JPH0124802Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は新規な車輌用前照灯に関する。詳しく
はランプボデイ開口面より後方に反射鏡開口面が
位置する車輌用前照灯において、ランプを前方か
ら見た場合の見栄えを良くし、しかも反射鏡の製
作を容易にかつ安価に行なうことができるように
することを目的とする。

従来から、反射鏡を金属板のプレス成形にて形
成し、これをランプボデイとレンズとによつて形
成された空間内に傾動調整可能に配置した車輛
用、特に自動車用の前照灯に使用されている。と
ころが近時、ランプボデイが全体にあるには部分
的にきわめて深くされたものがあり、種々の問
題、特に前方からの見栄上の問題が生じている。
例えば、デザイン上の理由、即ち、車体の曲線ラ
インに前照灯の前面の形状を適合させるなどの理
由により、ランプボデイの奥行が深くなる傾向が
あるが、反射鏡は主として金属板のプレス加工に
より形成されるものであるから、深絞りの程度に
は限界があり、ある程度以上に深く絞ると材料切
れなどを起こし、きわめて生産性や精度等が悪く
なる。ところが、反射鏡の深さがランプボデイの
深さに適合したものでないと上記した前方からの
見栄上の問題が生ずる。第１図はそのような灯具
の例を示すものであり、ａはランプボデイで、そ
の前面開口部がレンズｂにて覆われている。ｃは
金属製の反射鏡でランプボデイａ内に、ランプボ
デイａに対して傾動可能なるように配置されてい
る。そして、この車輛用前照灯の反射鏡ｃ開口面
はランプボデイａ開口面の後方に位置されてい
る。そしてまた、反射鏡ｃはランプボデイａに対
して傾動せしめられるものであり、必要な傾動量
を確保するに充分な間隔が反射鏡ｃの開口縁部と
ランプボデイａの開口縁部内面との間に設けられ
ている。

このような構造をしている第１図の車輛用前照
灯においてランプボデイａの開口縁部内面は反射
面とされていないため、そこに入射した光は反射
されず、その周囲は明るくならない。特に反射鏡
ｃの開口縁部とランプボデイａの開口縁部内面と
のすきま等の直射光の当らない所は暗所となり、
前方からランプを見た場合にこの暗所が見栄を悪
くしていた。

そこで、上述したような深い形状の反射鏡を形
成することの問題に鑑みて、第２図に示したよう
な車輛用前照灯が提案されている。即ち、この車
輛用前照灯において前面をレンズｂで覆われたラ
ンプボデイａ内に配置される反射鏡ｄは、稍浅目
の金属反射体ｅと該金属反射体ｅの開口縁から延
長するように形成された合成樹脂製の延長反射体
ｆとから成り、別体に形成された延長反射体ｆが
金属反射体ｅの開口縁に連結固着されている。こ
のように、大きな（そして奥行の深い）反射鏡を
２つの部分に分けて形成しそれを後で結合するこ
ととすると、その全体を単一の材料で形成する場
合における前述した欠点は解消される。しかしな
がら、この種反射鏡ｄはランプボデイａに対して
傾動せしめられるものであるから、その開口縁に
おいてランプボデイａ又はレンズｂに対して余り
近接していると、傾動時に衝突してしまうという
問題がある。そのために、必要な傾動量を確保す
るに充分な間隔が反射鏡ｄの開口縁部とそれを取
り囲む部材との間になければならない。しかも、
そのような間隔は反射鏡が大きくなればなる程大
きくなるものである。従つて、このようなすき間
が前方から見ると暗部となり、見栄えを損なう。
又、金属反射体ｅに延長反射体ｆを連結するもの
であるため、両部材の連結箇所における寸法精度
を高めなければならず、そのために金型が高精度
を要求される等、コストアツプの要因が多い。

本考案は以上のような点に鑑みて為されたもの
であり、ランプボデイ開口面より後方に反射鏡開
口面が位置する車輛用前照灯において、ランプを
前方から見た場合の見栄えを良くし、反射鏡の製
作を容易にかつ安価に行なうことができるように
することを目的とするもので、合成樹脂製のラン
プボデイと、ランプボデイの前面を覆うレンズ
と、ランプボデイ内に傾動可能に配置された金属
製の反射鏡とを備えており、ランプボデイの開口
縁部内面にこれとは別個に形成した反射面部を取
着したことを特徴とする。

