JP2527241B2 - 自動車用ヘッドランプ - Google Patents

自動車用ヘッドランプ

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JP2527241B2
JP2527241B2 JP1232870A JP23287089A JP2527241B2 JP 2527241 B2 JP2527241 B2 JP 2527241B2 JP 1232870 A JP1232870 A JP 1232870A JP 23287089 A JP23287089 A JP 23287089A JP 2527241 B2 JP2527241 B2 JP 2527241B2
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隆 落合
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はメインビーム形成用のメインフィラメントと
サブビーム形成用のサブフィラメントとが光軸上に直列
に並ぶH4型バルブを装着した自動車用ヘッドランプであ
って、リフレクターの前面に合成樹脂製のレンズを配置
した自動車用ヘッドッランプに関する。
〔従来技術〕
H4型バルブは、第8図に示されるように、ガラス球体
2内にメインフィラメント3とサブフィラメント4とが
光軸lに沿って直列配置されている。なお符号5aはフィ
ラメント3,4を支持する支柱、符号5bはサブフィラメン
ト4の所定方向への発光を遮るシェードである。
そしてこのH4型バルブを使用するヘッドランプとして
は、第9図に示されるように、メインフィラメント3寄
りにリフレクター6の焦点f1がくるように、リフレクタ
ー6とH4型バルブ1とが配置されており、メインフィラ
メント3を発光させると、リフレクター6での反射光が
光軸lと略平行となって所定のメインビームが得られ、
一方、サブフィラメント4を発光させると、リフレクタ
ー6での反射光がリフレクター6の前方において一旦集
光後拡散されて所定のサブビームが得られるようになっ
ている。なお符号7は、ランプボディ8の前面開口部に
組み付けられて、リフレクター6の前面に配置されたレ
ンズである。
〔発明の解決しようとする課題〕
しかし前記した従来技術では、所定のランプの大きさ
において望ましいサブビームの配光パターンを得るため
には、サブフィラメント4の発光によるリフレクター6
での反射光の集光点Cがちょうどレンズ7の近傍位置と
なる。このためレンズ7がガラス製の場合には問題がな
いが、合成樹脂製の場合には集光するサブビームのエネ
ルギーによってレンズが発熱し、熱変形するおそれがあ
るという問題がある。特に、最近では合成樹脂製レンズ
の表面硬化処理技術等が改善されて、ガラス製レンズに
近い耐久性、高級感、および重量感等が得られるに至
り、ガラスに代わって製造の容易な合成樹脂製レンズが
用いられる傾向にあり、このためレンズの熱変形という
新たな問題が提起されるに至っている。
本発明は前記した従来技術の問題点に鑑みなされたも
ので、その目的は合成樹脂製レンズの熱変形のおそれの
ない自動車用ヘッドランプを提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
前記目的を達成するために、本発明に係る自動車用ヘ
ッドランプにおいては、メインビーム形成用のメインフ
ィラメントとサブビーム形成用のサブフィラメントとが
光軸上に直列に並ぶH4型バルブのメインフィラメント寄
りにリフレクターの焦点がくるようにH4型バルブとリフ
レクターとを配置するとともに、リフレクターの前面に
合成樹脂製レンズを配置した自動車用ヘッドランプにお
いて、前記リフレクターのサブビーム形成用の反射面
を、焦点位置を共通とする焦点距離の異なるリング状の
複数の反射放物面により形成するようにしたものであ
る。
〔作用〕
リフレクターのサブビーム形成用の反射面を形成する
焦点共通のリング状の複数の反射放物面は焦点距離をそ
れぞれ異にするので、サブフィラメントの発光によるそ
れぞれの反射放物面での反射光の焦点光が光軸方向に互
いに離間し、サブビームのエネルギーの一点への集中を
防ぎ、合成樹脂製レンズの発熱を防ぐ。
〔実施例〕
次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図〜第7図は本発明の一実施例を示すもので、第
