JPH04102106U - 車輌用前照灯 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 大型の車輌用前照灯において、電球の光が直
射されない反射鏡の無効反射領域をも前方からみたとき
に光っているように見せる。 【構成】 反射鏡６は電球１０の光が直射される有効反
射領域８と電球１０の光が直射されない無効反射領域９
とを有し、レンズ５内面のうち有効反射領域８による反
射光が直射されない領域であって電球１０からの光が直
射される領域に電球１０から直射された光２２を上記無
効反射領域９に向けて反射するレンズカット２１を形成
し、無効反射領域９に反射膜を形成した。従って、上記
光２２が無効反射領域９によって反射されるので、レン
ズ５のうち無効反射領域９に対向した領域２３も光る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は新規な車輌用前照灯に関する。詳しくは、大型の車輌用前照灯におい て、電球の光が直射されない反射鏡の無効反射領域をも前方からみたときに光っ ているように見せるものである。

【０００２】

【従来の技術】

車輌用、特に自動車用の前照灯において、デザイン上の理由から大型にする要 求がある。かかる場合横方向に大きい前照灯となる。

【０００３】 また、他方で、車体内の有効空間を広げるため、前照灯の奥行きを小さくしよ うとの要求もある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、奥行きの小さい灯具空間内において反射鏡を傾動させなければならず 、反射鏡の奥行きを余り大きくすることが出来ない。反射光を略前方に向けて出 射させる有効反射領域はこれお大きくするとその奥行きが非常に大きくなってし まうので、前照灯の横幅の全部をカバーする有効反射領域を設けることは到底出 来ない。

【０００５】 そのために、反射鏡の大部分を電球からの光が直射しない無効反射領域として 構成しなければならず、この無効反射領域が、夜間に前方から見たときに暗部と して見え、見栄えが悪いという問題がある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案車輌用前照灯は、上記した課題を解決するために、レンズ内面のうち反 射鏡の有効反射領域による反射光が直射されない領域であって電球からの光が直 射される領域に電球から直射された光を反射鏡の上記無効反射領域に向けて反射 するレンズカットを形成し、反射鏡の無効反射領域に反射膜を形成したものであ る。

【０００７】

【作用】

従って、本考案車輌用前照灯にあっては、電球から直射されレンズカットで反 射された光が無効反射領域の反射膜によって反射されて前方へ向けて出射される ので、レンズのうち無効反射領域に対向した部分も光って見え、これによって、 レンズの全体が光って見え見栄えが良くなる。

【０００８】

【実施例】

以下に本考案車輌用前照灯の詳細を添付図に示す実施例１に従って説明する。

【０００９】 ２はランプハウジングであり、合成樹脂で形成され、前方から見て左右に長い 長方形をしていて、前方に向かって開口した凹部３を有している。そして、該ラ ンプハウジング２の前面開口縁には前方に向かって開口した据付溝４が形成され ている。

【００１０】 ５はレンズであり、その周縁部の後端部がランプハウジング２の上記据付溝４ 内に嵌合され、かつ、接着等により固定されている。

【００１１】 ６は反射鏡であり、ランプハウジング２とレンズ５とによって画成された灯具 空間７内に傾動自在に設けられている。

【００１２】 反射鏡６はその略中央部が回転放物面状をした有効反射領域８とされ、該有効 反射領域８の開口縁から左右方向に各別に突出した無効反射領域９、９が形成さ れている。そして、有効反射領域８及び無効反射領域９、９ともにその前面には 図示しない反射膜が付与されている。

【００１３】 反射鏡６の有効反射領域８の後部中央部には電球１０が着脱自在に取着されて いる。

【００１４】 １１はランプハウジング２の後部内面の前方から見て左寄りの下部に前方へ向 けて突設された支点軸であり、その前端部には球部１２が一体に形成されている 。

【００１５】 １３は反射鏡６の後面のうち上記支点軸１１に対向した位置に支持された球受 体であり、合成樹脂で形成され、その後面に開口した球状の凹部１４が形成され ている。

