JP3637866B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入出力軸受として円すいころ軸受が適用されたトロイダル型無段変速機の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
円すいころ軸受は、その空間容積を同じにした場合、負荷容量が玉軸受の約2〜2.5倍程度もある。換言すると、同じ負荷容量では玉軸受に代え円すいころ軸受を用いることで、周辺部品をコンパクトな設計にすることができる。さらに、玉軸受や円筒ころ軸受に比べ、ラジアル,スラスト両方向の大きな荷重を受けることができ、且つ、剛性が高いため、例えば、特開平9−4688号公報に示すように、トロイダル型無段変速機の入出力軸受として採用されている。
【0003】
しかし、円すいころ軸受は、玉軸受などに比較して、一般的には摩擦トルクが大きく、発熱が高いという欠点を持っている。これは、円すいころ軸受の内輪つばところ端面がすべり接触しているためであり、焼き付きや摩耗などがこの部分に発生し易いことが知られている。
【0004】
例えば、実開平5−87330号公報に記載されている普通の円すいころ軸受は、図8に示すように、内外輪軌道面及びころの円すい頂点が軸受中心線上の一点で一致するように設計されているため、ころは内外輪軌道面に対して純転がり運動をすることができるが、内外輪の角度が異なるため、ころを大つば方向に押す力が発生する。このため、ころ大径面が大つば面に押し付けられて案内され、すべり接触する。
【0005】
この接触部の形状について、前記円すいころ軸受では、図9に示すように、ころ大径端面を半径Rの球面とし、大つばを軸受回転軸上に中心を持つ円すい内周面形状としている。
【0006】
ここで、大つば面から円すい頂点までの距離をYとすると、
R<Y
となっている。したがって、この接触部は、ヘルツ(Hertz)の点接触となり、接触面は楕円形状となる。また、ころ大径端面の主曲率半径R11,R12及び大つば面の主曲率半径R21,R22は、
11=R12=R …(1)
21=∞ …(2)
22=−Y …(3)
となる。ここで、R11とR21はころ半径方向の曲率半径、R12とR22はそれに直交するころ円周方向の曲率半径である。それぞれの方向の合成曲率ρ,ρ(=1/等価曲率半径)は、
ρ=(1/R11)+(1/R21)=1/R …(4)
ρ=(1/R12)+(1/R22)=(1/R)−(1/Y)…(5)
よって、
ρ>ρ
となり、接触面は、図10に示すように、ころ円周方向に長軸を持つ楕円となる。このとき、接触楕円がころ大径端面と大つば面の重なり合う部分からはみ出すと、エッジ当たりとなり「かじり」を発生するため、楕円がころ大径端面と大つば面の重なり合う部分からはみ出さないようにRが決定されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の円すいころ軸受をトロイダル型無段変速機の入出力軸受として適用した場合、下記の理由により、変速機効率が悪化するという問題がある。
【0008】
すなわち、ころ大径端面と大つば面の接触部はすべり運動を行うが、直接接触するわけではなく、間に油膜を介することで、摩擦係数を小さくし、軸受の回転トルクを抑えている。しかしながら、軸受への荷重が大きくなり、ころ大径端面と大つば面の接触面圧が高くなると、油膜が薄くなり、ころ大径端面と大つば面とが直接接触するため、摩擦係数が大きくなる。トロイダル型無段変速機の入出力軸受には非常に大きな荷重が働くため、摩擦係数が大きくなるという問題により軸受トルクが大きくなり、変速機効率が悪化する。
【0009】
この問題を解決するためには、接触楕円の面積を大きくし、接触面圧を下げる必要がある。距離Yは軸受諸元によって決定される(変更できない)ため、ころ大径端面の半径Rを大きくすることになるが、その場合、上記(4),(5)の式から合成曲率ρ,ρの両方が小さくなり、接触楕円の長軸と短軸の両方が大きくなってしまう。ところが、ころ大径端面と大つば面が重なり合う部分のころ円周方向長さは、ころ外径によって決定されるため、図11に示すように、接触楕円がころ外径からはみ出してしまい、接触面積を大きくすることができない。よって、接触面圧を大きく下げることはできない。
【0010】
このような問題点を克服するため、「KOYO Engineering Journal No.127(1985)」の第52頁〜第58頁の“LFT軸受について”には、図12に示すように、大つば面を曲率半径Rによる凹曲面にすることが記載されている。すなわち、
11=R12=R …(6)
21=−R …(7)
22=−Y …(8)
として、合成曲率ρを変えず合成曲率ρだけ小さくすることで、図13に示すように、接触楕円をころ半径方向にだけ大きくし、接触面積を大きくすることで、接触面圧を下げている。
