JP3264077B2 - 電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサ

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JP3264077B2
JP3264077B2 JP01515894A JP1515894A JP3264077B2 JP 3264077 B2 JP3264077 B2 JP 3264077B2 JP 01515894 A JP01515894 A JP 01515894A JP 1515894 A JP1515894 A JP 1515894A JP 3264077 B2 JP3264077 B2 JP 3264077B2
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electrolytic capacitor
insulating paper
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卓美 中田
克也 藤本
義幸 森
秀郎 中島
元信 上野
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Panasonic Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種電子機器に利用され
る電解コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】昨今、電子機器の小形化・薄形化に伴
い、電解コンデンサは益々低背化が要求されている。
【0003】従来のこの種の電解コンデンサ、例えばア
ルミ電解コンデンサは、図4,図5に示すように構成さ
れていた。すなわち、引き出しリード線1を接続した陽
極箔2と引き出しリード線1を接続した陰極箔3との間
にセパレータ4を介在させ、かつ陽極箔2と陰極箔3の
幅方向の両側に有底円筒状の金属ケース5の底側のギャ
ップ6と引き出しリード線1側のギャップ6aを設けて
これらを巻回することによりコンデンサ素子7を構成
し、そしてこのコンデンサ素子7に駆動用電解液を含浸
させた後、コンデンサ素子7を有底円筒状の金属ケース
5内に収納し、その後、この金属ケース5の開口部に封
口体8を装着して封止することにより構成されていた。
【0004】一般にこの種のアルミ電解コンデンサにお
いては、コンデンサ本体の高さに関する要素は、コンデ
ンサ素子7の高さ(箔幅と、箔とセパレータ幅とのギャ
ップの合計)と有底円筒状の金属ケース5の底部の厚み
と封口体8の厚みとで構成される。
【0005】容量値および封止・外装の設計を変更しな
いとすれば、前記したギャップ6,6aをいかに小さく
するかが電解コンデンサの低背化のポイントとなるが、
前記したギャップ6を小さくすればするほど陽極箔2お
よび陰極箔3と有底円筒状の金属ケース5との接触によ
るショートを惹起することになるため、このギャップ6
はむやみに小さくすることはできず、おのずと低背化に
も限界があった。
【0006】上記の問題の対策のために、実開昭58−
138327号公報に示されているように、有底円筒状
の金属ケースの内底面に樹脂膜(この樹脂膜は、(a)
有底円筒状の金属ケースの内底面に樹脂液を滴下させて
拡げることにより形成する。(b)有底円筒状の金属ケ
ースの内底面に樹脂液をスプレーして吹き付けることに
より、形成する。(c)樹脂膜をラミネートしたアルミ
板を樹脂膜が内側になるように絞り加工することにより
形成する。)を被着したものや、実開昭56−1675
43号公報、特開昭59−152617号公報、特開昭
62−286217号公報、特開平1−208828号
公報、特開平2−111008号公報に示されているよ
うに、予め樹脂膜を張り合わせたアルミ板を絞り加工し
て有底円筒状の金属ケースを構成したものが提案されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記実
開昭58−138327号公報、実開昭56−1675
43号公報、特開昭59−152617号公報、特開昭
62−286217号公報、特開平1−208828号
公報、特開平2−111008号公報に示されているも
のにおいては、樹脂膜が駆動用電解液の中に用いられて
いるエチレングリコール,γ−ブチロラクトン,水等の
溶媒に接触して侵され、そして有底円筒状の金属ケース
から剥離したり、あるいは駆動用電解液中に溶出したり
して、これがアルミ電解コンデンサの性能や寿命特性に
