JP3405003B2 - 捲回形電気化学素子 - Google Patents
捲回形電気化学素子Info
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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- Y02E60/13—Energy storage using capacitors
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- Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)
- Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、捲回形電気二重層コン
デンサ、捲回形アルミ電解コンデンサ、捲回形電池など
の電気化学反応を利用した捲回形電気化学素子に関する
ものである。 【0002】 【従来の技術】従来のこの種の捲回形電気化学素子は図
2に示すように構成されていた。すなわち、図2におい
て、1は素子ユニットで、この素子ユニット1は一対の
電極およびセパレータを巻回することにより構成し、か
つ前記一対の電極には陽極側金属リード線2aと陰極側
金属リード線2bを接続している。そしてこの素子ユニ
ット1は電解液を含浸させた後、有底円筒状の金属ケー
ス3内に収納している。4は内部の電解液が蒸発しない
ように金属ケース3の開口部に装着されて金属ケース3
の開口部を封口する可撓性ゴムで、この可撓性ゴム4に
は2つの貫通孔4a,4bを設け、そしてこの貫通孔4
a,4bに前記陽極側金属リード線2aと陰極側金属リ
ード線2bを貫通させて外部に引き出している。また前
記金属ケース3の開口部は、この開口部に配設された可
撓性ゴム4とともに金属ケース3の開口部の外周を内側
に絞り加工することにより封止を行っている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の捲回形電気化学素子の構造においては、可撓性
ゴム4に設けた2つの貫通孔4a,4bに陽極側金属リ
ード線2aと陰極側金属リード線2bを貫通させて外部
に引き出す構造であるため、この捲回形電気化学素子を
高温、高湿の環境下で使用した場合、素子ユニット1に
含浸された電解液が可撓性ゴム4に設けた2つの貫通孔
4a,4b部から外部に漏れ出る可能性が高かった。こ
れは、電解液と接する陰極側の電極表面で電解液に含ま
れる水分が電気化学反応により水酸基イオンを生じ、そ
してこの水酸基イオンと電解液に用いた電解質のプラス
イオンが反応して安定なアルカリを呈することになる。
この安定なアルカリは陰極側金属リード線2bが接する
可撓性ゴム4の化学的な架橋構造を切断して可撓性ゴム
4を劣化させることになり、これにより、封止性能が著
しく低下するからである。 【0004】このように電解液が外部に漏れ出ると、素
子ユニット1としての寿命が短くなるばかりでなく、外
部に漏れ出た電解液はイオン電導性があるため、プリン
ト基板上の配線パターンのプラスとマイナスにまたがっ
て電解液が付着すると、回路の誤作動を招くおそれがあ
った。 【0005】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、高温、高湿の環境下で使用されても電解液が外部に
漏れ出ることのない捲回形電気化学素子を提供すること
を目的とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の捲回形電気化学素子は、一対の電極およびセ
パレータを巻回することにより構成され、かつ電解液を
含浸させた素子ユニットと、この素子ユニットを内蔵す
る有底筒状の金属ケースと、この金属ケースの開口部を
封口する可撓性ゴムと、前記一対の電極に接続され、か
つ前記可撓性ゴムを貫通して外部に引き出された陽極側
金属リード線および陰極側金属リード線とを備え、前記
陽極側金属リード線および陰極側金属リード線のうち、
少なくとも陰極側金属リード線における可撓性ゴムと接
触する部分の表面に電気絶縁性樹脂であるポリアミノア
ミド化合物を設けたものである。 【0007】 【作用】上記構成によれば、一対の電極およびセパレー
タを巻回することにより構成され、かつ電解液を含浸さ
せた素子ユニットと、この素子ユニットを内蔵する有底
筒状の金属ケースと、この金属ケースの開口部を封口す
る可撓性ゴムと、前記一対の電極に接続され、かつ前記
可撓性ゴムを貫通して外部に引き出された陽極側金属リ
ード線および陰極側金属リード線とを備え、前記陽極側
金属リード線および陰極側金属リード線のうち、少なく
とも陰極側金属リード線における可撓性ゴムと接触する
部分の表面に電気絶縁性樹脂であるポリアミノアミド化