1図はサイドランプの一体化された自動車用ヘッドラン
プの正面図、第2図は同ランプの水平断面図で、第1図
に示す線II-IIに沿う断面図、第3図はヘッドランプ側
の第1のリフレクターを抜き出して示す正面図、第3図
(a),(b)は第1のリフレクターの一部である第3
反射放物面の配置を説明する説明図、第4図はヘッドラ
ンプ側の第1のリフレクターによって形成されるサブビ
ームの配光パターンを示す図、第4図(a)〜(c)は
同リフレクターのそれぞれの反射放物面が形成するそれ
ぞれの配光パターンを示す図、第5図〜第7図は同ラン
プの縦断面図で、それぞれ第1図に示す線V-V,線VI-VI,
線VII-VIIに沿う断面図である。
これらの図において、符号10はランプボディであり、
ランプボディ10内には内面アルミ蒸着処理されたヘッド
ランプ用の第1のリフレクター12が玉継手構造の揺動支
点14、左右方向エイミング点15、上下方向エイミング点
16の3点によって支持されている。第1のリフレクター
12の前方には、サイドランプ用のリフレクター34にリフ
レクターユニット30として一体化された第2のリフレク
ター32が配置され、リフレクターユニット30の前方に
は、ランプボディ10の前面開口部に組付けられたレンズ
40が配置されている。
リフレクター12の揺動支点14は、第5図に示されるよ
うに、ランプボディ内部に突設された球部14aがリフレ
クター側のブラケット14bに嵌着されたソケット部14cに
支承された構造で、球部14aとソケット部14cとはユニバ
ーサルな動きが可能である。左右方向エイミング点15及
び上下方向エイミング点16は、第2図及び第5図に示さ
れるように、ランプボディ10に回動可能に支承されたエ
イミングスクリュー15a,16aがリフレクター側のブラケ
ット15b,16bに嵌着されたナット15c,16cに螺合する構造
で、エイミングスクリュー15a,16aの回動によりナット1
5c,16c位置がスクリュー15a,16aの軸方向に前後に移動
するようになっている。左右方向エイミング点15と上下
方向エイミング点16は、ランプ正面から見ると第1図に
示されるように、揺動支点14に対し直交配置されてお
り、リフレクター12は、揺動支点14と左右方向エイミン
グ点15を通る水平軸Lx、及び揺動支点14と上下エイミン
グ点16を通る垂直軸Ly周りにそれぞれ傾動可能に支持さ
れている。そしてエイミングスクリュー15a,16aを回動
操作することにより、リフレクター12は垂直軸Ly,水平
軸Lx周りにそれぞれ傾動してヘッドランプの照射方向を
調整できるようになっている。
リフレクター12は容器形状とされており、湾曲する背
面壁の後頂部にはバルブ挿着孔13が形成されており、こ
こにH4型バルブ20が挿着されている。H4型バルブ20は、
ガラス球体2内にメインビーム形成用のメインフィラメ
ント3と、サブビーム形成用のサブフィラメント4とが
光軸方向直列に配置されており、その構造は第8図に示
す従来公知のH4型バルブ1と同一であり、その詳細な説
明は省略する。そして両フィラメント3,4間のメインフ
ィラメント3寄りにリフレクター12の焦点fがくるよう
にバルブ20とリフレクター12とが配置されている。
第3図はリフレクター12を抜き出して正面から見た図
であるが、リフレクター12の上側略半分の領域には、サ
ブビーム及びメインビームの配光に寄与するサブ&メイ
ンビーム用反射面70が形成され、このサブ&メインビー
ム用反射面70の下側領域には、メインビームの配光にの
み寄与するメインビーム用反射面80が形成されている。
なおサブフィラメント4の下方には第8図符号5bに示さ
れるようなシェードが設けられて、サブフィラメント4
からメインビーム用反射面80に向かう光を遮るようにな
っているので、メインビーム用反射面80はサブビームの
配光には一切寄与せず、メインビームの配光のみに寄与
する領域である。
サブ&メインビーム用反射面70は、バルブ挿着孔13か
ら同心状に所定距離離れた位置からリフレクターの左右
両側縁部に至る広範囲な領域に形成され、焦点距離が30
mmで、焦点をfとするホットゾーン形成用の第1反射放
物面F30と、この第1反射放物面F30の内側のバルブ挿着
孔13を取り囲んだ領域に形成され、焦点距離が25mmと短
く、焦点をfとする周辺ゾーン形成用の第2反射放物面
