JP3638671B2 - 車両に用いられる前照灯 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、車両に用いられる前照灯であって、リフレクタが設けられており、該リフレクタが、保持装置に少なくとも1つの軸線を中心にして旋回可能に支承されている形式のものに関する。
【0002】
【従来の技術】
このような形式の前照灯は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第3620800号明細書に基づき公知である。この公知の前照灯のリフレクタは保持装置に少なくとも1つの軸線を中心にして旋回可能に支承されている。この保持装置はケーシングとして形成されており、このケーシングの内部にリフレクタが配置されている。リフレクタの、光線出射方向を向いた前縁部は、ほぼ平らに形成されていて、リフレクタの光軸に対して直角に配置された平面に位置している。このリフレクタは、リフレクタによって反射された光束の方向を調節するためのほぼ水平方向に延びる旋回軸線を中心にして鉛直方向に旋回可能であり、またリフレクタによって反射された光束の方向を調節するためのほぼ鉛直方向に延びる旋回軸線を中心にして水平方向に旋回可能である。これらの旋回軸線はそれぞれリフレクタの縁範囲に配置されている。旋回運動時には、リフレクタの前縁部が光軸に対して横方向にも、光軸の方向にも運動するので、リフレクタの縁部と保持装置との間において光軸に対して横方向に一定の間隔が存在すると同時に、リフレクタの、光線射出方向を向いた前縁部と、この前縁部に隣接した、保持装置の前記光線出射方向とは反対の方向を向いた部分との間においても、光軸の方向に一定の間隔が存在している。これらの間隔は前照灯の外部から目に見えるので、場合によっては前照灯が不正確に製造されて組み付けられたかのような印象を与えてしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、冒頭ので述べた形式の前照灯を改良して、リフレクタの、光線出射方向を向いた前縁部と、この前縁部に隣接した、保持装置の前記光線出射方向とは反対の方向を向いた部分との間の間隔が小さく保持され得るような前照灯を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明の構成では、リフレクタの、光線出射方向を向いた前縁部と、該前縁部に隣接した、前記保持装置の一部分の前記光線出射方向とは反対の方向を向いた縁部とが、リフレクタの旋回軸線に対して直角な平面でそれぞれ湾曲させられて形成されており、しかも前記前縁部の湾曲の中心点と、前記部分の縁部の湾曲の中心点とが少なくともほぼリフレクタの旋回軸線に配置されて、前記前縁部と前記縁部との間に、旋回軸線を中心としたリフレクタの旋回運動時に少なくともほぼ一定に維持される間隔が生じるように前記前縁部の湾曲と、前記部分の縁部の湾曲とが形成されているようにした。
【0005】
【発明の効果】
本発明による前照灯は従来のものに比べて次のような利点を持っている。すなわち、リフレクタの、光線出射方向を向いた前縁部と、この前縁部に隣接した、前記保持装置の光線出射方向とは反対の方向を向いた部分との間の間隔を小さく保持することができる。なぜならば、この間隔が旋回軸線を中心としたリフレクタの旋回運動時に少なくともほぼ一定に維持されるからである。
【0006】
請求項2以下には、本発明の有利な改良形が記載されている。請求項10に記載の構成では、調節装置が、前照灯の組込み条件に関連してリフレクタの旋回軸線の各配置形式に調和された調節部材の組込み位置を可能にするので、この調節部材は操作時に良好にアクセス可能となる。請求項10に記載の調節部材はさらに、コンパクトな構造の点でもすぐれている。
【0007】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。
【0008】