合物を設けたもので、電気絶縁性樹脂であるポリアミノ
アミド化合物は金属に対する接着力が強く、かつアルカ
リに対して樹脂自体が劣化しにくいため、高温、高湿の
環境下で使用した際に、電解液と接する陰極側の電極表
面で電解液に含まれる水分が電気化学反応により水酸基
イオンを生じ、そしてこの水酸基イオンと電解液に用い
た電解質のプラスイオンが反応して安定なアルカリを呈
したとしても、このアルカリによる可撓性ゴムへの影響
は、陰極側金属リード線の表面に設けた電気絶縁性樹脂
であるポリアミノアミド化合物により防止することがで
き、この結果、従来のように前記安定なアルカリが可撓
性ゴムの化学的な架橋構造を切断して可撓性ゴムを劣化
させるということはなくなるため、封止性能の低下を防
止できるものである。 【0008】このように封止性能が低下するということ
はなくなるため、従来のように電解液が外部に漏れ出る
ということもなくなり、その結果、素子ユニットの寿命
が短くなるということはなくなるとともに、従来のよう
に外部に漏れ出た電解液がプリント基板上の配線パター
ンのプラスとマイナスにまたがって付着して回路の誤作
動を招くということもなくなるものである。 【0009】 【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面にもとづ
いて説明する。図1は本発明の一実施例における捲回形
電気二重層コンデンサの断面図を示したもので、11は
電気二重層コンデンサの素子ユニットで、この素子ユニ
ット11は一対の電極およびセパレータを巻回すること
により構成している。前記一対の電極は、エッチングを
施したアルミ箔に活性炭粉末とセルロース系バインダー
および導電性カーボンブラックを水溶媒に分散させたも
のを塗布して構成しているもので、この一対の電極にア
ルミ製の陽極側金属リード線12aと陰極側金属リード
線12bを針かしめにより接続している。またセパレー
タは、セルロースを主体としてガラス繊維を分散させた
ガラス混抄紙により構成されている。 【0010】そして前記素子ユニット11には、溶媒が
プロピレンカーボネイトで電解質がテトラエチルアンモ
ニウムテトラフルオロボレイトからなる0.6M濃度の
電解液を含浸させ、その後、有底円筒状のアルミ製の金
属ケース13内に収納している。またこの金属ケース1
3の開口部には、内部の電解液が蒸発しないように封口
材料であるブチルゴムからなる可撓性ゴム14を装着
し、そしてこの可撓性ゴム14には2つの貫通孔14
a,14bを設け、この貫通孔14a,14bに前記陽
極側金属リード線12aと陰極側金属リード線12bを
貫通させて外部に引き出している。また前記金属ケース
13の開口部は、この開口部に配設された可撓性ゴム1
4とともに金属ケース13の開口部の外周を絞り加工す
ることにより封止を行っている。この本発明の一実施例
における電気二重層コンデンサの外観寸法は直径が18
mmで高さが35mmである。 【0011】また前記陽極側金属リード線12aと陰極
側金属リード線12bのうち、陰極側金属リード線12
bにおける可撓性ゴム14と接触する部分の表面全体に
は、電気絶縁性樹脂であるポリアミノアミド化合物15
の一種類であるトーマイドを刷毛により塗布し、そして
約150℃の温度で8時間以上乾燥処理を行っている。
なお、この電気絶縁性樹脂であるポリアミノアミド化合
物15の塗布は、陰極側金属リード線12b単体の状態
で塗布してもよく、あるいは一対の電極およびセパレー
タを巻回して素子ユニット11を構成した後、陰極側金
属リード線12bの表面に塗布するようにしてもよいも
のである。 【0012】次に本発明の一実施例における電気二重層
コンデンサのサンプル5個と、陰極側金属リード線に電
気絶縁性樹脂であるポリアミノアミド化合物を塗布して
いない従来例の電気二重層コンデンサのサンプル5個を
それぞれ用意し、これらの電気二重層コンデンサに、7
0℃の雰囲気中で2.5Vの直流電圧を印加して、電気
二重層コンデンサの特性変化と、封止部分からの電解液
の漏れが発生する時間の比較検討を行った。その比較検
討結果を(表1)に示す。 【0013】 【表1】 【0014】(表1)から明らかなように、従来例の電
気二重層コンデンサにおいては、5000時間あたりか
ら漏液の発生が認められ、そして10000時間あたり
から内部抵抗および容量の変化が初期に比べて大きくな
るものであった。これに対し、本発明の一実施例におけ
る電気二重層コンデンサは、陰極側金属リード線12b
の可撓性ゴム14と接触する部分の表面に電気絶縁性樹
脂であるポリアミノアミド化合物15を塗布しているた
め、高温、高湿の環境下で使用した際に、電解液と接す
る陰極側の電極表面で電解液に含まれる水分が電気化学
反応により水酸化基イオンを生じ、そしてこの水酸基イ
