0.05〜5μmであることが好ましい。厚さが
0.05μm以下であると均一な厚さのめっきが難し
く、また良好なる再生音を得ることができない。厚さが
5μmを超えると、外装ケースが非常に高価なものとな
ってしまい実用に供さない。金めっき層をアルミニウム
製外装ケースの表面に化学めっき法によって形成する場
合、銅めっき層およびニッケルめっき層の下地層を形成
してから金めっき層を形成するのが好ましい金めっき層
をアルミニウム製外装ケースの表面に電気めっき法によ
って形成する場合にはニッケルめっき層の下地層を形成
してから金めっき層を形成するのが好ましい。化学めっ
き法および電気めっき法ともに公知の方法を利用でき、
下地層の厚さは任意の厚さに調整することができる。
【0012】本発明において使用される駆動用電解液の
有機極性溶媒としては、電解コンデンサに通常使用され
る有機極性溶媒であればいずれも使用できる。好ましい
溶媒としては、アミド類、ラクトン類、グリコ−ル類、
硫黄化合物類、ケトン類、エ−テル類または炭酸塩類が
使用できる。好ましい具体例としては、炭酸プロピレ
ン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルム
アミド、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、
ジメチルスルホキシド、エチレンシアノヒドリン、エチ
レングリコ−ル、エチレングリコ−ルモノまたはジアル
キルエ−テル、3−アルキル−1,3−オキサゾリジン
−2−オンなどが使用できる。特に好ましくは、ラクト
ン類、エチレングリコ−ル類などが用いられる。
【0013】本発明において使用される駆動用電解液の
溶質としては、電解コンデンサに通常使用される溶質で
あればいずれも使用できる。
【0014】好ましい溶質としては、ホウ酸やリン酸な
どの無機酸またはその塩、ケイタングステン酸などのヘ
テロポリ酸またはその塩、フェノ−ル性水酸基を有する
有機酸またはその塩、スルホン酸基を有する有機酸また
はその塩、ギ酸やドデシル酸に代表される鎖式モノカル
ボン酸またはその塩、安息香酸やサリチル酸に代表され
る芳香族モノカルボン酸またはその塩、アジピン酸やセ
バシン酸に代表されるる鎖式ジカルボン酸またはその
塩、マレイン酸やシトラコン酸などの不飽和ジカルボン
酸またはその塩、フタル酸やニトロフタル酸やテトラヒ
ドロフタル酸からなる環式ジカルボン酸またはその塩、
クエン酸に代表されるトリカルボン酸またはその塩を例
示することができる。特に好ましくは、芳香族カルボン
酸または不飽和ジカルボン酸の4級アルキルアンモニウ
ム塩、芳香族カルボン酸のアンモニウム塩が採用され
る。
【0015】また、塩としてはアンモニウム塩、第1〜
第3級アミン塩、第4級アンモニウム塩を例示すること
ができる。また、伝導度を高めるために水分を添加する
が、コンデンサ特性の経時変化を抑止するためには15
%以下、好ましくは8%以下、特に好ましくは5%以下
が採用される。
【0016】陽極箔および陰極箔は通常のものが使用で
きる。陽極箔および陰極箔とともにその間に介在して巻
回されるセパレータとしては、クラフト紙やマニラ麻紙
に代表される植物繊維を利用するもの、ポリプロピレン
などの合成樹脂繊維からなるもの、ガラス繊維からなる
もの、真綿などの動物繊維からなるもの、これらを混抄
したものなどを例示することができる
【0017】
【実施例】次に、本発明に係る電解コンデンサの実施例
1〜10を比較例1〜3とともに説明する。
【0018】<実施例1>両面に誘電体酸化皮膜を形成
した厚さ90μmのアルミニウム(純度99.99%)
陽極箔と、厚さ40μmのアルミニウム(純度99.8
%)陰極箔と、マニラ麻紙からなる厚さ60μmのセパ
レ−タとを用意した。これら陽極箔と陰極箔とをセパレ
−タを介して巻回してコンデンサ素子を製作し、このコ
ンデンサ素子に、水分12wt%、エチレングリコ−ル
74wt%、アジピン酸アンモニウム14wt%からな
る駆動用電解液を含浸させた。一方、側部の厚さが0.
