JPS6348008Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈考案の技術分野〉 本考案は車輌用灯具に係り、例えば方向指示灯
や制動灯などのような信号灯の薄形化に好適な車
輛用灯具に関するものである。

〈従来技術とその問題点〉 近年、この種の車輛用灯具においては、灯具自
体の薄形化の要求に基づき、レンズに直射系とそ
の周囲に反射系のレンズプリズム（フレネルカツ
ト等）を施すと共に、直射系プリズムの中心位置
に光源バルブのフイラメントが位置するように光
源バルブを灯室内に横設した構成が使用されてき
ている。

第１図は従来信号灯として用いられている車輛
用灯具の断面図で、所定の灯火色に着色されたア
ウターレンズａと内側にフルネルカツトを施した
インナーレンズｂとをリムｃに固着すると共に、
このリムｃをハウジングｄの前部開口周縁に取付
けている。また、ハウジングｄの後部開口をバツ
クカバーｇで覆うと共に、このバツクカバーｇに
ソケツトｈを介して光源バルブｅを横置きに保持
したホルダーｆを取付けている。

しかしながらかかる構成では、以下に述べる２
つの大きな欠点を有していた。その第１点目は、
灯室内に光源バルブｅを横置きに保持させて灯具
の薄形化を計つているが、光源バルブｅの点灯に
よつて発生する熱によりフイラメントＦに最も近
接している合成樹脂製のインナーレンズｂの光軸
Ｘ上のＡ点での軟化を防止するために、フイラメ
ントＦとＡ点との距離を無制限に短かくするこ
とができなかつた。換言すれば、Ａ点が軟化しな
い最少の距離を設定せざるを得ないため、これ以
上に灯具を薄形化することができないという欠点
を有していた。第２点目として、上記の距離に
関係して、アウターレンズａからの有効な投射光
立体角θは、上記距離が短かい程大きくなる
が、上記理由により距離が制限されることによ
り、必然的に立体角θも制限される。このこと
は、アウターレンズａをより広い面積に設定し、
しかもレンズ前面が均一照射させる場合等では、
大きな制約となる欠点を有していた。

〈考案の目的〉 本考案は上記欠点を解消すべくなされたもの
で、従来のように光源バルブの直上にインナーレ
ンズを配設することによる灯具薄形化の制約を除
いて更に薄形化ができると共に、併せて投射光の
立体角を大きくできて面積の広いレンズを用いる
ことができ視認性を向上させた車輛用灯具を提供
することを目的とする。

〈考案の構成〉 本考案は、前面レンズとハウジングとで画成し
た灯室の側部に光源バルブと第１焦点及び第２焦
点を有する略楕円形状のリフレクターとを配設す
ると共に、前記第１焦点に前記光源バルブのフイ
ラメントを配設し、前記リフレクターからの反射
光を前記第２焦点に集光させて前記前面レンズに
入射せしめた車輛用灯具である。

〈考案の実施例〉 第２図は本考案を適用した車輛用灯具の要部側
断面図で略示的に示した第１実施例である。前面
レンズ１として本例では、合成樹脂製のアウター
レンズ２とインナーレンズ３とから成り、インナ
ーレンズ３の灯室８がわには断面鋸刃状のフレネ
ルプリズム３１が施され、バルブ光源３がわから
の入射光をアウターレンズ２方向に平行光として
出射するように内部で屈折させる。また、所定色
を有するアウターレンズ２の内方面に魚眼プリズ
ム２１を施して、インナーレンズ３から出射した
平行光を所定の配光域を得るように拡散させる。
一方、インナーレンズ３と平行に灯室８を介して
ハウジング４が形成されると共に、側部に楕円形
状のリフレクター４１を形成する。このリフレク
ター４１は第１焦点F₁と第２焦点F₂とを有し、
第１焦点F₁と第２焦点F₂を結ぶ線を光軸Ｙとす
るように光源バルブ５を配置すると共に、光源バ
ルブ５のフイラメントＦを第１焦点F₁と一致さ
せる。

