JPH0117042Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は新規な自動車用灯具に関する。詳しく
は、側方への照射領域を拡大することができる新
規な自動車用灯具を提供しようとするものであ
る。

背景技術とその問題点 車輌用灯具、特に、自動車用の標識灯には、ア
ウターレンズとインナーレンズとの２枚のレンズ
を備えたものがある。

第５図はそのような２枚のレンズを備えた自動
車用の標識灯ａを示すものである。

第５図において、ｂはランプボデイ、ｃはラン
プボデイｂ内に配置された電球、ｄはランプボデ
イｂの前面開口を覆うように配置されたアウター
レンズ、ｅはアウターレンズｄと電球ｃとの間に
配置されたインナーレンズである。

インナーレンズｅの内側表面、即ち、電球ｃに
対向した側の表面にはフレネルステツプｆ，ｆ，
…及びｇ，ｇ，…が形成されており、電球ｃから
インナーレンズｅの内側表面に直射された光を光
軸ｘ−ｘと平行な光束とするようになつている。
尚、フレネルステツプｆ，ｆ，…は屈折型のもの
で、中央部に形成されており、フレネルステツプ
ｇ，ｇ，…は反射型のもので、屈折型フレネルス
テツプ形成領域の外側領域に形成されている。

アウターレンズｄの内側表面、即ち、インナー
レンズｅに対向した側の面には魚眼ステツプｈ、
ｈ、…が形成されており、インナーレンズｅによ
つて光軸ｘ−ｘに対して平行な光束とされた光を
上下及び左右に適度に拡散させて広範囲から視認
できるようにしている。

上記のような灯具ａにおいては、アウターレン
ズｄに形成された魚眼ステツプｈ，ｈ，…によつ
て光の拡散を行なつているが、魚眼ステツプｈ，
ｈ，…だけによる光の拡散には限度があつる。自
動車用の標識灯においては側方の約80゜位までの
範囲から点灯を視認できることが要求されるが、
光軸ｘ−ｘに対して平行な光を魚眼ステツプｈ，
ｈ，…のみによつて光軸ｘ−ｘに対して80゜位の
角度を以つて照射するようにすることは不可能で
あり、せいぜい30゜位までの側方照射しか行なう
ことができない。

考案の目的 そこで、本考案は、上記した従来の自動車用灯
具にあつた問題点に鑑みて為されたものであり、
側方への照射領域を拡大することができる新規な
自動車用灯具を提供することを目的とする。

考案の概要 本考案自動車用灯具は、上記した目的を達成す
るために、光源の前方をアウターレンズとインナ
ーレンズとで２重に覆つた自動車用灯具におい
て、インナーレンズには光源からインナーレンズ
に直射された光を平行光束とするフレネルステツ
プを形成すると共に、レンズ作用の殆どない素通
し部を部分的に設け、光源からの光を略側部方向
へ向けて反射する補助反射鏡を上記側部とは反対
側の内部に設け、該補助反射鏡で反射された光の
うち上記素通し部を透過したものはそのまま側部
方向へ向つて照射されるようにしたことを特徴と
する。

作 用 従つて、本考案によれば、インナーレンズにレ
ンズ作用を殆ど有しない素通し部が部分的に設け
られているので、補助反射鏡で略側部方向へ向つ
て反射された光のうち素通し部を透過したものは
略そのまま側部方向へ向つて照射されることにな
り、側方への照射領域が拡大せしめられる。

実施例 以下に、本考案自動車用灯具の詳細を図示した
実施例に従つて説明する。

図中１はランプボデイであり、合成樹脂で形成
されている。２はランプボデイ１内に配置された
電球である。

３はランプボデイ１の前面開口部を覆うように
ランプボデイ１に取着されたアウターレンズであ
り、該アウターレンズ３の内側表面には多数の魚
眼ステツプ４、４、…が形成されている。