悪影響を及ぼすという品質面での問題点があった。
【0008】また樹脂膜は形成コストが比較的高価であ
るという問題点を有していた。本発明は上記した従来の
問題点を解決するもので、性能・寿命等の品質・信頼性
を損なうことなく、コスト的にも安価にして低背化を実
現することができる電解コンデンサを提供することを目
的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の電解コンデンサは、駆動用電解液を含浸した
コンデンサ素子と、このコンデンサ素子を内蔵する有底
筒状の金属ケースと、この金属ケースの開口部を封口す
る封口体とを備え、前記金属ケースの内底面にαセルロ
ースからなる絶縁紙を装着したものである。
【0010】
【作用】上記構成によれば、有底筒状の金属ケースの内
底面にαセルロースからなる絶縁紙を装着しているた
め、コンデンサ素子と有底筒状の金属ケースの内底面と
の間は絶縁を保つことができ、これにより、箔とセパレ
ータの幅方向の金属ケースの底側のギャップを狭くする
ことが可能になるため、電解コンデンサはさらに低背化
が図れる。
【0011】また上記構成におけるαセルロースからな
る絶縁紙は長期間駆動用電解液に晒されても駆動用電解
液中の成分であるエチレングリコール,γ−ブチロラク
トン,水等の溶媒に溶解して侵されることはないため、
電解コンデンサの品質,寿命特性を損なうことなく、良
好な絶縁性を維持することができる。
【0012】そしてまた上記構成によれば、αセルロー
スからなる絶縁紙を有底筒状の金属ケースの内底面に装
着するだけの簡単な構成であるため、材料・加工コスト
も従来の樹脂膜を形成したものより安価にすることが可
能となるものである。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面にもとづ
いて説明する。
【0014】図1,図2において、11はコンデンサ素
子で、このコンデンサ素子11は引き出しリード線12
を接続した陽極箔13と引き出しリード線12を接続し
た陰極箔14との間にセパレータ15を介在させ、かつ
陽極箔13と陰極箔14の幅方向の両側に有底円筒状の
金属ケース16側のギャップ17と引き出しリード線1
2側のギャップ17aを設けてこれらを巻回することに
より構成している。
【0015】そしてこのコンデンサ素子11には駆動用
電解液を含浸させ、この後、コンデンサ素子11を有底
円筒状の金属ケース16の開口部に封口体18を装着し
て封止を行っている。19は金属ケース16の内底面に
装着されたαセルロースからなる絶縁紙で、この絶縁紙
19はコンデンサ素子11と金属ケース16の内底面と
の間を絶縁するものである。
【0016】前記した絶縁紙19はαセルロースで構成
されているもので、このαセルロースは化学式(C6
105nで表される重合度が5000〜6000の多糖
類の高分子であるため、長時間駆動用電解液に晒されて
も駆動用電解液中の成分であるエチレングリコール,γ
−ブチロラクトン,水等の溶媒に溶解して侵されること
はなく、これにより、駆動用電解液を変成させることが
ないため、アルミ電解コンデンサの性能・品質・寿命特
性等を損なうことなく、良好な絶縁性を維持することが
できる。
【0017】また前記絶縁紙19は、電解コンデンサに
有害な塩素や臭素等のハロゲンイオンおよび硫酸イオ
ン、硝酸イオンあるいは鉄、銅、鉛等の金属あるいはそ
のイオン等の不純物を予め除去して構成することによ
り、電解コンデンサの品質・信頼性に影響を及ぼさない
ように工夫されている。
【0018】そしてまた前記絶縁紙19は、αセルロー
スを用いて製造するときに隙間が生じないように工夫が
されているもので、すなわち抄造法で造られる絶縁紙に
おいてはセルロース繊維を叩解して隙間が生じないよう
に工夫されている。
【0019】本発明の実施例の電解コンデンサと従来の
電解コンデンサについて、箔とセパレータの幅方向の有
底円筒状の金属ケースの底側のギャップを変化させて巻
回することにより、各々1000個製造してショートの
発生状態を比較した結果を(表1)に示す。
【0020】
【表1】
【0021】(表1)から明らかなように、従来例にお
いては箔とセパレータの幅方向の有底筒状の金属ケース
の底側のギャップが狭くなるにしたがってショート発生
の個数が多くなっているが、本発明の実施例において
は、αセルロースからなる絶縁紙19を金属ケース16
の内底面に装着してコンデンサ素子11と金属ケース1
6の内底面との間を絶縁しているため、陽極箔13およ
び陰極箔14とセパレータ15の幅方向の金属ケース1
6の底側のギャップ17を狭くしてもショートが発生す