オンと電解液に用いた電解質のプラスイオンが反応して
安定なアルカリを呈したとしても、このアルカリによる
可撓性ゴム14への影響は電気絶縁性樹脂であるポリア
ミノアミド化合物15により防止することができ、これ
により、従来例のように安定なアルカリが可撓性ゴム1
4の化学的な架橋構造を切断して可撓性ゴム14を劣化
させるということはなくなるため、封止性能の低下とい
うことはなく、したがって、電解液が外部に漏れ出ると
いうことはなくなるとともに、電気二重層コンデンサの
特性変化も従来例に比べてはるかに小さいものとなっ
た。 【0015】なお、上記本発明の一実施例においては、
電気絶縁性樹脂であるポリアミノアミド化合物15を、
陰極側金属リード線12bにおける可撓性ゴム14と接
触する部分のみに設けたものについて説明したが、この
部分のみでなく、陽極側金属リード線12aにおける可
撓性ゴム14と接触する部分にも、電気絶縁性樹脂であ
るポリアミノアミド化合物15を設けてもよいものであ
る。 【0016】また本発明の一実施例においては、捲回形
電気二重層コンデンサに本発明を適用したものについて
説明したが、これに限定されるものではなく、これ以外
の捲回形アルミ電解コンデンサ、または捲回形電池など
の電気化学反応を利用した電気化学素子にも本発明は適
用できるものである。 【0017】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、一対の電
極およびセパレータを巻回することにより構成され、か
つ電解液を含浸させた素子ユニットと、この素子ユニッ
トを内蔵する有底筒状の金属ケースと、この金属ケース
の開口部を封口する可撓性ゴムと、前記一対の電極に接
続され、かつ前記可撓性ゴムを貫通して外部に引き出さ
れた陽極側金属リード線および陰極側金属リード線とを
備え、前記陽極側金属リード線および陰極側金属リード
線のうち、少なくとも陰極側金属リード線における可撓
性ゴムと接触する部分の表面に電気絶縁性樹脂であるポ
リアミノアミド化合物を設けたもので、電気絶性縁樹脂
であるポリアミノアミド化合物は金属に対する接着力が
強く、かつアルカリに対して樹脂自体が劣化しにくいた
め、高温、高湿の環境下で使用した際に、電解液と接す
る陰極側の電極表面で電解液に含まれる水分が電気化学
反応により水酸基イオンを生じ、そしてこの水酸基イオ
ンと電解液に用いた電解質のプラスイオンが反応して安
定なアルカリを呈したとしても、このアルカリによる可
撓性ゴムへの影響は、陰極側金属リード線の表面に設け
た電気絶縁性樹脂であるポリアミノアミド化合物により
防止することができ、この結果、従来のように前記安定
なアルカリが可撓性ゴムの化学的な架橋構造を切断して
可撓性ゴムを劣化させるということはなくなるため、封
止性能の低下を防止できるものである。 【0018】このように封止性能が低下するということ
はなくなるため、従来のように電解液が外部に漏れ出る
ということもなくなり、その結果、素子ユニットの寿命
が短くなるということはなくなるとともに、従来のよう
に外部に漏れ出た電解液がプリント基板上の配線パター
ンのプラスとマイナスにまたがって付着して回路の誤作
動を招くということもなくなるものである。
デンサ、捲回形アルミ電解コンデンサ、捲回形電池など
の電気化学反応を利用した捲回形電気化学素子に関する
ものである。 【0002】 【従来の技術】従来のこの種の捲回形電気化学素子は図
2に示すように構成されていた。すなわち、図2におい
て、1は素子ユニットで、この素子ユニット1は一対の
電極およびセパレータを巻回することにより構成し、か
つ前記一対の電極には陽極側金属リード線2aと陰極側
金属リード線2bを接続している。そしてこの素子ユニ
ット1は電解液を含浸させた後、有底円筒状の金属ケー
ス3内に収納している。4は内部の電解液が蒸発しない
ように金属ケース3の開口部に装着されて金属ケース3
の開口部を封口する可撓性ゴムで、この可撓性ゴム4に
は2つの貫通孔4a,4bを設け、そしてこの貫通孔4
a,4bに前記陽極側金属リード線2aと陰極側金属リ
ード線2bを貫通させて外部に引き出している。また前
記金属ケース3の開口部は、この開口部に配設された可
撓性ゴム4とともに金属ケース3の開口部の外周を内側
に絞り加工することにより封止を行っている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の捲回形電気化学素子の構造においては、可撓性
ゴム4に設けた2つの貫通孔4a,4bに陽極側金属リ
ード線2aと陰極側金属リード線2bを貫通させて外部
に引き出す構造であるため、この捲回形電気化学素子を
高温、高湿の環境下で使用した場合、素子ユニット1に
含浸された電解液が可撓性ゴム4に設けた2つの貫通孔
4a,4b部から外部に漏れ出る可能性が高かった。こ