図1〜図5に示した、車両、特に自動車に用いられる前照灯は、リフレクタ10を有している。このリフレクタ10には光源12が挿入されている。光源12としては、白熱電球またはガス放電電球を使用することができる。リフレクタ10は薄板から成っているが、しかし別の適当な任意の材料、たとえばプラスチックから製造することもできる。光源12から直接に光線出射方向14に放射される光線をシールドするためには、シールドキャップ16が設けられている。このシールドキャップ16は光源12を部分的に取り囲んで、図2に示したように支持体18を介してリフレクタ10の上側の壁20に固定されている。リフレクタ10はケーシング22として形成された保持装置に移動調節可能に支承されている。このケーシング22は光線出射方向14とは反対の方向を向いた後側に開口を有している。この開口はキャップ24によって閉鎖可能である。この開口を通じて、光源12を直接に交換することができる。ケーシング22に設けられた光線出射開口は透光性のカバーレンズ26によって閉鎖されている。このカバーレンズは平滑に形成されているか、または光学的に有効な手段を備えていてもよい。カバーレンズ26はケーシング22に向いた環状の縁部28を有している。この縁部28は光線出射方向14に開いた環状の溝30に収容されている。この溝30はケーシング22に外方に向かって突設されたフランジ32に形成されている。ケーシング22はカバーレンズ26の環状の縁部28の内側に配置された区分34を有している。この区分34は光線出射方向14でフランジ32を越えて突出していて、光線出射方向14とは反対の方向で先細りになるように形成されている。この区分34は、ケーシング22に結合された別個の部分として形成されていてもよい。前記区分34は円錐状に形成されているか、または湾曲させられていてもよい。前記区分34の、光線出射方向14とは反対の方向を向いた端部は、リフレクタ10の、光線出射方向14を向いた前縁部36におけるリフレクタ10の内面にほぼ対応する自由横断面を有しているので、リフレクタ10によって反射された光線は前記区分34を通ってスムーズに出射することができる。
【0009】
リフレクタ10はケーシング22の内部に配置されていて、ケーシング22に、ほぼ水平方向に延びる軸線38を中心にして旋回可能に支承されている。水平な軸線を中心としたリフレクタ10の旋回可能性は、たとえば自動車のためのフォグランプにおいて、法律で規定されたようなリフレクタの傾斜の調節を可能にするために必要となる。軸線38はほぼリフレクタ10の水平な長手方向中心平面において、リフレクタ10の光軸39に対して直角にかつ、リフレクタ10の頂点範囲の近くに延びている。リフレクタ10には、保持部材40が固く結合されている。この保持部材40は保持フレームとして形成されていて、リフレクタ10の頂点の範囲に配置されている。保持フレーム40は図1に示したように、リフレクタ10に結合されたほぼ平らな主範囲42を有している。この主範囲42は光軸39に対してほぼ直角に延びている。さらに保持フレーム40はリフレクタ10の光軸39に対してほぼ平行に延びてかつ光線出射方向14を向いた側方の支承範囲46を有している。この支承範囲46は各1つの開口48を有しており、この開口48には、支承部材の一方の端部が係合している。この支承部材の他方の端部はケーシング22の壁に支承されている。図1の左側に示した支承部材50はピンとして形成されており、このピンはケーシング22の側壁に設けられた収容部52に支承されている。ピン50は開口48にプレス嵌めされていて、収容部52に旋回可能に支承されている。他方の支承範囲46、つまり図1の右側に示した支承範囲46に設けられた開口48には、調節部材54が係合している。この調節部材54は、ケーシング22の、前記収容部52に向かい合って位置する側壁に設けられた円筒状の収容部56に回転可能に支承されていて、調節装置の一部を成している。この調節装置により、リフレクタ10を軸線38を中心にして旋回させることができる。支承部材50と調節部材54とを介して、保持フレーム40はリフレクタ10と共に、両部材50,54によって規定された軸線38を中心にして旋回可能に支承されている。
【0010】