【００１６】 そして、上記支点軸１１の球部１２が球受体１３の球状凹部１４内に回動自在 に嵌合され、ここに球継手状の回動支点部１５が形成される。

【００１７】 １６は上記支点軸１１の上方でランプハウジング２に回転自在に支持された調 整軸であり、その前半部が螺軸部１７とされている。そして、その頭部１８はラ ンプハウジング２の後面から突出されている。

【００１８】 １９は反射鏡６の後面のうち上記調整軸１６に対向した位置に僅かに傾動可能 に支持されたナット体であり、該ナット体１９に調整軸１６の螺軸部１７が螺合 されている。従って、調整軸１６を回転すると、その回転の方向に応じて螺軸部 １７がナット体１９に対して捩じ込まれあるいは捩じ戻され、これによって反射 鏡６のナット体１９が支持された部分のランプハウジング２の後部に対する距離 が変更されることになる。

【００１９】 このようにして間隔調整部２０が形成される。そして、図示しないがこれ２０ と同様の間隔調整部が上記回動支点部１５から右方に隔たった位置に設けられて いる。

【００２０】 上記したように、１つの回動支点部１５と２つの間隔調整部２０とにより反射 鏡６がランプハウジングに傾動自在に支持される。

【００２１】 ２１、２１、・・・はレンズ５の内面のうち主として電球１０から出射し反射 鏡６の有効反射領域８で反射された反射光が入射しない領域に形成されたレンズ カットであり、このレンズカット２１、２１、・・・によって電球１０から直射 された光２２、２２、・・・の多くが無効反射領域９、９に向けて反射され、更 にこの光２２、２２、・・・が無効反射領域９、９によって反射されてレンズ５ のうち無効反射領域９、９に対向した領域２３、２３から前方へ出射される。

【００２２】 従って、前方から見た場合、レンズ５の全体が光って見えるため、極めて見栄 えの良いものとなる。

【００２３】

【考案の効果】

以上に記載したところから明らかなように、本考案車輌用前照灯は、ランプハ ウジングとその前面を覆うレンズとによって画成された灯具空間内に反射鏡を傾 動自在に支持し該反射鏡に電球を支持した車輌用前照灯であって、反射鏡は電球 の光が直射される有効反射領域と電球の光が直射されない無効反射領域とを有し 、レンズ内面のうち反射鏡の有効反射領域による反射光が直射されない領域であ って電球からの光が直射される領域に電球から直射された光を反射鏡の上記無効 反射領域に向けて反射するレンズカットを形成し、反射鏡の無効反射領域に反射 膜を形成したことを特徴とする。

【００２４】 従って、本考案車輌用前照灯にあっては、電球から直射されレンズカットで反 射された光が無効反射領域の反射膜によって反射されて前方へ向けて出射される ので、レンズのうち無効反射領域に対向した部分も光って見え、これによって、 レンズの全体が光って見え見栄えが良くなる。

【００２５】 尚、レンズカットを形成する領域は厳密に有効反射領域による反射光が入射し ない領域のみに形成されなければならないというものではなく、多少有効反射領 域による反射光が入射される領域にかかって形成されてもよく、また、有効反射 領域による反射光が入射しない領域の全域に形成されなければならないというこ ともない。

【００２６】 そのほか、上記実施例で示した具体的な形状ないしは構造は、本考案の実施に 当たっての具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本考案の 技術的範囲が限定的に解釈されてはならない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案車輌用前照灯の実施の一例を示す水平断
面図である。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線に沿う拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 車輌用前照灯 ２ ランプハウジング ５ レンズ ６ 反射鏡 ７ 灯具空間 ８ 有効反射領域 ９ 無効反射領域 １０ 電球 ２１ レンズカット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ランプハウジングとその前面を覆うレン
   ズとによって画成された灯具空間内に反射鏡を傾動自在
   に支持し該反射鏡に電球を支持した車輌用前照灯であっ
   て、反射鏡は電球の光が直射される有効反射領域と電球
   の光が直射されない無効反射領域とを有し、レンズ内面
   のうち反射鏡の有効反射領域による反射光が直射されな
   い領域であって電球からの光が直射される領域に電球か
   ら直射された光を反射鏡の上記無効反射領域に向けて反
   射するレンズカットを形成し、反射鏡の無効反射領域に
   反射膜を形成したことを特徴とする車輌用前照灯。