F25と、反射放物面の光軸l1,l2をバルブ20の光軸lと交
叉する方向(第3図(a),(b)に示されるように、
バルブ挿着孔13の右側半分の反射放物面では光軸l1を矢
印A方向に、左側半分の反射放物面では光軸l2を矢印B
方向)にそれぞれ傾斜させて、バルブ挿着孔13の周縁部
周りにリング状に形成され、焦点距離が28mmで焦点をf
とする周縁ゾーン形成用の第3反射放物面F28とから形
成されている。そしてサブ&メインビーム用反射面70を
形成する各反射放物面F30,F25,F28で反射されてランプ
前方に出射するサブビームを符号L1,L2,L3で示すと、第
1反射放物面F30は、サブフィラメント4の発光を第2
図符号L1に示すように反射し、ビームL1はレンズ40前方
の集光点C1に一旦集光後拡散して、第4図に示すサブビ
ームの配光パターンの内、主に第4図(a)に示すホッ
トゾーンを照明する。また第2反射放物面F25はサブフ
ィラメント4の発光を第2図符号L2に示すように反射
し、ビームL2はレンズ40後方の集光点C2に一旦集光後拡
散して、第4図に示す配光パターンの内、主に第4図
(b)に示す周辺ゾーンを照明する。また第3反射放物
面F28は、サブフィラメント23の発光を第2図符号L3
示すように反射し、レンズ40後方の集光点C3に一旦集光
後拡散して、第4図示す配光パターンの内、主に第4図
(c)に示す左右の周縁ゾーンを局所的に照明し、側方
の視認性を高めている。そしてこれらのビームL1,L2,L3
によって作られる第4図(a)〜(c)に示される配光
パターンが合成されて、第4図に示される所定の望まし
いサブビームの配光パターンが得られる。
そしてそれぞれのビームL1,L2,L3の集光点C1,C2,C
3は、第2図に示されるように、光軸lの前後方向にそ
れぞれずれた位置となっている。従って第9図に示す従
来のサブビームのように一点にのみ集光することがない
ので、3つの各集光点C1,C2,C3におけるそれぞれの光の
エネルギーは従来技術の集光点における光のエネルギー
に比べて小さく、合成樹脂製レンズ40が熱変形する等の
不具合もない。
なおメインビーム用反射面80は、集点距離が20mmの反
射放物面F20によって形成され、この反射放物面F20はメ
インフィラメント3の発光を第2図矢印L4に示すように
反射し、このビームL4はサブ&メインビーム用反射面70
(F30,F25,F28)でのメインビームの反射光(図示せ
ず)と一体となって光軸lに略平行なメインビームを形
成するようになっている。
符号11はランプボディ背面壁に形成されているバルブ
着脱用の開口部で、リフレクター12に挿着されたバルブ
20のソケット部22と開口部形成壁11a間には円盤形状の
ゴムキャップ24が介装されて、この開口部11が閉塞され
ている。またランプボディ10の背面壁には、サイドラン
プ用バルブ挿着孔13aが形成されており、このバルブ挿
着孔13aにサイドランプ用のバルブ26が挿着されてい
る。
ヘッドランプ用リフレクター12の前方に配置されてい
るリフレクターユニット30は、ヘッドランプ用リフレク
ター12の開口端を取り囲む第2のリフレクター32と、サ
イドランプ側のリフレクター34とが一体化された構造
で、合成樹脂の一体成形によって作られている。この第
2のリフレクター32は帯状の枠領域で囲まれた矩形状と
され、リフレクター34はバルブ突出用開口部35の形成さ
れた湾曲底面を有する浅い容器状とされ、リフレクター
32,34の前面側はヘッドランプ側の第1のリフレクター1
2に近い銀色のクロム鍍金塗装がされている。また第2
のリフレクター32の左右両側壁32a,32bは第1のリフレ
クター12の左右の側壁12a,12bの延長された位置形状と
されており、バルブ20のフィラメントの発光を反射して
配光に寄与するとともに、バルブ非点灯時におけるヘッ
ドランプ内を銀色の単一色に見せてランプの見栄えを良
好ならしめている。一方、サイドランプ側リフレクター
34はバルブ26のフィラメントの発光を反射して配光に寄
与するという機能は少ないが、ヘッドランプ側の第2の
リフレクター32と同様、非点灯時におけるランプ内を銀
色の単一色に見せるという働きがある。
ランプボディ10の前面開口部周縁にはシール溝18が周
設されており、このシール溝18にシール脚45を係合させ
て合成樹脂製の前面レンズ40が組付けられており、第2