4mmで、底部の厚さが0.6mmで、一方を開口とし
た有底筒状のアルミニウム(純度99%)製外装ケ−ス
の外表面に電気めっき法により、ニッケル下地めっき層
を8μmおよび金めっき層を0.05μmの厚さで順次
形成した。この外装ケ−スにコンデンサ素子を封口体と
共に組み込み、定格50V8200μF、外径30m
m、長さ40mmのJIS−69形の電解コンデンサを
製作した。
【0019】<実施例2>両面に誘電体酸化皮膜を形成
した厚さ90μmのアルミニウム(純度99.99%)
陽極箔と、厚さ40μmのアルミニウム(純度99.8
%)陰極箔と、マニラ麻紙からなる厚さ60μmのセパ
レ−タとを用意した。これら陽極箔と陰極箔とをセパレ
−タを介して巻回してコンデンサ素子を製作し、このコ
ンデンサ素子に、水分12wt%、エチレングリコ−ル
74wt%、アジピン酸アンモニウム14wt%からな
る駆動用電解液を含浸させた。一方、側部の厚さが0.
4mmで、底部の厚さが0.6mmで、一方を開口とし
た有底筒状のアルミニウム(純度99%)製外装ケ−ス
の外表面に電気めっき法により、ニッケル下地めっき層
を8μmおよび金めっき層を1.00μmの厚さで順次
形成した。この外装ケ−スにコンデンサ素子を封口体と
共に組み込み、定格50V8200μF、外径30m
m、長さ40mmのJIS−69形の電解コンデンサを
製作した。
【0020】<実施例3>両面に誘電体酸化皮膜を形成
した厚さ90μmのアルミニウム(純度99.99%)
陽極箔と、厚さ40μmのアルミニウム(純度99.8
%)陰極箔と、マニラ麻紙からなる厚さ60μmのセパ
レ−タとを用意した。これら陽極箔と陰極箔とをセパレ
−タを介して巻回してコンデンサ素子を製作し、このコ
ンデンサ素子に、水分12wt%、エチレングリコ−ル
74wt%、アジピン酸アンモニウム14wt%からな
る駆動用電解液を含浸させた。一方、側部の厚さが0.
4mmで、底部の厚さが0.6mmで、一方を開口とし
た有底筒状のアルミニウム(純度99%)製外装ケ−ス
の外表面に電気めっき法により、ニッケル下地めっき層
を8μmおよび金めっき層を2.50μmの厚さで順次
形成した。この外装ケ−スにコンデンサ素子を封口体と
共に組み込み、定格50V8200μF、外径30m
m、長さ40mmのJIS−69形の電解コンデンサを
製作した。
【0021】<実施例4>両面に誘電体酸化皮膜を形成
した厚さ90μmのアルミニウム(純度99.99%)
陽極箔と、厚さ40μmのアルミニウム(純度99.8
%)陰極箔と、マニラ麻紙からなる厚さ60μmのセパ
レ−タとを用意した。これら陽極箔と陰極箔とをセパレ
−タを介して巻回してコンデンサ素子を製作し、このコ
ンデンサ素子に、水分12wt%、エチレングリコ−ル
74wt%、アジピン酸アンモニウム14wt%からな
る駆動用電解液を含浸させた。一方、側部の厚さが0.