れは、電解液と接する陰極側の電極表面で電解液に含ま
れる水分が電気化学反応により水酸基イオンを生じ、そ
してこの水酸基イオンと電解液に用いた電解質のプラス
イオンが反応して安定なアルカリを呈することになる。
この安定なアルカリは陰極側金属リード線2bが接する
可撓性ゴム4の化学的な架橋構造を切断して可撓性ゴム
4を劣化させることになり、これにより、封止性能が著
しく低下するからである。 【0004】このように電解液が外部に漏れ出ると、素
子ユニット1としての寿命が短くなるばかりでなく、外
部に漏れ出た電解液はイオン電導性があるため、プリン
ト基板上の配線パターンのプラスとマイナスにまたがっ
て電解液が付着すると、回路の誤作動を招くおそれがあ
った。 【0005】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、高温、高湿の環境下で使用されても電解液が外部に
漏れ出ることのない捲回形電気化学素子を提供すること
を目的とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の捲回形電気化学素子は、一対の電極およびセ
パレータを巻回することにより構成され、かつ電解液を
含浸させた素子ユニットと、この素子ユニットを内蔵す
る有底筒状の金属ケースと、この金属ケースの開口部を
封口する可撓性ゴムと、前記一対の電極に接続され、か
つ前記可撓性ゴムを貫通して外部に引き出された陽極側
金属リード線および陰極側金属リード線とを備え、前記
陽極側金属リード線および陰極側金属リード線のうち、
少なくとも陰極側金属リード線における可撓性ゴムと接
触する部分の表面に電気絶縁性樹脂であるポリアミノア
ミド化合物を設けたものである。 【0007】 【作用】上記構成によれば、一対の電極およびセパレー
タを巻回することにより構成され、かつ電解液を含浸さ
せた素子ユニットと、この素子ユニットを内蔵する有底
筒状の金属ケースと、この金属ケースの開口部を封口す
る可撓性ゴムと、前記一対の電極に接続され、かつ前記
可撓性ゴムを貫通して外部に引き出された陽極側金属リ
ード線および陰極側金属リード線とを備え、前記陽極側
金属リード線および陰極側金属リード線のうち、少なく
とも陰極側金属リード線における可撓性ゴムと接触する
部分の表面に電気絶縁性樹脂であるポリアミノアミド化
合物を設けたもので、電気絶縁性樹脂であるポリアミノ
アミド化合物は金属に対する接着力が強く、かつアルカ
リに対して樹脂自体が劣化しにくいため、高温、高湿の
環境下で使用した際に、電解液と接する陰極側の電極表
面で電解液に含まれる水分が電気化学反応により水酸基
イオンを生じ、そしてこの水酸基イオンと電解液に用い
た電解質のプラスイオンが反応して安定なアルカリを呈
したとしても、このアルカリによる可撓性ゴムへの影響
は、陰極側金属リード線の表面に設けた電気絶縁性樹脂
であるポリアミノアミド化合物により防止することがで
き、この結果、従来のように前記安定なアルカリが可撓
性ゴムの化学的な架橋構造を切断して可撓性ゴムを劣化
させるということはなくなるため、封止性能の低下を防
止できるものである。 【0008】このように封止性能が低下するということ
はなくなるため、従来のように電解液が外部に漏れ出る
ということもなくなり、その結果、素子ユニットの寿命
が短くなるということはなくなるとともに、従来のよう
に外部に漏れ出た電解液がプリント基板上の配線パター
ンのプラスとマイナスにまたがって付着して回路の誤作
動を招くということもなくなるものである。 【0009】 【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面にもとづ
いて説明する。図1は本発明の一実施例における捲回形
電気二重層コンデンサの断面図を示したもので、11は
電気二重層コンデンサの素子ユニットで、この素子ユニ
ット11は一対の電極およびセパレータを巻回すること
により構成している。前記一対の電極は、エッチングを
施したアルミ箔に活性炭粉末とセルロース系バインダー
および導電性カーボンブラックを水溶媒に分散させたも
のを塗布して構成しているもので、この一対の電極にア
ルミ製の陽極側金属リード線12aと陰極側金属リード
線12bを針かしめにより接続している。またセパレー
タは、セルロースを主体としてガラス繊維を分散させた
ガラス混抄紙により構成されている。 【0010】そして前記素子ユニット11には、溶媒が
プロピレンカーボネイトで電解質がテトラエチルアンモ
ニウムテトラフルオロボレイトからなる0.6M濃度の
電解液を含浸させ、その後、有底円筒状のアルミ製の金
属ケース13内に収納している。またこの金属ケース1
3の開口部には、内部の電解液が蒸発しないように封口
材料であるブチルゴムからなる可撓性ゴム14を装着