以下に、本考案車輛用前照灯の詳細を添付図面
に示す実施例に従つて説明する。

第３図は本考案車輛用前照灯の実施の一例を示
すものである。

１は合成樹脂製のランプボデイであり、前面が
開口した容器状を為しており、その開口縁部には
据付フランジ２が形成されており、この据付フラ
ンジ２にレンズ３がランプボデイ１の前面を覆う
ように取着されている。４はランプボデイ１とレ
ンズ３とによつて形成された空間内に傾動調整可
能に配置された金属製の反射鏡であり、この反射
鏡４の開口面はランプボデイ１の開口面より後方
にあるように配置されている。

反射鏡４をランプボデイ１に傾動調整可能なる
ように取り付ける手段には種々のものがある。こ
の傾動調整可能な取り付け手段は図示していない
が、例えば、反射鏡を１つの球継手部と２つの角
度調整部との合計３点によつてランプボデイに結
合させて傾動調整可能な状態に支持する手段があ
る。球継手部は先端に球体が形成されたピンをラ
ンプボデイに固定し、受体を反射鏡に取着してそ
の受体の球状凹部内にピンの球体が嵌入されて構
成される。又、角度調整部は、ランプボデイに回
転可能に支持されたアジヤステイングスクリユー
を反射鏡に取着したナツトに螺合されて構成され
る。そして、アジヤステイングスクリユーを回転
操作してナツトに対し捩じ込み、あるいは捩じ戻
すことにより角度調整部における反射鏡とランプ
ボデイとの間隔を調整し得るようになつている。
そして、更にもう一箇所の角度調整部においても
前記同様に反射鏡とランプボデイとが連結されて
いる。以上のような構造によつて反射鏡４がラン
プボデイ１に傾動調整可能な状態に支持されてい
る。

５はランプボデイ１とは別体に形成された金属
製の反射体である。そして、反射体５はランプボ
デイ１の開口縁部内面に密接するような略環状を
成しており、その前端部には、ランプボデイ１の
据付フランジ２のレンズ受け溝にレンズと共に嵌
入できるように外側へ向つて折り返えされた折り
返し部が設けられている。そして、このような形
状をした反射体５をランプボデイ１の開口面から
反射鏡４の開口面の稍後方にわたり、ランプボデ
イ１の開口縁部内面に密接するように配置され、
その前端部の折り返し部をレンズ３と共にレンズ
受け溝に嵌入することにより固着される。尚、反
射体４を固着する手段は、このような反射体４の
前端部に折り返し部を設けることなく、接着等の
適宜の手段によつて固着しても良い。

以上に記載したところから明らかなように、本
考案車輛用前照灯においては、ランプボデイ開口
縁部内面を反射面としたため、電球から出た光は
該反射面において反射され、その周囲を明るくし
て、更に、直射光の当らないランプボデイ開口縁
部内面と反射鏡開口縁部とのすきまをも明るくす
る。従つて反射鏡の開口面をランプ開口面に近づ
けなくとも前方から見て暗部となる部分が生ずる
ことがなく、従つて反射鏡を比較的浅い形状のも
のにすることが可能となる。そしてまた、反射鏡
を浅い形状のものにすることができると反射鏡を
傾動させた場合にこの開口縁部における移動量を
比較的小さくすることができ、ランプボデイ開口
縁部内面と反射鏡開口縁部とのすきまをも小さく
することができ、このことが更に暗部の発生を防
止することとなる。

また、反射鏡を比較的浅い形状のものとするこ
とができるため、その製造を容易にかつ安価に行
なうことができ、更に、反射鏡の精度を向上させ
ることもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の車輛用前照灯の一例を示す横断
平面図、第２図は従来の車輛用前照灯の別の例を
示す横断平面図、第３図は本考案車輛用前照灯の
実施の一例を示す横断平面図である。 符号の説明、１……ランプボデイ、３……レン
ズ、４……反射鏡、５……反射体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 合成樹脂製のランプボデイと、ランプボデイ
   の前面を覆うレンズと、ランプボデイ内に傾動
   可能に配置された金属製の反射鏡とを備えてお
   り、ランプボデイの開口縁部内面にこれとは別
   個に形成した反射面部を取着したことを特徴と
   する車輌用前照灯。 (2) 反射面部の反射面が反射塗装によつて形成さ
   れたことを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の車輌用前照灯。