JP2006080111A - アルミ電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】陰極箔の静電容量を向上させ、かつリード線と陰極箔間の電位差を小さくして、耐腐食性に優れた高性能化、小型化のアルミ電解コンデンサを提供することを目的とする。
【解決手段】陽極箔11と陰極箔12とをセパレータ13とともに巻回したコンデンサ素子19と、このコンデンサ素子19に駆動用電解液14を含浸させて有底筒状の金属ケース18に内蔵し、この金属ケース18の開口部を封口板17により密閉させたアルミ電解コンデンサにおいて、前記陰極箔の表面が50m2/g以上の比表面積を有する多孔質カーボン層で被覆された構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は各種電子機器に使用されるアルミ電解コンデンサ及びその製造方法に関するものである。
一般的なアルミ電解コンデンサは、アルミニウム箔をエッチング処理によって実効表面積を拡大させた表面に陽極酸化により誘電体酸化皮膜を形成した陽極箔とアルミニウム箔をエッチング処理によって実効表面積を拡大させた陰極箔とをセパレータを介して巻回することによりコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子に駆動用電解液を含浸させるとともに、このコンデンサ素子を金属ケース内に収納し、この金属ケースの開口部を封口体により封止した構成を有している。
前記駆動用電解液としては、エチレングリコールまたはγ−ブチロラクトンを主溶媒とし、これに有機酸のアンモニウム塩などを加えたものが多く使用され、また、封口体としては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンゴム(EPM)、ブチルゴム(IIR)からなるものが多く使用されている。
近年、電子機器の小型化、デジタル化、高信頼性化に伴い、アルミ電解コンデンサに対するユーザーからのニーズも小型化が強く要望されており、そのためにはアルミ電解コンデンサに用いられる陽極箔及び陰極箔の単位面積当たりの静電容量を高めることが必要とされている。
前記陽極箔及び陰極箔の実効表面積を拡大し単位面積当たりの静電容量を高めるには、一般的に硫酸、硝酸、燐酸、蓚酸などの皮膜を形成する酸を添加した塩酸水溶液中で化学的あるいは電気化学的にエッチング処理を行うことにより達成することができ、そのエッチング処理の電解液組成、電流密度などの条件を工夫・改善して、陽極箔及び陰極箔の静電容量や機械的強度などの特性の向上を図っている。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1、2が知られている。
特開平02−189912号公報 特開2003−96599号公報
しかしながら前記従来のアルミ電解コンデンサにおいて、陽極箔及び陰極箔のエッチング処理による静電容量の拡大は、エッチング処理でできるピットをできるだけ分散性を高めることが必要であるが、エッチング処理の際ピット先端での液抵抗が大きくなるため効率よくエッチング処理を行うことが限界に近づきつつある。特に陰極箔は、そのアルミニウム箔の厚さが20〜50μmと薄く、エッチング処理による実効面積の拡大を向上させることが難しいとされている。
また、電荷引出しのために陰極箔にリード線を取り付けるが、このリード線と陰極箔の間に電位差が生じて電流が流れ腐食の原因となり、アルミ電解コンデンサの寿命特性に問題がある。
この問題を解決するために、陰極箔の表面に2V程度の化成を行い流れる電流を少なくすることや、TiNなどを蒸着した箔を使用してリード線との電位差を小さくしている。
前記陰極箔の表面に化成を形成した場合、陰極箔の静電容量が低くなり、陽極箔の静電容量を十分に引き出すことができず、アルミ電解コンデンサの容量が小さくなる。また、TiNなどを蒸着した箔の場合、蒸着のプロセスが複雑であるため工業的に導入するのは困難という課題を有している。
本発明は、前記従来の問題点を解決するもので、陰極箔の静電容量を向上させ、かつリード線と陰極箔間の電位差を小さくし、寿命特性に優れた高性能化、小型化のアルミ電解コンデンサを提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために本発明は、陽極箔と陰極箔とをセパレータとともに巻回したコンデンサ素子と、このコンデンサ素子に駆動用電解液を含浸させて有底筒状の金属ケースに内蔵し、この金属ケースの開口部を封口体により密閉させたアルミ電解コンデンサにおいて、前記陰極箔の表面が50m2/g以上の比表面積を有する多孔質カーボン層で被覆されていることを特徴とするものである。