4mmで、底部の厚さが0.6mmで、一方を開口とし
た有底筒状のアルミニウム(純度99%)製外装ケ−ス
の外表面に電気めっき法により、ニッケル下地めっき層
を8μmおよび金めっき層を4.00μmの厚さで順次
形成した。この外装ケ−スにコンデンサ素子を封口体と
共に組み込み、定格50V8200μF、外径30m
m、長さ40mmのJIS−69形の電解コンデンサを
製作した。
【0022】<実施例5>両面に誘電体酸化皮膜を形成
した厚さ90μmのアルミニウム(純度99.99%)
陽極箔と、厚さ40μmのアルミニウム(純度99.8
%)陰極箔と、マニラ麻紙からなる厚さ60μmのセパ
レ−タとを用意した。これら陽極箔と陰極箔とをセパレ
−タを介して巻回してコンデンサ素子を製作し、このコ
ンデンサ素子に、水分12wt%、エチレングリコ−ル
74wt%、アジピン酸アンモニウム14wt%からな
る駆動用電解液を含浸させた。一方、側部の厚さが0.
4mmで、底部の厚さが0.6mmで、一方を開口とし
た有底筒状のアルミニウム(純度99%)製外装ケ−ス
の外表面に電気めっき法により、ニッケル下地めっき層
を8μmおよび金めっき層を5.00μmの厚さで順次
形成した。この外装ケ−スにコンデンサ素子を封口体と
共に組み込み、定格50V8200μF、外径30m
m、長さ40mmのJIS−69形の電解コンデンサを
製作した。
【0023】<実施例6>両面に誘電体酸化皮膜を形成
した厚さ90μmのアルミニウム(純度99.99%)
陽極箔と、厚さ40μmのアルミニウム(純度99.8
%)陰極箔と、マニラ麻紙からなる厚さ60μmのセパ
レ−タとを用意した。これら陽極箔と陰極箔とをセパレ
−タを介して巻回してコンデンサ素子を製作し、このコ
ンデンサ素子に、水分12wt%、エチレングリコ−ル
74wt%、アジピン酸アンモニウム14wt%からな
る駆動用電解液を含浸させた。一方、側部の厚さが0.
4mmで、底部の厚さが0.6mmで、一方を開口とし
た有底筒状のアルミニウム(純度99%)製外装ケ−ス
の内外表面に化学めっき法により、銅下地めっき層を1
μm、ニッケル下地めっき層を8μmおよび金めっき層
を0.05μmの厚さで順次形成した。この場合、ケー
スの内表面の金めっき層はアクリル系樹脂にて皮覆し
た。この外装ケ−スにコンデンサ素子を封口体と共に組
み込み、定格50V8200μF、外径30mm、長さ
40mmのJIS−69形の電解コンデンサを製作し
た。
【0024】<実施例7>両面に誘電体酸化皮膜を形成
した厚さ90μmのアルミニウム(純度99.99%)
陽極箔と、厚さ40μmのアルミニウム(純度99.8
%)陰極箔と、マニラ麻紙からなる厚さ60μmのセパ
レ−タとを用意した。これら陽極箔と陰極箔とをセパレ
−タを介して巻回してコンデンサ素子を製作し、このコ
ンデンサ素子に、水分12wt%、エチレングリコ−ル
74wt%、アジピン酸アンモニウム14wt%からな
る駆動用電解液を含浸させた。一方、側部の厚さが0.
4mmで、底部の厚さが0.6mmで、一方を開口とし
た有底筒状のアルミニウム(純度99%)製外装ケ−ス
の内外表面に化学めっき法により、銅下地めっき層を1
μm、ニッケル下地めっき層を8μmおよび金めっき層
を1.00μmの厚さで順次形成した。この場合、ケー
スの内表面の金めっき層はアクリル系樹脂にて皮覆し
た。この外装ケ−スにコンデンサ素子を封口体と共に組
み込み、定格50V8200μF、外径30mm、長さ
40mmのJIS−69形の電解コンデンサを製作し
た。
【0025】<実施例8>両面に誘電体酸化皮膜を形成
した厚さ90μmのアルミニウム(純度99.99%)
陽極箔と、厚さ40μmのアルミニウム(純度99.8
%)陰極箔と、マニラ麻紙からなる厚さ60μmのセパ
レ−タとを用意した。これら陽極箔と陰極箔とをセパレ
−タを介して巻回してコンデンサ素子を製作し、このコ
ンデンサ素子に、水分12wt%、エチレングリコ−ル
74wt%、アジピン酸アンモニウム14wt%からな
る駆動用電解液を含浸させた。一方、側部の厚さが0.