調節部材54は、その一方の端部、つまり前端部では支承範囲46の開口48にプレス嵌めされたピン状の区分58を有しており、他方の端部60ではケーシング22から突出している。調節部材54は収容部56において、少なくとも部分的に円筒状の外輪郭を有する区分62を有している。この区分62は環状溝64を備えている。この環状溝64と収容部56との間には、シールリング66が締付け固定されている。調節部材54のピン状の区分58と、収容部56に支承された区分62とは、互いに同軸的に配置されていて、旋回軸線38を規定している。支承範囲46は、収容部56が形成されている前記ケーシング22の側壁の内面に対して間隔をおいて配置されている。調節部材54は収容部56と支承範囲46との間に区分68を有している。この区分68は旋回軸線38に対して偏心的に形成されている。この区分68は図3に示したように、軸線38に対して直角な断面図で見て少なくともほぼ円形に形成されていて、しかも調節部材54をケーシング22の外部から収容部56に導入することのできるような直径を有している。
【0011】
ケーシング22には、調節装置の別の部分として伝達部材70が配置されている。この伝達部材70はこの実施例では2腕式に形成されていて、前照灯の組込み位置において、その長手方向延びがほぼ鉛直に配置されている。伝達部材70は図3に示したように、ケーシング22に設けられた収容部75に、リフレクタ10の旋回軸線38に対して偏心的に延びる軸線74を中心にして旋回可能に支承されている。軸線74はリフレクタ10の旋回軸線38に対して少なくともほぼ平行に延びている。この実施例では、軸線74が、伝達部材70の下側の端範囲72に配置されている。伝達部材70はさらにリフレクタ10の旋回軸線38に対して偏心的に軸線78を中心にして旋回可能に保持フレーム40に枢着されている。この軸線78は旋回軸線38に対して少なくともほぼ平行に延びている。この実施例では、伝達部材70の上側の端範囲76が、保持フレーム40に設けられた支承範囲46に枢着されている。伝達部材70の上側の端範囲76と、支承範囲46との旋回可能な結合は、この支承範囲46に配置されたピン77を介して行なわれる。このピン77は支承範囲46の上側の範囲に設けられた開口に係合する。この開口はほぼ鉛直方向で、調節部材54のピン状の区分58が係合する開口48の上方に配置されている。伝達部材70は切欠き80を有しており、この切欠き80内には、調節部材54の偏心的な区分68が配置されている。この実施例では、切欠き80が伝達部材70の端範囲72,76の間に配置されている。切欠き80は長孔として形成されている。この長孔は、伝達部材70の下側の端範囲72が旋回可能に支承されている軸線74に対して半径方向において、この軸線74に対する接線方向における延びよりも大きな延びを有している。軸線74に対する接線方向における切欠き80の幅は、調節部材54の偏心的な区分68が小さな遊びを持って切欠き80内に回転可能に収容されて、しかも切欠き80内で軸線74に対して半径方向に移動可能となるように設定されている。したがって、伝達部材70は軸線74に対して接線方向において、調節部材54の偏心的な区分68と連結されている。
【0012】
伝達部材70はプラスチックから成っており、この伝達部材70には、図1に示したように旋回軸線38に対して横方向にばね弾性的に変位可能な少なくとも1つのロックアーム82が一体に形成されている。このロックアーム82は、調節部材54に設けられた環状の凹部84にケーシング22に向かって、この調節部材54の偏心的な区分68に並んで係合し、これによって旋回軸線38に沿ったケーシング22からの調節部材54の引出しを防止する。この実施例では、2つのロックアーム82が設けられており、両ロックアーム82は旋回軸線38を挟んで互いに向かい合って位置するように配置されている。ケーシング22の側壁は、図4に示したように光軸39に対して直角の断面図で見て外方に向かって湾曲した楕円形に形成されており、伝達部材70は光軸39に対して直角の断面図で見て、この伝達部材70に並んで配置された前記ケーシング22の側壁の曲率に対応してほぼU字形に形成されており、この場合、伝達部材70の端範囲72,76は側壁から離れる方向でリフレクタ10に向かってU字体の脚部として配置されている。
【0013】