また、前記多孔質カーボン層は、少なくとも活性炭を10重量%以上含むようにする。
また、前記アルミ電解コンデンサの製造方法は、アルミニウム箔をエッチング処理して誘電体酸化皮膜を形成した陽極箔を用意する工程と、アルミニウム箔の表面に活性炭を含む多孔質カーボン層を形成した陰極箔を用意する工程と、前記陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子に駆動用電解液を含浸させる工程と、前記コンデンサ素子を金属ケースに収納して、この金属ケースの開口部を封口体で封止する工程を備えた製造方法とするものである。
本発明のアルミ電解コンデンサは、陽極箔と陰極箔とをセパレータとともに巻回したコンデンサ素子と、このコンデンサ素子に駆動用電解液を含浸させて有底筒状の金属ケースに内蔵し、この金属ケースの開口部を封口体により密閉させた構成において、前記陰極箔の表面が50m2/g以上の比表面積を有する多孔質カーボン層を被覆することにより、陰極箔の実効表面積を拡大することなく陰極箔の静電容量を高めることができ、かつリード線と陰極箔の電位差を小さくすることができるので、陰極箔に流れる電流が抑制されるため陰極箔の耐腐食性も向上し、高寿命化、小型化のアルミ電解コンデンサを得ることができるという効果を奏するものである。
また、前記多孔質カーボン層が少なくとも活性炭を10重量%以上含むようにすることにより50m2/g以上の比表面積を有する多孔質カーボン層を得ることができる。
また、アルミ電解コンデンサの製造方法において、アルミニウム箔の表面に活性炭を含む多孔質カーボン層を形成した陰極箔を用意する工程を有することにより、アルミニウム箔をエッチング処理することなく陰極箔の静電容量を高めることができ、比較的容易にアルミ電解コンデンサを得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態におけるアルミ電解コンデンサの部分切り欠き斜視図である。同図においてアルミニウム箔をエッチング処理により実効表面積を拡大した表面に陽極酸化により誘電体酸化皮膜を形成して引出し用の陽極リード15を接続した陽極箔11と、アルミニウム箔に活性炭を含む多孔質カーボン層を形成して引出し用の陰極リード16を接続した陰極箔12とをセパレータ13を介して巻回することによりコンデンサ素子19を構成し、このコンデンサ素子19に駆動用電解液14を含浸させて後、アルミニウムの金属ケース18内に挿入して金属ケース18の開口部を封口板17で封止されている。
前記陽極箔11は、その表面を実効表面積を拡大するためにエッチング処理を施す。このエッチング処理は硫酸、硝酸、燐酸、蓚酸などの皮膜を形成する酸を添加した塩酸水溶液中で化学的あるいは電気化学的(交流印加または直流印加)にエッチング処理を行う。この中で主に低圧用のアルミ電解コンデンサの陽極箔には交流印加のエッチング処理が用いられ、多数のエッチング槽で、液温度、周波数、時間を変化させてエッチング処理を行い、海綿状のピットを形成する。また、中高圧用に使用される陽極箔11のエッチング処理は、前段エッチング工程でトンネル状のピットを生成させ、後段エッチング工程で前記ピットをアルミ電解コンデンサの使用電圧に適した径まで拡大して形成する。
前記陰極箔12は、従来は陽極箔11と同様に実効表面積を拡大するためにエッチング処理を行っていたが、本発明の陰極箔12はアルミニウム箔の表面に50m2/g以上の比表面積を有する多孔質カーボン層を被覆したものである。
この多孔質カーボン層は、少なくとも活性炭を含み、その活性炭を10重量%以上含むことにより、50m2/g以上の比表面積を有する多孔質カーボン層を形成することができる。
また、前記陰極箔12は多孔質カーボン層を形成させる前のアルミニウム箔の表面または多孔質カーボン層の表面にリン酸皮膜を形成させることにより、アルミニウム箔の腐食を防止することができる。
この陰極箔12をアルミ電解コンデンサに用いることにより、耐腐食性に優れた高性能化、小型化のアルミ電解コンデンサを提供することができる。