また本例では、リフレクター４１と対向して略
円形状のリフレクター４２を形成する。このリフ
レクター４２の中心点を第１焦点F₁と一致させ
るようにする。そして、光源バルブ５はソケツト
ホルダー６に保持する。

かかる構成であるから、光源バルブ５の点灯時
には、フイラメントＦから発した光L₁は、楕円
形状のリフレクター４１に反射し、この反射光
L₂は第２焦点F₂に集中されてインナーレンズ３
及びアウターレンズ２２を透過して投射光L₃と
なる。また、フイラメントＦから発した光L₅は
直射光としてインナーレンズ３の他端部付近まで
達して入射し、アウターレンズ２を透過して投射
光L₆となる。さらに本例では略円形状のリフレ
クター４２を配設したことにより、フイラメント
Ｆから発した光L₄はリフレクター４２に反射し
て再びフイラメントＦを通過し、リフレクター４
１に反射して第２焦点F₂に集光されて前記同様
アウターレンズ２から投射される。

上述の如く、光源バルブ５を前面レンズ１と離
れた側部に配置したことにより、前面レンズ１と
ハウジング４との距離Ｔは、従来のように光源バ
ルブの発熱による近接したレンズの軟化を考慮す
ることなくきわめて短かくすることができ、また
光源バルブ５の光はリフレクター４１に反射して
第２焦点F₂に集光して有効な光束として前面レ
ンズ１に入射すると共に、直射光として前面レン
ズ１の最奥部にまで達して入射することにより、
前面レンズ１の全面にわたつて均一に投射するこ
とから、謂ゆる立体角はかなり大きく取れること
になる。

第３図は本考案の他の実施例を示す車輛用灯具
の一部断面図で、本例では前面レンズ１を無色透
明又はスモークド色とし、かつ光源バルブ５がわ
の灯室８に所定の色を着色した着色フイルター７
を覆つたものである。即ち、着色フイルター７を
光源バルブ５がわの前部に覆うことにより、光源
バルブ５の点灯時には、着色フイルター７を透過
した所定色の光を前面レンズ１から投射すると共
に、光源バルブ５の消灯時には、太陽光や後続車
輛の投射するヘツドランプ等の光が前面レンズ１
に当つて反射しても、この反射光は信号灯の所定
色とならないので、あたかも点灯しているように
は見えることがなく安全であり、点灯時の所定色
の投射光と消灯時の前面レンズ１の色とはかなり
違つて見えるので識別が明瞭となる。

〈考案の効果〉 光源バルブを前面レンズとハウジングとで画成
した灯室の側部に備えたので、従来のように光源
バルブの点灯による発熱にてレンズの軟化を考慮
することなく前面レンズとハウジングとの距離を
短かくすることができて灯具の薄形化をより一層
積極的に計ることができると共に、楕円リフレク
ターの一方の焦点と光源バルブのフイラメントと
を一致させることにより、他方の焦点に集光させ
て前面レンズ方向に反射したので有効光束として
前面レンズから投射して所定の配光が得られ、か
つその立体角も大きくとれる等の顕著な効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の車輛用灯具の側断面図、第２図
は本考案を適用した車輛用灯具の第１実施例を示
す一部側断面図、第３図は第２実施例を示す一部
側断面図である。 １…前面レンズ、２…アウターレンズ、３…イ
ンナーレンズ、４…ハウジング、４１…楕円リフ
レクター、４２…円形リフレクター、５…光源バ
ルブ、F₁…第１焦点、F₂…第２焦点、Ｆ…フイ
ラメント、８…灯室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面レンズとハウジングとで画成した灯室の側
   部に光源バルブと第１焦点及び第２焦点を有する
   略楕円形状のリフレクターとを配設すると共に、
   前記第１焦点に前記光源バルブのフイラメントを
   配設し、前記リフレクターからの反射光を前記第
   ２焦点に集光させて前記前面レンズに入射せしめ
   たことを特徴とする車輛用灯具。