調節部材54の、ケーシング22の外側に配置された区分60は、全周にわたってウォーム歯列を備えており、この区分60の端部には図1に示したように、比較的大きな直径を有するフランジ86が形成されている。調節部材54の、ケーシング22の外側に配置された区分60は、収容部56に配置された区分62よりも大きな直径を有しているので、両区分60,62の間には段部が形成されている。この段部はストッパを形成しており、このストッパはケーシング22内への調節部材54の押込み運動を制限する。ケーシング22の外側には、調節装置の別の部分としておよび調節部材54のための操作部材として、図5に示したように調節ねじ88が配置されている。この調節ねじ88はウォームまたはねじ山を備えた区分90を有しており、この区分90は調節部材54の区分60のウォーム歯列と噛み合っている。調節ねじ88は旋回軸線38に対して直角に、ひいては調節部材54の長手方向軸線に対して直角に配置されていて、ウォームを備えた区分90とは反対の側の端部にヘッド92を有している。このヘッド92は、たとえば工具を当て付けるための六角体および/または横方向スリットを備えている。調節ねじ88はケーシング22の側壁の外側から突出したコンソール94に、調節ねじ88の長手方向軸線89を中心にして回転可能ではあるが、しかし長手方向軸線89の方向では移動不能に支承されている。図示の実施例では、調節ねじ88が前照灯の組込み位置でほぼ鉛直に配置されて、ヘッド92が下方に向くように配置されている。しかし、調節ねじ88は旋回軸線38に対して直角な任意の別の位置において、ウォーム歯列を備えた区分60を取り囲むように配置されていてもよい。この場合、コンソール94は対応して配置されていなければならない。調節ねじ88の配置形式は、前照灯の各組込み特性に対して好都合となるように選択することができる。前記区分60のウォーム歯列と調節ねじ88とは減速伝動装置を形成する。すなわち、長手方向軸線89を中心とした調節ねじ88の規定の回転角度において、調節部材54は旋回軸線38を中心にして、より小さな回転角度だけしか回動させられない。
【0014】
リフレクタ10の、光線出射方向14を向いた前縁部36は、旋回軸線38に対して直角な平面において湾曲させられて形成されており、この場合、前縁部36の湾曲の中心点は少なくともほぼ旋回軸線38に位置している。ケーシング22の前記区分34の、光線出射方向14とは反対の方向を向いた縁部96も、っ旋回軸線38に対して直角な平面において同じく湾曲させられて形成されており、この場合、この縁部96の湾曲の中心点は少なくともほぼ旋回軸線38に位置している。リフレクタ10の前縁部36の湾曲と、前記区分34の縁部96の湾曲とは、互いに少なくともほぼ平行である。リフレクタ10の前縁部36と、前記区分34の縁部96との間には、ギャップ98が設けられている。この場合、リフレクタ10の前縁部36の湾曲と、前記区分34の縁部96の湾曲とは、旋回軸線38を中心としたリフレクタ10の旋回運動時にギャップ98がほぼ一定に維持されるように形成されている。リフレクタ10の前縁部36と、前記区分34の縁部96とは、旋回軸線38に対して直角な断面図で見て少なくともほぼ円弧状に形成されていると有利である。この場合、この円弧の中心点は少なくともほぼ旋回軸線38に配置されている。縁部96は、ギャップ98の寸法分だけ前縁部36よりも大きな半径を有している。縁部96の湾曲と、前縁部36の湾曲とのある程度の偏差はギャップ98の寸法に応じて可能となる。
【0015】
以下において、前記前照灯の調節装置の機能形式に関して説明する。リフレクタ10を調節するためには、調節ねじ88が回転させられる。この調節ねじ88はやはり前記区分60に設けられたウォーム歯列に噛み合ったねじ山付区分90を介して、旋回軸線38を中心にして調節部材54を回転させる。調節部材54が回転させられると、この調節部材54の偏心的な区分68も同じく回転させられるが、しかし前記区分68が旋回軸線38に対して偏心的に形成されていることに基づき、前記区分68は旋回軸線38に対して直角でかつ、伝達部材70を旋回させる軸線74に対して接線方向での運動をも実施する。偏心的な区分68の、軸線74に対して接線方向の運動成分は伝達部材70に伝達される。