前記駆動用電解液14は、極性溶媒と、無機酸、有機酸、無機酸塩、有機酸塩の1種以上を含む溶質とからなる。
前記極性溶媒としては,エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、ポリオキシアルキレンポリオール(分子量200以下のポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリオキシエチレン・オキシプロピレングリコールならびに、これら2種以上の併用)、フラン溶媒(2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン等)、スルホラン溶媒(スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン等)、カーボネート溶媒(プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、スチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、またはメチルエチルカーボネート等)、ラクトン溶媒(γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、3−メチル−1,3−オキサジリジン−2−オン、3−エチル−1,3−オキサゾリジン−2−オン等)、イミダゾリジノン溶媒(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、ピロリドン溶媒等が挙げられる。
前記溶質は無機酸、有機酸、無機酸塩、有機酸塩の1種以上を含むものであるが、その中で好ましいものとしては、硼酸、リン酸、アゼライン酸、アジピン酸、グルタル酸、フタル酸、マレイン酸、安息香酸、5,6−デカンジカルボン酸、1,7−オクタンジカルボン酸、1,6−デカンジカルボン酸等の二塩基酸またはその塩が挙げられる。また、前記の塩としては、アンモニウム塩、アミン塩、四級アンモニウム塩、アミジン系塩等が使用できる。
前記セパレータ13はセルロース系繊維紙及びその混抄紙、積層紙などであり、セルロース系繊維紙としてはマニラ麻、クラフト、ヘンプ、エスパルト、コットンの少なくとも1種を含むものである。さらにはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ナイロン、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、レーヨンなどの合成樹脂材料の不織布を用いることもできる。
これらは、繊維間隔が見掛け上緻密になり、かつ微細の貫通孔を多数有しているので、電解質の電導度を低下させることがないので、コンデンサとして抵抗損失を小さくすることができ、また、耐ショート性の向上を図ることができる。
前記セパレータ13の秤量は1〜60g/m2の範囲のものを用いる。秤量の低いセパレータ13を用いた場合、ショートを引き起こし安定な特性を保つことができない、また、秤量が高くなりすぎると、等価直列抵抗が高くなる。
なお、前記セパレータ13は、セパレータ13の引っ張り強度を向上させる目的で紙力増強加工を施してもよい。この紙力増強加工を施すことにより、引っ張り強度が向上し、耐ショート性をさらに向上させることができる。
前記紙力増強加工は、セパレータ13に澱粉、植物性ガム、カルボキシアルキルセルロース、ポリオキシエチレンフタレートなどの水溶液を塗布もしくは含浸処理することにより行うことができる。
また、前記合成樹脂材料の不織布は、シート化の際に繊維間を接着するための接着剤を用いることなく熱接着法や機械的交絡法によりシート化することができる上、その融点も高いので、250℃を超えるハンダ付け実装条件下においても、樹脂の熱収縮によるセパレータ繊維の切断やESRの増大が生じにくく、ハンダ耐熱性に優れた低ESRなアルミ電解コンデンサを得ることができる。
前記封口板17は、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)、ブタンゴム(IIR)、ウレタンゴム(U)、シリコーンゴム(Q)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)の少なくとも1種を主成分とするものであり、これに加硫剤、加硫助剤、補強材及び充填剤、劣化防止剤等を添加して混練し、その後成形して封口板17を得ることができる。