【0011】
しかしながら、大つばは内輪又は外輪と一体化されているし、凹曲面の曲率半径Rが大きいわりに長さが短く、また、工具が入りにくいため、加工難易度が高く、コスト高になるし、精度も出難いという問題がある。
【0012】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、加工容易性を確保しながら、変速機効率の悪化を招く軸受損失を小さく抑えることができるトロイダル型無段変速機を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、入力部材に連結された入力ディスクと、出力部材に連結された出力ディスクと、これら入出力ディスクの対向曲面に挟持されるパワーローラと、前記入力部材及び出力部材を変速機ケースにそれぞれ支持する入力軸受及び出力軸受とを備え、前記入力軸受及び出力軸受として円すいころ軸受が用いられているトロイダル型無段変速機において、
前記円すいころ軸受のうち、内輪又は外輪の大つば面は、軸受回転軸上の点に中心を持つ円すい内面形状とし、
前記内輪又は外輪の大つば面と接触する円すいころのころ大径端面は、2つの曲率中心を持ち、かつ、ころ周方向の曲率半径よりもころ半径方向の曲率半径を大きく設定した合成曲率面形状であることを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明では、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機において、
前記円すいころ軸受のころ大径端面の曲面形状は、ころ中心軸上にころ周方向の曲率中心を設定し、該ころ周方向の曲率中心と前記大つば面の接触楕円中心とを結ぶ線の延長上にころ半径方向の曲率中心を設定し、該ころ半径方向の曲率中心を持つ円弧を、ころ中心軸回りに回転させた形状であることを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明では、請求項1または請求項2に記載のトロイダル型無段変速機において、
前記円すいころ軸受は、内輪の大つばの外径が、ころ中心軸の位置よりも大きく設定された軸受であることを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明では、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のトロイダル型無段変速機において、
前記円すいころ軸受は、ころ半径方向の合成曲率をρ、ころ円周方向の合成曲率をρとしたとき、ころ大径端面と大つば面の接触部において、ρの関係が成立する設定とした軸受であることを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の発明では、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のトロイダル型無段変速機において、
前記円すいころ軸受は、大つば面から円すい頂点までの距離Yに対して、ころ大径端面の半径方向曲率半径R11が、Y×1.5<R11の関係が成立する設定とした軸受であることを特徴とする。
【0018】
【発明の作用および効果】
請求項1記載の発明にあっては、円すいころ軸受のころ大径端面と大つば面の接触部は油膜を介してすべり運動を行うが、トロイダル型無段変速機の入出力軸受として用いられる場合、軸受荷重が大きくなり、ころ大径端面と大つば面の接触面圧が高くなると、油膜が薄くなり、ころ大径端面と大つば面とが直接接触するため、摩擦係数が大きくなり、これにより軸受トルク(軸受損失)が大きくなる。
【0019】
この問題を解決するためには、ころ大径端面と大つば面との接触面積を大きくし、接触面圧を下げる必要があるのに対し、大つば面は円すい面のままとし、ころ大径端面を、ころ周方向の曲率半径よりころ半径方向の曲率半径を大きくした合成曲率面形状としたため、滑り接触する接触面は接触楕円となり、また、ころ大径端面の曲率中心がただ1つの普通の円すいころ軸受に対し、2つの曲率中心を持ちそれぞれ独立で曲率半径を設定されることで、長軸方向(ころ周方向)の長さはそのままで、短軸方向(ころ半径方向)の長さだけを長くすることができる。
【0020】
よって、凹曲面加工に比べ大つば面の加工容易性を確保しながら、ころ大径端面と大つば面との接触面圧の低下を図ることにより、変速機効率の悪化を招く軸受損失を小さく抑えることができる。
【0021】
請求項2記載の発明にあっては、円すいころ軸受のころ大径端面の合成曲率面形状が、ころ中心軸上にころ周方向の曲率中心を設定し、該ころ周方向の曲率中心と前記大つば面の接触楕円中心とを結ぶ線の延長上にころ半径方向の曲率中心を設定し、該ころ半径方向の曲率中心を持つ円弧を、ころ中心軸回りに回転させることにより形成されるため、大つば面を凹曲面とする場合に比べ、容易な加工によりころ大径端面の合成曲率面形状を形成することができる。