この伝達部材70に設けられた切欠き80には、前記区分68が小さな遊びを持って接線方向で収容されていて、ひいてはこの伝達部材70と連結されている。伝達部材70はこのとき、ケーシング22に支承された下側の端範囲72で軸線74を中心にして旋回させられる。伝達部材70の上側の端範囲76はこの場合、軸線74を中心とした旋回運動を実施する。この旋回運動は、この伝達部材70が保持フレーム40に結合されていることに基づき、この保持フレーム40に伝達される。保持フレーム40と、この保持フレーム40に結合されたリフレクタ10とは、支承部材50と調節部材54とを介して支承されており、したがって旋回軸線38を中心とした旋回運動を実施するので、リフレクタ10の光軸39の経過は鉛直方向において変化させられる。偏心的な区分68の最大偏心率が軸線74に対して接線方向で光線出射方向14を向いて配置されるように前記偏心的な区分68が配置されていると、リフレクタ10の光軸39の下方傾斜、ひいてはリフレクタ10によって反射された光束の下方傾斜は最大となる。この位置では、伝達部材70の上側の端範囲76が、光線出射方向14に最も大きく旋回させられた位置をとる。偏心的な区分68の最大偏心率が軸線74に対して接線方向で光線出射方向14とは反対の方向を向いて配置されるように前記偏心的な区分68が配置されていると、リフレクタ10の光軸39の上方傾斜、ひいてはリフレクタ10によって反射された光束の上方傾斜は最大となる。この位置では、伝達部材70の上側の端範囲76が、光線出射方向14とは反対の方向に最も大きく旋回させられた位置をとる。旋回軸線38を中心としたリフレクタ10の旋回運動は、いずれの方向においてもストッパによって制限されていない。それどころか前記極限位置を越えて調節部材54を回転させることができる。その後に、リフレクタ10の調節が再び可能となる。図示の実施例では、調節部材54の偏心的な区分68が切欠き80内で中間位置またはゼロ位置に配置されており、この場合、偏心的な区分68の、旋回軸線38に対する最大偏心率は下方または上方のいずれかを向いている。調節部材54は旋回軸線38を中心にして360゜だけ回転させることができる。すなわち、最大偏心率が光線出射方向14を向いているか、または光線出射方向14とは反対の方向を向いている前記位置を越えて調節部材54を回転させることができるので、偏心的な区分68の最大偏心率は上方を向いている。リフレクタ10の旋回運動を制限するための付加的なストッパは必要にならない。それどころか、調節部材54の偏心的な区分68の、上で説明した極限位置が、リフレクタ10の終端位置を規定する。調節部材54がさらに回転させられると、リフレクタ10はこの位置を越えて再び別の方向に旋回させられる。したがって、リフレクタ10の調節は調節部材54の任意の回転位置から出発して、調節部材54の回転によって可能となる。調節ねじ88から出発して、旋回軸線38を中心としたリフレクタ10の旋回運動は3回減速され、つまり1回目はねじ山付区分90と前記区分60のウォーム歯列との間での減速、2回目は伝達部材70に連結された偏心的な区分68によって、3回目は伝達部材70のてこ比によって減速される訳である。偏心的な区分68と伝達部材70との間での減速は、旋回軸線38に対する偏心的な区分68の偏心率の大きさによって規定されている。伝達部材70のてこ比は、伝達部材70の両端範囲72,76の相互間隔と、偏心的な区分68の作用点に対する間隔とに基づき規定される。前記調節装置は調節ねじ88を起点としてリフレクタ10にまでの著しい減速に基づき、セルフロック作用、つまり戻り止め作用を有しているので、リフレクタ10に作用する力は、たとえば前照灯を備えた車両の走行時における振動によってもリフレクタ10の移動を生ぜしめない。
【0016】
リフレクタ10の前縁部36は、旋回軸線38を中心としたリフレクタ10の旋回運動時に、同じく旋回軸線38を中心とした運動を実施する。リフレクタ10の前縁部36および前記区分34の縁部96の前記構成に基づき、ギャップ98は、リフレクタ10の旋回運動時でも少なくともほぼ一定に維持され、したがって小さく保持され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のI−I線に沿った本発明による前照灯の水平方向の縦断面図である。