以下、具体的な実施例について説明をする。
(実施例1)
[陽極箔の作製]
厚さ100μm、純度99.98%のアルミニウム箔を用い、リン酸濃度が1.0wt%の90℃の水溶液に60秒間浸漬して前処理を行う。
次に、塩酸5wt%、塩化アルミニウム2wt%、硫酸0.1wt%、リン酸0.2wt%に調整した温度30℃の電解液に前記アルミニウム箔を浸漬し、交流電流を印加してエッチング処理を4段階に分けて行った。
次に、硫酸10wt%の60℃の水溶液で100秒間の浸漬処理を行い、250℃で120秒間の熱処理を行って、陽極箔となるエッチング箔を作製した。
次に、前記エッチング箔を15%アジピン酸アンモニウム水溶液中にて19Vの直流電圧を印加して化成処理を行い、陽極箔を得た。
[陰極箔の作製]
平均粒径5μmの活性炭粉末(BET比表面積:140m2/g)と導電性付与剤として平均粒径0.05μmのカーボンブラックとポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと略す)とを10:2:1の重量比に混合して分散した水溶性バインダー溶液を混練機で十分に混練した後、水の分散溶媒を少しずつ加えてさらに混練してペーストを作製する。
次に、厚さ30μm、純度99.9%のアルミニウム箔の一方の表面に前記ペーストを厚さが10μmになるように塗布し、150℃で乾燥して多孔質カーボン層を形成した陰極箔を得た。
なお、前記多孔質カーボン層における活性炭の含有量は77重量%で、比表面積は140m2/gであった。
[駆動用電解液]
駆動用電解液の組成を下記に示す(以下、駆動用電解液Aとする)。
エチレングリコール :85重量%
リン酸 :2重量%
1,6−デカンジカルボン酸:12重量%
p−ニトロ安息香酸 :1重量%
[アルミ電解コンデンサの作製]
前記陽極箔と前記陰極箔とをマニラ紙のセパレータを介して巻回することによりコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子に前記駆動用電解液Aを含浸させて金属ケースに収納し、この金属ケースの開口部に樹脂加硫ブチルゴム封口板(ブチルゴムポリマー30部、カーボン20部、無機充填剤50部から構成、封口板硬度:70IRHD[国際ゴム硬さ単位])で封入した後、カーリング処理により開口部を封止してアルミ電解コンデンサを作製した(サイズ:直径10mm×高さ16mm 定格400WV 6.8μF)。
(実施例2)
前記実施例1において、多孔質カーボン層の活性炭を平均粒径5μmの活性炭粉末(BET比表面積:220m2/g)のものを用いて形成した以外は前記実施例1と同様にしてアルミ電解コンデンサを作製した。
なお、前記多孔質カーボン層の比表面積は210m2/gであった。
(実施例3)
前記実施例1において、多孔質カーボン層の活性炭を平均粒径5μmの活性炭粉末(BET比表面積:400m2/g)のものを用いて形成した以外は前記実施例1と同様にしてアルミ電解コンデンサを作製した。
なお、前記多孔質カーボン層の比表面積は360m2/gであった。
(実施例4)
前記実施例1において、活性炭とカーボンブラック及びポリエステル樹脂の重量比を7:5:1にし、また、有機分散溶媒を用いた以外は前記実施例1と同様にしてアルミ電解コンデンサを作製した。
なお、前記多孔質カーボン層における活性炭の含有量は54重量%で、比表面積は110m2/gであった。
(実施例5)
前記実施例1において、活性炭とカーボンブラック及びポリエステル樹脂の重量比を4:8:1にし、また、有機分散溶媒を用いた以外は前記実施例1と同様にしてアルミ電解コンデンサを作製した。
なお、前記多孔質カーボン層における活性炭の含有量は30重量%で、比表面積は65m2/gであった。
(実施例6)
前記実施例1において、活性炭とカーボンブラック及びポリエステル樹脂の重量比を1.3:10.7:1にし、また、有機分散溶媒を用いた以外は前記実施例1と同様にしてアルミ電解コンデンサを作製した。
なお、前記多孔質カーボン層における活性炭の含有量は10重量%で、比表面積は50m2/gであった。
(実施例7)
前記実施例1において、陰極箔に用いるアルミニウム箔を2%リン酸アンモニウム水溶液に浸漬して、その表面にリン酸皮膜を形成したものを用いた以外は前記実施例1と同様にしてアルミ電解コンデンサを作製した。
(実施例8)