し、そしてこの可撓性ゴム14には2つの貫通孔14
a,14bを設け、この貫通孔14a,14bに前記陽
極側金属リード線12aと陰極側金属リード線12bを
貫通させて外部に引き出している。また前記金属ケース
13の開口部は、この開口部に配設された可撓性ゴム1
4とともに金属ケース13の開口部の外周を絞り加工す
ることにより封止を行っている。この本発明の一実施例
における電気二重層コンデンサの外観寸法は直径が18
mmで高さが35mmである。 【0011】また前記陽極側金属リード線12aと陰極
側金属リード線12bのうち、陰極側金属リード線12
bにおける可撓性ゴム14と接触する部分の表面全体に
は、電気絶縁性樹脂であるポリアミノアミド化合物15
の一種類であるトーマイドを刷毛により塗布し、そして
約150℃の温度で8時間以上乾燥処理を行っている。
なお、この電気絶縁性樹脂であるポリアミノアミド化合
物15の塗布は、陰極側金属リード線12b単体の状態
で塗布してもよく、あるいは一対の電極およびセパレー
タを巻回して素子ユニット11を構成した後、陰極側金
属リード線12bの表面に塗布するようにしてもよいも
のである。 【0012】次に本発明の一実施例における電気二重層
コンデンサのサンプル5個と、陰極側金属リード線に電
気絶縁性樹脂であるポリアミノアミド化合物を塗布して
いない従来例の電気二重層コンデンサのサンプル5個を
それぞれ用意し、これらの電気二重層コンデンサに、7
0℃の雰囲気中で2.5Vの直流電圧を印加して、電気
二重層コンデンサの特性変化と、封止部分からの電解液
の漏れが発生する時間の比較検討を行った。その比較検
討結果を(表1)に示す。 【0013】 【表1】 【0014】(表1)から明らかなように、従来例の電
気二重層コンデンサにおいては、5000時間あたりか
ら漏液の発生が認められ、そして10000時間あたり
から内部抵抗および容量の変化が初期に比べて大きくな
るものであった。これに対し、本発明の一実施例におけ
る電気二重層コンデンサは、陰極側金属リード線12b
の可撓性ゴム14と接触する部分の表面に電気絶縁性樹
脂であるポリアミノアミド化合物15を塗布しているた
め、高温、高湿の環境下で使用した際に、電解液と接す
る陰極側の電極表面で電解液に含まれる水分が電気化学
反応により水酸化基イオンを生じ、そしてこの水酸基イ
オンと電解液に用いた電解質のプラスイオンが反応して
安定なアルカリを呈したとしても、このアルカリによる
可撓性ゴム14への影響は電気絶縁性樹脂であるポリア
ミノアミド化合物15により防止することができ、これ
により、従来例のように安定なアルカリが可撓性ゴム1
4の化学的な架橋構造を切断して可撓性ゴム14を劣化
させるということはなくなるため、封止性能の低下とい
うことはなく、したがって、電解液が外部に漏れ出ると
いうことはなくなるとともに、電気二重層コンデンサの
特性変化も従来例に比べてはるかに小さいものとなっ
た。 【0015】なお、上記本発明の一実施例においては、
電気絶縁性樹脂であるポリアミノアミド化合物15を、
陰極側金属リード線12bにおける可撓性ゴム14と接
触する部分のみに設けたものについて説明したが、この
部分のみでなく、陽極側金属リード線12aにおける可
撓性ゴム14と接触する部分にも、電気絶縁性樹脂であ
るポリアミノアミド化合物15を設けてもよいものであ
る。 【0016】また本発明の一実施例においては、捲回形
電気二重層コンデンサに本発明を適用したものについて
説明したが、これに限定されるものではなく、これ以外
の捲回形アルミ電解コンデンサ、または捲回形電池など
の電気化学反応を利用した電気化学素子にも本発明は適
用できるものである。 【0017】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、一対の電
極およびセパレータを巻回することにより構成され、か
つ電解液を含浸させた素子ユニットと、この素子ユニッ
トを内蔵する有底筒状の金属ケースと、この金属ケース
の開口部を封口する可撓性ゴムと、前記一対の電極に接
続され、かつ前記可撓性ゴムを貫通して外部に引き出さ
れた陽極側金属リード線および陰極側金属リード線とを
備え、前記陽極側金属リード線および陰極側金属リード
線のうち、少なくとも陰極側金属リード線における可撓
性ゴムと接触する部分の表面に電気絶縁性樹脂であるポ
リアミノアミド化合物を設けたもので、電気絶性縁樹脂
であるポリアミノアミド化合物は金属に対する接着力が
強く、かつアルカリに対して樹脂自体が劣化しにくいた
め、高温、高湿の環境下で使用した際に、電解液と接す
る陰極側の電極表面で電解液に含まれる水分が電気化学
反応により水酸基イオンを生じ、そしてこの水酸基イオ
ンと電解液に用いた電解質のプラスイオンが反応して安
定なアルカリを呈したとしても、このアルカリによる可