4mmで、底部の厚さが0.6mmで、一方を開口とし
た有底筒状のアルミニウム(純度99%)製外装ケ−ス
の内外表面に化学めっき法により、銅下地めっき層を1
μm、ニッケル下地めっき層を8μmおよび金めっき層
を2.50μmの厚さで順次形成した。この場合、ケー
スの内表面の金めっき層はアクリル系樹脂にて皮覆し
た。この外装ケ−スにコンデンサ素子を封口体と共に組
み込み、定格50V8200μF、外径30mm、長さ
40mmのJIS−69形の電解コンデンサを製作し
た。
【0026】<実施例9>両面に誘電体酸化皮膜を形成
した厚さ90μmのアルミニウム(純度99.99%)
陽極箔と、厚さ40μmのアルミニウム(純度99.8
%)陰極箔と、マニラ麻紙からなる厚さ60μmのセパ
レ−タとを用意した。これら陽極箔と陰極箔とをセパレ
−タを介して巻回してコンデンサ素子を製作し、このコ
ンデンサ素子に、水分12wt%、エチレングリコ−ル
74wt%、アジピン酸アンモニウム14wt%からな
る駆動用電解液を含浸させた。一方、側部の厚さが0.
4mmで、底部の厚さが0.6mmで、一方を開口とし
た有底筒状のアルミニウム(純度99%)製外装ケ−ス
の内外表面に化学めっき法により、銅下地めっき層を1
μm、ニッケル下地めっき層を8μmおよび金めっき層
を4.00μmの厚さで順次形成した。この場合、ケー
スの内表面の金めっき層はアクリル系樹脂にて皮覆し
た。この外装ケ−スにコンデンサ素子を封口体と共に組
み込み、定格50V8200μF、外径30mm、長さ
40mmのJIS−69形の電解コンデンサを製作し
た。
【0027】<実施例10>両面に誘電体酸化皮膜を形
成した厚さ90μmのアルミニウム(純度99.99
%)陽極箔と、厚さ40μmのアルミニウム(純度9
9.8%)陰極箔と、マニラ麻紙からなる厚さ60μm
のセパレ−タとを用意した。これら陽極箔と陰極箔とを
セパレ−タを介して巻回してコンデンサ素子を製作し、
このコンデンサ素子に、水分12wt%、エチレングリ
コ−ル74wt%、アジピン酸アンモニウム14wt%
からなる駆動用電解液を含浸させた。一方、側部の厚さ
が0.4mmで、底部の厚さが0.6mmで、一方を開
口とした有底筒状のアルミニウム(純度99%)製外装
ケ−スの内外表面に化学めっき法により、銅下地めっき
層を1μm、ニッケル下地めっき層を8μmおよび金め
っき層を5.00μmの厚さで順次形成した。この場
合、ケースの内表面の金めっき層はアクリル系樹脂にて
皮覆した。この外装ケ−スにコンデンサ素子を封口体と
共に組み込み、定格50V8200μF、外径30m
m、長さ40mmのJIS−69形の電解コンデンサを
製作した。
【0028】<比較例1>両面に誘電体酸化皮膜を形成
した厚さ90μmのアルミニウム(純度99.99%)
陽極箔と、厚さ40μmのアルミニウム(純度99.8
%)陰極箔と、マニラ麻紙からなる厚さ60μmのセパ
レ−タとを用意した。これら陽極箔と陰極箔とをセパレ
−タを介して巻回してコンデンサ素子を製作し、このコ
ンデンサ素子に、水分12wt%、エチレングリコ−ル
74wt%、アジピン酸アンモニウム14wt%からな
る駆動用電解液を含浸させた。外装ケースとして、側部
の厚さが0.4mmで、底部の厚さが0.6mmで、一
方を開口とした有底筒状のアルミニウム(純度99%)
製外装ケ−スを用意した。この外装ケ−スにコンデンサ
素子を封口体と共に組み込み、定格50V8200μ
F、外径30mm、長さ40mmのJIS−69形の電
解コンデンサを製作した。
【0029】<比較例2>両面に誘電体酸化皮膜を形成
した厚さ90μmのアルミニウム(純度99.99%)
陽極箔と、厚さ40μmのアルミニウム(純度99.8
%)陰極箔と、マニラ麻紙からなる厚さ60μmのセパ
レ−タとを用意した。これら陽極箔と陰極箔とをセパレ
−タを介して巻回してコンデンサ素子を製作し、このコ
ンデンサ素子に、水分12wt%、エチレングリコ−ル
74wt%、アジピン酸アンモニウム14wt%からな
る駆動用電解液を含浸させた。一方、側部の厚さが0.