５は電球２とアウターレンズ３との間でランプ
ボデイ１に取着されたインナーレンズである。イ
ンナーレンズ５の外側表面、即ち、電球２に対面
した側とは反対側の表面には多数のフレネルステ
ツプ６，６，…が形成されている。そして、これ
らフレネルステツプ６，６，…によつて、電球２
からインナーレンズ５の内側表面に直射される光
を光軸ｘ−ｘと平行な光束とする。

７，７，…は殆どレンズ作用を有しない素通し
部であり、インナーレンズ５の右側半分にあるフ
レネルステツプ６，６，…のうち一部を円弧状に
除去することによつて形成されている。そして、
この素通し部７，７，…の形成のし方は図示実施
例に示されているものに限られず、例えば、フレ
ネルステツプ毎に適宜の間隔で素通し部分を点在
させる等、その配置の仕方には種々ある。

８はランプボデイ１内の右側部に寄つた位置に
配置された補助反射鏡であり、電球２からの光は
この補助反射鏡８によつて光軸ｘ−ｘに対して略
80゜の角度を以つて他方の側部方向へ向つて反射
せしめられる。

上記した自動車用灯具９にあつては、電球２か
ら射出されインナーレンズ５に直射された光のう
ち、フレネルステツプ６，６，…を透過する光は
光軸ｘ−ｘに対して平行な光束とされてアウター
レンズ３へと照射され、アウターレンズ３に形成
された魚眼ステツプ４，４，…によつて制御され
てアウターレンズ３の外側表面から拡散傾向を以
つて照射される。

また、電球２からインナーレンズ５に直射され
た光のうち、素通し部７，７，…を透過したもの
は、インナーレンズ５への入射角に略対応した出
射角を以つてインナーレンズ５から出射され、稍
側方照射に寄与する。

更に、電球２から出射され補助反射鏡８に向つ
た光は、補助反射鏡８によつて側方へ向つて光軸
ｘ−ｘに対して角度で反射される。そして、それ
ら光のうちインナーレンズ５の素通し部７，７，
…を透過した光は略そのままの角度を以つて側方
へ向つて照射され、側方配光に寄与し、光軸ｘ−
ｘに対して80゜位の角度での側方照射も可能とな
る。

考案の効果 本考案自動車用灯具は、上記したところから明
らかなように、光源の前方をアウターレンズとイ
ンナーレンズとで２重に覆つた自動車用灯具いお
いて、インナーレンズには光源からインナーレン
ズに直射された光を平行光束とするフレネルステ
ツプを形成すると共に、レンズ作用の殆どない素
通し部が形成され、光源からの光を略側部方向へ
向けて反射する補助反射鏡を上記側部とは反対側
の内部に設け、該補助反射鏡で反射された光のう
ち上記素通し部を透過したものはそのまま側部方
向へ向つて照射されるようにしたことを特徴とす
る。

従つて、本考案によれば、インナーレンズにレ
ンズ作用を殆ど有しない素通し部が形成されてい
るので、補助反射鏡で略側部方向へ向つて反射さ
れた光のうち素通し部を透過したものは略そのま
ま側部方向への向つて照射されることになり、側
方へ照射領域が拡大せしめられる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案自動車用灯具の実施
の一例を示すもので、第１図は正面図、第２は第
１図の−線に沿う断面図、第３図は第１図の
−線に沿う断面図、第４図は第２図にで示
す部分の拡大断面図、第５図は従来の自動車用灯
具の一例を示す水平断面図である。 符号の説明、２……光源、３……アウターレン
ズ、５……インナーレンズ、６……フレネルステ
ツプ、７……素通し部、８……補助反射鏡、９…
…自動車用灯具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 光源の前方をアウターレンズとインナーレンズ
   とで２重に覆つた自動車用灯具において、インナ
   ーレンズには光源からインナーレンズに直射され
   た光を平行光束とするフレネルステツプを形成す
   ると共に、レンズ作用の殆どない素通し部を部分
   的に設け、光源からの光を略側部方向へ向けて反
   射する補助反射鏡を上記側部とは反対側の内部に
   設け、該補助反射鏡で反射された光のうち上記素
   通し部を透過したものは略そのまま側部方向へ向
   つて照射されるようにしたことを特徴とする自動
   車用灯具。