【0022】
請求項3記載の発明にあっては、円すいころ軸受は、内輪の大つばの外径が、ころ中心軸の位置よりも大きく設定されるため、接触楕円をころ半径方向に大きくしても、大つば面からのはみ出しを最大限に防ぐことができる。
【0023】
請求項4記載の発明にあっては、円すいころ軸受は、ころ半径方向の合成曲率をρ、ころ円周方向の合成曲率をρとしたとき、ころ大径端面と大つば面の接触部において、ρ>ρの関係が成立する設定とされるため、接触楕円はころ半径方向に短軸を持つ。
【0024】
よって、軌道面から接触楕円中心までの高さを小さく抑えることができ、接触楕円面積の確保により、損失トルクを小さく抑えることができる。
【0025】
請求項5記載の発明にあっては、円すいころ軸受は、大つば面から円すい頂点までの距離Yに対して、ころ大径端面の半径方向曲率半径R11が、Y×1.5<R11の関係が成立する設定とされるため、大幅な面圧低減による軸受損失低減が可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、第一実施例〜第四実施例により図面に基づいて説明する。
【0027】
(第一実施例)
まず、構成を説明する。
【0028】
図1は第一実施例のトロイダル型無段変速機を示す断面図で、エンジンからの駆動力が入力される入力軸1(入力部材)に連結された入力ディスク2と、出力ギア3(出力部材)に連結された出力ディスク4と、これら入出力ディスク2,4の対向曲面に挟持される一対のパワーローラ5,5と、前記入力軸1及び出力ギア3を変速機ケース6にそれぞれ支持する入力軸受7及び出力軸受8とを備えている。
【0029】
前記入力軸1は、その先端部(図面左端部)が変速機ケース6に対しニードルベアリング9により回転可能に支持されている。この入力軸1の先端部には、カムフランジ10がスプライン結合され、該カムフランジ10と入力ディスク2との間には、入力トルクの大きさに応じて入力ディスク2を押圧するローディングカム機構11が介装されていて、初期荷重は入力軸1のエンジン側端部に配置された皿バネ12により得られる。入力軸1のエンジン側端部には、皿バネ12により付勢されるスペーサ13が摺動可能に設けられ、このスペーサ13と変速機ケース6との間に入力軸受7が介装されている。
【0030】
前記入出力ディスク2,4の対向曲面に挟持される一対のパワーローラ5,5は、パワーローラ支持部材としてのトラニオン14,14に対し回転可能に支持されている。このトラニオン14,14には、図外の変速油圧ユニットにより変速時に傾転軸方向(図面に垂直方向)に変位が与えられる。
【0031】
前記出力ディスク4と出力ギア3は一体的に結合されていて、出力ギア3のフランジ部3aと変速機ケース6との間に出力軸受8が介装されていて、前記入力軸受7と出力軸受8とは、スナップリング15を介して隣接する位置に対向配置されている。
【0032】
前記入力軸受7及び出力軸受8として、2つの軸受7,8は共に同じ構造を持つ円すいころ軸受Aが用いられている。
【0033】
図2は第一実施例の円すいころ軸受A1を示す図で、内輪20と外輪30と円すいころ40を有して構成されていて、前記内輪20には、大つば21が一体的に形成され、前記円すいころ40には、ころ小径端面41ところ大径端面42が形成されている。なお、前記大つば21の内面が、大つば面22とされる。
【0034】
そして、円すいころ軸受A1は、ころ大径端面42を下記に述べる曲面形状とし、内輪20の大つば面22を軸受回転軸L上の点Oに中心を持つ円すい内周面形状とすることで、大径端面42と大つば面22とを滑り接触させている。
【0035】
ころ大径端面42の曲面形状は、図2に示すように、ころ中心軸Cの反対側の点Oに中心を持つ円弧を、ころ中心軸C回りに回転させた形状としている。ここで、ころ大径端面42のころ半径方向の曲率半径 11 ところ周方向の曲率半径 12 は、下記の式のようになる。
【0036】
11=O
12=O
21=∞
22=−Y
ここで、点Pは、ころ大径端面42と大つば面22の接触楕円中心、点Oは、OPところ中心軸Cとの交点である。
【0037】
よって、R11>R12、つまり、ころ大径端面42のころ周方向の曲率半径R12よりも、ころ半径方向の曲率半径R11が大きく設定された合成曲率面形状である。
【0038】
次に、作用を説明する。
【0039】
エンジン駆動力は、入力軸1→カムフランジ10→ローディングカム機構11→入力ディスク2→パワーローラ5→出力ディスク4→出力ギア3を経過して車輪側へ伝達され、その変速比は、パワーローラ5の傾転角度により決まり、パワーローラ5の傾転角度を変化させることで無段階に変速比が制御されるが、このとき、入力ディスク2に作用する力を受ける入力軸受7と出力ディスク4に作用する力を受ける出力ディスク8には、非常に大きな荷重が作用する。