図及び第7図に示されるように、リフレクターユニット
30はこの前面レンズ40にねじ締結されている。即ち、前
面レンズ40の上下の側壁41,42及び右側壁43の内側に
は、ねじ螺入孔の形成されているボス46が突出されてお
り、リフレクターユニット30側に形成した係合フランジ
部36にねじ挿通孔が形成され、このねじ挿通孔に配した
ねじ38をレンズ側のねじ螺入孔に螺入させることによ
り、リフレクターユニット30と前面レンズ40とが一体化
されている。ねじ締結部31は、ランプを正面から見て第
2のリフレクター32の矩形コーナ部(第7図参照)及び
サイドランプ用リフレクター34の右端部(第2図参照)
の計5ヵ所に設けられている。
図5,6,7に示されるように、前面レンズ40の下方に
は、レンズ下側壁42を担持するリブ50が延設されてお
り、レンズ下側壁42に対向する符号52で示すリブ50の上
面側にはアルミ蒸着処理が施されている。従ってランプ
非点灯時において第2のリフレクター32の下側壁32cの
前方領域も銀色に見え、ランプの見栄えが一層良好とな
っている。なお、リブ50はねじ51(第6図参照)によっ
てランプボディ底面側のシール溝18形成壁に固定されて
いる。第1図符号51aはねじ締結部を示している。また
前面レンズ40の上下左右側壁外側には符号60で示される
黒色つや消し塗装領域が形成されており、前面レンズ40
の側壁からの漏光を防ぐようになっている。なお符号62
は車体の一部を示す。
〔発明の効果〕
以上の説明から明かなように、本発明に係る自動車用
ヘッドランプにおいては、リフレクターのサブビーム形
成用の反射面を、焦点を共通とし焦点距離を異にするリ
ング状の複数の反射放物面によって形成したので、サブ
ビームが一点にのみ集光することがなくなって、合成樹
脂製レンズの熱変形を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例である自動車用ヘッドランプ
の正面図、第2図は同ランプの水平断面図で、第1図に
示す線II-IIに沿う断面図、第3図はヘッドランプの第
1のリフレクターを抜き出して示す正面図、第3図
(a),(b)は第1のリフレクターの一部である第3
反射放物面の配置を説明する説明図、第4図はヘッドラ
ンプのサブビームによる配光パターンを示す図、第4図
(a)〜(c)はヘッドランプの第1のリフレクターに
形成されたサブ&メインビーム用反射面を形成する各反
射放物面による配光パターンを示す図、第5図〜第7図
は同ランプの縦断面図で、それぞれ第1図に示す線V-V,
線VI-VI,線VII-VIIに沿う断面図、第8図はH4型バルブ
のガラス球体部の斜視図、第9図は従来技術を示すヘッ
ドランプの水平断面図である。 2……ガラス球体、3……メインフィラメント、4……
サブフィラメント、10……ランプボディ、12……ヘッド
ランプ用の第1のリフレクター、20……H4型バルブ、40
……レンズ、70……サブ&メインビーム用反射面、80…
…アッパービーム用反射面、F30,F25,F28……サブ&メ
インビーム用反射面の一部を形成する反射放物面、F20
……メインビーム用反射面を形成する反射放物面、f…
…第1のリフレクターの焦点、C1,C2,C3……サブビーム
の集光点、L1,L2,L3……サブビーム、L4……メインビー
ム。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メインビーム形成用のメインフィラメント
    とサブビーム形成用のサブフィラメントとが光軸上に直
    列に並ぶH4型バルブのメインフィラメント寄りにリフレ
    クターの焦点がくるようにH4型バルブとリフレクターと
    を配置するとともに、リフレクターの前面に合成樹脂製
    レンズを配置した自動車用ヘッドランプにおいて、前記
    リフレクターのサブビーム形成用の反射面は、焦点位置
    を共通とする焦点距離の異なるリング状の複数の反射放
    物面により形成されてなることを特徴とする自動車用ヘ
    ッドランプ。
JP1232870A 1989-09-11 1989-09-11 自動車用ヘッドランプ Expired - Lifetime JP2527241B2 (ja)

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