JPS6128321Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、配光を良好にすると共に視認性を向
上させた車輛用灯具に関するものである。

従来から、車輛用灯具としては、各種の提案が
あるが、後方突出長を可及的短かくしトランクル
ーム内の有効容積を増加するために第１図に示す
ものが知られている。同図に示す車輛用灯具にお
いて、符号１は灯具ボデイを示し、この灯具ボデ
イ１の内面には、反射面１ａが形成されている。

一方、この反射面１ａと対向する開口端１ｂに
は、前面レンズ２が固定されており、さらにこの
反射面１ａに隣接する側壁部１ｃには、後述する
ソケツトホルダ３ａが挿通される開口１ｄが形成
されている。

また符号３はバツクカバーであつて、このバツ
クカバー３には、電球４を保持し、この電球４を
前記開口部１ｄより灯具ボデイ１の内部に挿入さ
れるソケツトホルダ３ａが一体に形成されてい
る。

しかしながら、このような構成をもつた車輛用
灯具においては、前記利点がある反面、反射面１
ａと前面レンズ２との間にソケツトホルダ３ａが
突出しているため、反射面１ａにより反射された
光の一部がソケツトホルダ３ａに遮蔽されて、前
面レンズ２に到達できず、したがつて、このソケ
ツトホルダ３ａに対応する前面レンズ２の一部に
暗部が生じ、配光上好ましくないばかりか視認性
をもそこなわれるという欠点があつた。

また前面レンズ２に生じる前記暗部を解消する
ために、電球４からの直射光を利用するべく鋸歯
状の断面をなす直射ステツプ２ａを形成する手段
も講じられていたが、この直射ステツプ２ａの成
形には高価な金型を必要とするばかりか、レンズ
面にヒケの現象を生ぜしめ、レンズの外観をそこ
ねるという欠点があつた。

本考案はこのような事情に鑑みなされたもの
で、前面レンズとソケツトホルダとの間に反射光
を前面レンズ方向へ導びく補助反射鏡を立設する
という、きわめて簡単な構成により、配光性能を
良好にするばかりか、レンズの外観および視認性
をも向上させた車輛用灯具を提供するものであ
る。

以下、図に示す実施例を用いて本考案の詳細を
説明する。

第２図は、本考案に係る車輛用灯具の一実施例
を示す断面図であり、第１図と同一部分には同一
符号が付してある。

同図において、符号１で示すものは灯具ボデイ
であつて、この灯具ボデイ１の内面には、放物面
をもつた反射面１ａが形成されている。この反射
面１ａと対向する開口端１ｂには前面レンズ２が
固定されており、またこの反射面１ａに隣接する
側壁部１ｃには電球およびこれを保持するソケツ
トホルダ３ｃが挿入される開口１ｄが穿設されて
いる。３はバツクカバーを示す、このバツクカバ
ーには、電球４を保持し、かつこの電球４を前記
開口１ｄより灯具ボデイ１の内部に挿入するため
のソケツトホルダ３ａが一体に形成されている。
なお、このソケツトホルダ３ｃの位置および高さ
は、これによつて保持される電球４のフイラメン
トが反射面１ａの略々焦点位置Ｆに相当する部位
に位置付けられるように形成されている。

５は前記ソケツトホルダ３ａと前面レンズ２と
の間に形成された補助反射鏡であつて、この補助
反射鏡５は灯具ボデイ１の側壁部１ｃに一体に形
成されるとともに、反射面１ａの焦点Ｆを共有す
る曲率をもつ反射面によつて形成されている。す
なわち、この補助反射鏡５は、側壁部１ｃ上の前
面レンズ２側からソケツトホルダ３ｃ方向へ立上
るように突設され、かつその突出高さがソケツト
ホルダ３ｃの突出長と略々同等になるように形成
されている。

なお、バツクカバー３は適宜な手段により灯具
ボデイ１に取り付けられており、また、符号１ｅ
で示す開口は、補助反射鏡５を側壁部１ｃに一体
に成形するための金型構造により形成されたもの
である。

第３図は本考案の他の実施例を示す車輛用灯具
の断面図で、この車輛用灯具においては、補助反
射鏡５が、ソケツトホルダー３ａの頂部３０ａを
頂点として前面レンズ２側のバツクカバーの底面
３１ａにかけてバツクカバー３に一体に形成され
ている。すなわち、補助反射鏡５をバツクカバー
３と一体に形成したものである。

第４図は本考案のさらに他の実施例を示す車輛
用灯具の断面図を示す。すなわち、特に灯具ボデ
イ１を車体に付けるべくボルト６がバツクカバー
３の外方に突設された車輛用灯具においては、バ
ツクカバー３を図中に示す矢印Ａの方向に取り外
すことが困難であるため、図中に示す矢印Ｂの方
向にバツクカバー３が取り外せるように、ソケツ
トホルダ３ａを灯具ボデイ１の側壁１ｃに対して
傾斜させて設けた例を示す。

以上のように構成された車輛用灯具において
は、ソケツトホルダと、前面レンズとの間に補助
反射鏡が設けられているため、フイラメントから
の光線は補助反射鏡により反射されて前面レンズ
側に有効に照射されることとなり、結局前面レン
ズを一様に光らせて所望の配光を得ることができ
る。

また、前面レンズに格別の直射ステツプを設け
る必要がないため、レンズの成形も容易となるば
かりか、レンズの外観をそこねる欠点も解消でき
るというすぐれた効果を有する。

特に第３図の実施例に示す車輛用灯具において
は、補助反射鏡がバツクカバーに一体に形成され
ているため、電球のフイラメントと補助反射鏡の
位置関係が一定となり、有効な反射光が得られる
という効果を有する。

また、第４図の実施例に示す車輛用灯具におい
ては補助反射鏡に対する電球４のフイラメントか
らの光線の立体角を大きくとれるという効果を有
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の車輛用灯具の断面図、第２図は
本考案に係る車輛用灯具の一実施例を示す断面
図、第３および第４図は他の実施例を示す断面図
である。 １……灯具ボデイ、１ａ……反射面、２……前
面レンズ、３……バツクカバー、３ａ……ソケツ
トホルダ、４……電球、５……補助反射鏡。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前方開口端に前面レンズを有し、この前面レン
   ズと対向する後方内側に反射面が形成された灯具
   ボデイと、前記前面レンズと反射面間に臨むよう
   に灯具ボデイ内に突出するソケツトホルダとを有
   する車輛用灯具において、前記前面レンズとソケ
   ツトホルダとの間に、前面レンズ側からソケツト
   ホルダ方向へ立上りかつソケツトホルダの突出長
   と略々同等の高さを有する補助反射鏡を立設し、
   この反射鏡により電球からの直射光を前面レンズ
   側へ反射させるようにしたことを特徴とする車輛
   用灯具。