【0040】
一方、入出力軸受7,8として用いられる円すいころ軸受A1のころ大径端面42と大つば面22の接触部は油膜を介してすべり運動を行うが、上記のように入出力軸受7,8への荷重が大きくなり、ころ大径端面42と大つば面22の接触面圧が高くなると、油膜が薄くなり、ころ大径端面42と大つば面22とが直接接触するため、摩擦係数が大きくなり、これにより軸受トルク(軸受損失)が大きくなる。
【0041】
この問題を解決するためには、ころ大径端面42と大つば面22の接触面積を大きくし、接触面圧を下げる必要があるのに対し、第一実施例では、ころ大径端面42の曲面形状を、R11ころ半径方向の曲率半径)>R12ころ周方向の曲率半径)という設定としたため、接触面積が接触楕円となり、また、ころ大径端面の曲率中心がただ1つの普通の円すいころ軸受に対し、2つの曲率中心の点O,Oを持ち、それぞれ独立で曲率半径を設定されることで、普通の円すいころ軸受に対し、接触楕円の長軸方向の長さはそのままで、短軸方向の長さだけを長くすることができる。
【0042】
よって、図3に示すように、ころ大径端面42と大つば面22の重なり合う部分からはみ出さない範囲で接触楕円を極力大きくすることが可能となり、接触面圧低下による軸受損失の低減を図ることができる。
【0043】
なお、本第一実施例においては、中心点Oを配置する場所を変えることにより、OPとOP、すなわち、R11とR12をそれぞれ自由に設定できるため、接触楕円の形状を任意に変更できる。
【0044】
次に、効果を説明する。
【0045】
(1) 円すいころ軸受A1は、内輪20の大つば面22を軸受回転軸L上の点Oに中心を持つ円すい内周面形状とし、ころ大径端面42の曲面形状を、R11>R12という設定としたため、凹曲面加工に比べ大つば面22の加工容易性を確保しながら、ころ大径端面42と大つば面22との接触面圧の低下を図ることにより、変速機効率の悪化を招く軸受損失を小さく抑えることができる。
【0046】
(2) ころ大径端面42の曲面形状を、ころ中心軸Cの反対側の点Oに中心を持つ円弧を、ころ中心軸C回りに回転させた形状としたため、ころ大径端面42を簡単に加工することができる。
【0047】
(第二実施例)
第二実施例は請求項3に記載の発明に対応する。まず、構成を説明すると、この第二の実施例は、図4に示すように、基本的には第一実施例と同じであるが、円すいころ軸受A2は、内輪20の大つばの外径が、ころ中心軸Cの位置よりも大きく設定されている。なお、他の構成は第1実施例と同様であるので対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
【0048】
次に、作用効果を説明する。
【0049】
ころ大径端面42の曲面形状を、第一実施例と同様に、R11>R12という設定とし、接触楕円をころ半径方向に大きくしても、大つば面22の高さにより制限を受けてしまう。
【0050】
しかし、この第二実施例では、内輪20の大つばの外径を、ころ中心軸Cの位置よりも大きく設定することにより、図5に示すように、ころ大径端面42と大つば面22の重なり合う部分を最大限に大きくでき、これにより第一実施例よりさらに接触楕円の面積を拡大することが可能である。
【0051】
よって、この第二実施例では、第一実施例の作用効果に加え、接触楕円をころ半径方向に大きくしても、大つば面22からのはみ出しを防止でき、接触楕円の面積を最大限確保することにより、ころ大径端面42と大つば面22との接触面圧のさらなる低下を図ることができる。
【0052】
(第三実施例)
第三実施例は請求項4に記載の発明に対応する。まず、構成を説明すると、この第三実施例は、基本的には第一実施例と同じであり、図示を省略するが、円すいころ軸受A4は、ころ半径方向の合成曲率をρ、ころ円周方向の合成曲率をρとしたとき、ころ大径端面42と大つば面22の接触部において、ρ>ρの関係が成立する設定としている。したがって、接触面は常にころ円周方向に長軸を持つ楕円となる。なお、他の構成は第一実施例と同様である。
【0053】
作用効果を説明すると、ころ大径端面42と大つば面22との重なり合う部分は、ころ円周方向に長いので、ρ>ρとし、接触楕円の長軸をころ円周方向に向けることで、接触楕円の面積を最大限に大きくすることができる。
【0054】
(第四実施例)
第四実施例は請求項5に記載の発明に対応する。まず、構成を説明すると、この第四実施例は、図6に示すように、基本的には第一実施例と同じであるが、円すいころ軸受A4は、大つば面22から円すい頂点までの距離Yに対して、ころ大径端面の半径方向曲率半径R11が、Y×1.5<R11の関係が成立する設定としている。なお、ころ円周方向曲率半径R12は距離Yより小さい。
【0055】