撓性ゴムへの影響は、陰極側金属リード線の表面に設け
た電気絶縁性樹脂であるポリアミノアミド化合物により
防止することができ、この結果、従来のように前記安定
なアルカリが可撓性ゴムの化学的な架橋構造を切断して
可撓性ゴムを劣化させるということはなくなるため、封
止性能の低下を防止できるものである。 【0018】このように封止性能が低下するということ
はなくなるため、従来のように電解液が外部に漏れ出る
ということもなくなり、その結果、素子ユニットの寿命
が短くなるということはなくなるとともに、従来のよう
に外部に漏れ出た電解液がプリント基板上の配線パター
ンのプラスとマイナスにまたがって付着して回路の誤作
動を招くということもなくなるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す電気二重層コンデンサ
の断面図 【図2】従来の電気二重層コンデンサを示す断面図 【符号の説明】 11 素子ユニット 12a 陽極側金属リード線 12b 陰極側金属リード線 13 金属ケース 14 可撓性ゴム 15 ポリアミノアミド化合物
の断面図 【図2】従来の電気二重層コンデンサを示す断面図 【符号の説明】 11 素子ユニット 12a 陽極側金属リード線 12b 陰極側金属リード線 13 金属ケース 14 可撓性ゴム 15 ポリアミノアミド化合物
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 藤原 誠
大阪府門真市大字門真1006番地 松下電
器産業株式会社内
(56)参考文献 特開 平7−201679(JP,A)
特開 平4−233213(JP,A)
特開 平7−66084(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H01G 9/10
H01G 9/155
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 一対の電極およびセパレータを巻回する
ことにより構成され、かつ電解液を含浸させた素子ユニ
ットと、この素子ユニットを内蔵する有底筒状の金属ケ
ースと、この金属ケースの開口部を封口する可撓性ゴム
と、前記一対の電極に接続され、かつ前記可撓性ゴムを
貫通して外部に引き出された陽極側金属リード線および
陰極側金属リード線とを備え、前記陽極側金属リード線
および陰極側金属リード線のうち、少なくとも陰極側金
属リード線における可撓性ゴムと接触する部分の表面に
電気絶縁性樹脂であるポリアミノアミド化合物を設けた
捲回形電気化学素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22329195A JP3405003B2 (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | 捲回形電気化学素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22329195A JP3405003B2 (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | 捲回形電気化学素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0969473A JPH0969473A (ja) | 1997-03-11 |
JP3405003B2 true JP3405003B2 (ja) | 2003-05-12 |
Family
ID=16795845
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22329195A Expired - Fee Related JP3405003B2 (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | 捲回形電気化学素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3405003B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4699208B2 (ja) * | 2003-03-19 | 2011-06-08 | パナソニック株式会社 | コンデンサおよびその接続方法 |
-
1995
- 1995-08-31 JP JP22329195A patent/JP3405003B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0969473A (ja) | 1997-03-11 |
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