ることはなく、これにより、電解コンデンサはさらに低
背化が可能となるものである。
【0022】次に、本発明の実施例の電解コンデンサで
用いているαセルロースからなる絶縁紙19と従来の電
解コンデンサの樹脂膜に用いている樹脂についての溶出
試験の結果を(表2)に示す。溶出試験はγ−ブチロラ
クトンの溶媒中に試料を浸漬して実施した。この場合の
浸漬温度は105℃である。溶出量は1000時間後の
試料から十分溶媒を揮発させた後、試験後の試料の重量
と試験前の試料の重量差を試験前の試料の重量で除して
百分率にした数値で表した。
【0023】
【表2】
【0024】さらに本発明の実施例の電解コンデンサ
と、内底面に樹脂膜を被着した有底円筒状の金属ケース
を用いた従来の電解コンデンサにγ−ブチロラクトン溶
媒を用いた駆動用電解液を組み合わせて、定格4V22
0μF、外径6.3mm×長さ5mmの製品を製造した
後、105℃で1000時間の高温負荷試験をした結果
を図3に示す。
【0025】(表2)から明らかなように、従来例の樹
脂膜においては、駆動用電解液中への樹脂膜の溶出量が
4.5%と非常に大きいため、静電容量変化率も図3の
Aで示すように大きくなり、またtanδの変化も図3
のBで示すように大きくなって特性変化が非常に不安定
となっていたが、本発明の実施例の電解コンデンサに用
いられているαセルロースからなる絶縁紙19は駆動用
電解液中でほとんど溶解せず、その溶出量は0.1%と
非常に小さいため、静電容量変化率も図3のCで示すよ
うに小さく、またtanδの変化も図3のDで示すよう
に小さいもので、その特性変化は非常に安定したものを
得ることができるものである。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明の電解コンデンサ
は、有底筒状の金属ケースの内底面にαセルロースから
なる絶縁紙を装着しているため、コンデンサ素子と金属
ケースとの間は絶縁性を保つことができ、これにより、
箔とセパレータの幅方向の金属ケースの底側のギャップ
を狭くすることが可能になるため、さらに低背化が図
れ、またαセルロースからなる絶縁紙は長期間駆動用電
解液に晒されても駆動用電解液中の成分であるエチレン
グリコール,γ−ブチロラクトン,水等の溶媒に溶解し
て侵されることはないため、電解コンデンサの品質,寿
命特性を損なうことなく、良好な絶縁性を維持すること
ができ、しかもその構成はαセルロースからなる絶縁紙
を金属ケースの内底面に装着するだけの簡単な構成であ
るため、材料・加工コストも従来の樹脂膜を形成したも
のより安価にすることが可能となり、小形化・低背化が
低コストで実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す電解コンデンサの側断
面図
【図2】同電解コンデンサにおけるコンデンサ素子の構
成を示す斜視図
【図3】105℃高温負荷試験時の静電容量とtanδ
変化を示す特性図
【図4】従来例を示す電解コンデンサの側断面図
【図5】同電解コンデンサにおけるコンデンサ素子の構
成を示す斜視図
【符号の説明】
11 コンデンサ素子 16 金属ケース 18 封口体 19 絶縁紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 秀郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 上野 元信 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−312620(JP,A) 特開 平4−74409(JP,A) 実開 平5−79938(JP,U) 実開 昭58−138327(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/08 H01G 9/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動用電解液を含浸したコンデンサ素子
    と、このコンデンサ素子を内蔵する有底筒状の金属ケー
    スと、この金属ケースの開口部を封口する封口体とを備
    え、前記金属ケースの内底面にαセルロースからなる絶
    縁紙を装着した電解コンデンサ。
JP01515894A 1994-02-09 1994-02-09 電解コンデンサ Expired - Lifetime JP3264077B2 (ja)

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