作用効果を説明すると、Witteの計算「ASLE PREPRINT,72LC-2C-1」(1972)による大つば面22の摩擦係数に対するR11/Yの影響を計算した図7をみると、R11/Yを150%以上にすることにより、摩擦係数は0.0005程度以下にすることができ、十分に面圧低減効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例のトロイダル型無段変速機を示す断面図である。
【図2】第一実施例のトロイダル型無段変速機の円すいころ軸受を示す図である。
【図3】第一実施例のトロイダル型無段変速機の円すいころ軸受による接触楕円を示す図である。
【図4】第二実施例のトロイダル型無段変速機の円すいころ軸受を示す図である。
【図5】第二実施例のトロイダル型無段変速機の円すいころ軸受による接触楕円を示す図である。
【図6】第四実施例のトロイダル型無段変速機の円すいころ軸受を示す図である。
【図7】第四実施例のトロイダル型無段変速機におけるR11/Y(%)に対する摩擦係数特性図である。
【図8】従来のトロイダル型無段変速機における円すいころ軸受の円すいころの設定を示す図である。
【図9】従来のトロイダル型無段変速機における円すいころ軸受のころ大径端面と大つば面の設定を示す図である。
【図10】従来のトロイダル型無段変速機の円すいころ軸受による接触楕円を示す図である。
【図11】従来のトロイダル型無段変速機の円すいころ軸受でころ大径端面の曲率半径を大きくした場合の接触楕円を示す図である。
【図12】従来の円すいころ軸受において大つば面を凹曲面にした例を示す図である。
【図13】図12に示す従来例の円すいころ軸受による接触楕円を示す図である。
【符号の説明】
1 入力軸(入力部材)
2 入力ディスク
3 出力ギア(出力部材)
3a フランジ部
4 出力ディスク
5 パワーローラ
6 変速機ケース
7 入力軸受
8 出力軸受
9 ニードルベアリング
10 カムフランジ
11 ローディングカム機構
12 皿バネ
13 スペーサ
14 トラニオン
15 スナップリング
A 円すいころ軸受
20内輪
21 大つば
22 大つば面
30 外輪
40 円すいころ
41 ころ小径端面
42 ころ大径端面
L 軸受回転軸
C ころ中心軸
11 ころ周方向の曲率半径
12 ころ半径方向の曲率半径
P 接触楕円中心

Claims (5)

  1. 入力部材に連結された入力ディスクと、出力部材に連結された出力ディスクと、これら入出力ディスクの対向曲面に挟持されるパワーローラと、前記入力部材及び出力部材を変速機ケースにそれぞれ支持する入力軸受及び出力軸受とを備え、前記入力軸受及び出力軸受として円すいころ軸受が用いられているトロイダル型無段変速機において、
    前記円すいころ軸受のうち、内輪又は外輪の大つば面は、軸受回転軸上の点に中心を持つ円すい内面形状とし、
    前記内輪又は外輪の大つば面と接触する円すいころのころ大径端面は、2つの曲率中心を持ち、かつ、ころ周方向の曲率半径よりもころ半径方向の曲率半径を大きく設定した合成曲率面形状であることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 請求項1に記載のトロイダル型無段変速機において、
    前記円すいころ軸受のころ大径端面の合成曲率面形状は、ころ中心軸上にころ周方向の曲率中心を設定し、該ころ周方向の曲率中心と前記大つば面の接触楕円中心とを結ぶ線の延長上にころ半径方向の曲率中心を設定し、該ころ半径方向の曲率中心を持つ円弧を、ころ中心軸回りに回転させた形状であることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  3. 請求項1または請求項2に記載のトロイダル型無段変速機において、
    前記円すいころ軸受は、内輪の大つばの外径が、ころ中心軸の位置よりも大きく設定された軸受であることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のトロイダル型無段変速機において、
    前記円すいころ軸受は、ころ半径方向の合成曲率をρ、ころ円周方向の合成曲率をρとしたとき、ころ大径端面と大つば面の接触部において、ρの関係が成立する設定とした軸受であることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のトロイダル型無段変速機において、
    前記円すいころ軸受は、大つば面から円すい頂点までの距離Yに対して、ころ大径端面の半径方向曲率半径R11が、Y×1.5<R11の関係が成立する設定とした軸受であることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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