【図2】図1のII−II線に沿った前照灯の鉛直方向の縦断面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿った前照灯の鉛直方向の縦断面図である。
【図4】図1のIV−IV線に沿った前照灯の鉛直方向の横断面図である。
【図5】図1のV−V線に沿った前照灯の鉛直方向の縦断面図である。
【符号の説明】
10 リフレクタ、 12 光源、 14 光線出射方向、 16 シールドキャップ、 18 支持体、 20 壁、 22 ケーシング、 24 キャップ、 26 カバーレンズ、 28 縁部、 30 溝、 32 フランジ、 34 区分、 36 前縁部、 38 旋回軸線、 39 光軸、 40 保持部材、 42 主範囲、 46 支承範囲、 48 開口、 50 支承部材、52 収容部、 54 調節部材、 56 収容部、 58 区分、 60 端部、 62 区分、 64 環状溝、 66 シールリング、 68 区分、70 伝達部材、 72 端範囲、 74 軸線、 75 収容部、 76 端範囲、 77 ピン、 78 軸線、 80 切欠き、 82 ロックアーム、 84 凹部、 86 フランジ、 88 調節ねじ、 89 長手方向軸線、 90 区分、 92 ヘッド、 94 コンソール、 96 縁部、 98ギャップ

Claims (8)

  1. 車両に用いられる前照灯であって、リフレクタ(10)が設けられており、該リフレクタ(10)が、保持装置(22)に水平な1つの軸線(38)を中心にして旋回可能に支承されている形式のものにおいて、リフレクタ(10)の、光線出射方向(14)を向いた前縁部(36)と、該前縁部(36)に隣接した、前記保持装置(22)の前側部分(34)の前記光線出射方向(14)とは反対の方向を向いた縁部(96)とが、リフレクタ(10)の旋回軸線(38)に対して直角な平面でそれぞれ湾曲させられてほぼ円弧状に形成されており、しかも前記前縁部(36)の湾曲の中心点と、前記前側部分(34)の縁部(96)の湾曲の中心点とが少なくともほぼリフレクタ(10)の旋回軸線(38)に配置されて、前記前縁部(36)と前記縁部(96)との間に、旋回軸線(38)を中心としたリフレクタ(10)の旋回運動時に少なくともほぼ一定に維持される間隔(98)が生じるように前記前縁部(36)の湾曲と、前記前側部分(34)の縁部(96)の湾曲とが形成されていることを特徴とする、車両に用いられる前照灯。
  2. 保持装置(22)の前記前側部分(34)の縁部(96)が、リフレクタ(10)の前記前縁部(36)よりも大きな半径を有している、請求項1記載の前照灯。
  3. 保持装置(22)の前記前側部分(34)の縁部(96)の半径が、リフレクタ(10)の前記前縁部(36)の半径よりも前記間隔(98)の分だけ大きく形成されている、請求項2記載の前照灯。
  4. 保持装置(22)の前記前側部分(34)が、光線出射方向(14)とは反対の方向で先細りになるように形成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の前照灯
  5. 前記前側部分(34)が、保持装置(22)と一体に形成されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の前照灯。
  6. リフレクタ(10)の旋回軸線(38)が、リフレクタ(10)の光軸(39)の近くで、しかも該光軸(39)に対してほぼ直角に延びている、請求項1から5までのいずれか1項記載の前照灯。
  7. リフレクタ(10)の旋回軸線(38)が、少なくともほぼリフレクタ(10)の、光軸(39)を含む長手方向中心平面に延びている、請求項1から6までのいずれか1項記載の前照灯。
  8. 保持装置(22)がケーシングを有しており、該ケーシングの内部にリフレクタ(10)が配置されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の前照灯。
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