前記実施例1において、陰極箔に用いるアルミニウム箔を10%塩酸水溶液でその表面を粗面化し、その後、2%リン酸アンモニウム水溶液に浸漬して、その表面にリン酸皮膜を形成したものを用いた以外は前記実施例1と同様にしてアルミ電解コンデンサを作製した。
(実施例9)
前記実施例1において、駆動用電解液として下記に示す組成(以下、駆動用電解液Bとする)のものを用いた以外は前記実施例1と同様にしてアルミ電解コンデンサを作製した(サイズ:直径10mm×高さ16mm 定格16WV 330μF)。
γブチルラクトン:43重量%
スルホラン :40重量%
フタル酸 :5重量%
トリエチルアミン:12重量%
(比較例1)
前記実施例1において、陰極箔としてアルミニウム箔を10%塩酸水溶液でその表面を粗面化し、その後、350℃で1分間熱処理したものを用いた以外は前記実施例1と同様にしてアルミ電解コンデンサを作製した。
(比較例2)
前記比較例1において、駆動用電解液として駆動用電解液Bを用いた以外は前記比較例1と同様にしてアルミ電解コンデンサを作製した。
前記実施例1〜9と比較例1及び2のアルミ電解コンデンサについて、その初期特性(容量、tanδ、漏れ電流(LC))及び105℃中での高温負荷試験を行った。その結果を(表1)に示す。
Figure 2006080111
(表1)から明らかなように、実施例1〜9のアルミ電解コンデンサは初期特性及び105℃中での高温負荷試験において各比較例のアルミ電解コンデンサに比べて優れている。この(表1)の実施例1〜3では陰極箔の多孔質カーボン層の表面積を変化させたものであるが、多孔質カーボン層の表面積が大きくなると容量は高くなり、tanδ及びLCも高くなるが比較例1よりは低い。
また、多孔質カーボン層の活性炭を10重量%以上にすることにより、比較例1に比べて容量が高く、tanδ及びLCも低い。
この活性炭の比表面積が大きいと、多孔質カーボン層の活性炭量を少なくすることができるが、活性炭量を10重量%未満にすると容量の高いものが得られない。
さらに、駆動用電解液をエチレングリコールの溶媒からγ−ブチルラクトンの溶媒に変えても各比較例に比べてコンデンサ特性が優れる。
本発明のアルミ電解コンデンサは、陰極箔の表面に比表面積が50m2/g以上の多孔質カーボン層を被覆することにより、陰極箔の実効表面積を拡大することなく陰極箔の静電容量を高めることができ、かつリード線と陰極箔の電位差を小さくすることができるので、陰極箔に流れる電流が抑制されるため陰極箔の耐腐食性も向上し、高寿命化、小型化のアルミ電解コンデンサを得ることができる。
本発明の実施の形態によるアルミ電解コンデンサの部分断面斜視図
符号の説明
11 陽極箔
12 陰極箔
13 セパレータ
14 駆動用電解液
15 陽極リード
16 陰極リード
17 封口板
18 金属ケース
19 コンデンサ素子

Claims (6)

  1. 陽極箔と陰極箔とをセパレータとともに巻回したコンデンサ素子と、このコンデンサ素子に駆動用電解液を含浸させて有底筒状の金属ケースに内蔵し、この金属ケースの開口部を封口体により密閉させたアルミ電解コンデンサにおいて、前記陰極箔の表面が50m2/g以上の比表面積を有する多孔質カーボン層で被覆されていることを特徴とするアルミ電解コンデンサ。
  2. 多孔質カーボン層は少なくとも活性炭を含むものである請求項1に記載のアルミ電解コンデンサ。
  3. 多孔質カーボン層の活性炭を10重量%以上含むものである請求項2に記載のアルミ電解コンデンサ。
  4. アルミニウム箔をエッチング処理して誘電体酸化皮膜を形成した陽極箔を用意する工程と、アルミニウム箔の表面に活性炭を含む多孔質カーボン層を形成した陰極箔を用意する工程と、前記陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子に駆動用電解液を含浸させる工程と、前記コンデンサ素子を金属ケースに収納して、この金属ケースの開口部を封口体で封止する工程を備えたアルミ電解コンデンサの製造方法。
  5. 陰極箔を用意する工程において、多孔質カーボン層を形成する前にアルミニウム箔の表面にリン皮膜を被覆するようにした請求項4に記載のアルミ電解コンデンサの製造方法。
  6. 陰極箔を用意する工程において、多孔質カーボン層の表面にリン皮膜を被覆するようにした請求項4に記載のアルミ電解コンデンサの製造方法。
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