4mmで、底部の厚さが0.6mmで、一方を開口とし
た有底筒状のアルミニウム(純度99%)製外装ケ−ス
の外表面に化学めっき法により、銅めっき層を5μmの
厚さで形成した。この外装ケ−スにコンデンサ素子を封
口体と共に組み込み、定格50V8200μF、外径3
0mm、長さ40mmのJIS−69形の電解コンデン
サを製作した。
【0030】<比較例3>両面に誘電体酸化皮膜を形成
した厚さ90μmのアルミニウム(純度99.99%)
陽極箔と、厚さ40μmのアルミニウム(純度99.8
%)陰極箔と、マニラ麻紙からなる厚さ60μmのセパ
レ−タとを用意した。これら陽極箔と陰極箔とをセパレ
−タを介して巻回してコンデンサ素子を製作し、このコ
ンデンサ素子に、水分12wt%、エチレングリコ−ル
74wt%、アジピン酸アンモニウム14wt%からな
る駆動用電解液を含浸させた。一方、側部の厚さが0.
4mmで、底部の厚さが0.6mmで、一方を開口とし
た有底筒状のアルミニウム(純度99%)製外装ケ−ス
の外表面に化学めっき法により、銅めっき層を10μm
の厚さで形成した。この外装ケ−スにコンデンサ素子を
封口体と共に組み込み、定格50V8200μF、外径
30mm、長さ40mmのJIS−69形の電解コンデ
ンサを製作した。
【0031】次に、実施例1〜10および比較例1〜3
の電解コンデンサをアンプ内の電源平滑用コンデンサと
して使用し、これらのコンデンサを取り替えて、CD
(コンパクトディスク)を試聴した。音質の評価項目
は、帯域、質感、解像度、音像および音場の5項目とし
た。10点を満点として評価した。試聴の評価結果を表
1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1から金めっき層が厚いほど、音質の評
価がよいことが分かる。
【0034】
【発明の効果】上述したように本発明ではアルミニウム
製外装ケ−スに金めっき層を形成したことにより良好な
る再生音を得ることができる。アルミニウム製外装ケー
スに金めっきを施すと、電解コンデンサ素子から発生す
る磁束変化により誘導されるうず電流が金めっき層内に
生じ、このうず電流がレンツの法則にしたがって磁束変
化を打ち消す作用をする。また、金は他金属に比し腐食
されにくく、導体の表面ほど大きな電流が流れるという
表皮効果を充分に得ることができる。したがって、金め
っき層は電解コンデンサの内外からの磁束変化に対して
電磁シールドの役割を担い、電気ノイズを抑制して良好
なる再生音を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−48711(JP,A) 実開 昭57−50844(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して
    巻回したコンデンサ素子に駆動用電解液を含浸し、コン
    デンサ素子をアルミニウム製外装ケ−ス内に密封した電
    解コンデンサにおいて、アルミニウム製外装ケ−スの表
    面に金めっき層を形成したことを特徴とする電解コンデ
    ンサ。
  2. 【請求項2】 アルミニウム製外装ケ−スの表面に形成
    された金めっき層の厚さが0.05〜5μmであること
    を特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサ。
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